JP2002214402A - 反射防止積層体 - Google Patents

反射防止積層体

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JP2002214402A
JP2002214402A JP2001010940A JP2001010940A JP2002214402A JP 2002214402 A JP2002214402 A JP 2002214402A JP 2001010940 A JP2001010940 A JP 2001010940A JP 2001010940 A JP2001010940 A JP 2001010940A JP 2002214402 A JP2002214402 A JP 2002214402A
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JP2001010940A
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Kazutoshi Kiyokawa
和利 清川
Tetsuya Takahashi
哲哉 高橋
Mitsuo Fujiwara
光男 藤原
Junichi Arai
潤一 新井
Haruo Uyama
晴夫 宇山
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、可視光吸収膜の酸化防止を可能とし
た、酸化防止膜を設ける必要のない、基材/可視光吸収
膜/低屈折率膜の構成を基本とする低コストの導電性反
射防止積層体を提供することを目的とするものである。 【解決手段】透明性を有する基材上に、少なくとも可視
光吸収層および低屈折率層が形成された反射防止効果を
有する積層体であって、低屈折率層が蒸着膜であること
を特徴とする反射防止積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてCRTな
どのディスプレイの表面に適用される反射防止積層体お
よびその製造方法に関する。より詳しくは、導電性を有
する反射防止積層体に関し、さらに係る反射防止積層体
を安価に、かつ性能を維持しつつ目的を達成する構成の
射防止積層体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディスプレイの多くは、室内
外を問わず外光等が入射するような環境下で使用され
る。ディスプレイに入射した外光は、ディスプレイ表面
等において正反射され、その反射像がディスプレイ本来
の表示光と混合して表示品質を低下させ、表示画像を見
にくくする。特に、最近のコンピュータの急速な普及に
伴い、CRTやLCD(液晶ディスプレイ)と相対して
いる時間が長くなっている。そのため外光の反射像等に
よる表示品質の低下は、目の疲労等の健康障害を引き起
こす要因とも考えられ、不要な外光反射を低減させるこ
とが要求されている。更に、近年ではCRTやLCD等
のディスプレイを室外、すなわち太陽光のもとで使用す
る機会が益々増える傾向にあり、表示品質をより向上さ
せて表示画像を明確に認識できるようにするという要求
が出てきている。
【0003】一方、近年、ディスプレイの表面に貼り付
けるフィルムに電磁波シールド機能を求める傾向があ
る。電磁波シールド機能を有するフィルムをディスプレ
イの前面に貼り付けることにより、静電気の帯電を無く
すとともに、埃などの付着を防止し表示画像を見やすく
することができる。更に最近では、携帯電話を代表とす
る移動体通信網が拡大を続ける中、放出される電磁波の
ディスプレイに及ぼす影響が問題視されている。例え
ば、CRT、LCD、PDP(プラズマディスプレイパ
ネル)などにおいては、ディスプレイ自身が放出する電
磁波以外の外部からの電磁波は、ディスプレイに対して
ノイズとなる。そこで、反射防止積層体に電磁波シール
ド機能をもたせることが要求されている。
【0004】これらの要求を満たすための一例として、
可視光の広範囲にわたり反射防止効果を有し、かつ導電
性を有する反射防止積層体をディスプレイの表面等に貼
り合わせることが知られている。このような反射防止積
層体としては、高分子フィルムからなる基材の表面に、
ハードコート層を介して形成した、高屈折率層(ITO
など)と低屈折率層(酸化シリコンなど)からなる4層
構成の反射防止積層体が知られている。
【0005】しかし、この構成は比較的コストが高くな
ってしまうため、近年のコストダウン化のなかでより安
価な構成の反射防止積層体が求められていた。そこで光
