JP5899696B2 - 反射防止物品 - Google Patents

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Description

本発明は、機器等の情報表示部や展示品の保護等の各種用途に用い得る、光の表面反射を防止した反射防止物品に関するものである。
携帯電話機、デジタルカメラ等の情報表示部や、美術品、商品等の展示物は外部にそのまま露出していると汚れたり、壊れたりする恐れがあるため、水、塵、外力等からそれらを保護する必要がある。しかし、それらがそのまま外部に露出しないよう外側に透明プラスチック板等を配置すると、板の表裏両面で外光が反射し、表示の視認性が低下するという問題があるため、反射防止処理を施した物品が用いられている。
従来の反射防止処理の手法としては、例えば、蒸着、スパッタリング、或いは塗工等の手法によって、低屈折率層単層膜或いは低屈折率層と高屈折率層との多層膜からなる反射防止層を設ける等の技術が一般的である。しかし、蒸着、スパッタリング等による反射防止層は、1回又は多数回のバッチ処理により、屈折率と厚みを制御した薄膜を形成する必要があるので、製品の安定性、良品率等に問題がある上、バッチ式生産となるので、生産性が低く、この為、コストも高くなるという問題があった。
また、別の反射防止処理として、表面を粗化面処理し、その拡散(乱)反射によって鏡面反射光を低減する技術も挙げられるが、この方法では光を拡散させる点で、光の利用効率を上げることはできない上に透過して見る画像の解像度も低下するという問題があった。
そこで、繰返周期が光の波長以下の極めて微細な微細凹凸を表面に設けることによって表面反射率を減少させる技術が提案されている。表面反射を減らすべきレンズ等の光学部品に対して、その表面にフォトレジスト等を塗布し、露光し、現像する等して、レジストパターンを作製し、該パターンによりガラス基材を腐蝕することで、光学部品の表面に一品毎に直接、微細凹凸を造形する方法があるが、一品毎の製造では、作業能率が悪く、工業製品に必要な生産性(量産性)は得られないという問題があった。
また、複製型を用いると共に、いわゆる2P法(Photo−polymerization法)によって、基材上に微細凹凸層を賦形する方法があるが、2P法を利用する限り、得られる反射防止物品の表面に形成された微細凹凸層は、光硬化性樹脂という有機材料からなるので、ガラス等の無機材料の場合に比べれば耐熱性、耐候性等に限界があることは否めなかった。
特許文献1に開示された方法では、微細凹凸を有する反射防止物品を製造する際に工程として順次、(A)先ず、微細凹凸形状を造形した原型を用意し、(B)次いで、賦形型として上記原型を用いるか、或いは、上記原型の表面の微細凹凸形状を1又は2回以上の型取・反転による複製を経て複製型を作製して該複製型を用いて、基材上に塗布形成した有機金属化合物を含むゾルゲル液の塗布膜に対して、前記賦形型を押圧後、離型して、該塗布膜の表面に微細凹凸を賦形して微細凹凸層とする、各工程を行う構成として、ゾルゲル法によって反射防止物品を製造する。この方法を用いると、複製型を用いるため生産性を向上することはできる。
しかしながら、反射防止物品に手指が触れることで皮脂等の汚れが付着したり、外部環境にさらされるために塵や埃、水が付着したりすることがあるが、微細凹凸に付着した汚れや埃はアルコール等で容易に除去できないという問題があった。
そのため、携帯電話機、デジタルカメラ等の情報表示部に用いる反射防止物品など、反射防止物品の外面(外側に向いた面)が手指で触れられる用途については、反射防止物品の微細凹凸面を内側に向けて設ける、又は、装置内部に設けるなど、微細凹凸面(モスアイ面)が手指と接触したり、外部環境にさらされないように、閉じた内部空間で微細凹凸が用いられていた。しかし、この場合、外光の反射を内面では防止する効果はあるが、外面で光の反射は防止されない。
反射防止物品の微細凹凸を外面に設ける場合には、汚れの除去に手間がかかるため、比較的手指と接触しないよう、人が離れて見る美術館の美術品展示用透明保護板や高額商品のショーケースなどに反射防止物品の用途が限られていた。
しかし、近年は、コンビニエンスストア、デパート又は量販店のショーケース、夕方などに見にくいカーナビのタッチパネルなどより広い範囲の用途で反射防止機能を付与できる技術が求められている。
特許第4270806号
本発明の目的は、微細凹凸に付着した汚れを分解して低減或いは除去でき、微細凹凸によって光の反射を防止する反射防止物品を提供することにある。
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の反射防止物品は、表面に微細凹凸を有する微細凹凸層を有機質材料の支持体上に設けた反射防止物品であって、
上記微細凹凸は、可視光の波長帯域の最大波長をλMAXとし、該微細凹凸表面の頂部に於ける周期をPMAXとしたときに、
MAX≦λMAX
なる関係が成立し、
且つ、
該微細凹凸が、その凹凸方向と直交する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける微細凹凸層の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の頂部から最深部に行くに従って連続的に漸次増加して行く形状を有する微細凹凸であり、
前記微細凹凸層は、ラテックス系バインダーよりなる群から選ばれる微細凹凸形成材料に光触媒の微粒子を含む材料を用いて形成したものであり、
当該微細凹凸層の内部に光触媒の微粒子が分散していることを特徴とする。
微細凹凸の凸部の内部に光触媒が存在していることによって、汚れが付着しても、光触媒によって分解され、除去又は低減することができる。
また、光触媒が微細凹凸の表面に吸着した水分を分解して、遊離基状態の水素基(OH)、遊離した酸素(O)等を生成して表面の濡れ性が促進され、表面が水の薄膜で被覆され、汚れ自体が付着し難くなるという効果もある。
