JP4047616B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関し、特に被処理体である半導体ウエハにプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの製造プロセスでは、被処理体である半導体ウエハに対して、エッチングやスパッタリング、CVD(化学気相成長)等のプラズマ処理が施されている。
【0003】
このようなプラズマ処理を施すためのプラズマ処理装置としては、種々のものが用いられるが、特に、下記の容量結合型平行平板プラズマ処理装置が主に用いられる。
【0004】
この容量結合型平行平板プラズマ処理装置(図6)は、半導体ウエハ60をその内部チャンバ(以下「チャンバ」という。)61においてプラズマ処理する円筒形状の真空容器と、当該チャンバ61内の上部に配置された上部電極62及び同下部に配置された下部電極63からなる一対の平行平板電極とを備える。
【0005】
当該容量結合型平行平板プラズマ処理装置は、上部電極62と対向するように下部電極63に載置された半導体ウエハ60に対してプラズマ処理を施す。このプラズマ処理を施すためのプラズマは、チャンバ61内に導入された処理ガスから平行平板電極間に形成された高周波電界によって生成される。
【0006】
当該容量結合型平行平板プラズマ処理装置によって半導体ウエハ60上の膜、例えば酸化膜をエッチングする場合には、チャンバ61内を中圧にして、中密度プラズマを生成することにより最適ラジカル制御を可能とし、これにより適切なプラズマ状態を得た上で、安定性および再現性の高いエッチングを実現している。
【0007】
このとき、半導体ウエハ60上で生成されたプラズマは、両極性拡散によって上部電極62、チャンバ側壁64及び排気プレート65等のグランドに向かって等方的に拡散し、拡散されたプラズマは、グランドに到達すると高周波リターン電流を発生し、該高周波リターン電流はグランドから下部電極63に還流する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チャンバ61では、下部電極63上の半導体ウエハ60から上部電極62までの距離に対して半導体ウエハ60からチャンバ側壁64までの距離が長いのが一般的であり、生成されたプラズマの等方的な拡散により、チャンバ側壁64方向への拡散度合が大きくなり、その結果、チャンバ側壁64方向に存在する半導体ウエハ60の周縁部におけるプラズマ密度が、上部電極62に対向する半導体ウエハ60の中心部におけるプラズマ密度よりも小さくなってチャンバ61内におけるプラズマ密度が不均一化し、半導体ウエハ60のエッチンググレード分布も不均一となる問題がある。
【0009】
また、プラズマ密度の不均一化の要因としては、上述したプラズマの等方的な拡散に起因するものの他に、高周波電力が印加される平行平板電極における電極表面のインダクタンス及びプラズマからの反射波である高調波により電極表面に生成される定在波による半導体ウエハ60の径方向に関する高周波電界分布の不均一に起因するものが知られている。
【0010】
この高周波電界分布の不均一を解消することによってプラズマ密度の不均一化を解消する装置としては、特開2000−323456号公報に記載されたプラズマ処理装置が知られている。
【0011】
このプラズマ処理装置は、上部電極として、導電体又は半導体で構成された外側部分及び誘電体部材又は高抵抗部材で構成された中央部分からなる電極板を有し、当該上部電極に高周波電力が印加される。
【0012】
このプラズマ処理装置では、中央部分が誘電体部材の場合には、その容量成分により電極板のプラズマと接する面の径方向のインダクタンス成分を打ち消すことができ、また、高抵抗部材の場合には、そこで多くの高周波電力がジュール熱として消費されるので、電極板のプラズマと接する面における中央部の電界強度の低下により高周波電界分布が均一となってプラズマ密度の均一化を達成することができる。
【0013】
しかしながら、上述した特開2000−323456号公報記載のプラズマ処理装置において、高周波電力が印加される上部電極は外側部分と中央部分と材質が異なるので、外側部分と中央部分との間における電位差が生じやすく、これによる異常放電の発生により、上部電極の消耗が速いという問題があり、一般的に用いることができるものではなかった。
【0014】
本発明の目的は、プラズマ密度の均一化を達成することができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のプラズマ処理装置は、被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、高周波電力を供給する高周波電源とを有し、前記被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、前記高周波電源は前記下部電極に前記高周波電力を供給し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有し、前記可変インピーダンス部は、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、第1の周波数の前記リターン電流の値を変化させないと共に第2の周波数の前記リターン電流の値を変化させ、前記第2の周波数は前記第1の周波数よりも高いことを特徴とする。
