JP4049925B2 - 設計支援システム及び設計支援方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンターや原稿送り装置や印刷機などの中を搬送される用紙などシート物の挙動を計算機シミュレーションにより解析し、解析した結果を表示し、最適設計を行うための設計支援システム及び設計支援方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピューター性能の向上に伴い機械設計のための一手法として、例えば特開平8−129578号公報に示された骨組構造物の応答シミュレーション表示システムように、骨組構造物の揺れる動画と、同時刻における骨組構造物の外力応答解析結果データから得られる節点や要素等に関する各種物理量のグラフとを同期させ、リアルタイムにアニメーション表示するように、計算機シミュレーションが広く行われるようになり、その重要性は年々増大している。
【0003】
このように設計段階、すなわち実際に物を作る前からさまざまな条件で設計物の機能を検討することは、製品の開発段階における試作数を減少させることなどにより開発コストや期間を削減でき、企業活動に有益であるばかりでなく、資源の節約など地球環境に対する配慮も可能となる。
【0004】
複写機やプリンタなどのシート、特に紙等は温度や湿度などにより特性が変化したり、最初から平面でなく塑性変形している場合や両面印刷などで大きく変形している場合、電子写真方式などではトナー画像の形成により剛性や表面性などの力学的特性が動作中に変化する場合などがある。このような多くの条件に対して製品の信頼性を確認するためには、多くの試験が必要であり開発期間の長期化やコスト増大につながる。このため計算機シミュレーションプログラムでシートの搬送挙動を解析し、あらかじめ搬送路を最適化しておくことが重要である。
【0005】
複写機やプリンタなどの中を搬送される用紙などシート物の挙動を計算機シミュレーションするためには、シート物の運動を記述する運動方程式を解く必要がある。実際にこの方程式を解くためには、空間と時間それぞれを有限の量として代数式に近似し、計算機にて連立方程式を解くことが必要である。空間に関しては、代表的な手法として差分法や有限要素法があり、時間に関しては、ルンゲックッタ法、ニューマークのベータ法を含む線形加速度法やウィルソンのシータ法やフーボルト法など直接時間積分法が数多くある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら複写機やプリンタなどのシートの搬送挙動を解析する計算機シミュレーションプログラムは開発されておらず、汎用の計算機シミュレーションプログラムによりシートの搬送挙動を解析する必要がある。
【0007】
汎用の計算機シミュレーションプログラムは多くあるが、汎用的であるため特定の現象解析専用にするには、専用オペレーターにより解析する必要があり、ユーザにとっては使い難かったり、必要な機能がなかったり、解析機能が不足して解析できなかったりする。したがって明確な使用目的がある場合には、どの設計者でも容易に使用できる操作性を有する専用の解析システムでなければ実用にはならないのが現状である。
【0008】
また、シート物の搬送を計算機シミュレーションする意義は、実際の機器を操作する前に良好な機能が選られる事を確認し、試験的な操作などを減らす事でコストと期間の削減や資源を節約する事にある。さらに、目指すところは最適な設計である。しかし、計算機シミュレーションをもとに搬送路の設計を最適化するには、無限のパラメータがあり、全てを計算機に任せ自動的に行う事は不可能に近い。
【0009】
この発明はかかる短所を改善し、シート物の搬送を計算機シミュレーションするときに、ある程度パラメータを絞り込み、その中から最適解を選択してシート物の計算機シミュレーション結果を良好に表示するとともに設計支援を行うことができる設計支援システム及び設計支援方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決るための手段】
この発明に係る設計支援システムは、シート物を解析モデルとし、シート物が搬送されていく過程を時刻毎に計算機シミュレーションする設計支援システムであって、前記シート物の搬送に寄与する搬送ガイドの形状及び座標値を含む搬送ガイドデータと、前記シート物に関する特性データと、前記シート物上に形成された画像構造物が削り取られる接触力を示す閾値の入力を受け付ける手段と、時刻毎に前記シート物と前記搬送ガイドとの接触を判定する手段と、前記判定する手段で前記シート物と前記搬送ガイドとが接触すると判定された場合に、接触により前記シート物と前記搬送ガイドとが作用し合う接触力を計算する手段と、前記計算する手段により計算された接触力が、前記入力された接触力を示す閾値を超える場合に、前記計算する手段で計算された接触力と、前記シート物と接触する搬送ガイドを特定する情報と、前記接触があったときの時刻情報と、接触点の座標及び計算における節点情報とを、選択的に外部記憶装置にファイルとして書き込む手段と、前記書き込む手段により書き込まれたファイルを読み込んでグラフ作成を行う手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
前記設計支援システムは、さらに、変形する前記シート物の形状と前記シート物を案内して搬送する搬送ガイドを幾何形状として描画するための描画領域と、描画された幾何形状を操作するための操作領域と、計算機シミュレーション実行のため入力した情報と結果として得られた情報を表示する表示領域とを有する表示手段と、前記入力を受け付ける手段により受け付けた搬送ガイドデータと前記シート物に関する特性データとに基づいて時刻毎にシミュレーションを実行し、時刻毎のシミュレーション結果のデータを得る手段と、前記シミュレーション結果のデータを得る手段で得られた時刻毎のシミュレーション結果のデータと、前記入力を受け付ける手段で受け付けた搬送ガイドデータ及びシート物に関する特性データと、に基づいて前記シート物及び搬送ガイドデータの幾何形状をモデルリングし、モデルリングした幾何形状を前記描画領域に描画する手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記表示手段の描画領域に表示する幾何形状の時刻毎の変化(変形アニメーション表示)には、描画されている時刻に該当する接触位置が識別できる印が描画されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、前記描画領域に表示する変形アニメーション表示とともに、描画されている時刻と同一データの個所を識別できる印をグラフ上に描くことを特徴とする。
