JP4049202B1 - 表示媒体、表示装置および表示方法 - Google Patents

表示媒体、表示装置および表示方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4049202B1
JP4049202B1 JP2006339017A JP2006339017A JP4049202B1 JP 4049202 B1 JP4049202 B1 JP 4049202B1 JP 2006339017 A JP2006339017 A JP 2006339017A JP 2006339017 A JP2006339017 A JP 2006339017A JP 4049202 B1 JP4049202 B1 JP 4049202B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display
electrophoretic particles
electrophoretic
electric field
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006339017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008139803A (ja
Inventor
恭史 諏訪部
義則 町田
清 重廣
智 辰浦
昌昭 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2006339017A priority Critical patent/JP4049202B1/ja
Priority to US11/806,829 priority patent/US7656576B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4049202B1 publication Critical patent/JP4049202B1/ja
Publication of JP2008139803A publication Critical patent/JP2008139803A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/165Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on translational movement of particles in a fluid under the influence of an applied field
    • G02F1/166Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on translational movement of particles in a fluid under the influence of an applied field characterised by the electro-optical or magneto-optical effect
    • G02F1/167Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on translational movement of particles in a fluid under the influence of an applied field characterised by the electro-optical or magneto-optical effect by electrophoresis
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/165Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on translational movement of particles in a fluid under the influence of an applied field
    • G02F1/1685Operation of cells; Circuit arrangements affecting the entire cell

Abstract

【課題】優れた表示状態の維持性を有し、且つ、1画素単位でも中間調の表示が可能な表示媒体、表示方法、及び表示装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、を少なくとも備え、前記保持体は、外部電圧により、前記保持体上の前記電気泳動粒子の移動量が制御される機能を有することを特徴とする表示媒体、この表示媒体への表示方法、及びこの表示媒体へ表示を行う表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体、表示装置および表示方法に関するものである。
環境に配慮した表示媒体として、帯電した粒子を電界中に置いた際に、電気泳動する現象を利用して表示を行う表示媒体が知られている。この表示媒体では、電界が印加されない状態でも表示された画像が消えずに維持されるいわゆるメモリー性を有しているため、消費電力が少ないというメリットがある。また、このメリットを生かすためには、表示媒体は反射型とし、特に鮮明な表示が行えるようにすることが重要である。
鮮明な表示が行える表示媒体としては、例えば、一対の基板間に、一方の基板側から他方の基板側方向あるいはその逆方向へと向かう光を遮る隠蔽性のある球状体を配置し、表示粒子(粒子)が、これら球状体の間隙を通過できるようにした構成を有するものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この表示媒体においては、球状体と表示粒子との光学特性に差を持たせることで、表示の鮮明さを得ている。
特開2003−186062号公報 特開2005−326570号公報
本発明は、優れた表示状態の維持性を有し、且つ、1画素単位でも中間調の表示が可能な表示媒体、表示装置および表示方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
請求項1に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、を少なくとも備え、前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体である。
請求項2に係る発明は、前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項に係る発明は、前記保持体が、2以上の粒子状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項に係る発明は、前記保持体が、前記全種類の電気泳動粒子とは異なる色であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項に係る発明は、前記保持体が、繊維の集合体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項に係る発明は、前記保持体が、前記電気泳動粒子の通過する空隙を有する多孔質体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項に係る発明は、前記保持体が、白色であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項10に係る発明は、前記電気泳動粒子が、色及び前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項1に係る発明は、前記電気泳動粒子が、種類間で互いに体積平均一次粒径の異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項1に係る発明は、前記電気泳動粒子が、前記分散媒に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項13に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体と、を少なくとも備え、前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体である。
請求項14に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項13に記載の表示媒体である。
請求項15に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項13に記載の表示媒体である。
請求項1に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を含む調光層と、前記一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置された一対の電極と、該一対の電極に接続され、前記分散媒に対して電界を印加する電界印加手段と、を少なくとも備え、前記電気泳動粒子は、前記電圧印可手段によって印加された電界により、少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示装置である。
請求項1に係る発明は、前記保持体に保持された状態の前記電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であり、前記電界印加手段が、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値以上である電圧で電界を印加し続ける第一の区間と、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値未満である電圧で電界を印加し続ける第二の区間とを1周期とする波形で構成され、且つ、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の波形が下式(1)を満たす電圧波形を有する電界を、前記分散媒に対して印加することを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
・式(1) Ep<Emax
〔式(1)において、Epは、下式(2)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で前記調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
Figure 0004049202

〔式(2)中、tは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、前記時間tにおける電圧(V)を表す。〕
請求項1に係る発明は、前記保持体が、2以上の粒子状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項1に係る発明は、前記保持体が、前記全種類の電気泳動粒子とは異なる色であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項20に係る発明は、前記保持体が、繊維の集合体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項2に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項2に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項2に係る発明は、前記保持体が、前記電気泳動粒子の通過する空隙を有する多孔質体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項2に係る発明は、前記保持体が、白色であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項2に係る発明は、前記電気泳動粒子が、色及び前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項2に係る発明は、前記電気泳動粒子が、種類間で互いに体積平均一次粒径の異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項2に係る発明は、前記電気泳動粒子が、前記分散媒に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
請求項28に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体を含む調光層と、前記一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置された一対の電極と、該一対の電極に接続され、前記分散媒に対して電界を印加する電界印加手段と、を少なくとも備え、前記電気泳動粒子は、前記電圧印可手段によって印加された電界により、少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示装置である。
請求項29に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項28に記載の表示装置である。
請求項30に係る発明は、前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項28に記載の表示装置である。
請求項31に係る発明は、分散媒と、該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、を含む調光層に対して、電位勾配が形成され、且つ、前記電気泳動粒子を、前記保持体を介して移動させる電界を印加することにより、前記調光層の一方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最大濃度となるように表示を行う第1の表示工程と、前記調光層の他方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最小濃度で表示を行う第2の表示工程と、前記調光層の前記一方の側と前記他方の側との間に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、前記最大濃度よりも小さく且つ前記最小濃度よりも大きい濃度で表示を行う第3の表示工程と、を任意の順で実施して表示の切り替えを行うことを特徴とする表示方法である。
請求項32に係る発明は、前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であることを特徴とする請求項31に記載の表示方法である。
請求項33に係る発明は、前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値を有し、前記調光層に対して印加される電界の電圧波形が、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値以上である電圧で電界を印加し続ける第一の区間と、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値未満である電圧で電界を印加し続ける第二の区間と、を1周期とする波形で構成され、且つ、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の波形が下式(3)を満たすことを特徴とする請求項31に記載の表示方法である。
・式(3) Ep<Emax
〔式(3)において、Epは、下式(4)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
Figure 0004049202

〔式(4)中、tは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、前記時間tにおける電圧(V)を表す。〕
請求項1に係る発明によれば、電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を有しない場合に比べて、優れた表示状態の維持性を有し、且つ1画素単位でも中間調の表示を行うことができるという効果を奏する。また、粒子及び保持体の帯電極性を調整することで、容易に保持体が粒子を保持する機能を調整することができるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を有しない場合に比べて、優れた表示状態の維持性を有し、且つ1画素単位でも中間調の表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに表示状態の切替えを向上させるという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに、より多くの色表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに繊維の太さと繊維間距離を調整することで、容易に粒子を保持する機能を調整することができるという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに容易に階調表現を行うことができるという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに一対の基板の向かい合う面における良好な表示状態の維持性を実現することができるという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに、使用する多孔質体の表面積に応じ、より多くの粒子を保持できるという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに、白色度を向上させることができるという効果を奏する。
請求項10に係る発明によれば、さらに、画質劣化を抑制して鮮明な多色表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項11に係る発明によれば、さらに、各種類の粒子が保持体に保持される機能を容易に調整することができるという効果を奏する。
請求項12に係る発明によれば、さらに1画素単位で多色表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項16に係る発明によれば、電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を有しない場合に比べて優れた表示状態の維持性を有し、且つ1画素単位でも中間調の表示する表示方法を提供することができるという効果を奏する。
請求項17に係る発明によれば、電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を有しない場合に比べて、優れた表示状態の維持性を有し、且つ1画素単位でも中間調の表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項18に係る発明によれば、さらに表示状態の切替えを向上させるという効果を奏する。
請求項19に係る発明によれば、さらに、より多くの色表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項20に係る発明によれば、さらに繊維の太さと繊維間距離を調整することで、容易に粒子を保持する機能を調整することができるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに容易に階調表現を行うことができるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに一対の基板の向かい合う面における良好な表示状態の維持性を実現することができるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに、使用する多孔質体の表面積に応じ、より多くの粒子を保持できるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに、白色度を向上させることができるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに、画質劣化を抑制して鮮明な多色表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに、各種類の粒子が保持体に保持される機能を容易に調整することができるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに1画素単位で多色表示を行うことができるという効果を奏する。
請求項31に係る発明によれば、電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を有しない場合に比べて優れた表示状態の維持性を有し、且つ1画素単位でも中間調の表示する表示方法を提供することができるという効果を奏する。
請求項32に係る発明によれば、さらに表示状態の維持性の低下を抑制することができると共に、低電力で容易に粒子を移動させることができるという効果を奏する。
請求項33に係る発明によれば、さらに画質劣化を抑制して鮮明な多色表示を行うことができるという効果を奏する。
本実施の形態の表示方法は、分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子)と、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体(以下、電気泳動粒子保持体と称する)と、を含む調光層に対して、電位勾配が形成され、且つ、前記電気泳動粒子が、前記電気泳動粒子保持体を介して移動させる電界を印加することにより、前記調光層の一方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最大濃度となるように表示を行う第1の表示工程と、前記調光層の他方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最小濃度で表示を行う第2の表示工程と、前記調光層の前記一方の側と前記他方の側との間に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、前記最大濃度よりも小さく且つ前記最小濃度よりも大きい濃度で表示を行う第3の表示工程と、を任意の順で実施して表示の切り替えを行う。
ここで、本実施の形態に用いられる電気泳動粒子および電気泳動粒子保持体は、分散媒中で、電気二重層を形成しており、いずれか一方が正、他方が負に帯電する場合や、電気泳動粒子のみが帯電した場合がある。さらに、本発明に用いられる電気泳動粒子および電気泳動粒子保持体は、その帯電電位が、以下の特性を満たすように設定されたものが用いられる。
すなわち、電気泳動粒子が、電気泳動粒子保持体表面やその周辺に位置する場合には、静電力を主とした物体間に作用する力や電気泳動粒子保持体の構造による立体障害を利用して電気泳動粒子は電気泳動粒子保持体表面に保持される。但し、その表面に電気泳動粒子を保持した電気泳動粒子保持体が、所定の電界強度以上の電界中に置かれた場合には、電気泳動粒子は、静電的な吸着力や立体障害等に打ち勝って電気泳動粒子保持体の表面に保持された状態から離脱して移動することができる。
なお、電気泳動粒子と電気泳動粒子保持体との付着力(すなわち、保持する機能)を制御するために、物体間に作用する力としては、静電力の他に、磁力や分子間力も併用できる。
なお、上記立体障害を利用した電気泳動粒子の保持とは、電気泳動粒子保持体の構成(詳細後述)にもよるが、電気泳動粒子保持体を構成する繊維や粒子等の部材によって電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面を移動することが阻止された状態を示している。
ここで「電気泳動粒子保持体の表面」とは、電気泳動粒子保持体と該電気泳動粒子保持体の外部との境界に接する該電気泳動粒子保持体の領域を示しており、電気泳動粒子保持体の外周面や、電気泳動粒子保持体が孔を有する構成である場合にはこの孔の内周面等を示している。
また、「最大濃度」とは、電界により表示面側に一種類の粒子の95%以上望ましくは98%以上が偏在し、表示面から粒子の色が見える状態を示している。
具体的には、最大濃度とは、調光層の一方の側における色濃度を光学濃度(Optical Density=OD)はX-rite社の反射濃度計で測定しながら、調光層の該一方の側と他方の側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に除々に変化(印加電圧値を増加または減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
また、「最小濃度」とは、電界により表示面と反対側に一種類の粒子の95%以上望ましくは98%以上が偏在し、表示面からは粒子の色が見えない状態を示している。
具体的には、最小濃度とは、調光層の一方の側における色濃度を光学濃度(Optical Density=OD)はX-rite社の反射濃度計で測定しながら、調光層の該一方の側と他方の側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が低下する方向に除々に変化(印加電圧値を減少または増加)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
なお、電気泳動粒子保持体は、その表面に(外周面及び内周面の少なくとも一方)電気泳動粒子を付着させて保持する機能を有するが、当該「保持」とは、重力の影響によって、電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面から離脱が起こらない程度の付着力が電気泳動粒子保持体表面と電気泳動粒子との間に作用していることを意味する。より具体的には、本実施の形態の表示方法を利用した表示媒体において、調光層に電界を印加して画像を形成した後に、調光層への電界の印加を停止した状態を継続した際に、画像形成時の反射率を基準(100%)として、画像形成後から10日後における反射率の変動が、±5%以内であることを意味する。
また、電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体の極性や帯電電位は、これら部材を構成する主材料や、その他必要に応じて用いられる帯電制御剤や分散剤などの添加剤を選択することによって、上述した特性が得られるように容易に制御することができる。さらに、電気泳動粒子保持体は、調光層に電界が印加された際に、電気泳動しないものであることが必要である。例えば、電気泳動粒子保持体を調光層中の所定の位置に動かないように固定したり、あるいは、電界が印加されても移動することができないほどの自重を有する部材によって電気泳動粒子保持体を構成することができる。なお、電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体の詳細については後述する。
それゆえ、調光層に電界が印加された際に、その電界の電界強度が、電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が前記電気泳動粒子保持体表面から離脱させて分散媒中を移動させることが可能な電界強度であれば、電気泳動粒子が、調光層中を、電位勾配方向に沿って移動することができる。
これに対して、調光層に印加された電界が、電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が前記電気泳動粒子保持体表面から離脱できない電界強度である場合や、電界が調光層に印加されなければ、電気泳動粒子は電気泳動粒子保持体表面に保持され続けることになる。従って、本実施の形態の表示方法を利用すれば優れた表示状態の維持性を得ることができる。
また、印加する電界の強度や、電界を印加する時間を選択することによって、従来の表示媒体と同様に1画素単位で最大濃度および最小濃度の表示(第1の表示工程および第2の表示工程)が実施できるのみならず、最大濃度と最小濃度との間の任意の濃度、すなわち、中間調の表示(第3の表示工程)も実施することができる。
なお、この「最大濃度」及び「最小濃度」については、上記説明した定義と同一であるため説明を省略する。
次に、本実施の形態の表示方法の表示原理を、図面を用いてより詳細に説明する。図1〜7は、本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図であり、粒子状の1個の電気泳動粒子保持体表面やその周辺に存在する電気泳動粒子の移動又は電気泳動粒子保持体表面の付着位置について示したものである。
図中、10は電気泳動粒子、20が電気泳動粒子保持体、30が調光層、32が調光層30の一方の側、34が調光層30の他方の側、40が透明基板(透光性を有する基板)、42が基板、50が透明電極、52が電極、60が電界印加手段を表す。
なお、図中に示す例では、電気泳動粒子10は正に帯電し、電気泳動粒子保持体20は負に帯電しており、電界印加手段60によって調光層30に印加される電界は、電気泳動粒子保持体20表面に対して静電的に付着し保持されている電気泳動粒子10が、電気泳動粒子保持体20表面から離脱して、分散媒中を移動することが可能な電界強度を有するものとする。また、電気泳動粒子保持体20は、電界が印加された場合でも移動しないように、調光層30中に固定されており、且つ、電気泳動粒子10とは異なる色に着色しているものとする。
ここで、図1(A)は、調光層30の他方の側34に電気泳動粒子10が偏在した状態を示し、図1(B)は、図1(A)に示される電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察した状態を示し、図2は、図1(A)に示される状態において、透明電極50をマイナス、電極52をプラスとして調光層30に電界を印加し、電気泳動粒子10が調光層30の他方の側34から調光層30の一方の側32へと移動している状態を示し、図3(A)は、図2に示す電界を印加した状態が終了し、調光層30の一方の側32と調光層30の他方の側34との間に電気泳動粒子10が偏在した状態を示し、図3(B)は、図3(A)に示される電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察した状態を示し、図4は、図3(A)に示される状態において、透明電極50をマイナス、電極52をプラスとして調光層30に電界を印加し、電気泳動粒子10が調光層30の他方の側34から調光層30の一方の側32へと移動している状態を示す。
また、図5(A)は、図4に示す電界を印加した状態が終了し、調光層30の一方の側32と調光層30の他方の側34との間に電気泳動粒子10が偏在した状態を示し、図5(B)は、図5(A)に示される電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察した状態を示し、図6は、図5(A)に示される状態において、透明電極50をマイナス、電極52をプラスとして調光層30に電界を印加し、電気泳動粒子10が調光層30の他方の側34から調光層30の一方の側32へと移動している状態を示し、図7(A)は、図6に示す電界を印加した状態が終了し、調光層30の一方の側32に電気泳動粒子10が偏在した状態を示し、図7(B)は、図7(A)に示される電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察した状態を示す。
図1〜図7に示されるように、調光層30は、対向配置された一対の透明基板40、42間に設けられており、調光層30の透明基板40が配置された側が調光層30の一方の側32、調光層30の基板42が配置された側が調光層30の他方の側34を表す。また調光層30には、透明基板40と基板42との間隙に等しい直径を有する電気泳動粒子保持体20と、この電気泳動粒子保持体20よりも小さい直径を有する電気泳動粒子10と、分散媒(図中、不図示)とが含まれる。
また、透明基板40の基板42が配置された側の面には透明電極50が設けられ、基板42の透明基板40が配置された側の面には電極52が設けられ、これら一対の透明電極50、52は電界印加手段60に接続されている。これにより、調光層30に電界を印加した場合には、調光層30の一方の側32から調光層30の他方の側34方向(あるいはその逆方向)に電位勾配が形成されることになる。
次に、表示動作について説明する。まず、図1に示される状態では、調光層30の他方の側34に電気泳動粒子10が偏在しているため、電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察すると、電気泳動粒子10は電気泳動粒子保持体20によって隠されてしまう。このため、透明基板40側から調光層30を観察すると、電気泳動粒子10に起因する色濃度は最小濃度となる。
続いて、図2に示すように電界を印加すると電気泳動粒子10は、調光層30の他方の側34から、調光層30の一方の側34へと、電気泳動粒子保持体20の表面やその周辺に沿って移動し、電界の印加を中止すると図3に示される状態となる。
図3に示される状態では、調光層30の一方の側32と調光層30の他方の側34との間で且つ調光層30の他方の側34寄りの位置に、電気泳動粒子10が偏在している。このため、電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察すると、電気泳動粒子10の大部分は電気泳動粒子保持体20によって隠されてしまうため確認できないが、一部は電気泳動粒子保持体20表面に保持されていることが確認される。このため、透明基板40側から調光層30を観察すると、電気泳動粒子10に起因する色濃度は最小濃度よりもやや高い濃度(中間調の表示)となる。
続いて、図4に示すように電界を印加すると電気泳動粒子10は、調光層30の他方の側34から、調光層30の一方の側34へと、電気泳動粒子保持体20の表面やその近傍に沿って移動し、電界の印加を中止すると図5に示される状態となる。
図5に示される状態では、調光層30の一方の側32と調光層30の他方の側34との間で且つ調光層30の一方の側32寄りの位置に、電気泳動粒子10が偏在している。このため、電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察すると、電気泳動粒子10の一部は電気泳動粒子保持体20によって隠れてしまうため確認できないが、大部分は電気泳動粒子保持体20表面に保持されていることが確認される。このため、透明基板40側から調光層30を観察すると、電気泳動粒子10に起因する色濃度は図3に示される状態の色濃度よりもより高い濃度(中間調の表示)となる。
続いて、図6に示すように電界を印加すると電気泳動粒子10は、調光層30の他方の側34から、調光層30の一方の側34へと、電気泳動粒子保持体20の表面やその近傍に沿って移動し、電界の印加を中止すると図7に示される状態となる。
図7に示される状態では、調光層30の一方の側32に電気泳動粒子10が偏在しているため、電気泳動粒子保持体20を、調光層30の一方の側32から観察すると、電気泳動粒子10の殆ど全てが電気泳動粒子保持体20表面に保持されていることが確認される。このため、透明基板40側から調光層30を観察すると、電気泳動粒子10に起因する色濃度は最大濃度となる。
一方、上記に説明したように、電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面から離脱させることが可能な電界強度以上の電界を調光層に印加することにより、一の表示状態から他の表示状態へと表示を切り替えることが可能である。ここで、一の表示状態から他の表示状態へと表示を切り替えるために必要となる電界強度の範囲は特に限定されるものではないが、実用上利用可能な電源や、本実施の形態の表示方法を利用した表示媒体の利用用途に適した調光層の厚みなどを考慮すると、一定の範囲内の値であることが好ましい。
上記観点からは、電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が、電気泳動粒子保持体表面から離脱して分散媒中を通過する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であることが望ましく、300V/cm〜10kV/cmの範囲内であることがより好ましい。
電界の閾値の絶対値が100V/cm未満の場合には、メモリー性が劣化する場合があり、電界の閾値の絶対値が30kV/cmを超える場合には、表示の切り替えに要するエネルギー消費量が増大しすぎてしまう場合がある。
なお、「電界の閾値」とは、調光層に印加する電界の電界強度であって、この電界強度の絶対値が、閾電界値(V/m)の絶対値以上である場合において、電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面から離脱して分散媒中を移動でき、その逆の場合は電気泳動粒子が電気泳動粒子保持体表面に保持されたままの状態を維持することを意味する値である。
また、本実施の形態の表示方法においては、調光層に印加される電界は、中間調の表示も実施できるように、電圧値や、電圧波形、電界の印加時間等が設定されればよい。ここで、電圧波形としては、実用上は矩形状の波形を有するものが好適であるが、電圧波形はこの矩形状の波形に限定されるものではなく、例えば、サイン波状の波形や不定形な波形を有するものであってもよい。
なお、本発明においては、調光層に電界を印加する場合には、調光層に対する電位勾配方向は常に一定であり、且つ、調光層に対して電界を印加するために利用する電極は、電位勾配方向に対して常に一定の距離を保つように配置される。この場合、調光層に対して印加される電界の電圧(V)と、電界強度(V/cm)とは比例関係を有するため、電界の閾値(V/cm)に対応する閾電圧(V)が存在する。
一方、表示状態を切り替えながら表示を行う場合、調光層に対して印加される電界の電圧波形は、電圧の絶対値が電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値以上である電圧で電界を印加し続ける第一の区間と、電圧の絶対値が電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値未満である電圧で電界を印加し続ける第二の区間(但し、第二の区間は電圧が0V、すなわち電界を印加しない状態も含む)とを1周期とする波形で構成されることになる。
なお、a周期目(aは1以上の整数を意味する)の第一の区間の電圧が正、a+1周期目の第一の区間の電圧が負である場合、a周期目の第一の区間とa+1周期目の第一の区間との間の第二の区間の継続時間は0としてもよい。
ここで、中間調の表示を行う場合には、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の波形が下式(1)を満たすことが好ましい。
・式(5) Ep<Emax
〔式(5)において、Epは、下式(6)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
Figure 0004049202


