JP2006331740A - プラズマプロセス装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 高周波電源の周波数を増大させた場合においても電界分布を均一にして均一なプラズマを発生し、大きな被処理基板に対しても均一に処理を行うことができるプラズマプロセス装置を提供する。
【解決手段】 被処理基板12にプラズマ処理を施すプラズマプロセス装置11は、プラズマ放電発生部14を備え、そのプラズマ放電発生部14は、被処理基板12の被処理面12aに対して略平行に設けられる第1電極17と、被処理面12aと第1電極17との間にY方向に延びてストライプ状に設けられる第2電極18とを含んで構成される。第1電極17と第2電極18とは、第1電極17と第2電極18との互いに対向する側の面同士で形成される間隔d1が、給電点28から遠ざかるのにつれて小さくなるように設けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマプロセス装置に関する。
プラズマを使用して半導体膜等を成膜し、集積回路、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池などの電子デバイスを製造する方法、いわゆるプラズマ励起化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法は、簡便性および操作性に優れるので、さまざまな電子デバイスの製造に使用されている。
以下、プラズマ励起CVD法に用いられる従来の装置(プラズマCVD装置と呼ぶ)について例示する。図15は従来のプラズマCVD装置1の構成を模式的に示す断面図であり、図16は図15に示すプラズマCVD装置1に備わるプラズマ放電発生部の斜視図である。
プラズマCVD装置1は、閉空間を構成する処理室(真空容器)2と、互いに電気的に絶縁されて処理室2の中に設けられる給電電極3および接地電極4と、電極に電力を供給する高周波電源5と、処理室2の内部へガスを供給するガス供給部6とを含んで構成される。
給電電極3および接地電極4は、それぞれ導体板からなり、処理室2内で略平行になるように設けられる。接地電極4は、接地電位とされ、接地電極4に対向する給電電極3に対して高周波電源5から電圧を印加して、給電電極3と接地電極4との間に電界を発生させ、その絶縁破壊現象によりグロー放電現象としてプラズマ7を生成する。電圧が印加される側の給電電極3、すなわち電気的エネルギーが供給される給電電極3をカソード電極と呼ぶことがある。また接地電極4をアノード電極と呼ぶことがある。
接地電極4の給電電極3を臨む側の面に被処理基板8を装着し、上記のプラズマ7を生成させた状態で、給電(カソード)電極3近傍に大きな電界が形成されるので、その電界で加速されるプラズマ7中の電子が、ガス供給部6から供給される材料ガスの解離を促してラジカルを生成する。生成されたラジカルは、矢符9で示すように接地電極4へ向って流れ、接地電極4に装着される被処理基板8の表面で化学反応を起こし、半導体膜などを成膜する。
プラズマCVD装置1において、カソード電極3近傍の大きな電界が形成される放電部分をカソードシース部と呼ぶ。接地(アノード)電極4の近傍にも、ある程度の大きさの電界が形成され、その部分をアノードシース部と呼ぶ。このように、互いに平行な2つのカソード電極3とアノード電極4との間でプラズマ7を生成し、アノード電極4上の被処理基板8に成膜する装置を、以後「平行平板型装置」と呼ぶことがある。
このような平行平板型装置であるプラズマCVD装置1を用いるプラズマCVD法は、様々な産業で作製されるTFT(Thin Film Transistor)パネル、太陽電池などの電子デバイスの製造に広く利用されている。材料ガスをエッチングガスに変更して、プラズマCVD装置1と同様にプラズマを発生させ、薄膜のエッチングを行うドライエッチング装置、またレジストの除去を行うアッシング装置も、プラズマプロセス装置として知られている。これらの装置におけるプラズマ発生およびラジカル生成などは、プラズマCVD装置1の場合と同様のメカニズムであり、被処理基板8へ到達したラジカルやイオンが薄膜等の除去を行う。
一般的にプラズマCVD装置においてプラズマを発生させる高周波電源としては、周波数:13.56MHzのものが多用されている。ところで、平行平板型装置を用いて作製されるTFT用薄膜、太陽電池用薄膜半導体などには、高速成膜による低コスト化、低欠陥密度、高結晶化率などの高品質化が求められ、これらの要求を満たすためには、電力供給源である高周波電源の周波数を、13MHz程度の周波数よりも高い30〜800MHzに高周波化すれば良いとの知見が得られている。