学薄膜の分野で知られている、可視光吸収膜と低屈折率
膜積層した反射防止積層体が着目された。この構成中の
可視光吸収膜に導電性材料を用いることにより導電性反
射防止積層体が得られる。ただし、この構成の場合、可
視光吸収膜を用いるため、従来のITOなどを用いた4
層構成の積層体に比べると光線透過率が低いという特徴
があるので、その応用対象は限定される。しかしなが
ら、層数が少なく安価であるため非常に利用価値は高
い。
【0006】可視光吸収層を利用した反射防止積層体の
例として、特表平6-510382号公報に記載された
反射防止積層体が挙げられる。しかしながらこの積層体
は、基材/遷移金属窒化物層(可視光吸収層)/高屈折
率層/低屈折率層の3層構成を基本としていて、上記の
基材/可視光吸収膜/低屈折率膜の積層体とは光学的な
観点からも異なる上、反射防止効果に実質的に寄与する
層が3層あるためコスト的にも大きなメリットがない。
さらには、光線透過率も必ずしも充分高いとは言えな
い。
【0007】一方、特開平9−156964号公報に記
載されている反射防止積層体は、上記の基材/可視光吸
収膜/低屈折率膜の積層体を基本とし、可視光吸収膜と
しては窒化チタンなど、また低屈折率膜としてはシリカ
を用いていて、これらの成膜方法として、蒸着法により
形成された薄膜の膜特性が悪く、コストが高すぎるとい
う考えに基づいて、スパッタリングを採用している。し
かしながら、スパッタリング方法を採用したが故、低屈
折率成膜時に可視光吸収性膜の酸化が生じてしまうとい
う大きな問題から、可視光吸収膜と低屈折率膜との間に
酸化防止膜を設けることで可視光吸収膜の酸化の問題を
解決している。したがって、実質的に基材/可視光吸収
膜/酸化防止膜/低屈折率膜を基本構成とする3層構成
となってしまうためにコスト面での問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
に鑑みてなされたものであって、可視光吸収膜の酸化防
止を可能とした、酸化防止膜を設ける必要のない、基材
/可視光吸収膜/低屈折率膜の構成を基本とする低コス
トの導電性反射防止積層体を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、透明性を有する基材上に、
少なくとも可視光吸収層および低屈折率層が形成された
反射防止効果を有する積層体であって、低屈折率層が蒸
着膜であることを特徴とする反射防止積層体である。
【0010】請求項2に係る発明は、可視光吸収層が窒
化チタン膜または酸窒化チタン膜であることを特徴とす
る請求項1記載の反射防止積層体である。
【0011】請求項3に係る発明は、低屈折率層が酸化
シリコン膜であることを特徴とする請求項1または2記
載の反射防止積層体である。
【0012】請求項4に係る発明は、可視光吸収層がス
パッタリング膜であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項に記載の反射防止積層体である。
【0013】請求項5に係る発明は、透明性を有する基
材が高分子フィルムであることを特徴とする請求項1〜
4のいずれか1項に記載の反射防止積層体である。
【0014】請求項6に係る発明は、前記透明性を有す
る基材と前記可視光吸収層との間に膜厚が5〜20ミク
ロンのハードコート層が形成されていることを特徴とす
る請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止積層体
である。
【0015】請求項7に係る発明は、請求項6記載の反
射防止積層体において、ハードコート層にシリコン系微
粒子が含有されていることを特徴とする反射防止積層体
である。
【0016】請求項8に係る発明は、請求項7記載の反
射防止積層体において、ハードコート層と可視光吸収層
との間にシリコン、窒化シリコン、酸化シリコンのいず
れかまたはそれらの混合物からなる密着層が形成されて
いることを特徴とする反射防止積層体である。
【0017】請求項9に係る発明は、低屈折率層の可視
光吸収層とは反対側の反射防止積層体の最表面にフッ素
含有有機化合物層が形成されていることを特徴とする請
求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止積層体であ
る。
【0018】請求項10に係る発明は、請求項5記載の
反射防止積層体において、高分子フィルム基材上に、膜
厚5〜20ミクロンのアクリル系ハードコート層、膜厚
1〜15nmの窒化シリコンを主成分とする密着層、膜
厚5〜20nmの窒化チタンを主成分とする層、膜厚5
