JP4050330B2 - 新規なエーテル化合物およびその製造法 - Google Patents
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Description
本発明は、ラジカル重合により硬化が可能な、エーテル基を有する新規化合物およびその製法に関する。
背景技術
熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂は、コーティング材料、ペイント材料、光学材料、接着材料などとして使用されているが、このような樹脂としては、作業の効率化や生産性向上の観点から硬化速度の速いアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを主成分とする硬化性組成物が多用されている。特に、硬化させた際の樹脂の重合度を上げ、硬化樹脂の表面硬度を上げるためには、二官能以上の多官能アクリル酸およびメタクリル酸エステルが使用されている。
しかしながら、これらの多官能アクリル酸エステルをラジカル重合により硬化させようとすると、酸素による重合阻害を受けて、部分的に未硬化になり、べたつきが残るなどの問題点がある。しかも、アクリル酸エステルには、皮膚刺激性の高いものが多く、毒性の面でも問題となっている。
皮膚刺激性の低い光硬化性化合物としては、ビニルエーテル化合物が知られている。ビニルエーテル化合物は、カチオン重合により硬化されるため、酸素による重合阻害を受けにくいが、このカチオン重合用の触媒には、水分や塩基によって失活したり、高価で種類が少なく使用可能なものは限られていたり、毒性の高いものが多いなどの問題点がある。また、ビニルエーテルは、1種(単独)ではラジカル重合が進行しないために、ラジカル重合させるには、例えば、ビニルエーテルとアクリル系材料(モノマー)とを共重合する方法などが採られる。しかし、これらの共重合では、必ずしも共重合性が優れているとは言えず、ラジカル重合により共重合させても実用性の十分に高いものは少ない。
また最近、カチオン重合系の材料として、プロペニルエーテルが注目されている。Crivelloらは、「J. Macromol. Sci. PartA, A31(9), 1105(1994)」において、プロペニルエーテルがカチオン重合性が高いことを報告している。このプロペニルエーテル化合物は、ビスフェノールなどのフェノール類から誘導された構造骨格を持っている。
さらに、USP4,864,054には、芳香族系のプロペニルエーテル化合物は、カチオン重合により、様々な用途に応用できることが報告されている。この芳香族系のプロペニルエーテル化合物は、ビスフェノールA、ハイドロキノンなどのフェノール類や、テレフタル酸エステル、イソフタル酸エステルなどのエステル類から誘導された構造骨格を持つプロペニルエーテル化合物である。
しかし、ラジカル重合を行おうとすると、このプロペニルエーテルも前記ビニルエーテルと同様に、単独ではラジカル重合性が低いとの問題点がある。
なお、ラジカル重合法は、他の重合法に比して一般に硬化時間が比較的短く、分子量を大きくでき、使用し得るラジカル重合開始剤の種類も多く、簡便に使われる利点があり、工業的には有用な重合法である。しかしながら、プロペニルエーテル基またはアリルエーテル基を有する化合物としては、単独でラジカル重合可能なものは殆ど知られていない。
なお、▲1▼カナダ特許明細書第575985号には、飽和および不飽和ポリカルボン酸と、β-(2-プロペノキシ)アルカノール類:RCH=CH-CH2-O-CH(R’)-CH(R”)-OHおよびCH2=C(R)-CH2-O-CH(R’)-CH(R”)-OH[上記式中、R、R’、R”は水素、アルキルから選択され、該アルキル基としては好ましくは3を超える炭素原子を含まないもの、例えば、メチル、エチルおよびプロピルが挙げられる。]とのエステルが記載されている。
具体的には、該明細書には、好ましいエステルとして、ジ-(β-プロペノキシエチル)マレエートおよびジ-(β-プロペノキシエチル)フマレート(CH2=CH-CH2-O-(CH2)2-OCO-CH=CH-COO-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2)、ジ-(β-プロペノキシエチル)イタコネート(CH2=CH-CH2-O-(CH2)2-OCO-CH(=CH2)CH2-COO-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2)が開示されている。また、該明細書には、上記モノマーの共重合反応は、ジベンゾイルパオキサイド、ジアセチルパーオキサイド等の過酸化物の存在下に促進される旨教示されている。
しかしながら、該明細書には、上記式中「-CH(R’)-CH(R”)-」の炭素数が、3以上のアルキレン基であるものや、炭素数5以上のシクロアルキレン基であるものについては何ら具体的に記載されていない。
▲2▼特公昭55-39533号公報には、不飽和カルボン酸とω-ハロゲノアルキルビニルエーテルとを縮合させるω-ビニロキシアルキルカルボキシレートの製造法が開示されている。
また、▲3▼特開昭57-165409号公報には、(A)(i)R[QR1OC(R2)=C(R3)2]n(Q:-O-、-COO-等、R:多価芳香族有機基、R1:C1〜8のアルキレン基、R2、R3:H、C1〜8のアルキル基、n:2〜10)のポリビニル化合物、および(ii)上記ポリビニル化合物と、ポリカルボン酸、フェノール類など特定の群から選択される活性水素化合物との反応生成物から選んだ芳香族ポリビニルエーテル化合物、および
(B)(a)特定の群から選択されるアリールオニウム塩、(b)有機オキシダントまたは芳香族ポリビニルエーテル可溶性銅化合物からなり、熱硬化触媒を含有してなる熱硬化性組成物が開示されている。
また▲4▼特許第2744849号公報には、「(a)ポリオールをエステル交換触媒の存在下でビニルエーテル末端基付き多塩基酸エステルと反応させて該ポリオールと該多塩基酸エステルとのビニルエーテル末端基付きオリゴマー及び副生成物としてのヒドロキシモノビニルエーテルを生成させ、そして
(b)工程(a)の反応中にそのヒドロキシモノビニルエーテルを分離する工程を含んで成るビニルエーテル末端基付きポリエステルの製造法」が記載されている。
上記多塩基酸エステルとしては、Yが−(CH2)n−であってもよい『Y−[COOX]m(Y:アルキル基等、X:炭素数1〜6のアルキル等、m:2〜6)』が示されている。また、エステルのビニルエーテル末端基形成反応の具体例として
(R’、R”:H、C1〜10の低級アルキル基、Z:アルキレン基、シクロアルキレン基)が示され、該ビニルエーテル末端基付きエステル(iii)とポリオール(HO-A-OH)との反応による鎖延長反応などが示されている。
しかしながら、該公報には、Yが−CH=CH−、-(CH2)-C(=CH2)−である化合物については何ら記載されていない。また、該公報には、ビニルエーテル末端基付きエステル(iii)のラジカル重合については、何ら記載も示唆もされていない。
さらに、▲5▼特表平5-506838号公報の請求項1には、(i)ヒドロキシル末端基付きポリエステルまたはヒドロキシル末端基付きポリエーテル、(ii)ジイソシアネートまたは2以上の官能基を有するポリイソシアネート、および(iii)ヒドロキシモノビニルエーテルの反応生成物からなるビニルエーテルウレタンオリゴマー(a)と、
ビニルエーテル末端基付きエステルモノマー(b)と、特定のアルコール類から誘導されるビニルエーテル末端基付きモノマー(c)との反応生成物からなる光ファイバーの被覆用組成物が記載されている。上記ビニルエーテル末端基付きエステルモノマー(b)としては、A-(-COOZOCR4=CHR3)n(式中、n:1〜4、A:アルキレン基等、Z:アルキレン等、R3,R4:H、炭素数1〜10のアルキル基)が示されている。また、その請求項3には、上記Aとして、−CH=CH−等が示され、Zとして-(CH2)-O-(CH2)4−、-(CH2)4-O-(CH2)4-O-(CH2)4−、-CH2CH2-O-CH2CH2−などが示されている。また、該公報には、上記組成物にカチオン重合開始剤などを配合した組成物も記載されている。
しかしながら、該公報には、カチオン性光開始剤のトリアリールホスホニウムヘキサンフルオロホスフェート塩類(Ar3SPF6)の「ユニオン・カーバイドUVI−6960」を用いてカチオン重合させる実施例は示されているものの、上記ビニルエーテル末端基付きエステルモノマー(b)をラジカル重合させた例が全くないことからも明らかなように、上記ビニルエーテル末端基付きエステルモノマー(b)をラジカル重合させるとの技術的思想もなければ、該モノマー(b)を含む上記組成物にラジカル重合開始剤を配合してラジカル重合を行うとの技術的思想も示唆すらされていない。
発明の目的
本発明は、上記のような従来技術の伴う問題点を解決しようとするものであって、ラジカル重合が可能なプロペニルエーテル化合物、およびアリルエーテル化合物を提供することを目的とする。
また本発明は、上記のようなラジカル重合用プロペニルエーテル化合物、アリルエーテル化合物の製造法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明に係るラジカル重合用プロペニルエーテル化合物は、下記式(1):
CH3-CH=CH-(OR1)n-OCO-X-COO-(R2O)n-CH=CH-CH3・・・・・(1)
