JPH11156987A - 反射防止フィルム - Google Patents

反射防止フィルム

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JPH11156987A
JPH11156987A JP9328780A JP32878097A JPH11156987A JP H11156987 A JPH11156987 A JP H11156987A JP 9328780 A JP9328780 A JP 9328780A JP 32878097 A JP32878097 A JP 32878097A JP H11156987 A JPH11156987 A JP H11156987A
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和利 清川
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裕 小林
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隆宏 原田
Haruo Uyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外光反射を極力低減し、かつ光学的に十分な
可視光透過性を有し、さらに電磁波シールド性を発揮す
る反射防止フィルムを得る。 【解決手段】 プラスティックフィルム基材1上に反射
防止膜5を有する反射防止フィルム10であって、該反
射防止膜5に、反射防止フィルム10の電磁波シールド
性を100MHzの電磁波に対して5dB以上とする導
電層Xを設ける。反射防止膜5が、基材1側から第1の
高屈折率層3a、第1の低屈折率層4a、第2の高屈折
率層3b及び第2の低屈折率層4bの4層構造であると
き、第1の高屈折率層3a又は第2の高屈折率層3bを
ITO等の導電層Xから形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRT画面、LC
D画面、PDP画面等のディスプレーの表面、その他ガ
ラス、プラスティック等からなるウィンドウの表面にお
いて、外光が反射して本来の情報が見づらくなることを
防止し、かつそれらの表面で電磁波シールド機能を発揮
する、電磁波シールド機能付きの反射防止フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】ディスプレーやウィンドウ等の表面で蛍
光灯や太陽などの明かりが反射して、本来知りたい情報
が見づらくなるという現象は、古くから問題となってい
る。この問題に対しては、反射防止膜を使用することが
知られており、かかる光学膜に関しての教本も出版され
ている。
【0003】従来、この反射防止膜としては、ガラス基
板上に形成されたものが一般的となっており、プラステ
ィック、特にフィルム状のプラスティック基材に形成さ
れたものは少ない。しかし、反射防止膜をプラスティッ
クフィルム基材上に形成することにより、ガラス基板上
に形成した場合では得られない薄さと可撓性が得られ
る。そこで、反射防止膜をプラスティックフィルム基材
上に形成したもの、即ち反射防止フィルムが使用される
ようになってきている。この反射防止フィルムは、外光
の反射を防止したい面に張り付けるなどして用いられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、反射防止フ
ィルムの形成が必要とされる透明基材では、近年話題と
なっている電磁波シールドも必要とされる場合が多い。
例えば、パソコンやテレビ等の表示装置であるCRTや
PDP表面には、反射防止機能だけでなく電磁波シール
ド機能も付与した方が望ましい場合がある。また、移動
体通信網の増大などの影響に対して、透明な窓にも反射
防止機能だけでなく、電磁波シールド機能を付与した方
が望ましい場合が増えてきている。そこで、電磁波シー
ルド機能を有する反射防止フィルムを開発することが課
題となっている。
【0005】一般に、電磁波シールドをするためには、
導電性の物質が使用される。一方、反射防止フィルムに
は可視光に対する透過性が要求される。そこで、反射防
止フィルムに電磁波シールド機能をもたせるためには、
電磁波シールド機能を発揮する導電性の物質として、薄
い金属膜か透明導電膜を使用することが考えられる。
【0006】これまでに導電性を備えた反射防止膜とし
て、特開昭61−168899号公報に記載されている