請求項1記載のプラズマ処理装置によれば、可変インピーダンス部は、内側電極部を介して高周波電源に還流するリターン電流のうち、第1の周波数のリターン電流の値を変化させないと共に第2の周波数のリターン電流の値を変化させので、第1の周波数のリターン電流の値を変化させることなく、プラズマの生成の主因である第2の周波数のリターン電流の値を変化させ、内側電極部の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができる。
上記目的を達成するために、請求項2記載のプラズマ処理装置は、被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、互いに周波数が異なる少なくとも第1及び第2の電力を供給する高周波電源とを有し、前記被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、前記高周波電源は前記下部電極に前記少なくとも第1及び第2の電力を供給し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有し、前記可変インピーダンス部は、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、前記第1の電力に対応するリターン電流の値を変更することなく、前記第2の電力に対応するリターン電流の値を変更し、前記第2の電力の周波数は前記第1の電力の周波数より高いことを特徴とする。
請求項2記載のプラズマ処理装置によれば、可変インピーダンス部は、内側電極部を介して高周波電源に還流するリターン電流のうち、第2の電力に対応するリターン電流の値を変化させると共に第1の電力に対応するリターン電流の値を変化させないので、第1の電力に対応するリターン電流の値を変化させることなく、プラズマの生成の主因である第2の電力に対応するリターン電流の値を変化させ、内側電極部の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができる。
請求項3記載のプラズマ処理装置は、請求項1又は2記載のプラズマ処理装置において、前記外側電極部は接地することを特徴とする。
請求項4記載のプラズマ処理装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、前記絶縁部はAl又はSiOから形成されることを特徴とする。
請求項5記載のプラズマ処理装置は、請求項1、3及び4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、前記第2の周波数は100MHzであることを特徴とする。
請求項6記載のプラズマ処理装置は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、前記第2の電力の周波数は100MHzであることを特徴とする。
請求項記載のプラズマ処理装置は、請求項1、3、4及び5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、前記第1の周波数は3.2MHzであることを特徴とする。
請求項8記載のプラズマ処理装置は、請求項2、3、4及び6のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、前記第1の電力の周波数は3.2MHzであることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項記載のプラズマ処理方法は、被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、高周波電力を供給する高周波電源とを有し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有るプラズマ処理方法であって、前記高周波電源が前記下部電極に前記高周波電力を供給する高周波電力供給ステップを有し、該高周波電力供給ステップでは、前記可変インピーダンス部が、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、第1の周波数の前記リターン電流の値を変化させないと共に第2の周波数の前記リターン電流の値を変化させ、前記第2の周波数は前記第1の周波数よりも高いことを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項10記載のプラズマ処理方法は、被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、互いに周波数が異なる少なくとも第1及び第2の電力を供給する高周波電源とを有し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有るプラズマ処理装置に適用されるプラズマ処理方法であって、前記高周波電源が前記下部電極に前記少なくとも第1及び第2の電力を供給する高周波電力供給ステップを有し、該高周波電力供給ステップでは、前記可変インピーダンス部が、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、前記第1の電力に対応するリターン電流の値を変更することなく、前記第2の電力に対応するリターン電流の値を変更し、前記第2の電力の周波数は前記第1の電力の周波数より高いことを特徴とする。