また、被処理基板サイズの大型化にも拍車がかかっている。被処理基板サイズを大型化することによって、たとえば液晶パネルにおいては、基板サイズが小さいときの所要工程数と同工程数であっても製造されるパネル数を増加することができるので、生産性の向上が期待できる。したがって、被処理基板のサイズは、液晶パネル業界において、第4世代(700×900mm級)、第5世代(1100×1300mm級)から第6世代(1500×1800mm級)、第7世代(1900×2200mm級)、さらには第8世代(2500×3000mm級)へと急速な移行が検討されている。
上記のような電源周波数の増大また被処理基板サイズの大型化は、被処理面内における均一処理が困難になるという問題を惹起する。これは、高周波の波長が電極サイズと同程度のオーダーになるので、電極端などで生じる反射波が主因となって電極上に定在波が発生し、電界分布にばらつきが生じ、電界分布のばらつきを反映してプラズマが不均一になり、その結果成膜などのプラズマ処理において不均一が生じることによる。
一般に、プラズマCVD法で作製される半導体成膜について例示すると、膜厚分布におけるばらつきは±10%以内が好ましいとされている。しかしながら、半導体成膜において、膜厚分布のばらつきを±10%以内に抑えようとすると、電界分布を一層均一にする必要がある。プラズマが発生することによって定在波の波長は、真空中における定在波の波長よりも短くなると考えられている(たとえば、非特許文献1参照)ので、プラズマが発生している状態で電界分布のばらつきを±10%以内に抑えるためには、プラズマが発生していない状態における電界分布のばらつきを±5%以内に抑えることが好ましいと考えられる。
電界分布のばらつきを低減するために平行平板型装置以外の構成が提案されている。たとえば、放電用電極を数本の線材からなるはしご状の平面形コイルで形成し、被処理基板をはしご状の放電用電極と平行に支持することが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に開示されるはしご状電極においても、電極端などで生じる反射波は存在し、平行平板型装置と同様に電極上に定在波が生じてしまう。むしろはしご状電極とすることによって、電力供給箇所から放電箇所までの電極に形成される最短経路が平行平板型装置の場合よりも大きくなるので、電界分布に一層大きなばらつきが生じるという問題がある。
またもう一つの従来技術では、放電電極の主面を網目状とし、かつ給電点を放電電極の中央にすることが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2に開示されるような網目状電極を用いることによって、電力給電箇所と放電箇所とを結ぶ電極の経路は、特許文献1に記載のはしご状電極よりは短くなる。しかしながら、放電電極を網目状とする構成であっても、平行平板型装置と同様、根本的に定在波の除去を行う構成では無いので、被処理基板の大型化および給電周波数の高周波化に伴い、電界分布のばらつきが大きくなるという問題がある。
電界分布のばらつきに及ぼす要因の影響についてさらに説明する。プラズマCVD法を用いる成膜において、膜厚が不均一になる原因は、反応装置内における膜形成種の流れによるものと、電極上の浮遊インダクタンスの存在による電界への影響と、電極上の定在波の発生などが重畳していると考えられる。これらの原因の中で、基板の大型化および電源周波数の高周波化により、膜厚の不均一に大きな影響を及ぼすのは、電極内における定在波の発生である。これは、高周波の波長が装置サイズと同じオーダーになるので、供給される電磁波の定在波の影響が顕著に露呈するためである。
電界Eの入射波と反射波とによって発生する定在波の式を簡略的に表すと式(1)のようになる。式(1)は、円形の平板電極を有する平行平板型装置において、給電電極の中心に給電を行った場合の電界分布とよく合致する。
Figure 2006331740
ここで、Xは円形の平板電極の中心を零(0)としたときの半径方向の位置であり、λは真空中を伝播する電磁波の波長であり、EはX=0のときの電界値である。
式(1)によれば、半径方向の位置を示すXの値が大きくなり、給電周波数が高くなる(換言すれば波長λが小さくなる)と、電界強度分布は余弦関数を描いて変化することが判る。
たとえば、平行平板型装置において、装置の中心から給電を行うとき、直径2mの円形基板において電源周波数を15MHzとして式(1)に基づいて電界分布を計算すると、その分布上のばらつきは±3%程度である。しかしながら、電源周波数を60MHzにすると、電界分布のばらつきが±53%と大幅に増加する。