(式(1)中、Xは−CH=CH−または、−CH2−C(=CH2)−を表し、R1、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)で表される。
本発明においては、上記式(1)において、n=1でかつ
R1、R2が−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−であることが好ましい。
本発明においては、
上記式(1)において、n=1でかつ
R1、R2が−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−でかつXが−CH=CH−(トランス)であることが好ましい。
本発明に係るラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の第1の製造法においては、
R3−OCO−X−COO−R4(式中、Xは、−CH=CH−、または−CH2−C(=CH2)−を表し、R3、R4は、それぞれ独立に炭素数が1〜3のアルキル基またはアルケニル基を表す。)で表されるエステルと、
CH3−CH=CH−(OR5)n−OH(式中、R5は、炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)で表されるアルコールとを、エステル交換触媒の存在下に、エステル交換反応させて、上記記載のプロペニルエーテル化合物を得ることを特徴としている。
本発明に係るラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の第2の製造法においては、下記式(2)のアリルエーテル化合物を異性化させて上記のプロペニルエーテル化合物を得ることを特徴としている。
CH2=CH-CH2-(OR6)n-OCO-X-COO-(R7O)n-CH2-CH=CH2・・・・・(2)
(式(2)中、Xは、−CH=CH−または、−CH2−C(=CH2)−を表し、R6、R7は、それぞれ独立に炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)。
本発明に係るラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の第3の製造法においては、
(i)無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸のうちから選択される少なくとも1種のカルボン酸またはその無水物と、
(ii)CH2=CH−CH2−(OR8)n−OH(式中、R8は炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、nは1〜5の整数を表す。)で表されるアルコールとを、エステル化触媒の存在下にエステル化反応させて、上記式(2)のアリルエーテル化合物を得、次いで該アリルエーテル化合物を異性化させて上記のプロペニルエーテル化合物を得ることを特徴としている。
本発明に係るラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の第4の製造法においては、
R3−OCO−X−COO−R4(式中、Xは、−CH=CH−、または−CH2−C(=CH2)−を表し、R3、R4は炭素数が1〜3のアルキル基またはアルケニル基を表す。)で表されるエステルと、
CH2=CH−CH2−(OR8)n−OH(式中、R8は、炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)で表されるアルコールとを、
エステル交換触媒の存在下に、エステル交換反応させて上記式(2)のアリルエーテル化合物を得、次いで該アリルエーテル化合物を異性化させて上記のプロペニルエーテル化合物を得ることを特徴としている。
本発明においては、上記異性化反応を異性化触媒の存在下に行い、かつ該異性化触媒として周期表第8族金属から選ばれた少なくとも一種の金属の塩、該金属の錯体、または該金属が担持されている触媒を用いることが好ましい。
本発明においては、異性化触媒としてルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウムから選ばれた少なくとも一種の金属の塩、該金属の錯体、または該金属が担持されている触媒を用いることがより好ましい。
本発明においては、上記式(2)のアリルエーテル化合物の異性化において、アリルエーテル基から対応するプロペニルエーテル基への異性化の転化率が、少なくとも50%以上であることが好ましい。
本発明に係るラジカル重合用アリルエーテル化合物は、上記式(2)で表される。但し、n=1の場合はR6、R7は、それぞれ独立に炭素数が3〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基であることが好ましい。
本発明に係るラジカル重合用アリルエーテル化合物の第1の製造法は、
(i)無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸のうちから選択される少なくとも1種の不飽和ジカルボン酸またはその無水物と、
(ii)CH2=CH−CH2−(OR8)n−OH(式中、R8は、炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。但し、n=1の場合はR8は炭素数が3〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基であることが好ましい。)で表されるアルコールとを、
エステル化触媒の存在下にエステル化反応させて上記のラジカル重合用アリルエーテル化合物を得ることを特徴としている。
本発明に係るラジカル重合用アリルエーテル化合物の第2の製造法は、
R3−OCO−X−COO−R4(式中、Xは、−CH=CH−、または−CH2−C(=CH2)−を表し、R3、R4は、それぞれ独立に炭素数が1〜3のアルキル基またはアルケニル基を表す。)で表されるエステルと、
CH2=CH−CH2−(OR8)n−OH(式中、R8は、炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは、1〜5の整数を表す。但し、n=1の場合はR8は炭素数が3〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基であることが好ましい。)で表されるアルコールとを、
エステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させて、上記のアリルエーテル化合物を得ることを特徴としている。
本発明に係るエーテル系(共)重合体の製造法では、上記何れかに記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物、または上記記載のラジカル重合性アリルエーテル化合物を、ラジカル重合開始剤の存在下に、ラジカル重合させて該(共)重合体を得ることを特徴としている。
本発明によれば、ラジカル重合用のプロペニルエーテル化合物、アリルエーテル化合物が提供される。
本発明によれば、上記ラジカル重合用のプロペニルエーテル化合物、アリルエーテル化合物の製造法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係るラジカル重合用プロペニルエーテル化合物、ラジカル重合用アリルエーテル化合物、これら化合物の製造法、これら化合物を用いたラジカル重合法について具体的に説明する。なお、以下の説明において、異なる化学式において同一記号を用いる場合には、その趣旨に反しない限り、同一の基または化合物などを示す。
<ラジカル重合用プロペニルエーテル化合物>
本発明に係るラジカル重合用プロペニルエーテル化合物は、下記式(1)で表される。
CH3-CH=CH-(OR1)n-OCO-X-COO-(R2O)n-CH=CH-CH3・・・・・(1)
(式(1)中、Xは−CH=CH−または、−CH2−C(=CH2)−を表し、R1、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
このラジカル重合用プロペニルエーテル化合物(1)は、両末端がプロペニルエーテル基(−O−CH=CH−CH3)であって、分子内に「-CO-X-CO-」で表されるマレイン酸残基(i)、フマル酸残基(ii)、イタコン酸残基(iii)、すなわち
等の不飽和二塩基酸残基(不飽和ジカルボン酸残基)を有している。
なお、プロペニルエーテル基(−O−CH=CH−CH3)には、E体とZ体とがあり、式(1)ではE体とZ体のどちらであってもよく、その割合については、特に限定されない。
また、Xが−CH=CH−の場合にはシスとトランスの2タイプがあり、シスタイプは上記式(i)、トランスタイプは上記式(ii)にそれぞれ対応し、またXが−CH2−C(=CH2)−の場合には上記式(iii)に対応する。
一般にプロペニルエーテル基を含有する化合物は、カチオン重合性は高いがラジカル重合性は低い。これに対して本発明では、このプロペニルエーテル基と、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基等の不飽和二塩基酸残基とを組み合わせているので、プロペニルエーテル基と不飽和二塩基酸残基中の二重結合とが共重合性を発揮しラジカル重合が可能となっている。しかも、本発明では同一分子内に、上記プロペニルエーテル基と、二重結合を有する上記不飽和二塩基酸残基とが存在しているので、硬化時に架橋性が高くなり、未硬化の部分が少なくなり、優れた硬化物を与えることができる。