なお、上記微細凹凸によって光反射が防止されるのは、簡単に言えば、物質表面に、反射防止すべき光の波長以下のサイズの微細凹凸を設けると、該表面と空気間の屈折率変化を、実質的に穏やかで連続的なものにできるので、急激で不連続な屈折率変化の場合に生じる現象である光反射を防げるからである。しかも、この様な微細凹凸を設けた反射防止物品が備える反射防止機能は、粗化処理等の様な乱反射による鏡面反射光を低減する光拡散性の反射防止ではなく、物品表面と空気との界面の急激な屈折率変化を緩和する事によって実現している為に非光拡散性であり、光反射率が低減した分、光透過率が向上する。
本発明に係る反射防止物品は、前記微細凹凸層を透明基材の表面に設けられていることが好ましい。これにより、本発明の反射防止物品をガラスに張り付けるとガラスが存在することが分からなくなるほど外光反射を極めて少なくすることができる。
前記光触媒の微粒子は、平均一次粒経が前記微細凹凸の高さ未満且つ頂部に於ける周期PMAX未満の光触媒微粒子であることが好ましい。
前記光触媒の微粒子は、酸化チタンを含む光触媒であることが好ましい。
本発明によれば、表面に微細凹凸を有し、該微細凹凸の凸部の表面及び/又は内部に光触媒が存在していることにより、微細凹凸の表面に有機物を含む汚れが付着した場合に、該汚れを分解し、除去あるいは低減させることができる。
また、光触媒が微細凹凸の表面に吸着した水分を分解して、OH、O等を生成して表面の濡れ性が促進され、表面が水の薄膜で被覆され、汚れ自体が付着し難くなるという効果もある。
本発明の反射防止物品の一形態を概念的に説明する断面図。 微細凹凸で得られる有効屈折率の分布を概念的に説明する為の図。 微細凹凸で得られる有効屈折率の分布を概念的に説明する為の図。 微細凹凸で得られる有効屈折率の分布を概念的に説明する為の図。 微細凹凸の垂直断面形状の幾つかを例示する断面図。 微細凹凸の水平面内での配置の幾つかを例示する断面図。
以下に図面を用いて本発明に係る反射防止物品について説明するが、図面は説明を容易にするために例示的に本発明を示しているものであって、本発明はこれに限定されない。
図1に示すように、本発明の反射防止物品1は、表面に微細凹凸2を有する微細凹凸層3を含む反射防止物品1であって、
上記微細凹凸2は、可視光の波長帯域の最大波長をλMAXとし、該微細凹凸2表面の頂部4に於ける周期をPMAXとしたときに、
MAX≦λMAX
なる関係が成立し、
且つ、
該微細凹凸2が、その凹凸方向と直交する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける微細凹凸層3の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸2の頂部2tから最深部2bに行くに従って連続的に漸次増加して行く形状を有する微細凹凸であり、
該微細凹凸の凸部4の表面及び/又は内部に光触媒が存在していることを特徴とする。
本発明の反射防止物品1は、その表面に有する上記条件を満たす形状の微細凹凸2によって、反射防止効果を発揮し、且つ、微細凹凸2の凸部4の表面及び/又は内部に光触媒が存在することによって、微細凹凸2の表面に有機物を含む汚れが付着した場合に、該汚れを分解し、除去あるいは低減させることができる。
また、光触媒が微細凹凸の表面に吸着した水分を分解して、OH、O等を生成して表面の濡れ性が促進され、表面が水の薄膜で被覆され、汚れ自体が付着し難くなるという効果もある。
「微細凹凸の凸部の表面及び/又は内部に光触媒が存在」とは、微細凹凸2の頂部2tの表面上に光触媒が付着している状態、微細凹凸2の頂部2tを構成する材料に光触媒が含まれている状態、あるいは、その両方を含む状態をいう。光触媒は、少なくとも微細凹凸2の頂部2tを含む領域の表面及び/又は内部に存在していることが好ましい。これは、頂部2tに最も汚れが付着しやすく、光触媒による汚れの分解が必要とされるため、効果的に光触媒が作用することができるからである。「頂部2tを含む領域」とは、微細凹凸の高さの上から1/4をいう。また、凸部4とは、微細凹凸層2の最深部2bよりも上側(頂部側)の全体をいう。
光触媒が少なくとも微細凹凸2の頂部2tを含む領域の表面に存在する場合は、微細凹凸2の頂部2tを含む領域の表面に連続的に光触媒が付着して、微細凹凸の表面が光触媒の層(光触媒層)で被覆されていることが好ましい。
光触媒が少なくとも微細凹凸2の頂部2tを含む領域の内部に存在する場合には、微細凹凸の表面付近に光触媒が存在することが好ましい。例えば、微細凹凸を構成する材料に光触媒の粒子(光触媒粒子)が分散されている態様が挙げられるが、光触媒粒子は凸部4の内部全体に広がって分散されていてもよいが、微細凹凸2の表面近傍のみに偏在していてもよい。あるいは、微細凹凸が光触媒そのもので形成されていてもよい。これは、光触媒が凸部の内部に存在しているとしても、微細凹凸2の表面から遠い位置の光触媒は付着した汚れと接触できず、その効果を発揮できないことから、添加した光触媒を効果的に利用するためである。
光触媒は、微細凹凸2の表面付近に広範囲にわたって付着していることが好ましい。これにより、同じ面積の平坦な表面を有し、その表面に光触媒が存在する反射防止物品よりも優れた光触媒の効果を実現できる。微細凹凸2の頂部2tの表面及び/又は内部に光触媒が存在していれば、最深部2bの表面及び又は内部にも光触媒が存在していてもよい(ここで、最深部2bの内部とは、最深部2bの底(最凹部)が支持体5まで達しない微細凹凸の形状である場合における、最深部2bと支持体5の間に存在する厚みのある微細凹凸材料部分をいう)。したがって、光触媒が少なくとも微細凹凸2の頂部2tを含む領域の表面に存在する場合は、微細凹凸2の表面全体が光触媒の層(光触媒層)で被覆されていることが好ましく、光触媒が少なくとも微細凹凸2の頂部2tを含む領域の内部に存在する場合には、微細凹凸2の内部の表面付近に連続して光触媒が層を形成している、または、微細凹凸2が光触媒そのもので形成されていることが好ましい。
本発明の反射防止物品1は、図1に示すように前記微細凹凸2を有する微細凹凸層3を支持体5の表面に設けたものである。
〔微細凹凸の形状〕
本発明の微細凹凸の形状の第1の条件「可視光の波長帯域の最大波長をλMAXとし、該微細凹凸表面の頂部に於ける周期をPMAXとしたときに、PMAX≦λMAXなる関係」を説明する。本発明の反射防止物品は、その微細凹凸によって反射防止効果を発揮しているが、微細凹凸2が、反射防止効果を有するのは、次の様な理由による。
