JP2671366B2 - 耐溶剤性樹脂組成物 - Google Patents

耐溶剤性樹脂組成物

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JP2671366B2 JP63085395A JP8539588A JP2671366B2 JP 2671366 B2 JP2671366 B2 JP 2671366B2 JP 63085395 A JP63085395 A JP 63085395A JP 8539588 A JP8539588 A JP 8539588A JP 2671366 B2 JP2671366 B2 JP 2671366B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は特に耐溶剤性に優れ、機械的性質、成形性に
優れた樹脂組成物に係わる。
[従来の技術] ポリフェニレンエーテルは、耐熱性、剛性、電気特性
等に秀でた樹脂であり、エンジニアリングプラスチック
として有用な高分子材料である。しかしながら、ポリフ
ェニレンエーテルは耐溶剤性に劣り、さらには、成形加
工性が悪いという大きな欠点を有することはよく知られ
ている。
一方、ポリフェニレンスルフィドは、耐熱性、耐溶剤
性、電気特性、機械的強度、寸法安定性、難燃性等が優
れた樹脂として知られており、近年注目されている。特
にポリフェニレンスルフィドは、ガラス繊維、炭素繊維
などの繊維状強化材、タルク、クレー、シリカなどの無
機質充填材との複合化により上記性能を向上させること
ができ、電気、電子部品、機械構造部品等に使用されて
いる。しかしながら、ポリフェニレンスルフィドは重合
度が低く、成形加工が困難、靱性がなく脆い、ガラス繊
維で強化されたポリフェニレンスルフィドは成形品にソ
リが生じやすいなどの欠点を有する。
ポリフェニレンエーテルの成形加工性を改良するため
の技術としては、例えば特公昭56−34032号でポリフェ
ニレンスルフィドをブレンドすることが開示されてい
る。しかしながら、成形加工性の改善効果は見られるも
のの、ポリフェニレンエーテルとポリフェニレンスルフ
ィドとの相溶性が乏しい為、外観不良、機械的性質の低
下などの問題点を有していた。
またポリフェニレンエーテルとポリフェニレンスルフ
ィドとの相溶性を改善するための技術として、エポキシ
樹脂を介在させることが特公昭60−11063号に開示され
ている。しかしながら、相溶性の改善効果はある程度見
られるものの十分ではなく、機械的性質、耐溶剤性など
も満足すべきものではなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明が目的とした解決すべき問題点は、ポリフェニ
レンエーテルとポリフェニレンスルフィドをブレンドし
た時に両者の本質的相溶性不良に起因する材料の機械的
特性、耐溶剤性、耐熱特性等の低下を防止することにあ
る。
この点の解決により従来技術には見られない耐溶剤
性、機械的性能、耐熱性、成形性に優れた材料の創出が
可能となる。
[問題点を解決するための手段] すなわち本発明は、 (A)ポリフェニレンエーテルを分子中に(a)エチレ
ン性二重結合と、(b)カルボキシル基、酸無水物基、
水酸基およびエポキシ基からなる群から選ばれる官能基
とを同時に有する有機化合物から選ばれた変性剤でラジ
カル開始剤の存在下又は非存在下に変性して得られる変
性ポリフェニレンエーテル5〜95重量%と (B)ポリフェニレンスルフィドを分子中に(a)エチ
レン性二重結合と、(b)水酸基およびエポキシ基から
なる群から選ばれる官能基を同時に有する有機化合物か
ら選ばれた変性剤で変性して得られる変性ポリフェニレ
ンスルフィド95〜5重量% からなる耐溶剤性樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物において用いられるポリフェニレ
ンエーテルとは、一般式(I)で示される単環式フェノ
ールの一種以上を重縮合して得られるポリフェニレンエ
ーテル;このポリフェニレンエーテル (ここに、R1は炭素数1〜3の低級アルキル基、R2およ
びR3は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル基で
あり、水酸基の少なくとも一方のオルト位には必ず低級
アルキル置換基が存在しなければならない。) にビニル芳香族化合物をグラフト重合して得られる根幹
にポリフェニレンエーテルを有するグラフト共重合体を
包含する。このポリフェニレンエーテルは、単独重合体
であっても共重合体であってもよい。