〔式(6)中、tは、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、時間tにおける電圧(V)を表す。〕
なお、電気泳動粒子として、電界の閾値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を用いる場合には、式(5)は、少なくともいずれか1種の電気泳動粒子の電界の閾値に対応する閾電圧や、最小濃度、最大濃度を基準として適用することができる。
また、式(5)に示す電圧・時間積量Emaxの計算方法は特に限定されないが、例えば、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の電圧値V(t)のt=0からtpまでにおける平均電圧Vaveで電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示状態が変化するのに要した時間tcを求め、Vaveとtcとの積として求めることができる。
しかし、実用上は、調光層に対して印加される電界の電圧波形は、少なくとも第一の区間において一定の電圧(第1の電圧)を維持するものであることが好ましい。更に、第二の区間において一定の電圧(第2の電圧)を維持するものであること(即ち、矩形状の電圧波形)がより好ましい。
電圧波形が、少なくとも第一の区間において一定の電圧(第1の電圧)を維持するものである場合には、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間において、第1の電圧で調光層に対して電界が印加される時間Tpが下式(7)を満たせば、中間調の表示を行うことができる。
・式(7) Tp<Tmax
ここで、式(7)中、Tpは、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間において、調光層に対して第1の電圧(V)で電界が印加される時間(s)を表し、Tmaxは、調光層に対して第1の電圧(V)で電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する時間(s)を表す。
なお、Tpの値は下式(8)を満たすように設定されることが好ましい。
Figure 0004049202