低反射率帯電防止板が知られている。しかし、この低反
射率帯電防止板に備えられている導電性は帯電防止だけ
を目的としたものであり、その基材としてはガラスやプ
ラスティック等の板材だけが使用されている。そのた
め、この低反射率帯電防止板は、反射防止膜をプラステ
ィックフィルム基材上に形成した反射防止フィルムとは
形態が異なり、その利用範囲も極めて限られたものとな
っている。さらにこの低反射率帯電防止板が有する導電
性も、電磁波シールドに対して十分なものとはなってい
ない。
【0007】この低反射率帯電防止板が公表された後
も、導電性を有する反射防止膜に関する発明はなされて
いるが、電磁波シールド特性をも課題とし、また、電磁
波シールド特性と反射防止特性とを併せて最適なものに
するべくなされた反射防止フィルムは見られない。
【0008】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、外光などの反射を極力低減
し、かつ光学的に十分な可視光透過性を有し、さらに電
磁波シールド性を発揮する反射防止膜を、プラスティッ
クフィルム上に形成した反射防止フィルムを提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、プラスティックフィルムからなる基材上
に反射防止膜を有する反射防止フィルムであって、該反
射防止膜が、反射防止フィルムの電磁波シールド性を1
00MHzの電磁波に対して5dB以上、好ましくは7
dB〜50dBとする導電層を含むことを特徴とする反
射防止フィルムを提供する。
【0010】特に、この反射防止フィルムの反射防止膜
が、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された構造
を有し、該反射防止膜を形成する高屈折率層または低屈
折率層の少なくとも一層が、反射防止フィルムの電磁波
シールド性を100MHzの電磁波に対して5dB以上
とする導電層からなる態様を提供する。
【0011】本発明の反射防止フィルムは、プラスティ
ックフィルムからなる基材上に反射防止膜が形成されて
いるので、反射防止膜をガラス基板上に形成した場合で
は得られない薄さと可撓性を実現することができる。ま
た、本発明の反射防止フィルムは、電磁波シールド性を
発揮する導電層が反射防止膜中に組み入れられているの
で、電磁波シールド性を有しかつ、最大限の反射防止性
能を有するように反射防止膜を調整することが可能とな
る。そして、本発明の反射防止膜で使用される導電層
は、電磁波シールド性が100MHzの電磁波に対して
5dB以上となるように調整されているので、実用上十
分な電磁波シールド性を有するものとなる。
【0012】ここで、本発明の反射防止フィルムの電磁
波シールド性を100MHzの電磁波に対して規定した
理由は、次の通りである。即ち、電磁波シールド現象に
は、電磁波シールドとして使用する薄膜の導電性が大き
く影響するが、さらに膜厚や他の諸特性等も絡み合うた
め、その薄膜による電磁波シールド効果は複雑になる。
一方、電磁波シールド測定装置は、原理的には、測定系
をシールドし、シールド材の表裏にアンテナを設置し、
妥当な発信、受信装置を用いて発信された電磁波がどの
くらい減衰したかを受信するというものである。また、
電磁波シールド効果は周波数によって変化するところ、
各周波数における電磁波シールド効果の測定値をすべて
既述するのは困難である。そこで、本発明においては、
測定する電磁波の周波数を、実用上及び測定の正確さの
点から、数GHz以下とし、さらに、100MHzの電
磁波についての電磁波シールド効果の値を電磁波シール
ド効果の代表値として用いた。他の周波数での電磁波シ
ールド効果の値は、100MHzの電磁波についての電
磁波シールドの値からおおよそ類推することが可能であ
る。
【0013】また、電磁波には電界成分と磁界成分が含
まれ、さらにアンテナからの距離により電磁波は遠方界
と近接界とに分けられる。本発明においては、実用上電
磁波シールド効果が必要とされる近接界における電界の
シールド効果を測定し、これを電磁波シールド効果を表
す値として代表させた。なお、本発明によれば、遠方界
と近接界のいずれの電磁波シールドも図ることができ、
本発明の反射防止膜の使用方法としては、遠方界と近接
界のいずれの電磁波シールドを行う場合も包含される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の反射防止フィルム
