JP4049202B1 - 表示媒体、表示装置および表示方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、を少なくとも備え、前記保持体は、外部電圧により、前記保持体上の前記電気泳動粒子の移動量が制御される機能を有することを特徴とする表示媒体、この表示媒体への表示方法、及びこの表示媒体へ表示を行う表示装置。
【選択図】図1
Description
請求項1に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、を少なくとも備え、前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体である。
請求項13に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体と、を少なくとも備え、前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体である。
請求項14に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項13に記載の表示媒体である。
請求項15に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項13に記載の表示媒体である。
〔式(1)において、Epは、下式(2)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で前記調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
請求項28に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体を含む調光層と、前記一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置された一対の電極と、該一対の電極に接続され、前記分散媒に対して電界を印加する電界印加手段と、を少なくとも備え、前記電気泳動粒子は、前記電圧印可手段によって印加された電界により、少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示装置である。
請求項29に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項28に記載の表示装置である。
請求項30に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項28に記載の表示装置である。
〔式(3)において、Epは、下式(4)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
なお、電気泳動粒子と電気泳動粒子保持体との付着力(すなわち、保持する機能)を制御するために、物体間に作用する力としては、静電力の他に、磁力や分子間力も併用できる。
なお、上記立体障害を利用した電気泳動粒子の保持とは、電気泳動粒子保持体の構成(詳細後述)にもよるが、電気泳動粒子保持体を構成する繊維や粒子等の部材によって電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面を移動することが阻止された状態を示している。
また、「最大濃度」とは、電界により表示面側に一種類の粒子の95%以上望ましくは98%以上が偏在し、表示面から粒子の色が見える状態を示している。
具体的には、最大濃度とは、調光層の一方の側における色濃度を光学濃度(Optical Density=OD)はX-rite社の反射濃度計で測定しながら、調光層の該一方の側と他方の側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に除々に変化(印加電圧値を増加または減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
具体的には、最小濃度とは、調光層の一方の側における色濃度を光学濃度(Optical Density=OD)はX-rite社の反射濃度計で測定しながら、調光層の該一方の側と他方の側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が低下する方向に除々に変化(印加電圧値を減少または増加)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
また、電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体の極性や帯電電位は、これら部材を構成する主材料や、その他必要に応じて用いられる帯電制御剤や分散剤などの添加剤を選択することによって、上述した特性が得られるように容易に制御することができる。さらに、電気泳動粒子保持体は、調光層に電界が印加された際に、電気泳動しないものであることが必要である。例えば、電気泳動粒子保持体を調光層中の所定の位置に動かないように固定したり、あるいは、電界が印加されても移動することができないほどの自重を有する部材によって電気泳動粒子保持体を構成することができる。なお、電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体の詳細については後述する。
これに対して、調光層に印加された電界が、電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が前記電気泳動粒子保持体表面から離脱できない電界強度である場合や、電界が調光層に印加されなければ、電気泳動粒子は電気泳動粒子保持体表面に保持され続けることになる。従って、本実施の形態の表示方法を利用すれば優れた表示状態の維持性を得ることができる。
なお、この「最大濃度」及び「最小濃度」については、上記説明した定義と同一であるため説明を省略する。
図中、10は電気泳動粒子、20が電気泳動粒子保持体、30が調光層、32が調光層30の一方の側、34が調光層30の他方の側、40が透明基板(透光性を有する基板)、42が基板、50が透明電極、52が電極、60が電界印加手段を表す。
なお、図中に示す例では、電気泳動粒子10は正に帯電し、電気泳動粒子保持体20は負に帯電しており、電界印加手段60によって調光層30に印加される電界は、電気泳動粒子保持体20表面に対して静電的に付着し保持されている電気泳動粒子10が、電気泳動粒子保持体20表面から離脱して、分散媒中を移動することが可能な電界強度を有するものとする。また、電気泳動粒子保持体20は、電界が印加された場合でも移動しないように、調光層30中に固定されており、且つ、電気泳動粒子10とは異なる色に着色しているものとする。
また、透明基板40の基板42が配置された側の面には透明電極50が設けられ、基板42の透明基板40が配置された側の面には電極52が設けられ、これら一対の透明電極50、52は電界印加手段60に接続されている。これにより、調光層30に電界を印加した場合には、調光層30の一方の側32から調光層30の他方の側34方向(あるいはその逆方向)に電位勾配が形成されることになる。
続いて、図2に示すように電界を印加すると電気泳動粒子10は、調光層30の他方の側34から、調光層30の一方の側34へと、電気泳動粒子保持体20の表面やその周辺に沿って移動し、電界の印加を中止すると図3に示される状態となる。
続いて、図4に示すように電界を印加すると電気泳動粒子10は、調光層30の他方の側34から、調光層30の一方の側34へと、電気泳動粒子保持体20の表面やその近傍に沿って移動し、電界の印加を中止すると図5に示される状態となる。
続いて、図6に示すように電界を印加すると電気泳動粒子10は、調光層30の他方の側34から、調光層30の一方の側34へと、電気泳動粒子保持体20の表面やその近傍に沿って移動し、電界の印加を中止すると図7に示される状態となる。
電界の閾値の絶対値が100V/cm未満の場合には、メモリー性が劣化する場合があり、電界の閾値の絶対値が30kV/cmを超える場合には、表示の切り替えに要するエネルギー消費量が増大しすぎてしまう場合がある。
なお、「電界の閾値」とは、調光層に印加する電界の電界強度であって、この電界強度の絶対値が、閾電界値(V/m)の絶対値以上である場合において、電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面から離脱して分散媒中を移動でき、その逆の場合は電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面に保持されたままの状態を維持することを意味する値である。
なお、a周期目(aは1以上の整数を意味する)の第一の区間の電圧が正、a+1周期目の第一の区間の電圧が負である場合、a周期目の第一の区間とa+1周期目の第一の区間との間の第二の区間の継続時間は0としてもよい。
・式(5) Ep<Emax
〔式(5)において、Epは、下式(6)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
〔式(6)中、tは、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、時間tにおける電圧(V)を表す。〕