ここで、式(8)中、nは2以上の整数を表し、aは1以上n以下の整数を表し、且つ、この値が増加するに伴い、(2種以上の電気泳動粒子を用いる場合は、いずれか1種の電気泳動粒子に起因する)表示濃度が最小濃度側から最大濃度側の方向(あるいはその逆方向側)へと変化することを意味し、Tp(a)は、調光層に対して第1の電圧(V)で電界が印加される時間(s)を表し、且つ、0を超えTmax未満の時間を取り得る値を意味する。
式(8)を満たすことにより、1画素単位においても、n+1段階の階調表示が可能となる。ここで言う、2階調という意味は、最小濃度と最大濃度の2つの表示濃度(例えば白状態と黒状態)があることを表し、4階調であれば、最大濃度と最小濃度の間に2つの異なる中間濃度の状態があることを示している。
ここで、「中間濃度」とは、基本的に反射(光学)濃度のことを指し(測定は、上記と同様にX-rite社のX-rite404で行う)、上記説明した最大濃度と最小濃度の間に、等間隔に近い間隔で複数の濃度状態がある状態を指している。
なお、Tp(1)・・・Tp(a)・・・、Tp(n)の各々の値は必ずしも同一である必要はなく、a番目の表示状態からa+1番目の表示状態へと移行した際の表示濃度の変化と、a+1番目の表示状態からa+2番目の表示状態へと移行した際の表示濃度の変化とが、視覚的に等しくなるように設定されることが特に好ましい。
また、最大濃度および最小濃度以外の表示状態(1番目およびn+1番目以外の表示状態)を表示している場合に初期状態(最小濃度または最大濃度)へと表示状態を切り替える場合、第1の電圧で電界を印加する時間は、初期状態へと表示状態を切り替えるのに最低限必要な時間以上であれば特に限定されない。
なお、式(8)を満たす場合において、nは2以上であることが必要であるが、4以上であることがより好ましく、上限は特に限定されるものではないが、256以下であることが好ましく、64以下であることがより好ましい。必要以上に階調数を設定すると、表示駆動のためのメモリー量が必要となり部品コストが上がり、回路基板が大きくなる。また、階調を表現するための画像データ処理に時間がかかり表示までの待ち時間が長くなる。
−表示媒体−
次に、本実施の形態の表示方法を利用した表示媒体について説明する。本実施の形態の表示媒体は、本発明の表示方法が実施可能な構成を有するものであれば特に限定されないが、以下の構成を有することが特に好ましい。
すなわち、本実施の形態の表示媒体は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を付着させて保持する機能を有する電気泳動粒子保持体と、を少なくとも備えている。
この電気泳動粒子保持体は、外部電圧により、電気泳動粒子保持体上の電気泳動粒子の移動量が制御される機能を有している。
この「移動量」とは、本実施の形態では、電気泳動粒子保持体表面、すなわち電気泳動粒子保持体の外周面や、孔を有する構成である場合にはこの孔の内周面等の任意の領域に保持された状態から離脱して、分散媒中を移動して電気泳動粒子表面の他の領域に保持された状態へまたは電気泳動粒子保持体から離れた領域へと移動するときの移動量を示している。具体的には、この「移動量」は、上記説明した、電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が、前記電気泳動粒子保持体表面から離脱して前記分散媒中を通過する電界の閾値の絶対値によって表される。なお、この「電気泳動粒子保持体表面に保持された状態の電気泳動粒子が、前記電気泳動粒子保持体表面から離脱して前記分散媒中を通過する電界の閾値の絶対値」は、上述した範囲を満たしていることが特に好ましい。
本実施の形態の表示媒体は、本実施の形態の表示方法が実施可能な構成を有するため、メモリー性に優れる上に、中間調の表示も行うことができる。但し、中間調の表示を実施する場合には、中間調の表示が行えるように電圧波形等を制御した電界(例えば、既述した式(5)や式(7)、式(8)を満たす電圧波形を有する電界)を印加する。この場合、この電圧波形を有する電界が印加可能な外部電界印加手段を用いればよい。しかしながら、本実施の形態の表示媒体を利用して表示を行う場合、必ずしも中間調の表示に適した電界を印加しなければならないわけではなく、必要であれば、アナログ的表示に適した電界を印加してもよい。
なお、表示媒体を構成する一対の基板間に位置する部材(分散媒や、電気泳動粒子、電気泳動粒子保持体等)への電界の印加、すなわち、調光層への電界の印加は、表示媒体が一対の電極を内蔵する場合はこれらの電極を利用して実施でき、表示媒体が一対の電極を内蔵しない場合は、外部電極を利用して実施することも可能である。しかし、外部電源に接続するだけで利用できることから、表示媒体には一対の電極が内蔵されていることが好ましい。この場合、調光層への電界の印加に利用する電極は一対の基板の基板同士が対向する面側に配置されていることがより好ましく、また、一対の基板のうちの透光性を有する基板(透明基板)側には、透光性を有する電極(透明電極)が設けられる。
なお、本実施の形態の表示媒体には、分散媒に1種類以上の電気泳動粒子が含まれていればよいが、分散媒中に含まれる電気泳動粒子は、分散媒に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、分散媒中を電気泳動可能な電界の閾値の絶対値も互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子から構成されることが好ましい。これによりカラー表示を行うことができる。
また、実用的なカラー表示が可能である点からは、上述した2種類以上の電気泳動粒子としては、分散媒に分散した状態で、赤色に発色する電気泳動粒子と、緑色に発色する電気泳動粒子と、青色に発色する電気泳動粒子とから構成されることが特に好ましい。
ここで、「分散媒に1種類以上の電気泳動粒子が含まれる」とは、一対の基板間に封入される分散媒が、隔壁によって複数のセルに区分される場合は、各セルに含まれる分散媒に1種類以上の電気泳動粒子が含まることを意味する。
一方、一対の基板の間隙に、当該間隙を仕切る隔壁を設けることにより1種類の電気泳動粒子を含む分散媒が封入されたセルが配置される場合において実用的なカラー表示を行う場合には、セルが、分散媒に分散した状態で赤色に発色する電気泳動粒子を含む分散媒が封入されたセル(Rセル)、分散媒に分散した状態で緑色に発色する電気泳動粒子を含む分散媒が封入されたセル(Gセル)、および、分散媒に分散した状態で青色に発色する電気泳動粒子を含む分散媒が封入されたセル(Bセル)の3種類から構成されることが特に好ましい。
この場合、Rセル、Gセル、Bセルから構成される3つのセル(3画素)を1画素として、カラー表示の制御を行うことができる。これら3つのセルは、互いに隣接または近接する位置に配置される。
−電気泳動粒子保持体−
電気泳動粒子保持体は、その表面に電気泳動粒子を付着させて保持する機能を有するものであれば特に限定されないが、酸化チタン、酸化亜鉛等の材料から構成される無機材料粒子や、メタクリル酸メチル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の材料から構成される有機材料粒子などの粒子状の部材(電気泳動粒子保持粒子)や、ゼラチンや多孔質シリカなどの多孔質体、ポリアクリルアミドなどの網目構造を持つ高分子等の網目構造体や、(互いに独立した紐状の素材が規則的または不規則に絡み合った状態の)繊維の集合体等が利用できる。
なお、使用する電気泳動粒子の帯電極性や、電気泳動粒子に対する付着力が、表示状態の維持性の発揮と中間調の表示とがバランスよく両立できるように、電気泳動粒子保持体を構成する材料を選択したり、必要に応じて電気泳動粒子保持体に表面処理を施したりすることができる。
すなわち電気泳動粒子を付着させて保持する機能は、電気泳動粒子保持体は、上述のように電気泳動粒子保持体を構成する材料を選択したり、必要に応じて電気泳動粒子保持体に表面処理を施したり、全種類の電気泳動粒子と少なくとも一部分を逆の極性に帯電するように帯電極性及び帯電量を調整したり、空隙率や、孔の開口率や、孔の径等を調整することによって実現することができる。
電気泳動粒子保持体として、電気泳動粒子保持粒子を用いる場合は、一対の基板間に少なくとも2以上の粒子状の部材(電気泳動粒子保持粒子)が配置されていればよいが、実用上は、電気泳動粒子保持粒子をこれら粒子が互いに動けない程度の密度で充填することが好ましい。また、少なくともいずれか一方の基板表面に、1層以上積層して熱融着などを利用して固定した状態で配置してもよい。なお、必要であれば電気泳動粒子保持体としての機能を有さない粒子状の部材と混合して用いてもよいが、基本的には、電気泳動粒子保持粒子だけを用いることが好ましい。
電気泳動粒子保持粒子の平均粒径としては特に限定されるものではないが、これら粒子を一対の基板間に充填したり、基板表面に積層して配置した場合に互いに隣接する電気泳動粒子保持粒子の間隙を電気泳動粒子が通過できる程度の平均粒径を有していることが好ましい。
それゆえ、電気泳動粒子保持粒子の平均粒径は、全種類の電気泳動粒子の平均粒径の10倍以上であることが好ましく、25倍以上であることが好ましい。電気泳動粒子保持粒子の平均粒径は、全種類の電気泳動粒子の平均粒径の10倍未満では、互いに隣接する電気泳動粒子保持粒子の間隙を電気泳動粒子が通過できなくなるため、表示状態の切り替えが困難となる場合がある。なお、電気泳動粒子保持粒子の平均粒径の上限は特に限定されないが、一対の基板間の距離(調光層の厚み)と同等あるいはそれ以下である。
電気泳動粒子保持粒子の平均粒径は、表示媒体に用いる電気泳動粒子保持粒子をSEMまたはTEMにより観察し、得られたSEM像またはTEM像をもとに10個の粒子の面積から求めた粒径の平均値として求めた。同様に、全種類の電気泳動粒子の平均粒径についても、各種類の電気泳動粒子10個について上述と同様にして面積から求めた粒径の平均値を求め、さらに全種類の平均値の和を、電気泳動粒子の種類数で割ることによって平均値を求めた。
ここで、一対の基板間に封入される分散媒が、隔壁によって複数のセルに区分される場合、電気泳動粒子保持粒子や全種類の電気泳動粒子の平均粒径などの粒子の形状・サイズなどに関するパラメーター値は、セル単位で求められる値を意味する。
一方、電気泳動粒子保持体として、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体を用いる場合、これらの部材は、一対の基板間に充填したり、少なくともいずれか一方の基板表面に熱融着などを利用して固定した状態で配置することができる。
なお、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径としては、電界が印加された際に、全種類の電気泳動粒子がこれら部材中を移動することができるサイズであれば特に限定されないが、具体的には、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径は、最も平均粒径の大きい種類の電気泳動粒子の平均粒径や繊維の集合体の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることが好ましい。多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径が、全種類の電気泳動粒子の平均粒径の10倍未満では、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の孔中を電気泳動粒子が通過できなくなるため、表示状態の切り替えが困難となる場合がある。なお、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径の上限は特に限定されないが、大きすぎる場合には単位体積中の多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の表面積が小さくなりすぎて中間調の表示が困難となる可能性や、電気泳動粒子の保持機能が低下する可能性があるため、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径は100μm以下であることが好ましい。
多孔質体や網目構造体や繊維の集合体の平均孔径は、これら部材断面のSEM観察により求めた。平均孔径は、これら部材断面に観察される孔の任意の100点について孔径を測定し、各点における孔径の平均値として求めた。
また、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体として構成した電気泳動粒子保持体の空隙率としては20%以上60%以下であることが表示に必要な数の泳動粒子を含有させ、所望の保持力を維持し、かつ保持体の発色特性も十全に発揮させるとの理由から好ましく、30%以上50%以下であることがより好ましい。
上記繊維の集合体として、単に繊維を寄せ集めた塊状体や、高密度に配列したもの、繊維を撚ってなる糸を編成した編み物状のもの、ネット状のもの、或いは製織してなる織物状のもの、繊維同士が一部融着したり互いに絡み合ったりしてなる不織布状のもの、ウエブ状のもの、シート状のものなどが挙げられる。
繊維の集合体の一例には、不織布、高分子フィルム、布、紙等を挙げることができる。これらの中でも、不織布を用いることが望ましい。これは、不織布の場合、繊維径と繊維間距離とを独立に設計することができるため、電気泳動粒子を保持する機能を容易に調整することができるためである。
上記繊維の集合体を構成する繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリプロピレン、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素化樹脂等を適用することができる。特に望ましく適用できるのは、コロナ処理による帯電が容易との理由から、ポリプロピレンおよびPTFE系繊維である。
また、この繊維の集合体の密度は、表示に必要な数の泳動粒子に対し所望の保持力を維持し、かつ物理的強度を維持するとの理由から、繊維目付け10〜70g/mの範囲が良く、20〜50g/mの範囲がより良い。
繊維の集合体を構成する繊維の径は、0.1μm〜20μmの範囲、望ましくは0.1〜3μmの範囲にあることが、十分な表面積を確保し、かつ物理的強度を確保するとの理由から好ましい。
電気泳動粒子保持体として、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体を用いる場合には、繊維の集合体の密度、空隙率、平均開口径、及び電気的特性等を調整することで、電気泳動粒子の保持力を調整することができる。
電気泳動粒子保持体の色は、電気泳動粒子の色と異なるものであれば特に限定されないが、通常は着色していることが好ましい。
なお、電気泳動粒子保持体は、透明であってもよいが、この場合は、例えば、電気泳動粒子保持粒子と、電気泳動粒子保持体としての機能を有さない着色した粒子状の部材と混合して用いたりする必要がある。これは、電気泳動粒子保持体が透明である場合、この部材によって光を遮蔽し、一対の基板の透明でない方の基板側に偏在する電気泳動粒子を、透明基板側からみた場合に隠蔽する機能(隠蔽機能)が欠落するため、第3の表示工程を実施しても中間調の表示を行うことができなくなるからである。それゆえ、透明な電気泳動粒子保持体を用いる場合は、隠蔽機能を有する他の部材と併用する必要がある。
なお、電気泳動粒子保持体は白色であることが最も好ましい。この場合、第2の表示工程を実施し終えた状態で、白色を表示することができる。
なお、電気泳動粒子保持体の極性や帯電性は、電気泳動粒子保持体を構成する主たる材料そのものによって制御することもできるが、必要に応じて帯電制御剤を添加することが好ましい。
帯電制御剤としては、例えば、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子などが利用できる。
また、電気泳動粒子保持体の帯電性を制御するために必要に応じて表面処理を施したものを用いることができる。
表面処理方法としては、シランカップリング剤などの表面処理剤による化学的処理法や電気泳動粒子表面に何らかの物理的刺激を付与して表面改質する物理的処理法が挙げられるが、本発明においては、化学的処理法を利用することが好ましい。
使用可能な表面処理剤は、例えば、疎水性処理には、シラン系化合物やシリコーン化合物、脂肪酸類等が利用でき、親水性処理にはアルコール、親水性樹脂、無機酸化物等が利用できる。
ここで疎水性処理に用いられるシラン系化合物としては、電気泳動粒子本体と反応する反応性部分と疎水性部分とを含む分子構造を持つ公知のシランカップリング剤が利用できる。
具体的には、Octadecyltrimethoxysilane、Phenethyltrimethoxysilane、Aminopropyltriethoxysilane、3−Aminopropyltrimethoxysilane、Metacryloxytrimethoxysilane、Methoxytrimethylsilane、3−Aminopropyldiethoxymethylsilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropyltrimethoxysilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropylmethyldimethoxysilane等を挙げることができる。
疎水性処理に用いられるシリコーン化合物としては、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等を挙げることができる。
疎水性処理に用いられる脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ヒドロキシ脂肪酸、カプロン酸、カプリル酸、パルミチン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、エルカ酸、これらの、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩またはエステル等を挙げることができる。
親水性処理に用いられるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等を挙げることができる。
親水性処理に用いられる親水性樹脂としては、アクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができる。
親水性処理に用いられる無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア等を挙げることができる。
なお、電気泳動粒子が軟磁性材料や、強磁性材料を含む場合、電気泳動粒子保持体には、磁性材料が含まれていてもよい。これによって、電気泳動粒子と電気泳動粒子保持体との間に働く付着力を静電力に加えて磁力によっても制御することが可能である。
ここで、電気泳動粒子が軟磁性材料を含む場合には、電気泳動粒子保持体には、強磁性材料を添加することができ、電気泳動粒子が強磁性材料を含む場合には、電気泳動粒子保持体には、軟磁性材料または強磁性材料を添加することができる。電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体に用いることができる磁性材料としては公知のものが利用できるが、軟磁性材料としては、例えば、ケイ素鋼、パーマロイ、アモルファス金属材料などが利用でき、強磁性材料としては酸化鉄、炭素鋼、フェライト、サマリウムなどが利用できる。なお、電気泳動粒子や電気泳動粒子保持体に用いられる磁性材料の種類や添加量は、所望の閾電界値が得られるように選択することができる。また、泳動粒子として利用できる着色した磁性粉としては、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。
−電気泳動粒子−
本発明に用いられる電気泳動粒子は、電界中に置かれた場合に電界勾配方向に沿って分散媒中を移動できるように、正負いずれかの極性に帯電する特性を有する粒子として、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子、及び分散媒に分散した状態で発色する特性を有する粒子等を用いることができる。
電気泳動粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
また、電気泳動粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤を挙げることができる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示することができる。
また、空気を内包した多孔質のスポンジ状粒子や中空粒子は白色粒子として使用できる。
電気泳動粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子を挙げることができる。
電気泳動粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等、選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiO2やTiO2等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
電気泳動粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが好ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。この無機粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理することができる。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
上記外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが好ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性を制御でき、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善することができる。
外添剤の一次粒子は、一般的には5〜100nmであり、望ましくは10〜50nmであるが、これに限定されない。
外添剤と電気泳動粒子の配合比は、電気泳動粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると粒子表面から該外添剤の一部が遊離し、これが他方の粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、粒子100重量部に対して、0.01〜3重量部、より望ましくは0.05〜1重量部である。
電気泳動粒子の表面に外添剤を添加する場合は、電気泳動粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、電気泳動粒子表面を加熱して外添剤を粒子表面に強固に固着することが望ましい。これにより、外添剤が電気泳動粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の凝集体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
上記電気泳動粒子を作成する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料および帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用できる。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散液を作成してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤および/または着色剤の分解点より低い温度で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤および分散媒の原材料を分散および混錬することができる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて電気泳動粒子を作成することができる。
さらにまた、分散および混練のための粒状媒体を装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミルの等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を好ましい温度範囲、例えば80〜160℃で分散および混練する方法が使用できる。粒状媒体としては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が好ましく用いられる。この方法によって電気泳動粒子を作成するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状媒体によって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状媒体は冷却中および冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断および/または、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
次に、分散媒に分散した状態で発色する特性を有する電気泳動粒子を説明する。
ここで、「分散媒に分散した状態で発色する」とは、電気泳動粒子が分散媒中に分散している状態で、電気泳動粒子が分散している分散液を目視したときに観測できる色相を呈することをいう。なお、この場合の色相の観測は、目視方向に対する分散液の厚みが10μm〜1cm程度の範囲内で観測されることを意味する。色相は、電気泳動粒子の形状や粒径等、また電気泳動粒子を構成する材料等を変化させることにより多彩とすることができる。
なお、一対の基板間に封入される分散媒が、隔壁によって複数のセルに区分される場合、電気泳動粒子の極性は少なくともセル単位で同じであればよい。
分散した状態で発色する電気泳動粒子としては、有機顔料、無機顔料、着色ガラス、染料等の着色剤や、これら着色剤を含んでなる樹脂粒子、また、金属粒子などが利用でき、必要に応じて、これら粒子の表面にシランカップリング剤等により表面処理を施したものも利用できる。一例を挙げれば、懸濁重合法により作製される黒色のカーボンを分散させたPMMA(ポリメチルメタアクリレート)樹脂から構成される粒子を用いることができる。
なお、着色剤として用いられる有機顔料、無機顔料、染料としては公知のものが利用できるが、有機顔料としては、例えばアゾ系顔料、ポリ縮合アゾ系顔料、メタルコンプレックスアゾ系顔料、フラバンスロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラピリジン系顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、チオインジゴ系顔料、インダンスレン系顔料等が挙げられ、無機顔料としては、例えば亜鉛華、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、アンチモン白、カーボンブラック、鉄黒、硼化チタン、ベンガラ、マピコエロー、鉛丹、カドミウムエロー、硫化亜鉛、リトポン、硫化バリウム、セレン化カドミウム、硫酸バリウム、クロム酸鉛、硫酸鉛、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、鉛白、アルミナホワイト等が挙げられ、染料としては、たとえば、ニグロシン系染料、フタロシアニン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、メチン系染料等が挙げられる。
なお、着色剤を含んでなる樹脂粒子は、例えば、着色剤を分散させた樹脂固形物を混練粉砕する等の公知の乾式製法や、着色剤や樹脂等の原料を分散させた分散液中で造粒して樹脂粒子を得る公知の湿式製法により作製したものが利用できる。
分散状態で発色する電気泳動粒子としては、金属粒子も利用でき、必要に応じて、この粒子の表面にシランカップリング剤等により表面処理を施したものも利用できる。なお、金属粒子としては貴金属を含む金属粒子が特に好ましい。
電気泳動粒子として利用される金属粒子は、プラズモン発色機能を有し、粒子そのものが発色する特性を有する。
金属粒子のプラズモン発色は、電子のプラズマ振動に起因し、プラズモン吸収と呼ばれる発色機構によるものである。このプラズモン吸収による発色は、金属中の自由電子が光電場により揺さぶられ、粒子表面に電荷が現れ、非線形分極が生じるためであるとされている。この金属粒子による発色は、彩度や光線透過率が高く、耐久性等に優れている。この金属粒子による発色は、粒径が数nm〜数十nm程度の、いわゆるナノ粒子において見られるものである。なお、色相の鮮やかさの観点からは、粒径分布がより狭い金属粒子であるほど有利である。それゆえ、金属粒子の平均粒径(体積平均粒径)としては1〜100nmの範囲内であることが好ましく、5〜50nmの範囲内であることが好ましい。
金属粒子は、この粒子に含まれる金属の種類や、粒子の形状、体積平均粒径により、様々な色に発色させることができる。そのため、これらを制御した金属粒子を用いることにより、RGB発色を含む様々な色相を得ることができる。それゆえ、分散媒中にプラズモン発色機能を有する金属粒子を分散させた分散液を用いて表示媒体作製すればカラー表示が可能である上に、R、G、Bに対応した各色の金属粒子分散液を用いればRGB方式の表示媒体を作製することもできる。
RGB方式のR、G、Bそれぞれの色を呈するための金属粒子の体積平均粒径としては、用いる金属や、粒子の調製条件、形状等に依存するため、特に限定することができないが、例えば、金コロイド粒子の場合、体積平均粒径が大きくなるに従って、R発色、G発色、B発色を呈する傾向にある。
本発明における体積平均粒径の測定方法としては、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折、散乱光の強度分布パターンから平均粒径を測定する、レーザ回折散乱法を採用する。例えば、日機装社製マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300を用いて粒径の測定が可能である。
金属粒子に含まれる金属としては、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の公知の貴金属類が好ましく、特に金および/または銀が好ましい。また、貴金属類以外の金属(例えば、銅)なども利用できる。また、金属粒子には2種類以上の金属が含まれていてもよい。
また、電気泳動粒子の帯電性を制御するために、必要に応じて電気泳動粒子表面を表面処理(親水性処理又は疎水性処理)することもできる。
表面処理方法としては、シランカップリング剤などの表面処理剤による化学的処理法や電気泳動粒子表面に何らかの物理的刺激を付与して表面改質する物理的処理法が挙げられるが、本発明においては、化学的処理法を利用することが好ましい。
使用可能な表面処理剤は、電気泳動粒子の粒子本体を構成する材料との親和性も考慮して選択することができるが、例えば、疎水性処理には、シラン系化合物やシリコーン化合物、脂肪酸類等が利用できる。
ここで疎水性処理に用いられるシラン系化合物としては、電気泳動粒子本体と反応する反応性部分と疎水性部分とを含む分子構造を持つ公知のシランカップリング剤が利用できる。
具体的には、Octadecyltrimethoxysilane、Phenethyltrimethoxysilane、Aminopropyltriethoxysilane、3−Aminopropyltrimethoxysilane、Metacryloxytrimethoxysilane、Methoxytrimethylsilane、3−Aminopropyldiethoxymethylsilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropyltrimethoxysilane、N−(2−Aminoethyl)−3−aminopropylmethyldimethoxysilane等を挙げることができる。
疎水性処理に用いられるシリコーン化合物としては、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等を挙げることができる。
疎水性処理に用いられる脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ヒドロキシ脂肪酸、カプロン酸、カプリル酸、パルミチン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、エルカ酸、これらの、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩またはエステル等を挙げることができる。
また、電気泳動粒子保持体が、電気泳動粒子に対して大きいサイズや自重を有するものである場合、静電力以外に電気泳動粒子の粒径を制御することによって、電気泳動粒子保持体との間に作用する分子間力を制御し、両者の付着力を制御することも可能である。
なお、「電気泳動粒子保持体が、電気泳動粒子に対して大きいサイズや自重を有する」とは、電気泳動粒子保持体の質量が、電気泳動粒子の質量の100倍以上であることを意味し、「電気泳動粒子保持体」が電気泳動粒子から構成される場合は、その平均粒径が電気泳動粒子の平均粒径の10倍以上であることを意味する。
−分散媒−
分散媒は、少なくとも絶縁性の液体を含むものであり、その体積抵抗値としては103Ωcm以上であることが好ましく、107Ωcm〜1019Ωcmであることがより好ましく、1010〜1019Ωcmであることが更に好ましい。体積抵抗値をこの範囲内とすることで、より効果的に、電極反応に起因する分散媒の電気分解による気泡の発生が抑制でき、通電毎に電気泳動粒子の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性を付与することができる。また、分散媒には、上記体積抵抗値の絶縁性の液体の他に、必要に応じて酸、アルカリ、塩、界面活性剤などの分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができるが、上述の体積抵抗値の範囲内となるように添加することが好ましい。また、分散媒の粘度としては特に限定されないが1〜100mPa・sの範囲内が好適である。
分散媒に用いられる液体としては、公知の水溶性有機溶媒や疎水性有機溶媒が利用でき、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、フッ素オイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用できる。
また、上記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も好適に使用することができる。
なお、上述に列挙した液体の中でも、電圧が印加されてもより分解しにくいヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン、シリコーンオイル等の疎水性有機溶媒を用いることが好適であり、シリコーンオイルを用いることが特に好適である。
シリコーンオイルが特に好適な理由は、従来の電気泳動方式の表示媒体に用いられていたヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン等の分散媒と比べて、(1)より高い電圧を印加しても分散媒が分解し難い、(2)粘性が高いために、金属粒子を電気泳動させた場合に激しい対流が起こりにくく、この激しい対流に起因するコントラストの低下や表示の乱れが起こりにくい、(3)表示媒体の作製に際して、表示媒体の分散媒を封入する空間に金属粒子を分散させた分散液を減圧充填する場合に分散媒の揮発が起こりにくいという特性を有するためである。
シリコーンオイルとしては公知のシリコーンオイルであれば特に制限なく利用できる。
(1)抵抗値は10Ωcm以上であることが好ましく、10Ωcm〜1019Ωcmであることがより好ましく、1010〜1019Ωcmであることが更に好ましい。(2)粘度は1〜1000cst、1〜100cstであることがより好ましい。具体的には、信越化学社製KF−96、Dow corning社製DOW CORNING 200、GE東芝シリコーン社製TSF451などのジメチルシリコーンオイルが使用できる。また、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性シリコーンオイル(例えば信越化学社製KF−393、X22−3710)なども使用できる。
−基板および電極−
本実施の形態の表示媒体に用いられる基板としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、シリコーン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体、ポリオレフィンなどの高分子のフイルムや膜状基板、ガラス基板、金属基板、セラミック基板等の無機基板などが好ましく用いられる。
表示媒体に用いる一対の基板のうちの少なくとも一方は、可視光に対して光透過性を有する基板(透明基板)が用いられる。透過型の表示媒体を作製する場合には、双方の基板共に透明基板が用いられるが、本実施の形態の表示媒体は、基本的には反射型であることが好ましいため、この場合、透明基板に対向配置されるもう一方の基板(背面基板)としては、光透過性を有さない基板が用いられる。従って、以下の説明においては、特に説明が無い限り、反射型の表示媒体であることを前提として説明するが、本発明の表示媒体は反射型にだけ限定されるものではない。
なお、本発明において、「光透過性を有する」とは、可視域の波長を有する光に対する光透過率が少なくとも50%以上であることを意味し、80%以上であることが好ましく、光透過率は100%が最も好ましい。
透明基板としては、ガラス基板や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂から構成される透明樹脂基板を用いることが好ましく、これらを組み合わせたものを用いてもよい。また、背面基板としては、透明基板と同じ材質のものを利用してもよいが、不透明あるいは着色した基板も利用でき、たとえばABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)やガラスエポキシ樹脂などから構成される樹脂基板を用いることができる。
また、基板には必要に応じて電極を設けることもできる。例えば、透明基板の調光層側の面に電極を設ける場合、ITO(Indium Tin Oxide)などから構成される透光性を有する電極(透明電極)が利用できる。また背面電極の調光層側の面に電極を設ける場合には、ITOなどの透明の導電性材料から構成される透明電極を用いることもできるが、銅などの金属から構成される電極を設けることもできる。
これら電極は、基板表面に帯状に設けることによって、透明基板側の電極と背面基板側の電極とが直交するように、いわゆる行と列とに電極を配置したものとしてもよい。また、背面基板の調光層側の面に電極を設ける場合、この電極を保護する目的で、この電極表面を被覆するように樹脂や無機材料から構成される絶縁膜を設けることもできる。
また、基板には、必要に応じて配線、薄膜トランジスタ、金属・絶縁層・金属構造を持つダイオード、バリアブルコンデンサ、強誘電体等の駆動用スイッチング素子を形成してもよい。
−その他の部材−
表示媒体には、分散媒等の内容物の表示媒体外部への流出を防いだり、一対の基板間に封入される分散媒等から構成される調光層を隔壁によって複数のセルに区分する場合ために、一対の基板間に隔壁が設けられる。
この隔壁の高さは、特に限定されるものではなく、通常20μm〜1mm程度である。