【0014】
また、前記搬送ガイドのうち少なくとも1つがローラであり、かつ、ローラが円あるいは円柱又は円弧で形状定義されている場合、前記描画領域に、条件設定されたシートが搬送される方向を円あるいは円柱又は円弧の回転方向を示す矢印で示すことを特徴とする。
【0015】
この発明の設計支援方法は、シート物を解析モデルとし、シート物が搬送されていく過程を時刻毎に計算機シミュレーションする設計支援方法であって、前記シート物の搬送に寄与する搬送ガイドの形状及び座標値を含む搬送ガイドデータと、前記シート物に関する特性データと、前記シート物上に形成された画像構造物が削り取られる接触力を示す閾値の入力を受け付ける工程と、時刻毎に前記シート物と前記搬送ガイドとの接触を判定する工程と、前記シート物と前記搬送ガイドとが接触すると判定された場合に、接触により前記シート物と前記搬送ガイドとが作用し合う接触力を計算する工程と、前記計算された接触力が、前記入力された接触力を示す閾値を超える場合に、前記計算された接触力と、前記シート物と接触する搬送ガイドを特定する情報と、前記接触があったときの時刻情報と、接触点の座標及び計算における節点情報とを、選択的に外部記憶装置にファイルとして書き込む工程と、前記書き込まれたファイルを読み込んでグラフ作成を行う工程とを備えたことを特徴とする。
【0016】
前記設計支援方法は、前記入力を受け付ける工程により受け付けた搬送ガイドデータと前記シート物に関する特性データとに基づいて時刻毎にシミュレーションを実行し、時刻毎のシミュレーション結果のデータを得る工程と、前記得られた時刻毎のシミュレーション結果のデータと、前記入力を受け付ける工程で受け付けた搬送ガイドデータ及びシート物に関する特性データと、に基づいて前記シート物及び搬送ガイドデータの幾何形状をモデルリングし、モデルリングした幾何形状を、変形する前記シート物の形状と前記シート物を案内して搬送する搬送ガイドを幾何形状として描画するための描画領域と、描画された幾何形状を操作するための操作領域と、計算機シミュレーション実行のため入力した情報と結果として得られた情報を表示する表示領域とを有する表示手段の描画領域に描画する工程とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、前記設計支援方法は、前記表示手段の描画領域に表示する幾何形状の時刻毎の変化(変形アニメーション表示)には、描画されている時刻に該当する接触位置が識別できる印で描くことを特徴とする。
【0018】
さらに、前記設計支援方法は、前記描画領域に表示する変形アニメーション表示とともに、描画されている時刻と同一データの個所を識別できる印をグラフ上に描くことを特徴とする。
【0019】
また、前記設計支援方法は、前記搬送ガイドのうち少なくとも1つがローラであり、かつ、ローラが円あるいは円柱又は円弧で形状定義されている場合、前記描画領域に、条件設定されたシートが搬送される方向を円あるいは円柱又は円弧の回転方向を示す矢印で示すことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明のデータ処理装置は、入力部とCPUと表示部とプログラムメモリとデータメモリ及び外部記憶装置がバスを介して接続されている。計算機シミュレーション結果を表示する表示部のウィンドウにはメニュー領域と計算に関した情報表示領域と描画操作領域を有する。メニュー領域には計算結果をデータ処理して変換された搬送ガイドに沿って搬送されるシートの変形状態が表示される。計算に関した情報表示領域には、現在描画しているシートの変形状態の時刻と、その時刻におけるシートと搬送ガイドとの接触力の最大値が表示され、かつファイル化ボタンを有する。描画操作領域には描画用ボタン群を有する。この描画用ボタン群をマウスカーソルでクリックすることにより時系列の計算機シミュレーション結果がアニメーションとして描画される。
【0023】
このデータ処理装置で計算機シミュレーションプログラムを開始すると、機器にて構成されるシート物搬送に寄与する搬送ガイドの形状や座標値などからなる搬送ガイドデータと、シートのヤング率とシート厚さ及び幅などから決まる剛性や密度など各種特性データ及び計算に必要なパラメータなどの計算条件をファイルなどから入力する。計算条件を入力した後、所定の変数などに値を代入するなど搬送ガイドとシートのモデリングを行う。次ぎに、初期状態から任意時間後のシートの状態を逐次計算する。そしてシートと搬送ガイドとの接触を判定し、これを基に全体の連立方程式を作成して計算する。ある時刻における計算が終了した後、計算した結果のデータをファイル化して外部記憶装置に書き込む。その処理を逐次繰り返して終了時刻に達したら終了する。
【0024】
複写機等の場合、シートに形成された画像が搬送ガイドと擦れることにより削られ、その削り取られた画像構成物がシート上の画像を汚す。これが発生する摩擦接触の抗力や摩擦力の大きさが判っているとき、その値を閾値として計算で得られた抗力や摩擦力がこの閾値以上あるいは閾値を超えるような場合に既存の搬送路を修正する必要がある。そこで、その修正すべき個所を特定して、その情報をファイル化する処理を開始すると、まず、シートに形成された画像が搬送ガイドと擦れてシート上の画像構成物が削り取られる摩擦接触の抗力や摩擦力の大きさを示す閾値を入力する。この状態で時間ステップ毎に外部記憶装置に格納してある計算機シミュレーション結果のデータを読み込む。次に、計算機シミュレーションで計算を実施した代表点のインデックス、例えば有限要素法では節点番号毎にループを回し、節点が接触しているかを確かめ、接触していれば抗力や摩擦力の接触力と閾値との大小を比較する。接触力が閾値を超える場合は、そのデータをファイルに書き込む。この処理を時間ステップの最終節点まで繰り返す。この処理を各時間ステップ毎に繰り返してファイル化処理を終了する。このファイル化するデータの内容は、どの搬送ガイドとシートが強く擦れるかであり、搬送ガイドとシートの接触点の座標あるいは搬送ガイドを識別できる固有情報で特定する。また、計算に使用した絶対時刻や相対時刻あるいはステップ数などで表せるそのときの時刻と抗力や摩擦力と接触した節点番号等を選択してファイルとして外部記憶装置に書き込む。
