JP4086446B2 - 設計支援装置と設計支援方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

設計支援装置と設計支援方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、最適な設計をするための設計支援装置と設計支援方法、及び該設計支援方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるコンピュータ性能の向上と共に、機械設計のための一手法として計算機シミュレーションが広く行われるようになっており、その重要性は年々増大している。
【0003】
そして、設計段階すなわち実際に物を作る前からさまざまな条件で設計物の
機能を検討することは、製品の開発段階における試作数を減少させること等により開発コストや開発期間を削減でき、企業活動に有益であるばかりでなく、資源の節約など地球環境に対する配慮も可能となる。
【0004】
一方、現在市販されている計算機シミュレーションプログラムは多々あるが、汎用的である反面、特定の現象を解析するための専用とする場合には、ユーザ(設計者)にとって使用方法が難しかったり、必要な機能が含まれていなかったり、あるいは解析能力が十分なものでないことがある。従って、明確な使用目的がある場合においては、専用の解析システムでなければ、多くの設計者が容易に使用できる実用性を有した計算機シミュレーションを実現できないのが現状である。
【0005】
そして、複写機やプリンタ、原稿送り装置や印刷機などの中を搬送される紙などシート状の対象物の挙動を計算機シミュレーションする場合においても、市販の計算機シミュレーションプログラムは実用的ではない。また、市販の計算機シミュレーションプログラムでは、シミュレーションの前処理と後処理を専用のプリ・ポストツールにより実行することとされるが、汎用性が追求されているため、シート物搬送挙動シミュレーションの前処理及び後処理(プリ・ポスト)としては利便性が低い。さらには、CAD(Computer-Aided Design)システムとリンクさせてCAE(Computer-Aided Engineering)システムとした場合でも、シート物搬送路の設計支援を行うには十分な機能が得られない。
【0006】
一方、現在のコンピュータシステムの操作性は、Xウィンドウやマイクロソフト社のウィンドウズなどのマルチウィンドウシステムとグラフィカルユーザインタフェースにより飛躍的に向上している。すなわち例えば、処理画面をウィンドウとして複数持つことができると共に、ウィンドウ上に配置されたボタンをクリックすることや任意の位置をダブルクリックすることなどによりイベントが発生し、これを受けてある所定の処理を実行することができる。
【0007】
そして、これらの機能を利用して、搬送される紙などのシート物の挙動を計算機シミュレーションした結果をマルチウィンドウシステム上にて処理する設計支援装置や設計支援方法が既に開発されており、例えば特開平11−120220号公報には該設計支援装置の基礎となるデータ処理装置が開示され、該装置はシート物と搬送ガイドの接触力が考慮されている。また、特開平11−116133号公報にはシート物の先端と接触する搬送ガイドとの間の当接角度が考慮された装置が、特開平11−195052号公報にはシート物を搬送する搬送力が考慮された装置がそれぞれ開示されている。また、特開平11−282825号公報にはシート物先端の移動速度を考慮した装置が開示されている。
【0008】
しかしながら、実際の搬送経路は、製品の組み立てや、紙づまりを生じた際の紙の除去や該搬送経路の合流や分流などに鑑みて、継ぎ目に所定の間隔を有するよう列設された複数の搬送ガイドにより形成される。そのため、搬送される紙のカール(曲がり癖)により該継ぎ目において生じる紙づまりは、上記のような設計支援装置または設計支援方法によっては予測することができないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解消するためになされたもので、実際に搬送される対象物の状態を考慮した設計支援装置と設計支援方法、及び該設計支援方法を実現するためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、所定の間隔を有するよう列設された複数の搬送ガイドにより形成される搬送経路に沿った対象物の運動をシミュレーションした結果に応じて、搬送経路の設計を支援する設計支援装置であって、シミュレーションにおける任意の時刻において、上記間隔に差しかかった対象物の先端と上記先端が次に通過する搬送ガイドの端部との距離を算出する端部距離算出手段と、端部距離算出手段により算出された距離が、予め設定された閾値以下であるか否かを判定して、判定の結果を表示する判定手段とを備えたことを特徴とする設計支援装置を提供することにより達成される。このような手段によれば、搬送過程において搬送ガイドの継ぎ目で生じ得る対象物の詰まりに関して、設計上の的確な評価を得ることができる。
【0011】
また、端部距離算出手段は、新たな時刻がユーザにより指定されたときには、ユーザにより前回の操作において指定された時刻から新たな時刻までの期間におけるシミュレーションの結果に基づいて、上記期間における上記距離を算出するものとすることができる。このような手段によれば、全搬送過程における搬送状態を設計段階で得ることができる。ここで、判定手段はさらに、上記期間における上記距離が上記閾値以下であるか否かを判定して、その結果を表示するものとすれば、搬送経路の設計上考慮すべきデータの存在を、全搬送過程において漏れなくユーザに認識させることができる。
【0012】
そして、判定手段により上記期間の中における少なくとも一つの時刻において、上記距離が上記閾値以下になると判定されたときには、上記距離が上記閾値以下になる時刻の中で選択された時刻におけるシミュレーションの結果をモニタ上に画像表示する画像表示手段をさらに備えたものとすることができる。このような手段によれば、搬送ガイドの設計において特に着目する必要のあるデータに応じた画像表示を選択的に得ることができる。
【0013】
また、判定手段により上記期間の中におけるいずれかの時刻において、上記距離が上記閾値以下になると判定されたときには音を発生させる音響出力手段をさらに備えたものとすれば、搬送経路の設計上考慮すべきデータの存在をユーザにより容易に認識させることができる。
【0014】
また、判定手段により上記期間の中におけるいずれかの時刻において、上記距離が上記閾値以下になると判定されたときには、上記距離が上記閾値以下となる時刻までのシミュレーションの結果をモニタ上に画像表示して動作を停止する画像表示手段をさらに備えたものとすることができる。このような手段によれば、搬送経路の設計において考慮すべき搬送箇所を、該搬送箇所に至る搬送経過と共にユーザに容易に認識させることができる。
【0015】
ここで、画像表示手段は、上記停止を遂行するときに、予め設定された属性に応じてモニタ上に画像表示することとすれば、搬送経路の設計において考慮されるべき状態をユーザに容易に認識させる画像表示を得ることができる。
【0016】
また、本発明の目的は、所定の間隔を有するよう列設された複数の搬送ガイドにより形成される搬送経路に沿った対象物の運動をシミュレーションした結果に応じて、搬送経路の設計を支援する設計支援方法であって、シミュレーションにおける任意の時刻において、上記間隔に差しかかった対象物の先端と上記先端が次に通過する搬送ガイドの端部との距離を算出する距離算出ステップと、距離算出ステップにおいて算出された距離が、予め設定された閾値以下であるか否かを判定して、判定の結果を表示する判定ステップとを備えたことを特徴とする設計支援方法を提供することにより達成される。このような手段によれば、搬送過程において搬送ガイドの継ぎ目で対象物が詰まる可能性を、設計上的確に評価することができる。