また、隔壁の幅は、特に限定されるものではないが、一般的には幅が小さい方が、表示媒体の解像度の観点より有効であり、通常、10μm〜1mm程度である。
また、隔壁の材料としては、絶縁性を有すると共に分散媒に対して溶解しない材料であれば特に限定されず、例えば、公知の感光性樹脂やゴムなどを用いることができる。
なお、本実施の形態では、「絶縁性」とは、体積抵抗率が10Ω・cm以上であることを示している。また、「導電性」とは、体積抵抗率が10−3Ω・cm以下であることを示している。
加えて、表示媒体の作製に際して、隔壁と基板とを接着するために、接着剤を利用することもできる。接着剤としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂、紫外光硬化性樹脂等を使用することができるが、隔壁の材料や、調光層等を構成する材料に影響を与えない材料が選択される。
更に、必要に応じて、一対の基板の間隙幅を一定に保つために、リブを設けたり、一対の基板の間隙幅と同サイズの粒子を配置してもよい。
−表示媒体の製造方法−
表示媒体の製造方法は特に限定されないが、例えば以下のプロセスにより作製することができる。まず、一対の基板として、透明基板と、背面基板とを準備する。これら基板としては電極が予め設けられていてもよい。続いて、透明基板又は背面基板のいずれか一方の調光層側の面に隔壁を形成した後、両者を貼り合わせる。なお、貼り合わせに際しては、例えば電気泳動粒子保持粒子などの電気泳動粒子保持体を、一対の基板間に充填する。続いて、隔壁形成時に予め設けておいた分散媒の注入口から1種類以上の電気泳動粒子を含む分散媒を注入し、注入口を封止することにより表示媒体を得ることができる。
−表示装置−
次に、以上に説明した本実施の形態の表示媒体を用いた表示装置について説明する。本発明の表示装置は、本発明の表示媒体が、一対の基板間に封入された分散媒に対して電界が印加可能な位置に一対の電極を内蔵する場合に、この一対の電極に接続され、分散媒に電界を印加する電界印加手段を更に備えたものである。ここで、一対の電極は、一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置される。
例えば、背面基板の透明基板側の面に背面電極が設けられ、透明基板の表示面と反対側の面に透明電極が設けられる場合には、これら一対の電極に電界印加手段が接続される。これにより、表示を行う場合に、表示媒体外部の電界印加手段を利用することなく表示を行うことができる。
なお、表示装置に用いられる電界印加手段としては、中間調の表示が行えるように、印加する電界の電圧波形や電界印加時間等が制御される制御機能を備えたものであれば特に限定されないが、通常は、既述した式(5)を満たす電圧波形を有する電界を、分散媒に対して印加可能なものが用いられ、式(7)や式(8)を満たす電圧波形を有する電界を、分散媒に対して印加可能なものが用いられることがより好ましい。それゆえ、電界印加手段としては、例えば、印加する電界の電圧波形が式(5)や式(7)、式(8)を満たす制御ができる制御回路を内蔵していたり、プログラムがインストールされた電界印加手段が利用できる。
また、電界印加手段としては、必要に応じて交流電源、直流電源のいずれも利用でき、電極を介して調光層に交流電圧と直流電圧とを重畳して印加する場合には双方を併用することもできる。
−表示媒体(表示装置)の具体例−
以下、表示媒体の具体例を、図面を用いて説明するが、本実施の形態の表示媒体は、以下に説明する例にだけ限定されるものではない。
図8は、本実施の形態の表示媒体の一例を示す概略模式図であり、図中、100は表示媒体、200は透明基板、202は表示面、204は背面基板、206は隔壁、210は透明電極、220は背面電極、300は電気泳動粒子、302は分散媒、401は電気泳動粒子保持体、400は、電気泳動粒子保持粒子、500は電界印加手段を表す。
図8に示す表示媒体100は、一方の面が表示面202を構成し、他方の面に透明電極210が設けられた透明基板200と、この透明基板200の透明電極210が設けられた面に対向して配置され、透明基板200が配置された側の面に背面電極220が設けられた背面基板204と、透明基板200と背面基板204との間隙の端部に配置され当該間隙部分を封止するように配置された隔壁206と、透明基板200と背面基板204との間隙に封入された電気泳動粒子300を含む分散媒302と、一対の透明基板200、204間に配置された電気泳動粒子保持体401と、を含むものである。
ここで、一対の透明基板200、204と隔壁206とで囲まれた領域は調光層に相当する。また、この表示媒体100の透明電極210および背面電極220は、分散媒302に電界が印加できるように電界印加手段500が接続されており、例えば、式(7)や式(8)を満たす矩形状の電圧波形(いわゆるパルス波)を有する電界を印加することができる。さらに、電気泳動粒子保持体401は、複数の電気泳動粒子保持粒子400の集合体からなり、複数の電気泳動粒子保持粒子400が互いに動けない程度の密度で一対の基板間200、204間に充填配置されて構成されている。
次に、表示媒体100の動作の一例について、電気泳動粒子保持粒子400が白色で且つ負に帯電し、電気泳動粒子300が赤色で且つ正に帯電しているとした場合について説明する。
まず、図8に示すように、電気泳動粒子300が、透明基板200側に存在する電気泳動粒子保持粒子400の透明基板200と対向する側の表面に偏在して存在している場合において、表示媒体100を表示面202側から観察した場合、濃い赤色(最大濃度またはこれに準じた濃度)が観察される。
ここで、透明電極210をマイナス、背面電極220をプラスとして、完全に最大濃度となるように十分な時間、電界を印加して、この電界を印加し終えた状態を初期状態とする。
なお、電界印加中は、電気泳動粒子300が透明電極210表面に引き付けられるが、電界が除去されると、透明電極210表面から離脱し易くなる。しかし、電気泳動粒子300が、透明電極210表面から離脱したとしても、透明電極210表面周辺の電気泳動粒子保持粒子400表面(透明電極210側周辺の表面)に付着し保持されるため、電界が除去された後の表示濃度は、経時的に安定して維持されることになる。
次に、初期状態から、例えば、式(8)を満たし、且つ、式(8)における整数n=3となるようにパルス波状の電圧波形を有する電界を印加すると、濃い赤(最大濃度)、やや濃い赤、やや薄い赤、および、白(最小濃度)の4階調表示が可能となる。
また、いずれかの段階の階調で表示した後に電界を除去した状態を維持しても、電気泳動粒子300は、電界を除去した直後と同様に電気泳動粒子保持粒子400表面の同じ位置に付着し保持され続けるため、経時的な表示濃度の変化が起こらない。
次に、電気泳動粒子保持体として、多孔質体又は網目構造体から構成される電気泳動粒子保持体を用いた表示媒体の一例について説明する。
図9は、本実施の形態の表示媒体の他の例を示す概略模式図であり、図中、110は表示媒体、410は、図8に示す電気泳動粒子保持粒子400の集合体から構成される電気泳動粒子保持体401に換えて、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410を表し、その他の符号で示される部材は、図8に示されるものと同様の機能を有するものである。
図9に示す表示媒体110は、基本的には、図8に示す表示媒体100と同様の構成を有するものであるが、電気泳動粒子保持体として、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410を用いた点において表示媒体100と異なるものである。この多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410は、調光層中を移動できないように一対の基板間200、204間に充填配置されている。この表示媒体110についても、図8に示す表示媒体100と同様の表示を行うことが可能である。
なお、表示媒体110の一対の基板間200、204間に充填配置される多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410は、図9に示すように、一対の基板間200、204の向かい合う方向における電気泳動粒子300の保持機能が均一となるように設けられていても良いが、一対の基板間200、204の向かい合う方向における電気泳動粒子300の保持機能が透明基板200及び背面基板204の少なくとも一方から離れる方向に向かって連続的または段階的に小さくなるように充填配置されていてもよい。
表示媒体110の透明基板200と背面基板204との間に、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410を充填配置する場合には、電気泳動粒子保持体を電気泳動粒子保持粒子400の集合体で構成する場合に比べて、通気度や開口率や繊維間距離や孔の密度等を調整することが容易である。また、電気泳動粒子保持体を連続した部材としての連続体として構成することができ、電気泳動粒子保持体の、電気泳動粒子300を保持する機能における部分的な調整が可能となる。
具体的には、図21に示すように、透明基板200と背面基板204との間に充填配置されている電気泳動粒子保持体410の内、透明基板200側に配置されている電気泳動粒子保持体410Aの電気泳動粒子300の保持機能が大きく、透明基板200から遠い領域すなわち背面基板204側に配置されている電気泳動粒子保持体410Bの電荷移動粒子300の保持機能が透明基板200に近い領域に比べて小さくなるように、電気泳動粒子保持体410を充填配置してもよい。
また、図22に示すように、透明基板200と背面基板204との間に充填配置されている電気泳動粒子保持体410の内、透明基板200に近い領域に配置されている電気泳動粒子保持体410Aと、背面基板204に近い領域に配置されている電気泳動粒子保持体410Cの電気泳動粒子300の保持機能が大きく、透明基板200と背面基板204との双方からこれらの基板間の向かい合う方向に向かって離れるほど電気泳動粒子300の保持機能が小さくなるよう、電気泳動粒子保持体410Aと電気泳動粒子保持体410Cとの間の領域に、電荷移動粒子保持体410A及び電荷泳動粒子保持体410Cより電気泳動粒子300の保持機能の小さい電荷泳動粒子保持体410Bを充填配置してもよい。
この電荷泳動粒子保持体410の電気泳動粒子300の保持機能を、透明基板200と背面基板204との向かい合う方向に連続的または段階的に換えるためには、上記でも説明したが、電荷泳動粒子保持体410の帯電量、通気度、開口率、孔の密度、及び繊維間距離等を調整すればよい。
なお、図22に示すように、透明基板200と背面基板204との間に充填配置されている電気泳動粒子保持体410の内、透明基板200に近い領域を構成する電気泳動粒子保持体410A及び背面基板204に近い領域を構成する電気泳動粒子保持体410C各々の電気泳動粒子300を保持する機能を、電気泳動粒子保持体410の電気泳動粒子保持体410Aと電気泳動粒子保持体410Cとの間の領域を構成する電気泳動粒子保持体410Bの電気泳動粒子300を保持する機能の比べて大きく調整する場合には、この中間に位置する電気泳動粒子保持体410Bの色だけを着色層としてもよい。この場合には、電気泳動粒子保持体410Bの色を白色とすることが望ましい。
電気泳動粒子保持体410Bの色を白色とするには、電気泳動粒子保持体410Bを構成する繊維や部材の表面に白色材を固定すればよい。この白色材としては、二酸化チタンや、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の白色顔料を用いることができるが、白色材として粒子状の白色粒子を用いても良い。
上述の多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410が透明基板200と背面基板204との間に充填配置された表示媒体110、表示媒体110A、及び表示媒体110Bは、多孔質体や網目構造体や繊維の集合体から構成される電気泳動粒子保持体410に、上記分散媒302と電気泳動粒子300とを含浸させた後に、透明基板200と背面基板204で挟み込むことで製造すればよい。このため、容易に表示媒体110、表示媒体110A、及び表示媒体110Bを作成することができる。
以上に例示した表示媒体はいずれも一対の基板間に封入される分散媒が隔壁によって区分された1つのセル中に1種類の発色性の電気泳動粒子が含まれている場合について示したが、1つのセル中に2種類以上の発色性の電気泳動粒子が含まれていてもよく、以下にこのタイプの表示媒体の構成例について説明する。
図10は、本実施の形態の表示媒体の他の例を示す概略模式図であり、図中、120は表示媒体、300C、300M、300Yは電気泳動粒子を表し、その他の符号で示される部材は、図8中に示したものと同様の機能を有するものである。
図10に示す表示媒体120は、基本的には図8に示す表示媒体100と同様の構成を有するものであるが、図8に示す表示媒体100において1種類ではなく3種類の電気泳動粒子300C、300M、300Yを用いている点において異なるものである。
3種類の電気泳動粒子300C、300M、300Yはいずれも同極性に帯電しており、分散媒302に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、電気泳動粒子保持粒子400表面から離脱して分散媒中302を移動可能な閾電界値の絶対値も互いに異なるものが用いられる。
なお、以下の説明においては、いずれも正に帯電し、電気泳動粒子300Cがシアン色の電気泳動粒子、電気泳動粒子300Mがマゼンタ色の電気泳動粒子、電気泳動粒子300Yがイエロー色の電気泳動粒子から構成されるものとして説明する。
ここで、これら3種類の電気泳動粒子300C、300M、300Yの閾電界値は、例えば、図11に示すように設定することができる。
図11は、図10に示す表示媒体に用いられる3種類の電気泳動粒子の閾電圧と表示濃度との関係について説明するグラフである。ここで図中、横軸に示す「電圧」は、透明電極210と背面電極220との間に印加される電界の電圧(V)を意味し、背面電極220側を正極、透明電極210側を負極となるように電圧を印加した場合がプラス(グラフの右側方向)を意味し、縦軸に示す「表示濃度」は、3種類の電気泳動粒子300C、300M、300Yを各々単体で用いたと仮定した場合において、表示面202に示される色の濃度(相対濃度)を意味し、電気泳動粒子が透明基板200側に移動して表示濃度が濃くなる状態がグラフの上側方向を意味する。また、V1、V2、V3は閾電圧を意味する。なお、透明電極210と背面電極220との距離は一定であるため、電界の閾値と閾電圧とは比例関係にある。
図11から明らかなように、電気泳動粒子300Cを例として説明すれば、分散媒302に対してプラスの電界を印加し、その強度をプラス側に更に増加させ続け、電圧が閾電圧であるV1以上となると電気泳動粒子300Cが、背面基板204側から透明基板200側へと移動し、シアン色の表示濃度が濃くなり、電圧がV2に達する前にシアン色の表示濃度が飽和する。この状態で、分散媒に対してマイナスの電界を印加し、その強度をマイナス側に更に増加させ続け、電圧が閾電圧である−V1以下となると電気泳動粒子300Cが、透明基板200側から背面基板204側へと移動し、シアン色の表示濃度が薄くなり、電圧が−V2に達する前にシアン色の表示濃度が最低となる。
同様にして、電気泳動粒子300Mでは、電圧が閾電圧V2以上(または−V2以下)で表示濃度の増加(または減少)が起こり、電圧がV3(または−V3)に達する前に表示濃度が飽和(または最低)となり、電気泳動粒子300Yでは、電圧が閾電圧V3以上(または−V3以下)で表示濃度の増加(または減少)が起こり、電圧がV3+α(または−V3−α)に達すると表示濃度が飽和する(または最低となる)。
また、図11に示されるように3種類の電気泳動粒子300C,300M、300Y各々の閾電圧の絶対値は、|V1|<|V2|<|V3|なる関係を有している。このため、3種類の電気泳動粒子300C,300M、300Y各々の閾電圧の絶対値の違いを利用して電圧を印加すれば、1つのセルで、白色(W)の他に、シアン色(C)、マゼンタ色(M)、イエロー色(Y)や、これらCMYの2次色、3次色が表示できる。
なお、閾電圧の制御方法は特に限定されるものではないが、例えば、3種類の電気泳動粒子300C,300M、300Y各々の白色の電気泳動粒子保持粒子400に対する付着力に差が生じるように、電気泳動粒子300C,300M、300Yの平均粒径や、粒子の表面処理状態、粒子表面に処理する帯電制御剤などを選択することなどが挙げられる。
例えば、電気泳動粒子300C,300M、300Yを構成する材料や粒子の表面処理状態に起因する帯電特性に実質的な差がないと仮定した場合、3種類の電気泳動粒子300C,300M、300Yの平均粒径に差を設けることによって、電気泳動粒子300C,300M、300Y各々の閾電圧の絶対値を設けることができる。
この場合、閾電圧の絶対値が、|V1|<|V2|<|V3|となる関係を満たすためには、電気泳動粒子300C,300M、300Y各々の平均粒径Dc、Dm、Dyは、Dc>Dm>Dyなる関係を満たせばよく、例えば、Dc=500nm、Dm=150nm、Dy=50nmとすることができる。
なお、本発明において、図11に例示される閾電圧は、電界の印加に用いる一対の電極の間隙長さ(図10に示す例では透明電極210と背面電極220との間隙長さ)と、この一対の電極に印加する電圧を変えて表示媒体に表示される色を観察した場合に、特定の色(図10に示す例ではシアン、マゼンタ、イエロー)の表示濃度が変化し始める電圧とを把握することにより容易に求めることができる。
最初に、片側の電極に粒子を引き寄せた状態で電界を切り、次に逆向きの電界を印加して粒子が移動するかを観察する方法で測定できる。例えば、反射濃度計を用いて、表示濃度を測定して、印加される電圧と表示濃度との関係を求めることで濃度が変化し始める電圧値として求めることができる。
あるいは、透明な容器内に平行平板の電極一対を浸し、電極間のスペースを平行電界に垂直な方向から観察できる装置を用意する。例えば、粒子が正帯電の場合、一方の電極を負極性として、その電極側に粒子を移動させる。この状態で電界を切断し、次に、粒子の集まった側の電極を正極性として徐々に電圧を増加させていく。この際、負極側の電極に向けて粒子が移動を開始する電圧Vを求め、電極間の距離で割ることで、電界の閾値を求めることができる。
いずれの場合でも、泳動する粒子が閾電圧を持たない場合は、電界を0にするか、あるいは電圧を小さくすると電極表面に集まっていた泳動粒子が動き出し、逆極性の電界を印加しなくてもすぐに表示濃度が変化し始める。これに対して、閾値を有する泳動粒子の場合は、電界を弱めたり、電界を除去するだけは電極上に一度集まった泳動粒子が液体内や反対側の電極側に移動せず、表示濃度が変化することがない。
次に、3種類の電気泳動粒子300C、300M、300Yが図11に示す関係を満たすことを前提として、表示媒体120の表示動作の一例について以下に説明する。
図12〜図20は、図10に示す表示媒体における表示状態の一例を示す概略模式図である。なお、これら図中において、電界印加手段500の記載は省略してあるが、一対の電極210、220は、電界印加手段500(図10参照)に接続されている。
まず、表示濃度が飽和するまで、電圧がV3+αとなるように電圧を印加した場合、電気泳動粒子300C、300M、300Yは透明基板200側へ移動し、イエロー、マゼンタ、シアンの減法混色によって表示面202には黒色が表示される(図12)。
なお、電界印加中は、電気泳動粒子300C,300M、300Yが透明電極210表面に引き付けられるが、電界が除去されると、透明電極210表面から離脱し易くなる。しかし、電気泳動粒子300C,300M、300Yが、透明電極210表面から離脱したとしても、透明電極210表面周辺の電気泳動粒子保持粒子400表面(透明電極210側周辺の表面)に付着し保持されるため、電界が除去された後の表示濃度は、経時的に安定して維持されることになる。
続いて、表示濃度が飽和するまで、電圧が−V3−αとなるように電圧を印加した場合、電気泳動粒子300C,300M、300Yは背面基板204側へ移動し、これら3種類の粒子は表示面202側からみた場合、電気泳動粒子保持粒子400によって隠蔽されるために、表示面202には白色が表示される(図13)。
なお、電界印加中は、電気泳動粒子300C,300M、300Yが背面電極220表面に引き付けられるが、電界が除去されると、背面電極220表面から離脱し易くなる。しかし、電気泳動粒子300C,300M、300Yが、背面電極220表面から離脱したとしても、背面電極220表面周辺の電気泳動粒子保持粒子400表面(背面電極220側周辺の表面)に付着し保持されるため、電界が除去された後の表示濃度は、経時的に安定して維持されることになる。
次に、例えば、式(8)を満たし、式(8)における整数n=2とし、時間Tp(1)=Tp(2)=Tmax/2=Thとなるようにパルス波状の電圧波形を有する電界を印加して表示を行うことを前提に説明する。
この場合、電気泳動粒子300C、300M、300Yの各々について、それぞれ3階調の表示が可能になる。
すなわち、電気泳動粒子300C、300M、300Yの各々について、一方の基板側に偏在している状態を第一の初期状態(例えば、最大濃度)として、第一の初期状態から、電気泳動粒子が他方の基板側へと電気泳動可能な電圧を時間Thの間だけ印加し終えると、電気泳動粒子が調光層の厚み方向に対して中央部分近傍に偏在して中間濃度となり、さらに、電気泳動粒子が他方の基板側へと電気泳動可能な電圧を、時間Thの間だけ印加し終えると、第二の初期状態(例えば、最小濃度)となる。また、第一の初期状態から電気泳動粒子が他方の基板側へと電気泳動可能な電圧を時間2Th(Tmax)の間だけ印加し終えると、第二の初期状態となる。
ここで、図13に示す表示状態(白表示)から、V2以上V3未満の電圧を時間2Th(又はそれ以上)だけ印加すると、電気泳動粒子300C、300Mが透明基板200側へ移動する。この時、電気泳動粒子300Yは、電気泳動粒子保持粒子400との付着力の方が電界から受ける力より大きいため、電気泳動粒子保持粒子400表面に付着されたまま保持されたままとなる。このため、表示面202には青色が表示される(図14)。
次に、図14に示す表示状態から、−V1以下−V2を超える電圧を時間2Th(又はそれ以上)だけ印加すると、電気泳動粒子300Cのみが電気泳動粒子保持粒子400の表面から離脱して背面基板204側へ移動するが、電気泳動粒子300M、電気泳動粒子300Yは、電気泳動粒子保持粒子400との付着力の方が電界から受ける力より大きいため、電気泳動粒子保持粒子400表面に付着されたまま保持される。それゆえ、電気泳動粒子300Mのみが透明基板200側に偏在して存在するため、表示面202にはマゼンタ色が表示される(図15)。
また、図13に示す表示状態(白表示)から、V2以上V3未満の電圧を時間Thだけ印加すると、電気泳動粒子300C、300Mが背面基板204側から透明基板200側へと移動し、電界を印加し終えた時点で、電気泳動粒子300C、300Mが、調光層の厚み方向に対して中央部分近傍に偏在するように電気泳動粒子保持粒子400表面に付着し保持される。このため、表示面202には薄青色が表示される(図16)。
次に、図16に示す表示状態から、−V1以下−V2を超える電圧を時間Thだけ印加すると、電気泳動粒子300Cのみが電気泳動粒子保持粒子400表面から離脱して背面基板204側へ移動し、電気泳動粒子300Mのみが、そのまま調光層の厚み方向に対して中央部分近傍に偏在するように電気泳動粒子保持粒子400表面に保持され続ける。このため、表示面202には薄マゼンタ色が表示される(図17)。
また、図12に示す表示状態(黒表示)から、−V2以下−V3を超える電圧を時間2Th(又はそれ以上)だけ印加すると、電気泳動粒子300C、300Mが透明基板200側から背面基板204側へと移動し、電界を印加し終えた時点で、電気泳動粒子300C、300Mが背面基板204側に偏在し、電気泳動粒子300Yのみが電界を印加前と同様に透明基板200側に偏在し続けることになる。このため、表示面202には黄色が表示される(図18)。
次に、図18に示す表示状態から、V1以上V2未満の電圧を時間2Th(又はそれ以上)だけ印加すると、電気泳動粒子300Cが背面基板204側から透明基板200側へと移動し、電界を印加し終えた時点で、電気泳動粒子300Cは透明基板200側に偏在することになる。
このため、イエローとシアンとの減法混色により表示面202には緑色が表示される(図19)。
さらに、図19に示す表示状態から、V1以上V2未満の電圧を時間Thだけ印加すると、電気泳動粒子300Cが透明基板200側から背面基板204側へと移動し、電界を印加し終えた時点で、調光層の厚み方向に対して中央部分近傍に偏在するように電気泳動粒子保持粒子400表面に付着し保持される。このため図19に示す表示状態(緑色)よりも、シアン色の色濃度が薄くなり、表示面202には黄緑色が表示される(図20)。
なお、図12〜図20に示すいずれの表示状態においても、新たに電界が印加されない限りは、電気泳動粒子300C、300M、300Yが電気泳動粒子保持粒子400表面の同じ位置に付着し保持され続けるために、電界が除去された後の表示濃度が、経時的に安定して維持されることになる。
なお、図9、図21、及び図22に示す表示媒体110、表示媒体110A、及び表示媒体110Bの場合も同様に、図10〜図20で説明したのと同じように、複数種類の電気泳動粒子300C、300M、及び300Yを用いて、多色表示を行うことができる。
図21及び図22に示す表示媒体110A及び表示媒体110B内に充填配置されている電気泳動粒子保持体410は、基板202及び背面基板204の少なくとも一方から基板間の向かい合う方向に向かって離れるほど電気泳動粒子300を保持する機能が小さくなるように充填配置されていることから、同一種類の電気泳動粒子が基板202と背面基板204との間を移動するときにおいて、電気泳動粒子保持体410の電気泳動粒子300を保持する機能が大きい領域(電気泳動粒子保持体410A及び電気泳動粒子保持体410C)を移動するときの移動速度は、この領域より電気泳動粒子300を保持する機能の小さい領域(電気泳動粒子保持体410B)を移動するときの移動速度に比べて低速となる。
すなわち、電気泳動粒子保持体410を、基板202及び背面基板204の少なくとも一方から基板間の向かい合う方向に向かって離れるほど電気泳動粒子300を保持する機能が小さくなるように充填配置することで、基板202と背面基板204との間の中央付近の領域における電気泳動粒子300の移動速度を、基板202及び背面基板204の少なくとも一方に近い領域における電気泳動粒子300の移動速度より高速にすることができる。このため、基板202及び背面基板204の少なくとも一方における良好な電気泳動粒子300の保持を確率することができる。また、基板202と背面基板204との向かい合う方向に向かって電気泳動粒子保持体410における電気泳動粒子300を保持する機能を変化させることで、階調表現を容易に行うことができる。
以下に上記実施の形態を、実施例を挙げて説明するが、本発明は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
<電気泳動粒子Aの作製>
スチレンモノマー90重量部、アゾイソブチロニトリル1重量部から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液A−1を得た。
炭酸カルシウム30重量部、水70重量部から構成される混合物に、分散液A−1と同様の操作を行い分散液A−2を得た。
分散液A−2を18重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合した後、分散液A−1を30重量部加えて乳化し、乳化液A−3を得た。
得られた乳化液A−3を窒素気流下で70℃に加熱し、20時間攪拌することで固形粒子A−4を得た。得られた固形粒子A−4に35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解させた後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返し、透明粒子A−5を得た。
得られた透明粒子A−5を、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越化学社製、KF−99)に混合し、攪拌することにより疎水処理を行い、シリコーンオイル中で正に帯電する電気泳動粒子Aを得た。この電気泳動粒子Aの平均粒径は1μmであった。
<電気泳動粒子Bの作製>
エチレン−メタクリル酸の共重合体(ニュークレルN699;デユポン社製、エチレン/メタクリル酸の共重合比(モル比)=89/11)を40重量部と、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)を8重量部と、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)を2重量部の混合物をステンレスビーカーに投入した後、オイルバスにて120℃に加熱しながら、1時間撹拌を続け、溶融した樹脂、顔料および帯電制御剤の均一な溶融体を調製した。得られた溶融物を撹拌をしながら徐々に室温まで冷却し、さらに、ノルパー15(エクソン社製)を100重量部添加した。
系の温度が低下してゆくにつれて顔料、帯電制御剤を包含した粒径10〜20μmの母粒子が析出してきた。析出した母粒子100gを01型アトライターに投入し、直径0.8mmのスチール鋼球を用いて粉砕した。粉砕は、遠心沈降式粒度分布測定器(SA−CP4L;島津製作所製)で体積平均粒子径をモニターしながら粒子径が2.5μmになるまで粉砕を続けた。
得られた濃縮粒子20部(粒子濃度18重量%)を粒子分散液に対する粒子濃度が2重量%になるようにあらかじめ75℃で加熱溶融させた160重量部のエイコサン(C2042、融点36.8℃)で希釈し十分に拡販を行った。
得られた粒子分散液を、吸引ろ過・水洗を5回繰り返し、マゼンタ色の電気泳動粒子粒子Bを得た。この電気泳動粒子Bの平均粒径は1μmであり、シリコーンオイル中での帯電極性は正極性だった。
<電気泳動粒子Cの作製>
−分散液Aの調整−
・メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部
・マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部
・帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2重量部
以上の成分を混合したものを直径10mmのジルコニアボールを使用して、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを調整した。
−分散液Bの調整−
・炭酸カルシウム:40重量部
・水:60重量部
以上の成分を混合したものをボールミルにて微粉砕することにより、分散液Bを調整した。
−混合液Cの調整−
・2重量%セロゲン水溶液:4.3g
・分散液B:8.5g
・20重量%食塩水:50g
以上の成分を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを調整した。
−粒子の作製−
分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル):0.35gを、充分混合し、超音波機で脱気を10分行う。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施する。
次に得られた乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入する。次に60℃で10時間反応させ粒子を作製した。得られた微粒子粉をイオン交換水中に分散させ、1規定(1N)塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、粒度を揃え、これを乾燥させた。
得られた電気泳動粒子Cはマゼンタ色であり体積平均粒径は、1μmであった。また、シリコーンオイル中で正極性の帯電性を示した。
<電気泳動粒子保持粒子Aの作製>
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、酸化チタン(石原産業社製、タイペークCR63)17重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液B−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液B−1と同様の操作を行い、分散液B−2を得た。
分散液B−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液B−3を得た。
分散液B−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液B−3を加えて乳化し、乳化液B−4を得た。
得られた乳化液B−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子B−5を得た。
得られた固形粒子B−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して白色粒子B−6得た。得られた白色粒子B−6をふるいにより分級し、平均粒径が13μmでシリコーンオイル中で負に帯電する白色粒子(電気泳動粒子保持粒子A)を得た。
<反射部材Aの作製>
電気泳動粒子保持粒子Aを作製する際に得られた白色粒子B−6に対して、更に帯電制御のためシランカップリング剤γ-APS(信越化学社製、KBM903)で表面処理を行った。その後、電気泳動粒子保持粒子Aを作製する際と同様にしてふるいにより分級し、平均粒径が13μmでシリコーンオイル中で正に帯電する白色粒子を得た。
(実施例1)
図8に示す構成を有する表示媒体を以下の手順で作製した。
まず、50mm×50mm、厚さ0.7mmのガラスから構成される透明基板の片面に透明電極としてITO膜をスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。
一方、50mm×50mm、厚さ0.7mmのアルミナセラミックスから構成される背面基板の片面に背面電極として膜厚500nmの銅をスパッタ法により形成した。続いて、背面基板の背面電極が設けられた側の面に、エポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布した後、露光及びウエットエッチングを行うことにより背面基板の外周に沿って高さ100μm、幅20μmの隔壁を形成した。
続いてこの隔壁の上部に熱融着性のエポキシ接着剤を塗布形成した後、背面基板上の隔壁により仕切られた部分に、電気泳動粒子保持粒子Aを満遍なく充填するとともに、電気泳動粒子Aをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液(固形分3体積%)を隔壁の高さまで満たした。
最後に、透明基板の透明電極が設けられた面と、背面基板上に設けられた隔壁と、透明基板と透明基板と間隙に空気が混入しないように密着させて加熱しながら貼り合わせを行い表示媒体を作製した。
このようにして作製した表示媒体を用いて、表示媒体の透明基板が設けられた側から表示媒体を観察し、中間調の表示の可否やメモリー性について確認した。
まず、組み立て直後の表示媒体の透明電極側がマイナスとなるように両電極に20Vの電圧を、表示面の表示濃度が十分飽和するまで印加した。この時、表示面は濃い赤色が表示されていた。
続いて、透明電極側をプラスとして、両電極に0Vから徐々に電圧を上げつつ、各々の電圧値で十分な時間印加したところ、電圧が20V以上の電圧で、表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化した。
次に、表示面に濃い赤色(最大濃度)を表示させてから、表示面の表示濃度が変わり始めた最も小さい電圧値(5V)で1回だけ電界を印加し、この時の表示濃度および表示色の変化を確認した。この際、電界を印加する時間を徐々に短くしながら評価した。
その結果、印加時間が、0.5s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、閾電圧(の絶対値)が5Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が100μmであるから、500V/cmであることがわかった。
−メモリー性の評価−
次に、表示状態の維持性(メモリー性)を、最大濃度(濃い赤色)、最小濃度(完全な白色)、中間濃度(薄い赤色)の3水準で評価した。
メモリー性の評価は、電圧を印加して表示状態を最大濃度、最小濃度または中間濃度とした後に、電圧の印加を中止し、その時の表示面の反射率をX−Rite社製X−Rite404により求め、これを初期反射率とした。また、電圧の印加を中止してから1日間放置した後の表示面の反射率を同様に測定し、これを放置後反射率として、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
なお、中間濃度は、最大濃度を表示している状態から、透明電極側をプラスとして、閾電圧に相当する電圧を所定の時間(閾電圧で電界を印加した場合において表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要する時間の半分の時間)だけ印加した後の表示状態とした。
◎:|100×放置後反射率/初期反射率|が、98%以上100%以下の範囲内。
○:|100×放置後反射率/初期反射率|が、95%以上98%未満の範囲内。
△:|100×放置後反射率/初期反射率|が、85%以上95%未満の範囲内。
×:|100×放置後反射率/初期反射率|が、85%未満。
(実施例2)
実施例1において、電気泳動粒子Aをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液の代わりに、電気泳動粒子Bをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例2の表示媒体における閾電圧(の絶対値)が200Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が100μmであるから、20kV/cmであることがわかった。また、閾電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は0.2sであった。また、メモリー性を評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、電気泳動粒子Aをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液の代わりに、電気泳動粒子Cをシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に分散させた分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例2の表示媒体における閾電圧(の絶対値)が1Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が100μmであるから、100V/cmであることがわかった。また、閾電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は1sであった。また、メモリー性を評価した結果を表1に示す。
(参考例1)
実施例1において、電気泳動粒子保持粒子Aの代わりに、反射部材Aを用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が行えないことが確認された。また、表示状態が最大濃度および最小濃度である場合について、実施例1と同様にしてメモリー性を評価した結果を表1に示す。
Figure 0004049202

