JP2002122705A - 反射防止材及び光学部材 - Google Patents
反射防止材及び光学部材Info
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Abstract
0nmの範囲での分光反射率が1%以下とすることを目
的とし、更に好ましくは0.5%以下の波長域をより広
域化するをとともに、実用性に優れた反射防止フィルム
等の反射防止材ならびに光学部材を安価で且つ容易に提
供することが望まれていた。 【解決手段】透明基材上の少なくとも片面に、屈折率の
異なる金属酸化物を順次交互に積層した反射防止層を有
し、前記反射防止層の高屈折率層及び低屈折率層が、各
々同じ金属酸化物で形成されるとともに、前記高屈折率
層の屈折率が各々1.9以上2.5以下で各前記高屈折
率層は透明基材に近い順に屈折率が高く、前記低屈折率
層の屈折率が各々1.3以上1.5以下で各前記高屈折
率層は透明基材に近い順に屈折率が高いことを特徴とす
る反射防止材を提供する。
Description
示画面表面に適用される反射防止フィルム等の反射防止
材に係わり、更に詳しくは、可視光に対し広波長域で反
射防止効果を有する反射防止フィルム、及びこれを有す
る光学部材に関する。
外光などが入射するような環境下で使用される。この外
光などの入射光は、ディスプレイ表面等において正反射
され、反射像が表示光と混合し表示品質を低下させ表示
画像を見にくくしている。
属酸化物などから成る高屈折率層と低屈折率層を積層し
た、或いは無機や有機フッ素化合物などの低屈折率層を
形成した反射防止効果を有するフィルムをディスプレイ
表面などに貼り合わせる等して、利用することが知られ
ている。
明な微粒子を含むコーティング層を形成し、凸凹状の表
面により外光を乱反射させるなどしても、同様の効果を
得られることが知られている。
化に伴い、コンピューターを使用する頻度が増し、CR
Tや液晶ディスプレイと人間が相対していることが長時
間化した。これにより反射像等による表示品質の低下
は、目の疲労など健康障害等を引き起こす要因とも考え
られ、これまで以上に、可視光の広範囲にわたってより
高い反射防止効果を有する反射防止材や光学部材の要求
が高まってきた。
に伴い、テレビや液晶ディスプレイを室外で使用する機
会が益々増える傾向にあり、表示品質をより向上して表
示画像を明確に認識できるように、同様に可視光の広範
囲にわたってより高い反射防止効果を有するフィルム等
の反射防止材や光学部材の要求が出てきている。
物質を単層で形成した反射防止層では緑色を中心とした
可視光線の主要部の低屈折率化に重きを置き、赤色、紫
色等の低屈折率化がなかなか果たせずに400nm及び
700nm近辺ばかりではなく、人間の目の感度の比較
的高い450nm及び650nm近辺の波長での屈折率
が高いU型の分光反射特性を示し、可視光の広範囲にわ
たる高い反射防止効果を得ることはできない。また異な
る屈折率層を積層した多層構成によるものでは、高屈折
率層と低屈折率層の層構成の多層化、膜厚の増加、不均
質を利用した複雑な材料設計、さらには中間屈折率物質
などを使用することにより、上記反射特性を得られるも
のの、複雑な構成による安定成膜の困難化、反射防止特
性の安定性低下や、使用材料の増加などによって、作製
技術の高度化、歩留まりの低下、コストの上昇を招き、
実用化、商品化に関しては問題となる。
れたもので、その目的とするところは、人間の目の感度
の比較的高い450nm〜650nmの範囲での分光反
射率が1%以下とすることを目的とし、更に好ましくは
0.5%以下の波長域をより広域化するをとともに、実
用性に優れた反射防止フィルム等の反射防止材ならびに
光学部材を安価で且つ容易に提供することにある。
段として、本発明の第1の発明は、透明基材上の少なく
とも片面に、屈折率の異なる金属酸化物を順次交互に積
層した反射防止層を有し、前記反射防止層の高屈折率層
及び低屈折率層が、各々同じ金属酸化物で形成されると
ともに、前記高屈折率層の屈折率が各々1.9以上2.
5以下で各前記高屈折率層は透明基材に近い順に屈折率
が高く、前記低屈折率層の屈折率が各々1.3以上1.