【0017】
また、距離算出ステップでは、新たな時刻がユーザにより指定されたときに、ユーザにより前回の操作において指定された時刻から新たな時刻までの期間におけるシミュレーションの結果に基づいて、上記期間における上記距離を算出するようにすることができる。このような手段によれば、全搬送過程における搬送状態を設計段階で把握することができる。そして、判定ステップではさらに、上記期間における上記距離が閾値以下であるか否かを判定して、その結果を表示してもよい。このような手段によれば、搬送経路の設計上考慮すべきデータの存在を、全搬送過程において漏れなくユーザに認識させることができる。
【0018】
また、判定ステップにおいて、上記期間の中における少なくとも一つの時刻で前記距離が前記閾値以下になると判定されたときには、前記距離が前記閾値以下になる時刻の中で選択された時刻における前記シミュレーションの結果をモニタ上に画像表示する画像表示ステップをさらに備えることができる。このような手段によれば、搬送ガイドの設計において特に着目する必要のあるデータだけを選択的に画像表示することができる。
【0019】
一方、判定ステップにおいて、上記期間の中におけるいずれかの時刻で上記距離が閾値以下になると判定されたときには、音を発生させる音響出力ステップをさらに備えることとしてもよい。このような手段によれば、搬送経路の設計上考慮すべきデータの存在をユーザにより容易に認識させることができる。
【0020】
また、判定ステップにおいて、上記期間の中におけるいずれかの時刻で上記距離が閾値以下になると判定されたときには、上記距離が閾値以下となる時刻までのシミュレーションの結果をモニタ上に画像表示して動作を停止する画像表示ステップをさらに備えることとしてもよい。このような手段によれば、搬送経路の設計において考慮すべき搬送箇所を、該搬送箇所に至る搬送経過と共にユーザに容易に認識させることができる。ここで、画像表示ステップでは、上記停止を遂行するときに、予め設定された属性に応じてモニタ上に画像表示することとすれば、停止した際に画像表示された状態が搬送経路の設計において考慮されるべきであることを、ユーザに容易に認識させることができる。
【0021】
また、本発明の目的は、所定の間隔を有するよう列設された複数の搬送ガイドにより形成される搬送経路に沿った対象物の運動をシミュレーションした結果に応じて、コンピュータにより搬送経路の設計を支援するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記プログラムは、上記コンピュータに、上記間隔に差しかかった対象物の先端と上記先端が次に通過する搬送ガイドの端部との距離を、シミュレーションにおける任意の時刻において算出させ、算出された距離が予め設定された閾値以下であるか否かを判定させて、その判定の結果を表示させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにより達成される。このような手段によれば、搬送過程において搬送ガイドの継ぎ目で対象物が詰まる可能性について、設計上における的確な評価を容易に実現することができる。
【0022】
また、上記プログラムは、新たな時刻がユーザにより指定されたときには、上記コンピュータに、ユーザにより前回の操作において指定された時刻から新たな時刻までの期間におけるシミュレーションの結果に基づいて、上記期間における距離を算出させるものとすることができる。このような手段によれば、全搬送過程における搬送状態の設計段階での把握を容易に実現することができる。
【0023】
また、上記プログラムは、さらに、上記コンピュータに、上記期間における上記距離が閾値以下であるか否かを判定させ、その結果を表示させるものとすることができる。このような手段によれば、搬送経路の設計上考慮すべきデータの存在を、全搬送過程において漏れなくユーザに認識させることが容易に実現できる。
【0024】
また、上記プログラムは、さらに、上記期間の中における少なくとも一つの時刻において上記距離が閾値以下になるとコンピュータにより判定されるときには、上記コンピュータに対し、上記距離が閾値以下になる時刻の中で選択された時刻におけるシミュレーションの結果をモニタ上に画像表示させるものとすることができる。このような手段によれば、搬送ガイドの設計において特に着目する必要のあるデータだけに関して、選択的な画像表示を容易に実現することができる。
【0025】
また、上記プログラムは、さらに、上記コンピュータにより上記期間の中におけるいずれかの時刻において上記距離が閾値以下になると判定されるときには、上記コンピュータに、上記距離が閾値以下となる時刻までのシミュレーションの結果をモニタ上に画像表示させ、動作を停止させるものとすることができる。このような手段によれば、搬送経路の設計において考慮すべき搬送箇所を、該搬送箇所に至る搬送経過と共にユーザに認識させることが容易に実現できる。
【0026】
また、上記プログラムは、上記コンピュータに停止を遂行させるときには、予め設定された属性に応じてモニタ上に画像表示させるものとすることができる。このような手段によれば、停止した際に画像表示された状態が搬送経路の設計において考慮されるべきことをユーザに認識させることが容易に実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。また、本実施の形態に係る設計支援装置は、シート物全般に関する搬送経路の設計に適用可能であるが、以下においては紙の搬送の場合を例として説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る設計支援装置におけるアプリケーションウィンドウを示す図である。ここで、該アプリケーションウィンドウ1は、本実施の形態に係る設計支援装置の起動によって該装置のディスプレイに表示される。
【0029】
図1に示されるように、このアプリケーションウィンドウ1は、シミュレーション用プリ処理部2と、描画処理操作・表示領域5と、座標表示部9と、描画領域10と、メニュー領域15と、端部近接値・判定表示領域16とを備える。そして、シミュレーション用プリ処理部2は紙データ入力表示部3と、初期カール入力表示部4などを含み、描画処理操作・表示領域5は描画操作部6と、時間データ表示部7と、N値設定部61などを含む。
【0030】
ここで、図1に示されるように紙データ入力表示部3では、搬送する紙の種類(紙種)と、該紙のサイズ、長さ及び幅と、該紙をシミュレーション上において分割する数とがシミュレーション実行前に画面上で入力でき、かつ該シミュレーション実行時にはそれらが表示されるようになっている。なお、上記分割を高精度に行うか否かを選択するボタンも含まれる。
【0031】
また、初期カール入力表示部4では、シミュレーション実行前にシミュレーションにおける紙をカールしたものとするか否か、及びカールさせる方向や、カールの種類と程度を選択又は設定することができる。また、描画処理操作・表示領域5には解析結果が表示され、例えば、現在描画している紙搬送過程における初期状態からの通算経過時間(ms)や、データの後述する時系列におけるインデックス(ステップ数)nや、総搬送量(mm)等が記されると共に、後述するN値を設定し又は変更するN値設定部61や描画操作部6を含む時間データ表示部7等が表示される。なお、図1においてはN値設定部61に1が設定された場合が示されている。
【0032】
また描画操作部6は、図1においては左から順に示されるように、後述する連続逆、Nステップ逆、停止、Nステップ順、連続順、初期状態の各描画モードをそれぞれ指定する6種類の画面上のボタンからなる。
【0033】
