JP3219546B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3219546B2
JP3219546B2 JP14627893A JP14627893A JP3219546B2 JP 3219546 B2 JP3219546 B2 JP 3219546B2 JP 14627893 A JP14627893 A JP 14627893A JP 14627893 A JP14627893 A JP 14627893A JP 3219546 B2 JP3219546 B2 JP 3219546B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル(以下「PPE」という)と飽和ポリエステルを含有
する機械的強度が優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
この組成物はコネクター、イグニッションマニフォール
ド、コイル封止材、歯車、クランク軸等として、耐溶剤
性及び耐熱剛性が優れた自動車部材、電気部材等の工業
材料として有用なエンジニアリングプラスチックであ
る。
【0002】
【従来の技術】PPEは優れた耐熱性、寸法安定性、非
吸湿性及び電気特性などを有するエンジニアリングプラ
スチックとして利用されている。しかし、溶融流動性が
悪く、射出成形又は押出成形等の成形加工が困難であ
り、かつ、その成形体は、耐溶剤性及び耐衝撃性が劣る
という欠点がある。一方、ポリブチレンテレフタレート
に代表される飽和ポリエステルは、成形加工性、耐溶剤
性及び機械的強度が優れたエンジニアプラスチックとし
て、自動車部品や電気・電子機器部品などで幅広く利用
されている。しかし、この樹脂の成形体は、成形収縮率
及び線膨張率が大きく、また、高温における剛性の低下
が大きいという欠点を有する。このため、PPEと飽和
ポリエステルの良好な特性を併せ持ち、かつ、望ましく
ない性質を相補う樹脂組成物が得られれば、利用分野の
広い優れた樹脂材料の提供が可能となり、その工業的意
味は非常に大きいものといえる。
【0003】ここで、両樹脂を単純に溶融混合した組成
物が、例えば、特公昭51−21664号、特開昭49
−75662号及び同59−159847号各公報等に
記載されている。しかしながら、PPEと飽和ポリエス
テルとは相溶性に乏しく、このような単純なブレンド系
では組成物は均一かつ微細な混合形態となり難い。その
結果、得られた成形品の耐衝撃性、耐熱剛性、寸法精度
及び耐溶剤性において組成物化することにより満足のい
く改善結果は見られず、また、成形品の外観等はかえっ
て悪化する。この相溶性が、PPEと飽和ポリエステル
とからなるブロック及び/又はグラフト共重合体を組成
物中に添加することで向上することは一般に公知であ
る。このブロック及び/又はグラフト共重合体は、互い
に反応し、結合する官能基を有するPPEと飽和ポリエ
ステルを用いて製造することができる。この官能基とし
てPPEは一般式(II)又は一般式(III)に示すフェノ
ール性の水酸基を分子末端部分に有することが知られて
いる。
【0004】
【化2】
【0005】(式中、R1 は各々ハロゲン原子、第一級
若しくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキ
ル基、ハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化
水素オキシ基を表し、R2 は各々水素原子、ハロゲン原
子、第一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、ハ
ロ炭化水素基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキ
シ基を表す)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1 及びR2 の定義は上記と同
じ)
【0008】一方、飽和ポリエステルについては、エス
テル構造はもちろんのこと、分子末端にカルボキシル基
を有することが知られている。しかし、上記フェノール
性水酸基とカルボン酸の結合反応、すなわち、直接エス
テル化は一般に起こりにくく、反応を活性化する助剤や
その他の方法が種々開発されている。トリフェニルホス
ファイトをフェノール性水酸基とカルボン酸の直接エス
テル化の助剤として用いる方法は、従来から公知である
〔Yamazaki, Higashi: Advances in Polymer Science,
38 1,(1981) 〕。この反応をPPEの分子鎖末端部のフ
ェノール性水酸基と飽和ポリエステルの分子鎖末端部の
カルボキシル基に適用することで、PPEと飽和ポリエ
ステルのブロック共重合体ができると考えられる。
【0009】難燃化を目的として、PPEとポリエステ
エルの組成物にリン化合物(亜リン酸化合物を含む)を
5〜15重量%加えることが、米国特許第4,672,
086号明細書に示されている。しかし、ここで例示さ
れているトリス(ノニルフェニル)ホスファイト等で
は、相溶性を改良して良好な物性を有する組成物は得ら
れない。米国特許第5,124,411号明細書には、
トリフェニルホスファイト等に例示されるP(OR)3
構造を有する亜リン酸化合物を用いた、PPEとポリエ