【0025】
このように計算機シミュレーションの結果から、特に抗力や摩擦力の接触力のうちユーザが入力した閾値を超える接触個所を抽出してファイルとして保存するから、別のアプリケーションなどで読み込み、グラフ作成など解析を容易に行うことができる。また、閾値以上の接触力であるとき、設計段階で搬送ガイドの修正が必要な個所を精度良く確認して修正することができる。
【0026】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例の構成を示すブロック図である。図に示すように、データ処理装置1は、入力部2とCPU3と表示部4とプログラムメモリ5とデータメモリ6及び外部記憶装置7がバス8を介して接続されている。入力部2はデータやコマンドキー入力するためのキーボードとタブレットやマウスなどを有し、各種条件やデータ等の情報を入力する。CPU3は各種処理のための演算と論理判定などを行い、バス8に接続された各構成要素を制御する。表示部4は各種データや計算結果を表示する。プログラムメモリ5はシート物の搬送挙動を解析する処理手順を含む各種プログラムを格納する。このプログラムメモリ5はROMなどでも良いし、外部記憶装置7からプログラムがロードされるRAMであっても良い。データメモリ6は入力された各種条件やデータを格納するとともに各種処理で生じたデータを格納する。外部記憶装置7は計算機シミュレーションにより得られたデータ等を保存する。この外部記憶装置7には計算機シミュレーションによって各時刻毎のデータが保存されるため、データファイルのサイズは計算した時刻の数に比例するように大きくなる。そこで、ある時刻におけるシート物の変位図などを描画する際に、その都度、外部記憶装置7に保存されているデータファイルとアクセスしてデータを読み込む。バス8はCPU3の制御の対象とする構成要素を指示するアドレス信号と各構成要素を制御するためのコントロール信号及び各構成機器相互間でやり取りされるデータの転送を行う。
【0027】
計算機シミュレーション結果を表示する表示部4のデータ処理画面は、例えば図2に示すように、マルチウィンドウのOSを使用し、計算結果を表示するためのプログラムによりウィンドウ9を生成する。このウィンドウ9にはメニュー領域10がある。このメニュー領域10の例えばファイルの領域を入力部2のマウスでクリックすると下層のメニューが表示され、再度マウスカーソルで選択することにより、そのコマンドが実行される。描画領域11は計算結果をデータ処理して変換された幾何学形状が表示される。この描画領域11により機器内の搬送ガイド17に沿って搬送されるシート16の変形状態が可視化され、研究者や設計者は視覚的に計算結果を把握することができる。計算に関した情報表示領域12には、例えば現在描画しているシート16の変形状態の時刻と、その時刻におけるシート16と搬送ガイド17との接触力の最大値が表示される。この情報表示領域12にはファイル化ボタン15を有する。描画操作領域13には描画用ボタン群14がある。これらの描画用ボタン群14をマウスカーソルでクリックすることにより時系列の計算機シミュレーション結果がアニメーションとして描画される。この描画用ボタン群14には時刻の順逆方向に連続的に描画したり、順逆方向に1ステップずつ描画したりするボタンと、連続描画中に変形図を静止した時のポーズボタンなどがある。これらのボタンを用いて描画することにより、シート物の変形のアニメーション操作や特に検討したい状態をじっくりと観察することができる。ここでは1つのウィンドウ9内に各領域を区切った場合を示したが、それぞれの領域は分割されてウィンドウ内に分散されていても良い。また各領域毎に1つの子ウィンドウを生成して、ウィンドウ間にてデータをやり取りするようにしても良い。
【0028】
上記のように構成されたデータ処理装置1で計算機シミュレーションプログラムを実行するときに概要を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
プログラム実行を開始すると、機器にて構成されるシート物搬送に寄与する搬送ガイド17の形状や座標値などからなる搬送ガイドデータと、シート16のヤング率とシート厚さ及び幅などから決まる剛性や密度など各種特性データ及び計算に必要なパラメータなどの計算条件をファイルなどから入力する(ステップS1)。これらは入力部2のキーボードやポインティングデバイスなどでプログラムの中から指定するようなプログラム構造にしても良い。この計算条件を入力した後、所定の変数などに値を代入するなど搬送ガイド17とシート16のモデリングを行う(ステップS2)。次ぎに、初期状態から任意時間T(n+1)後のシート16の状態を逐次計算する(ステップS3〜S7)。例えば、時刻T(n+1)に相当する(n+1)ステップの計算はnステップ後の結果をもとに行う(ステップS3)。そしてシート16と搬送ガイド17との接触を判定し(シテップS4)、これを基に全体の連立方程式を作成して計算する(ステップS5,S6)。この計算はマトリックス演算となり、シート16あるいは搬送ガイド17の任意位置での変位若しくは新規座標値と、シート16と搬送ガイド17が接触していれば、そこで作用し合う接触力すなわち抵抗力と摩擦力を計算する。この計算は非線形解析であるために結果が収束するまで反復して行われる(ステップS7)。そして反復計算でも収束しないと判断した場合は(ステップS7)、このステップで使用した時間ステップをより小さく再設定して収束するまで繰り返す(ステップS8)。時刻T(n+1)における計算が終了した後、計算した結果のデータをファイル化して外部記憶装置7に書き込む(ステップS9)。そして終了時刻に達していれば終了し(ステップS10)、終了時刻に達していなければ次の時間ステップ間隔dtを設定して次の時刻での計算を行う(ステップS8)。このプログラムは3次元解析,2次元解析の区別はなく、どちらの計算機シミュレーション結果をも対象としている。
【0030】
この計算機シミュレーションプログラムにより得られる結果のデータは、シート16あるいは搬送ガイド17の任意位置での変位若しくは変形後の座標値と、シート16と搬送ガイド17が接触していればその作用位置とそこで作用し合う抵抗力と摩擦力の接触力ベクトルである。このようにしてシート16の搬送を時刻毎に計算機シミュレーションした結果を表示部4に表示して可視化し、有用な情報を得ることができる。
【0031】