5以下で各前記高屈折率層は透明基材に近い順に屈折率
が高いことを特徴とする反射防止材である。
とも片面に、屈折率の異なる金属酸化物を順次交互に積
層した反射防止層を有し、前記反射防止層の高屈折率層
及び低屈折率層が、各々同じ金属酸化物で形成するとと
もに、更に各々の層の屈折率が積層順に、 高屈折率層:2.5≧nH1、nH2、・・・・・ 、nHn≧1.9 nH1>nH2>・・・・・>nHn-1>nHn 低屈折率層:1.5≧nL1、nL2、・・・・・ 、nLn≧1.3 nL1>nL2>・・・・・>nLn-1>nLn の屈折率の条件で積層されていることを特徴とする。
形成する金属酸化物の少なくとも1種類が、導電性を有
していることを特徴とする。
に防汚層を形成したことを特徴とする。
射防止層の間に耐摩禍性を有する透明ハードコート層が
形成されたことを特徴とする。
射防止層の間に、耐摩禍性を有する透明ハードコート層
が形成されていることを特徴し、更には、前記のハード
コート層に平均粒子径0.01〜3μmの透明な超微粒
子を含むことを特徴とする。
得られた反射防止材を貼り合わせる等により、これを有
する光学部材であることを特徴とする。
学部材である反射防止材であることを特徴とする。
の高屈折率層及び低屈折率層を各々を同じ金属酸化物に
よって形成し、更に積層順に従って各々の屈折率を低屈
折率化することにより、膜厚構成を変えずに可視光の広
範囲にわたって低い反射率特性を実現できる。
化物を用いることによって、反射防止効果に加え導電
性、帯電防止性を付加でき、また反射防止層の上に撥水
層を形成することにより、防汚性を付与でき、より高機
能化、実用性に富む反射防止材とすることができる。
どして得られた光学部材をディスプレイに用いることに
よって、表示品質が向上し、表示画像をより明確に認識
できるようになる。
て、図面を用いて詳細に説明する。本発明の請求項1記
載の反射防止材の一構成を示す断面図を図1に示す。ま
た本発明の請求項2記載の反射防止材の一構成を示す断
面図を図2に、更に本発明の請求項4〜6記載の反射防
止材の一構成を示す断面図を図3〜5に示す。
に透明プラスチックフィルム等からなる透明基材1に反
射防止層2を形成したもので、反射防止層2は、高屈折
率層2aと低屈折率層2bを交互に積層し、低屈折率層
2aが最上層となるよう構成されている。
明性のある基材であれば良く、プラスチックフィルムに
限られず、条件さえ合えばプラスチック板、ガラス、天
然樹脂等でも良いが、プラスチックフィルムの場合は、
例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエ
ーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセ
ルロース等が使用でき、目的・用途によって適宜選択さ
れる。
率層2bを交互に所定の光学膜厚nd(屈折率n×形状
膜厚dの積)となるように積層し、低屈折率層2aが最
上層となるよう構成することにより反射防止機能を発現
している。
低屈折率層2bは、各々が同じ金属酸化物で構成されて
おり、高屈折率層2aの屈折率nHは1.9〜2.5、
低屈折率層2bの屈折率は1.3〜1.5の範囲のもの
が使用できる。
折率は、各々の積層順に従って、高屈折率層2aが
nH1、・・・・、nHnと、低屈折率層2bはnL1、・・・・、n
Lnと示してあり、各々の積層順に従って屈折率が低く、
つまりnH1からnHnへ、またnL1からnLnへ向って低屈
折率の層となっている。
1.9〜2.5の範囲の金属酸化物であれば特に限定さ
れるものではなく、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化タンタル等の
電気絶縁性金属酸化物の他、酸化インジウム、酸化錫、
インジウム−錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛等の導電性
金属酸化物も使用できる。導電性金属酸化物を用いた場
合は、反射防止効果に加え導電性を付加できる。一方、
低屈折率層2bとしては、屈折率nLが1.3〜1.5
の範囲の金属酸化物であれば特に限定されるものではな
く、代表的な酸化物として酸化珪素が上げられる。本発
明においては、金属酸化物に特定しているが、高屈折率
層2a及び低屈折率層2bの屈折率範囲を満たす透明層
であれば特に限定されるものではなく、金属酸化物の混
合物、金属酸化物以外でも無機や有機の弗化物などが使
用できる。
法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの真空
成膜プロセスによって形成することができる。屈折率を
変化させるには、成膜条件であるガス圧力、ガス導入
量、イオンビームパワー、プラズマ電力、ガス種などを
変化させる他、成膜粒子の基材に対する入射角を調整す
ることによっても可能であり、屈折率を制御できる方法
であれば、いかなる成膜方法であっても構わない。
とされる400nm〜700nmの範囲において、人間
の目の感度の比較的高い450nm〜650nmの範囲
での分光反射率が1%以下とすることを目的とし、更に
好ましくは0.5%以下の波長域をより広域化するを目
的としている。この様な反射特性を有し、更に生産性、
コスト等を考慮すると全積層数は少ない方がよく、現実
的には積層数を4層構成とした場合が好ましく、更には
1層目と2層目を等価膜とした4層構成が最も好まし