請求項11記載のプラズマ処理方法は、請求項又は10記載のプラズマ処理方法において、前記外側電極部は接地することを特徴とする。
請求項12記載のプラズマ処理方法は、請求項乃至11のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、前記絶縁部はAl又はSiOから形成されることを特徴とする。
請求項13記載のプラズマ処理方法は、請求項9、11及び12のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、前記第2の周波数は100MHzであることを特徴とする。
請求項14記載のプラズマ処理方法は、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、前記第2の電力の周波数は100MHzであることを特徴とする。
請求項15記載のプラズマ処理方法は、請求項9、11、12及び13のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、前記第1の周波数は3.2MHzであることを特徴とする。
請求項16記載のプラズマ処理方法は、請求項10、11、12及び14のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、前記第1の電力の周波数は3.2MHzであることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置を詳述する。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。
【0033】
図1において、プラズマエッチング処理装置1は、所定の直径の第1の円筒をなす下部と、該第1の円筒よりも直径が小さい第2の円筒をなす上部とを有してなるプラズマ処理容器2を備える。プラズマ処理容器2には、その上部において環状の永久磁石3が外嵌されている。
【0034】
また、プラズマ処理容器2は、その上部の頂部内側に下向きの凹部4を有し、その下部の底部に開口5を有する。このプラズマ処理容器2は導電性材料からなる。
【0035】
プラズマ処理容器2において、底部の開口5は、該底部から立設されたステンレス等の導電性材料製のベローズ7を介して排気プレート9等によって閉鎖されている。ベローズ7は、プラズマ処理容器2の底部に立設された第1のベローズカバー8と、第1のベローズカバー8に嵌合するように排気プレート9に固定された第2のベローズカバー10とによって保護される。頂部の凹部4は、複数の孔11があけられ、且つ上方に凸であるドーム形状の上部電極12で閉鎖されている。
【0036】
排気プレート9は、複数の通気孔13を有するリング状の円盤であり、その中央部にディスク形状の下部電極14を有すると共に、プラズマ処理容器2の内部を、上部におけるチャンバ15と、下部における排気室16に画成する。このとき、上部電極12及び排気プレート9は、プラズマ処理容器2の内壁と共にチャンバ15の壁部を構成する。
【0037】
下部電極14の中央部はドーム形状の上部電極12における頂部の下方に位置している。これにより、下部電極14に対向する上部電極12の高さは外側から中央部にかけて高くなる。
【0038】
また、下部電極14の下面には、プラズマ処理容器2の下方から延びると共に、酸化処理されたAl等の導電性材料製の管状部材17と、管状部材17内に収容されていると共に下部電極14を上下方向に昇降させる昇降軸18が固定されている。下部電極14は、その下面及び側面が電極保護部材19で保護され、さらに電極保護部材19は、その下面及び側面が導電性部材20で覆われている。昇降軸18には高周波電源6が接続されている。
【0039】
下部電極14の上面周囲にはインシュレータリング21が配され、インシュレータリング21の内側において下部電極14の上面には、静電チャック22が配されている。また、インシュレータリング21の上にはフォーカスリング23が配され、フォーカスリング23の内側において静電チャック22の上には、下部電極14の中央部において被処理物としての半導体ウエハ24が載置される。
【0040】
プラズマ処理容器2は、その頂部にガス供給口25を有し、このガス供給口 には流量調整弁26及び開閉弁27を介してチャンバ15内への処理ガス供給のためのガス供給源28が接続され、且つその底部に排気口29を有し、この排気口29には、チャンバ15内を真空引きする真空ポンプ30が接続されている。
【0041】
このように構成されたプラズマエッチング処理装置1は、半導体ウエハ24にプラズマ処理を施す際に、まず、不図示の駆動機構によって昇降軸18を上方に移動させて半導体ウエハ24を所定の位置まで移動し、高周波電源6により、高周波電力を下部電極14に印加する。
【0042】
次いで、真空ポンプ30によりチャンバ15を所定の真空雰囲気に減圧し、ガス供給源28からガス供給口25を介してCF系ガスを含む処理ガスをチャンバ15に導入すると、上部電極12と下部電極14との間に形成された高周波電界によりグロー放電が生じて処理ガスから半導体ウエハ24上においてプラズマが生成される。
【0043】
この生成されたプラズマは、グランドであるチャンバ15の壁部に向かって等方的に拡散して半導体ウエハ24上に分布し、例えば、酸化膜がマスキングされている半導体ウエハ24をエッチングする。