複写機等の場合、シート16に形成された画像が搬送ガイド17と擦れることにより削られ、その削り取られた画像構成物がシート16の画像を汚す。これが発生する摩擦接触の抗力や摩擦力の大きさが判っているとき、その値を閾値として計算で得られた抗力や摩擦力がこの閾値以上あるいは閾値を超えるような場合に既存の搬送路を修正する必要がある。そこで、その修正すべき個所を特定するため、その情報をファイルとして外部記憶装置7へ保存すると、ユーザはこれを参照して該当する搬送ガイド17の設計変更を実施後、再度計算によりその結果を確かめ、シート16と搬送ガイド17の接触の抗力や摩擦力が閾値以下となるようにすることができる。これにより、実際に物を製作する前に最適な構造を決定することができる。
【0032】
この修正すべき個所を特定して、その情報をファイル化するときの処理を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
図2に示す表示部4のファイル化ボタン15を押してファイル化命令を入力してファイル化処理を開始すると、まず、シート16に形成された画像が搬送ガイド17と擦れてるシート16上の画像構成物が削り取られる摩擦接触の抗力や摩擦力の大きさを示す閾値Rthを入力する(ステップS11)。この状態で整数で表す時間ステップn毎に外部記憶装置7に格納してある計算機シミュレーション結果のデータを読み込む(ステップS12〜S14)。この時間ステップnの時刻Tnは時間ステップ間隔をdtとするとTn=(n×dt)となる。次に、計算機シミュレーションで計算を実施した代表点のインデックスi、例えば有限要素法では節点番号i毎にループを回し、節点iが接触しているかを確かめ、接触していれば抗力や摩擦力の接触力Riと閾値Rthとの大小を比較する(ステップS15〜S17)。接触力Riが閾値Rthを超える場合は、そのデータをファイルにして外部記憶装置7に書き込む(ステップS18)。この処理を時間ステップnの最終節点まで繰り返す(ステップS19)。この処理を各時間ステップ毎に繰り返し、最終時刻に到達すればファイル化処理を終了する(ステップS20)。ここでループの回し方は各種あり、図4に限るものではなく、全てのデータに関して閾値Rthと比較を行えば良い。この書き込むデータの内容は、どの搬送ガイド17とシート16が強く擦れるかであり、搬送ガイド17とシート16の接触点の座標あるいは搬送ガイド17を識別できる固有情報、例えばインデックスや名称などにより特定する。また、計算に使用した絶対時刻や相対時刻あるいはステップ数nなどで表せるそのときの時刻と抗力や摩擦力と接触した節点番号i等を選択してファイルとして外部記憶装置7に書き込む。また、CPU3は書き込まれた各時刻毎の代表点の変位情報からシート16の移動速度を演算してファイルとして外部記憶装置7に書き込む。
【0034】
このように計算機シミュレーションの結果から、特に抗力や摩擦力の接触力Riのうちユーザが入力した閾値Rthを超える接触個所を抽出してファイルとして保存するから、別のアプリケーションなどで読み込み、グラフ作成など解析を容易に行うことができる。また、閾値Rth以上の接触力であり、例えば、摩擦により画像形成されたシート16が機械的摩耗により削れ落ち、画像を汚す可能性がある場合、設計段階で搬送ガイド17の修正が必要である個所を精度良く確認して修正することができる。
【0035】
上記実施例は搬送ガイド17とシート16の接触力Riを入力された閾値Rthと比較する場合について説明したが、閾値Rthをあらかじめファイルに設定しておいても良い。
【0036】
また、上記実施例は入力したり設定された閾値Rthを接触力Riの比較基準とした場合について説明したが、閾値Rthが判っていない場合、この閾値Rthを求めるための実験との相関を図るために、シート16の先端以外の各時刻における節点について接触力(抗力や摩擦力)の最大値を求めてファイルに保存する。そして実験にて擦れが生じたシート16の位置に該当する接触力を求めることにより閾値Rthを得ることができる。ここでシート16の先端を除くのは、シート16の先端には画像が存在しなく、最大値を求めるときに阻害情報となるためである。
【0037】
さらに、シート16と搬送ガイド17の接触力Riが閾値Rthを超えて、そのデータをファイルに書き込むときに、各搬送ガイド17毎に個別ファイルを作成して保存すると良い。すなわち、シート16と搬送ガイド17の接触力Riが閾値Rthを超えたときのデータをファイルに書き込むときに、該当する搬送ガイド17のインデックスを調べ、このインデックスにより、図5に示すように、個別ファイル71a〜71kを作成してデータを書き込む。例えば該当する搬送ガイド17がインデックスがjである場合は、搬送ガイド17jの個別ファイル71jにデータを書き込む。このように各搬送ガイド17毎に個別ファイル71a〜72kを作成することにより搬送ガイド17毎の比較が容易になる。また、これらのデータを同一グラフ上に表せば、どの搬送ガイド17が最も接触力のレベルが高いかが判る。さらに、シート16と各搬送ガイド17の接触力が閾値Rthと比べて低い場合であっても、経時的変化により不具合状態が発生する場合がある。これをいち早く確認して初期時に改善することもできる。
【0038】
また、各時刻毎に表示部4の描画領域11に、図6に示すように、最大接触力が生じている位置をマーカ18で指し示すと良い。例えば図6に示した表示時刻は23msであり、この時刻における最大接触力は0.4ニュートンである。この最大接触力が生じている位置をマーカ18で示すことにより、最大接触力が生じている位置を表示部4の画面上で直ちに確認することができる。
【0039】
さらに、各時刻毎の最大接触力が生じている位置を表示部4の描画領域11にマーカ18で示すとともに、図7に示すように、各時刻毎の最大接触力をグラフ19で表示し、グラフ19にマーカ20で、そのとき描画領域11に表示されているシート16と搬送ガイド17の時刻を表示すると良い。このように最大接触力の時間変化をグラフ19で表示することにより、シート16と搬送ガイド17の接触状態の時間推移を直ちに確認することができ、特に注意すべき時刻を事前に把握することができ、シート16と搬送ガイド17の接触状態を安定に設計することができる。また、このグラフに閾値Rthを描画しておくことにより、改善する時刻と改善する接触位置を直ちに確認することができる。さらに、グラフ19のマーカ20により描画領域11に表示された状態から最大接触力がどのように変化するかを簡単に確認することができる。