前記一般式(I)で示される単環式フェノールとして
は、例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジエチル
フェノール、2,6−ジプロピルフェノール、2−メチル
−6−エチルフェノール、2−メチル−6−プロピルフ
ェノール、2−エチル−6−プロピルフェノール、m−
クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,3−ジエチル
フェノール、2,3−ジプロピルフェノール、2−メチル
−3−エチルフェノール、2−メチル−3−プロピルフ
ェノール、2−エチル−3−メチルフェノール、2−エ
チル−3−プロピルフェノール、2−プロピル−3−メ
チルフェノール、2−プロピル−3−エチルフェノー
ル、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,6−トリエチル
フェノール、2,3,6−トリプロピルフェノール、2,6−ジ
メチル−3−エチル−フェノール、2,6−ジメチル−3
−プロピルフェノール等が挙げられる。そして、これら
のフェノールの一種以上の重縮合により得られるポリフ
ェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−
6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−
メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)
エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチ
ルフェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,
6−トリエチルフェノール共重合体、2,6−ジエチルフェ
ノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−
ジプロピルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共
重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エー
テルにスチレンをグラフト重合したグラフト共重合体、
2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノー
ル共重合体にスチレンをグラフト重合したグラフト共重
合体等が挙げられる。特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,
3,6−トリメチルフェノール共重合体等が本発明に用い
るポリフェニレンエーテルとして好ましい。
次に、ポリフェニレンエーテルの変性剤は、分子中に
(a)エチレン性二重結合と、(b)カルボキシル基、
酸無水物基、水酸基およびエポキシ基からなる群から選
ばれる官能基を同時に有する有機化合物であり、具体的
には、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸等で例示されるα,β−不飽和ジ
カルボン酸;アクリル酸、ブラン酸、クロトン酸、ビニ
ル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンガリカ酸等で
例示される不飽和モノカルボン酸;これらのα,β−不
飽和ジカルボン酸および不飽和モノカルボン酸の酸無水
物;上記α,β−不飽和ジカルボン酸1モルとエチレン
グリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、ブタン−1,4−ジオール、テトラメチレングリ
コール、ペンタエチレングリコール等の脂肪族ジオー
ル、およびヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、m
−キシリレンジオール、p−キシリレンジオール、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシビ
フェニルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールF等の芳香族アルコール類又は芳香
族ジヒドロキシ化合物類(以後芳香族ジヒドロキシ化合
物という。)2モルから誘導される構造を有するジヒド
ロキシ−α,β−不飽和ジカルボン酸ジエステル;α,
β−不飽和ジカルボン酸1モルと脂肪族ジオールまたは