【0044】
この生成されたプラズマの等方的な拡散において、プラズマエッチング処理装置1では、半導体ウエハ24を載置するディスク形状の下部電極14に対するドーム形状の上部電極12の高さが外側から中央部にかけて高くなるので、半導体ウエハ24の中心部においてプラズマの上部電極12方向への拡散度合を大きくすることができる。
【0045】
その後、グランドに到達したプラズマが高周波リターン電流を発生し、該高周波リターン電流は高周波電源6に還流する。
【0046】
本第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置によれば、下部電極14に対する上部電極12の高さが外側から中央部にかけて高くなるので、生成されたプラズマの等方的な拡散において、半導体ウエハ24の中心部における上部電極12方向への拡散度合を大きくすることができ、もって、半導体ウエハ24の中心部におけるプラズマ密度を小さくすることができ、半導体ウエハ24におけるプラズマ密度の均一化を達成することができる。
【0047】
上述した実施の形態では、上部電極12が上方に凸であるドーム形状に形成されたが、上部電極12の形状は単純なドーム形状に限られるものではなく、この他、円筒又は円錐形状であってもよく、これらの形状が複合されたものであってもよい。すなわち、半導体ウエハ24上に生成されるプラズマの分布に応じて適宜、上部電極12を適切な形状で形成すればよい。
【0048】
また、上部電極12を、ゴムで形成されたO−RING等を介して凹部4に嵌合するように構成し、且つ各々が異なる形状を呈する複数の上部電極12を準備すれば、上部電極12の交換が容易であると共に、種々のプラズマの分布に備えることができるので、半導体ウエハ24の種類、処理ガスの種類、又はマスクパターンの種類を変更したときの段取り替えを迅速且つ容易に行うことができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置を詳述する。
【0050】
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。
【0051】
本第2の実施の形態は、その構成が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、同じ構成要素については同一の符号を附して重複した説明を省略し、以下に異なる部位の説明を行う。
【0052】
図2において、上部電極31は複数の孔32が空けられた円盤であって、上部電極31は、その外縁に沿って配設される導電体又は半導体からなる導電部33と、該導電部33の内側に配設され、且つ導電部33より抵抗が大きいAlからなる高抵抗部34とからなり、プラズマエッチング処理装置1は、下部電極14に高周波電力を供給する高周波電源6とを有する。
【0053】
このとき、プラズマエッチング処理装置1において、上部電極31と下部電極14とは、各々の中央部が一致するように対向して配設されているので、高抵抗部34と下部電極14に載置された半導体ウエハ24の中央部とが対向する。
【0054】
このプラズマエッチング処理装置1では、高周波電源6が下部電極14に高周波電流を印加することによってプラズマを生成する。
【0055】
また、このプラズマエッチング処理装置1では、グランドに到達したプラズマが高周波リターン電流を発生し、該高周波リターン電流は高周波電源6に還流するが、該高抵抗部34における高周波リターン電流の抑制により、当該高抵抗部34の表面上におけるプラズマ密度を減少させて、当該高抵抗部34に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を低下させる。
【0056】
本第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置によれば、下部電極14に高周波電力を印加することによってプラズマを生成するので、上部電極31において導電部33と高抵抗部34との間における電位差をなくし、異常放電の発生を防止して、上部電極31の消耗を抑制することができることに加え、上部電極31が、その中央部に配設された高抵抗部34と、高抵抗部34の内部に配設され、高抵抗部34より抵抗が小さい導電部33とからなるので、該高抵抗部34における高周波リターン電流の抑制により、当該高抵抗部34の表面上におけるプラズマ密度を減少させて、当該高抵抗部34に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を低下させ、もって半導体ウエハ24上におけるプラズマ密度の均一化を達成することができる。
【0057】
上述した本第2の実施の形態では、高抵抗部34をAlで形成したが、高抵抗部34の材料部はAl限られるものではなく、この他、Si及びSiC等の高抵抗体からなる群又はAl23及びSiO2等の誘電体からなる群から選択された1つであってもよく、これらの材料が複合されたものであってもよい。すなわち、高抵抗部34の材料は、所定値以上の抵抗値を呈するものであればよく、これにより、高抵抗部における高周波リターン電流の抑制を確実に達成できると共に、これらの材料は安価に入手できるので、もって確実且つ安価にプラズマ密度の均一化を達成することができる。
【0058】