0〜150nmの酸化シリコン蒸着膜層、膜厚15nm
以下のフッ素含有有機化合物層がこの順に形成されてい
ることを特徴とする反射防止積層体である。
【0019】請求項11に係る発明は、透明性を有する
基材の可視光吸収層が形成される面とは反対側の面に透
明粘着層が形成されていることを特徴とする請求項1〜
10のいずれか1項に記載の反射防止積層体である。
【0020】請求項12に係る発明は、透明性を有する
基材上に、少なくとも可視光吸収層および低屈折率層が
形成された反射防止効果を有する積層体の製造方法であ
って、可視光吸収層をスパッタリング成膜、低屈折率層
を蒸着で形成することを特徴とする反射防止積層体の製
造方法である。
【0021】請求項13に係る発明は、請求項10記載
の反射防止積層体において、高分子フィルム基材上に、
膜厚5〜20ミクロンのアクリル系ハードコート層、膜
厚1〜15nmの窒化シリコンを主成分とする密着層、
膜厚5〜20nmの窒化チタンを主成分とする層、膜厚
50〜150nmの酸化シリコン蒸着膜、膜厚15nm
以下のフッ素含有有機化合物層がこの順に形成された反
射防止積層体の製造方法であって、窒化シリコンを主成
分とする層の形成に、窒素を反応ガスとして用いたスパ
ッタリング方法を、窒化チタンを主成分とする層の形成
に、窒素を反応ガスとして用いたスパッタリング方法
を、酸化シリコンの形成に、EB蒸着方法を用いること
を特徴とする反射防止積層体の製造方法である。
【0022】請求項14に係る発明は、請求項13記載
の反射防止積層体の製造方法において、窒化シリコンを
主成分とする層を形成する際のスパッタリングと、窒化
チタンを主成分とする層を形成する際のスパッタリング
と、酸化シリコン層を形成する際のEB蒸着とを同一の
真空系内で行うことを特徴とする反射防止積層体の製造
方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について説明する。図1は、本発明の反射防止積層体の
構成の一例を示した断面図である。図に示すように、透
明基材2上に基材2側から、ハードコート層3、密着層
4、可視吸収層5、低屈折率層6、フッ素含有有機化合
物層7を順次積層した構成の反射防止積層体1の例を示
したものである。
【0024】本発明における低屈折率層6が蒸着膜であ
ることを基本とするものである。蒸着とは、抵抗加熱蒸
着、EB(電子ビーム)蒸着、イオンプレーティングなど
のことを指す。このなかで、EB蒸着が最も良い特性が
得られる。低屈折率材料としては、フッ化マグネシウム
や酸化シリコンなど様々なものがあり、特に限定される
ものではないが、本発明の積層体においては、酸化シリ
コンが最も良い特性が得られる。
【0025】本発明に用いられる透明性を有する基材2
とは、常識の範囲で可視光に対して透明性を有する基材
のことで、その光線透過率や吸収などは特に限定される
ものではない。また、フレキシビリティーが要求される
場合も多く、その場合には高分子フィルムを透明性を有
する基材として用いると良い。高分子フィルムとして
は、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテル
スルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロー
ス等が使用でき、目的、用途によって適宜選択される。
フィルムの厚さは、それを構成する高分子フィルムの種
類、目的、用途により選択、設定されるが、通常、70
〜200μmの厚さが好ましい。
【0026】本発明における可視光吸収層5とは、可視
光域の波長に対して吸収特性を有するものである。その
吸収値は特に限定されるものではないが、完全に可視光
を遮断してしまうものは、本発明の目的の観点からは適
さない。それ故、本発明においては、吸収の値は10%
〜50%程度が適している。また、本発明の観点からこ
の可視光吸収膜が電導性を有することが必要である。以
上の特性を達成する材料として、窒化チタン膜が優れて
いる。可視光吸収膜の形成方法としては、真空成膜法が
適している。特に、比較的薄い膜厚で所望の特性を達成
するためにはスパッタリング成膜が最も適している。ま
た、窒化チタン膜の形成時には、水分や酸素などの残留
不可避ガス成分により、若干の酸化が生じやすく、故意
に酸化させなくとも酸窒化チタンになっている場合もあ
る。このことは、一般に知られている。それ故、本発明
における窒化チタンとはこの不可避の酸窒化チタンも当
然含むものである。
【0027】本発明におけるハードコート層3とは、基