該微細凹凸2によって、反射防止物品の表面を構成する微細凹凸層3と、外界(通常は空気。但し、反射防止物品1の使用携帯によっては、水、真空、或いは接着剤等の樹脂等になる場合もある)との間の急激で不連続な屈折率変化を、連続的で漸次変化する屈折率変化に変えることが可能となるからである。それは、光の反射は、物質界面の不連続な急激な屈折率変化によって生じる現象であるから、物品表面に於ける屈折率変化を、空間的に連続的に変化する様にすることによって、該物品表面に於ける光反射が減るのである。尚、微細凹凸層3は、通常は透明で光は透過する物となるが、不透明の物であっても、その表面反射を低下する反射防止効果は得られる。
以下、微細凹凸層3表面に形成された微細凹凸2によって、反射防止効果が得られる理由について、微細凹凸層3(及び支持体(基材)5)が透明であり、微細応答2の該回を構成する媒質が空気である場合を前提として詳述する。
図2は、微細凹凸層3の表面に賦形された微細凹凸2によって得られる屈折率分布を、概念的に説明する概念図である。先ず、図2は、反射防止物品として、支持体5(図示時せず)上に積層され表面に微細凹凸2が付与された微細凹凸層3について、微細凹凸2の高さをZ軸で表し、微細凹凸層3の最深部tbを含む高さを0、微細凹凸層3の頂部2tを含む高さ(厚さ)を1とした場合、該微細凹凸層3の微細凹凸を含まない部分(凸部4以外の部分)が、Z≦0の部分の空間を占め、該微細凹凸層3の表面、すなわちZ=0に於けるXY平面上に、Z軸方向を凹凸方向とする多数の微細凹凸2が配置された状態を示す。
そして、本発明では、微細凹凸2を、図2の如く、その頂部2tに於ける周期をPMAXとしたときに、このPMAXが、可視光の波長帯域の最大波長λMAX以下としてある為、微細凹凸形成面への到達光に対しては、媒質(微細凹凸層3、及び空気)の屈折率に空間的な分布があっても、それは波長帯域に含まれる少なくとも一部の成分の波長以下の大きさの分布である為に、その分布がそのまま直接に光に作用せず、それが平均化されたものとして作用する。従って、平均化された後の屈折率(有効屈折率)が光が進行するに従って連続的に変化する様な分布にしておけば、光の反射を防げるのである。
尚、本発明に於いて、頂部2tに於ける周期PMAXとは、隣接する微細凹凸2の頂部2t間の距離のうち最大の距離であって、個々の微細凹凸が規則的に配置され周期性を有する(隣接する微細凹凸同士間の距離が全て同一)構成でも良いが、周期性が無い(隣接する微細凹凸同士間の距離が不揃い)構成、或いは微細凹凸2に周期性は存在するが、その周期に分布(空間周波数スペクトル)を有する構成でも良い。後者の場合には、頂部2tの周期の分布に於ける最大値を以って周期PMAXとする。但し、不良、欠陥等による特異な値は除くため、通常、各隣接二頂部間の周期を多数(通常、10〜100程度)測定し、「これらの値の平均値+(3×標準偏差)」を以って最大値とする。
また、「PMAXが可視光の波長帯域の最大波長λMAX以下」において、可視光の波長が単一(レーザの如き線スペクトル)である場合は、その波長が最大波長λMAXになるが、可視光の波長が2種以上である乃至はスペクトル(波長分布乃至波長帯域)を有する場合は、2種以上ある波長乃至はスペクトルの波長帯域のうち最大の波長が最大波長λMAXとなる。
可視光の波長が2種以上乃至はスペクトルを有する場合でPMAX≦λMAXである場合、上述したように光の波長以下の大きさである微細凹凸がその光の反射を防止することができることから、PMAX=λMAXのときは、PMAXの微細凹凸は最大波長λMAXを反射防止できるが、PMAXより小さい波長を反射防止できない。PMAX=λMAXは、反射防止効果を発揮する最低限の条件である。
より反射防止効果を発揮させたい場合は、PMAX<λMAX、更に好ましくはPMAX<λMINとすればよい。ここで、λMINとは、可視光の波長帯域の最短波長である。これにより、可視光の波長が2種以上乃至はスペクトルを有する場合も、微細凹凸の大きさは全ての波長以下になり、全ての波長の光を反射防止することができる。
図2では、直交座標系として、微細凹凸層3の表面の包絡面に立てた法線方向にZ軸を、また、それと直交する平面内にX軸、Y軸をとる。そして、今、光が微細凹凸層外部から微細凹凸層内に入光して、該微細凹凸層内部を進み、該微細凹凸層の表面近傍をZ軸の負方向に向かって進行しつつあり、丁度、Z軸座標がzのところに存在するとする。
すると、ここのZ=zに居る光にとっては、媒体の屈折率は微細凹凸層3表面が特定の微細凹凸2をなす為、厳密には、Z=zに於いてZ軸と直交するXY平面(横断面:水平断面)内に於いて、分布f(x,y,z)を持つ様に見える。すなわち、XY平面内に於いて、微細凹凸層3の断面部分は屈折率nb(1.5程度)、其の他の部分、具体的には空気aの部分は屈折率n(=1.0程度)となる(図3参照)。
ところが実際には、光にとっては、その波長(反射防止の対象とする光の波長が分布を有する場合は、その波長帯域の最大波長λMAX、好ましくはその波長帯域の最小波長λMINを考えれば良い)よりも小さな空間的スケールの屈折率分布は、平均化されたものとして作用する結果、平均化された結果の有効屈折率は、前記XY平面内に於いて、屈折率分布f(x,y,z)をXY平面内に於いて積分したもの、
Figure 0005899696
となる。その結果、有効屈折率(nef)の分布はzのみの関数nef(z)となる(図4参照)。
よって、もしも、微細凹凸2に於ける微細凹凸層3の凸部の断面積が、凹部に向かって連続的に増大する様な形状であれば(XY平面内に於ける)微細凹凸層部分と空気部分との面積比がZ軸方向に向かって連続的に変化する為、有効屈折率nef(z)はzについての連続関数になる。
一方、一般に屈折率nの媒質から、屈折率nの媒質に光が入射する場合を考える。ここでは、簡単の為に、入射角θ=0°(垂直入射)を考える。但し、入射角は入射面の法線に対する角度とする。この場合、媒質界面での反射率Rは、偏光、及び入射角には依存せず、下記の式(2)となる。
Figure 0005899696
従って、有効屈折率のZ方向への変化が連続関数であるということは、Z方向(光の進行方向)に微小距離Δz隔てた2点、Z=zに於ける屈折率nef(z)をn、Z=z+Δzに於ける屈折率nef(z+Δz)をn、としたときに、