(実施例4)
<電気泳動粒子Dの作製>
電気泳動粒子Dとして、顔料ベースの粒子(色材の含有率8重量%、平均粒径0.3μm、マゼンタ色)を下記方法で作成した。
エチレン−メタクリル酸の共重合体(ニュークレルN699;デユポン社製、エチレン/メタクリル酸の共重合比(モル比)=89/11)を40重量部と、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)を8重量部と、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)を2重量部の混合物をステンレスビーカーに投入した後、オイルバスにて120℃に加熱しながら、1時間撹拌を続け、溶融した樹脂、顔料および帯電制御剤の均一な溶融体を調製した。得られた溶融物を撹拌をしながら徐々に室温まで冷却し、さらに、ノルパー15(エクソン社製)を100重量部添加した。
系の温度が低下してゆくにつれて顔料、帯電制御剤を包含した粒径10〜20μmの母粒子が析出してきた。析出した母粒子100gを01型アトライターに投入し、直径0.8mmのスチール鋼球を用いて粉砕した。粉砕は、遠心沈降式粒度分布測定器(SA−CP4L;島津製作所製)で体積平均粒子径をモニターしながら粒子径が1.2μmになるまで粉砕を続けた。
得られた濃縮粒子20部(粒子濃度18重量%)を粒子分散液に対する粒子濃度が2重量%になるようにあらかじめ75℃で加熱溶融させた160重量部のエイコサン(C2042、融点36.8℃)で希釈し十分に拡販を行った。
得られた粒子分散液を、吸引ろ過・水洗を5回繰り返し、マゼンタ色の電気泳動粒子粒子Dを得た。この電気泳動粒子Dの平均粒径は0.3μmであり、シリコーンオイル中での帯電極性は正極性だった。
<白色粒子の作製>
白色粒子として、ポリマ粒子( 酸化チタン(注:酸化チタンが白色色材です。)の含有率40〜70%、主成分:ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm)を下記方法で作製した。
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、酸化チタン(石原産業社製、タイペークCR63)17重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液D−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液D−1と同様の操作を行い分散液D−2を得た。
分散液D−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液D−3を得た。
分散液D−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液D−3を加えて乳化し、乳化液D−4を得た。
得られた乳化液B−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子D−5を得た。
得られた固形粒子D−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して白色粒子D−6得た。得られた白色粒子B−6をふるいにより分級し、平均粒径が5μmでシリコーンオイル中で負に帯電する白色粒子(電気泳動粒子保持粒子D)を得た。
<電気泳動粒子保持体Dの調整>
電気泳動粒子保持体Dとして、エレクトレット特性を持つ不織布であるトレミクロンEM020(東レ:目付20g/m、厚さ150μm)を用意した。
図9に示す構成を有する表示媒体を以下の手順で作製した。
まず、50mm×50mm、厚さ0.7mmのガラスから構成される透明基板の片面に透明電極としてITO膜をスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。
一方、50mm×50mm、厚さ0.7mmのアルミナセラミックスから構成される背面基板の片面に背面電極として膜厚500nmの銅をスパッタ法により形成した。続いて、背面基板の背面電極が設けられた側の面の1cmの領域をポリイミドテープ(日東電工社製、商品名 No.360)で仕切ることによって、高さ 120μm、のギャップを形成した。
続いてこのポリイミドテープの上部に熱融着性のエポキシ接着剤を塗布形成した後、背面基板上の隔壁により仕切られた領域に、上記電気泳動粒子保持体DとしてのトレミクロンEM020を1cmに切って配置した。
この配置したトレミクロンEM020(以下、EM020と称する)上に、上記作製した電気泳動粒子D及び白色粒子各々をシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に、各々含有率8重量%、含有率5重量%分散させた分散液60μlを滴下したところ、この分散液はEM020上に均一に拡がった。
最後に、透明基板の透明電極が設けられた面と、背面基板上に設けられた隔壁と、透明基板と透明基板と間隙に空気が混入しないように密着させた後に、周囲を紫外線硬化型の樹脂(スリーボンド社製、商品名 3003)で封止して、表示媒体を作製した。
このようにして作製した表示媒体を用いて、表示媒体の透明基板が設けられた側から表示媒体を観察し、中間調の表示の可否やメモリー性について実施例1と同じようにして確認した。
まず、組み立て直後の表示媒体の透明電極側がプラスとなるように両電極に0Vから20Vずつ電圧をあげつつ、各々の電圧値で10秒間電圧を印加することで、各々の電圧値の電圧印加時に表示面の表示濃度が十分飽和するまで印加した。この時、各値の電圧を上記10秒間印加した直後のEM020に付着している白色粒子の状態を顕微鏡(キーエンス社製、商品名 VHXデジタルマイクロスコープ、倍率:500倍)で確認したところ、100V以下の電圧を印加した直後においては、白色粒子が表示媒体に設けられたEM020の繊維表面に初期状態のまま付着していることが確認され、透明電極から20μmの範囲内の領域に付着している白色粒子は電圧印加によっても増加しなかった。そして、200V以上の電圧を印加した直後においては、表示媒体内の白色粒子のほとんどがEM020の透明電極から20μmの範囲内の領域に付着していることが確認された。これは、電圧印加による白色粒子を移動させる力が、白色粒子とEM020を構成する繊維との間の相互作用の大きさを上回ったためだと考えられる。
次に、透明電極側がマイナスとなるように、両電極に−300Vの電圧を20秒間印加することによって表示面に濃い赤色(最大濃度)を表示させてから、表示面の表示濃度が変わり始めた最も小さい電圧値(250V)で1回だけ電界を印加し、この時の表示濃度および表示色の変化を確認した。この際、電界を印加する時間を徐々に短くしながら評価した。
その結果、印加時間が、3s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Dの閾電圧(の絶対値)が250Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、21kV/cmであることがわかった。
−メモリー性の評価−
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例4において、表示媒体内に充填されている電気泳動粒子Dの閾値電圧は、250Vであり、白色粒子の閾値電圧は、180Vであった。このため、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、各々21kV/cm、15kV/cmであることがわかった。また、各々閾電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は5s、8sであった。
なお、電気泳動粒子D及び白色粒子各々の閾値電圧は、実施例4において作製した表示媒体において、電気泳動粒子Dを含み且つ白色粒子を含む構成、及び電気泳動粒子Dを含まず且つ白色粒子を含む構成、の各々の構成の表示媒体を作製して測定することで測定した。メモリー性を評価した結果を表2に示す。
(実施例5)
<電気泳動粒子Eの作製>
電気泳動粒子Eとして、ポリマ粒子(色材の含有率20%、平均粒径5μm、マゼンタ色)を下記方法で作成した。
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)5重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液E−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液E−1と同様の操作を行い分散液E−2を得た。
分散液E−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液E−3を得た。
分散液E−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液E−3を加えて乳化し、乳化液E−4を得た。
得られた乳化液E−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子E−5を得た。
得られた固形粒子E−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して粒子E−6得た。得られた粒子E−6をふるいにより分級し、平均粒径が5μmでシリコーンオイル中で負に帯電するマゼンタ色粒子(電気泳動粒子保持粒子E)を得た。
<電気泳動粒子Fの作製>
電気泳動粒子Fとして、ポリマ粒子(色材の含有率20%、平均粒径13μm、シアン色)を下記方法で作成した。
メタクリル酸メチルモノマー80重量部、シアン顔料(銅フタロシアニンブルー;大日精化社製)5重量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3重量部、から構成される混合物を、10mmφのジルコニアボールを使用したボールミル粉砕を20時間実施し、分散液F−1を得た。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部から構成される混合物に、分散液F−1と同様の操作を行い分散液F−2を得た。
分散液F−2を8.5重量部と20%食塩水50重量部を攪拌混合し、混合液F−3を得た。
分散液F−1を35重量部、ジメタクリル酸エチレングリコール1重量部、及び、アゾイソブチロニトリル0.35重量部を混合した後、混合液F−3を加えて乳化し、乳化液F−4を得た。
得られた乳化液F−4を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子F−5を得た。
得られた固形粒子F−5に、35%塩酸15重量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して粒子F−6得た。得られた粒子F−6をふるいにより分級し、平均粒径が13μmでシリコーンオイル中で負に帯電するシアン色粒子(電気泳動粒子保持粒子F)を得た。
上記作製した電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fを電気泳動粒子として用いるとともに、上記実施例4で用いたトレミクロンEM020を電気泳動粒子保持体として用いて、実施例4と同様にして表示媒体を作製した。
なお、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fは、シリコーンオイル(信越化学社製、KF−96)に、各々含有率5重量%、含有率5重量%分散させた分散液(とし、実施例4と同様にして60μlEM020に滴下した。
このようにして作製した表示媒体を用いて、実施例4と同様にして表示媒体の透明基板が設けられた側から表示媒体を観察し、中間調の表示の可否やメモリー性について確認した。
まず、組み立て直後の表示媒体の透明電極側がプラスとなるように両電極に0Vから20Vずつ電圧をあげつつ、各々の電圧値で20秒間電圧を印加することで、各々の電圧値の電圧印加時に表示面の表示濃度が飽和するまで印加したところ、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子F各々の表示面側(透明電極側)への移動が観察された。この時、各値の電圧を上記20秒間印加した直後のEM020に付着している電気泳動粒子E及び電気泳動粒子F各々の状態を顕微鏡(キーエンス社製、商品名 VHXデジタルマイクロスコープ、倍率:500倍)で確認したところ、50V〜150Vの電圧を印加した直後においては、電気泳動粒子F(平均粒径13μm、シアン色)が表示媒体に設けられたEM020の透明電極から20μmの範囲内の領域に付着している事が確認されるとともに、表示媒体の表示面はシアン色を呈した。
さらに、200V以上の電圧を印加した直後においては、電気泳動粒子Fと電気泳動粒子E(平均粒径5μm、マゼンタ色)のほとんどが表示媒体に設けられたEM020の透明電極から20μmの範囲内の領域に付着していることが確認されるとともに、表示媒体の表示面は紫色を呈した。
次に、透明電極側がマイナスとなるように、両電極に100Vの電圧を20秒間印加すると、電気泳動粒子Fが背面基板側に移動して表示面に濃い赤色(マゼンタ色)(最大濃度)が表示された。なお、電圧印加を停止しても、表示面の色には際だった変化はみられなかった。
このことから、実施例5の表示媒体によって、電界の閾値の絶対値が異なる電気泳動粒子Fと電気泳動粒子Eとを含むことで、カラー表示が可能な表示媒体を提供できるといえる。この電界の閾値の絶対値の差は、電気泳動粒子FとEM020を構成する繊維との間の静電的相互作用と、電気泳動粒子EとEM020を構成する繊維との間の静電的相互作用と、の差に由来すると考えられる。平均粒子径が13μmの電気泳動粒子Fは、平均粒子径が5μmの電気泳動粒子Eに比べて帯電量の絶対値が大きいが、EM020を構成する繊維との平均距離が大きいため電気泳動粒子Eに比べてEM020に保持される力は小さいが、基板間に電界が形成されることにより移動する力は帯電量に比例して大きくなるために電界の閾値の絶対値が電気泳動粒子Eに比べて小さくなると考えられる。
次に、この表示面に最大濃度としての濃い赤色(マゼンタ色)を表示させた後に、透明電極側がマイナスとなるように両電極に電圧を印加するとともに除々に電圧を上げていって、表示面の表示濃度が変わり始めた最も小さい電圧値(180V)で1回だけ電界を印加し、この時の表示濃度および表示色の変化を確認した。この際、電界を印加する時間を徐々に短くしながら評価した。
その結果、印加時間が、5s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Eの閾電圧(の絶対値)が180Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、15kV/cmであることがわかった。また、シアン色の電気泳動粒子Fの閾電圧(の絶対値)が80Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が120μmであるから、7kV/cmであることがわかった。
−メモリー性の評価−
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例5において、表示媒体内に充填されている電気泳動粒子E(マゼンタ色)及び電気泳動粒子F(シアン色)の内の、マゼンタ色の電気泳動粒子Eのみが表示面側に存在する状態を最大濃度とし、背面基板側に全て移動したときを最小濃度としてメモリー性の評価を行った。メモリー性を評価した結果を表2に示す。
(実施例6)
電気泳動粒子として、実施例5で作製した電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fを用い、上記実施例5で用いたトレミクロンEM020に換えて、エルタスアクアPA3023(旭化成せんい社製、目付23g/m、厚み200μm)を用いて、実施例5と同様にして表示媒体を作製した。
なお、表示媒体の隔壁の高さは、エルタスアクアPA3023の厚みにあわせて200μmとした。
このようにして作製した表示媒体を用いて、実施例6と同様にして表示媒体の透明基板が設けられた側から表示媒体を観察し、中間調の表示の可否やメモリー性について確認した。
まず、組み立て直後の表示媒体の透明電極側がプラスとなるように両電極に0Vから10Vずつ電圧をあげつつ、各々の電圧値で10秒間電圧を印加することで、各々の電圧値の電圧印加時に表示面の表示濃度が十分飽和するまで印加したところ、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子F各々の表示面側(透明電極側)への移動が観察された。この時、各値の電圧を上記10秒間印加した直後のEM020に付着している電気泳動粒子E及び電気泳動粒子F各々の状態を顕微鏡(キーエンス社製、商品名 VHXデジタルマイクロスコープ、倍率:500倍)で確認したところ、10V〜50Vの電圧を印加した直後においては、電気泳動粒子E(平均粒径5μm、マゼンタ色)が表示媒体に設けられたEM020の透明電極から20μmの範囲内の領域に付着している事が確認されるとともに、表示媒体の表示面はマゼンタ色を呈した。
さらに、100V以上の電圧を印加した直後においては、電気泳動粒子Eと電気泳動粒子F(平均粒径13μm、シアン色)のほとんどが表示媒体に設けられたEM020の透明電極から20μmの範囲内の領域に付着していることが確認されるとともに、表示媒体の表示面は紫色を呈した。
このように、実施例4とは逆に、除々に印加電圧を上昇させたところ、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fの内の電気泳動粒子Eが先に表示面側に移動することが観察された。なお、上記各電圧10V〜50Vの電圧印加時間を上記より長く(30秒)にしたところ、電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fの双方が表示面側に移動した。
これは、電気泳動粒子の電気泳動が、電気泳動粒子保持体を構成する繊維間の距離と、電気泳動粒子保持体に保持される電気泳動粒子の粒子径とに由来していることを示している。すなわち、電気泳動粒子保持体としてのエルタスアクアPA3023を構成する繊維間距離に対する、電気泳動粒子E(平均粒子径5μm)の平均粒子径は、電気泳動粒子F(平均粒子径13μm)の平均粒子径に比べて小さいために電気泳動粒子保持体内において充分に泳動することができるが、電気泳動粒子Fは電気泳動粒子保持体内における電気泳動が電気泳動粒子Eに比べて抑制されるためと考えられる。
この実施例6の場合に用いた電気泳動粒子保持体としてのエルタスアクアPA3023の帯電量は小さく電気泳動粒子の電気泳動に影響を与えるほどの大きさではないため、実施例6の場合には、電気泳動粒子保持体(エルタスアクアPA3023)の帯電量が電気泳動粒子の電気泳動に与える影響は小さいと考えられる。
なお、実施例6における電気泳動粒子保持体(エルタスアクアPA3023)への電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fの付着状態は、実施例5における電気泳動粒子保持体(トレミクロンEM020)に比べて小さく、比較的自由に繊維間を電気泳動する様子が観察された。また、実施例6において電圧印加後に表示面に提示された色の維持性は、実施例5に比べて劣っていた。
次に、透明電極側がプラスとなるように、両電極に50Vの電圧を10秒間印加して、電気泳動粒子F及び電気泳動粒子Eの内の、マゼンタ色の電気泳動粒子Eのみを表示基板側に移動させて表示面に濃い赤色(マゼンタ色)(最大濃度)を表示させた。なお、電圧印加を停止しても、表示面の色には際だった変化はみられなかった。
次に、透明電極側がマイナスとなるように両電極に電圧を印加するとともに除々に電圧を上げていって、表示面の表示濃度が変わり始めた最も小さい電圧値(35V)で1回だけ電界を印加し、この時の表示濃度および表示色の変化を確認した。この際、電界を印加する時間を徐々に短くしながら評価した。
その結果、印加時間が、7s以下では、電界を印加し終えた後の表示面の表示濃度が濃い赤色から完全な白色(最小濃度)へと変化せず、薄い赤色を呈し、この状態が維持されることが確認された。このことから、この表示媒体は中間調の表示が可能であり、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Eの閾電圧(の絶対値)が35Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、1700V/cmであることがわかった。また、シアン色の電気泳動粒子Fの閾電圧(の絶対値)が50Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、2500V/cmであることがわかった。
−メモリー性の評価−
続いて、実施例1と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例6において、表示媒体内に充填されている電気泳動粒子E(マゼンタ色)及び電気泳動粒子F(シアン色)の内の、マゼンタ色の電気泳動粒子Eのみが表示面側に存在する状態を最大濃度とし、背面基板側に全て移動したときを最小濃度としてメモリー性の評価を行った。メモリー性を評価した結果を表2に示す。
(実施例7)
<電気泳動粒子保持体の調整>
エルタスアクアPA3023を、板面温度が180℃のホットプレート(アズワン社製、商品名 HI−1000)上に3秒間置いた後に、ホットプレートから剥がして自然冷却した。
このような熱処理を行ったエルタスアクアPA3023(以下、PA3023と称する)の表面を顕微鏡(キーエンス社製、商品名 VHXデジタルマイクロスコープ、倍率250倍)により確認したところ、PA3023の表面付近の繊維がわずかに溶解し、繊維が絡まり繊維間隔が熱処理していない領域に比べて密になっていることが確認された。
この熱処理を行ったPA3023を電気泳動粒子保持体として用いると共に、実施例5で作製した電気泳動粒子E及び電気泳動粒子Fを電気泳動粒子として用い、実施例6と同じ方法を用いて表示媒体を作製した。
なお、表示媒体の作製においては、熱処理を行ったPA3023の熱処理を行った側の面が表示面側の電極(透明電極)に接するように、PA3023を配置することにより、図21に示す表示媒体を作製した。
続いて、実施例6と同様にして中間調の表示が可能かどうかを評価したところ、中間調の表示が可能であることが確認された。
なお、実施例7の表示媒体において、マゼンタ色の粒子である電気泳動粒子Eの閾電圧(の絶対値)が45Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、2200V/cmであることがわかった。また、シアン色の電気泳動粒子Fの閾電圧(の絶対値)が60Vであり、電界の閾値(の絶対値)は、電極間の距離が200μmであるから、3000V/cmであることがわかった。また、閾値電圧で電界を印加した場合において、表示状態が最大濃度から最小濃度へと変化するのに要した時間は、12秒であった。メモリー性を評価した評価結果を表2に示した。
Figure 0004049202
本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図である。 本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図である。 本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図である。 本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図である。 本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図である。 本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図である。 本実施の形態の表示方法の表示原理を説明するための概略模式図である。 本実施の形態の表示媒体の一例を示す概略模式図である。 本実施の形態の表示媒体の他の例を示す概略模式図である。 の表示媒体の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体に用いられる3種類の電気泳動粒子の閾電圧と表示濃度との関係について説明するグラフである。 図10に示す表示媒体における表示状態の一例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図10に示す表示媒体における表示状態の他の例を示す概略模式図である。 図9に示す表示媒体における他の例を示す概略模式図である。 図9に示す表示媒体における他の例を示す概略模式図である。
符号の説明
10 電気泳動粒子
20 電気泳動粒子保持体
30 調光層
32 調光層30の一方の側
34 調光層30の他方の側
40 透明基板
42 基板
50 透明電極
52 電極
60 電界印加手段
100、110、120表示媒体
200 透明基板
202 表示面
204 背面基板
206 隔壁
210 透明電極
220 背面電極
300、300C、300M、300Y 電気泳動粒子
302 分散媒
400 電気泳動粒子保持粒子
410 電気泳動粒子保持体
500 電界印加手段