を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図中、同一
符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0015】図1は、本発明の反射防止フィルムの一の
態様の層構成図である。
【0016】この反射防止フィルム10は、プラスティ
ックフィルム基材1上に、ハードコート層2、反射防止
膜5、及び防汚層6が順次積層されたものとなってい
る。ここで、反射防止膜5は、基材1側から第1の高屈
折率層3a、第1の低屈折率層4a、第2の高屈折率層
3b及び第2の低屈折率層4bが順次積層された4層構
造となっており、このうちの第1の高屈折率層3aは、
電磁波シールド性を有する導電層Xとなっている。
【0017】このように本発明においては、電磁波シー
ルド性を発揮する導電層Xが反射防止膜5を構成する所
定の屈折率の層の一部として形成されているので、反射
防止膜5の反射防止性能を最大限にし、かつ電磁波シー
ルド性を付与することができる。
【0018】また、この反射防止フィルム10におい
て、4層構造の反射防止膜5のうち第1の高屈折率層3
aであり、かつ導電層Xとなっている層の構成材料とし
ては、一般に透明導電膜の構成材料として使用されてい
るものを使用することができる。例えば、酸化インジウ
ム、酸化スズ、酸化亜鉛等の酸化物又はこれらの任意の
2種以上の混合酸化物、さらには、Al、Ga、Y、Z
r等の3価以上の原子等を添加元素として加えたものを
使用することができる。なかでも、導電層Xを酸化イン
ジウムと酸化スズとの混合酸化物から構成し、その混合
酸化物中のインジウムとスズとの原子比率Sn/(In
+Sn)を2〜12at.%とすることが好ましい。これ
により、安定した低抵抗、即ち電磁波シールド特性が得
られるようになる。
【0019】なお、導電層Xの構成材料としては、透明
導電膜の構成材料の他、透明性を保つように膜厚を薄く
した金属薄膜も使用することができるが、通常は、安定
性や強度等の点から透明導電膜を使用することが好まし
い。
【0020】また、導電層Xは反射防止膜5の構成層で
もあるため、その光学特性によって当該導電層Xの層厚
が調整され、また、反射防止膜5全体の層構成も調整さ
れる。例えば、透明導電膜は高屈折率のものがほとんど
であるので、透明導電膜からなる導電層Xは、図1のよ
うに、反射防止膜5の高屈折率層として用いることがで
きる。
【0021】一方、反射防止膜5を構成している導電層
X以外の高屈折率層3b(第2の高屈折率層)は、酸化
チタン等から形成することができる。また、第1の低屈
折率層4a及び第2の低屈折率層4bは、酸化シリコ
ン、フッ化マグネシウム等から形成することができる。
【0022】これら反射防止膜5を構成する各層の厚さ
は、その当該層を構成する物質の屈折率、目的とする反
射防止性等に応じて適宜定められるが、通常、導電層X
となっている第1の高屈折率層3aを45〜75nm、
第1の低屈折率層4aを25〜45nm、第2の高屈折
率層3bを110〜150nm、第2の低屈折率層3b
を125〜155nmとすることができ、これにより反
射防止フィルム10の電磁波シールド性を、100MH
zの電磁波に対して5〜15dBに調整することが可能
となる。
【0023】反射防止膜5を構成する各層の形成方法に
は特に限定はない。例えば、スパッタリング法、蒸着
法、CVD法等の真空成膜法を用いて形成することがで
きる。
【0024】図1の反射防止フィルム10において、プ
ラスティックフィルム基材1としては、種々のプラステ
ィックフィルムを使用することができ、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリ
カーボネート等のフィルムを使用することができる。プ
ラスティックフィルム基材1の厚さにも特に制限はない
が、通常、10〜200μmとすることが好ましい。
【0025】図1の反射防止フィルム10において、プ
ラスティックフィルム基材1に積層されているハードコ
ート層2は、反射防止フィルム10に所望の硬さを付与
するため、必要に応じて設けられている。このハードコ
ート層2の硬さとしては、2H以上とすることが好まし
く、3H以上とすることがより好ましい。またハードコ
ート層2としては、所定の光学特性を備えたものである
こと、即ち、透明性を有し、屈折率がプラスティックフ
ィルム基材1の屈折率と等しいかあるいはそれと同等で
あることが望ましい。ハードコート層2の厚さは、光学