Δz→0 ならば、n→n
となり(連続関数の定義より)、よって、式(2)より、
R→0となる。
なお、ここで、より厳密に言うと、物体中での光の波長は、真空中の波長をλ、物体の屈折率をnとしたときに、λ/nとなり、λよりは一般に或る程度小となる。但し、物体が空気の場合の屈折率はn≒1の為、λ/n≒λと考えて良い。但し、微細凹凸層に使われる材料は、通常1.5前後の屈折率である為、屈折率nの基材中の波長(λ/n)は、0.7λ程度となる。この点を考慮すると、微細凹凸2の部分に於いて、空気の側の部分(微細凹凸2の凹部)について見れば、
MAX≦λMAX、好ましくは、PMAX≦λMIN
の条件を満たすとき、屈折率平均化による反射率低減効果が期待出来る。
但し、λMIN/n≦PMAX≦λMIN
である場合は、微細凹凸層の部分(微細凹凸2の凸部4)の寄与について見れば、屈折率平均化による反射率低減効果は、少なくとも完全には期待出来ないことになる。しかし、それでも、空気部分に於ける寄与の為、全体としては反射防止効果を有する。
そして、
MAX≦λMIN/n、より好ましくはPMAX<λMIN/n
の条件までも満たす場合は、空気部分、微細凹凸層部分とも、周期PMAXが、最大波長は勿論、更には最短波長よりも小さいと言う条件が完全に満たされる為、屈折率平均化による反射防止効果は、より完全となる。
具体的には、λMAXを可視光波長帯域の上限780nm、nを仮に1.5とすれば、λMAX/nは520nm、つまりPMAXは520nm以下とすれば、最低限、可視光線の全波長帯域中の最大波長λMAXの光に対してい十分な反射防止効果を発現する。λMINを可視光波長帯域の下限380nm、nを仮に1.5とすれば、λMIN/nは250nm、つまりPMAXは250nm以下とすれば、可視光線の全波長帯域の光に対して十分な反射防止効果を発現する。
次に、微細凹凸の形状の第2の条件「凹凸方向と直交する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける微細凹凸層の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の頂部から最深部に行くに従って連続的に漸次増加して行く形状を有する微細凹凸」を説明する。
微細凹凸2の形状は、微細凹凸2をその凹凸方向と直交する面(XY平面)で切断したと仮定したときの断面(水平断面)内に於ける微細凹凸層の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の頂部2t(頂上)から最深部2b(谷底)に行くに従って連続的に漸次増加して行く形状とする。この為には、微細凹凸2の山は少なくともその一部の側面が斜めの斜面を有するものとすれば良いが、下記する図5(C)の様に斜面と共に垂直側面がある形状の微細凹凸でも良い。特に、好ましくは、頂部2tに於いて完全に断面積占有率が0に収束し、且つ最深部に於いて完全に断面積占有率が1に収束する形状とする。具体的には例えば、図5(B)、図5(C)の如き形状が挙げられる。但し、図5(D)、或いは図5(E)の如く、頂部に於いては、断面積占有率がほぼ0に漸近した形状、或いは、最深部に於いてほぼ1に漸近する様な形状であれば、或る程度の効果は得られる。微細凹凸の形状は、この様な条件を満たせば、どんな形状でも良い。
例えば、個々の微細凹凸2の垂直断面形状は、図5(A)の如き正弦波等の曲線のみによる波状の形状(図2も参照)、図5(B)及び図5(C)の如き三角形等の直線のみによる形状、或いは、図5(D)の如き三角形の頂部が平坦面を成す形状である台形の形状、図5(E)の如き隣接する三角形間の最深部が平坦面を成す形状等である。但し、図5(D)や図5(E)の如く、頂部或いは最深部に平坦面を有する形状では、頂部或いは最深部の平坦面の部分で、その平坦面の占める面積割合が大きい程、有効屈折率の変化がより大きく不連続となる。その点で性能的には劣るものとなる。しかし、この場合でも、微細凹凸の頂部から最深部に行くに従って有効屈折率を連続的に変化させることは出来る。従って、反射防止性能の点では、頂部或いは最深部の平坦面の面積割合は少ない程好ましい。微細凹凸の頂部に於いて、微細凹凸層の断面積占有率が0に収束する図5(A)、図5(B)、或いは図5(C)の如き形状(すなわち、尖った形状)で且つ最深部に於いて該断面積占有率が連続的に1に収束する形状が最も好ましい。
尚、微細凹凸2(の凸部4)の垂直断面形状は、図5(A)の如く頂部近傍が外方(図面では上方)に向かって凸の滑らかな曲線となる形状の方が、図5(B)の如く頂部近傍が外方に向かってとがった不連続点(尖点)となる形状に比べて、微細凹凸層の頂部又は最深部に於いて、有効屈折率nefの厚み方向(図5(B)では上下方向)に対する変化の不連続性がより少なく、光の反射率がより低減する為、好ましい。
次に、個々の微細凹凸の水平断面形状は、円形(例えば図2)、楕円形、三角形、四角形、長方形、六角形、其の他多角形等任意である。なお、水平断面形状は、微細凹凸の頂部から最深部の全てにわたって同じである必要は無い。従って、微細凹凸の立体形状は、例えば、水平断面形状が円形で垂直断面形状が正三角形の場合の微細凹凸の立体形状は円錐に、水平断面形状が円形で垂直断面形状が三角形の場合の微細凹凸の立体形状は斜円錐に、水平断面形状が三角形で垂直断面形状が正三角形の場合の微細凹凸の立体形状は三角錐に、水平断面形状が四角形で垂直断面形状が三角形の場合の微細凹凸の立体形状は四角錐になる。
また、微細凹凸の、水平面内に於ける配置は、図2で例示した如く二次元的配置の他に、図6(A)の斜視図で例示の直線溝状の微細凹凸2の如く、一次元的配置でも良く、どちらも効果は得られる。但し、一次元的配置の場合は、光の波の振幅方向との関係で、反射防止効果が得られる方向と得られない方向とが出る、異方性が発生する。従って、図2の斜視図や図6(B)及び(C)の平面図で例示の様な二次元的配置の方が、方向性が全く無い点で好ましい。
尚、個々の微細凹凸の立体形状は全て同一でも良いが、全て同一で無くても良い。また、個々の微細凹凸2を二次元配置する場合に、周期は、個々の微細凹凸に於いて全て同一でも良いが、全て同一で無くても良い。