Claims (33)

  1. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
    該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
    該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
    前記一対の基板間に配置され、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、
    を少なくとも備え、
    前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体。
  2. 前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記保持体が、2以上の粒子状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  4. 前記保持体が、前記全種類の電気泳動粒子とは異なる色であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  5. 前記保持体が、繊維の集合体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  6. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  7. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  8. 前記保持体が、前記電気泳動粒子の通過する空隙を有する多孔質体を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  9. 前記保持体が、白色であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  10. 前記電気泳動粒子が、色及び前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  11. 前記電気泳動粒子が、種類間で互いに体積平均一次粒径の異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  12. 前記電気泳動粒子が、前記分散媒に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  13. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
    該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
    該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
    前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体と、
    を少なくとも備え、
    前記電気泳動粒子は、外部電圧により少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示媒体。
  14. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項13に記載の表示媒体。
  15. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項13に記載の表示媒体。
  16. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
    該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
    該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
    前記一対の基板間に配置され、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体を含む調光層と、
    前記一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置された一対の電極と、
    該一対の電極に接続され、前記分散媒に対して電界を印加する電界印加手段と、
    を少なくとも備え、
    前記電気泳動粒子は、前記電圧印可手段によって印加された電界により、少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示装置。
  17. 前記保持体に保持された状態の前記電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であり、
    前記電界印加手段が、
    電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値以上である電圧で電界を印加し続ける第一の区間と、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値未満である電圧で電界を印加し続ける第二の区間とを1周期とする波形で構成され、且つ、
    少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の波形が下式(1)を満たす電圧波形を有する電界を、前記分散媒に対して印加することを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
    ・式(1) Ep<Emax
    〔式(1)において、Epは、下式(2)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で前記調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
    Figure 0004049202