【0040】
上記のようにファイル化した情報を利用して他のシート16aの概算値を再計算なしで予測することもできる。計算機シミュレーションに使用したシート16の剛性はヤング率Eと厚さtとシート幅bで決まり、曲げ剛性はヤング率Eと断面2次モーメントIの積である曲げ剛性EIは下記(1)式で得られる。
EI=E・b・t3 /12 (1)
計算機シミュレーションに使用したシート16の計算結果により予測するシート16aのヤング率をEa,厚さをtaとすると、シート16とシート16aの曲げ剛性比は下記(2)式で表せる。
(EaIa/EI)
=(Ea・b・ta3 /12)/(E・b・t3 /12)
=(Ea/E)・(ta/t)3 (2)
この曲げ剛性比をシート16で算出した摩擦力に乗算することにより、シート16aの摩擦力の概算値を予想することができる。
【0041】
また、複写機等のようにシート16の画像擦れに限れば、画像面が接触するデータのみを限定して良い。そこで修正すべき個所を特定して、その情報をファイル化するときに、シート16の先端が搬送元となる搬送ローラ21へ到着した時刻Taとし、この時刻Taでシート16の先端座標を読込み、搬送方向と反対側にある搬送ガイド17の数とインデックスを調べ、その番号をファイルに格納して接触力等のデータをファイル化すれば良い。この場合、搬送ローラ21,22の回転方向を表示部4の描画領域11に表示することによりシート16の搬送方向を正確に確認することができる。
【0042】
この搬送ローラ21,22の回転方向を表示させるときの処理について説明する。ウィンドウのOSでプリポスト処理プログラムを起動すると、図8に示すように表示部4にプリポスト処理画面を表示する。このプリ処理画面のウィンドウ9には描画領域11と、計算に必要なデータを入力するプリ処理入力部23と、計算結果のアニメーション表示を操作するポスト処理入力部24と、各種ファイルを入出力するファイル入出力部25が表示される。描画領域11にはシート16を搬送する搬送路の搬送ガイド17と搬送ローラ21,22の形状データが表示される。この搬送路でシート16を搬送するときの計算機シミュレーションを実行するためには、表示した形状データのなかでどれが搬送ローラ21,22であり、シート16が搬送される方向を指定する必要がある。そこでプリ処理入力部23のガイドタグ25をアクティブにし、さらに、搬送タグ26をアクティブにすると、プリ処理入力部23は、図9に示すように、搬送条件を設定できる表示画面になり、搬送条件を設定できる。この表示画面で1つの搬送条件が搬送条件名表示部27に例えば「搬送部1」の名称で定義され、関連形状表示部28には、この条件に応じた形状データが例えば2つ関連付けられて「ローラー1」と「ローラー2」とその名称が表示される。この名称は通し番号など搬送ローラや搬送ガイドなど個々の形状を特定する情報で有れば良い。ここで関連付けられた形状には1つの円又は円弧があるとし、その中心を回転中心とした回転方向が描画領域11に表示された形状の回りに矢印30で示される。例えば図9では搬送ローラ21に回転方向を示す矢印30が示されているが、この矢印30は搬送ローラ21,22のいずれか一方又は両方に描画すれば良い。この矢印30を確認することによりシート16の搬送方向を視覚的に確認することができる。
【0043】
この状態で搬送方向変更ボタン29をクリックすることにより矢印30の向きを逆方向にする。この処理は図10のフローチャートに示すように、搬送方向変更ボタン29をクリックすると(ステップS31)、「ローラー1」の回転方向を示すフラグ変数Rflagを反対にする(ステップS32)。例えばフラグ変数Rflagが整数1のときに時計回りの回転を表し、整数−1のときに反時計回りの回転を表すとすると、このフラグ変数Rflagの値を調べ(ステップS33)、フラグ変数Rflagが整数1のときに時計回りの矢印30を「ローラー1」である搬送ローラ21の回りに描画し(ステップS34)、フラグ変数Rflagが整数−1のときに反時計回りの矢印30を「ローラー1」である搬送ローラ21の回りに描画する(ステップS35)。このようにして搬送ローラ21の回転方向を所望の回転方向に設定して表示することができる。この設定された回転方向、すなわちシートの搬送方向が外部記憶装置6にファイルとして書き込まれる。その後、計算機シミュレーションプログラムを起動すると、計算機シミュレーションプログラムを実行する。
【0044】
また、複写機やファクシミリ等では原稿送り部と読取部がある。読取部の読取方法は、原稿を所定の位置に送って静止させて、読取部を移動しながら読み取る方法と、搬送中の原稿を固定した読取部で読み取る方法の2種類がある。前者は読取精度が高いが、原稿の静止と再搬送の動作が必要になる機器構成が複雑になる。後者は原稿の静止と再搬送の動作は必要な、機器構成は簡略化されるが、原稿の送り精度がそのまま読取精度に反映する。この読取精度は、図11に示すように、搬送ガイド17に沿って搬送ローラ21,22で搬送されている原稿のシート16が読取部31の読取線32を通過するときの読取線32と直交する方向の速度成分Vに影響され、この速度成分Vが一定になることが理想的である。例えば原稿のシート16の先端が下流側の搬送ローラ21に達していないとき、上流側の搬送ローラ22で高精度にシート16を送っていても、読取位置32を通過するシート16の速度は一定とならず、シート16の変形状態に応じて速度変動が生じる可能性がある。このシート16の搬送挙動を計算機シミュレーション後に評価して読取誤差を予測し速度変動を少なくすることが設計上重要である。このシート16の搬送挙動を計算機シミュレーション後に評価する処理について説明する。
【0045】
計算機シミュレーション後にマルチウィンドウのOSを使用し、原稿読取搬送路の計算結果を表示するためのプログラムにより表示部4にウィンドウ9を生成すると、図12に示すように計算に関した情報表示領域12に、そのとき描画領域11に描画しているシート16の変形状態の時刻と、その時刻におけるシート16の読取線32と直交する速度成分である読取速度が表示される。この場合、外部記憶装置7にファイル化して保存してある代表点は読取線32と一致するとは限らない。そこで、CPU3は、図13に示すように、読取線32を挟む代表点nの速度Vnと代表点(n+1)の速度V(n+1)を補間して読取線32におけるシート16の移動速度Vを演算する。移動速度Vを演算する補間方法は各種あり、いずれの方法を使用しても良い。例えば、代表点nと代表点(n+1)に対する読取線32の内分比(1−a,a)から、V=a・Vn+(1−a)・V(n+1)と線形補間する。この演算した移動速度Vを読取速度として計算に関した情報表示領域12に表示し、各時刻毎に演算した移動速度Vをファイル化して外部記憶装置7に格納する。