また、微細凹凸の高さHは、希望する反射率の低減効果と微細凹凸層表面に入射する可視光帯域の最大波長に応じて決定する。例えば、特開昭50−70040号公報(特にその第3図)記載の反射率、微細凹凸の高さ、及び光波長との関係を基に設計する場合、例えば、可視光帯域での反射率を、2%(未処理の硝子の場合の半分)以下に低減させることを目標とするならば、その最小高さHMINが0.2λMAX以上、
すなわち、
MIN≧0.2λMAX
また、可視光帯域での反射率を0.5%以下にまで低減させることを目標とするならば、
MIN≧0.4λMAX
とするのが好ましい。
なお、ここで、λMAXは、可視光波長帯域の最大波長である。微細凹凸の高さHは、ゼロから高くなるに従って反射率が低下して行くが、上記不等号条件を満足させる高さまで達すると、有為な効果が得られる様になる。具体的には、例えば、発光スペクトルの最大波長が、λMAX=640nmの蛍光灯を用いたとすれば、HMIN≧0.2λMAX=128nmとかなる。すなわち、HMINは128nm以上とすれば良い。また、スペクトルの最大波長がλMAX=780nmの太陽光線を考えるならば、HMIN≧0.2λMAX=156nm、すなわち、HMINは156nm以上とすれば良い。また、最小高さHMINと周期PMAXとの関係では、最小高さHMIN/周期PMAXの比を、1/2〜4/1程度とする。
尚、支持体5上の微細凹凸層3には、最低限、凸部4のみ存在すれば良い。但し、現実的には凸部4を支持体5上に十分強固に密着固定するため、また押し型加工により微細凹凸2を賦形する場合には、被賦形層には押込む凸部4の高さ以上の厚みが必要なため、通常は微細凹凸層3の凸部4と支持体5との間に、厚さ1〜5μm程度の凸部4と同じ材料からなる層(図1参照)を有する。
ここで、微細凹凸の具体的形状及び大きさを例示すれば、形状としては、(1)微細凹凸層3表面の包絡面の法線を含む面で切断した垂直断面が正弦波状で水平断面が円形の円錐状の形状のものを多数、二次元的に規則的配置した集合体、(2)垂直断面が三角形の頂点近傍を円弧状に丸めた形状であり、且つ水平断面が円又は楕円形状となる、円錐の頂部近傍を球面状の曲面とした形状の集合体を挙げることができる。また、微細凹凸の大きさは、周期期PMAXが50〜250nm、最小高さHMINを前記周期PMAXの1.5倍としたものを挙げることができる。
以下に、本発明の光触媒、支持体、微細凹凸の材料についてそれぞれ詳述する。
〔光触媒〕
本発明における光触媒としては、皮脂、汚れ等の有機物、塵、水などを分解することができるものが用いられ、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。特に、本発明における光触媒は、酸化チタンを含む光触媒であることが好ましい。酸化チタンを含む光触媒としては、アナターゼ型二酸化チタン(TiO)、ルチル型二酸化チタン(TiO)が挙げられるが、好ましくは、アナターゼ型酸化チタンからなる光触媒である。これは、現在、工業的に量産技術が確立しており、市場にて適当な価格で入手が容易であり、且つ光触媒機能も高度で安定している為である。
光触媒を微細凹凸2の凸部4の表面及び/又は内部に存在せしめる具体的形態には、上述の如く各種有るが、代表的形態としては、光触媒の微粒子を該凸部に添加する形態が挙げられる。この場合、光触媒微粒子の形状は、球状、多面体状、針状、不定形粉末状など特に限定されないが、平均一次粒経が前記微細凹凸の高さ未満且つ頂部に於ける周期PMAX未満の光触媒微粒子であることが好ましい。これよりも大きい粒子は、微細凹凸層の内部に含有させられないからである。また、微細凹凸形状を忠実に再現可能とするため、好ましくは、平均一次粒経が、100nm以下の光触媒粒子である。
尚、本発明において、微粒子の平均粒径とは、組成物における微粒子の場合は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定した値を意味し、硬化膜中の微粒子の場合は、硬化膜の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子10個の平均値を意味する。
光触媒は、上述したものを1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
光触媒を微細凹凸の凸部の表面に存在させる場合、その量は、微細凹凸形成組成物の全固形分100質量%に対して、10〜90質量%とすれば良い。ここで、固形分とは、微細凹凸形成組成物から溶剤を除いた部分をいう。
光触媒を微細凹凸の凸部の内部に存在させる場合、その量は、(微細凹凸形成組成物の全固形分100質量%に対して、70〜97質量%とすれば良い)。
〔支持体〕
支持体5としては、特に限定されないが、ガラス(含むセラミックス)等の無機質材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂を用いることができる。なお、塗布膜を焼成する場合は、焼成時の耐熱性の点で支持体としては無機質材料が好ましい。支持体の材料には、反射防止物品の用途に応じた材料を使用すれば良い。本発明の反射防止物品は、微細凹凸層を透明基材の表面に設けたものであることが好ましい。この場合、微細凹凸層も透明であることが好ましく、ガラスに反射防止物品を貼りつけるとまるでガラスが存在しないかのような効果を発揮する。
無機質材料の支持体としては、ソーダガラス、鉛ガラス、石英ガラス等のガラス、PLZT等のセラミックス、石英、蛍石等が挙げられる。
有機質材料の支持体としては、熱可塑性樹脂が代表的であり、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂(但し、(メタ)アクリルとはアクリル、或いはメタクリルを意味する)、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等があるが、例えば、日本ゼオン株式会社製の製品名「ゼオノア」、JSR株式会社製の「アートン」等がある)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、セルロース系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン等が挙げられる。