材の硬度が低い場合に用いられるもので、特に高分子フ
ィルムなどを基材として用いた場合には重要である。形
成材料としては、透明性と適度な硬度と機械的強度とが
あれば、特に限定されるものではない。例えば、電子線
や紫外線の照射により硬化する樹脂や熱硬化性の樹脂等
を使用でき、特に紫外線照射硬化型のアクリル系樹脂や
有機珪素系樹脂、熱硬化型のポリシロキサン樹脂が好適
である。これらの樹脂としては、基材と屈折率が同等も
しくは近似していることがより好ましい。また、膜厚は
特に限定されるものではないが、厚すぎると応力や割れ
などの問題が生じるため、5〜20ミクロン程度が適し
ている。また、ハードコート層には平均粒子径0.01
〜3μmの透明な無機あるいは有機の超微粒子を混合分
散させてもよく、この超微粒子として表面に凹凸形状を
有するものを使用してもよい。
【0028】反射防止積層体は、光学特性の他に密着
性、硬度、擦傷性、耐候性などの諸特性も重要になる。
その対策のひとつとして、密着層4を用いることが挙げ
られる。密着層を設ける方法自体は従来から用いられて
いるが、その用途に応じ材質や膜厚などを適宜選択され
る。それ故、密着層には様々な材質が考えられるが、本
構成の場合、シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、
またはそれらの混合物の効果が高い。また、効果とコス
トの兼ね合いから、その膜厚は1〜15nmが適してい
る。また、形成方法は真空成膜法が適していて、特にス
パッタリングが膜質の面から優れている。
【0029】本発明におけるフッ素含有有機化合物層7
は、本発明の積層体が使用される環境から積層体表面の
撥水性及び防汚性が要求されるため形成される。その形
成材料としては、付与する撥水性あるいは撥油性の程度
等に応じて種々の有機化合物を使用することができる
が、特に、高い撥水性と撥油性とを示す好ましい形成材
料として、フッ素含有有機化合物をあげることができ
る。このうち、撥水性を示すものとしては、例えば、フ
ルオロカーボンやパーフルオロシラン、またはこれらの
高分子化合物等をあげることができる。また、指紋拭き
取り性等の向上のためには、メチル基等の撥油性基を有
する高分子化合物が好適である。また、膜厚は目的に応
じ選択されるが、15nm以下が適している。また、形
成方法としては、その形成材料に応じて真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマC
VD法、プラズマ重合法等の真空成膜プロセスや、マイ
クログラビア法、スクリーンコート法、ディップコート
法等のウェットプロセスの各種コーティング法を用いる
ことができる。
【0030】反射防止積層体をディスプレイに貼付する
場合には、請求項11に記載したような粘着層が必要に
なる。この場合、反射防止積層体全体の光線透過率を制
御するために、粘着層に若干の吸収を持たせることも可
能である。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて説明
する。
【0032】<実施例1>透明性を有する基材としてP
ETフィルム(188μm厚、屈折率n=1.65)を
使用し、膜厚12ミクロンのアクリル系ハードコートを
ウェットコーティングにより形成した。次に、密着層と
して窒化シリコン層を形成した。成膜方法は、シリコン
ターゲットを用い、窒素ガスを反応ガスとしたマグネト
ロンスパッタリングとした。また、目標膜厚5nmで形
成した。次に、可視光吸収層として窒化チタン層を形成
した。成膜方法は、チタンターゲットを用い、窒素ガス
を反応ガスとしたマグネトロンスパッタリングとした。
また、目標膜厚14nmで形成した。次に、低屈折率層
として酸化シリコン層を形成した。成膜方法は、酸化シ
リコン蒸着材料を用い、プラズマアシストを用いないE
B蒸着を採用した。また、目標膜厚125nmで形成し
た。次に、フッ素含有有機化合物層としてフッ素含有ポ
リシロキサン層を形成した。成膜方法は、加熱式蒸着と
した。また、目標膜厚6nmで形成した。
【0033】得られた反射防止積層体の平均反射率は波
長450nm〜650nmの範囲で0.35%、透過率
は550nmで68.3%であった。また、スチールウ
ール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール
株式会社製)で得られた反射防止積層体の表面を200
g/cm2の荷重で70回擦過することにより耐擦傷性
試験を行った。その結果、傷は認められず良好な耐擦傷