また、互いに異なる抵抗値を呈する複数の高抵抗部34を準備すれば、種々のプラズマの分布に備えることができるので、半導体ウエハ24の種類、処理ガスの種類、又はマスクパターンの種類を変更したときの段取り替えを迅速且つ容易に行うことができる。
【0059】
さらに、二周波ドライエッチングを行う際には、高抵抗部34のスキンデプス厚みを調整し、低周波電流に影響を与えずに高周波電流の経路を変化させること等によってプラズマの分布を均一にすることができる。
【0060】
以下に、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置を詳述する。
【0061】
図3は、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。
【0062】
本第3の実施の形態は、その構成が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、同じ構成要素については同一の符号を附して重複した説明を省略し、以下に異なる部位の説明を行う。
【0063】
図3において、上部電極35は複数の孔36が空けられた円盤であり、且つ上部電極35は、その中央部に配設された導電体からなる内側電極部37と、該内側電極部37の周囲に配設された導電体からなる外側電極部38と、該外側電極部38及び内側電極部37の間に介在する絶縁部39と、内側電極部37及び外側電極部38を可変インピーダンス素子40を介して連結する抵抗回路41とからなり、プラズマエッチング処理装置1は、下部電極14に高周波電力を供給する高周波電源6とを有する。
【0064】
このとき、プラズマエッチング処理装置1において、上部電極35と下部電極14とは、各々の中央部が一致するように対向して配設されているので、内側電極部37と下部電極14の中央部とが対向し、内側電極部37と半導体ウエハ24の中心部とが対向する。
【0065】
このプラズマエッチング処理装置1は、半導体ウエハ24にプラズマ処理を施す際に、下部電極14に高周波電流を印加することによってプラズマを生成する。
【0066】
また、このプラズマエッチング処理装置1では、グランドに到達したプラズマは高周波リターン電流を発生し、該高周波リターン電流は高周波電源6に還流するが、当該可変インピーダンス素子40の抵抗値(インピーダンス)を変化させることにより、内側電極部37における高周波リターン電流の値を変化させ、内側電極部37の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができる。すなわち、内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を制御することができる。
【0067】
また、可変インピーダンス素子40を使用すると下記に示すように、異なる周波数域において個別に抵抗値を変化させることができる。
【0068】
以下、図面を用いて可変インピーダンス素子40を使用したときの異なる周波数域における抵抗値の個別変化について説明する。
【0069】
まず、可変インピーダンス素子40として可変インダクタを用いた場合について説明する。
【0070】
図4は、図3における可変インピーダンス素子40として可変インダクタを用いた場合における抵抗値の個別変化について説明する図である。
【0071】
図4(a)は、内側電極部37の外径a380(mm)及び外側電極部38の外径b400(mm)である上部電極35の板厚及びインダクタンス容量を変化させたときの100(MHz)における抵抗値(インピーダンス)の変化を示し、図4(b)は、内側電極部37の外径a380(mm)及び外側電極部38の外径b400(mm)である上部電極35の板厚及びインダクタンス容量を変化させたときの3.2(MHz)における抵抗値の変化を示す。
【0072】
図4(a)及び図4(b)は、100(MHz)における抵抗値がインダクタンス容量の増加に伴い増加し、且つある所定のインダクタンス容量を超えると当該抵抗値は急激に増加するが、3.2(MHz)における抵抗値はインダクタンス容量の増加に対して極めて微量しか増加しないことを示す。
【0073】
これにより、可変インダクタを用いてインダクタンス容量を変化させると、内側電極部37において低周波域(例えば、3.2(MHz))のリターン電流の値を変化させることなく、プラズマの生成の主因である高周波域(例えば、100(MHz))の高周波リターン電流の値を変化させ、当該内側電極部37の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができる。すなわち、低周波域のリターン電流の値を変化させることなく、当該内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を制御することができる。
【0074】
図4(c)は、内側電極部37の外径a100(mm)及び外側電極部38の外径b120(mm)である上部電極35の板厚及びインダクタンス容量を変化させたときの100(MHz)における抵抗値の変化を示し、図4(d)は、内側電極部37の外径a100(mm)及び外側電極部38の外径b120(mm)である上部電極35の板厚及びインダクタンス容量を変化させたときの3.2(MHz)における抵抗値の変化を示す。
【0075】
図4(c)及び図4(d)は、図4(a)及び図4(b)と同様に、100(MHz)における抵抗値がインダクタンス容量の増加に伴い増加し、3.2(MHz)における抵抗値はインダクタンス容量の増加に対して極めて微量しか増加しないことを示す。