ステルからなるブロック共重合体を含む樹脂組成物の製
造方法が開示されている。この方法では、反応促進のた
めに反応若しくは副反応により分解した亜リン酸化合物
や未反応の亜リン酸化合物を除去することが必須条件と
して示されているが、この組成物の耐衝撃強度等の物性
は満足のいくものではない。それは、この製造法で用い
られている亜リン酸化合物の熱安定性が悪く、またエス
テル縮合剤として反応活性が不足するため、生成するブ
ロック共重体の量が少なく、相溶性が十分に向上してい
ないためと考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PPEと飽
和ポリエステル化合物の相溶性を改良して、機械的強
度、耐熱剛性、耐溶剤性、成形品の外観が優れた熱可塑
性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の亜
リン酸エステル化合物がPPEと飽和ポリエステルの優
れた相溶化剤となることを見出し、更に、上記の課題を
解決するため、鋭意検討を加えた結果、酸受容体を添加
することで、物性を更に向上する樹脂組成物を見出し、
本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記の成分
(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する熱可塑性
樹脂組成物である。 (A)PPE (B)飽和ポリエステル (C)一般式(I)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、nは1又は2を表し、Arは炭素
数6〜30のアリール基又は置換アリール基を表し、n
が2のとき、Arは同じであっても異なっていてもよ
い。Rは、nが1のとき、炭素数2〜18のアルキレン
基又はアリーレン基を表し、nが2のとき、炭素数4〜
18のアルカンテトライル基を表す)で示される亜リン
酸エステルを成分(A)と成分(B)の合計100重量
部に対して0.1〜10重量部 (D)酸受容体を成分(A)と成分(B)の合計100
重量部に対して0.001〜10重量部
【0014】
【作用】本発明において実現されるPPE(A)と飽和
ポリエステル(B)との優れた相溶化は、以下の反応式
(IV)により生成するX−OCO−YなるPPEと飽和
ポリエステルのブロック共重合体によると考えられる。
【0015】
【化5】
【0016】(式中、XはPPE残基、Yは飽和ポリエ
ステル残基、n、R及びArは前記と同じ)
【0017】本発明で使用する特定の亜リン酸エステル
(C)がPPEと飽和ポリエステルの共重合体を効率よ
く生成する機構については不明である。しかし、亜リン
酸エステルにキレート状置換基とアリール置換基を併せ
持つ構造によりリン原子まわりの電子状態や、立体規制
状態がこの反応に都合よく制御される結果、上記に示し
た反応〔Yamazaki, Higashi:Advances in Polymer Scie
nce, 38 1,(1981)〕に関し、亜リン酸エステル(C)が
高い反応性を発現するものと推測される。これによりP
PEと飽和ポリエステルとの相溶性を改良し得る共重合
体が生成し、したがって、優れた相溶性を有する組成物
を与えたものと考えられる。
【0018】〈PPE(A)〉成分(A)のPPEは、
一般式(V)
【0019】
【化6】
【0020】(式中、R1 及びR2 は前記と同じ)で示
される構造単位を有する単独重合体又は共重合体であ
る。R1 及びR2 の第一級アルキル基の好適な例は、メ
チル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミ
ル、イソアミル、2−メチルブチル、2,3−ジメチル
ブチル、2−、3−若しくは4−メチルペンチル又はヘ
プチルである。第二級アルキル基の例は、イソプロピ
ル、sec −ブチル又は1−エチルプロピルである。多く
の場合、R1はアルキル基又はフェニル基、特に炭素数
1〜4のアルキル基であり、R2 は水素原子である。
【0021】PPE(A)の具体例としては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、
ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン
エーテル)、ポリ(2−エチル−6−メチル−1,4−
フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピ
ル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチル
フェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合
体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエ
チルフェノール共重合体、2,6−ジエチルフェノール
/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6
−ジプロピルフェノール/2,3,6−トリメチルフェ
ノール共重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)にスチレンをグラフト重合させたグ