このことから、大型基板のプラズマ処理を可能にし、高速成膜等を目的として電源周波数を高くするに際しては、定在波の発生を補償し、電界分布のばらつきを抑制して均一にプラズマを発生させることが希求されている。
エー・ペレット他、アプライド・フィジックス・レターズ(APPLIED PHYSICS LETTERS)、米国、アメリカン・インスチチュート・オブ・フィジックス(American Institute of Physics)、2003年7月14日、第83巻、第2号、p243−245 特開平4−236781号公報 特開平11−111622号公報
本発明の目的は、電極上に発生する定在波を積極的に制御することによって、高周波電源の周波数を増大させた場合においても電界分布を均一にして均一なプラズマを発生し、大きな被処理基板に対しても均一に処理を行うことができるプラズマプロセス装置を提供することである。
本発明は、被処理基板が内部に配置される処理室と、処理室の内部に設けられ、被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ放電発生部とを備えるプラズマプロセス装置において、
プラズマ放電発生部は、
被処理基板のプラズマ処理が施される被処理面に対して略平行に設けられ、処理室内にガスを導入させるガス導入口が形成される第1電極と、
被処理基板の被処理面と第1電極との間に設けられる第2電極であって、予め定める方向に延びるストライプ状、または格子状に設けられる第2電極とを含み、
第1電極と第2電極とは、第1電極と第2電極との互いに対向する側の面同士で形成される間隔が、被処理面上に投影される位置に応じて異なるように設けられることを特徴とするプラズマプロセス装置である。
また本発明は、被処理基板が内部に配置される処理室と、処理室の内部に設けられ、被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ放電発生部とを備えるプラズマプロセス装置において、
プラズマ放電発生部は、
被処理基板のプラズマ処理が施される被処理面に対して略平行に設けられる電極基部と電極基部から被処理面に向う方向に突出して形成される電極突起部とを有し、処理室内にガスを導入させるガス導入口が形成される第1電極と、
被処理基板の被処理面と第1電極との間に設けられる第2電極であって、予め定める方向に延びるストライプ状、または格子状に設けられる第2電極とを含み、
第1電極と第2電極とは、第1電極の電極突起部の先端と第2電極の第1電極を臨む側の面とで形成される間隔が、被処理面上に投影される位置に応じて異なるように設けられることを特徴とするプラズマプロセス装置である。
また本発明は、第2電極は、第1電極を臨む側の面と被処理基板の被処理面との距離が、被処理面上に投影される位置に応じて異なるように設けられることを特徴とする。
また本発明は、第2電極は、被処理基板を臨む側の面と被処理基板の被処理面との距離が、等しくなるように設けられることを特徴とする。
また本発明は、第1電極と第2電極との間に絶縁体が介在することを特徴とする。
また本発明は、第1電極と第2電極とは、
第1電極に対して電力が供給される点である給電点から遠ざかるのにつれて、前記間隔が小さくなるように設けられることを特徴とする。
本発明によれば、第1電極と第2電極との間隔、または第1電極に形成される電極突起部と第2電極との間隔が、被処理面上に投影される位置に応じて異なるように、第1電極と第2電極とが設けられるので、高周波電源の周波数を増大させた場合においても、電界分布を均一にして均一なプラズマを発生し、大きな被処理基板に対しても均一に処理を行うことができるプラズマプロセス装置が実現される。
また本発明によれば、第1電極と第2電極との間に絶縁体を介在させるので、第2電極の第1電極を臨む側の面に膜が形成されることを防止できる。このように、第2電極の第1電極を臨む側の面に膜が形成し堆積されることがないので、第2電極から膜が剥がれ落ちて被処理面がパーティクル汚染されることを防止できる。
また本発明によれば、第1電極と第2電極とは、第1電極に対して電力が供給される給電点から遠ざかるのにつれて、両者の間隔が小さくなるように設けられるので、給電点から遠い部分における電界強度の低下を補償し、広範囲にわたって均一な電界分布を生じさせることができる。
図1は本発明の実施の第1形態であるプラズマプロセス装置11の構成を簡略化して示すX−Z断面図であり、図2は図1に示すプラズマプロセス装置11のY−Z断面図である。