い。
層の表面を保護し、更に防汚性を高めるものであり、要
求性能を満たすものであれば、いかなる材料であっても
制限されるものでない。例えば、疎水性や撥油性を示す
化合物が良く、適した化合物としては、フルオロカーボ
ンやパーフルオロシラン等が、またこれらの高分子化合
物等が好適である。これらの材料は、材料に応じて真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
プラズマCVD法、プラズマ重合法などの真空成膜プロ
セスや、マイクログラビア、スクリーン等のウェットプ
ロセスの各種コーティング方法を用いて、撥水層を形成
することができる。撥水層の厚さは反射防止層の機能を
損なわないように設定されなければならず、形状膜厚1
0nm以下とすることが好ましい。
有し、適度な硬度があれば特に限定はされない。電離放
射線や紫外線照射による硬化樹脂や熱硬化性の樹脂が使
用でき、特に紫外線照射硬化型のアクリル系や有機珪素
系の樹脂や、熱硬化型のポリシロキサン樹脂が好適であ
る。これらの樹脂は、透明プラスチックフィルム基材1
と屈折率が同等もしくは近似していることがより好まし
いが、形状膜厚が5μm以上の場合は特にこの必要はな
い。
0.01〜3μmの透明な無機或いは有機の超微粒子を
混合分散させことにより、一般にアンチグレアと呼ばれ
る光拡散性の処理を施すことができる。これらの超微粒
子は、透明であれば特に限定されるものではないが、低
屈折率材料が好ましく、無機の酸化珪素、弗化マグネシ
ウムが安定性、耐熱性等で好適である。これらのハード
コート層は平滑に且つ均一に塗布されるものであり、塗
布方法はいかなる方法でも構わない。
着剤、接着剤等を用いてガラス板、プラスチック板、偏
光板等と貼り合わせることによって、反射防止性の有す
る光学部材が得られる。
に説明する。 <実施例1>透明基材1のトリアセチルセルロースフィ
ルム80μm上に、高屈折率層2aに酸化チタン、低屈
折率層2bに酸化珪素からなる反射防止層をプラズマア
シスト蒸着法により形成し、全層数は4層とした。各層
の屈折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=50nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=45nm) 3層目:TiO2(nH2=2.00 nd=120n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.40 nd=140n
m) とした。各層の屈折率は、予め成膜条件を適性化し上記
値となるように設定し、特に3層目と4層目は、蒸着粒
子の入射角を斜入射として低屈折率化した。光学膜厚
は、光学式の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に
達した時シャッターを閉じて所定の光学膜厚を得た。こ
の反射防止層の絶対反射測定による分光反射特性を図6
に示す。光の波長の450nm〜650nm以上にわた
って反射率が0.6%以下であり、高い反射防止性を広
波長域で実現できた。
ルロースフィルム80μm上に、高屈折率層2aに酸化
チタン、低屈折率層2bに酸化珪素からなる反射防止層
をプラズマアシスト蒸着法により形成し、全層数は4層
とした。各層の屈折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=50nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=45nm) 3層目:TiO2(nH2=2.15 nd=120n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.43 nd=140n
m) とした。各層の屈折率は、予め成膜条件を適性化し上記
値となるように設定し、特に3層目と4層目は、蒸着中
の圧力を高くして低屈折率化した。光学膜厚は、光学式
の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に達した時シ
ャッターを閉じて所定の光学膜厚を得た。この反射防止
層の絶対反射測定の分光反射特性を図6に示す。光の波
長の450nm〜650nmにわたって反射率が0.6
%以下であり、特に450nm〜630nmにわたって
反射率が0.3%以下となり高い反射防止性を広波長域
で実現できた。
レフタレートフィルム100μm上に、高屈折率層2a
に酸化チタン、低屈折率層2bに酸化珪素からなる反射
防止層をプラズマアシスト蒸着法により形成し、全層数
は4層とした。各層の屈折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=55nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=40nm) 3層目:TiO2(nH2=2.00 nd=110n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.40 nd=145n
m) とした。各層の屈折率は、予め成膜条件を適性化し上記
値となるように設定し、特に3層目と4層目は、蒸着粒
子の入射角を斜入射として低屈折率化した。光学膜厚
は、光学式の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に