また、描画領域10には、シミュレーションにおける搬送経路12,13を構成する搬送ガイド12a,12b,13a,13bや、搬送駆動部11を構成するローラやコロ等が2次元的なレイアウト図として描画(画像表示)されると共に、搬送される紙についての運動シミュレーションの結果に基づいて、搬送される紙14の形状が同時に描画される。また、座標表示部9には、マウスポインタ8により指示された描画領域10内のx座標及びy座標が示される。
【0034】
さらに、端部近接値・判定表示領域16には、後述するように、着目する搬送ガイドの端部13c,13dと、紙14の先端部14aの各端部13c,13dに対する近接距離(mm)、及び予め設定された閾値と該近接距離の大小に基づく判定結果が表示される。なお、計算された近接距離が上記閾値以下であるとき「NG」と表示され、該近接距離が該閾値を超える場合には「OK」と表示される。
【0035】
また、メニュー領域15において、例えば「ファイル」と表示された部分をユーザ(搬送経路の設計者、以下単に「設計者」ともいう。)がクリックすると、後述するシミュレーション結果ファイル名を入力するためのウィンドウが別途表示され、ユーザが該ウィンドウにおいてシミュレーション結果ファイル名を入力し指定することにより、後述する図5に示された動作が実行される。
【0036】
図2は、図1に示された搬送ガイド12a,12b,13a,13bの継ぎ目領域17を拡大して示す図である。図2に示されるように、搬送される紙14の先端部14aは、搬送経路12を通り、搬送駆動部11で再搬送されて搬送経路13へと侵入する状態にある。このとき、搬送中の紙14は、初期状態に存在し、あるいは搬送過程において生ずるカール(曲がり癖)を考慮したシミュレーションの結果に応じて表示される。そして、図2に示される場合においては、紙14の先端部14aは、搬送ガイド13aの端部13cに非常に近接している。
【0037】
なお、実際においては、環境の変動により紙14の特性が変化してカールが発生する場合もあるし、ユーザによっては紙の裏面が印刷済みの紙、すなわちカールした紙を再利用する場合もあるが、このような条件下における紙の搬送挙動についても、このようなシミュレーション結果の描画により、製品の試作前に予想することができる。
【0038】
しかしながら、従来のシミュレーションにおいては、紙14の先端部14aが搬送ガイド13aの端部13cにどんなに近接しても、シミュレーションにおける計算は続行され、例えば明らかに該先端部14aが搬送経路13の外へ逸脱した場合には、該シミュレーションの最中に計算不能となって動作を終了してしまうこともあった。従って、本実施の形態に係る設計支援装置においては、後述するように、紙14の先端部14aが搬送ガイド13aの端部13cに対し所定の閾値より近接する場合には、ユーザに認識されるような機能が含まれる。
【0039】
また、上記シミュレーションの条件としたカール形状は、ある試験サンプルについての状態に基づいて設定されるが、実際の紙1枚1枚の状態を忠実に反映させることは困難である。従って、本実施の形態に係る設計支援装置においては、実際に搬送される紙の状態を考慮してシミュレーションの結果に対する判断基準が設けられる。すなわち、例えば予め閾値を設定し、搬送ガイド13aの端部13cと紙14の先端部14aとの距離が該閾値以下となるか否かを判定して、該閾値以下となる場合には実際に紙詰まりが生じる確率が高くなるとして、設計者に修正を促すこととされる。そして以上のように、カール条件と判定基準を設定したシミュレーション及び設計支援により、従来の製品開発過程における製品テストに相当する効果が得られる。
【0040】
ここで、図1及び図2に示されたシミュレーション及び設計支援結果の一例を、具体的に説明する。紙14の先端部14aは、搬送ガイド13aの端部13cに近接するが、搬送経路13からは逸脱することなく搬送経路13へ侵入していく搬送過程が得られ、最近接時には図1の端部近接値・判定表示領域16に示されるように、近接距離は0.06ミリメートルと計算された。このとき、実際の試作テストでは紙詰まりが発生した。これは、シミュレーションにおける初期のカール条件設定と実際の紙のカール状態とが異なっていることや、該シミュレーションは2次元的なモデルに限定しているため等の原因が考えられる。
【0041】
そして、このような場合には、シミュレーションにより得られる結果に基づいて有効な設計支援を行うためには、最近接時の距離についての閾値を0.06ミリメートルより大きくする必要があることが分かる。そして、例えば閾値Sとして2ミリメートルなどと設定することが考えられる。
【0042】
図3は、本発明の実施の形態に係る設計支援装置の構成を示す図である。図3に示されるように、本実施の形態に係る設計支援装置20は、CAD装置53やサーバー52が接続されたネットワーク51に接続される。そして、設計支援装置20は、主制御部21と、プログラム処理部22と、描画処理部23と、イベント処理制御部24と、表示処理部25と、プログラムメモリ26と、最近接距離算出部27と、数値比較判定部28と、外部記憶インタフェース29と、表示部30と、操作入力部31と、音響出力部32と、ネットワークインタフェース33と、バス34と、データメモリ40とを備え、データメモリ40はシミュレーション条件記憶部41と、シミュレーション結果記憶部42と、算出・判定結果記憶部43と、判定用しきい値記憶部44と、表示属性データ記憶部45とを含む。
【0043】
ここで、主制御部21と、プログラム処理部22と、描画処理部23と、イベント処理制御部24と、表示処理部25と、プログラムメモリ26と、最近接距離算出部27と、数値比較判定部28と、外部記憶インタフェース29と、表示部30と、操作入力部31と、音響出力部32と、ネットワークインタフェース33と、データメモリ40とはバス34に接続される。また、外部記憶インタフェース29には外部記憶装置50が接続され、ネットワークインタフェース33にはネットワーク51が接続される。
【0044】
上記のような構成を有する設計支援装置20において、主制御部21は設計支援装置20全体の動作を制御する。また、プログラムメモリ26は、シミュレーションプログラムや所定の設計支援方法を実現するために主制御部21に実行させるプログラムを記憶する。ここで、上記シミュレーションプログラムは、複写機やプリンタ、原稿送り装置や印刷機などの中へ紙を案内して所定の処理工程を施すため、搬送ガイドにより形成された搬送経路中に紙を搬送して行く過程を力学的に数値解析するプログラムとされる。なお、プログラムメモリ26には、搬送経路を設計するCADプログラム等を記憶させても良い。
【0045】
また、プログラム処理部22は上記プログラムメモリ26に記憶されたプログラムを実行する。さらに、最近接距離算出部27は、後述するように搬送ガイドの端部と紙の先端部との距離D(t)をシミュレーション上の時間tの関数として算出する。そして、数値比較判定部28は上記の距離D(t)と、予め設定され判定用しきい値記憶部44に記憶された閾値との大小関係を判定する。なお、この判定結果は上記のように、図1に示される端部近接値・判定表示領域16に表示する他、必要に応じて参照できるようデータメモリ40に含まれる算出・判定結果記憶部43や外部記憶装置50に記憶されるようにしても良い。
【0046】
また表示部30は、ディスプレイなどから構成され、シミュレーションや設計支援の結果など含む図1に示されたアプリケーションウィンドウ1等を表示する。また操作入力部31は、シミュレーションの条件を入力し、あるいは得られた結果を表示する方法を指定する等のため操作されるキーボードやマウス等から構成される。また音響出力部32は、設計者に注意を促すための警告音などを発生させる。
【0047】