【0076】
また、図4(a)及び図4(c)は、上部電極35の板厚又は内側電極部37及び外側電極部38の外径が変化すると、100(MHz)における抵抗値の増加度合いは変化し、且つ当該抵抗値が急激に増加する所定のインダクタンス容量も変化することを示す。
【0077】
これにより、上部電極35の板厚又は内側電極部37及び外側電極部38の外径を変化させても、高周波域の高周波リターン電流の値を変化させ、当該内側電極部37の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができ、当該内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を制御することができる。
【0078】
また、プラズマエッチング処理装置1の上部電極35における可変インピーダンス素子40として可変インダクタを用いる場合は、図4(a)又は図4(c)における抵抗値が急激に増加する所定のインダクタンス容量までの間においてインダクタンス容量を変化させることが、制御安定性の観点から好ましい。
【0079】
次に、図3における可変インピーダンス素子40として、インダクタンスと並列に配列された可変コンデンサを用いた場合について説明する。
【0080】
図5は、図3における可変インピーダンス素子40として可変コンデンサを用いた場合における抵抗値の個別変化について説明する図である。
【0081】
図5(a)は、内側電極部37の外径a380(mm)及び外側電極部38の外径b400(mm)である上部電極35の板厚及びコンデンサ容量(キャパシタンス)を変化させたときの100(MHz)における抵抗値の変化を示し、図5(b)は、内側電極部37の外径a380(mm)及び外側電極部38の外径b400(mm)である上部電極35の板厚及びコンデンサ容量を変化させたときの3.2(MHz)における抵抗値の変化を示す。
【0082】
図5(a)及び図5(b)は、100(MHz)における抵抗値がコンデンサ容量の増加に伴い増加する一方、3.2(MHz)における抵抗値はコンデンサ容量の増加に対して変化しないことを示す。
【0083】
すなわち、可変コンデンサを用いてコンデンサ容量を変化させると、内側電極部37において低周波域のリターン電流の値を変化させることなく、プラズマの生成の主因である高周波域の高周波リターン電流の値を変化させ、当該内側電極部37の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができ、当該内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を制御することができる。
【0084】
図5(c)は、内側電極部37の外径a100(mm)及び外側電極部38の外径b120(mm)である上部電極35の板厚及びコンデンサ容量を変化させたときの100(MHz)における抵抗値の変化を示し、図5(d)は、内側電極部37の外径a100(mm)及び外側電極部38の外径b120(mm)である上部電極35の板厚及びコンデンサ容量を変化させたときの3.2(MHz)における抵抗値の変化を示す。
【0085】
図5(c)及び図5(d)は、図5(a)及び図5(b)と同様に、100(MHz)における抵抗値がコンデンサ容量の増加に伴い増加し、3.2(MHz)における抵抗値はコンデンサ容量の増加に対して変化しないことを示す。
【0086】
また、図5(a)及び図5(c)は、上部電極35の板厚又は内側電極部37及び外側電極部38の外径が変化すると、100(MHz)における抵抗値の増加度合いは変化することを示す。
【0087】
すなわち、上部電極35の板厚又は内側電極部37及び外側電極部38の外径を変化させても、高周波域の高周波リターン電流の値を変化させ、当該内側電極部37の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができ、当該内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を制御することができるのは、可変インピーダンス素子40として可変インダクタを用いた場合と同様である。
【0088】
また、図5(a)及び図5(c)は可変インピーダンス素子40として可変コンデンサを用いると、可変インダクタを用いた場合である図4(a)及び図4(c)における抵抗値の如く、抵抗値が急激に立ち上がることがない。
【0089】
すなわち、プラズマエッチング処理装置1の上部電極35における可変インピーダンス素子40として可変コンデンサを用いることが、制御安定性の観点から好ましい。
【0090】
尚、上記いずれの場合においても絶縁部39はAl23やSiO2等により形成される。
【0091】