ラフト共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,
3,6−トリメチルフェノール共重合体にスチレンをグ
ラフト重合させたグラフト共重合体等が挙げられる。好
適なPPEの単独重合体としては、例えばポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。好
適な共重合体としては、2,6−ジメチルフェノールと
2,3,6−トリメチルフェノールとのランダム共重合
体である。
【0022】PPEの分子量は通常クロロホルム中で測
定した30℃の固有粘度が0.2〜0.8dl/g程度のも
のが好ましい。数平均重合度で25〜400のものであ
る。PPEは、通常フェノール化合物の酸化カップリン
グ反応により製造される。PPEの酸化カップリングに
関しては、数多くの触媒系が知られている。触媒の選択
に関しては特に制限はなく、公知の触媒の何れも用いる
ことができる。例えば、銅、マンガン、コバルト等の重
金属化合物の少なくとも1種を通常は種々の他の物質と
の組み合わせで含むもの等である(例えば米国特許第
4,042,056号、同第3,306,874号、同
第3,306,875号、同第3,365,422号、
同第3,639,656号、同第3,642,699
号、同第3,733,299号、同第3,838,10
2号、同第3,661,848号、同第5,037,9
43号各明細書等)。
【0023】〈飽和ポリエステル(B)〉成分(B)の
飽和ポリエステルとしては、種々のポリエステルが使用
可能である。例えば、その一つとして、通常の方法に従
って、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステル、酸
ハライド若しくは酸無水物誘導体と、ジヒドロキシ化合
物とを縮合させて製造する熱可塑性ポリエステルが挙げ
られる。このポリエステルを製造するのに適した芳香族
又は脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、p,p´−ジカルボキシジフェニルスルホ
ン、p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボキシフ
ェノキシプロピオン酸、p−カルボキシフェノキシ酪
酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸又は2,7−ナフタレンジカルボン酸
等あるいはこれらのカルボン酸混合物が挙げられる。
【0024】また飽和ポリエステル(B)の製造に適す
る脂肪族ジオールとしては、炭素数2〜12の直鎖アル
キレングリコール、例えばエチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール等が
挙げられる。また、芳香族ジオールとしては、p−キシ
レングリコール、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒ
ドロキノン、又はこれらの化合物のアルキル置換誘導体
がある。他の適当なジオールとしては、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールも挙げられる。
【0025】他の好ましい飽和ポリエステル(B)とし
ては、ラクトンの開環重合によるポリエステルも挙げら
れる。例えば、ポリピバロラクトン、ポリ(ε−カプロ
ラクトン)等である。また、この他に好ましいポリエス
テルとして、溶融状態で液晶を形成するポリマー(Ther
motoropic Liquid Crystal Polymer ; TLCP )としての
ポリエステルがある。これらの区分にはいるポリエステ
ルとしては、イーストマンコダック社のX7G、ダート
コ社のザイダー(Xydar)、住友化学社のエコノール、ヘ
キスト−セラニーズ社のベクトラ等が代表的な製品であ
る。以上、挙げた飽和ポリエステル(B)の中でも、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポ
リ(1,4−シクロヘキサンジメチルテレフタレート)
(PCT)又は液晶性ポリエステル等が、本発明の樹脂
組成物に好適な飽和ポリエステル(B)である。
【0026】〈亜リン酸エステル(C)〉本発明で用い
る亜リン酸エステル(C)は熱安定性が優れ、キレート
状置換基とアリール置換基を併せ持つ構造によりリン原
子まわりの電子状態や、立体規制状態が制御された特定
の亜リン酸エステルであり、下記一般式(I)で示され
る。
【0027】
【化7】
【0028】(式中、n、Ar及びRは前記と同じ)こ
こで、Arの具体例としては、フェニル基;2−、3−
若しくは4−メチルフェニル、2,4−若しくは2,6
−ジメチルフェニル、2,3,6−トリメチルフェニ
ル、2−、3−若しくは4−エチルフェニル、2,4−
若しくは2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリ
メチルフェニル、2−、3−若しくは4−tert−ブチル
フェニル、2,4−若しくは2,6−ジ−tert−ブチル
フェニル、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル、2,