芳香族ジヒドロキシ化合物の1モルから誘導される構造
を有するヒドロキシ−α,β−不飽和ジカルボン酸エス
テル類;α,β−不飽和ジカルボン酸とグリセロール、
ペンタエリスリトール等の脂肪族多価アルコール又はピ
ロガロール等の芳香族多価フェノールより誘導される構
造を有する、ヒドロキシエステル類;前述の不飽和モノ
カルボン酸1モルと前述の脂肪族ジオールまたは芳香族
ジヒドロキシ化合物1モルから誘導される構造を有する
ヒドロキシ不飽和モノカルボン酸エステル類;不飽和モ
ノカルボン酸と前述の脂肪族多価アルコールまたは芳香
族多価フェノールより誘導される構造を有するヒドロキ
シポリ不飽和モノカルボン酸エステル類;前述のα,β
−不飽和ジカルボン酸または不飽和モノカルボン酸とエ
ピクロルヒドリンとの反応生成物であってグリシジルマ
レエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート等で例示される不飽和エポキシ化合物等を挙げ
ることができる。
これらの中で好ましいものは、マレイン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、α,β−不飽和ジ
カルボン酸と脂肪族ジオールまたは芳香族ジヒドロキシ
化合物から誘導される前述のエステル類、のほか不飽和
カルボン酸と脂肪族ジオールまたは芳香族ジヒドロキシ
化合物から誘導される前述のエステル類、グリシジルア
クリレートまたはグリシジルメタクリレートであり、さ
らに好ましいものは、無水マレイン酸、不飽和モノカル
ボン酸と脂肪族ジオールまたは芳香族ジヒドロキシ化合
物から誘導される構造を有するヒドロキシ不飽和モノカ
ルボン酸エステル、グリシジルアクリレートまたはグリ
シジルメタクリレートである。
これら変性剤の使用量は、ポリフェニレンエーテル10
0重量部に対して、0.01〜10重量部である。
本発明で用いる変性ポリフェニレンエーテルの調製
は、次のような方法によって行なうが、特にこれに限定
されるものではない。たとえば、変性ポリフェニレンエ
ーテルは、前記ポリフェニレンエーテルと変性剤とをロ
ールミル、バンバリーミキサー、押出機等を用いて150
〜350℃の温度で溶融混練し、反応させることによって
調製しても、ベンゼン、トルエン、キシレン、等で例示
される溶媒中でポリフェニレンエーテルと変性剤とを加
熱、反応させることによって調製してもよい。変性反応
を容易に進めるために、反応系にベンゾイルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等で例示
される有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソバレロニトリル等で例示されるアゾ化合物で
代表されるラジカル開始剤を存在させることは、有効で
ある。より実用的な変性方法は、ラジカル開始剤の存在
下に溶融混練する方法である。
本発明のポリフェニレンスルフィドとは、一般式 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましくは
90%以上含む重合体であり、上記繰返し単位が70モル%
未満では特有の性質を有する組成物は得難い。この重合
体を得る重合方法としては公知の種々の方法を採用し得
るが、硫化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンとをN−
メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド
系溶媒やスルホランなどのスルホン系溶媒中で反応させ
る方法が好適である。この際の重合度を調節するために
酢酸ナトリウム、酢酸リチウムなどのアルカリ金属カル
ボン酸塩を添加することは好ましい方法である。共重合
成分として30モル%未満であって、重合体の結晶性に影
響を与えない範囲で、メタ結合 エーテル結合 スルホン結合 ビフェニル結合 置換フェニルスルフィド結合 ここでRはアルキル、ニトロ、フェニル、アルコキシ
基を示す)、3官能フェニルスルフィド結合 などを含有していてもよいが、好ましくは共重合成分は
10モル%未満がよい。
次に、ポリフェニレンスルフィドの変性剤は、分子中
に(a)エチレン性二重結合と、(b)水酸基およびエ
ポキシ基からなる群から選ばれる官能基を同時に有する
有機化合物であり、具体的には、マレイン酸、フマル
酸、クロロマレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等で
例示されるα,β−不飽和ジカルボン酸1モルとエチレ