本第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置によれば、下部電極14に高周波電力を印加することによってプラズマを生成するので、上部電極35において内側電極部37と外側電極部38との間における電位差をなくし、異常放電の発生を防止して、上部電極35の消耗を抑制することができることに加え、上部電極35は、その中央部に配設された導電体からなる内側電極部37と、該内側電極部37の周囲に配設された導電体からなる外側電極部38と、該外側電極部38及び内側電極部37の間に介在する絶縁部39と、内側電極部37及び外側電極部38を可変インピーダンス素子40を介して連結する抵抗回路41とを有するので、当該可変インピーダンス素子40の抵抗値を変化させることにより、内側電極部37における高周波リターン電流を変化させ、当該内側電極部37の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができ、その結果、当該内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を制御することができ、プラズマ密度の不均一の発生を容易に防ぐことができる。
【0092】
さらに、本第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置は、抵抗値を変化させるだけで内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を制御することができるので、種々のプラズマの分布に備えることができ、半導体ウエハ24の種類、処理ガスの種類、又はマスクパターンの種類を変更したときの段取り替えを迅速且つ容易に行うことができる。
【0093】
このとき、可変インピーダンス素子40が、可変インダクタ又は可変コンデンサのいずれかであるのがよい。これにより、容易に抵抗を変化できると共に、これらは安価に入手でき、もって容易且つ安価にプラズマ密度の不均一の発生を防ぐことができ、特に、可変コンデンサを用いるのが、高周波域の抵抗値が急激に立ち上がることがないので、制御安定性の観点から好ましい。
【0094】
また、内側電極部37及び外側電極部38を、可変インピーダンス素子40の代わりに所定の抵抗値を呈する電気抵抗を介して連結してもよい。このときの内側電極部37における高周波リターン電流の抑制により、当該内側電極部37の表面上におけるプラズマ密度を減少させて、当該内側電極部37に対向する半導体ウエハの中心部におけるプラズマ密度を低下させ、もって半導体ウエハ24上におけるプラズマ密度の均一化を達成することができる。
【0095】
以上、本発明の実施の形態を第1〜第3の実施の形態に分けて説明したが、これらの実施の形態は常に単独で実施する必要はなく、互いの実施の形態を組み合わせて実施してもよく、例えば、本第1の実施の形態における上部電極12を、その中央部に配設された高抵抗部と、該高抵抗部の周囲に配設されると共に高抵抗部より抵抗が小さい導電部とによって構成してもよく、又は、本第1の実施の形態における上部電極12を、その中央部に配設された導電体からなる内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された導電体からなる外側電極部と、該外側電極部及び内側電極部の間に介在する絶縁部と、内側電極部及び外側電極部を可変インピーダンス素子を介して連結する抵抗回路とによって構成してもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載のプラズマ処理装置によれば、可変インピーダンス部は、内側電極部を介して高周波電源に還流するリターン電流のうち、第1の周波数のリターン電流の値を変化させないと共に第2の周波数のリターン電流の値を変化させので、第1の周波数のリターン電流の値を変化させることなく、プラズマの生成の主因である第2の周波数のリターン電流の値を変化させ、内側電極部の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができる。
請求項2記載のプラズマ処理装置によれば、可変インピーダンス部は、内側電極部を介して高周波電源に還流するリターン電流のうち、第2の電力に対応するリターン電流の値を変化させると共に第1の電力に対応するリターン電流の値を変化させないので、第1の電力に対応するリターン電流の値を変化させることなく、プラズマの生成の主因である第2の電力に対応するリターン電流の値を変化させ、内側電極部の表面上におけるプラズマ密度を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す図である。
【図4】 (a)〜(d)は、図3における可変インピーダンス素子40として可変インダクタを用いた場合における抵抗値の個別変化について説明する図である。
【図5】 (a)〜(d)は、図3における可変インピーダンス素子40として可変コンデンサを用いた場合における抵抗値の個別変化について説明する図である。
【図6】 従来の容量結合型平行平板プラズマ処理装置の概略構成を示す図である。

Claims (16)

  1. 被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、高周波電力を供給する高周波電源とを有し、前記被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、
    前記高周波電源は前記下部電極に前記高周波電力を供給し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有し、
    記可変インピーダンス部は、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、第1の周波数の前記リターン電流の値を変化させないと共に第2の周波数の前記リターン電流の値を変化させ