達した時シャッターを閉じて所定の光学膜厚を得た。こ
の反射防止層の絶対反射測定の分光反射特性を図7に示
す。光の波長の430nm〜700nm以上にわたって
反射率が0.6%以下であり、高い反射防止性を広波長
域で実現できた。
レフタレートフィルム100μm上に、高屈折率層2a
に酸化チタン、低屈折率層2bに酸化珪素からなる反射
防止層をプラズマアシスト蒸着法により形成し、全層数
は4層とした。各層の屈折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=55nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=40nm) 3層目:TiO2(nH2=2.15 nd=110n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.43 nd=145n
m) とした。各層の屈折率は、予め成膜条件を適性化し上記
値となるように設定し、特に3層目と4層目は、蒸着中
の圧力を高くして低屈折率化した。光学膜厚は、光学式
の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に達した時シ
ャッターを閉じて所定の光学膜厚を得た。この反射防止
層の絶対反射測定の分光反射特性を図7に示す。光の波
長の450nm〜650nm以上にわたって反射率が
0.6%以下であり、特に450nm〜630nmにわ
たって反射率が0.3%以下となり高い反射防止性を広
波長域で実現できた。
ルロースフィルム80μm上に、紫外線硬化型のアクリ
ル樹脂をマイクログラビアコート法により塗布し、紫外
線照射により硬化したハードコート層4を厚さ5μmで
形成した。更に高屈折率層2aに酸化チタン、低屈折率
層2bに酸化珪素からなる反射防止層をプラズマアシス
ト蒸着法により形成し、全層数は4層とした。各層の屈
折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=50nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=45nm) 3層目:TiO2(nH2=2.15 nd=120n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.43 nd=140n
m) とした。各層の屈折率は、予め成膜条件を適性化し上記
値となるように設定し、特に3層目と4層目は、蒸着粒
子の入射角を斜入射として低屈折率化した。光学膜厚
は、光学式の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に
達した時シャッターを閉じて所定の光学膜厚を得た。更
に反射防止層の上に、プラズマCVD法により形状膜厚
で40nmのパーフルオロシランからなる防汚層を形成
し反射防止フィルムを作製した。この反射防止層の絶対
反射測定の分光反射特性を図8に示す。光の波長の45
0nm〜650nm以上にわたって反射率が0.6%以
下であり、高い反射防止性を広波長域で実現できた。
ルロースフィルム80μm上に、紫外線硬化型のアクリ
ル樹脂をマイクログラビアコート法により塗布し、紫外
線照射により硬化したハードコート層4を厚さ5μmで
形成した。更に高屈折率層2aに酸化チタン、低屈折率
層2bに酸化珪素からなる反射防止層をプラズマアシス
ト蒸着法により形成し、全層数は4層とした。各層の屈
折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=50nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=45nm) 3層目:TiO2(nH2=2.15 nd=120n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.43 nd=140n
m) とした。各層の屈折率は、予め成膜条件を適性化し上記
値となるように設定し、特に3層目と4層目は、蒸着中
の圧力を高くして低屈折率化した。光学膜厚は、光学式
の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に達した時シ
ャッターを閉じて所定の光学膜厚を得た。更に反射防止
層の上に、プラズマCVD法により形状膜厚で40nm
のパーフルオロシランからなる防汚層を形成し反射防止
フィルムを作製した。この反射防止層の絶対反射測定の
分光反射特性を図8に示す。光の波長の450nm〜6
50nm以上にわたって反射率が0.6%以下であり、
特に450nm〜630nmにわたって反射率が0.3
%以下となり高い反射防止性を広波長域で実現できた。
ト層に平均粒子径0.5μmの酸化珪素の超微粒子を均
一に分散させて、その上に実施例6同様に反射防止層、
防汚層を順次形成し、反射防止材を作製した。ただし、
光学モニターによる監視は、基材フィルムである本実施
例では光の散乱により不可能なので、近傍に設置したモ
ニター用フィルムを用いて設定の光学膜厚を得た。この
反射防止材は、光拡散性を持つため鏡面光沢がなく、ま
た分光反射特性も拡散反射測定で測定した結果、実施例
6とほぼ同様であり、高い反射防止性を広波長域で実現
できた。
を用いたが、電気伝導性を有する酸化インジウム、酸化
錫、インジウム−錫酸化物(ITO)などを高屈折率層