特性及び可撓性の点から、10μm以下が好ましいが、
反射防止フィルム10に所期の硬さを付与できる限り特
に限定はない。
【0026】また、ハードコート層2の材質としては、
例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂、シリコーン樹脂
等を主体とする樹脂から形成することができる。また、
これらの樹脂に添加剤を含有させることもできる。ここ
で添加剤としては、光を散乱させる透明顔料などの透明
粉末を好ましく使用することができ、このような透明顔
料としては、例えば、酸化チタン、酸化珪素、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム等の無機化合物、硫酸バリウム等
の無機塩、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等の
フッ化物等を挙げることができる。また、上記透明粉末
として、ポリジビニルベンゼン、ポリスチレン、ポリテ
トラフルオロエチレン等の樹脂粉末、これらの樹脂から
構成される中空のビ−ズ、あるいはこれらの樹脂または
その中空ビーズ表面に表面処理を施した粉末なども利用
することができる。このような透明粉末の大きさとして
は、ハードコート層2を構成する樹脂に分散し、プラス
ティックフィルム基材1上に平滑かつ均一に塗布できる
よう粒径3μm以下程度とすることが好ましい。
【0027】防汚層6は、本発明において、反射防止膜
5を保護し、かつ、防汚性能を高めるために、反射防止
膜5上に必要に応じて設けられる。この防汚層6の特性
としては、反射防止膜5の機能が阻害されず、防汚層と
しての要求性能が満たされる限り特に制限はないが、純
水に対する接触角が90度以上のものが好ましく、10
0度以上のものがより好ましい。このような特性を有す
る防汚層6の形成材料としては、例えば、疎水基を有す
る化合物を好ましく使用でき、より具体的には、パーフ
ルオロシラン、フルオロカーボン等を好ましい材料とし
てあげることができる。防汚層6の層厚としては、通
常、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ま
しい。防汚層6の形成方法は、当該防汚層6の形成材料
に応じて、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理気相
折出法、CVDのような化学気相折出法あるいは特殊な
湿式コーティング等を用いることができる。
【0028】以上、図1に示した反射防止フィルム10
について、詳細に説明したが、本発明はこの他種々の態
様をとることができる。例えば、図1の反射防止フィル
ム10は、反射防止膜5が、基材1側から第1の高屈折
率層3a、第1の低屈折率層4a、第2の高屈折率層3
b及び第2の低屈折率層4bの4層構造を有し、そのう
ちの第1の高屈折率層3aを電磁波シールド性を有する
導電層Xとしたものであるが、図2に示す反射防止フィ
ルム10bのように、反射防止膜5を、図1の反射防止
膜10と同様に基材1側から第1の高屈折率層3a、第
1の低屈折率層4a、第2の高屈折率層3b及び第2の
低屈折率層4bの4層構造とした場合に、その第2の高
屈折率層3bを図1の反射防止フィルム10の第1の高
屈折率層3aに代えて導電層Xとして構成してもよい。
これにより、反射防止フィルム10bの電磁波シールド
性を7〜40dBにすることができる。
【0029】また、図3に示した反射防止フィルム10
cのように、反射防止膜5を上述の反射防止フィルム1
0,10bと同様に4層構造とした場合に、その第1の
高屈折率層3a及び第2の高屈折率層3bの双方を導電
層Xとして構成してもよい。これにより反射防止フィル
ム10cの電磁波シールド性をより向上させ、また、よ
り高い周波数の電磁波に対しても電磁波シールド性を高
めることができる。
【0030】また、本発明の反射防止フィルムは、反射
防止膜が上述のような高屈折率層及び低屈折率層が交互
に積層した層構造を有する場合に、その層数が4層に限
定されるものではない。さらに、本発明の反射防止フィ
ルムは、その反射防止膜中に高屈折率層と低屈折率層の
他に中間屈折率層を有するものであってもよい。さらに
また、反射防止フィルムを構成する反射防止膜が、屈折
率の徐々に変化する傾斜膜からなるものであってもよ
い。いずれの態様においても、反射防止膜中に高屈折率
層として、低屈折率層として、あるいは所定の中間屈折
率層として、当該反射防止フィルムの電磁波シールド性
を100MHzの電磁波に対して5dB以上、好ましく
は、7dB〜50dBとする導電層が含まれる限り、本
発明の反射防止フィルムに包含される。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0032】実施例1 反射防止膜が、図1の反射防止フィルム10の反射防止
膜5と同様の4層構造の反射防止フィルムを作製した。
この場合、プラスティックフィルム基材としては、PE
Tフィルム(100μm厚)を使用し、その上に、基材
側からITO(導電層Xである第1の高屈折率層3
a)、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)、酸化チ
タン(第2の高屈折率層3b)及び酸化シリコン(第2
の低屈折率層4b)を順次積層した。また、この反射防
止膜5を形成する各層はEB蒸着法によって形成した。
また、各層の光学膜厚(nd)は、それぞれITO(第
1の高屈折率層3a)70nm、酸化シリコン(第1の
低屈折率層4a)40nm、酸化チタン(第2の高屈折
率層3b)115nm、酸化シリコン(第2の低屈折率
層4b)153nmとした。
【0033】得られた反射防止フィルムの反射率は、波
長550nmに対して0.5%であった。また、電磁波
シールド効果は、100MHzに対して約8dBであっ
た。電磁波シールド効果は、100MHz以下の周波数
に対してはより高く、例えば、10MHzでは約25d
Bであった。また、100MHz以上の周波数に対し
て、例えば、500MHzに対しては約4dBであっ
た。
【0034】実施例2 反射防止膜が、図2の反射防止フィルム10bの反射防
止膜5と同様の4層構造の反射防止フィルムを作製し
た。この場合、プラスティックフィルム基材としては、
PETフィルム(188μm厚)を使用し、その上に基
材側から酸化チタン(第1の高屈折率層3a)、酸化シ
リコン(第1の低屈折率層4a)、ITO(導電層Xで
ある第2の高屈折率層3b)及び酸化シリコン(第2の
低屈折率層4b)を順次積層した。また、この反射防止
膜5を形成するITOはスパッタリングによつて形成
し、その他の層はEB蒸着法によって形成した。各層の
光学膜厚(nd)は、それぞれ酸化チタン(第1の高屈
折率層3a)55nm、酸化シリコン(第1の低屈折率
層4a)29nm、ITO(導電層Xである第2の高屈
折率層3b)124nm、酸化シリコン(第2の低屈折
率層4b)135nmとした。
【0035】得られた反射防止フィルムの反射率は、波
長550nmに対して0.7%であった。電磁波シール
ド効果は、100MHzに対して約34dBであった。
また、電磁波シールド効果は、100MHz以下の周波
数に対してはより高く、例えば、10MHzでは約39
dBであった。また、100MHz以上の周波数に対し
て、例えば、500MHzに対しては約12dB、1G
Hzに対しては約4dBであった。
【0036】実施例3 図3の反射防止フィルム10cと同様の層構成の反射防
止フィルムを作製した。この場合、プラスティックフィ
ルム基材1としては、PETフィルム(188μm厚)
を使用し、その上にハードコート層2として、アクリル
系樹脂層(4μm厚)を形成し、その上に、基材1側か
らITO(導電層Xである第1の高屈折率層3a)、酸
化シリコン(第1の低屈折率層4a)、ITO(導電層
Xである第2の高屈折率層3b)及び酸化シリコン(第
2の低屈折率層4b)を順次積層した。この反射防止膜
5を形成する各層のうち、ITO(導電層Xである第1
の高屈折率層3a及び第2の高屈折率層3b)はスパッ
タリングによって形成し、酸化シリコン(第1の低屈折
率層4a及び第2の低屈折率層4b)はEB蒸着法によ
って形成した。各層の光学膜厚(nd)は、それぞれお
よそITO(導電層Xである第1の高屈折率層3a)5
3nm、酸化シリコン(第1の低屈折率層4a)31n
m、ITO(導電層Xである第2の高屈折率層3b)1
36nm、酸化シリコン(第2の低屈折率層4b)13
2nmとした。こうして形成した4層構造の反射防止膜
5の上にさらに防汚層6としてフルオロアルキルシラザ
ン(信越化学社製、KP801M)(1180Å厚)を
形成した。
【0037】得られた、反射防止フィルムの反射率およ
び透過率は、波長550nmに対してそれぞれ0.5
%、89%であった。また、電磁波シールド効果は、1
00MHz以下の周波数に対しては約35dBであっ
た。100MHz以下の周波数に対してはより高く、例
えば、10MHzでは約39dBであった。また、10
0MHz以上の周波数に対して、例えば、500MHz
に対しては約12dB、1GHzに対しては約4dBで
あった。
【0038】以上の実施例により、本発明の反射防止フ
ィルムによれば、その反射防止膜の構成を適宜変えるこ
とにより反射率や電磁波シールド効果を変えられること
がわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、外光などの反射を極力
低減しかつ光学的に充分な可視光透過性を有し、さらに
は電磁波シールド効果を持った反射防止フィルムを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止フィルムの層構成図である。
【図2】本発明の反射防止フィルムの他の態様の層構成
図である。
【図3】本発明の反射防止フィルムの他の態様の層構成
図である。
【符号の説明】
1 プラスティックフィルム基材 2 ハードコート層 3a 第1の高屈折率層 3b 第2の高屈折率層 4a 第1の低屈折率層 4b 第2の低屈折率層 5 反射防止膜 6 防汚層 X 導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/10 G09F 9/00 318A G09F 9/00 309 G02B 1/10 A 318 Z (72)発明者 宇山 晴夫 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスティックフィルムからなる基材上
    に反射防止膜を有する反射防止フィルムであって、該反
    射防止膜が、反射防止フィルムの電磁波シールド性を1
    00MHzの電磁波に対して5dB以上とする導電層を
    含むことを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 【請求項2】 反射防止フィルムの電磁波シールド性
    が、100MHzの電磁波に対して7dB〜50dBで
    ある請求項1記載の反射防止フィルム。
  3. 【請求項3】 反射防止膜が、高屈折率層と低屈折率層
    とが交互に積層された構造を有し、該反射防止膜を形成
    する高屈折率層または低屈折率層の少なくとも一層が、
    反射防止フィルムの電磁波シールド性を100MHzの
    電磁波に対して5dB以上とする導電層からなる請求項
    1記載の反射防止フィルム。
  4. 【請求項4】 反射防止膜が、基材側から第1の高屈折
    率層、第1の低屈折率層、第2の高屈折率層及び第2の
    低屈折率層の4層構造からなる請求項3記載の反射防止
    フィルム。
  5. 【請求項5】 第1の高屈折率層が電磁波シールド性を
    有する導電層からなる請求項4記載の反射防止フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 第2の高屈折率層が電磁波シールド性を
    有する導電層からなる請求項4記載の反射防止フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 第1の高屈折率層及び第2の高屈折率層
    が電磁波シールド性を有する導電層からなる請求項4記
    載の反射防止フィルム。
  8. 【請求項8】 導電層が、酸化インジウム、酸化スズ、
    酸化亜鉛、又はこれらの任意の2種以上の混合酸化物か
    らなる請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止フィル
    ム。
  9. 【請求項9】 導電層が、酸化インジウムと酸化スズと
    の混合酸化物からなり、該混合酸化物中のインジウムと
    スズとの原子比率Sn/(In+Sn)が2〜12at.
    %である請求項8記載の反射防止フィルム。
  10. 【請求項10】 導電層以外の高屈折率層が酸化チタン
    からなり、低屈折率層が酸化シリコンからなる請求項3
    〜9のいずれかに記載の反射防止フイルム。
  11. 【請求項11】 基材と反射防止膜との間にハードコー
    ト層が形成されている請求項1〜10のいずれかに記載
    の反射防止フィルム。
  12. 【請求項12】 反射防止膜上に防汚層が形成されてい
    る請求項1〜11記載の反射防止フィルム。
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