    前記第2の周波数は前記第1の周波数よりも高いことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、互いに周波数が異なる少なくとも第1及び第2の電力を供給する高周波電源とを有し、前記被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
    前記高周波電源は前記下部電極に前記少なくとも第1及び第2の電力を供給し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有し、
    記可変インピーダンス部は、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、前記第1の電力に対応するリターン電流の値を変更することなく、前記第2の電力に対応するリターン電流の値を変更し、
    前記第2の電力の周波数は前記第1の電力の周波数より高いことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 前記外側電極部は接地することを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記絶縁部はAl又はSiOから形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記第2の周波数は100MHzであることを特徴とする請求項1、3及び4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記第2の電力の周波数は100MHzであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記第1の周波数は3.2MHzであることを特徴とする請求項1、3、4及び5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記第1の電力の周波数は3.2MHzであることを特徴とする請求項2、3、4及び6のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、高周波電力を供給する高周波電源とを有し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有るプラズマ処理装置に適用されるプラズマ処理方法であって、
    前記高周波電源が前記下部電極に前記高周波電力を供給する高周波電力供給ステップを有し、
    該高周波電力供給ステップでは、前記可変インピーダンス部が、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、第1の周波数の前記リターン電流の値を変化させないと共に第2の周波数の前記リターン電流の値を変化させ
    前記第2の周波数は前記第1の周波数よりも高いことを特徴とするプラズマ処理方法。
  10. 被処理体を収容すると共に処理ガスが導入される真空容器と、前記真空容器の内部に配設され、前記被処理体を載置するディスク形状の下部電極と、前記真空容器において前記下部電極の上方に配設される上部電極と、互いに周波数が異なる少なくとも第1及び第2の電力を供給する高周波電源とを有し、前記上部電極は、その中央部に配設された内側電極部と、該内側電極部の周囲に配設された外側電極部と、該外側電極部及び前記内側電極部の間に介在する絶縁部と、前記内側電極部及び前記外側電極部の間に接続された可変インピーダンス部とを有るプラズマ処理装置に適用されるプラズマ処理方法であって、
    前記高周波電源が前記下部電極に前記少なくとも第1及び第2の電力を供給する高周波電力供給ステップを有し、
    該高周波電力供給ステップでは、前記可変インピーダンス部が、前記内側電極部を介して前記高周波電源に還流するリターン電流のうち、前記第1の電力に対応するリターン電流の値を変更することなく、前記第2の電力に対応するリターン電流の値を変更し、
    前記第2の電力の周波数は前記第1の電力の周波数より高いことを特徴とするプラズマ処理方法。
  11. 前記外側電極部は接地することを特徴とする請求項又は10記載のプラズマ処理方法。
  12. 前記絶縁部はAl又はSiOから形成されることを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
  13. 前記第2の周波数は100MHzであることを特徴とする請求項9、11及び12のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
  14. 前記第2の電力の周波数は100MHzであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
  15. 前記第1の周波数は3.2MHzであることを特徴とする請求項9、11、12及び13のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
  16. 前記第1の電力の周波数は3.2MHzであることを特徴とする請求項10、11、12及び14のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
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