【0046】
このように計算機シミュレーションした結果により、各時刻毎の読取速度を表示することにより読取誤差予測をすることができる。また、予測した読取誤差に応じて搬送ガイド17の形状を変えて計算機シミュレーションすることにより読取速度の時間変動が少ない設計をすることができる。
【0047】
上記実施例は計算に関した情報表示領域12に、そのとき描画領域11に描画しているシート16の変形状態の時刻と、その時刻におけるシート16の読取線32と直交する速度成分である読取速度を表示する場合について説明したが、図14に示すように、読取速度の時間変化グラフ33を表示し、時間変化グラフ33に、そのとき描画領域11に表示されているシート16と搬送ガイド17の時刻をマーカ20で表示すると良い。このように読取速度の時間変化をグラフで表示することにより、シート16の変形状態と読取速度の変化を直ちに確認することができる。
【0048】
また、図14に示すように、矢印30で示された搬送ローラ21の回転方向から読取速度の方向を算出して読取速度とともにファイル化し、矢印37で表示することにより、シート16の移動方向を直ちに確認することができる。
【0049】
このように読取速度を演算するためには読取領域を特定する必要がある。計算機シミュレーションが2次元であるならば読取領域が直線である読取線32になるが、計算機シミュレーションが3次元のとき、読取領域は読取面になる。この読取線32や読取面の幾何形状を認識する必要がある。そこで読取線32や読取面の幾何形状を特定する処理を説明する。
【0050】
計算機シミュレーションが2次元の場合は、図15(a)に示すように、読取線32が通る任意の2点A,Bの座標を算出して入力したり、点Aの座標と基準直線35に対する傾き角度θを算出して入力することにより読取線32の幾何形状を特定することができる。また、計算機シミュレーションが3次元の場合、図15(b)に示すように、読取面36が通る任意の3点C,D,Eの座標を入力するか、2点C,Dの座標と直線CDを回転軸とする回転角度θを入力することにより読取面36を特定できる。
【0051】
また、読取部31の搬送ガイド17としては、通常コンタクトガラスが使用されている。読取線32や読取面36はコンタクトガラスに対してほぼ直交するように設けられていることが多い。このような場合、搬送ガイド17としてコンタクトガラスを指定し、コンタクトガラスの読取位置の点の座標を入力することにより読取線32や読取面36を特定できる。この場合も外部記憶装置7にファイル化して保存してある代表点と読取位置が一致するとは限らない。そこで、読取位置を挟む2点の代表点の座標から補間処理して読取位置の点の座標を演算すれば良い。
【0052】
上記各実施例に示すように計算機シミュレーションした結果により、搬送されるシート11の挙動を解析するためには、解析に必要な入力データを簡単にかつ正確に設定することが必要である。そこで計算機シミュレーションの結果によりシート11の挙動を解析するに先だってプリポスト処理プログラムにより解析に必要な入力データを設定するときの処理を説明する。
【0053】
ウィンドウのOSでプリポスト処理プログラムを起動すると、図8に示すように、表示部4にプリポスト処理画面を表示する。このプリ処理画面のウィンドウ9には描画領域11と、計算に必要なデータを入力するプリ処理入力部23と、計算結果のアニメーション表示を操作するポスト処理入力部24と、各種ファイルを入出力するファイル入出力部25が表示される。描画領域11にモデル化したシート16の離散化最小領域の長さをL、シート16の搬送速度をV、計算が実施される時間間隔をdt、1以上の実数をnとする。ここで離散化最小領域は例えば差分法であればセルの一辺、有限要素法であれば要素長又は節点間距離である。図16(a)は、シート16の2次元断面を、はり要素37でモデル化した例を示し、1つの要素37は2つの節点38からなり、最小領域の長さLは要素長さと等しくなる。図16(b)は、同じくシート16の2次元断面を四角形要素でモデル化した例を示す、節点38は四角形の頂点とその中点に配置され、8節点で1つの要素38が形成されている。この場合の最小領域の長さLは節点間距離となり要素の一辺長さの半分に相当している。シート搬送挙動解析用の計算機シミュレーションプログラムでは時間ステップdt毎に解を得る。時刻T0において解を得た後、時刻(T0+dt)で次の解を得るとき、シート16の搬送速度Vと時間間隔dtの積(V×dt)の距離だけシート16、すなわち節点が進んでいることが期待される。この計算はシート16と搬送ガイド17との接触解析であるが、あまりに多くの距離で節点が搬送ガイド17を突抜ける状態となると、解の収束性は悪化して解が得られない場合がある。この収束解を得る条件として、下記(3)式に示すように、(V×dt)が離散化最小領域L以下であることが望ましい。
(n×dt×V)≦L (3)
この(3)式を満足する条件として、下記(4)式によって変数を決める。
L=(n×dt×V) (4)
【0054】
ここで実数nとシート16の搬送速度Vが設定済みであるとすると、最小領域の長さLが時間間隔dtよりも先に入力して設定された場合、時間間隔dtは(4)式で演算され、演算された時間間隔dtが設定される。また、時間間隔dtが最小領域の長さLよりも先に入力して設定された場合は、(4)式により演算された最小領域の長さLが設定される。ここで最小領域の長さLと時間間隔dtは直接その値が入力されなくても良く、例えばシート16の長さをLS、図16(a)に示すように、はり要素への分割数をmとすれば、最小領域の長さL=LS/mとなる。また、総計算時間をTAとし、全時間ステップの数をkとすれば、時間間隔dt=TA/kとなる。これらの値を最小領域の長さLと時間間隔dtとして代入して設定しても良い。
【0055】