〔微細凹凸〕
微細凹凸の構成材料は、微細凹凸を形成できる加工性に加えて、光触媒の分解作用に対して優れた抵抗性を有する材料であることが好ましい。
特に微細凹凸を形成できる加工性については、押し型加工(プレス加工、エンボス加工)、キャスティング加工(鋳込成形、注型成形)、射出成形など、微細凹凸の鋳型を用いる賦形プロセスによって微細凹凸を形成できる成形材料であることが好ましい。
賦形プロセスに適用可能でかつ光触媒の分解作用に対して優れた抵抗性を有する成形材料としては、有機金属化合物を含むゾルゲル反応性組成物、ポリマー分子内に有機構造と無機構造を含む有機−無機ハイブリッドポリマーを含む組成物、無機材料と有機バインダーを混合した組成物など、有機構造と無機構造を含む材料が該当するが、そのほかにもラテックス系バインダーのような有機バインダーの一部が該当する。特に、本発明における微細凹凸は、有機構造と無機構造を含む材料およびラテックス系バインダーよりなる群から選ばれる材料を用いて形成したものであることが好ましい。
有機金属化合物を含むゾルゲル反応性組成物としては、重縮合反応や架橋反応等によって、その粘度が上昇する様な化合物を使用することができる。有機金属化合物としては、例えば、一般式RnM(OR’)mで表される金属アルコキシド化合物や、その加水分解物等が挙げられる。なお、上記式中、Mは、Si、Ti、Zr、Al、Ca、Na、Pb、B、Sn、Ge等の金属を表し、R及びR’はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基を表し、n及びmは、n+mが金属Mの原子価となる整数を表す。従って、例えば金属Mがケイ素Siの場合には、上記一般式は、RnSi(OR’)n−4となる。
更に、上記の如き金属アルコキシ化合物の具体例を挙げれば、Si(OCH、Si(OC等のケイ素系アルコキシド化合物、Ti(OC、Ti(OC等のチタン系アルコキシド化合物、Zr(OC、Zr(OC等のジルコニウム系アルコキシド化合物、Al(OC、Al(OC等のアルミニウム系アルコキシド化合物、NaOC等のナトリウム系アルコキシド化合物等が挙げられる。
更に、ケイ素系アルコキシド化合物の具体例を挙げれば、メチルトリエトキシシラン〔(CH)Si(OC〕、メチルトリプロポキシシラン〔(CH)Si(OC〕、ジメチルジエトキシシラン〔(CHSi(OC〕等が挙げられる。
その他、4、3、2官能のアルコキシシラン、およびこれらアルコキシシラン類の縮合物、加水分解物、シリコーンワニス等が使用できる。3、2官能のアルコキシシランは、一般的にはシランカップリング剤と呼ばれることも多いが、本発明ではシリコン1分子に1つ以上のアルコキシ基が結合している化合物をアルコキシシランと称する。具体的に例示すると、5官能アルコキシシランとしてはテトラミトキシシラン、テトラエトキシシラン及びテトラプロポキシシラン、3官能のアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドプロポキシトリメトキシシラン、グリシロプロピルメチルジエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン及びメルカプトプロピルトリメトキシシラン、2官能のアルコキシシランとしてはジメチルメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン及びジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。縮合物としては、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51等の4官能アルコキシシランの縮合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。加水分解物としては、アルコキシシラン類を有機溶媒と水及び触媒を使用して加水分解させたものを使用できる。これらのシリカ化合物のうち、特に、トトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルシリケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート51及びそれらの加水分解生成物であるアルコール性シリカゾルは膜を強固に固定でき、かつ比較的安価であることから特に良好である。
また、有機金属化合物としては、一般式XnM(OR’)mで表される金属アルコキシド化合物(但し、上記式中Xは、アミノ基、カルボキシル基、グリシジル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の反応性官能基)、例えば金属がケイ素の場合では所謂シランカップリング剤と称される化合物等も使用することができる。
また、有機金属化合物を含むゾルゲル反応性組成物に賦形時の可塑性の向上の為に添加する樹脂や低分子化合物としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール等の熱可塑性樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル化合物等の低分子有機化合物を使用することができる。
また、ゾルゲル液には、水、或いは、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル等の溶剤を適宜使用する。また、ゾルゲル液には、塩酸等の酸やアルカリを、有機金属化合物やその加水分解物等の加水分解反応を促進する触媒として適宜使用する。
有機金属化合物を含むゾルゲル反応性組成物は、縮重合反応によって硬化させた後、さらに焼成処理することによって、実質的に有機成分を含まない無機材料になるため、光触媒の分解作用に対して特に優れた抵抗性を有しており、極めて好ましい。
ポリマー分子内に有機構造と無機構造を含む有機−無機ハイブリッドポリマーとしては、オルガノポリシロキサンを主体とするシリコーンベースのバインダーが挙げられる。例えば、ポリジアルキルシロキサン、ポリジアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリアルキルアルコキシシロキサン、またはその類似物を含むポリオルガノシロキサンであってもよい。