本発明においては、前記式(1)においてR1、R2が−CH2−CH2−(トランス、シスの両者を含む。以下同様。)、または−CH2CH(CH3)−であり、かつn=1であるプロペニルエーテル化合物が優れた硬化物を与えるため望ましい。
本発明においては、特に、式(1)においてXがフマル酸由来の不飽和二重結合:−CH=CH−(トランス)であるものが好ましく、このプロペニルエーテル基とフマル酸由来の二重結合とはラジカル共重合性に特に優れている。
<ラジカル重合用プロペニルエーテル化合物(1)の製造>
このようなラジカル重合用プロペニルエーテル化合物(1)は、下記のような種々の方法で製造される。
すなわち、このプロペニルエーテル化合物(1)は、下記式(4-a)で表されるエステルと、下記式(4-b)で表されるアルコールとのエステル交換反応により合成することができる。
R3−OCO−X−COO−R4・・・・・(4-a)
(式(4-a)中、Xは、−CH=CH−、または−CH2−C(=CH2)−を表し、R3、R4は、それぞれ独立に炭素数が1〜3のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
CH3−CH=CH−(OR5)n−OH・・・・・(4-b)
(式(4-b)中、R5は、前記式(1)中のR1またはR2と同様の基であって、炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nも前記式(1)中のnと同様の数であって、1〜5の整数を表す。)
上記エステル(4-a)は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和二塩基酸(不飽和ジカルボン酸)の低級アルキルエステルまたは低級アルケニルエステルである。
このエステル(4-a)、すなわち上記不飽和二塩基酸の低級アルキルエステルまたは低級アルケニルエステルとしては、アルキル基およびアルケニル基の炭素数が1〜3のものが挙げられ、具体的には、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジイソプロピル等のマレイン酸の低級アルキルエステル類;
マレイン酸ジアリル等のマレイン酸の低級アルケニルエステル類;
フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジイソプロピル等のフマル酸の低級アルキルエステル類;
フマル酸ジアリル等のフマル酸の低級アルケニル類;
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジイソプロピル等のイタコン酸の低級アルキルエステル類;
イタコン酸ジアリル等のイタコン酸の低級アルケニル類;
などが挙げられる。
なお、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4以上のアルキルエステルまたはアルケニルエステルでは、反応の進行と共に副生するアルキルアルコールまたはアルケニルアルコールの沸点が高いために、反応系からの副生物の除去が困難になる傾向がある。
上記アルコール(4-b)には、R5がアルキレン基であるポリアルキレングリコールモノプロペニルエーテル類と、R5がシクロアルキレン基であるポリシクロアルキレングリコールモノプロペニルエーテル類とが挙げられる。
このようなアルコール(4-b)としては、例えばR5がアルキレン基であるエチレングリコールモノプロペニルエーテル、プロピレングリコールモノプロペニルエーテル、1,3-プロパンジオールモノプロペニルエーテル、1,4-ブタンジオールモノプロペニルエーテル、1,3-ブタンジオールモノプロペニルエーテル、1,2-オクタンジオールモノプロペニルエーテル、ジエチレングリコールモノプロペニルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロペニルエーテル、トリエチレングリコールモノプロペニルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロペニルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロペニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロペニルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノプロペニルエーテル類;
R5がシクロアルキレン基である1,2-シクロペンタンジオールモノプロペニルエーテル、1,2-シクロヘキサンジオールモノプロペニルエーテル、1,2-シクロドデカンジオールモノプロペニルエーテル等のポリシクロアルキレングリコールモノプロペニルエーテル類;
が挙げられる。
これらのポリアルキレンまたはポリシクロアルキレングリコールモノプロペニルエーテル類(4-b)は、上記エステル(4-a)のエステル基当量、すなわちマレイン酸、フマル酸またはイタコン酸の低級アルキルエステルおよび低級アルケニルエステルのエステル基の当量に対して、1〜10倍モル、好ましくは1.1〜3倍モルの量で用いることが望ましい。
上記エステル交換反応用の触媒としては、従来より公知のエステル交換反応触媒が使用でき、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびそれらの酸化物、およびこれら金属の弱酸塩;
Mn、Zn、Zr、Cd、Ti、Pb、Co、Snの酸化物、水酸化物、アルコラート、有機酸塩(例:酢酸亜鉛)、アセチルアセトナト錯体;および
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド;
などが挙げられる。
これらの触媒は、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸の低級アルキルおよびアルケニルエステルなど、上記エステル(4-a)の総量に対して、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%の量で用いられる。
反応は、通常80℃〜200℃、好ましくは120〜180℃の温度で、常圧もしくは加圧下に行うことができる。なお、反応温度が200℃を超えると、熱重合を起こしやすくなる。
また、上記エステル交換反応は、例えば、窒素雰囲気下に行うなど、不活性ガス雰囲気下に行うことが好ましい。
また、上記反応の際に、例えば後述するようなフェノール系の重合禁止剤などを加えて、重合を防止してもよい。
反応は、副生するアルキルアルコールもしくはアルケニルアルコールを反応系外に留去することで進行し、最終的には、減圧下で、副生するアルキルアルコールもしくはアルケニルアルコールを除去することにより反応を完結させることができる。
上記のようにエステル(4-a)とアルコール(4-b)とをエステル交換反応させて得られるプロペニルエーテル化合物(1)は、触媒が残存したままでも硬化性樹脂として使用できるが、場合によっては後述するような重合禁止剤を添加して、蒸留等の方法で精製して使用される。
また、本発明に係る上記プロペニルエーテル化合物(1)は、下記式(2):
CH2=CH-CH2-(OR6)n-OCO-X-COO-(R7O)n-CH2-CH=CH2・・・・・(2)
(式(2)中、Xは、−CH=CH−または、−CH2−C(=CH2)−を表し、R6、R7は、前記式(1)におけるR1,R2と同様の基であって、それぞれ独立に炭素数が2〜4のアルキレン基、または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)。
で表されるアリルエーテル化合物(2)の異性化反応を行うことにより、上記アリルエーテル基「CH2=CH-CH2-O-」をプロペニルエーテル基「CH3-CH=CH-O-」に変化させて得ることもできる。
<アリルエーテル化合物(2)>
このような上記式(2)で表されるアリルエーテル化合物(2)のうちで、n=1の場合はR6、R7は、それぞれ独立に炭素数が3〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基であることが好ましい。
用いられる上記アリルエーテル化合物(2)は、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物と、下記式(5)で表されるアルコールとを、エステル化触媒の存在下で、エステル化することにより得ることができる。
CH2=CH−CH2−(OR8)n−OH・・・・・(5)
(式(5)中、R8は、前記式(2)におけるR6,R7と同様の基であって、炭素数が2〜4のアルキレン基、または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nも前記式(2)におけるnと同様に、1〜5の整数を表す。但し、n=1の場合は、R8は、炭素数が3〜4のアルキレン基、または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基が好ましい。)
上記式(5)で表されるアルコールは、アリルエーテル基(CH2=CH−CH2−O-)を有し、該アルコール(5)には、上記式(5)中のR8がアルキレン基であるポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと、R8がシクロアルキレン基であるポリシクロアルキレングリコールモノアリルエーテルとが挙げられる。
このようなアルコール(5)としては、例えば、R8がアルキレン基であるエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、1,3-プロパンジオールモノアリルエーテル、1,4-ブタンジオールモノアリルエーテル、1,3-ブタンジオールモノアリルエーテル、1,2-オクタンジオールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、テトラエチレングリコールモノアリルエーテル、テトラプロピレングリコールモノアリルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアリルエーテル;
R8がシクロアルキレン基である1,2-シクロペンタンジオールモノアリルエーテル、1,2-シクロヘキサンジオールモノアリルエーテル、1,2-シクロドデカンジオールモノアリルエーテル等のポリシクロアルキレングリコールモノアリルエーテル;
などが挙げられる。
上記アルコール(5)は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の前記不飽和ジカルボン酸またはその無水物(総量)に対して、2〜10倍モル、好ましくは2.1〜4倍モルの量で用いられる。
エステル化触媒としては、一般に用いられるものであれば使用可能であり、例えば、p-トルエンスルホン酸、硫酸、酸性イオン交換樹脂などの酸性触媒が挙げられる。
触媒は、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の前記不飽和ジカルボン酸またはその無水物(総量)に対して、p-トルエンスルホン酸、硫酸等は通常0.1重量%〜5重量%の量で用いられ、酸性イオン交換樹脂では特にその使用量に制限はない。
このようなエステル化反応は、60℃〜150℃の温度で、常圧下もしくは加圧下に、反応進行と共に副生する水を除去しながら行なわれる。
エステル化反応の際には必要により溶媒を使用してもよく、溶媒としては、副生する水を共沸し、冷却することにより二層分離するものが望ましく、ベンゼンやトルエン、キシレンなどが挙げられる。
得られた反応溶液は、アルカリ洗浄や水洗浄、濾別処理等で触媒、未反応の原料などを除去し、場合によって公知の重合禁止剤を添加して、蒸留等の方法で精製を行うことにより、目的物であるアリルエーテル化合物(2)を得ることができる。
また、このアリルエーテル化合物(2)は、下記式(4-c):
R3−OCO−X−COO−R4・・・・・(4-c)
(式(4-c)中、Xは、−CH=CH−、または−CH2−C(=CH2)−を表し、R3、R4は前記と同様、炭素数が1〜3のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
で表されるエステル(4-c)と、
上記式(5)で表されるアルコール(アルコール(5))とのエステル交換反応により合成することもできる。
このエステル(4-c)は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは低級アルケニルエステルであって、このようなエステル(4-c)としては、該エステル中のアルキル基およびアルケニル基の炭素数が1〜3のものが挙げられ、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジアリル等のマレイン酸低級アルキルエステル;
フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジアリル等のフマル酸低級アルキルエステル;
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジアリル等のイタコン酸低級アルキルエステル;
などが挙げられる。なお、炭素数が4以上のアルキルエステルまたはアルケニルエステルでは、反応進行と共に副生するアルキルアルコールまたはアルケニルアルコールの沸点が高くなるために、反応系からの副生物の除去が困難になる傾向がある。
上記式(5)で表されるアルコール、すなわちアリルエーテル基をもったポリアルキレングリコールモノアリルエーテルまたはポリシクロアルキレングリコールモノアリルエーテルは、前記と同様である。
これらアルコール(5)は、エステル(4-c)のエステル基の当量、すなわちマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸の低級アルキルエステルおよびアルケニルエステルのエステル基の当量に対して、1〜10倍モル、好ましくは1.1〜3倍モルの量で用いられる。
エステル交換反応用の触媒としては、従来より公知のエステル交換反応用触媒が使用でき、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびそれらの酸化物、および弱酸塩;
Mn、Zn、Zr、Cd、Ti、Pb、Co、Snの酸化物、水酸化物、アルコラート、有機酸塩、アセチルアセトナト錯体;および
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドなどが挙げられる。
このような触媒は、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸の低級アルキルエステルおよびアルケニルエステル(合計)に対して、通常、0.01〜1重量%の量で用いられる。
反応は、通常80℃〜200℃の温度で、常圧もしくは加圧下に行うことができる。なお反応温度が200℃を超えると重合を起こしやすく好ましくない。また、このエステル交換反応の際に、フェノール系などの重合禁止剤を加えて、重合防止してもよい。
反応は、副生するアルキルもしくはアルケニルアルコールを反応系外に留去を行うことで進行し、減圧下で副生するアルキルもしくはアルケニルアルコールを除去することにより、反応を完結させることができる。
上記アリルエーテル化合物(2)は、上記したように本発明の式(1)のプロペニルエーテル化合物の中間体(原料)でもあるが、このアリルエーテル化合物(2)は、それ自体でもラジカル重合開始剤の存在下に、熱、紫外線、電子線等により硬化することができ、硬化性樹脂として使用することもできる。本発明においては、重合の容易性等の観点から、このアリルエーテル化合物(2)を異性化し、式(1)のプロペニルエーテル化合物として用いることが望ましい。
<アリルエーテル化合物(2)の異性化によるプロペニルエーテル化合物(1)の製造>
上記のようにして得られたアリルエーテル化合物(2)の異性化反応を行うことにより、前記ラジカル重合用プロペニルエーテル化合物(1)が得られるが、この際には、通常触媒が用いられる。
異性化触媒としては、一般に周期表第8族金属の塩またはホスフィン、ニトリル、カルボニル、アルケン等を配位子とした錯体、またはこの金属をシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、活性炭、金属酸化物等の担体に担持したものを用いることができ、これら触媒は、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、特に周期表第8族金属の中のルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウムなどの遷移金属と、ホスフィン、ニトリル、カルボニル、アルケン等の配位子とからなる錯体、またはこれらの金属をシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、活性炭、金属酸化物等の担体に担持したものが望ましい。
具体的には、周期表第8族金属塩触媒としては、例えば、塩化ルテニウム、塩化パラジウム等が挙げられる。
周期表第8族金属錯体触媒の中では、ルテニウム錯体、パラジウム錯体が異性化率の点で好ましく、具体的には、例えば、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のルテニウム錯体;
ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリアルキルホスフィン)パラジウム、ジ-μ-クロロビス(η-エチレン)二パラジウム、ジ-μ-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)二パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(1,3-ノルボルナジエン)パラジウム等のパラジウム錯体;
などが挙げられる。これらの触媒は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記金属を担体に担持させた触媒の中では、パラジウム系の触媒は活性が高く、特にパラジウム−アルミナ、パラジウム−活性炭などが転換率の点で好ましい。
上記の触媒のうち、金属塩触媒、金属錯体触媒は、アリルエーテル化合物(2)に対して、通常、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で用いられる。反応は、通常、30〜250℃、好ましくは100〜200℃の温度で行われる。なお反応温度が30℃以下では、反応が遅くなり、また250℃を超えると副反応が起きたりすることがある。
また、上記金属を担体に担持させた触媒の場合には、担持量が0.05〜10重量%の金属担持触媒では、アリルエーテル化合物(2)に対して、通常、0.01〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の量で用いられる。反応は、通常、30〜250℃、好ましくは100〜200℃の温度で行われる。この反応温度が30℃以下では反応が遅くなり、また250℃を超えると副反応が起きたりすることがある。
異性化反応は、窒素雰囲気下など、不活性ガス雰囲気中で行うことができる。
またこれらの異性化反応は、溶媒中で行うこともできる。
溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコールなどのアルコール類;
などが挙げられる。
また、異性化反応時に、重合反応が生ずるのを防止するために、重合禁止剤を添加することもできる。
重合禁止剤としては、p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニル-p-ベンゾキノンなどのキノン類;
ハイドロキノン、p-t-ブチルカテコール、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン、モノ-t-ブチルハイドロキノン、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール類;
ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルトなどの金属塩;
などが挙げられる。
なお、この異性化反応の際に、触媒の種類・量、反応温度等の条件によっては、マレートからフマレートへの異性化が起こることもあり得る。このような異性化反応では、マレートからフマレートへ完全に異性化する場合の他、フマレートとマレートの両者が存在する異性体混合物となることもあり得るが、本発明ではラジカル重合用エーテル化合物(1)としては、何れも使用可能である。また、これらの異性体の割合については、特に限定されない。
また、式(2)のアリルエーテル化合物を異性化する際に、アリルエーテル基から対応するプロペニルエーテル基への異性化率が100%に満たない場合、アリルエーテル基とプロペニルエーテル基をもつ異性体となるが、このような化合物もラジカル重合用のエーテル化合物となる。
式(2)のアリルエーテルから式(1)のプロペニルエーテルへの異性化率は、ラジカル重合用エーテル化合物のラジカル重合の容易性等から50%以上であることが好ましい。この異性化率は、例えば、1H−NMRにより、アリルエーテル基とプロペニルエーテル基の特徴的なピークの積分比から求めることができる。
また、異性化して得られた生成物は、そのままでも使用できるが、場合によっては、フェノール類やナフテン酸銅などの重合禁止剤を添加して蒸留等の方法により精製して使用してもよい。
<ラジカル重合用プロペニルエーテル化合物(1)の硬化>
上記のような方法で得られる本発明のプロペニルエーテル化合物は、熱や紫外線、電子線等を照射することにより、ラジカル重合開始剤の存在下にラジカル重合させて容易に硬化させることができる。
この際用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば熱、紫外線、電子線、放射線等によってラジカルを生成するものであれば、特に限定されることなく広く使用可能である。
熱によるラジカル重合を行う際に使用できるラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物;
メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類;
ベンゾイルパーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類;
ジクミルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類;
1,1-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類;
t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシアゼレート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル類;
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類;
等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
紫外線、電子線、放射線照射によるラジカル重合を行うに際して使用できるラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン等のアセトフェノンまたはその誘導体;
ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4-トリメチルシリルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルスルフィド等のベンゾフェノンまたはその誘導体;
ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインまたはその誘導体;
メチルフェニルグリオキシレート、ベンゾインジメチルケタール、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、本発明のエーテル化合物(1)の重量に対して、通常0.01〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%の量で用いられる。
また、本発明のエーテル化合物(1)には、使用目的に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、離型剤、帯電防止剤、各種安定剤等を配合して用いてもよい。
本発明のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物(1)は、木工コーティング、フィルムコーティング、金属コーティング、プラスチックコーティング、無機コーティング、ハードコーティング、光ファイバーコーティングなどのコーティング材料;
塗装や印刷インキなどのペイント材料;
光造形材料;光ディスク、眼鏡レンズ、プリズムなどの光学材料;接着剤;フォトレジスト;封止剤;成型材料;など幅広く硬化性樹脂の分野に利用することができる。
発明の効果
本発明の新規なプロペニルエーテル化合物及びアリルエーテル化合物は、実施例に示すように、簡便な熱や光照射によるラジカル重合により硬化し、コーティング材料、ペイント材料、光学材料、接着剤など、前述したような様々な用途に応用できるため非常に有用である。
本発明によれば、上記のようなエーテル化合物の効率的で製造容易な製法が提供される。
実施例
以下、本発明について実施例により更に詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお測定機器として次の機器を用いた。
・1H−NMR
使用機種:JEOL EX−400(400MHz)
重水素化クロロホルムに溶解し、内部標準物質にテトラメチルシランを使用して化学シフトを計算した。
・IR
使用機種:日本分光社製 FT/IR−7300
・UV照射装置
使用機種:トスキュアー401(東芝(株)製)
:水銀ランプ、照射強度:照射距離100mm-70mW/cm2
【実施例1】
蒸留装置のついた1リットルのフラスコに、ジメチルフマレート144g(1モル)、エチレングリコールモノプロペニルエーテル245g(2.4モル)、酢酸亜鉛0.2g、重合禁止剤であるテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイギー社製、商品名「IRGANOX1010」、以下単に「IRGANOX1010」とも言う。)0.3gを仕込んで、窒素雰囲気下に、140℃に加熱して反応を8時間行い、副生するメタノールを留去した。メタノールが理論量の70%に達したところで、反応系内を徐々に減圧して、メタノールの留去を速めて、最終的には約400Paまで減圧をして、理論量のメタノールと残存したエチレングリコールモノプロペニルエーテルを完全に留去した。反応液を室温まで冷却した後、283gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス[2-(1-プロペニルオキシ)エチル]フマレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.91(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-),6.23,5,95(d, 2H, CH3-CH=CH-O-),4.83〜4.78,4.47〜4.42(m,2H, CH3-CH=CH-O-),4.42〜4.35(m, 4H, O-CH2-CH 2 -OCO-),3.99〜3.96,3.90〜3.87(m, 4H, -O-CH 2 -CH2-OCO-),1.57,1.56(d, 6H, CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1725cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(fumarate C=C)1660cm-1.
得られた生成物にラジカル重合開始剤である1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、商品名「イルガキュア184」,以下単に「イルガキュア184」とも言う。)を該生成物に対して4重量%の量で加えて混合し、ガラス板に約15ミクロン厚で塗布した。その後、コンベア式の水銀ランプを備えたUV照射装置でUV照射し、ラジカル重合反応を行い硬化させた。上記硬化の際には、コンベア速度0.5m/分の条件下で、上記装置に1回通した。その結果、タックフリーの硬化膜が得られた。
【実施例2】
蒸留装置のついた1リットルのフラスコに、ジメチルフマレート144g(1モル)、エチレングリコールモノアリルエーテル245g(2.4モル)、酢酸亜鉛0.2gと重合禁止剤である上記「IRGANOX1010」0.05gを仕込んで、窒素雰囲気下、140℃の温度で8時間加熱し、副生するメタノールを留去した。メタノールが理論量の70%に達したところで、反応系内を徐々に減圧して、メタノールの留去を速めて、最終的には約400Paまで減圧をして、理論量のメタノールと残存したエチレングリコールモノアリルエーテルを完全に留去した。反応液を室温まで冷却後、283gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス(2-アリルオキシエチル)フマレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.90(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-),5.95〜5.85(m, 2H, CH2=CH-CH2-),5.28(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-),5.19(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-),4.32(t, 4H, -O-CH2CH 2 -OCO-),4.00(d, 4H, CH2=CH-CH 2 -),3.70(t, 4H, -O-CH 2 CH2-OCO-).
<IR>
ν(CO)=1730cm-1,ν(fumarate C=C)=1660cm-1,ν(allyl C=C)1646cm-1.
このビス(2-アリルオキシエチル)フマレート28gと、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.1gとを、コンデンサーを付けた50mlのフラスコに仕込み、反応容器内を脱気し、窒素置換操作をした後、窒素雰囲気下、140〜150℃の温度で5時間反応を続けた。
その後、反応液に重合禁止剤である上記「IRGANOX1010」0.03gを加え、減圧蒸留により精製した。蒸留温度150℃〜155℃/133Paで20gの生成物が得られた。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、実施例1と同じビス[2-(1-プロペニルオキシ)エチル]フマレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.91(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-), 6.23,5,95(d, 2H, CH3-CH=CH-O-), 4.83〜4.78,4.47〜4.42(m,2H, CH3-CH=CH-O-),4.42〜4.35(m, 4H, -O-CH2CH 2 -OCO-),3.99〜3.96,3.90〜3.87(m, 4H, -O-CH 2 CH2-OCO-),1.57,1.56(d, 6H, CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1725cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(fumarate C=C)1660cm-1.
実施例1と同様に、得られた生成物にラジカル重合開始剤である前記「イルガキュア184」を該生成物に対して4重量%の量で加えて混合し、ガラス板に15ミクロン厚で塗布して、前記と同じUV照射装置でUV硬化を行った。上記硬化の際には、コンベア速度0.5m/分の条件下で、上記装置に1回通した。その結果、タックフリーの硬化膜が得られた。
【実施例3】
攪拌装置、温度計、コンデンサー、水分定量受器を取り付けた1リットルのガラスフラスコに、無水マレイン酸98g(1モル)、エチレングリコールモノアリルエーテル245g(2.4モル)、ベンゼン200ml、硫酸0.5gを仕込んだ。オイルバス中で加温、攪拌を行い、反応温度を80℃まで上げ、反応進行に伴い副生する水を留去しながら反応を続けた。留去した水の量が理論量に達したところで、反応を終え冷却した。この反応液を分液漏斗に移し、ベンゼンを300ml加えて、濃度10%の炭酸ナトリウム水溶液および、水による分液洗浄を行った。その後、反応液を減圧蒸留により精製した。蒸留温度150℃〜155℃/133Paで241gの生成物が得られた。
この生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス(2-アリルオキシエチル)マレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.30(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-),5.95〜5.85(m, 2H, CH2=CH-CH2-),5,28(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-),5.19(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-),4.34(t, 4H, -O-CH2CH 2 -OCO-),4.02(d, 4H, CH2=CH-CH 2 -),3.68(t, 4H, -O-CH 2 CH2-OCO-).
<IR>
ν(CO)=1732cm-1,ν(allyl C=C,maleate C=C)1646cm-1.
ここで得られたビス(2-アリルオキシエチル)マレート28gと、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.1gとを、実施例2と同様な反応装置に仕込み、窒素雰囲気下に150℃の温度で、7時間反応を行った。その後、反応液に重合禁止である前記「IRGANOX1010」0.03gを加え、反応液を減圧蒸留により精製し、蒸留温度150℃〜155℃/133Paで18gの生成物が得られた。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定したところ、マレートがフマレートに異性化した実施例1と同じビス[2-(1-プロペニルオキシ)エチル]フマレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.91(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-), 6.23,5,95(d, 2H, CH3-CH=CH-O-), 4.83〜4.78,4.47〜4,42(m, 2H, CH3-CH=CH-O-),4.42〜4.35(m, 4H, -O-CH2CH 2 -OCO-),3.99〜3.96,3.90〜3.87(m, 4H, -O-CH 2 CH2-OCO-),1.57,1.56(d, 6H, CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1725cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(fumarate C=C)1660cm-1.
実施例1と同様に、得られた生成物にラジカル重合開始剤である「イルガキュア184」を該生成物に対して4重量%の量で加えて混合し、ガラス板に15ミクロン厚で塗布して、前記と同じUV照射装置でUV硬化を行った。上記硬化の際には、コンベア速度0.5m/分の条件下で、上記装置に1回通した。その結果、タックフリーの硬化膜が得られた。
【実施例4】
攪拌装置、温度計、コンデンサー、水分定量受器を取り付けた1リットルのガラスフラスコに、無水マレイン酸98g(1モル)、プロピレングリコールモノアリルエーテル256g(2.2モル)、ベンゼン200ml、硫酸0.5gを仕込んだ。オイルバス中で加温、攪拌を行い、反応温度を80℃まで上げ、反応進行に伴い副生する水を留去しながら反応を続けた。留去した水の量が理論量に達したところで、反応を終え冷却した。この反応液を分液漏斗に移し、ベンゼンを300ml加えて、濃度10%の炭酸ナトリウム水溶液および、水による分液洗浄を行った。その後、減圧濃縮して生成物を300g得た。
この生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス(3-アリルオキシプロピル)マレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.30(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-),5.96〜5.85(m, 2H, CH2=CH-CH2-),5,26(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-)5.21(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-),4.82(t, 2H, -O-CH2-CH2-CH 2 -OCO-),4.30(d, 4H, CH2=CH-CH 2 -),4.10〜4.00(m, 4H, -O-CH2-CH 2 -CH2-OCO-),3.68(t, 4H, -O-CH 2 -CH2-CH2-OCO-).
<IR>
ν(CO)=1732cm-1,ν(allyl C=C,maleate C=C)1645cm-1.
得られた生成物に、ラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキシドを該生成物に対して2重量%の量で混合・溶解させ、シリコン製のスペーサーが入ったセロハン張りのガラス板2枚の間に注ぎ込み、オーブン中に入れ、110℃で30分間保持した後、130℃で1時間保持し、次いで160℃で1時間保持し注型硬化させたところ、バーコル硬度30の硬化物が得られた。
【実施例5】
蒸留装置のついた内容量1リットルのフラスコに、ジメチルフマレート144g(1モル)、プロピレングリコールモノアリルエーテル279g(2.4モル)、ジブチル錫オキサイド0.3gと重合禁止剤である前記「IRGANOX1010」0.05gを仕込んで、窒素雰囲気下、150℃の温度に加熱して反応を行い、副生するメタノールを留去した。メタノールが理論量の70%に達したところで、反応系内を徐々に減圧して、メタノールの留去を速めて、最終的には約400Paまで減圧して、理論量のメタノールと残存したプロピレングリコールモノアリルエーテルを完全に留去した。
得られた反応液を室温まで冷却した後、315gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス(3-アリルオキシプロピル)フマレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.90(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-),5.96〜5.84(m, 2H, CH2=CH-CH2-),5,26(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-),5.22(dt, 2H, CH 2 =CH-CH2-),4.82(t, 2H, -O-CH2-CH2-CH 2 -OCO-),4.30(d, 4H, CH2=CH-CH 2 -),4.10〜4.00(m, 4H, -O-CH2-CH 2 -CH2-OCO-),3.68(t, 4H, -O-CHH 2 -CH2-CH2-OCO-).
<IR>
ν(CO)=1732cm-1,ν(fumarate C=C)=1660cm-1,ν(allyl C=C)1645cm-1.
実施例4と同様に、得られた生成物にラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキシドを該生成物に対して2重量%の量で混合・溶解させ、110℃で30分間保持した後、130℃で1時間保持し、次いで160℃で1時間保持することにより注型硬化させたところ、バーコル硬度35の硬化物が得られた。
【実施例6】
蒸留装置のついた1リットルのフラスコに、ジメチルフマレート172g(1モル)、エチレングリコールモノプロペニルエーテル306g(3モル)、ジブチル錫オキシド0.2g、重合禁止剤である上記「IRGANOX1010」0.05gを仕込んで、窒素雰囲気下、150℃の温度に加熱して反応を行い、副生するエタノールを留去した。エタノールが理論量の70%に達したところで、反応系内を徐々に減圧して、エタノールの留去を速めて、最終的には約400Paまで減圧して、理論量のエタノールと残存したエチレングリコールモノプロペニルエーテルを完全に留去した。反応液を室温まで冷却した後、283gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス[2-(1-プロペニルオキシ)エチル]フマレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.91(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-), 6.23,5.95(d, 2H, CH3-CH=CH-O-), 4.83〜4.78,4.47〜4.42(m, 2H, CH3-CH=CH-O-),4.42〜4.35(m, 4H, -O-CH2-CH 2 -OCO-),3.99〜3.96, 3.90〜3.87(m, 4H, -O-CH 2 -CH2-OCO-),1.57, 1.56(d, 6H, CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1725cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(fumarate C=C)1660cm-1.
実施例4と同様に、得られた生成物にラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキシドを該生成物に対して2重量%の量で混合・溶解させ、110℃で30分間保持した後、130℃で1時間保持し、次いで160℃で1時間保持して注型硬化させたところ、バーコル硬度39の硬化物が得られた。
【実施例7】
蒸留装置のついた1リットルのフラスコに、ジメチルイタコネート449g(2.8モル)、エチレングリコールモノプロペニルエーテル870g(5.7モル)、ジブチル錫オキサイド1.32gを仕込んで、窒素雰囲気下、150℃の温度で加熱して反応を行い、副生するメタノールを留去した。メタノールが理論量の70%に達したところで、反応系内を徐々に減圧して、メタノールの留去を速めて、最終的には約400Paまで減圧して、理論量のメタノールと残存したエチレングリコールモノプロペニルエーテルを完全に留去した。反応液を室温まで冷却した後、830gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス[2-(1-プロペニルオキシエチル]イタコネートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.37(s, 1H, =C=CH 2 ), {6.22(d, CH3-CH=CH-O-),5.98〜5.91(m, CH3-CH=CH-O-), total 2H},{4.82〜4.65(m, CH3-CH=CH-O-),4.48〜4.37(m, CH3-CH=CH-O-), total 2H},4.37〜4.23(m, 4H, -O-CH2CH 2 -OCO-),3.97〜3.80(m, 4H, -O-CH 2 CH2-OCO-),3.38(s, 2H, -OCO-CH 2 -C=CH2),1.58〜1.51(m, 6H, CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1740cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(itaconate C=C)1643cm-1.
実施例1と同様に、得られた生成物にラジカル重合開始剤である前記「イルガキュア184」を該生成物に対して5重量%の墨で加えて混合し、ガラス板に15ミクロン厚で塗布して、前記と同じUV照射装置でUV硬化を行った。上記硬化の際には、コンベア速度0.5m/分の条件下で、該装置に4回通した。その結果、タックフリーの硬化膜が得られた。
【実施例8】
環流装置のついた500mlフラスコに、実施例3中に記載されている方法により得られたビス(2-アリルオキシエチル)マレート250g(0.88モル)、5%Pd−Al2O3を28g、トルエン153gを仕込んで、窒素下5時間環流させた。反応液を室温まで冷却した後、5%Pd−Al2O3を濾別し、濾液を減圧濃縮することにより250gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、ビス[2-(1-プロペニルオキシ)エチル]マレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.30(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-), 6.23,5.95(d, 2H, CH3-CH=CH-O-), 4.83〜4.75,4.51〜4.40(m, 2H, CH3-CH=CH-O-),4.40〜4.34(m, 4H, -O-CH2-CH 2 -OCO-),3.96,3.87(t, 4H, -O-CH 2 -CH2-OCO-),1.59〜1.54(m, 6H, CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1732cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(maleate C=C)1645cm-1.