性を有していた。また、表面に指紋を付着させたとこ
ろ、ティッシュペーパーで容易に拭き取れた。更にA4
サイズの対角で内部抵抗を測定したところ、1.5kΩ
であった。
【0034】<比較例1>透明性を有する基材としてP
ETフィルム(188μm厚、屈折率n=1.65)を
使用し、膜厚12ミクロンのアクリル系ハードコートを
ウェットコーティングにより形成した。次に、密着層と
して窒化シリコン層を形成した。成膜方法は、シリコン
ターゲットを用い、窒素ガスを反応ガスとしたマグネト
ロンスパッタリングとした。また、目標膜厚5nmで形
成した。次に、可視光吸収層として窒化チタン層を形成
した。成膜方法は、チタンターゲットを用い、窒素ガス
を反応ガスとしたマグネトロンスパッタリングとした。
また、目標膜厚14nmで形成した。次に、低屈折率層
として酸化シリコン層を形成した。成膜方法は、シリコ
ンターゲットを用い、酸素ガスを反応ガスとしたマグネ
トロンスパッタリング採用した。また、目標膜厚125
nmで形成した。次に、フッ素含有有機化合物層として
フッ素含有ポリシロキサン層を形成した。成膜方法は、
加熱式蒸着とした。また、目標膜厚6nmで形成した。
【0035】得られた反射防止積層体の平均反射率は波
長450nm〜650nmの範囲で0.55%、透過率
は550nmで69.3%であった。また、スチールウ
ール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール
株式会社製)で得られた反射防止積層体の表面を200
g/cm2の荷重で70回擦過することにより耐擦傷性
試験を行った。その結果、傷は認められず良好な耐擦傷
性を有していた。また、表面に指紋を付着させたとこ
ろ、ティッシュペーパーで容易に拭き取れた。更にA4
サイズの対角で内部抵抗を測定したところ、3kΩとな
り、実施例と比較すると非常に高い値となった。
【0036】上記のように、実施例と比較例を比較する
と、本発明の反射防止積層体は低屈折率層に蒸着膜を用
いることにより、可視光吸収層の膜質を劣化させずに積
層体を形成させることが可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明により、低屈折率層に蒸着膜を用
いることで、可視光吸収層の膜質が酸化劣化することが
ないので、透明基材上に可視光吸収層と低屈折率層を基
本構成とする、優れた性能と低コストを可能とした反射
防止積層体を提供することができる。また、本発明によ
り、防汚性、密着性、硬度、擦傷性などの性能が実用上
充分満足する反射防止積層体が得られる。さらに、光吸
収層には導電性を有する材料を用いることにより電磁場
シールド機能を併せ持つ反射防止積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止積層体の一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・反射防止積層体 2・・・基材 3・・・ハードコート
層 4・・・密着層 5・・・可視光吸収層 6・・・低屈折率
層 7・・・フッ素含有有機化合物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 潤一 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 宇山 晴夫 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA02 AA15 CC02 CC03 CC09 CC24 CC26 DD03 DD04 4F100 AA12B AA20C AB12B AH05E AH06D AH06H AK01A AK25D AK42 AK52 AK52D AK52H AL05D AS00D AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E DE01D EH46 EH462 EH66 EH66C EH662 GB41 JD06B JK09 JK12D JL13E JN01A JN06 JN18C YY00D 4K029 AA11 AA25 BA46 BA60 BA62 BB02 BC07 CA02 CA06 DB21 EA01 FA07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明性を有する基材上に、少なくとも可視
    光吸収層および低屈折率層が形成された反射防止効果を
    有する積層体であって、低屈折率層が蒸着膜であること