無機材料と有機バインダーを混合した組成物としては、シリカ等の純無機物と、熱可塑性、光硬化性または熱硬化性有機バインダーとの混合物が挙げられるが、有機バインダーとしては後述するラテックス系バインダーのような光触媒の分解作用に対して優れた抵抗性を有するものを用いることが好ましい。
ラテックス系バインダーとしては、例えば、天然ラテックス、ネオプレン・ラテックス、ニトリル・ラテックス、アクリル・ラテックス、ビニル・アクリル・ラテックス、ニトリル・ラテックス、スチレン・ブタジエン・ラテックス、およびその類似物が挙げられる。ラテックスバインダーは、上記したシリコーンベースのバインダーと組み合わされてもよい。
尚、有機構造を実質的に含まない無機物のみからなる材料は、光触媒の分解作用に対する抵抗性に優れているが、賦形プロセスにより微細凹凸を形成することは一般的に難しい。ただし、無機物からなる塗膜を形成することは可能である。よって、無機物の塗膜に、フォトプロセスによって微細なレジストパターンを形成し、エッチング加工することによって微細凹凸を形成することができる。
〔製造方法〕
次に、本発明の反射防止物品の製造方法について説明する。
本発明の反射防止物品は、支持体を用意し、その上に微細凹凸形成材料を設けてから微細凹凸を形成した後、微細凹凸の表面に光触媒を付与する方法、又は、支持体を用意し、その上に、光触媒を含む微細凹凸形成材料を設けた後、微細凹凸を形成する方法によって製造することができる。
微細凹凸の形成方法としては、微細凹凸形成用材料に鋳型を用いて微細凹凸を賦形する押し型加工や射出成形などの方法や、微細凹凸形成用材料の塗膜にフォトプロセスによって微細なレジストパターンを形成し、エッチング加工することによって微細凹凸を形成することができる。
例えば、特許第4406553号に開示された方法においては、(a)凹凸を構造転写により形成可能な細孔を表面に有する陽極酸化ポーラスアルミナであって、陽極酸化による細孔形成処理と腐蝕による孔径拡大処理を交互に繰り返すことで、該細孔を細孔径が深さ方向に対して変化するテーパー形状の孔とした陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として、あるいは(b)該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したスタンパを鋳型として、用いて、高分子膜の表面に凹凸を形成する。
また、例えば、特許文献1に開示された方法では、微細凹凸を有する反射防止物品を製造する際に工程として順次、(A)先ず、表面に微細凹凸形状を造形した原型を用意し、(B)次いで、賦形型として上記原型を用いるか、或いは、上記原型の表面の微細凹凸形状を1又は2回以上の型取・反転による複製を経て複製型を作製して該複製型を用いて、基材上に塗布形成した有機金属化合物を含むゾルゲル反応性組成物の液(ゾルゲル液とも呼称する)から成る塗布膜に対して、前記賦形型を押圧後、ゾルゲル液を脱水、重合化によりゲル化した後、離型することによって、固化した該塗布膜の表面に微細凹凸を賦形して微細凹凸層とする、各工程を行う構成として、ゾルゲル法によって反射防止物品を製造する。
ここで、ゾルゲル法は、アルコキシシラン等の有機金属化合物を水及びアルコール混合液中に、加水分解し、溶解してなる金属酸化物の前駆体を含むゾルゲル液を基材上に塗布した塗布膜から、加熱による脱水によって金属酸化物からなる無機質系塗膜を形成する方法として知られている。また、最近では、有機無機複合膜を形成する方法としても知られている。これらのゾルゲル法にて、基材が樹脂シート等の場合には、塗布膜を高温で熱処理して有機質成分を燃焼・消失させる焼成工程は含めないが、基材がガラス等の無機質材料の場合には、基材が高熱に耐え得る為に、更に塗布膜を焼成して完全な無機質膜とすることもできる。
特に、本発明の微細凹凸は、有機金属化合物を含むゾルゲル反応性組成物のゾルゲル反応による硬化物からなるものであることが好ましい。反射防止物品の表面に形成する微細凹凸層は、ゾルゲル法によって形成する為に無機質系の層が得られ、例えば2P法等による樹脂層として形成する場合に比べて、耐熱性、耐候性等を優れたものとできる。また、微細凹凸の硬度も得られ、耐洗浄性等も良くなる。また、賦形後の微細凹凸層の焼成を行わない場合には、基材にはガラス等の無機材料以外に樹脂等の耐熱性に乏しい有機材料も可能となる。しかも、時間がかかる焼成工程が無い点で生産性が良く、例えば樹脂シート等の連続帯状の基材に対して、連続処理により更に生産性を良くする事も可能となる。
微細凹凸の表面及び/又は内部に光触媒を付与する方法としては、
(1)前記の如く微細凹凸形成用材料に光触媒の微粒子を含有させて、微細凹凸の形成に用いる方法、
(2)微細凹凸形成用材料を用いて微細凹凸を形成した後、微細凹凸の表面に光触媒の成分を蒸着、CVDなどのドライプロセスによって付着させる方法、
(3)微細凹凸形成用材料に光触媒微粒子を含有させて塗膜を形成し、この塗膜にフォトプロセスによって微細なレジストパターンを形成し、エッチング加工することによって微細凹凸を形成する方法、
(4)光触媒そのものからなる塗膜にフォトプロセスによって微細なレジストパターンを形成し、エッチング加工することによって微細凹凸を形成する方法等が挙げられる。
以上に於いて、ドライプロセス以外の方法によって光触媒自体の塗膜を形成する方法としては、
(a)実開平5−7394号公報、特開平8−108075号公報、特開平8−182019号公報等に開示の、チタネートテトラエトキシド等のチタンアルコキシドのエチルアルコール等のアルコールに溶解せしめた溶液を塗工し、乾燥時の脱水縮合反応で生じた無定形酸化チタン微粒子(粒徑3〜150nm程度)を室温〜500℃で焼成する方法(一種のゾルゲル法)、
(b)特許第3732247号公報に開示の、0.001〜0.5μmの平均粒径を持つチタン酸化物、一般式Sin−1(OR)2n+2(ただし、nは2〜6、RはC〜Cのアルキル基)で表わされる低級アルキルシリケート縮合物の加水分解物を塗工し、100〜300℃で乾燥乃至焼成する方法、