この最小領域の長さLや時間間隔dtの入力データを設定するために、図8に示したプリポスト処理画面のプリ処理入力部23の用紙・速度タグをアクティブにすると、図17に示すように、プリ処理入力部23にシート長さ入力部41と離散化数入力部42と搬送速度入力部43と時間ステップ入力部44と総計算時間入力部45及び自動設定ボタン46が設置される。ここで、例えば時間間隔dtが未設定で他のデータが設定されている場合、最小領域の長さLが未設定で他のデータが設定されている場合、自動設定ボタン46をマウスでクリックすることにより、未設定である時間間隔dtや最小領域の長さLの値が自動的に演算されて設定される。この自動設定ボタン46をクリックして未設定である時間間隔dtや最小領域の長さLの値を演算する処理を図18のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
自動設定ボタン46がクリックされると(ステップS41)、時間間隔dtと最小領域の長さLの入力状態を調べ、時間間隔dt=0で最小領域の長さL>0かを判定する。ここで時間間隔dt=0は、時間間隔dtの値がユーザにより入力されていないことを示し、最小領域の長さL>0は、最小領域の長さLの値がユーザにより入力されていることを示す。時間間隔dt=0で最小領域の長さL>0の場合には、(4)式により時間間隔dt=L/(n×V)を演算して設定する(ステップS42,S43)。また、時間間隔dtが入力されてdt>0で最小領域の長さLが入力されずにL=0のとき、(4)式により最小領域の長さL=(n×V×dt)を演算して設定する(ステップS44,S45)。また、時間間隔dtと最小領域の長さLの両方とも未入力の場合は処理せずに終了する(ステップS46)。また、時間間隔dtと最小領域の長さLが入力されて、dt>0,L>0の場合には、入力された時間間隔dtと最小領域の長さLのどちらかを優先するかを決めておき、時間間隔dtと最小領域の長さLのいずれかを演算して、入力した値を演算した値に変更して設定する(ステップS46,S47)。
【0057】
例えば図17に示すようにシート16の長さLS=150(mm)、はり要素への分割数m=300、シート16の搬送速度V=100(mm/sec)、総計算時間TA=1500(msec)と入力され、n=2.0と設定されている場合、時間間隔dt=LS/(m×n×V)=150/(300×2×100)=0.0025(秒)となる。この時間間隔dtの値を設定し、各条件を示すデータをファイル化して外部記憶装置7に書き込む。計算機シミュレーションプログラムを起動すると、この書き込んだ条件を読み出して処理を実行する。
【0058】
また、図19に示すように、時間間隔dtと最小領域の長さLが入力されて、dt>0,L>0の場合には、図20のフローチャートに示すように、自動設定ボタン44がクリックされると(ステップS51)、入力されたデータにより前記(1)の(n×dt×V)≦Lの条件を満たすかどうかを判定し(ステップS52)、この条件を満たしているときは処理を終了する。また、この条件を満たしていない場合、入力された時間間隔dtと最小領域の長さLの値のいずれかをあらかじめ定められた優先順位により選択して他方の値を演算して入力した値を変更する(ステップS53)。例えば図19に示すように、シート16の長さLS=150(mm)、はり要素への分割数m=300、シート16の搬送速度V=100(mm/sec)、総計算時間TA=1500(msec)、時間間隔dt=10(msec)と入力され、n=2.0と設定されている場合、
となり、(n×dt×V)≦Lの条件式を満たさない。そこで(2)式から時間間隔dtの値を、dt=2.5(msec)に変更する。
【0059】
このように入力した条件の値を変更するとき、図21に示す警告表示47をウィンドウで表示し、ユーザに入力した値が不適当であることを明らかにし、ユーザが演算した値に変更することを承諾したときに、入力した条件の値を演算した値に変更する。このようにしてユーザが意図しない値に変更して設定することを防ぐことができる。
【0060】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、計算によって得られたシート物と搬送ガイドとの接触により作用し合う摩擦力が、シート物上に形成された画像構造物が削り取られる接触力を示す閾値以上のとき、その値と接触する搬送ガイドを特定する情報と、そのときの時刻情報と接触点の座標及び計算における節点情報を外部記憶装置にファイルとして書き込み保存するから、これを参照して該当する搬送ガイドの設計変更を実施して、実際に物を製作する前に最適な構造を決定することができる。
【0063】
また、シートの変形アニメーション表示の中に、描画されている時刻における該当する接触位置が識別できる印を描くことにより、最大接触力が生じている位置を画面上で直ちに確認することができる。
【0064】
また、ファイルとして書き込む情報をコンピュータ画面上にグラフとして描画することにより、シートと搬送ガイドの接触状態の時間推移を直ちに確認することができる。このグラフに、そのときに表示されているシートと搬送ガイドの時刻を表示することにより、シートと搬送ガイドの接触状態の時間推移をより正確に確認することができ、シートと搬送ガイドの接触状態を安定に設計することができる。
【0066】
また、ガイドのうちローラの回転方向を表示することにより、シートの搬送方向を視覚的に確認することができる。この回転方向の表示をキー入力やポインティングデバイスの操作により逆転させることにより所望の回転方向を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】表示部のデータ処理画面図である。
【図3】計算機シミュレーションプログラムの処理を示すフローチャートである。
【図4】修正すべき個所を特定してファイル化する処理を示すフローチャートである。
【図5】外部記憶装置の構成を示すブロック図である。
【図6】最大接触力を示したデータ処理画面図である。
【図7】最大接触力の時間変化を示したデータ処理画面図である。
【図8】プリポスト処理プログラムを起動したときのデータ処理画面図である。
【図9】シートの搬送方向指定処理のときのデータ処理画面図である。
【図10】ローラの回転方向の変更処理を示すフローチャートである。
【図11】読取位置を示す配置図である。
【図12】読取速度を示すデータ処理画面図である。
【図13】読取位置の特定処理を示す説明図である。
【図14】読取速度の時間変化を示すデータ処理画面図である。
【図15】読取線と読取面の特定処理を示す説明図である。
【図16】シートの離散化最小領域の長さを示す説明図である。
【図17】計算が実施される時間間隔の設定処理のときのデータ処理画面図である。