ングリコール、プロレングリコール、トリメチレングリ
コール、ブタン−1,4−ジオール、テトラメチレングリ
コール、ペンタエチレングリコール等の脂肪族ジオー
ル、およびヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、m
−キシリレンジオール、p−キシリレンジオール、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシビ
フェニルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールF等の芳香族アルコール類又は芳香
族ジヒドロキシ化合物類(以後芳香族ジヒドロキシ化合
物という。)2モルから誘導される構造を有するジヒド
ロキシ−α,β−不飽和ジカルボン酸ジエステル;α,
β−不飽和ジカルボン酸1モルと脂肪族ジオールまたは
芳香族ジヒドロキシ化合物の1モルから誘導される構造
を有するヒドロキシ−α,β−不飽和ジカルボン酸エス
テル類;α,β−不飽和ジカルボン酸とグリセロール、
ペンタエリスリトール等の脂肪族多価アルコール又はピ
ロガロール等の芳香族多価フェノールより誘導される構
造を有する、ヒドロキシエステル類;前述の不飽和モノ
カルボン酸1モルと前述の脂肪族ジオールまたは芳香族
ジヒドロキシ化合物1モルから誘導される構造を有する
ヒドロキシ不飽和ジカルボン酸エステル類;不飽和モノ
カルボン酸と前述の脂肪族多価アルコールまたは芳香族
多価フェノールより誘導される構造を有するヒドロキシ
ポリ不飽和モノカルボン酸エステル類;前述のα,β−
不飽和ジカルボン酸または不飽和モノカルボン酸とエピ
クロルヒドリンとの反応生成物であってグリシジルマレ
エート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート等で例示される不飽和エポキシ化合物等を挙げる
ことができる。
これらの中で好ましいものは、マレイン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のα,β−不飽和
ジカルボン酸と脂肪族ジオールまたは芳香族ジヒドロキ
シ化合物から誘導される前述のエステル類、のほか不飽
和カルボン酸と脂肪族ジオールまたは芳香族ジヒドロキ
シ化合物から誘導される前述のエステル類、グリシジル
アクリレートまたはグリシジルメタクリレートであり、
さらに好ましいものは、無水マレイン酸、不飽和モノカ
ルボン酸と脂肪族ジオールまたは芳香族ジヒドロキシ化
合物から誘導される構造を有するヒドロキシ不飽和モノ
カルボン酸エステル、グリシジルアクリレートまたはグ
リシジルメタクリレートである。
これらの変性剤の使用量は、ポリフェニレンスルフィ
ド100重量部に対して0.01〜10重量部である。
本発明で用いる変性ポリフェニレンスルフィドの調製
は、次のような方法によって行なうが、特にこれに限定
されるものではない。たとえば、変性ポリフェニレンス
ルフィドは、前記ポリフェニレンスルフィドと変性剤と
をロールミル、バンバリーミキサー、押出機等を用いて
150〜350℃の温度で溶融混練し、反応させることによっ
て調製しても、また、N−メチルピロリドン、α−クロ
ロナフタレン等で例示される溶媒中でポリフェニレンス
ルフィドと変性剤とを加熱、反応させることによって調
製してもよい。
本発明の樹脂組成物において、(A)成分である変性
ポリフェニレンエーテルと(B)成分である変性ポリフ
ェニレンスルフィドとは任意の割合で容易に混合し得る
が、本発明の目的を達成する為には、(A)成分である
変性ポリフェニレンエーテル、5〜95重量%、好ましく
は20〜80重量%および(B)成分である変性ポリフェニ
レンスルフィド95〜5重量%、好ましくは80〜20重量%
である。
また本発明の樹脂組成物には各成分間の反応を促進す
るために、トリ−n−ブチルアミン、トリフェニルアミ
ン、ベンジルメチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)
メチルフェノール等の三級アミン;トリエチルベンジル
アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムク
ロライド等の四級アンモニウム塩;2−メチル−4−エチ
ルイミダゾール、2−メチル−イミダゾール等のイミダ
ゾール化合物に代表される触媒を添加することができ
る。
さらに本発明の樹脂組成物を構成する両成分の配合方
法は特に限定されないものであるが、両成分をミキサー
等で混合後、押出機、ニーダー等で250〜350℃の温度で
溶融混練する等の方法による。
本発明の樹脂組成物には、所望に応じて、他の樹脂;
エラストマー;難燃剤;難燃助剤、安定剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤などの各種添加剤;顔料、充填剤、そ
の他の成分が適宜配合され得る。
他の樹脂の例としては、たとえばポリスチレン系樹
脂、ポリカーボネート、エチルエステル、ポリアミド、
ポリスルホン等が挙げられる。
前記エラストマー成分とは、一般的な意味でのエラス
トマーであり、例えば、A.V.Tobolsky著“Properties a
nd Structures of Polymers"(John Wiley & Sons,In
c.,1960年)71〜78ページに採用された定義を引用で
き、エラストマーとは常温に於けるヤング率が105〜109
dynes/cm2(0.1〜1020kg/cm2)である重合体を意味す
る。エラストマーの具体例としては、A−B−A′型エ
ラストマー状ブロック共重合体、ポリブタジエン部分の
二重結合が水添されたA−B−A′型エラストマー状ブ
ロック共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ジ
ェン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体、ニトリ
ルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ジェン共重合体(EPDM)、チオコールゴム、
ポリスルフィドゴム、アクリル酸ゴム、ポリウレタンゴ
ム、ブチルゴムとポリエチレンとのグラフト物、ポリエ
ステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げ
られる。とりわけ、A−B−A′型エラストマー状ブロ
ック共重合体が望ましい。このブロック共重合体の末端
ブロックAおよびA′は重合されたビニル系芳香族炭化
水素ブロックであり、Bは重合された共役ジェンブロッ
ク或いは二重結合の大部分が水添された共役ジェンブロ
ックであり、Bブロックの分子量はAおよびA′ブロッ
クの組み合わされた分子量よりも大であることが望まし
い。末端ブロックAおよびA′は同一でも異なってもよ
く、かつ該ブロックは、芳香族部分が単環でも多環でも
よいビニル芳香族化合物から誘導された熱可塑性単独重
合体または共重合体である。かかるビニル芳香族化合物
の例は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルキシレン、エチルビニルキシレン、ビニルナ
フタレンおよびそれらの混合物が挙げられる。中央ブロ
ックBは、共役ジェン系炭化水素、たとえば1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレンおよび
1,3−ペンタジェンおよびそれらの混合物から誘導され
たエラストマー状重合体である。各末端ブロックAおよ
びA′の分子量は好ましくは約2,000〜約100,000の範囲
であり、一方中央ブロックBの分子量は好ましくは約2
5,000〜約1,000,000の範囲である。
前記各種添加剤の例を挙げると、難燃剤の例として
は、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、イソプロピルフェノールとフェノールの混合物よ
り得られるホスフェート、ベンゾヒドロキノンあるいは
ビスフェノールAのような二官能性フェノールと他のア
ルコールあるいはフェノール類から得られるホスフェー
トのようなリン酸エステル類;デカブロモビフェニル、
ペンタブロモトルエン、デカブロモフェニルエーテル、
ヘキサブロモベンゼン、ブロム化ポリスチレン等に代表
される臭素化化合物;シアヌル酸誘導体、メラミン誘導
体等の含窒素化合物等を挙げることができる。難燃助剤
が使用されてもよく、その例としては、アンチモン、ほ
う素、亜鉛あるいは鉄の化合物などが挙げられる。さら
にその他の添加剤として立体障害性フェノール、ホスフ
ァイト系化合物のごとき安定剤;サリシレート系化合
物、しゅう酸ジアミド系化合物、立体障害性アミン系化
合物で例示される紫外線吸収剤;ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、パラフィンで例示される
滑剤等が挙げられる。さらには、酸化チタン、硫化亜
鉛、酸化亜鉛で例示される顔料;ガラス繊維、ミルドフ
ァイバー、ガラスビーズ、アスベスト、ウオラストナイ
ト、マイカ、タルク、クレー、炭カル、水酸化マグネシ
ウム、シリカ、チタン酸カリウム繊維、珪藻土、ロック
ウール、で例示される鉱物質充填剤;アルミニウムや亜
鉛のフレーク、あるいは、黄銅、アルミニウム亜鉛等の
金属の繊維で代表される無機充填剤;炭素繊維に代表さ
れる有機充填剤を挙げることができる。
[実施例] 以下、参考例、実施例および比較例により本発明のポ
リフェニレンエーテル系樹脂組成物を説明する。
参考例1 25℃でクロロホルム中で測定された極限粘度が0.47
(dl/g)の2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチ
ルフェノール共重合体(2,3,6−トリメチルフェノール
の占める割合は5モル%)3kgに無水マレイン酸90gを添
加し、ヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出
機で300〜320℃の温度で溶融混練しペレット化した。
得られたペレット2gをクロロホルム50mlに溶解した
後、この溶液にメタノール500mlを加えてポリマーを沈
殿せしめた。得られたポリマーを濾別、乾燥した(減圧
下、80℃、10時間)。得られた試料の赤外吸光分析を行
ない、ポリフェニレンエーテルと無水マレイン酸とから
前もって作成しておいた検量線を用いて、ポリフェニレ
ンエーテルに結合している無水マレイン酸の重量%を算
出し、無水マレイン酸の結合量とした。結合量は1.1重
量%であった。
参考例2 参考例1のポリフェニレンエーテルを25℃でクロロホ
ルム中で測定された極限粘度が0.47dl/gの2,6−ジメチ
ルフェノール重合体に変えて、参考例1と同様の操作を
行なった。無水マレイン酸の結合量は0.8重量%であっ
た。
参考例3 25℃クロロホルム中で測定された極限粘度が0.47(dl
/g)の2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフ
ェノール共重合体(2,3,6−トリメチルフェノールの占
める割合は5モル%)3kgに2−ヒドロキシエチルアク
リレート15gをヘンシェルミキサーを用いてブレンドし
た後、二軸押出機を用いて300〜320℃の温度で溶融混練
し、ペレット化した。
参考例4 25℃でクロロホルム中で測定された極限粘度が0.47
(dl/g)の2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチ
ルフェノール共重合体(2,3,6−トリメチルフェノール
の占める割合は5モル%)3kgにグリシジルメタクリレ
ート90gとジクミルパーオキサイド15gを添加し、ヘンシ
ェルミキサーにより混合した後、二軸押出機で300〜320
℃の温度で溶融混練しペレット化した。
得られたペレット2gをクロロホルム50mlに溶解した
後、この溶液にメタノール500mlを加えてポリマーを沈
殿せしめた。得られたポリマーを濾別、乾燥した(減圧
下、80℃、10時間)。得られた試料の赤外吸光分析を行
ない、ポリフェニレンエーテルとグリシジルメタクリレ
ートとから前もって作成しておいた検量線を用いて、ポ
リフェニレンエーテルに結合しているグリシジルメタク
リレートの重量%を算出し、グリシジルメタクリレート
の結合量とした。結合量は1.3重量%であった。
参考例5 ポリフェニレンスルフィドのペレット[(株)トープ
レン製、トープレン T−4P、溶融粘度2800poise(300
℃)]3kgに2−ヒドロキシエチルアクリレート19.2gを
添加し、よく混合した後、二軸押出機で290〜320℃の温
度で溶融混練しペレット化した。
参考例6 参考例5で用いたポリフェニレンスルフィド3kgにグ
リシジルメタクリレート23.7gを添加し、よく混合した
後、二軸押出機で290〜320℃の温度で溶融混練しペレッ
ト化した。
実施例1 参考例1で得られた無水マレイン酸変性ポリフェニレ
ンエーテルのペレット40重量部と参考例5で得られた2
−ヒドロキシエチルアクリレート変性ポリフェニレンス
ルフィドのペレット60重量部を混合し、ラボプラストミ
ル((株)東洋精機製作所製)を用いて310℃、60r.p.m
で7分間溶融混練を行った。得られた樹脂組成物をクロ
ロホルムを溶媒として16時間ソックスレー抽出を行なっ
た。抽出残査を80℃で10時間真空乾燥した後その重量を
測定し、抽出前の重量に対する抽出残査の割合を求め
た。
また上記樹脂組成物をプレスにより310℃、200kg/cm2
の圧力で0.3mm厚のシートとし、このシートよりASTM D
412 C号に規定する試験片を打ち抜き、引張強度を測
定した。
以上の結果は表1に示した。
また上記樹脂組成物より走査型電子顕微鏡観察用の試
料を切り出し、観察面を研磨後トルエンで表面処理して
走査型電子顕微鏡で検鏡したところ、1〜6μm程度の
変性ポリフェニレンエーテルが均一に微細分散している
ことが確認された。
比較例1 実施例1の変性ポリフェニレンエーテルと変性ポリフ
ェニレンスルフィドを参考例1で用いた未変性のポリフ
ェニレンエーテルと参考例5で用いた未変性のポリフェ
ニレンスルフィドに代えた以外は実施例1と同様の操作
を行なった。結果は表1に示した。
また実施例1と同様に上記樹脂組成物を走査型電子顕
微鏡で検鏡したところ、未変性のポリフェニレンエーテ
ルは10〜数10μm程度の不均一な粗大分散していること
が確認された。
実施例2〜4 参考例1で得られた無水マレイン酸変性ポリフェニレ
ンエーテルのペレットと参考例5で得られた2−ヒドロ
キシアクリレート変性ポリフェニレンスルフィドのペレ
ットを表1に示した組成で混合した以外は実施例1と同
様の操作を行なった。結果は表1に示した。
比較例2〜4 実施例1の変性ポリフェニレンエーテルと変性ポリフ
ェニレンスルフィドを参考例1で用いた未変性のポリフ
ェニレンエーテルと参考例5で用いた未変性のポリフェ
ニレンスルフィドに代え、表1に示した組成で混合した
以外は、実施例1と同様の操作を行なった。結果は表1
に示した。
比較例5 実施例1の無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテ
ルに代えて、参考例1で用いた未変性のポリフェニレン
エーテルを用いた以外は実施例1と同様の操作を行なっ
た。結果は表1に示した。
実施例5 参考例2で得られた無水マレイン酸変性ポリフェニレ
ンエーテルのペレット40重量部と、参考例5で得られた
2−ヒドロキシエチルアクリレート変性ポリフェニレン
スルフィドのペレット60重量部を混合した以外は実施例
1と同様の操作を行なった。
その結果、ソックスレー抽出残査の割合は95%であっ
た。また引張強度は582kg/cm2であった。
比較例6 実施例5の変性ポリフェニレンエーテルと変性ポリフ
ェニレンスルフィドを参考例2で用いた未変性のポリフ
ェニレンエーテルと参考例5で用いた未変性のポリフェ
ニレンスルフィドに代えた以外は、実施例5と同様の操
作を行なった。
その結果、ソックスレー抽出残査の割合は60%であっ
た。また引張強度は352kg/cm2であった。
実施例6 参考例1で得られた無水マレイン酸変性ポリフェニレ
ンエーテルのペレット40重量部と、参考例6で得られた
グリシジルメタクリレート変性ポリフェニレンスルフィ
ドのペレット60重量部を混合した以外は実施例1と同様
の操作を行なった。
その結果、ソックスレー抽出残査の割合は96%であっ
た。また引張強度は583kg/cm2であった。
実施例7 参考例4で得られたグリシジルメタクリレート変性ポ
リフェニレンエーテルのペレット40重量部と、参考例5
で得られた2−ヒドロキシエチルアクリレート変性ポリ
フェニレンスルフィドのペレット60重量部を混合した以
外は、実施例1と同様の操作を行なった。
その結果、ソックスレー抽出残査の割合は88%であっ
た。また引張強度は570kg/cm2であった。
[発明の効果] 以上に述べたごとく本発明の樹脂組成物は、相溶性が
改善され、耐溶剤性が非常に優れ、かつ、機械的強度が
優れている為、機械構造材料、電気、電子部品などの用
途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−213360(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンエーテルを分子中に
    (a)エチレン性二重結合と、(b)カルボキシル基、
    酸無水物基、水酸基およびエポキシ基からなる群から選
    ばれる官能基とを同時に有する有機化合物から選ばれた
    変性剤でラジカル開始剤の存在下又は非存在下に変性し
    て得られる変性ポリフェニレンエーテル5〜95重量%と (B)ポリフェニレンスルフィドを分子中に(a)エチ
    レン性二重結合と、(b)水酸基およびエポキシ基から
    なる群から選ばれる官能基を同時に有する有機化合物か
    ら選ばれた変性剤で変性して得られる変性ポリフェニレ
    ンスルフィド95〜5重量% からなる耐溶剤性樹脂組成物。
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