6−ジ−tert−ブチル−6−エチルフェニル、2−、3
−若しくは4−ノニルフェニル基、ビフェニル等の置換
フェニル基;又はナフチル基等が挙げられる。
【0029】またRの具体例としては、nが1のとき、
1,2−フェニレン基;エチレン、プロピレン、トリメ
チレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等のポリメチ
レン基等が挙げられ、また、nが2のとき、ペンタエリ
スリトールに由来する下記一般式(VI)に示すテトライル
基等が挙げられる。
【0030】
【化8】
【0031】(式中、Qは各々水素原子又は炭素数1〜
6のアルキル基を表す) これらのうち、亜リン酸エステル(C)として好ましい
ものを例示する。ここで化合物名としては、例えば3,
9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−
ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン〔式(VII) 〕
を、一般に用いられているビス(2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイトと呼称し、他の特定の亜リン酸エステルも、
この一般に用いられている命名法で示す。
【0032】
【化9】
【0033】すなわち、好ましい亜リン酸エステル
(C)の具体例としては、(フェニル)(1,3−プロ
パンジオール)ホスファイト、(4−メチルフェニル)
(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6
−ジメチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホ
スファイト、(4−tert−ブチルフェニル)(1,3−
プロパンジオール)ホスファイト、(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホス
ファイト、(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)
(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,3−
プロパンジオール)ホスファイト、
【0034】(フェニル)(1,2−エタンジオール)
ホスファイト、(4−メチルフェニル)(1,2−エタ
ンジオール)ホスファイト、(4−tert−ブチルフェニ
ル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,2−エタンジオ
ール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)
(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,4−ブ
タンジオール)ホスファイト、
【0035】ジフェニルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(3−メチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、ビス(4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,4−ジメチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,6−ジメチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−
トリメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ビス(2−tert−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(3−tert−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4
−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビ
ス(ビフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジナフチルペンタエリスリトールジホスファイト等
が挙げられる。
【0036】これらのうち、より好ましい亜リン酸エス
テル(C)としては、ビス(ノニルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等又はそれ
らの混合物等が挙げられる。なお、本発明の組成物は、
これら特定の亜リン酸エステルの分解(加水分解や熱分
解等)により生じたリン化合物を含んでいてもよい。
【0037】〈酸受容体(D)〉酸受容体(D)とは、
酸性物質を中和するか又は中性に近づけるための化合物
である。本発明では、公知の酸受容体を用いることがで
きる。これらの例としては、ハイドロタルサイト類、金
属セッケン類、アルカリセッケン類、アルカリ金属酸化
物類、アルカリ土類金属酸化物類、アルカリ金属水酸化
物類、アルカリ土類金属水酸化物類、アミン類等が挙げ
られる。
【0038】これらの中で好ましいものは、例えば、合
成若しくは天然のハイドロタルサイト類、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、
ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸類である。特に、ハイドロ
タルサイト類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウムが好ましい。
【0039】〈組成物の製造方法〉本発明の樹脂組成物
の製造方法は、溶融混練して反応させるのが好ましい。
これに関し、熱可塑性樹脂について一般に実用されてい
る混練方法が適用できる。例えば、各成分を、必要であ
れば、後述の付加的成分の項に記載の添加物等と共に、
ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダ
ー等により均一に混合した後、一軸又は多軸混練押出
機、ロール、バンバリーミキサー、ラボプラストミル
(ブラベンダー)等で混練することができる。後述する
付加的成分を含め各成分は混練機に一括してフィードし
ても、順次フィードしてもよい。また、付加的成分を含
めた各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合した
ものを用いてもよい。
【0040】混練温度と混練時間は、混練機の種類等の
条件により任意に選ぶことができるが、混練温度は15
0〜350℃、混練時間は、20分以下が好ましい。3
50℃又は20分を超えると亜リン酸エステル(C)、
PPE(A)又は飽和ポリエステル(B)の熱劣化が問
題となり、成形品の物性の低下や外観の悪化を招くこと
がある。
【0041】PPE(A)と飽和ポリエステル(B)の
配合割合について述べると、耐熱剛性、耐溶剤性及び成
形加工性のバランスから、成分(A)は、樹脂組成物中
好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜8
0重量%であり、成分(B)は樹脂組成物中好ましくは
90〜10重量%、より好ましくは80〜20重量%で
ある。樹脂組成物中、成分(A)の割合が10重量%未
満では耐熱剛性の改良効果が小さい。逆に90重量%を
超えると、耐溶剤性、成形加工性が悪くなる。また、成
分(B)が樹脂組成物中10重量%未満では耐溶剤性、
成形加工性の改良効果が小さく、90重量%を超えると
耐熱剛性が十分でない。
【0042】亜リン酸エステル(C)の配合量は、成分
(A)と成分(B)の合計100重量部に対し0.1〜
10重量部である。0.1重量部未満では、成分(C)
の相溶化改良剤としての添加効果が小さく、組成物の物
性改良効果は不十分である。また10重量部を超える
と、成形品外観に難点が生じる場合があり好ましくな
い。好ましい範囲は0.1〜5重量部である。酸受容体
(D)の配合量は、成分(A)と成分(B)の合計10
0重量部に対し0.001〜10重量部である。好まし
くは0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.0
1〜2重量部である。
【0043】〈付加的成分〉本発明で製造する樹脂組成
物には、上記の成分(A)、(B)、(C)及び(D)
以外の他の成分を添加できる。例えば、成分(C)によ
る相溶性を高めるため、亜リン酸化合物によるエステル
化で公知の助剤の1種以上を用いることができる。この
助剤には、例えば、塩化リチウムのようなハロゲン化ア
ルカリ金属塩や、ピリジンないしその誘導体や第三級ア
ミン、N−メチルピロリドンのようなアミド化合物等が
挙げられる。これらの添加量は、リン原子に対しモル比
で0.1〜5倍が好ましい。
【0044】また、この他に酸化防止剤、耐候性改良剤
を0.01〜5重量%;可塑剤、流動性改良剤5〜30
重量%;造核剤0.5〜2重量%;難燃剤3〜15重量
%を付加成分として使用できる。また、有機充填剤、無
機充填剤、補強剤、特にガラス繊維、マイカ、タルク、
ワラストナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、
シリカ等の5〜50重量%の添加は、剛性、耐熱性、寸
法精度等の向上に有効である。更に、着色剤及びその分
散剤等も0.5〜10重量%配合できる。
【0045】更に、耐衝撃強度向上剤の添加、特にスチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム若しくはその水素化物、
エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム、更にそれらのα,β−不飽
和カルボン酸無水物変性体又はグリシジルエステル若し
くは不飽和グリシジルエーテルとの変性体あるいは不飽
和エポキシ化合物とエチレンからなる共重合体又は不飽
和エポキシ化合物、エチレン及びエチレン系不飽和化合
物からなる共重合体等の添加は組成物の強度向上に有効
である。
【0046】上記の耐衝撃強度向上剤は、単独で用いて
もよいし、2種又はそれ以上併用してもよい。耐衝撃向
上剤の配合量は、目安とする物性値により異なるが、例
えば組成物の剛性と耐衝撃強度のバランスの改良の場合
は、樹脂組成物中5〜40重量%である。また、必要に
応じてポリスチレンやポリカーボネートやポリアミド等
他の熱可塑性樹脂を添加していてもよい。
【0047】〈組成物の成形方法〉本発明での樹脂組成