また、データメモリ40に含まれるシミュレーション条件記憶部41は、シミュレーションを行う際に設定される諸条件、すなわち例えば操作入力部31を介して入力された紙の特性値や搬送経路の設計データを記憶する。なお、この諸条件は、上記シミュレーションプログラムの実行時にシミュレーション条件記憶部41から読み出され、シミュレーションが実行される。
【0048】
また、シミュレーション結果記憶部42は上記シミュレーションの結果得られたデータを記憶する。また、表示属性データ記憶部45は、表示するデータの属性を決定するデータを記憶する。なお、データメモリ40に記憶されるデータは、外部記憶装置50から外部記憶インタフェース29を介して取り込まれ、又はネットワークインタフェース33を介してネットワーク51に接続されたCAD装置53やサーバー52から転送されたものなどとすることができる。なお、図3に示された他の構成要素については、後述する。
【0049】
また、上記シミュレーションでは紙の運動を記述する運動方程式が、空間と時間をそれぞれ有限量とする代数式に近似された上で解かれる。そして、空間に関しては代表的な手法として差分法や有限要素法があり、時間に関してはルンゲクッタ法や線形加速度法(ニューマークのベータ法を含む)、ウィルソンのシータ法やフーボルト法等の直接時間積分法があるが、本実施の形態に係る設計支援方法及び設計支援装置は、これらの手法に依存することなく適用できる。すなわち、本実施の形態に係る設計支援方法及び設計支援装置は、任意の時刻におけるシート物の代表点の変位と、該シート物と搬送ガイドとが接触するときに作用し合う力が解として得られるシミュレーション手法であれば、その全てに適用できる。
【0050】
次に、図3に示された設計支援装置20の上記シミュレーションプログラムによる動作を、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。ステップS1におけるプログラムの実行開始後において、ステップS2ではまず、搬送ガイドの形状や座標値などからなる搬送ガイドデータ、紙のヤング率や紙の厚さ・幅などから決まる剛性や密度など各種データ、計算に必要なパラメータなどのシミュレーション条件をシミュレーション条件記憶部41から読み出し、ステップS3において紙と搬送ガイドのモデリングを行う。
【0051】
そしてステップS4では、紙の搬送過程を初期状態から任意時間後まで順次逐次計算する。ここで、シミュレーションにおける(n+1)ステップ目の計算は、nステップ目における計算結果を元にして行われる。すなわち、例えば時刻Tまでの紙の搬送状態がシミュレーションにより算出されているとき、該シミュレーションにおける次のステップでは、ΔtをTに加算した時刻(T+Δt)でのシミュレーションが行われる。なお、Δtは常に一定の値とは限られず、収束解が得られるようにシミュレーションの途中で調整されることもある。
【0052】
そして、ステップS5では、このような計算が所定の反復回数だけ繰り返される。ステップS6では、以上のシミュレーションにおける計算結果に基づいて、搬送ガイドと紙とが接触するか否かを判定する。そして、ステップS7では、接触していると判定された場合には搬送ガイドから受ける力を考慮して、該紙についての連立運動方程式を作成する。
【0053】
ステップS8では、この連立方程式が解かれるが、上記Δtの値によっては正常な解が得られない場合もあるため、ステップS9では正常な解が得られて正常にシミュレーションを終了できたか否かが判断される。このとき、正常終了しなかったと判断された場合には、ステップS21へ進み、シミュレーション上の時間を(T−Δt)に戻すと共に、ステップS22においてΔtをより小さな値に設定し直してステップS4に戻る。
【0054】
一方、ステップS9で正常終了したと判断された場合には、ステップS10へ進み、得られる解が収束しているか否かの収束判定を実施する。なお、収束判定を行うのは、上記連立方程式を解く際には、紙が大きく変形しうることを考慮した非線形解析がなされ、ニュートン・ラプソン法などの反復解法が適用されるためである。
【0055】
そして、ステップS10において収束していないと判断された場合には、ステップS20へ進み、反復計算回数が所定の最大数(最大ループ数)に到達していない場合には、ステップS5へ進んで上記の反復計算が実行される。なお、ここで「反復計算回数」とは、シミュレーション上のある時刻Tにおいてその時刻Tを更新するまでに行った反復計算の回数であり、該時刻Tを更新したときにリセットして1から数え直されるものである。また、ステップS20において反復計算回数が最大ループ数に到達したと判断された場合には、該最大ループ数を超えれば収束する可能性が低いためステップS21へ進む。
【0056】
一方、ステップS10において収束していると判断された場合には、ステップS11へ進み、時刻Tにおける紙と搬送ガイドとの間の接触力、及び該紙の位置についての解を同時に得ることとなる。そしてさらに、本実施の形態に係る設計支援装置による設計支援処理が施される。具体的には例えば、得られた結果を必要に応じて別途データファイルとしてシミュレーション結果記憶部42や外部記憶装置50に保存したり、紙の変形状態を示す幾何形状を描画処理部23で描画(画像)処理して表示部30に表示したり、シミュレーションによる計算結果の一部に関して紙が搬送ガイドと接触していれば、その接触力の大きさなどを表示処理部25によって表示部30に表示させる。
【0057】
そして、ステップS12において、上記時刻Tがシミュレーションを実行する最終時刻に到達しているか否かを判断し、到達したと判断された場合には動作を終了し、到達していないと判断された場合にはステップS22へ進む。
【0058】
なお、上記においては、全てのシミュレーションが終了した後に、設計支援プログラムを実行することによってシミュレーションにより得られた計算結果をシミュレーション結果記憶部42から読み出し、上記ステップS11における設計支援処理を実行することとしても良い。
【0059】
以下において上記設計支援処理動作の例を、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。ステップS1における該処理の開始により、ステップS2では操作入力部31へユーザによりシミュレーション結果ファイル名が入力される。そしてステップS3では、入力された該ファイル名により指定されるファイルに含まれたシミュレーション条件を、表示処理部25が表示部30に表示する。
【0060】
次に、ステップS4では描画処理部23は搬送ガイドの描画処理を行い、ステップS5では同じく描画処理部23が紙の初期状態を描画するための処理を行う。そして、ステップS6ではイベント待ち状態となり、例えば描画処理のイベントが発生すれば、ステップS7へ進んで後述する描画処理を行うと共に、ステップS8において必要に応じた数値などの表示処理を行ってステップS6へ戻る。
【0061】
一方、ステップS6においてその他のイベントが発生すれば、ステップS10へ進み、例えば描画の拡大や縮小、移動などの処理を行って設計支援処理動作を終了し、またはステップS6へ戻る。なお、ステップS6において、設計支援処理動作を終了することを指示するイベントが発生した場合には、該設計支援プログラムの実行による動作を終了する。
【0062】
次に、上記の描画処理動作を図6に示されるフローチャートを参照しつつ説明する。ステップS1で描画処理が開始されると、ステップS2において、選択された時刻におけるシミュレーション結果データをシミュレーション結果記憶部42から読み出す。なお、搬送ガイドの描画のために、シミュレーション条件記憶部41から搬送ガイドの設計データを読み出す。
【0063】
ここで、シミュレーション結果データは全体としてかなりの量であるため、必要に応じたデータが選択的にシミュレーション結果記憶部42から読み出され、動作及び回路構成の効率化が図られる。
【0064】
そして、ステップS3では、設計図上の座標系における紙の変形座標と搬送ガイドの座標を表示部30上の座標系における座標へ変換する。次に、ステップS4では、予め設定された線種や線幅や色等の描画対象に応じた描画属性が表示属性データ記憶部45から読み出され、ステップS5においてステップS3及びステップS4で得られたデータに基づいた描画(画像表示)が実行される。そして、このような動作により該描画処理動作を終了する。
【0065】
次に、図5に示されたイベント処理制御処理動作について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、このイベント処理制御処理動作は、図3に示されたイベント処理制御部24により制御される。ステップS1においてイベント処理制御が開始されると、ステップS2において、描画操作部6にイベント処理を行う旨の指示がなされたか否かが判断される。
【0066】
そして、描画に関するイベントが発生した場合には、そのイベントの種類に応じた描画モードの設定を行うと共に、該描画モードにおける描画処理を実行する。ここで、上記描画モードには、ステップS3aの初期状態モードと、ステップS3bの連続逆モード、ステップS3cのNステップ逆モードと、ステップS3dの連続順モードと、ステップS3eのNステップ順モードと、ステップS3gの停止モードと、ステップS3fに示されたその他のモードとがある。なお、上記において「順」とは、シミュレーション上の時系列における順方向を意味し、「逆」とは同逆方向をそれぞれ意味する。
【0067】
そして、図7に示されるように、初期状態モードではステップS4aにおいて時系列データのインデックスnが0とされる。また同様に、連続逆モードとNステップ逆モードではステップS4bにおいて該インデックスnが(n−N)とされ、連続順モードとNステップ順モードではステップS4cにおいて該インデックスnが(n+N)とされる。ここでステップS5において、インデックスnは、負の値である時には0に、最大値を超える時には該最大値にそれぞれ補正されイベント処理制御を終了する。なお、上記インデックスnはシミュレーション上の時刻を指定する際に参照され、図6に示されたステップS2においてシミュレーション結果記憶部42から読み出されるシミュレーション結果データは、該インデックスnに応じて選択される。
【0068】
また、ステップS2において、描画を拡大又は縮小する等といった他の描画モードを指定するイベントが描画操作部6へ入力された場合には、ステップS3fにおいてインデックスnが維持され、イベント処理制御を終了する。また、ステップS2において、停止モードを指定するイベントが描画操作部6へ入力された場合には、ステップS3gにおいてインデックスnが維持され、ステップS2へ戻る。
【0069】
一方、ステップS2において描画操作部6へ何らイベントが入力されない場合には、ステップS10へ進んで現描画モードが連続描画モードであるか否か判断する。そして、現描画モードが連続描画モードである場合には、該モードに応じてステップS3b又はステップS3dへ進む。また、現描画モードが連続描画モードでない場合にはステップS2へ戻る。以上より、例えばユーザが図1に示された操作部6の連続順モードを指定するボタンを押すと、図5から図7に示された順序で紙搬送過程が連続アニメーションとして描画領域10に表示される。
【0070】
このような点から、本実施の形態に係る設計支援装置によれば、紙の搬送過程を視覚的に評価することができるため、最適な搬送経路の設計を容易に実現することができる。
【0071】
次に、本実施の形態に係る設計支援装置において実現される設計支援方法について、図8に示されたフローチャートを参照しつつさらに説明する。なお、以下の設計支援方法は、設計支援プログラムまたはシミュレーションプログラムのいずれかにおいて記述された所定のプログラムを、コンピュータにより実行することにより実現される。また、以下の処理においては、予め計算の際に着目する搬送ガイドの端部13cと、搬送過程におけるシミュレーション上の時刻Tとが指定される。
【0072】
まず、ステップS1において本設計支援動作が開始されると、ステップS2において最近接距離算出部27により紙14の先端部14aと予め指定された搬送ガイドの端部13cとの距離D(T)が計算される。より具体的には、ステップS2はステップS2aとステップS2bとからなり、ステップS2aにおいてはまず搬送ガイドの端部13cの描画領域10における座標値(x座標及びy座標)をそれぞれ変数gx,gyへ格納し、時刻Tにおける紙の先端部14aの描画領域10における座標値(x座標及びy座標)をそれぞれ変数px,pyへ格納する。そして、ステップS2bにおいて((gx−px)+(gy+py)1/2を計算することにより、上記の距離D(T)が計算される。
【0073】
次に、ステップS3では、計算された距離D(T)を上記のように図1に示された端部近接値・判定表示領域16の近接距離(mm)として表示し、かつ算出・判定結果記憶部43に保存される。そして、ステップS4において、数値比較判定部28により予め設定された閾値Sと上記距離D(T)の大きさが比較され、距離D(T)が閾値S以下であれば「NG」と判定され、距離D(T)が閾値Sより大きい場合には「OK」と判定される。さらに、ステップS5においては、ステップS3と同様に該判定結果が表示され、かつ保存される。
【0074】
なお、上記の図8に示された処理は、シミュレーションプログラム内において実行する場合、例えば図4に示されたステップS11の設計支援処理において搬送ガイドの端部を順次参照する際になされるようにすることができる。一方、該処理を設計支援プログラム内において実行する場合には、該設計支援における描画の際において時刻T及び搬送ガイドの端部を参照する際になされるようにすることができる。
【0075】
また、上記の説明においては、搬送ガイド12a,12b,13a,13bの幾何形状をいずれも線で示しているが、図9に示されるように、搬送ガイド13aは実際においては端部に搬送ガイド湾曲部13eを有する厚みのある構造物とされる。なお、図9においては、搬送ガイド裏面13fが破線で示される。
【0076】
しかし、上記シミュレーションを効率的に行うためには、紙14と接触する可能性がある搬送ガイド13aの表面だけについてのデータだけがあれば十分であり、例えば搬送ガイド13aの端部13cは、図9に示されるように、搬送ガイド湾曲部13eを除く搬送経路13内側の表面についての端部と定義される。なお、このように端部13cが定義されることにより、紙詰まりを生じない安全確率を最も高くすることができる。
【0077】
また、搬送される対象物である紙14についても実際においては厚さがあるが、上記の説明においては、該紙の表面上にある点と裏面上にある点を結ぶ線分の中点の集合からなる面を示す幾何形状が、該シミュレーション上における紙14として表示され、該幾何形状の先端が紙14の先端部14aとされる。なおこの場合に、紙14の先端部14aは、紙14の厚さを考慮して決定してもよいが、上記閾値Sやシミュレーションの初期条件としての初期カール量を調整することにより、該厚さを考慮した場合と同様な効果を得ることもできる。
【0078】
以下においては、搬送ガイドの継ぎ目領域17で実際に紙詰まりが発生する危険度を、より効果的に搬送経路の設計者へ伝える設計支援方法及び該方法を実現するための構成について、図10及び図11から図13までのフローチャートを参照して説明する。
【0079】
図11に示される動作は、ステップS1からステップS6まで及びステップS8とステップS20については、それぞれ図5に示されたステップS1からステップS6まで及びステップS7とステップS10と同様なものであるが、ステップS7及びステップS10が新たに加えられ、ステップS9の動作が変更された点において相違する。なお、図11に示される動作は、シミュレーション上における全ての時刻について搬送ガイドの全端部に関し、図8に示された距離D(T)が計算され、かつ閾値Sとの大小が判定されて、これらの結果が保存済みであることが前提とされる。
【0080】
まずステップS7の評価処理について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図12の説明においては、描画領域10に現在表示している描画を上記インデックスがnのデータに基づくものであるとし、その前に描画領域10に表示していた描画は該インデックスが(n−N)のデータに基づくものであったとする。
【0081】
ステップS1で評価処理を開始すると、ステップS2において、時系列を示すインデックスが(n−N+1)からnまでのデータに関して得られた距離D(T)と判定結果とを算出・判定結果記憶部43から読み出す。そして、ステップS3において該判定結果がNGとされたデータの有無が主制御部21により判断され、NGと判定されているデータがある場合には、ステップS4へ進む。
【0082】
ここで、ステップS4では、描画モードを停止モードに変更し評価処理動作を終了する。一方、ステップS3において、NGと判定されているデータがないと判断された場合には、直ちに評価処理動作を終了する。
【0083】
従って、図12に示された評価処理動作により、時系列上において描画領域10に描画するデータ間に存在するデータ、すなわち該インデックスが(n−N+1)から(n−1)までのデータについても、搬送経路の設計上考慮すべきものについてはもれなく設計者に認識されることとなる。
【0084】
次に、図11に示されたステップS9における表示処理においては、搬送ガイドの端部毎について得られた時刻Tにおける距離D(T)及び判定結果が、図1に示されるように、端部インデックスと共に端部近接値・判定表示領域16に表示される。
【0085】
次に、ステップS10における警告処理について、図13のフローチャートを参照しつつ説明する。ステップS1において本警告処理を開始すると、ステップS2において、図11に示されたステップS7の評価処理でNGと判定されているデータが存在すると判断された場合には、ステップS3へ進んで主制御部21は音響出力部32にブザーを発生させる。なお、該評価処理でNGと判定されているデータが存在しないと判断された場合には、ステップS2から直ちに警告処理動作を終了する。このように、図13に示された警告処理動作を実行することにより、搬送経路の設計上考慮すべきデータが存在した場合には、警告音によってその旨を設計者に認識させることができる。
【0086】
またさらに、上記の他には、図10に示されるように、図3に示された表示属性データ記憶部45を、判定OK時描画属性データ記憶部45aと判定NG時描画属性データ記憶部45bとを含むものとすることができる。そして、これらの記憶部に異なる描画属性データを予め設定しておき、判定結果がNGであったデータによる描画は判定NG時描画属性データ記憶部45bに格納された描画属性データに基づき描画し、判定結果がOKであったデータによる描画は判定OK時描画属性データ記憶部45aに格納された描画属性データに基づいてそれぞれ描画する。このような方法によれば、判定結果がNGであったデータにより表示される描画は、判定結果がOKであったデータにより表示される描画に対して線の種類や太さ、色等の描画属性を変化させることができるため、容易に設計者の注意を喚起することができ、設計者による該判定結果がNGであったデータのいわゆる見逃しも回避することができる。
【0087】
また、上記の実施の形態においては、搬送経路の継ぎ目領域17で実際に紙詰まりを生じる可能性がある箇所の搬送過程のみを表示部30に表示することにより、設計者へ設計上必要なデータを迅速に提供するようにすることもできる。すなわち、ユーザは図1に示された描画操作部6を操作することにより、図14に示された後述するデータ表示領域70がアプリケーションウィンドウ1内に表示されるようにすることができ、あるいは、図1に示されたメニュー領域15において所定のメニューを選択することにより、該データ表示領域70を含むウィンドウが表示部30に表示されるようにすることもできる。
【0088】
そして、このデータ表示領域70には、図14に示されるように、設定されている閾値S(図14においては「2mm」)と、データ数表示部72と、データ選択ボタン73と、データ表示部74とが表示される。ここで、データ数表示部72には、データ総数を分母としデータ表示部74に表示されるデータの序数インデックスを分子とする分数(図14においては「5/15」)が表示される。また、データに付与された上記序数インデックスを増減させ、選択した序数インデックスに対応するデータを表示させるための2つのボタンが、データ選択ボタン73として表示される。
【0089】
また、データ表示部74には、上記閾値S以下の大きさに算出された距離D(T)(図14においては「0.12mm」)と、該距離の算出の際に対象とされた搬送ガイドの端部のインデックス(図14においては「13c」)と、該距離が算出されたときのシミュレーション上の時刻(図14においては「155ms」)とが表示される。
【0090】
以下において、上記データ表示領域70を表示する動作を図15のフローチャートを参照しつつ説明する。上記のように、ユーザが図1に示された描画操作部6等を操作することにより、ステップS1において該表示動作が開始される。そしてステップS2において、搬送ガイドの端部から紙の先端部までの算出距離が閾値S以下となりNGと判定されたデータのみが算出・判定結果記憶部43から選択的に読み出され、所定の変数配列a(0),a(1),a(2)…,a(m)に代入する。なお、このとき上記データ総数m及び各データに対する上記序数インデックスが決定する。
【0091】
次に、ステップS3において、図14に示されたデータ表示領域70の画面を表示部30上に作成する。なお、本ステップS3と上記ステップS2の順番は入れ替えることもできる。
【0092】
そして、ステップS4では変数配列a(0),a(1),a(2)…,a(m)に格納されたデータのうちのいずれか一つを、初期データとしてデータ表示領域70に表示する。次にステップS5では、ステップS4において表示したデータが算出されたシミュレーション上の時刻における紙の搬送状態を、図6のフローチャートで示される手順に従って描画領域10に描画する。さらに、ステップS6に進むと、図14に示されたデータ選択ボタン73あるいは表示部30内に表示される動作終了ボタンが押されるまで待ち状態となる。
【0093】
そしてこのとき、該動作終了ボタンが押されると該表示動作を終了すると共に、データ選択ボタン73が押されることによりいずれかのデータが選択された場合には、ステップS7において、該選択された時刻におけるデータをデータ表示領域70に表示する。次に、ステップS8では、ステップS7において表示したデータが算出されたシミュレーション上の時刻における紙の搬送状態を、図6のフローチャートで示される手順に従って描画領域10に描画し、ステップS6へ戻る。
【0094】
なお、本実施の形態に係る上記シミュレーションプログラム、あるいは設計支援プログラムはCD−ROM等の記録媒体に記録され、該記録媒体がコンピュータにより読み取られて実行されることにより、上記動作が実現される。またさらには、上記においてフローチャートを参照しつつ説明したいずれの動作も、プログラムにより表現することができ、該プログラムが記録された記録媒体をコンピュータに読み取らせ実行させることにより実現される。
【0095】
以上より、本実施の形態に係る設計支援方法及び該方法を実現する設計支援装置によれば、搬送ガイド12a,12b,13a,13bの継ぎ目領域17で実際に生じ得る紙詰まりを、搬送過程のシミュレーション結果に基づいて的確に予測できるため、該搬送ガイドにより形成される搬送経路の設計を効果的に支援することができる。
【0096】
【発明の効果】
上述の如く、シミュレーションにおける任意の時刻において、搬送ガイドの間隔に差しかかった対象物の先端と上記先端が次に通過する搬送ガイドの端部との距離を算出し、該算出された距離が、予め設定された閾値以下であるか否かを判定してその結果を表示すれば、搬送過程において搬送ガイドの継ぎ目で生じ得る対象物の詰まりに関して、設計上の的確な評価をユーザに示すことができるため、搬送経路の設計を有効に支援することができる。
【0097】
また、新たな時刻がユーザにより指定されたときには、ユーザにより前回の操作において指定された時刻から新たな時刻までの期間におけるシミュレーションの結果に基づいて、上記期間における上記距離を算出すれば、全搬送過程における搬送状態を設計段階でユーザに把握させることができるため、搬送経路の設計を確実に支援することができる。ここで、上記期間における上記距離が上記閾値以下であるか否かを判定して、その結果を表示するものとすれば、搬送経路の設計上考慮すべきデータの存在を、全搬送過程において漏れなくユーザに認識させることができるため、信頼性の高い設計支援を行うことができる。
【0098】
そして、上記期間の中における少なくとも一つの時刻において、上記距離が上記閾値以下になると判定されたときには、上記距離が上記閾値以下になる時刻の中で選択された時刻におけるシミュレーションの結果をモニタ上に画像表示すれば、搬送ガイドの設計において特に着目する必要のあるデータを選択的に画像表示できるため、搬送ガイドの設計を効率的に支援することができる。
【0099】
また、上記期間の中におけるいずれかの時刻において上記距離が上記閾値以下になると判定されたときに音を発生させることにより、搬送経路の設計上考慮すべきデータの存在をユーザにより容易に認識させることができるため、設計支援をより確実に行うことができる。
【0100】
また、上記期間の中におけるいずれかの時刻において、上記距離が上記閾値以下になると判定されたときには、上記距離が上記閾値以下となる時刻までのシミュレーションの結果をモニタ上に画像表示して動作を停止すれば、搬送経路の設計において考慮すべき搬送箇所を、該搬送箇所に至る搬送経過と共にユーザに容易に認識させることができるため、より有効な設計支援を行うことができる。
【0101】
ここで、上記停止を遂行するときに、予め設定された属性に応じてモニタ上に画像表示することとすれば、搬送経路の設計において考慮されるべき状態をユーザに容易に認識させる画像表示を得ることができるため、より確実に設計支援を行うことができる。
【0102】
また、上記のような設計支援を記述するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて、上記コンピュータにより上記プログラムを実行することによって、上記効果を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る設計支援装置におけるアプリケーションウィンドウを示す図である。
【図2】図1に示された搬送ガイドの継ぎ目領域を拡大して示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る設計支援装置の構成を示す図である。
【図4】図3に示された設計支援装置によるシミュレーション動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る設計支援処理動作を示す第一のフローチャートである。
【図6】図5に示された描画処理動作を示すフローチャートである。
【図7】図5に示されたイベント処理制御処理動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る設計支援処理動作を示す第二のフローチャートである。
【図9】図2に示された搬送ガイドの厚みを考慮した設計支援処理動作を説明する図である。
【図10】図4に示された表示属性データ記憶部の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る設計支援処理動作の他の例を示すフローチャートである。
【図12】図11に示された評価処理動作を示すフローチャートである。
【図13】図11に示された警告処理動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る設計支援処理における特定データ表示を示す図である。
【図15】図14に示された表示を得るための動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 アプリケーションウィンドウ
2 シミュレーション用プリ処理部
3 紙データ入力表示部
4 初期カール入力表示部
5 描画処理操作・表示領域
6 描画操作部
7 時間データ表示部
8 マウスポインタ
9 座標表示部
10 描画領域
11 搬送駆動部
12,13 搬送経路
12a,12b,13a,13b 搬送ガイド
13c,13d ガイド端部
13e 搬送ガイド湾曲部
13f 搬送ガイド裏面
14 紙
14a 先端部
15 メニュー領域
16 端部近接値・判定表示領域
17 継ぎ目領域
20 設計支援装置
21 主制御部
22 プログラム処理部
23 描画処理部
24 イベント処理制御部
25 表示処理部
26 プログラムメモリ
27 最近接距離算出部
28 数値比較判定部
29 外部記憶インタフェース
30 表示部
31 操作入力部
32 音響出力部
33 ネットワークインタフェース
34 バス
40 データメモリ
41 シミュレーション条件記憶部
42 シミュレーション結果記憶部
43 算出・判定結果記憶部
44 判定用しきい値記憶部
45 表示属性データ記憶部
45a 判定OK時描画属性データ記憶部
45b 判定NG時描画属性データ記憶部
50 外部記憶装置
51 ネットワーク
52 サーバー
53 CAD装置
61 N値設定部
70 データ表示領域
72 データ数表示部
73 データ選択ボタン
74 データ表示部

Claims (20)

  1. 所定の間隔を有するよう列設された複数の搬送ガイドにより形成される搬送経路に沿った対象物の運動をシミュレーションした結果に応じて、前記搬送経路の設計を支援する設計支援装置であって、
    前記シミュレーションにおける任意の時刻において、前記搬送ガイドの形状や座標軸などからなる搬送ガイドデータ、前記対象物のヤング率や前記対象物の厚さ・幅などから決まる剛性や密度などの各種データ、計算に必要なパラメータなどのシミュレーション条件をシミュレーション記憶部から読み出し、前記対象物と前記搬送ガイドのモデリングを行い、前記対象物の搬送過程を初期状態から任意時間後まで順次逐次計算し、前記搬送ガイドと前記対象物が接触している場合には、前記対象物が前記搬送ガイドから受ける力を考慮して、前記対象物についての連立運動方程式を作成し、それを解くことによって、前記対象物の位置についての解を得た後、最近接距離算出部が前記間隔に差しかかった前記対象物の先端と前記先端が次に通過する前記搬送ガイドの端部との距離を算出する端部距離算出手段と、
    数値比較判定部が、前記端部距離算出手段により算出された前記距離が、予め設定された閾値以下であるか否かを判定して、描画処理部が前記判定の結果を表示する判定手段とを備えたことを特徴とする設計支援装置。
  2. 前記端部距離算出手段は、新たな前記時刻がユーザにより指定されたときには、前記ユーザにより前回の操作において指定された前記時刻から前記新たな時刻までの期間における前記シミュレーションの結果に基づいて、最近接距離算出部が前記期間における前記距離を算出する請求項1に記載の設計支援装置。
  3. 前記判定手段はさらに、数値比較判定部が前記期間における前記距離が、前記閾値以下であるか否かを判定して、描画処理部が前記判定の結果を表示する請求項2に記載の設計支援装置。
  4. 前記判定手段により前記期間の中における少なくとも一つの時刻において、前記距離が前記閾値以下になると判定されたときには、描画処理部が前記距離が前記閾値以下になる前記時刻の中で選択された時刻における前記シミュレーションの結果をモニタ上に画像表示する画像表示手段をさらに備えた請求項2に記載の設計支援装置。
  5. 前記判定手段により前記期間の中におけるいずれかの時刻において、前記距離が前記閾値以下になると判定されたときには音響出力部が音を発生させる音響出力手段をさらに備えた請求項2に記載の設計支援装置。
  6. 前記判定手段により前記期間の中におけるいずれかの時刻において、前記距離が前記閾値以下になると判定されたときには、描画処理部が前記距離が前記閾値以下となる前記時刻までの前記シミュレーションの結果をモニタ上に画像表示して動作を停止する画像表示手段をさらに備えた請求項2に記載の設計支援装置。
  7. 前記画像表示手段は、前記停止を遂行するときには、描画処理部が予め設定された属性に応じて前記モニタ上に画像表示する請求項6に記載の設計支援装置。
  8. 所定の間隔を有するよう列設された複数の搬送ガイドにより形成される搬送経路に沿った対象物の運動をシミュレーションした結果に応じて、前記搬送経路の設計を支援する設計支援方法であって、
    前記シミュレーションにおける任意の時刻において、前記搬送ガイドの形状や座標軸などからなる搬送ガイドデータ、前記対象物のヤング率や前記対象物の厚さ・幅などから決 まる剛性や密度などの各種データ、計算に必要なパラメータなどのシミュレーション条件をシミュレーション記憶部から読み出し、前記対象物と前記搬送ガイドのモデリングを行い、前記対象物の搬送過程を初期状態から任意時間後まで順次逐次計算し、前記搬送ガイドと前記対象物が接触している場合には、前記対象物が前記搬送ガイドから受ける力を考慮して、前記対象物についての連立運動方程式を作成し、それを解くことによって、前記対象物の位置についての解を得た後、最近接距離算出部が前記間隔に差しかかった前記対象物の先端と前記先端が次に通過する前記搬送ガイドの端部との距離を算出する距離算出ステップと、
    数値比較判定部が、前記距離算出ステップにおいて算出された前記距離が、予め設定された閾値以下であるか否かを判定して、描画処理部が前記判定の結果を表示する判定ステップとを備えたことを特徴とする設計支援方法。
  9. 前記距離算出ステップでは、新たな前記時刻がユーザにより指定されたときに、前記ユーザにより前回の操作において指定された前記時刻から前記新たな時刻までの期間における前記シミュレーションの結果に基づいて、最近接距離算出部が前記期間における前記距離を算出する請求項8に記載の設計支援方法。
  10. 前記判定ステップではさらに、数値比較判定部が前記期間における前記距離が、前記閾値以下であるか否かを判定して、描画処理部が前記判定の結果を表示する請求項9に記載の設計支援方法。
  11. 前記判定ステップにおいて、前記期間の中における少なくとも一つの時刻で前記距離が前記閾値以下になると判定されたときには、描画処理部が前記距離が前記閾値以下になる前記時刻の中で選択された時刻における前記シミュレーションの結果をモニタ上に画像表示する画像表示ステップをさらに備えた請求項9に記載の設計支援方法。
  12. 前記判定ステップにおいて、前記期間の中におけるいずれかの時刻で前記距離が前記閾値以下になると判定されたときには、音響出力部が音を発生させる音響出力ステップをさらに備えた請求項9に記載の設計支援方法。
  13. 前記判定ステップにおいて、前記期間の中におけるいずれかの時刻で前記距離が前記閾値以下になると判定されたときには、描画処理部が前記距離が前記閾値以下となる前記時刻までの前記シミュレーションの結果をモニタ上に画像表示して動作を停止する画像表示ステップをさらに備えた請求項9に記載の設計支援方法。
  14. 前記画像表示ステップでは、前記停止を遂行するときに、描画処理部が予め設定された属性に応じて前記モニタ上に画像表示する請求項13に記載の設計支援方法。
  15. 所定の間隔を有するよう列設された複数の搬送ガイドにより形成される搬送経路に沿った対象物の運動をシミュレーションした結果に応じて、コンピュータにより前記搬送経路の設計を支援するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記コンピュータに、
    前記搬送ガイドの形状や座標軸などからなる搬送ガイドデータ、前記対象物のヤング率や前記対象物の厚さ・幅などから決まる剛性や密度などの各種データ、計算に必要なパラメータなどのシミュレーション条件をシミュレーション記憶部から読み出し、前記対象物と前記搬送ガイドのモデリングを行い、前記対象物の搬送過程を初期状態から任意時間後まで順次逐次計算し、前記搬送ガイドと前記対象物が接触している場合には、前記対象物が前記搬送ガイドから受ける力を考慮して、前記対象物についての連立運動方程式を作成し、それを解くことによって、前記対象物の位置についての解を得た後、最近接距離算出 部に前記間隔に差しかかった前記対象物の先端と前記先端が次に通過する前記搬送ガイドの端部との距離を、前記シミュレーションにおける任意の時刻において算出させ、
    数値比較判定部に、算出された前記距離が予め設定された閾値以下であるか否かを判定させて、描画処理部に前記判定の結果を表示させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  16. 前記プログラムは、新たな前記時刻がユーザにより指定されたときには、前記コンピュータに、前記ユーザにより前回の操作において指定された前記時刻から前記新たな時刻までの期間における前記シミュレーションの結果に基づいて、最近接距離算出部に前記期間における前記距離を算出させる請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  17. 前記プログラムは、さらに、前記コンピュータに、数値比較判定部に前記期間における前記距離が前記閾値以下であるか否かを判定させ、描画処理部に前記判定の結果を表示させる請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 前記プログラムは、さらに、前記期間の中における少なくとも一つの時刻において、前記距離が前記閾値以下になると前記コンピュータにより判定されるときには、前記コンピュータに対し、描画処理部に前記距離が前記閾値以下になる前記時刻の中で選択された時刻における前記シミュレーションの結果をモニタ上に画像表示させる請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  19. 前記プログラムは、さらに、前記コンピュータにより前記期間の中におけるいずれかの時刻において前記距離が前記閾値以下になると判定されるときには、前記コンピュータに、描画処理部に前記距離が前記閾値以下となる前記時刻までの前記シミュレーションの結果をモニタ上に画像表示させ、動作を停止させる請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  20. 前記プログラムは、前記コンピュータに前記停止を遂行させるときには、前記コンピュータに、描画処理部に予め設定された属性に応じて前記モニタ上に画像表示させる請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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