    を特徴とする反射防止積層体。
  2. 【請求項2】前記可視光吸収層が窒化チタン膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の反射防止積層体。
  3. 【請求項3】前記低屈折率層が酸化シリコン膜であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の反射防止積層
    体。
  4. 【請求項4】前記可視光吸収層がスパッタリング膜であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の反射防止積層体。
  5. 【請求項5】前記透明性を有する基材が高分子フィルム
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の反射防止積層体。
  6. 【請求項6】前記透明性を有する基材と前記可視光吸収
    層との間に、膜厚が5〜20ミクロンのハードコート層
    が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の反射防止積層体。
  7. 【請求項7】請求項6記載の反射防止積層体において、
    ハードコート層にシリコン系微粒子が含有されているこ
    とを特徴とする反射防止積層体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の反射防止積層体において、
    ハードコート層と可視光吸収層との間にシリコン、窒化
    シリコン、酸化シリコンのいずれかまたはそれらの混合
    物からなる密着層が形成されていることを特徴とする反
    射防止積層体。
  9. 【請求項9】前記低屈折率層の可視光吸収層とは反対側
    の反射防止積層体の最表面にフッ素含有有機化合物層が
    形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載の反射防止積層体。
  10. 【請求項10】請求項5記載の反射防止積層体におい
    て、高分子フィルム基材上に、膜厚5〜20ミクロンの
    アクリル系ハードコート層、膜厚1〜15nmの窒化シ
    リコンを主成分とする層、膜厚5〜20nmの窒化チタ
    ンを主成分とする層、膜厚50〜150nmの酸化シリ
    コン蒸着膜層、膜厚15nm以下のフッ素含有有機化合
    物層がこの順に形成されていることを特徴とする反射防
    止積層体。
  11. 【請求項11】前記透明性を有する基材の可視光吸収層
    が形成される面とは反対側の面に透明粘着層が形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項
    に記載の反射防止積層体。
  12. 【請求項12】透明性を有する基材上に、少なくとも可
    視光吸収層および低屈折率層が形成された反射防止効果
    を有する積層体の製造方法であって、可視光吸収層をス
    パッタリング成膜、低屈折率層を蒸着で形成することを
    特徴とする反射防止積層体の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項10記載の反射防止積層体におい
    て、高分子フィルム基材上に、膜厚5〜20ミクロンの
    アクリル系ハードコート層、膜厚1〜15nmの窒化シ
    リコンを主成分とする層、膜厚5〜20nmの窒化チタ
    ンを主成分とする層、膜厚50〜150nmの酸化シリ
    コン蒸着膜、膜厚15nm以下のフッ素含有有機化合物
    層がこの順に形成された反射防止積層体の製造方法であ
    って、 窒化シリコンを主成分とする層の形成に、窒素を反応ガ
    スとして用いたスパッタリング方法を、 窒化チタンを主成分とする層の形成に、窒素を反応ガス
    として用いたスパッタリング方法を、酸化シリコンの形
    成に、EB蒸着方法を用いることを特徴とする反射防止
    積層体の製造方法
  14. 【請求項14】請求項13記載の反射防止積層体の製造
    方法において、 窒化シリコンを主成分とする層を形成する際のスパッタ
    リングと、窒化チタンを主成分とする層を形成する際の
    スパッタリングと、酸化シリコン層を形成する際のEB
    蒸着とを同一の真空系内で行うことを特徴とする反射防
    止積層体の製造方法。
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