また、式(5)に示す電圧・時間積量Emaxの計算方法は特に限定されないが、例えば、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の電圧値V(t)のt=0からtpまでにおける平均電圧Vaveで電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示状態が変化するのに要した時間tcを求め、Vaveとtcとの積として求めることができる。
・式(7) Tp<Tmax
ここで、式(7)中、Tpは、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間において、調光層に対して第1の電圧(V)で電界が印加される時間(s)を表し、Tmaxは、調光層に対して第1の電圧(V)で電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する時間(s)を表す。
ここで、「中間濃度」とは、基本的に反射(光学)濃度のことを指し(測定は、上記と同様にX-rite社のX-rite404で行う)、上記説明した最大濃度と最小濃度の間に、等間隔に近い間隔で複数の濃度状態がある状態を指している。
なお、式(8)を満たす場合において、nは2以上であることが必要であるが、4以上であることがより好ましく、上限は特に限定されるものではないが、256以下であることが好ましく、64以下であることがより好ましい。必要以上に階調数を設定すると、表示駆動のためのメモリー量が必要となり部品コストが上がり、回路基板が大きくなる。また、階調を表現するための画像データ処理に時間がかかり表示までの待ち時間が長くなる。
次に、本実施の形態の表示方法を利用した表示媒体について説明する。本実施の形態の表示媒体は、本発明の表示方法が実施可能な構成を有するものであれば特に限定されないが、以下の構成を有することが特に好ましい。
すなわち、本実施の形態の表示媒体は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を付着させて保持する機能を有する電気泳動粒子保持体と、を少なくとも備えている。
この「移動量」とは、本実施の形態では、電気泳動粒子保持体表面、すなわち電気泳動粒子保持体の外周面や、孔を有する構成である場合にはこの孔の内周面等の任意の領域に保持された状態から離脱して、分散媒中を移動して電気泳動粒子表面の他の領域に保持された状態へまたは電気泳動粒子保持体から離れた領域へと移動するときの移動量を示している。具体的には、この「移動量」は、上記説明した、電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が、前記電気泳動粒子保持体表面から離脱して前記分散媒中を通過する電界の閾値の絶対値によって表される。なお、この「電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が、前記電気泳動粒子保持体表面から離脱して前記分散媒中を通過する電界の閾値の絶対値」は、上述した範囲を満たしていることが特に好ましい。
ここで、「分散媒に1種類以上の電気泳動粒子が含まれる」とは、一対の基板間に封入される分散媒が、隔壁によって複数のセルに区分される場合は、各セルに含まれる分散媒に1種類以上の電気泳動粒子が含まることを意味する。
この場合、Rセル、Gセル、Bセルから構成される3つのセル(3画素)を1画素として、カラー表示の制御を行うことができる。これら3つのセルは、互いに隣接または近接する位置に配置される。
電気泳動粒子保持体は、その表面に電気泳動粒子を付着させて保持する機能を有するものであれば特に限定されないが、酸化チタン、酸化亜鉛等の材料から構成される無機材料粒子や、メタクリル酸メチル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の材料から構成される有機材料粒子などの粒子状の部材(電気泳動粒子保持粒子)や、ゼラチンや多孔質シリカなどの多孔質体、ポリアクリルアミドなどの網目構造を持つ高分子等の網目構造体や、(互いに独立した紐状の素材が規則的または不規則に絡み合った状態の)繊維の集合体等が利用できる。
なお、使用する電気泳動粒子の帯電極性や、電気泳動粒子に対する付着力が、表示状態の維持性の発揮と中間調の表示とがバランスよく両立できるように、電気泳動粒子保持体を構成する材料を選択したり、必要に応じて電気泳動粒子保持体に表面処理を施したりすることができる。
すなわち電気泳動粒子を付着させて保持する機能は、電気泳動粒子保持体は、上述のように電気泳動粒子保持体を構成する材料を選択したり、必要に応じて電気泳動粒子保持体に表面処理を施したり、全種類の電気泳動粒子と少なくとも一部分を逆の極性に帯電するように帯電極性及び帯電量を調整したり、空隙率や、孔の開口率や、孔の径等を調整することによって実現することができる。
それゆえ、電気泳動粒子保持粒子の平均粒径は、全種類の電気泳動粒子の平均粒径の10倍以上であることが好ましく、25倍以上であることが好ましい。電気泳動粒子保持粒子の平均粒径は、全種類の電気泳動粒子の平均粒径の10倍未満では、互いに隣接する電気泳動粒子保持粒子の間隙を電気泳動粒子が通過できなくなるため、表示状態の切り替えが困難となる場合がある。なお、電気泳動粒子保持粒子の平均粒径の上限は特に限定されないが、一対の基板間の距離(調光層の厚み)と同等あるいはそれ以下である。
ここで、一対の基板間に封入される分散媒が、隔壁によって複数のセルに区分される場合、電気泳動粒子保持粒子や全種類の電気泳動粒子の平均粒径などの粒子の形状・サイズなどに関するパラメーター値は、セル単位で求められる値を意味する。
なお、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径としては、電界が印加された際に、全種類の電気泳動粒子がこれら部材中を移動することができるサイズであれば特に限定されないが、具体的には、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径は、最も平均粒径の大きい種類の電気泳動粒子の平均粒径や繊維の集合体の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることが好ましい。多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径が、全種類の電気泳動粒子の平均粒径の10倍未満では、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の孔中を電気泳動粒子が通過できなくなるため、表示状態の切り替えが困難となる場合がある。なお、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径の上限は特に限定されないが、大きすぎる場合には単位体積中の多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の表面積が小さくなりすぎて中間調の表示が困難となる可能性や、電気泳動粒子の保持機能が低下する可能性があるため、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径は100μm以下であることが好ましい。
多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径は、これら部材断面のSEM観察により求めた。平均孔径は、これら部材断面に観察される孔の任意の100点について孔径を測定し、各点における孔径の平均値として求めた。
なお、電気泳動粒子保持体は、透明であってもよいが、この場合は、例えば、電気泳動粒子保持粒子と、電気泳動粒子保持体としての機能を有さない着色した粒子状の部材と混合して用いたりする必要がある。これは、電気泳動粒子保持体が透明である場合、この部材によって光を遮蔽し、一対の基板の透明でない方の基板側に偏在する電気泳動粒子を、透明基板側からみた場合に隠蔽する機能(隠蔽機能)が欠落するため、第3の表示工程を実施しても中間調の表示を行うことができなくなるからである。それゆえ、透明な電気泳動粒子保持体を用いる場合は、隠蔽機能を有する他の部材と併用する必要がある。
なお、電気泳動粒子保持体は白色であることが最も好ましい。この場合、第2の表示工程を実施し終えた状態で、白色を表示することができる。
帯電制御剤としては、例えば、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子などが利用できる。
表面処理方法としては、シランカップリング剤などの表面処理剤による化学的処理法や電気泳動粒子表面に何らかの物理的刺激を付与して表面改質する物理的処理法が挙げられるが、本発明においては、化学的処理法を利用することが好ましい。
使用可能な表面処理剤は、例えば、疎水性処理には、シラン系化合物やシリコーン化合物、脂肪酸類等が利用でき、親水性処理にはアルコール、親水性樹脂、無機酸化物等が利用できる。
具体的には、Octadecyltrimethoxysilane、Phenethyltrimethoxysilane、Aminopropyltriethoxysilane、3−Aminopropyltrimethoxysilane、Metacryloxytrimethoxysilane、Methoxytrimethylsilane、3−Aminopropyldiethoxymethylsilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropyltrimethoxysilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropylmethyldimethoxysilane等を挙げることができる。
疎水性処理に用いられる脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ヒドロキシ脂肪酸、カプロン酸、カプリル酸、パルミチン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、エルカ酸、これらの、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩またはエステル等を挙げることができる。
親水性処理に用いられる親水性樹脂としては、アクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができる。
親水性処理に用いられる無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア等を挙げることができる。
ここで、電気泳動粒子が軟磁性材料を含む場合には、電気泳動粒子保持体には、強磁性材料を添加することができ、電気泳動粒子が強磁性材料を含む場合には、電気泳動粒子保持体には、軟磁性材料または強磁性材料を添加することができる。電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体に用いることができる磁性材料としては公知のものが利用できるが、軟磁性材料としては、例えば、ケイ素鋼、パーマロイ、アモルファス金属材料などが利用でき、強磁性材料としては酸化鉄、炭素鋼、フェライト、サマリウムなどが利用できる。なお、電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体に用いられる磁性材料の種類や添加量は、所望の閾電界値が得られるように選択することができる。また、泳動粒子として利用できる着色した磁性粉としては、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。
本発明に用いられる電気泳動粒子は、電界中に置かれた場合に電界勾配方向に沿って分散媒中を移動できるように、正負いずれかの極性に帯電する特性を有する粒子として、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子、及び分散媒に分散した状態で発色する特性を有する粒子等を用いることができる。
また、空気を内包した多孔質のスポンジ状粒子や中空粒子は白色粒子として使用できる。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等、選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiO2やTiO2等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
さらにまた、分散および混練のための粒状媒体を装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミルの等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を好ましい温度範囲、例えば80〜160℃で分散および混練する方法が使用できる。粒状媒体としては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が好ましく用いられる。この方法によって電気泳動粒子を作成するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状媒体によって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状媒体は冷却中および冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断および/または、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
ここで、「分散媒に分散した状態で発色する」とは、電気泳動粒子が分散媒中に分散している状態で、電気泳動粒子が分散している分散液を目視したときに観測できる色相を呈することをいう。なお、この場合の色相の観測は、目視方向に対する分散液の厚みが10μm〜1cm程度の範囲内で観測されることを意味する。色相は、電気泳動粒子の形状や粒径等、また電気泳動粒子を構成する材料等を変化させることにより多彩とすることができる。
なお、着色剤として用いられる有機顔料、無機顔料、染料としては公知のものが利用できるが、有機顔料としては、例えばアゾ系顔料、ポリ縮合アゾ系顔料、メタルコンプレックスアゾ系顔料、フラバンスロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラピリジン系顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、チオインジゴ系顔料、インダンスレン系顔料等が挙げられ、無機顔料としては、例えば亜鉛華、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、アンチモン白、カーボンブラック、鉄黒、硼化チタン、ベンガラ、マピコエロー、鉛丹、カドミウムエロー、硫化亜鉛、リトポン、硫化バリウム、セレン化カドミウム、硫酸バリウム、クロム酸鉛、硫酸鉛、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、鉛白、アルミナホワイト等が挙げられ、染料としては、たとえば、ニグロシン系染料、フタロシアニン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、メチン系染料等が挙げられる。
電気泳動粒子として利用される金属粒子は、プラズモン発色機能を有し、粒子そのものが発色する特性を有する。
金属粒子のプラズモン発色は、電子のプラズマ振動に起因し、プラズモン吸収と呼ばれる発色機構によるものである。このプラズモン吸収による発色は、金属中の自由電子が光電場により揺さぶられ、粒子表面に電荷が現れ、非線形分極が生じるためであるとされている。この金属粒子による発色は、彩度や光線透過率が高く、耐久性等に優れている。この金属粒子による発色は、粒径が数nm〜数十nm程度の、いわゆるナノ粒子において見られるものである。なお、色相の鮮やかさの観点からは、粒径分布がより狭い金属粒子であるほど有利である。それゆえ、金属粒子の平均粒径(体積平均粒径)としては1〜100nmの範囲内であることが好ましく、5〜50nmの範囲内であることが好ましい。
表面処理方法としては、シランカップリング剤などの表面処理剤による化学的処理法や電気泳動粒子表面に何らかの物理的刺激を付与して表面改質する物理的処理法が挙げられるが、本発明においては、化学的処理法を利用することが好ましい。
使用可能な表面処理剤は、電気泳動粒子の粒子本体を構成する材料との親和性も考慮して選択することができるが、例えば、疎水性処理には、シラン系化合物やシリコーン化合物、脂肪酸類等が利用できる。
具体的には、Octadecyltrimethoxysilane、Phenethyltrimethoxysilane、Aminopropyltriethoxysilane、3−Aminopropyltrimethoxysilane、Metacryloxytrimethoxysilane、Methoxytrimethylsilane、3−Aminopropyldiethoxymethylsilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropyltrimethoxysilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropylmethyldimethoxysilane等を挙げることができる。
疎水性処理に用いられる脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ヒドロキシ脂肪酸、カプロン酸、カプリル酸、パルミチン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、エルカ酸、これらの、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩またはエステル等を挙げることができる。
なお、「電気泳動粒子保持体が、電気泳動粒子に対して大きいサイズや自重を有する」とは、電気泳動粒子保持体の質量が、電気泳動粒子の質量の100倍以上であることを意味し、「電気泳動粒子保持体」が電気泳動粒子から構成される場合は、その平均粒径が電気泳動粒子の平均粒径の10倍以上であることを意味する。
分散媒は、少なくとも絶縁性の液体を含むものであり、その体積抵抗値としては103Ωcm以上であることが好ましく、107Ωcm〜1019Ωcmであることがより好ましく、1010〜1019Ωcmであることが更に好ましい。体積抵抗値をこの範囲内とすることで、より効果的に、電極反応に起因する分散媒の電気分解による気泡の発生が抑制でき、通電毎に電気泳動粒子の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性を付与することができる。また、分散媒には、上記体積抵抗値の絶縁性の液体の他に、必要に応じて酸、アルカリ、塩、界面活性剤などの分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができるが、上述の体積抵抗値の範囲内となるように添加することが好ましい。また、分散媒の粘度としては特に限定されないが1〜100mPa・sの範囲内が好適である。
また、上記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も好適に使用することができる。
シリコーンオイルが特に好適な理由は、従来の電気泳動方式の表示媒体に用いられていたヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン等の分散媒と比べて、(1)より高い電圧を印加しても分散媒が分解し難い、(2)粘性が高いために、金属粒子を電気泳動させた場合に激しい対流が起こりにくく、この激しい対流に起因するコントラストの低下や表示の乱れが起こりにくい、(3)表示媒体の作製に際して、表示媒体の分散媒を封入する空間に金属粒子を分散させた分散液を減圧充填する場合に分散媒の揮発が起こりにくいという特性を有するためである。
(1)抵抗値は103Ωcm以上であることが好ましく、107Ωcm〜1019Ωcmであることがより好ましく、1010〜1019Ωcmであることが更に好ましい。(2)粘度は1〜1000cst、1〜100cstであることがより好ましい。具体的には、信越化学社製KF−96、Dow corning社製DOW CORNING 200、GE東芝シリコーン社製TSF451などのジメチルシリコーンオイルが使用できる。また、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性シリコーンオイル(例えば信越化学社製KF−393、X22−3710)なども使用できる。
本実施の形態の表示媒体に用いられる基板としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、シリコーン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体、ポリオレフィンなどの高分子のフイルムや膜状基板、ガラス基板、金属基板、セラミック基板等の無機基板などが好ましく用いられる。
表示媒体に用いる一対の基板のうちの少なくとも一方は、可視光に対して光透過性を有する基板(透明基板)が用いられる。透過型の表示媒体を作製する場合には、双方の基板共に透明基板が用いられるが、本実施の形態の表示媒体は、基本的には反射型であることが好ましいため、この場合、透明基板に対向配置されるもう一方の基板(背面基板)としては、光透過性を有さない基板が用いられる。従って、以下の説明においては、特に説明が無い限り、反射型の表示媒体であることを前提として説明するが、本発明の表示媒体は反射型にだけ限定されるものではない。
なお、本発明において、「光透過性を有する」とは、可視域の波長を有する光に対する光透過率が少なくとも50%以上であることを意味し、80%以上であることが好ましく、光透過率は100%が最も好ましい。
また、基板には、必要に応じて配線、薄膜トランジスタ、金属・絶縁層・金属構造を持つダイオード、バリアブルコンデンサ、強誘電体等の駆動用スイッチング素子を形成してもよい。
表示媒体には、分散媒等の内容物の表示媒体外部への流出を防いだり、一対の基板間に封入される分散媒等から構成される調光層を隔壁によって複数のセルに区分する場合ために、一対の基板間に隔壁が設けられる。
この隔壁の高さは、特に限定されるものではなく、通常20μm〜1mm程度である。
また、隔壁の幅は、特に限定されるものではないが、一般的には幅が小さい方が、表示媒体の解像度の観点より有効であり、通常、10μm〜1mm程度である。
また、隔壁の材料としては、絶縁性を有すると共に分散媒に対して溶解しない材料であれば特に限定されず、例えば、公知の感光性樹脂やゴムなどを用いることができる。
なお、本実施の形態では、「絶縁性」とは、体積抵抗率が106Ω・cm以上であることを示している。また、「導電性」とは、体積抵抗率が10−3Ω・cm以下であることを示している。
更に、必要に応じて、一対の基板の間隙幅を一定に保つために、リブを設けたり、一対の基板の間隙幅と同サイズの粒子を配置してもよい。
表示媒体の製造方法は特に限定されないが、例えば以下のプロセスにより作製することができる。まず、一対の基板として、透明基板と、背面基板とを準備する。これら基板としては電極が予め設けられていてもよい。続いて、透明基板又は背面基板のいずれか一方の調光層側の面に隔壁を形成した後、両者を貼り合わせる。なお、貼り合わせに際しては、例えば電気泳動粒子保持粒子などの電気泳動粒子保持体を、一対の基板間に充填する。続いて、隔壁形成時に予め設けておいた分散媒の注入口から1種類以上の電気泳動粒子を含む分散媒を注入し、注入口を封止することにより表示媒体を得ることができる。
次に、以上に説明した本実施の形態の表示媒体を用いた表示装置について説明する。本発明の表示装置は、本発明の表示媒体が、一対の基板間に封入された分散媒に対して電界が印加可能な位置に一対の電極を内蔵する場合に、この一対の電極に接続され、分散媒に電界を印加する電界印加手段を更に備えたものである。ここで、一対の電極は、一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置される。
例えば、背面基板の透明基板側の面に背面電極が設けられ、透明基板の表示面と反対側の面に透明電極が設けられる場合には、これら一対の電極に電界印加手段が接続される。これにより、表示を行う場合に、表示媒体外部の電界印加手段を利用することなく表示を行うことができる。
また、電界印加手段としては、必要に応じて交流電源、直流電源のいずれも利用でき、電極を介して調光層に交流電圧と直流電圧とを重畳して印加する場合には双方を併用することもできる。
以下、表示媒体の具体例を、図面を用いて説明するが、本実施の形態の表示媒体は、以下に説明する例にだけ限定されるものではない。
図8は、本実施の形態の表示媒体の一例を示す概略模式図であり、図中、100は表示媒体、200は透明基板、202は表示面、204は背面基板、206は隔壁、210は透明電極、220は背面電極、300は電気泳動粒子、302は分散媒、401は電気泳動粒子保持体、400は、電気泳動粒子保持粒子、500は電界印加手段を表す。
まず、図8に示すように、電気泳動粒子300が、透明基板200側に存在する電気泳動粒子保持粒子400の透明基板200と対向する側の表面に偏在して存在している場合において、表示媒体100を表示面202側から観察した場合、濃い赤色(最大濃度またはこれに準じた濃度)が観察される。
なお、電界印加中は、電気泳動粒子300が透明電極210表面に引き付けられるが、電界が除去されると、透明電極210表面から離脱し易くなる。しかし、電気泳動粒子300が、透明電極210表面から離脱したとしても、透明電極210表面周辺の電気泳動粒子保持粒子400表面(透明電極210側周辺の表面)に付着し保持されるため、電界が除去された後の表示濃度は、経時的に安定して維持されることになる。
また、いずれかの段階の階調で表示した後に電界を除去した状態を維持しても、電気泳動粒子300は、電界を除去した直後と同様に電気泳動粒子保持粒子400表面の同じ位置に付着し保持され続けるため、経時的な表示濃度の変化が起こらない。
図9は、本実施の形態の表示媒体の他の例を示す概略模式図であり、図中、110は表示媒体、410は、図8に示す電気泳動粒子保持粒子400の集合体から構成される電気泳動粒子保持体401に換えて、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410を表し、その他の符号で示される部材は、図8に示されるものと同様の機能を有するものである。
図10に示す表示媒体120は、基本的には図8に示す表示媒体100と同様の構成を有するものであるが、図8に示す表示媒体100において1種類ではなく3種類の電気泳動粒子300C、300M、300Yを用いている点において異なるものである。
なお、以下の説明においては、いずれも正に帯電し、電気泳動粒子300Cがシアン色の電気泳動粒子、電気泳動粒子300Mがマゼンタ色の電気泳動粒子、電気泳動粒子300Yがイエロー色の電気泳動粒子から構成されるものとして説明する。
ここで、これら3種類の電気泳動粒子300C、300M、300Yの閾電界値は、例えば、図11に示すように設定することができる。
なお、閾電圧の制御方法は特に限定されるものではないが、例えば、3種類の電気泳動粒子300C,300M、300Y各々の白色の電気泳動粒子保持粒子400に対する付着力に差が生じるように、電気泳動粒子300C,300M、300Yの平均粒径や、粒子の表面処理状態、粒子表面に処理する帯電制御剤などを選択することなどが挙げられる。
この場合、閾電圧の絶対値が、|V1|<|V2|<|V3|となる関係を満たすためには、電気泳動粒子300C,300M、300Y各々の平均粒径Dc、Dm、Dyは、Dc>Dm>Dyなる関係を満たせばよく、例えば、Dc=500nm、Dm=150nm、Dy=50nmとすることができる。
最初に、片側の電極に粒子を引き寄せた状態で電界を切り、次に逆向きの電界を印加して粒子が移動するかを観察する方法で測定できる。例えば、反射濃度計を用いて、表示濃度を測定して、印加される電圧と表示濃度との関係を求めることで濃度が変化し始める電圧値として求めることができる。
あるいは、透明な容器内に平行平板の電極一対を浸し、電極間のスペースを平行電界に垂直な方向から観察できる装置を用意する。例えば、粒子が正帯電の場合、一方の電極を負極性として、その電極側に粒子を移動させる。この状態で電界を切断し、次に、粒子の集まった側の電極を正極性として徐々に電圧を増加させていく。この際、負極側の電極に向けて粒子が移動を開始する電圧Vを求め、電極間の距離で割ることで、電界の閾値を求めることができる。
図12〜図20は、図10に示す表示媒体における表示状態の一例を示す概略模式図である。なお、これら図中において、電界印加手段500の記載は省略してあるが、一対の電極210、220は、電界印加手段500(図10参照)に接続されている。
なお、電界印加中は、電気泳動粒子300C,300M、300Yが背面電極220表面に引き付けられるが、電界が除去されると、背面電極220表面から離脱し易くなる。しかし、電気泳動粒子300C,300M、300Yが、背面電極220表面から離脱したとしても、背面電極220表面周辺の電気泳動粒子保持粒子400表面(背面電極220側周辺の表面)に付着し保持されるため、電界が除去された後の表示濃度は、経時的に安定して維持されることになる。
この場合、電気泳動粒子300C、300M、300Yの各々について、それぞれ3階調の表示が可能になる。
すなわち、電気泳動粒子300C、300M、300Yの各々について、一方の基板側に偏在している状態を第一の初期状態(例えば、最大濃度)として、第一の初期状態から、電気泳動粒子が他方の基板側へと電気泳動可能な電圧を時間Thの間だけ印加し終えると、電気泳動粒子が調光層の厚み方向に対して中央部分近傍に偏在して中間濃度となり、さらに、電気泳動粒子が他方の基板側へと電気泳動可能な電圧を、時間Thの間だけ印加し終えると、第二の初期状態(例えば、最小濃度)となる。また、第一の初期状態から電気泳動粒子が他方の基板側へと電気泳動可能な電圧を時間2Th(Tmax)の間だけ印加し終えると、第二の初期状態となる。
このため、イエローとシアンとの減法混色により表示面202には緑色が表示される(図19)。
なお、図12〜図20に示すいずれの表示状態においても、新たに電界が印加されない限りは、電気泳動粒子300C、300M、300Yが電気泳動粒子保持粒子400表面の同じ位置に付着し保持され続けるために、電界が除去された後の表示濃度が、経時的に安定して維持されることになる。
図21及び図22に示す表示媒体110A及び表示媒体110B内に充填配置されている電気泳動粒子保持体410は、基板202及び背面基板204の少なくとも一方から基板間の向かい合う方向に向かって離れるほど電気泳動粒子300を保持する機能が小さくなるように充填配置されていることから、同一種類の電気泳動粒子が基板202と背面基板204との間を移動するときにおいて、電気泳動粒子保持体410の電気泳動粒子300を保持する機能が大きい領域(電気泳動粒子保持体410A及び電気泳動粒子保持体410C)を移動するときの移動速度は、この領域より電気泳動粒子300を保持する機能の小さい領域(電気泳動粒子保持体410B)を移動するときの移動速度に比べて低速となる。
スチレンモノマー90重量部、アゾイソブチロニトリル1重量部から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液A−1を得た。
炭酸カルシウム30重量部、水70重量部から構成される混合物に、分散液A−1と同様の操作を行い分散液A−2を得た。
分散液A−2を18重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合した後、分散液A−1を30重量部加えて乳化し、乳化液A−3を得た。
得られた乳化液A−3を窒素気流下で70℃に加熱し、20時間攪拌することで固形粒子A−4を得た。得られた固形粒子A−4に35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解させた後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返し、透明粒子A−5を得た。
得られた透明粒子A−5を、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越化学社製、KF−99)に混合し、攪拌することにより疎水処理を行い、シリコーンオイル中で正に帯電する電気泳動粒子Aを得た。この電気泳動粒子Aの平均粒径は1μmであった。
エチレン−メタクリル酸の共重合体(ニュークレルN699;デユポン社製、エチレン/メタクリル酸の共重合比(モル比)=89/11)を40重量部と、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)を8重量部と、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)を2重量部の混合物をステンレスビーカーに投入した後、オイルバスにて120℃に加熱しながら、1時間撹拌を続け、溶融した樹脂、顔料および帯電制御剤の均一な溶融体を調製した。得られた溶融物を撹拌をしながら徐々に室温まで冷却し、さらに、ノルパー15(エクソン社製)を100重量部添加した。
系の温度が低下してゆくにつれて顔料、帯電制御剤を包含した粒径10〜20μmの母粒子が析出してきた。析出した母粒子100gを01型アトライターに投入し、直径0.8mmのスチール鋼球を用いて粉砕した。粉砕は、遠心沈降式粒度分布測定器(SA−CP4L;島津製作所製)で体積平均粒子径をモニターしながら粒子径が2.5μmになるまで粉砕を続けた。
得られた濃縮粒子20部(粒子濃度18重量%)を粒子分散液に対する粒子濃度が2重量%になるようにあらかじめ75℃で加熱溶融させた160重量部のエイコサン(C20H42、融点36.8℃)で希釈し十分に拡販を行った。
得られた粒子分散液を、吸引ろ過・水洗を5回繰り返し、マゼンタ色の電気泳動粒子粒子Bを得た。この電気泳動粒子Bの平均粒径は1μmであり、シリコーンオイル中での帯電極性は正極性だった。
−分散液Aの調整−
・メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部
・マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部
・帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2重量部
以上の成分を混合したものを直径10mmのジルコニアボールを使用して、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを調整した。
・炭酸カルシウム:40重量部
・水:60重量部
以上の成分を混合したものをボールミルにて微粉砕することにより、分散液Bを調整した。
・2重量%セロゲン水溶液:4.3g
・分散液B:8.5g
・20重量%食塩水:50g
以上の成分を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを調整した。
分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル):0.35gを、充分混合し、超音波機で脱気を10分行う。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施する。
次に得られた乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入する。次に60℃で10時間反応させ粒子を作製した。得られた微粒子粉をイオン交換水中に分散させ、1規定(1N)塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、粒度を揃え、これを乾燥させた。
得られた電気泳動粒子Cはマゼンタ色であり体積平均粒径は、1μmであった。また、シリコーンオイル中で正極性の帯電性を示した。
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、酸化チタン(石原産業社製、タイペークCR63)17重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液B−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液B−1と同様の操作を行い、分散液B−2を得た。
分散液B−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液B−3を得た。
分散液B−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液B−3を加えて乳化し、乳化液B−4を得た。
得られた乳化液B−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子B−5を得た。
得られた固形粒子B−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して白色粒子B−6得た。得られた白色粒子B−6をふるいにより分級し、平均粒径が13μmでシリコーンオイル中で負に帯電する白色粒子(電気泳動粒子保持粒子A)を得た。
電気泳動粒子保持粒子Aを作製する際に得られた白色粒子B−6に対して、更に帯電制御のためシランカップリング剤γ-APS(信越化学社製、KBM903)で表面処理を行った。その後、電気泳動粒子保持粒子Aを作製する際と同様にしてふるいにより分級し、平均粒径が13μmでシリコーンオイル中で正に帯電する白色粒子を得た。
図8に示す構成を有する表示媒体を以下の手順で作製した。
まず、50mm×50mm、厚さ0.7mmのガラスから構成される透明基板の片面に透明電極としてITO膜をスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。
まず、組み立て直後の表示媒体の透明電極側がマイナスとなるように両電極に20Vの電圧を、表示面の表示濃度が十分飽和するまで印加した。この時、表示面は濃い赤色が表示されていた。
続いて、透明電極側をプラスとして、両電極に0Vから徐々に電圧を上げつつ、各々の電圧値で十分な時間印加したところ、電圧が20V以上の電圧で、表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化した。
その結果、印加時間が、0.5s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、閾電圧(の絶対値)が5Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が100μmであるから、500V/cmであることがわかった。
次に、表示状態の維持性(メモリー性)を、最大濃度(濃い赤色)、最小濃度(完全な白色)、中間濃度(薄い赤色)の3水準で評価した。
メモリー性の評価は、電圧を印加して表示状態を最大濃度、最小濃度または中間濃度とした後に、電圧の印加を中止し、その時の表示面の反射率をX−Rite社製X−Rite404により求め、これを初期反射率とした。また、電圧の印加を中止してから1日間放置した後の表示面の反射率を同様に測定し、これを放置後反射率として、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
なお、中間濃度は、最大濃度を表示している状態から、透明電極側をプラスとして、閾電圧に相当する電圧を所定の時間(閾電圧で電界を印加した場合において表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要する時間の半分の時間)だけ印加した後の表示状態とした。
○:|100×放置後反射率/初期反射率|が、95%以上98%未満の範囲内。
△:|100×放置後反射率/初期反射率|が、85%以上95%未満の範囲内。
×:|100×放置後反射率/初期反射率|が、85%未満。
実施例1において、電気泳動粒子Aをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液の代わりに、電気泳動粒子Bをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
なお、実施例2の表示媒体における閾電圧(の絶対値)が200Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が100μmであるから、20kV/cmであることがわかった。また、閾電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は0.2sであった。また、メモリー性を評価した結果を表1に示す。
実施例1において、電気泳動粒子Aをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液の代わりに、電気泳動粒子Cをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
なお、実施例2の表示媒体における閾電圧(の絶対値)が1Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が100μmであるから、100V/cmであることがわかった。また、閾電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は1sであった。また、メモリー性を評価した結果を表1に示す。
実施例1において、電気泳動粒子保持粒子Aの代わりに、反射部材Aを用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
<電気泳動粒子Dの作製>
電気泳動粒子Dとして、顔料ベースの粒子(色材の含有率8重量%、平均粒径0.3μm、マゼンタ色)を下記方法で作成した。
エチレン−メタクリル酸の共重合体(ニュークレルN699;デユポン社製、エチレン/メタクリル酸の共重合比(モル比)=89/11)を40重量部と、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)を8重量部と、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)を2重量部の混合物をステンレスビーカーに投入した後、オイルバスにて120℃に加熱しながら、1時間撹拌を続け、溶融した樹脂、顔料および帯電制御剤の均一な溶融体を調製した。得られた溶融物を撹拌をしながら徐々に室温まで冷却し、さらに、ノルパー15(エクソン社製)を100重量部添加した。
系の温度が低下してゆくにつれて顔料、帯電制御剤を包含した粒径10〜20μmの母粒子が析出してきた。析出した母粒子100gを01型アトライターに投入し、直径0.8mmのスチール鋼球を用いて粉砕した。粉砕は、遠心沈降式粒度分布測定器(SA−CP4L;島津製作所製)で体積平均粒子径をモニターしながら粒子径が1.2μmになるまで粉砕を続けた。
得られた濃縮粒子20部(粒子濃度18重量%)を粒子分散液に対する粒子濃度が2重量%になるようにあらかじめ75℃で加熱溶融させた160重量部のエイコサン(C20H42、融点36.8℃)で希釈し十分に拡販を行った。
得られた粒子分散液を、吸引ろ過・水洗を5回繰り返し、マゼンタ色の電気泳動粒子粒子Dを得た。この電気泳動粒子Dの平均粒径は0.3μmであり、シリコーンオイル中での帯電極性は正極性だった。
白色粒子として、ポリマ粒子( 酸化チタン(注:酸化チタンが白色色材です。)の含有率40〜70%、主成分:ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm)を下記方法で作製した。
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、酸化チタン(石原産業社製、タイペークCR63)17重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液D−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液D−1と同様の操作を行い分散液D−2を得た。
分散液D−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液D−3を得た。
分散液D−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液D−3を加えて乳化し、乳化液D−4を得た。
得られた乳化液B−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子D−5を得た。
得られた固形粒子D−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して白色粒子D−6得た。得られた白色粒子B−6をふるいにより分級し、平均粒径が5μmでシリコーンオイル中で負に帯電する白色粒子(電気泳動粒子保持粒子D)を得た。
電気泳動粒子保持体Dとして、エレクトレット特性を持つ不織布であるトレミクロンEM020(東レ:目付20g/m2、厚さ150μm)を用意した。
まず、50mm×50mm、厚さ0.7mmのガラスから構成される透明基板の片面に透明電極としてITO膜をスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。
まず、組み立て直後の表示媒体の透明電極側がプラスとなるように両電極に0Vから20Vずつ電圧をあげつつ、各々の電圧値で10秒間電圧を印加することで、各々の電圧値の電圧印加時に表示面の表示濃度が十分飽和するまで印加した。この時、各値の電圧を上記10秒間印加した直後のEM020に付着している白色粒子の状態を顕微鏡(キーエンス社製、商品名 VHXデジタルマイクロスコープ、倍率:500倍)で確認したところ、100V以下の電圧を印加した直後においては、白色粒子が表示媒体に設けられたEM020の繊維表面に初期状態のまま付着していることが確認され、透明電極から20μmの範囲内の領域に付着している白色粒子は電圧印加によっても増加しなかった。そして、200V以上の電圧を印加した直後においては、表示媒体内の白色粒子のほとんどがEM020の透明電極から20μmの範囲内の領域に付着していることが確認された。これは、電圧印加による白色粒子を移動させる力が、白色粒子とEM020を構成する繊維との間の相互作用の大きさを上回ったためだと考えられる。
その結果、印加時間が、3s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Dの閾電圧(の絶対値)が250Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、21kV/cmであることがわかった。
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例4において、表示媒体内に充填されている電気泳動粒子Dの閾値電圧は、250Vであり、白色粒子の閾値電圧は、180Vであった。このため、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、各々21kV/cm、15kV/cmであることがわかった。また、各々閾電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は5s、8sであった。
なお、電気泳動粒子D及び白色粒子各々の閾値電圧は、実施例4において作製した表示媒体において、電気泳動粒子Dを含み且つ白色粒子を含む構成、及び電気泳動粒子Dを含まず且つ白色粒子を含む構成、の各々の構成の表示媒体を作製して測定することで測定した。メモリー性を評価した結果を表2に示す。
<電気泳動粒子Eの作製>
電気泳動粒子Eとして、ポリマ粒子(色材の含有率20%、平均粒径5μm、マゼンタ色)を下記方法で作成した。
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)5重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液E−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液E−1と同様の操作を行い分散液E−2を得た。
分散液E−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液E−3を得た。
分散液E−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液E−3を加えて乳化し、乳化液E−4を得た。
得られた乳化液E−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子E−5を得た。
得られた固形粒子E−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して粒子E−6得た。得られた粒子E−6をふるいにより分級し、平均粒径が5μmでシリコーンオイル中で負に帯電するマゼンタ色粒子(電気泳動粒子保持粒子E)を得た。
電気泳動粒子Fとして、ポリマ粒子(色材の含有率20%、平均粒径13μm、シアン色)を下記方法で作成した。
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、シアン顔料(銅フタロシアニンブルー;大日精化社製)5重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液F−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液F−1と同様の操作を行い分散液F−2を得た。
分散液F−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液F−3を得た。
分散液F−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液F−3を加えて乳化し、乳化液F−4を得た。
得られた乳化液F−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子F−5を得た。
得られた固形粒子F−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して粒子F−6得た。得られた粒子F−6をふるいにより分級し、平均粒径が13μmでシリコーンオイル中で負に帯電するシアン色粒子(電気泳動粒子保持粒子F)を得た。
なお、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fは、シリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に、各々含有率5重量%、含有率5重量%分散させた分散液(とし、実施例4と同様にして60μlEM020に滴下した。
その結果、印加時間が、5s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Eの閾電圧(の絶対値)が180Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、15kV/cmであることがわかった。また、シアン色の電気泳動粒子Fの閾電圧(の絶対値)が80Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、7kV/cmであることがわかった。
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例5において、表示媒体内に充填されている電気泳動粒子E(マゼンタ色)及び電気泳動粒子F(シアン色)の内の、マゼンタ色の電気泳動粒子Eのみが表示面側に存在する状態を最大濃度とし、背面基板側に全て移動したときを最小濃度としてメモリー性の評価を行った。メモリー性を評価した結果を表2に示す。
電気泳動粒子として、実施例5で作製した電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fを用い、上記実施例5で用いたトレミクロンEM020に換えて、エルタスアクアPA3023(旭化成せんい社製、目付23g/m2、厚み200μm)を用いて、実施例5と同様にして表示媒体を作製した。
なお、表示媒体の隔壁の高さは、エルタスアクアPA3023の厚みにあわせて200μmとした。
このように、実施例4とは逆に、除々に印加電圧を上昇させたところ、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fの内の電気泳動粒子Eが先に表示面側に移動することが観察された。なお、上記各電圧10V〜50Vの電圧印加時間を上記より長く(30秒)にしたところ、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fの双方が表示面側に移動した。
この実施例6の場合に用いた電気泳動粒子保持体としてのエルタスアクアPA3023の帯電量は小さく電気泳動粒子の電気泳動に影響を与えるほどの大きさではないため、実施例6の場合には、電気泳動粒子保持体(エルタスアクアPA3023)の帯電量が電気泳動粒子の電気泳動に与える影響は小さいと考えられる。
その結果、印加時間が、7s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Eの閾電圧(の絶対値)が35Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、1700V/cmであることがわかった。また、シアン色の電気泳動粒子Fの閾電圧(の絶対値)が50Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、2500V/cmであることがわかった。
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例6において、表示媒体内に充填されている電気泳動粒子E(マゼンタ色)及び電気泳動粒子F(シアン色)の内の、マゼンタ色の電気泳動粒子Eのみが表示面側に存在する状態を最大濃度とし、背面基板側に全て移動したときを最小濃度としてメモリー性の評価を行った。メモリー性を評価した結果を表2に示す。
<電気泳動粒子保持体の調整>
エルタスアクアPA3023を、板面温度が180℃のホットプレート(アズワン社製、商品名 HI−1000)上に3秒間置いた後に、ホットプレートから剥がして自然冷却した。
なお、表示媒体の作製においては、熱処理を行ったPA3023の熱処理を行った側の面が表示面側の電極(透明電極)に接するように、PA3023を配置することにより、図21に示す表示媒体を作製した。
なお、実施例7の表示媒体において、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Eの閾電圧(の絶対値)が45Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、2200V/cmであることがわかった。また、シアン色の電気泳動粒子Fの閾電圧(の絶対値)が60Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、3000V/cmであることがわかった。また、閾値電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は、12秒であった。メモリー性を評価した評価結果を表2に示した。
20 電気泳動粒子保持体
30 調光層
32 調光層30の一方の側
34 調光層30の他方の側
40 透明基板
42 基板
50 透明電極
52 電極
60 電界印加手段
100、110、120表示媒体
200 透明基板
202 表示面
204 背面基板
206 隔壁
210 透明電極
220 背面電極
300、300C、300M、300Y 電気泳動粒子
302 分散媒
400 電気泳動粒子保持粒子
410 電気泳動粒子保持体
500 電界印加手段
Claims (33)
- 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
前記一対の基板間に配置され、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、
を少なくとも備え、
前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体。 - 前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記保持体が、2以上の粒子状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記保持体が、前記全種類の電気泳動粒子とは異なる色であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記保持体が、繊維の集合体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記保持体が、前記電気泳動粒子の通過する空隙を有する多孔質体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記保持体が、白色であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記電気泳動粒子が、色及び前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記電気泳動粒子が、種類間で互いに体積平均一次粒径の異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 前記電気泳動粒子が、前記分散媒に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体と、
を少なくとも備え、
前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体。 - 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項13に記載の表示媒体。
- 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項13に記載の表示媒体。
- 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
前記一対の基板間に配置され、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を含む調光層と、
前記一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置された一対の電極と、
該一対の電極に接続され、前記分散媒に対して電界を印加する電界印加手段と、
を少なくとも備え、
前記電気泳動粒子は、前記電圧印可手段によって印加された電界により、少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示装置。 - 前記保持体に保持された状態の前記電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であり、
前記電界印加手段が、
電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値以上である電圧で電界を印加し続ける第一の区間と、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値未満である電圧で電界を印加し続ける第二の区間とを1周期とする波形で構成され、且つ、
少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の波形が下式(1)を満たす電圧波形を有する電界を、前記分散媒に対して印加することを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
・式(1) Ep<Emax
〔式(1)において、Epは、下式(2)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で前記調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
〔式(2)中、tは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、前記時間tにおける電圧(V)を表す。〕 - 前記保持体が、2以上の粒子状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記保持体が、前記全種類の電気泳動粒子とは異なる色であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記保持体が、繊維の集合体を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記保持体が、前記電気泳動粒子の通過する空隙を有する多孔質体を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記保持体が、白色であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記電気泳動粒子が、色及び前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記電気泳動粒子が、種類間で互いに体積平均一次粒径の異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 前記電気泳動粒子が、前記分散媒に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
- 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体を含む調光層と、
前記一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置された一対の電極と、
該一対の電極に接続され、前記分散媒に対して電界を印加する電界印加手段と、
を少なくとも備え、
前記電気泳動粒子は、前記電圧印可手段によって印加された電界により、少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示装置。 - 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項28に記載の表示装置。
- 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項28に記載の表示装置。
- 分散媒と、該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、を含む調光層に対して、
電位勾配が形成され、且つ、前記電気泳動粒子を、前記保持体を介して移動させる電界を印加することにより、
前記調光層の一方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最大濃度となるように表示を行う第1の表示工程と、
前記調光層の他方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最小濃度で表示を行う第2の表示工程と、
前記調光層の前記一方の側と前記他方の側との間に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、前記最大濃度よりも小さく且つ前記最小濃度よりも大きい濃度で表示を行う第3の表示工程と、
を任意の順で実施して表示の切り替えを行うことを特徴とする表示方法。 - 前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であることを特徴とする請求項31に記載の表示方法。
- 前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値を有し、
前記調光層に対して印加される電界の電圧波形が、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値以上である電圧で電界を印加し続ける第一の区間と、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値未満である電圧で電界を印加し続ける第二の区間と、を1周期とする波形で構成され、且つ、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の波形が下式(3)を満たすことを特徴とする請求項31に記載の表示方法。
・式(3) Ep<Emax
〔式(3)において、Epは、下式(4)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
〔式(4)中、tは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、前記時間tにおける電圧(V)を表す。〕
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