    〔式(2)中、tは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、前記時間tにおける電圧(V)を表す。〕
  18. 前記保持体が、2以上の粒子状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  19. 前記保持体が、前記全種類の電気泳動粒子とは異なる色であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  20. 前記保持体が、繊維の集合体を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  21. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  22. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  23. 前記保持体が、前記電気泳動粒子の通過する空隙を有する多孔質体を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  24. 前記保持体が、白色であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  25. 前記電気泳動粒子が、色及び前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  26. 前記電気泳動粒子が、種類間で互いに体積平均一次粒径の異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  27. 前記電気泳動粒子が、前記分散媒に分散した状態で互いに異なる色に発色すると共に、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が互いに異なる2種類以上の電気泳動粒子を含んで構成されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
  28. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
    該一対の基板の間隙に封入された分散媒と、
    該分散媒に含まれ、1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、
    前記一対の基板間に配置され、前記電気泳動粒子を保持する機能を有すると共に不織布からなる保持体を含む調光層と、
    前記一対の基板の一方の基板側と他方の基板側とに配置された一対の電極と、
    該一対の電極に接続され、前記分散媒に対して電界を印加する電界印加手段と、
    を少なくとも備え、
    前記電気泳動粒子は、前記電圧印可手段によって印加された電界により、少なくとも前記保持体表面における任意の領域に保持された状態から該保持体表面における他の領域へと移動することを特徴とする表示装置。
  29. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において連続的または段階的に異なることを特徴とする請求項28に記載の表示装置。
  30. 前記保持体の前記電気泳動粒子を保持する機能が、前記一対の基板の向かい合う方向において該一対の基板の少なくとも一方から離れるほど連続的または段階的に小さいことを特徴とする請求項28に記載の表示装置。
  31. 分散媒と、該分散媒に含まれ、正負何れかの極性に帯電し1種類以上のまたは互いに色の異なる2種類以上の電気泳動粒子と、少なくとも一部が全種類の前記電気泳動粒子と逆の極性に帯電され前記電気泳動粒子を保持する機能を有する保持体と、を含む調光層に対して、
    電位勾配が形成され、且つ、前記電気泳動粒子を、前記保持体を介して移動させる電界を印加することにより、
    前記調光層の一方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最大濃度となるように表示を行う第1の表示工程と、
    前記調光層の他方の側に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、最小濃度で表示を行う第2の表示工程と、
    前記調光層の前記一方の側と前記他方の側との間に前記電気泳動粒子を偏在させて、前記調光層の一方の側における前記電気泳動粒子に起因する色濃度が、前記最大濃度よりも小さく且つ前記最小濃度よりも大きい濃度で表示を行う第3の表示工程と、
    を任意の順で実施して表示の切り替えを行うことを特徴とする表示方法。
  32. 前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値の絶対値が100V/cm〜30kV/cmの範囲内であることを特徴とする請求項31に記載の表示方法。
  33. 前記保持体に保持された状態の電気泳動粒子が、前記保持体から離脱して前記分散媒中を移動する電界の閾値を有し、
    前記調光層に対して印加される電界の電圧波形が、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値以上である電圧で電界を印加し続ける第一の区間と、電圧の絶対値が前記電界の閾値に対応する閾電圧の絶対値未満である電圧で電界を印加し続ける第二の区間と、を1周期とする波形で構成され、且つ、少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の波形が下式(3)を満たすことを特徴とする請求項31に記載の表示方法。
    ・式(3) Ep<Emax
    〔式(3)において、Epは、下式(4)で示される値を表し、Emaxは、電圧の絶対値が閾電圧の絶対値以上である電圧で調光層に対して電界を連続的に印加した場合に、最大濃度から最小濃度、または、最小濃度から最大濃度へと表示濃度を変化させるのに要する電圧・時間積量(V・s)を意味する。〕
    Figure 0004049202