として使用し、屈折率、光学膜厚を最適化することによ
って、同様の反射防止性を有し、且つ電気伝導性を付与
した反射防止材を作製・実現できる。
レフタレートフィルム100μm上に、高屈折率層2a
に酸化チタン、低屈折率層2bに酸化珪素からなる反射
防止層をプラズマアシスト蒸着法により形成し、全層数
は4層とした。各層の屈折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=55nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=40nm) 3層目:TiO2(nH2=2.25 nd=110n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.46 nd=145n
m) とし、高屈折率層2a及び低屈折率層2bの各々の屈折
率が積層順に関係なく一定となるよう、成膜条件を変え
ずに成膜した。この反射防止層の絶対反射測定の分光反
射特性を図9に示す。実施例3及び4と比較して、近紫
外側及び近赤外側の反射率が光の各波長毎に2倍以上と
なり、反射率が0.6%以下の波長範囲が明らかに狭
く、実施例の方が反射防止性が広波長域であった。
ルロースフィルム80μm上に、紫外線硬化型のアクリ
ル樹脂をマイクログラビアコート法により塗布し、紫外
線照射により硬化したハードコート層4を厚さ5μmで
形成した。更に高屈折率層2aに酸化チタン、低屈折率
層2bに酸化珪素からなる反射防止層をプラズマアシス
ト蒸着法により形成し、全層数は4層とした。各層の屈
折率及び光学膜厚ndは、 1層目:TiO2(nH1=2.25 nd=50nm) 2層目:SiO2(nL1=1.46 nd=45nm) 3層目:TiO2(nH2=2.15 nd=120n
m) 4層目:SiO2(nL2=1.43 nd=140n
m) とした。高屈折率層2a及び低屈折率層2bの各々の屈
折率が積層順に関係なく一定となるよう、成膜条件を変
えずに成膜した。更に反射防止層の上に、プラズマCV
D法により形状膜厚で40nmのパーフルオロシランか
らなる防汚層を形成し反射防止材を作製した。この反射
防止層の絶対反射測定の分光反射特性を図10に示す。
実施例5及び6と比較して、近紫外側及び近赤外側の反
射率が光の各波長毎に2倍以上となり、反射率が0.6
%以下の波長範囲が明らかに狭く、実施例の方が反射防
止性が広波長域であった。
金属酸化物によって形成される反射防止層の高屈折率層
及び低屈折率層の屈折率を、積層順に従って低屈折率化
することにより、層構成の多層化、膜厚の増加、中間屈
折率層などの使用材料の追加等をせずに、また複雑な膜
構成としなくても可視光の広範囲にわたり低い反射率特
性を有する実用性に優れた反射防止材を安価で且つ容易
に提供できる。
化物を用いたり、反射防止層の上に撥水層を形成するこ
とにより、導電性、帯電防止性、防汚性を付与でき、前
記効果に加えてより高機能な付加価値の高い反射防止材
が提供できる。
せるなどして得られた光学部材を用いることによって、
表示品質が向上し、表示画像をより明確に認識でき、健
康に優しいディスプレイを得ることができる。
示す断面図である。
示す断面図である。
示す断面図である。
示す断面図である。
示す断面図である。
る分光反射スペクトルである。
る分光反射スペクトルである。
る分光反射スペクトルである。
光反射スペクトルである。
分光反射スペクトルである。
一に分散させたハードコート層(光拡散層、アンチグレ
ア層)
Claims (7)
- 【請求項1】透明基材上の少なくとも片面に、屈折率の
異なる金属酸化物を順次交互に積層した反射防止層を有
し、前記反射防止層の高屈折率層及び低屈折率層が、各
々同じ金属酸化物で形成されるとともに、前記高屈折率
層の屈折率が各々1.9以上2.5以下で各前記高屈折
率層は透明基材に近い順に屈折率が高く、前記低屈折率
層の屈折率が各々1.3以上1.5以下で各前記高屈折
率層は透明基材に近い順に屈折率が高いことを特徴とす
る反射防止材。 - 【請求項2】前記、反射防止材を形成する金属酸化物の
少なくとも1種類が、導電性を有していることを特徴と
する請求項1記載の反射防止材。 - 【請求項3】前記反射防止層の上に防汚層を形成したこ
とを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の反射防
止材。 - 【請求項4】前記透明基材と反射防止層の間に、耐摩禍
性を有する透明ハードコート層が形成されていることを
特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の反射防止材。 - 【請求項5】前記ハードコート層に平均粒子径0.01
〜3μmの透明な無機或いは有機の超微粒子を含む請求
項4に記載の反射防止材。 - 【請求項6】請求項1〜5の何れかに記載の反射防止材
を有する光学部材。 - 【請求項7】透明基板が光学部材である請求項1〜5の
何れかに記載の反射防止材。
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---|---|---|---|
JP2001217952A JP3750570B2 (ja) | 2001-07-18 | 2001-07-18 | 反射防止材の製造方法及び光学部材 |
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