【図18】離散化最小領域の長さと時間間隔の設定処理を示すフローチャートである。
【図19】時間間隔と最小領域の長さが入力されたプリ処理入力部の表示図である。
【図20】時間間隔と最小領域の長さを選択して設定する処理を示すフローチャートである。
【図21】入力した条件の値を変更するときの警告を示す表示図である。
【符号の説明】
1 データ処理装置
2 入力部
3 CPU
4 表示部
5 プログラムメモリ
6 データメモリ
7 外部記憶装置
8 バス
Claims (10)
- シート物を解析モデルとし、シート物が搬送されていく過程を時刻毎に計算機シミュレーションする設計支援システムであって、
前記シート物の搬送に寄与する搬送ガイドの形状及び座標値を含む搬送ガイドデータと、前記シート物に関する特性データと、前記シート物上に形成された画像構造物が削り取られる接触力を示す閾値の入力を受け付ける手段と、
時刻毎に前記シート物と前記搬送ガイドとの接触を判定する手段と、
前記判定する手段で前記シート物と前記搬送ガイドとが接触すると判定された場合に、接触により前記シート物と前記搬送ガイドとが作用し合う接触力を計算する手段と、
前記計算する手段により計算された接触力が、前記入力された接触力を示す閾値を超える場合に、前記計算する手段で計算された接触力と、前記シート物と接触する搬送ガイドを特定する情報と、前記接触があったときの時刻情報と、接触点の座標及び計算における節点情報とを、選択的に外部記憶装置にファイルとして書き込む手段と、
前記書き込む手段により書き込まれたファイルを読み込んでグラフ作成を行う手段と、
を備えたことを特徴とする設計支援システム。 - 前記設計支援システムは、さらに、
変形する前記シート物の形状と前記シート物を案内して搬送する搬送ガイドを幾何形状として描画するための描画領域と、描画された幾何形状を操作するための操作領域と、計算機シミュレーション実行のため入力した情報と結果として得られた情報を表示する表示領域とを有する表示手段と、
前記入力を受け付ける手段により受け付けた搬送ガイドデータと前記シート物に関する特性データとに基づいて時刻毎にシミュレーションを実行し、時刻毎のシミュレーション結果のデータを得る手段と、
前記シミュレーション結果のデータを得る手段で得られた時刻毎のシミュレーション結果のデータと、前記入力を受け付ける手段で受け付けた搬送ガイドデータ及びシート物に関する特性データと、に基づいて前記シート物及び搬送ガイドデータの幾何形状をモデルリングし、モデルリングした幾何形状を前記描画領域に描画する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の設定支援システム。 - 前記表示手段の描画領域に表示する幾何形状の時刻毎の変化(変形アニメーション表示)には、描画されている時刻に該当する接触位置が識別できる印が描画されていることを特徴とする請求項2記載の設計支援システム。
- 前記描画領域に表示する変形アニメーション表示とともに、描画されている時刻と同一データの個所を識別できる印をグラフ上に描くことを特徴とする請求項3記載の設計支援システム。
- 前記搬送ガイドのうち少なくとも1つがローラであり、かつ、ローラが円あるいは円柱又は円弧で形状定義されている場合、前記描画領域に、条件設定されたシートが搬送される方向を円あるいは円柱又は円弧の回転方向を示す矢印で示すことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の設計支援システム。
- シート物を解析モデルとし、シート物が搬送されていく過程を時刻毎に計算機シミュレーションする設計支援方法であって、
前記シート物の搬送に寄与する搬送ガイドの形状及び座標値を含む搬送ガイドデータと、前記シート物に関する特性データと、前記シート物上に形成された画像構造物が削り取られる接触力を示す閾値の入力を受け付ける工程と、
時刻毎に前記シート物と前記搬送ガイドとの接触を判定する工程と、
前記シート物と前記搬送ガイドとが接触すると判定された場合に、接触により前記シート物と前記搬送ガイドとが作用し合う接触力を計算する工程と、
前記計算された接触力が、前記入力された接触力を示す閾値を超える場合に、前記計算された接触力と、前記シート物と接触する搬送ガイドを特定する情報と、前記接触があったときの時刻情報と、接触点の座標及び計算における節点情報とを、選択的に外部記憶装置にファイルとして書き込む工程と、
前記書き込まれたファイルを読み込んでグラフ作成を行う工程と、
を備えたことを特徴とする設計支援方法。 - 前記設計支援方法は、
前記入力を受け付ける工程により受け付けた搬送ガイドデータと前記シート物に関する特性データとに基づいて時刻毎にシミュレーションを実行し、時刻毎のシミュレーション結果のデータを得る工程と、
前記得られた時刻毎のシミュレーション結果のデータと、前記入力を受け付ける工程で受け付けた搬送ガイドデータ及びシート物に関する特性データと、に基づいて前記シート物及び搬送ガイドデータの幾何形状をモデルリングし、モデルリングした幾何形状を、変形する前記シート物の形状と前記シート物を案内して搬送する搬送ガイドを幾何形状として描画するための描画領域と、描画された幾何形状を操作するための操作領域と、計算機シミュレーション実行のため入力した情報と結果として得られた情報を表示する表示領域とを有する表示手段の描画領域に描画する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項6記載の設定支援方法。 - 前記表示手段の描画領域に表示する幾何形状の時刻毎の変化(変形アニメーション表示)には、描画されている時刻に該当する接触位置が識別できる印で描くことを特徴とする請求項7記載の設計支援方法。
- 前記描画領域に表示する変形アニメーション表示とともに、描画されている時刻と同一データの個所を識別できる印をグラフ上に描くことを特徴とする請求項8記載の設計支援方法。
- 前記搬送ガイドのうち少なくとも1つがローラであり、かつ、ローラが円あるいは円柱又は円弧で形状定義されている場合、前記描画領域に、条件設定されたシートが搬送される方向を円あるいは円柱又は円弧の回転方向を示す矢印で示すことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の設計支援方法。
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