物の成形加工方法は、特に限定されるものではなく、熱
可塑性樹脂について一般に用いられている成形法、すな
わち射出成形、中空成形、押出成形、プレス成形等の各
種成形法が適用できる。
【0048】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下で部及びパーセントは重量による
ものとする。使用した各成分は次のとおりである。 PPE(A):ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)(日本ポリエーテル社製、30℃にお
けるクロロホルム中で測定した固有粘度0.41dl/g、
表中「PPE」と記す) 飽和ポリエステル(B):ポリブチレンテレフタレート
(鐘紡社製、商品名:K−128グレード、フェノール
と1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比4:6
の混合溶媒を用い20℃で測定した固有粘度:2.85
dl/g、表中「PBT」と記す)
【0049】亜リン酸エステル(C): ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化社
製、商品名:MARK PEP−36、表中「PEP−
36」と記す) ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト(旭電化社製、商品名:M
ARK PEP−24G、表中「PEP−24G」と記
す) 酸受容体(D): ハイドロタルサイト(協和化学社製、商品名:DHT
−4A、表中「DHT−4A」と記す) ステアリン酸カルシウム(試薬、市販品、表中「S−
Ca」と記す) ステアリン酸亜鉛(試薬、市販品、表中「S−Zn」
と記す)
【0050】耐衝撃強度向上剤:水素化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(シェル化学社製、商品名:K
RATON G−1651グレード、表中「SERS」
と記す)
【0051】実施例1〜5及び比較例1〜2 表1に示した組成比に従い、各成分をスーパーミキサー
にて充分混合した後、ベント付き二軸押出機(日本製鋼
所社製、商品名:TEX−44)を用いて、設定温度2
10℃、スクリュー回転数250rpm 、吐出量40kg/
時間の条件で混練し、樹脂組成物のペレットを得た。こ
の組成物について、インラインスクリュー式射出成形機
(東芝機械製作所社製、IS−90B型)を用い、シリ
ンダー温度260℃、金型冷却温度80℃にて射出成形
を行い試験片を試作し、物性を評価して表1に示した。
【0052】なお、物性評価は次の方法によった。 (1)耐衝撃強度:ISO R180−1969(JI
S K 7110)ノッチ付きアイゾット衝撃強度試験
に準じ、アイゾット衝撃試験機(東洋精機製作所社製)
を用いて測定した。 (2)引張強度:ISO R527−66(JIS K
7113)引張強度試験に準じ、インストロン試験機
を用い測定した。
【0053】
【表1】
【0054】実施例6〜7及び比較例3 表2に示した組成に従い、各成分をスーパーミキサーに
て充分混合した後、二軸押出し機(商品名:TEX−4
4)を用いて、設定温度230℃、スクリュー回転数2
00rpm 、吐出量30kg/ 時間の条件で混練し、3種の
ペレットを得た。これらのペレットをそれぞれMB−
1、MB−2及びMB−3と命名した。上記ペレットを
用い表3に示した組成に従い、かつ、スクリュー回転数
を150rpm とした以外は、実施例1と同様に混練及び
評価を行った。結果を表3に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、亜リン
酸エステル(C)及び酸受容体(D)を配合することに
より、PPE(A)と飽和ポリエステル(B)との相溶
性が著しく優れた樹脂組成物であり、成分(A)及び
(B)が本来有する特性を兼ね備えた機械的強度バラン
スの優れた成形品を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−180962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/04 C08L 71/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)、(B)、(C)及び
    (D)を含有する熱可塑性樹脂組成物。 (A)ポリフェニレンエーテル (B)飽和ポリエステル (C)一般式(I) 【化1】 (式中、nは1又は2を表し、Arは炭素数6〜30の
    アリール基又は置換アリール基を表し、nが2のとき、
    Arは同じであっても異なっていてもよい。Rは、nが
    1のとき、炭素数2〜18のアルキレン基又はアリーレ
    ン基を表し、nが2のとき、炭素数4〜18のアルカン
    テトライル基を表す)で示される亜リン酸エステルを成
    分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して0.
    1〜10重量部 (D)酸受容体を成分(A)と成分(B)の合計100
    重量部に対して0.001〜10重量部
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