    〔式(4)中、tは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間内の任意の時間(s)を表し、tpは、前記少なくともいずれか1つの周期における第一の区間の開始から終了までの時間(s)を表し、V(t)は、前記時間tにおける電圧(V)を表す。〕
JP2006339017A 2006-11-10 2006-12-15 表示媒体、表示装置および表示方法 Expired - Fee Related JP4049202B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006339017A JP4049202B1 (ja) 2006-11-10 2006-12-15 表示媒体、表示装置および表示方法
US11/806,829 US7656576B2 (en) 2006-11-10 2007-06-04 Display medium, display device and display method

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006305162 2006-11-10
JP2006305162 2006-11-10
JP2006339017A JP4049202B1 (ja) 2006-11-10 2006-12-15 表示媒体、表示装置および表示方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4049202B1 true JP4049202B1 (ja) 2008-02-20
JP2008139803A JP2008139803A (ja) 2008-06-19

Family

ID=39181778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006339017A Expired - Fee Related JP4049202B1 (ja) 2006-11-10 2006-12-15 表示媒体、表示装置および表示方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7656576B2 (ja)
JP (1) JP4049202B1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2485210A1 (en) 2011-02-08 2012-08-08 NLT Technologies, Ltd. Image display device having memory property
WO2013114536A1 (ja) 2012-01-30 2013-08-08 Nltテクノロジー株式会社 メモリ性を有する画像表示装置
US8570641B2 (en) 2010-10-28 2013-10-29 Seiko Epson Corporation Display sheet, display device, and electronic apparatus
US8643939B2 (en) 2011-02-09 2014-02-04 Seiko Epson Corporation Electrophoretic display sheet and manufacturing method therefor
US8963903B2 (en) 2011-04-07 2015-02-24 Nlt Technologies, Ltd. Image display device having memory property

Families Citing this family (53)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7499211B2 (en) * 2006-12-26 2009-03-03 Fuji Xerox Co., Ltd. Display medium and display device
US20090034055A1 (en) * 2007-07-31 2009-02-05 Gibson Gary A Plasmon-based color tunable devices
US8570636B2 (en) * 2008-04-18 2013-10-29 Zikon Inc. Systems, methods and compositions relating to display elements
TWI484273B (zh) * 2009-02-09 2015-05-11 E Ink Corp 電泳粒子
JP5434804B2 (ja) * 2010-06-07 2014-03-05 富士ゼロックス株式会社 表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置
JP5741829B2 (ja) * 2010-06-18 2015-07-01 ソニー株式会社 電気泳動素子、表示装置および電子機器
JP6002129B2 (ja) * 2010-07-13 2016-10-05 リサーチ フロンティアーズ インコーポレイテッド 耐久性が改善されたspdフィルム及び光弁ラミネート
JP5423603B2 (ja) * 2010-07-26 2014-02-19 日立化成株式会社 懸濁粒子装置及びその駆動方法
JP2012093384A (ja) 2010-10-22 2012-05-17 Seiko Epson Corp 表示シート、表示装置および電子機器
JP2012093627A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Seiko Epson Corp 表示シート、表示装置および電子機器
US8670174B2 (en) * 2010-11-30 2014-03-11 Sipix Imaging, Inc. Electrophoretic display fluid
JP5609700B2 (ja) * 2011-02-17 2014-10-22 ソニー株式会社 電気泳動素子および表示装置
JP2012198417A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Sony Corp 電気泳動素子、表示装置および電子機器
JP5673269B2 (ja) * 2011-03-22 2015-02-18 ソニー株式会社 電気泳動素子、表示装置および電子機器
JP5741122B2 (ja) * 2011-03-28 2015-07-01 ソニー株式会社 電気泳動素子、表示装置および電子機器
JP5287952B2 (ja) * 2011-08-23 2013-09-11 富士ゼロックス株式会社 表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置
JP2013045074A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Sony Corp 電気泳動素子およびその製造方法、表示装置、表示基板ならびに電子機器
JP5870605B2 (ja) * 2011-10-13 2016-03-01 ソニー株式会社 表示装置およびその駆動方法、ならびに電子機器
JP5817464B2 (ja) * 2011-11-22 2015-11-18 ソニー株式会社 電気泳動素子および表示装置
CN103135309B (zh) * 2011-11-22 2017-11-17 索尼公司 电泳装置、电泳装置的制造方法、以及显示器
JP5942776B2 (ja) * 2011-11-22 2016-06-29 ソニー株式会社 電気泳動素子および表示装置
JP5942394B2 (ja) * 2011-11-22 2016-06-29 ソニー株式会社 電気泳動素子および表示装置
JP5845852B2 (ja) * 2011-11-29 2016-01-20 富士ゼロックス株式会社 画像表示媒体駆動装置、画像表示装置、及び画像表示媒体駆動プログラム
JP5906749B2 (ja) * 2012-01-16 2016-04-20 セイコーエプソン株式会社 表示装置、表示装置の製造方法および電子機器
JP5516616B2 (ja) * 2012-02-07 2014-06-11 日立化成株式会社 懸濁粒子装置及びこれを用いた調光装置並びにその駆動方法
JP5884659B2 (ja) * 2012-06-29 2016-03-15 ソニー株式会社 電気泳動素子および表示装置
US11017705B2 (en) 2012-10-02 2021-05-25 E Ink California, Llc Color display device including multiple pixels for driving three-particle electrophoretic media
US9360733B2 (en) * 2012-10-02 2016-06-07 E Ink California, Llc Color display device
JP2014106333A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Sony Corp 電気泳動素子、表示装置および電子機器
JP5966885B2 (ja) * 2012-11-27 2016-08-10 ソニー株式会社 電気泳動素子および表示装置
JP2014209159A (ja) * 2013-03-26 2014-11-06 ソニー株式会社 表示装置および電子機器
US9759980B2 (en) 2013-04-18 2017-09-12 Eink California, Llc Color display device
EP2987024B1 (en) 2013-04-18 2018-01-31 E Ink California, LLC Color display device
KR20140131669A (ko) * 2013-05-06 2014-11-14 삼성전자주식회사 반사형 디스플레이 장치
WO2014186605A1 (en) 2013-05-17 2014-11-20 Sipix Imaging, Inc. Color display device with color filters
CA2912689C (en) 2013-05-17 2019-08-20 E Ink California, Llc Color display device
US9383623B2 (en) 2013-05-17 2016-07-05 E Ink California, Llc Color display device
JP2015004914A (ja) 2013-06-24 2015-01-08 ソニー株式会社 表示装置および電子機器
TWI534520B (zh) 2013-10-11 2016-05-21 電子墨水加利福尼亞有限責任公司 彩色顯示裝置
JP6441369B2 (ja) 2014-01-14 2018-12-19 イー インク カリフォルニア, エルエルシー フルカラーディスプレイデバイス
US9541814B2 (en) 2014-02-19 2017-01-10 E Ink California, Llc Color display device
US10380955B2 (en) 2014-07-09 2019-08-13 E Ink California, Llc Color display device and driving methods therefor
US10891906B2 (en) 2014-07-09 2021-01-12 E Ink California, Llc Color display device and driving methods therefor
US9922603B2 (en) 2014-07-09 2018-03-20 E Ink California, Llc Color display device and driving methods therefor
PL3167337T3 (pl) 2014-07-09 2022-07-25 E Ink California, Llc Sposób sterowania kolorowym urządzeniem elektroforetycznym
US10147366B2 (en) 2014-11-17 2018-12-04 E Ink California, Llc Methods for driving four particle electrophoretic display
CN108133690B (zh) * 2016-12-01 2020-03-31 元太科技工业股份有限公司 电泳式显示器装置
JP6972334B2 (ja) 2017-11-14 2021-11-24 イー インク カリフォルニア, エルエルシー 多孔性伝導電極層を含む電気泳動活性分子送達システム
US11938214B2 (en) 2019-11-27 2024-03-26 E Ink Corporation Benefit agent delivery system comprising microcells having an electrically eroding sealing layer
CN110967889A (zh) * 2019-12-23 2020-04-07 Tcl华星光电技术有限公司 显示面板
US11846863B2 (en) 2020-09-15 2023-12-19 E Ink Corporation Coordinated top electrode—drive electrode voltages for switching optical state of electrophoretic displays using positive and negative voltages of different magnitudes
AU2021344334B2 (en) 2020-09-15 2023-12-07 E Ink Corporation Improved driving voltages for advanced color electrophoretic displays and displays with improved driving voltages
EP4214574A1 (en) 2020-09-15 2023-07-26 E Ink Corporation Four particle electrophoretic medium providing fast, high-contrast optical state switching

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3575061B2 (ja) 1994-05-30 2004-10-06 富士ゼロックス株式会社 静電写真用現像剤およびそれを用いる画像形成方法
JP2003149690A (ja) 2001-11-12 2003-05-21 Tdk Corp 表示装置
JP2003186062A (ja) 2001-12-18 2003-07-03 Tdk Corp 電気泳動表示装置及びその製造方法
JP2004252170A (ja) 2003-02-20 2004-09-09 Canon Inc 表示素子
CN100392510C (zh) * 2003-03-06 2008-06-04 精工爱普生株式会社 微胶囊及其用途
JP2005326570A (ja) 2004-05-13 2005-11-24 Brother Ind Ltd 電気泳動表示装置
JP4613519B2 (ja) 2004-05-31 2011-01-19 ブラザー工業株式会社 電気泳動表示装置
JP2006091546A (ja) 2004-09-24 2006-04-06 Canon Inc 粒子移動型表示装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8570641B2 (en) 2010-10-28 2013-10-29 Seiko Epson Corporation Display sheet, display device, and electronic apparatus
EP2485210A1 (en) 2011-02-08 2012-08-08 NLT Technologies, Ltd. Image display device having memory property
US9013516B2 (en) 2011-02-08 2015-04-21 Nlt Technologies, Ltd. Image display device having memory property
US8643939B2 (en) 2011-02-09 2014-02-04 Seiko Epson Corporation Electrophoretic display sheet and manufacturing method therefor
US8963903B2 (en) 2011-04-07 2015-02-24 Nlt Technologies, Ltd. Image display device having memory property
WO2013114536A1 (ja) 2012-01-30 2013-08-08 Nltテクノロジー株式会社 メモリ性を有する画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20080112040A1 (en) 2008-05-15
US7656576B2 (en) 2010-02-02
JP2008139803A (ja) 2008-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4049202B1 (ja) 表示媒体、表示装置および表示方法
JP5119674B2 (ja) 画像表示媒体、画像表示装置、書込装置、及び画像表示プログラム
JP5125305B2 (ja) 画像表示媒体、及び画像表示装置
JP5609700B2 (ja) 電気泳動素子および表示装置
JP2011123205A (ja) 表示装置
JP2013228746A (ja) 画像表示媒体及び画像表示装置
KR20070112073A (ko) 전기영동 디스플레이 매체, 장치 및 이러한 장치를사용하는 영상 디스플레이 방법
JP4033225B1 (ja) 表示媒体、表示装置および表示方法
JP2013173896A (ja) 表示用分散液、表示媒体、および表示装置
JP2007310401A (ja) 電気泳動ディスプレイ媒体
EP1857860A1 (en) Electrophoretic display devices, and methods of forming such devices
JP2008286855A (ja) 表示媒体及び表示装置
JP2003241230A (ja) 表示デバイス用粒子及びそれを用いた画像表示媒体、並びに画像形成装置
KR20140093676A (ko) 전기 영동 소자 및 그 제조 방법 및 표시 장치
JP2004287280A (ja) 表示デバイス用粒子及びそれを用いた画像表示媒体、並びに画像形成装置
JP2008158067A (ja) 表示媒体、表示装置および表示方法
JP2014002272A (ja) 電気泳動素子および表示装置
JP2004133353A (ja) 電気泳動表示用粒子、電気泳動表示用粒子分散液およびそれを用いた電気泳動表示装置
JP5870605B2 (ja) 表示装置およびその駆動方法、ならびに電子機器
KR101038282B1 (ko) 전기영동입자 및 이를 이용한 전기영동 디스플레이
JP2008216321A (ja) 表示媒体及び表示装置
JP2004198973A (ja) 表示デバイス用粒子、画像表示媒体および画像形成装置
JP5412723B2 (ja) 表示媒体、及び表示装置
US20100207868A1 (en) Display particles for image display apparatus and image display apparatus using the same
JP5942776B2 (ja) 電気泳動素子および表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees