JP4989200B2 - シミュレーション装置及びその制御方法、並びにプログラム - Google Patents

シミュレーション装置及びその制御方法、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、シート状の柔軟媒体モデルの挙動をシミュレーションするものに関する。
複写機やプリンタなどの装置においては、紙やフィルムなどを含むシート状の柔軟媒体がその搬送経路内を搬送される時の柔軟媒体の挙動を計算機シミュレーションにより解析して、搬送経路の最適設計を行うことが、従来より行われている。搬送経路の設計において、実物を作る前から様々な条件で設計物の機能を検討することは、試作品の製造や試験に要する工数を低減することがことでき、開発期間及び費用の点で望ましい。
このような目的で搬送経路内の柔軟媒体の挙動をシミュレーションする技術として、柔軟媒体を簡易的に質量とバネにより表現する手法が公開されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2005−346500号公報
しかしながら、上述したような、搬送経路内の柔軟媒体の挙動をシミュレーションする技術において、柔軟媒体等のパラメータの変更と搬送径路形状の設計変更は、ユーザによる試行錯誤で行っていた。そのため、大量のモデルを作成することはユーザにとって大きな負荷であり、設定ミスも起こりやすかった。
本発明は上記従来の問題点に鑑み、搬送経路の形状設計を容易に作成できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のシミュレーション装置は、シート状の柔軟媒体モデルの挙動をシミュレーションするシミュレーション装置において、前記柔軟媒体モデルの軌跡を設定する軌跡設定手段と、前記設定された軌跡に対して前記軌跡の両側にオフセットされた搬送経路の初期のガイドモデルを作成する初期ガイド作成手段と、前記柔軟媒体モデルの軌跡を複数の区間に分割する軌跡区間分割手段と、前記初期のガイドモデル及び設定された柔軟媒体モデルを用いて実行されたシミュレーション結果に基づいて、前記軌跡区間分割手段によって分割された複数の区間のうちの対象区間の端部のガイド幅を変更するガイド幅変更手段と、前記ガイド幅変更手段によってガイド幅が変更された対象区間に隣接する区間の端部のガイド幅を前記変更された対象区間の端部のガイド幅に合わせる区間結合手段とを備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のシミュレーション装置の制御方法は、シート状の柔軟媒体モデルの挙動をシミュレーションするシミュレーション装置の制御方法であって、ユーザにより入力された指定条件に応じて、CPUが前記柔軟媒体モデルの軌跡を設定する処理を行う軌跡設定工程と、ユーザにより入力された指定条件に応じて、前記CPUが、前記設定された軌跡に対して前記軌跡の両側にオフセットされた搬送経路の初期のガイドモデルを作成する処理を行う初期ガイド作成工程と、前記CPUが、前記柔軟媒体モデルの軌跡を複数の区間に分割する処理を行う軌跡区間分割工程と、前記CPUが、前記初期のガイドモデル及び設定された柔軟媒体モデルを用いて実行されたシミュレーション結果に基づいて、前記軌跡区間分割工程によって分割された複数の区間のうちの対象区間の端部のガイド幅を変更する処理を行うガイド幅変更工程と、前記CPUが、前記ガイド幅変更工程によってガイド幅が変更された対象区間に隣接する区間の端部のガイド幅を前記変更された対象区間の端部のガイド幅に合わせる処理を行う区間結合工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、搬送経路の形状設計を容易に作成することが可能になる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
このシミュレーション装置は、コンピュータで構成されている。このコンピュータは、図1に示すように、ビデオRAM(VRAM)201、キーボード204、ポインティングデバイス(PD)205、CPU206、ROM208、及びRAM209を有している。さらに、不揮発性の2次記憶媒体として、ハードディスクドライブ(HDD)210も備えている。そして、これらの各デバイスは、I/Oバス(アドレスバス、データバス及び制御バスから成る)207を介して接続されている。
CPU206は、ROM208に記憶された制御プログラム(搬送経路の設計を支援するための、本発明に関連した設計支援プログラム等)に基づいて本装置の各ユニットを制御する。RAM209は、設計支援プログラム等をCPU206が実行するときのワークエリアやエラー処理時の一時退避エリアとして用いられる。ハードディスクドライブ210及びフロッピー(登録商標)ディスクドライブ211は、搬送経路設計支援用のデータベースやアプリケーションプログラムなどの保存用に用いられる。
ビデオRAM201は、ディスプレイ装置202の画面に表示される文字やイメージを展開記憶するメモリであり、キーボード204は、入力に関する各種キーを備え、ポインティングデバイス205は、画面上でアイコンなどを指し示すためのマウス等である。
上記構成のシミュレーション装置に電源を投入すると、CPU206はROM208のブートプログラムに従って装置を初期化する。そして、HDD210からOS(オペレーティング・システム)のロードを行い、その後に、以下で詳述する本実施の形態の処理を実現するために、設計支援プログラム等を動作させることになる。
なお、本実施形態に関連した設計支援プログラムは、ROM208に記憶されているものとしたが、もちろんハードディスク210等に記憶させるようにしても良いし、記憶媒体によって本発明が限定されるものでもない。
[本実施の形態の処理]
以下、本実施の形態に係る一連の処理を説明する。なお、この一連の処理は、図1に示したシミュレーション装置の例えばROM208に記憶された本実施の形態に係る設計支援プログラムをCPU206で実行することにより実現される。
図2は、本実施の形態に係る一連の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS11の媒体軌跡設定処理において、ポインティングデバイス205の入力に応じて、CPU206は、紙等のシート状の柔軟媒体モデル(以下、柔軟媒体として簡略化して称す)の軌跡を直線、円弧を含む任意の形状で作成する。続くステップS12の初期ガイド作成処理において、ポインティングデバイス205の入力に応じて、CPU206は、柔軟媒体を搬送する搬送経路のガイドモデル(以下、ガイドとして簡略化して称す)として、柔軟媒体の軌跡の両側に所定の距離オフセットした平行線を作成する。この上下2本の平行線が初期のガイドの形状となる。
次のステップS13の軌跡区間分割処理において、CPU206は、予め定義された間隔で軌跡を等分割する。そしてステップS14のガイド幅変更処理では、軌跡区間分割処理により分割された任意の区間のガイド幅を変更することで、柔軟媒体が通過可能なガイド形状になるように変更する。
最後のステップS15の区間結合処理において、CPU206は、前記ガイド幅変更処理により変更されたガイド端部に隣接する区間の端部をそのガイド幅に合わせて結合する。CPU206は、ステップS14とステップS15の処理を繰り返し、次々に区間を結合していくことで搬送経路を作成していく。
以下に、前記各処理について具体的に説明する。
(A)媒体軌跡設定処理(S11)
図3は、搬送径路最適化の一連の流れを実行するための画面構成を示す表示画面図である。
初めに柔軟媒体の軌跡の定義処理が実行される。まず、CPU206は、軌跡を定義するメニューの中から直線ボタン2A、円弧ボタン2B、及びスプラインボタン2Cのいずれかがポインティングデバイスを介して選択されたことを検出する。さらに、CPU206は、選択された形状に応じて指定される、直線の場合における線分の始点と終点、円弧かスプラインの場合における所望の形状を形成するために必要な中間の点の指定を検出する。すると、CPU206は、ディスプレイ装置202の画面上に指定された形状を表示させる。これら線分を組み合わせることにより、様々な柔軟媒体の軌跡が作成される。
図4に、最適化対象部位として2対のローラ間のS字カーブの柔軟媒体の軌跡31を定義した図を示す。
(B)初期ガイド作成処理(S12)
柔軟媒体の軌跡が定義後、CPU206は、初期のガイドを形成する。初期ガイドは、ステップS11において作成された柔軟媒体の軌跡31の両側に所定距離オフセットされた該軌跡31に平行な2本の線で定義される。2本の線の間隔は、初期値として最も良くあるパターンが設定されているが、後で任意の値に設定変更することもできる。
図5は、初期ガイド作成処理の概念を示す概念図である。図5の例では、初期のガイド間隔を5mmとして、初期ガイド41を定義したものである。また、ガイド間隔は他部材との干渉といった設計上の制約により、ある範囲までしか、広げられないことが考えられる。そこで本実施の形態では制約条件として、ガイド幅の上限と下限を設定する。図5では、ガイド幅が10mmを超えると他の部材42と干渉するため、上限がガイド幅10mmの制約を設ける。
(C)区間分割処理(S13)
初期ガイドが設定されると、次に区間分割処理に移る。
区間分割はボタン2Dの検出に応じて実行される。区間分割に関して、等間隔に分割する方法と、画面上において任意の箇所を選択して分割する手法とのいずれかが選択できる。等分割の選択を検出した場合、CPU206は、直線、円弧、スプライン曲線を組み合わせた全長を等分割する。一方、画面上で任意の箇所を選択して分割する手法の選択を検出した場合、CPU206は、カーソルを用いて指定された軌跡上の任意の点を分割点とする。
図6は、軌跡区間分割処理の概念を示す概念図である。図6の例では、軌跡を10mm間隔で分割して得られた分割点に加え、さらに詳細な設計が必要な部分に分割点51が指定されている。
(D)ガイド幅変更処理(S14)
次にガイド幅変更処理に移る。
本処理では、分割点によって分割された1つの区間に着目する。この1つの区間の上流もしくは下流の分割点において、CPU206は、ガイド幅を変更することで形状を決定していく。
図7は、ガイド幅変更処理の概念を示す概念図である。図7の例では、区間の下流側の分割点においてガイド幅が広く変更されている。そして、柔軟媒体の軌跡に平行な初期に設定された搬送経路61が徐々に広くなる搬送経路62に変更されている。このような処理によりガイドの幅が最適化される。以下にガイド幅最適化処理を具体的に示す。
(1)ガイド幅最適化処理の概要
以下、S14におけるガイド幅の最適化について詳細に説明する。
最適化処理は、搬送される柔軟媒体の条件がばらついても、搬送性能が変わらないガイド幅を求めることを目標とする。本実施の形態では、ガイドを変更した搬送経路パターン1つに対し、柔軟媒体の条件を変更しながらシミュレーションが複数回行われ、それらによって得られた結果が統計的処理される。CPU206は、統計処理された結果によりそのガイド幅を評価する。こうして、ガイド幅が変更されたいくつかの搬送経路パターンを比較し、最適なガイド幅が選択される。
ガイド幅を変更するには、モンテカルロ法に代表される乱数発生による方法、または、変更量の上下限を決め、範囲内を等間隔で変更するなどがある。柔軟媒体の条件はあらかじめ内部で自動的に設定されているか、ユーザに設定させるかどちらでも良い。柔軟媒体の条件は、柔軟媒体の種類、環境、カール形状などのパラメータを含む。
ユーザに設定させる方法において、図3のボタン2Eの選択の検出に応じて、図8に示すような柔軟媒体の条件を入力するための入力画面がディスプレイ装置202の画面上に表示される。図8は、柔軟媒体の条件設定を行うための行列表の画面である。
この画面では、縦の列に1組の柔軟媒体の条件を、横の列に柔軟媒体の環境や紙種、方向といった各パラメータ値をとっている。図8に示す例では、1列目の「柔軟媒体1」では環境にH/H、紙種が再生紙A、方向が縦、カールの幅が10、カールの高さとして5が入力されている。これにより、柔軟媒体1の条件が決定される。2列目以降も同様にパラメータを決定すると、列の数だけ柔軟媒体の条件が作成されることになる。これら設定された複数組の柔軟媒体の条件はRAM209に記憶される。
(2)ガイド幅最適化処理
柔軟媒体上に分割点を作成した後、図3に示すボタン2Fの選択の検出に応じて最適化処理を実行する。図9は、ガイド幅最適化処理をCPU206が実行するフローチャートである。
図9のステップS81において、CPU206は、搬送径路の形状(対象とする分割点におけるガイド幅)を変更する(開始時はステップS81の処理は実行しない)。ガイド幅は、予め設定された範囲の複数の値を予めRAMに記憶されているものとする。そして、CPU206は、予め設定された複数組の柔軟媒体の条件のうちの1条件で、柔軟媒体の挙動シミュレーションを行い、その結果をRAM209に格納する(ステップS82、S83、S84)。この処理を、CPU206は、ステップS85の分岐で示すように、1パターンの搬送経路に対し、複数組の柔軟媒体の条件で計算を繰り返し行う。そして、全条件を終了したら次のステップS86に処理が移る。
ステップS86では、CPU206は、もし現在の搬送径路の設定が前回に計算した搬送径路の設定よりも良い結果が得られると判断したとすると、現在の搬送径路の設定を最適形状としてRAM209に格納する(ステップS87)。この搬送経路の評価方法は後に説明する。
この処理を搬送径路の全ガイド幅を終了するまで繰り返す(ステップS88)ことで、最適な搬送径路形状を求めていく。計算回数は、(搬送径路の変更回数)×(柔軟媒体の条件数)となる。CPU206は、柔軟媒体の条件の組数が20パターンあり、搬送径路の形状パターンが10通りだとすると200回の計算を連続で実行することになる。
(3)挙動計算の詳細
図10は、CPU206が実行する図9のステップS83の挙動計算処理の一例を示すフローチャートである。
図10の処理において、柔軟媒体は複数のバネ−質量系に離散化して扱われる。まずステップS91において、CPU206は、キーボード204およびポインティングデバイス205の入力に応じて、柔軟媒体の運動を計算する実時間T及び運動方程式の解を数値的に求める際に使用する数値時間積分の時間刻みΔtを設定する。
以降ステップS92〜S97が数値時間積分のループであり、柔軟媒体の運動は初期時間からΔt毎に計算され、RAM209に結果が保存される。
ステップS92では、CPU206は、Δt秒後の計算を行う際に必要な初期加速度、初期速度、初期変位を設定する。これらの値は1サイクル終わる毎にその計算結果(即ち前回のサイクルの計算値を初期値とする)が設定される。
次のステップS93では、CPU206は、柔軟媒体を形成する各質点に働く力を定義する。各質点に働く力力には回転モーメント、引張り力、接触力、摩擦力、重力、空気抵抗力、クーロン力があり、CPU206は、個々の質点に対し働く力を計算した後その合力を最終的に柔軟媒体に加わる力として定義する。
次のステップS94において、CPU206は、前記ステップS93で求めた質点に働く力を質点の質量で除し、さらに初期加速度を加算することで、Δt秒後の各質点の加速度を計算する。同様にして、CPU206は、ステップS95においてΔt秒後の各質点の速度を、ステップS96においてΔt秒後の各質点の変位を計算する。本実施の形態ではステップS93〜ステップS96の一連のΔt秒後の物理量計算にEulerの時間積分手法を採用しているが、Kutta−merson、Newmark−β法、Willson−θ法等、他の時間積分手法を採用しても良い。
ステップS97において、CPU206は、計算時刻がステップS91で設定した実時間Tに到達したか否かを判断し、到達していれば運動計算処理を終了する。到達していない場合は再度ステップS92に戻り時間積分を繰り返す。
(4)搬送性能評価の詳細
次に、図9のステップS86における搬送性能評価の一例を説明する。
搬送性能評価は、最適化対象区間の上流に位置するローラ32の搬送抵抗を評価することによって実行される。図10の挙動計算手法により、ローラ32の部分に位置する質点に加わる力が計算される。この力を搬送抵抗として取得する。そして、この搬送抵抗を、柔軟媒体が対象区間を通過するシミュレーションの過程での最大値を記憶する。例えば1つのガイド幅に対して、柔軟媒体の条件を20パターン計算したとすると、20個の搬送抵抗が記憶されることになる。
図11は、搬送抵抗を説明するための模式図である。
図11の例では、柔軟媒体が搬送経路のカーブに差し掛かったとき、上流側にある搬送ローラ対101の直前の質点102に加わる力を計算したものである。図11では、曲率の厳しいカーブにおいて、質点に加わる力も増し、搬送抵抗が上昇している。
そして、全柔軟媒体の条件を計算し終えたら、CPU206は、20個の搬送抵抗の平均値と標準偏差を計算する。標準偏差はばらつきの指標となる。CPU206は、この平均値と標準偏差を1つの搬送径路についてRAM209に格納する。1つの搬送径路Aの計算が終了したら、ガイド幅を変更した次の搬送径路Bについて、柔軟媒体条件を20パターン計算する。この搬送径路での搬送抵抗でも20個のデータから平均値と標準偏差を算出する。
次に、CPU206は、搬送径路Bと搬送径路Aにおける数値の比較を行う。まずは平均値の比較により、搬送抵抗が小さい方が最適な搬送径路として判断されるが、ばらつきが大きいものは、安定性が悪い。そのため、CPU206は、搬送抵抗と安定性の面から総合的に比較する。
図12は、搬送抵抗のばらつきを示すグラフである。図12のような分布では、平均値ではBの方が小さいが、ばらつきは大きくなっている。ばらつきが大きいと、場合によっては柔軟媒体が停留してしまう。本実施の形態では、ばらつきの許容限界が予め設定される。そして、CPU206は、あるばらつき量を超えると不適格な搬送経路と判断する。
また、停留を自動認識する方法として、次のような方法と併用する。柔軟媒体の先端質点は運動計算手法による合力が計算される。この合力により柔軟媒体の先端の変位量が計算されるが、もし搬送経路のガイドと接触したときの接触抵抗力が、この合力より大きかったら、柔軟媒体の先端は抵抗に打ち勝てず、進むことができない。
よって柔軟媒体先端の合力と接触抵抗力は常にモニタしておき、接触抵抗力が大きくなっている状態が長い期間継続する搬送径路は、停留による不具合モデルとなりと判断される。すなわち、このような搬送径路は最適解から除外される。
図13は、柔軟媒体の先端停留判断を説明するための模式図である。
先端の合力121と接触抵抗力122を比較し、接触抵抗力が大きくなっているため先端が停留している不具合事例である。このように分割された1つの区間でガイド幅が最適化される。
1つの区間のガイド幅最適化が行われたら、次の区間の最適化処理が実行される。
(D)区間結合処理(S15)
区間同士は連続していなければならないので、隣接する区間の端部(分割点)を最適化された区間の端部のガイド幅に合わせる処理を行う。
図14は、区間結合処理を説明するための模式図である。
図14の例では、柔軟媒体が搬送される上流側の区間から最適化を初め、1番目の区間の下流側端部を最適化により広くし、隣接する2番目の区間の上流側の端部を1番目の下流側端部131の幅に合わせ結合し新たなガイド形状132を形成する。この処理を、全区間が終了するまで繰り返すことで最終的な全体の搬送経路を最適化することができる。図15に、得られた最適形状の例を示す。
図15は、搬送経路の最適形状の一例を示す模式図である。
前述した図6の例では初期ガイドの幅を一律5mmとしたが、図15の例では、カーブの部分では制約条件のガイド幅最大10mm以内で幅を広くし、S字の曲率が大きくなっている。
図16(a),(b)は、柔軟媒体がカールしている場合の最適化結果の一例を示す模式図である。
柔軟媒体にカール151がついている場合はガイドの幅が広すぎると、図16(a)に示すように、そのカールを潰せず却って先端停留が起こることが考えられる。図16(b)では、ガイド幅を広くし、カールによる先端停留を防ぐよう形状最適化が行われた例である。
図17は、搬送径路の下流側の区間からガイド形状が最適化される例を示す模式図である。
図17に示すように、CPU206は、最下流の区間の上流側のガイド幅161を最適な幅に変更し、柔軟媒体163が搬送することができるように最適なガイド形状162を作成する。この場合、CPU206は、1つ上流の区間の下流側ガイド幅をこの区間の上流側に合わせて結合する。そして、下流側から順に上流に遡ることで全区間の形状を決定して、同様のガイド形状が得られる。
[本実施の形態の利点]
(1)本実施の形態では、媒体軌跡設定処理(ステップS11)により、紙等のシート状の柔軟媒体の軌跡を直線、円弧を含む任意の形状で定義する。続く初期ガイド作成処理(ステップS12)では、柔軟媒体の軌跡に対して、上下に平行線を作成して初期のガイドを形成し、軌跡区間分割処理(ステップS13)では、軌跡を定義された間隔で等分割する。そしてガイド幅変更処理(ステップS14)では、分割された1区間の上流もしくは下流側のガイド幅を変更することで、柔軟媒体が通過可能なガイド形状になるように変更する。区間結合処理(ステップS15)では、変更されたガイド端部に繋がる次の区間の端部をそのガイド幅に合わせて結合する。このようにして次々に区間を結合していくことで搬送経路を作成するようにしたので、設計者による経験に頼っていた搬送径路の形状設計を簡単に行うことができるようになる。
(2)軌跡区間分割処理により分割された1区間の上流または下流のガイド幅を変更することで複数のガイド形状を作成し、それら個々のガイド形状に対し、柔軟媒体を変更した複数の搬送シミュレーションを連続で実行する(図9参照)。これにより、1つの計算を行う度に、ユーザが手動で行っていた柔軟媒体の変更操作を省略でき、大幅に工数を削減できる。さらに、条件の抜けや設定ミスといった人為的ミスを防ぐことができる。
(3)柔軟媒体の先端とガイドが接触したとき、柔軟媒体の先端質点の合力と柔軟媒体の先端の接触抵抗力とを比較し、接触抵抗力の方が大きくなった場合、柔軟媒体が搬送不可能と判定する。これにより、従来の搬送シミュレーションのように、ユーザが実際に柔軟媒体の挙動を確認して不具合の有無を確認する作業を自動化することができる。そのため、ロバスト性評価において、多くの計算を繰り返し行わなければならないとき、個々の結果をチェックする作業の工数を大幅に軽減することができる。
(4)対象区間の上流側に位置する搬送ローラ対の搬送抵抗力をモニタし、その搬送抵抗力が少なく、かつ柔軟媒体による変動が少ないガイド形状を最適形状と判断する。これにより、搬送性能を定量的に比較することができ、コンピュータによる平均化、ばらつき評価を含む統計的処理により、多数の柔軟媒体のシミュレーション結果から簡単にロバスト性を評価することができる。
なお、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記プログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば次のようなものが挙げられる。即ち、ハードディスク、光磁気ディスク、CDROM、CDR、CDRW、DVDROM、DVDRAM、DVDRW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしても良い。
また、本発明は、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
本発明の実施の形態に係るシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る一連の処理を示すフローチャートである。 搬送径路最適化の一連の流れを実行するための画面構成を示す表示画面図である。 最適化対象部位として2対のローラ間のS字カーブの柔軟媒体の軌跡を定義した図である。 初期ガイド作成処理の概念を示す概念図である。 軌跡区間分割処理の概念を示す概念図である。 ガイド幅変更処理の概念を示す概念図である。 柔軟媒体のばらつき設定を行うための行列表の画面図である。 ガイド幅最適化処理の全体フローを示すフローチャートである。 図9のステップS83の挙動計算処理の一例を示すフローチャートである。 搬送抵抗を説明するための模式図である。 搬送抵抗のばらつきを示すグラフである。 柔軟媒体の先端停留判断を説明するための模式図である。 区間結合処理を説明するための模式図である。 搬送経路の最適形状の一例を示す模式図である。 柔軟媒体がカールしている場合の最適化結果の一例を示す模式図である。 搬送径路の下流側の区間からガイド形状を最適化していく例を示す模式図である。
符号の説明
62 搬送経路
162 最適ガイド
163 柔軟媒体
204 キーボード
205 ポインティングデバイス(PD)
206 CPU
208 ROM
209 RAM
210 ハードディスクドライブ(HDD)

Claims (5)

  1. シート状の柔軟媒体モデルの挙動をシミュレーションするシミュレーション装置において、
    前記柔軟媒体モデルの軌跡を設定する軌跡設定手段と、
    前記設定された軌跡に対して前記軌跡の両側にオフセットされた搬送経路の初期のガイドモデルを作成する初期ガイド作成手段と、
    前記柔軟媒体モデルの軌跡を複数の区間に分割する軌跡区間分割手段と、
    前記初期のガイドモデル及び設定された柔軟媒体モデルを用いて実行されたシミュレーション結果に基づいて、前記軌跡区間分割手段によって分割された複数の区間のうちの対象区間の端部のガイド幅を変更するガイド幅変更手段と、
    前記ガイド幅変更手段によってガイド幅が変更された対象区間に隣接する区間の端部のガイド幅を前記変更された対象区間の端部のガイド幅に合わせる区間結合手段とを備えたことを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記ガイド幅変更手段は、前記対象区間の端部の複数のガイド幅と、複数の前記設定された柔軟媒体モデルとに基づいて、複数回のシミュレーションを実行することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記搬送経路内の構成部品として搬送ローラを有し、
    前記ガイド幅変更手段は、対象区間の上流側に位置する搬送ローラの搬送抵抗力をモニタし、該搬送抵抗力の平均値と変動幅に基づいてガイド幅を変更することを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシミュレーション装置の各機能をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  5. シート状の柔軟媒体モデルの挙動をシミュレーションするシミュレーション装置の制御方法であって、
    ユーザにより入力された指定条件に応じて、CPUが前記柔軟媒体モデルの軌跡を設定する処理を行う軌跡設定工程と、
    ユーザにより入力された指定条件に応じて、前記CPUが、前記設定された軌跡に対して前記軌跡の両側にオフセットされた搬送経路の初期のガイドモデルを作成する処理を行う初期ガイド作成工程と、
    前記CPUが、前記柔軟媒体モデルの軌跡を複数の区間に分割する処理を行う軌跡区間分割工程と、
    前記CPUが、前記初期のガイドモデル及び設定された柔軟媒体モデルを用いて実行されたシミュレーション結果に基づいて、前記軌跡区間分割工程によって分割された複数の区間のうちの対象区間の端部のガイド幅を変更する処理を行うガイド幅変更工程と、
    前記CPUが、前記ガイド幅変更工程によってガイド幅が変更された対象区間に隣接する区間の端部のガイド幅を前記変更された対象区間の端部のガイド幅に合わせる処理を行う区間結合工程とを備えたことを特徴とするシミュレーション装置の制御方法。
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