(c)特開平8−182019号公報等に上記(a)とは別実施形態として開示の、TiCl又はTi(SOの酸性水溶液をスプレーコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティングにより塗工し、次いで無機チタン化合物を約100℃〜200℃の温度で乾燥させて加水分解と脱水縮重合に付すことにより形成すること方法を挙げることができる。
最終的に得られる本発明の光触媒が存在している微細凹凸の態様としては、例えば次のようなものがある。
(1)微細凹凸の内部に光触媒粒子が分散されている態様。
(2)微細凹凸の表面に光触媒層が被覆されている態様。
(3)微細凹凸が光触媒そのもので形成されている態様。
中でも、(1)の形態が、製造工程が容易で量産性が高いことから好ましい。
〔反射防止物品の用途〕
本発明による反射防止物品としては、形状は、三次元形状、板、シート等任意であり、用途も特に限定れるものではない。尚、本発明が適用し得る用途は、これから例示される用途に限定されるものではない。
例えば、携帯電話、時計等の各種機器に於ける情報表示部の窓材が挙げられる。これら表示部では、LCD等の表示パネルの前面に、板や成形品等となった樹脂製或いはガラス製の窓材が配置される。なお、情報表示部は、LCD等の表示パネル以外に、時計に代表される機械式アナログメータ等の様な機械的手段で表示するものでもよく、これらの窓材でも良い。尚、窓材は、平板状もあるが、組み付けやデザイン上の観点から周囲に突起等有するものもある。
上記の様な窓付き情報表示部を有する機器としては、携帯電話、時計の外にも、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、デジタル遊戯機器、電子手帳等のPDA乃至は携帯情報端末、電卓、或いは、CDプレーヤー、DVDプレーヤ、MDプレーヤ、半導体メモリ方式音楽プレーヤ等の各種携帯型音楽プレーヤ、或いは、ビデオテープレコーダ、ICレコーダ、ビデオカメラ、デシタルカメラ、ラベルプリンタ等の電子機器、或いは、電気炊飯器、電子ポット、洗濯機等の電気製品等がある。
また、板状やシート状の反射防止物品に於いては、透明タッチパネル等に使用する透明板等の透明基材が挙げられる。透明タッチパネルは、表示部に入力機能を付加するものであるが、該製品組立上、LCD、CRT等の表示パネルと別部品として組み付けるので、表示パネルと透明タッチパネル間に空隙が残り、光反射、更にはこれに起因する干渉縞(Newton環)が生じる。そこで、透明タッチパネルの裏面側を成す透明基材を、その裏面を本発明特有の微細凹凸を設けた反射防止物品とすれば、光反射が防げる。
透明タッチパネルは、例えば、電子手帳等のPDA乃至は携帯情報端末(機器)、或いは、カーナビゲーションシステム、POS(販売時点情報管理)端末、携帯型オーダー入力端末、ATM(現金自動預金支払兼用機)、ファクシミリ、固定電話端末、携帯電話機、デシタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン、パソコン用ディスプレイ、テレビジョン受像機、デジタル遊戯機器、テレビ用モニターディスプレイ、券売機、計測機器、電卓、電子楽器等の電子機器、複写機、ECR(金銭登録機)等の事務器、或いは、洗濯機、電子レンジ等の電気製品に使用される。
また、本発明の反射防止物品は、各種光学部品としての用途も挙げられる。例えば、写真機のレンズ、写真機のファインダの窓材、眼鏡のレンズ、オーバーヘッドプロジェクタのフレネルレンズ、レーザ装置の出力取出窓、光センサの光入力窓、望遠鏡のレンズ等が挙げられる。
また、高額商品のショーケース、美術品の保護板等の用途が挙げられる。
また、特に本発明は、微細凹凸に付着した汚れを分解して低減或いは除去できるため、デパートなど店舗のショーウィンドウ、大窓、一般商品のショーケース等の用途が挙げられる。その場合には、支持体として透明基材を用いることが視認性が高いため好ましい。
上述したように、本発明の反射防止物品は、表面に微細凹凸を有し、該微細凹凸の凸部の表面及び/又は内部に光触媒が存在している。これにより、微細凹凸の表面に有機物を含む汚れが付着した場合に、該汚れを分解し、除去あるいは低減させることができる。そのため、手指が接触する外面に(外側に向けて)微細凹凸を配置して用いることができる。
また、光触媒が微細凹凸の表面に吸着した水分を分解して、OH、O等を生成して表面の濡れ性が促進され、表面が水の薄膜で被覆され、汚れ自体が付着し難くなるという効果もある。
1…反射防止物品
2…微細凹凸
2t…(微細凹凸2の)頂部
2b…(微細凹凸2の)最深部
3…微細凹凸層
4…凸部
5…支持体
n…屈折率
…屈折率(空気)
…屈折率(支持体)
…屈折率
…屈折率
ef(Z)…有効屈折率
MAX…周期

Claims (4)

  1. 表面に微細凹凸を有する微細凹凸層を有機質材料の支持体上に設けた反射防止物品であって、
    上記微細凹凸は、可視光の波長帯域の最大波長をλMAXとし、該微細凹凸表面の頂部に於ける周期をPMAXとしたときに、
    MAX≦λMAX
    なる関係が成立し、
    且つ、
    該微細凹凸が、その凹凸方向と直交する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける微細凹凸層の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の頂部から最深部に行くに従って連続的に漸次増加して行く形状を有する微細凹凸であり、
    前記微細凹凸層は、ラテックス系バインダーよりなる群から選ばれる微細凹凸形成材料に光触媒の微粒子を含む材料を用いて形成したものであり、
    当該微細凹凸層の内部に光触媒の微粒子が分散していることを特徴とする、反射防止物品。
  2. 前記支持体が透明支持体である、請求項1に記載の反射防止物品。
  3. 前記光触媒の微粒子は、平均一次粒経が前記微細凹凸の高さ未満且つ頂部に於ける周期PMAX未満の光触媒微粒子である、請求項1又は2に記載の反射防止物品。
  4. 前記光触媒の微粒子が、酸化チタンを含む光触媒である、請求項1〜3に記載の反射防止物品。
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