実施例1と同様な方法で、得られた生成物にラジカル重合開始剤である前記「イルガキュア184」を該生成物に対して4重量%の量で加えて混合し、ガラス板に15ミクロン厚で塗布して、前記と同じUV照射装置でUV硬化を行った。上記硬化の際には、コンベア速度0.5m/分の条件下で、上記装置に3回通した。その結果、タックフリーの硬化膜が得られた。
【実施例9】
蒸留装置のついた2リットルのフラスコに、ジメチルマレート400g(2.8モル)、エチレングリコールモノプロペニルエーテル850g(8.3モル)、ジブチル錫オキサイド1.3g、重合禁止剤である上記「IRGANOX1010」0.25gを仕込んで、窒素雰囲気下、150℃の温度に加熱して反応を行い、副生するメタノールを留去させた。メタノールが理論量の70%に達したところで、反応系内を徐々に減圧して、メタノールの留去を速めて、最終的には約400Paまで減圧して、理論量のメタノールと残存したエチレングリコールモノプロペニルエーテルを完全に留去した。反応液を室温まで冷却した後、790gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、実施例8と同じビス[2-(1-プロペニルオキシ)エチル]マレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.30(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-), 6.23,5.95(d, 2H, CH3-CH=CH-O-), 4.83〜4.75,4.51〜4.40(m, 2H, CH3-CH=CH-O-),4.40〜4.34(m, 4H, -O-CH2CH 2 -OCO-),3.96,3.87(t, 4H, -O-CH 2 CH2-OCO-),1.59〜1.54(m, 6H,CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1732cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(maleate C=C)1645cm-1.
実施例4と同様に、得られた生成物にジクミルパーオキシドを該生成物に対して2重量%の量で加えて混合し、110℃で30分間保持した後、130℃で1時間保持し、次いで160℃で1時間保持して注型硬化させたところ、バーコル硬度40の硬化物が得られた。
【実施例10】
300mlフラスコに、実施例3中に記載された方法により得られたビス(2-アリルオキシエチル)マレート208.6g(0.73モル)、5%Pd−Al2O3を22.3gの量で仕込んで、窒素雰囲気下、150℃の温度で10時間加熱し反応を行った。反応液を室温まで冷却した後、5%Pd−Al2O3を濾別し、200gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRおよびIRを測定して、実施例8と同じビス[2-(1-プロペニルオキシ)エチル]マレートであることを確認した。
<1H−NMR>
δ(ppm)6.30(s, 2H, -OCOCH=CHCOO-), 6.23,5.95(d, 2H, CH3-CH=CH-O-), 4.83〜4.75,4.51〜4.40(m, 2H, CH3-CH=CH-O-),4.40〜4.34(m, 4H, -O-CH2CH 2 -OCO-),3.96,3.87(t, 4H, -O-CH 2 CH2-OCO-),1.59〜1.54(m, 6H, CH 3 -CH=CH-O-).
<IR>
ν(CO)=1732cm-1,ν(propenyl C=C)=1670cm-1,ν(maleate C=C)1645cm-1.
実施例1と同様に、得られた生成物にラジカル重合開始剤である前記「イルガキュア184」を該生成物に対して4重量%の量で加えて混合し、ガラス板に15ミクロン厚で塗布して、前記と同じUV照射装置でUV硬化を行った。上記硬化の際には、コンベア速度0.5m/分の条件下で、上記装置に3回通した。その結果、タックフリーの硬化膜が得られた。
【実施例11】
300mlのフラスコに、実施例3中に記載された方法により得られたビス(2-アリルオキシエチル)マレート102g(0.36モル)、5%Pd−Al2O3を11.4gの量で仕込んで、窒素雰囲気下、150℃の温度で3時間加熱して反応を行った。反応液を室温まで冷却した後、5%Pd−Al2O3を濾別し、100gの生成物を取り出した。得られた生成物の1H−NMRを測定したところ、アリルエーテル基(CH2=CH−CH2O−)とプロペニルエーテル基(CH3CH=CH−O−)の特性ピークである積分比から、アリルエーテル基を有する化合物が48%の量で含まれた異性体混合物であることがわかった。
実施例1と同様に、得られた生成物にラジカル重合開始剤である前記「イルガキュア184」を該生成物に対して4重量%の量で加えて混合し、ガラス板に15ミクロン厚で塗布して、前記と同じUV照射装置でUV硬化を行った。上記硬化の際には、コンベア速度0.5m/分の条件下で、上記装置に3回通した。その結果、タックフリーの硬化膜が得られた。
Claims (10)
- 下記式(1):
CH3-CH=CH-(OR1)n-OCO-X-COO-(R2O)n-CH=CH-CH3・・・・・(1)
(式(1)中、Xは−CH=CH−または、−CH2−C(=CH2)−を表し、
R1、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
で表されるラジカル重合用プロペニルエーテル化合物。 - 上記式(1)において、n=1でかつR1、R2が−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−である請求の範囲第1項記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物。
- 上記式(1)において、n=1でかつR1、R2が−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−でかつXが−CH=CH−(トランス)である請求の範囲第1項記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物。
- R3−OCO−X−COO−R4(式中、Xは、−CH=CH−、または−CH2−C(=CH2)−を表し、R3、R4は、それぞれ独立に炭素数が1〜3のアルキル基またはアルケニル基を表す。)で表されるエステルと、
CH3−CH=CH−(OR5)n−OH(式中、R5は、炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)で表されるアルコールとを、エステル交換触媒の存在下に、エステル交換反応させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の製造法。 - 下記式(2)のアリルエーテル化合物を異性化させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の製造法;
CH2=CH-CH2-(OR6)n-OCO-X-COO-(R7O)n-CH2-CH=CH2・・・・・(2)
(式(2)中、Xは、−CH=CH−または、−CH2−C(=CH2)−を表し、R6、R7は、それぞれ独立に炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)。 - (i)無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸のうちから選択される少なくとも1種のカルボン酸またはその無水物と、
(ii)CH2=CH−CH2−(OR8)n−OH(式中、R8は炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基、nは1〜5の整数を表す)で表されるアルコールとを、エステル化触媒の存在下にエステル化反応させて、上記式(2)のアリルエーテル化合物を得、次いで該アリルエーテル化合物を異性化させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の製造法。 - R3−OCO−X−COO−R4(式中、Xは−CH=CH−、または−CH2−C(=CH2)−を表し、R3、R4は炭素数が1〜3のアルキル基またはアルケニル基を表す。)で表されるエステルと、
CH2=CH−CH2−(OR8)n−OH(式中、R8は、炭素数が2〜4のアルキレン基または炭素数が5〜12のシクロアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。)で表されるアルコールとを、
エステル交換触媒の存在下に、エステル交換反応させて上記式(2)のアリルエーテル化合物を得、
次いで該アリルエーテル化合物を異性化させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の製造法。 - 上記異性化反応を異性化触媒の存在下に行い、かつ該異性化触媒として周期表第8族金属から選ばれた少なくとも一種の金属の塩、該金属の錯体、または該金属が担持されている触媒を用いる請求の範囲第5〜7項の何れかに記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の製造法。
- 異性化触媒としてルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウムから選ばれた少なくとも一種の金属の塩、該金属の錯体、または該金属が担持されている触媒を用いる請求の範囲第8項に記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の製造法。
- 上記式(2)のアリルエーテル化合物の異性化において、アリルエーテル基から対応するプロペニルエーテル基への異性化の転化率が、少なくとも50%以上である請求の範囲第5項に記載のラジカル重合用プロペニルエーテル化合物の製造法。
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