プラズマプロセス装置11は、大略、被処理基板12が内部に配置される処理室13と、処理室13の内部に設けられ、被処理基板12にプラズマ処理を施すプラズマ放電発生部14と、プラズマ放電発生部14に電力を供給する電源15とを備える。プラズマ放電発生部14は、被処理基板12のプラズマ処理が施される被処理面12aに対して略平行に設けられ、処理室13内にガスを導入させるガス導入口16が形成される第1電極17と、被処理面12aと第1電極17との間に設けられる第2電極18であって、予め定める方向に延びるストライプ状に設けられる第2電極18とを含み、第1電極17と第2電極18とは、第1電極17と第2電極18との互いに対向する側の面同士で形成される間隔d1が、被処理面12a上に投影される位置に応じて異なるように設けられる。
このプラズマプロセス装置11は、たとえばプラズマ励起化学気相成長法による半導体膜や絶縁膜の薄膜製造のためのプラズマ化学蒸着装置、半導体膜や導体膜の薄膜パターン形成のためのドライエッチングを行うドライエッチング装置、薄膜パターン形成に用いるレジストを除去するアッシング装置などとして使用される。
ここで、図1および図2において示すX−Y−Z方向について説明する。X−Yの2方向で規定される平面は水平面に相当し、図1の紙面上ではX方向が左右方向であり、Y方向が紙面に対して垂直な方向でありかつ前記第2電極18がストライプ状に延びる方向である。Z方向は、X−Yの両方向に垂直な方向であり鉛直方向に相当する。なお、このX−Y−Z方向の定義は、本明細書中で共通に用いられる。
したがって、図1はプラズマプロセス装置11のX−Z断面を見た図であり、図2はプラズマプロセス装置11のY−Z断面を見た図である。
処理室13は、内部が中空の略直方体形状を有し、たとえばステンレス鋼などで形成される耐圧容器である。処理室13の上部には、天板13aを貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔部分に処理室13の内部に材料ガスを供給するガス供給部21が設けられる。ガス供給部21は、たとえばエアコンプレッサまたは高圧ガスボンベと圧力/流量調整弁とによって実現される。また処理室13の下部には、底板13bを貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔部分に処理室13内のガスを排出するガス排出部22が設けられる。ガス排出部22は、たとえばメカニカル・ブースター・ポンプまたはロータリーポンプなどによって実現される。
なお、本実施形態では、ガス排出部22は、処理室13の底板13bの略中心に接続されるように設けられる構成であるけれども、これに限定されることなく、特にプラズマプロセス装置が大きくなった場合は、等間隔に複数個が設けられる構成であってもよい。
被処理基板12は、処理室13の内部空間の下部に配置される基板ホルダ23に載置され、さらに被処理基板12と基板ホルダ23とが、被処理基板12を加熱するためのヒータを内蔵するサセプタ24に保持される。
本実施の形態では、第1電極17は、たとえばアルミニウム合金またはステンレス鋼などの導電性素材からなる平板であり、前述のようにサセプタ24に保持される被処理基板12の被処理面12aに対して略平行に設けられる。ここで略平行とは、装置における装着精度および設置上の誤差等により、被処理面12aに対して第1電極17がわずかに傾斜角を有する場合も含む意味に用いる。
第1電極17には、その厚さ方向に貫通して複数のガス導入口16が形成される。ガス導入口16の個数および配置は、特に限定されるものではなく、処理室13内へ導入される材料ガスが、処理室13の全体で均一化が図れるように配慮されればよい。また第1電極17の被処理面12aを臨む側の面と反対側を覆うようにして、材料ガスの流過空間を形成するガス缶体25が設けられる。ガス缶体25の内部に、材料ガスを拡散し、均一に処理室13に供給するための不図示の略拡散板を複数枚設置する。ガス供給部21からガス導入管26を流過してガス缶体25の内部空間へ供給される材料ガスは、矢符27に示す方向に第1電極17に形成されるガス導入孔16を通って処理室13の内部へ導入される。
処理室13の外部には、前述の電源15であって、この第1電極17に接続されプラズマ放電発生部14に対して電力を供給する高周波電源15が設けられる。本実施の形態では、高周波電源15が第1電極17に接続されて電力を供給する給電点28は、第1電極17の平面図上における中央部に設けられる。このように、高周波電源15から電力供給される電極であることから、第1電極17を給電電極17と呼ぶことがある。
第2電極18は、被処理基板12の被処理面12aと第1電極17との間に、Y方向に延びてストライプ状(本実施形態では6個が離隔距離G1をあけて平行にY方向に延びるように)に設けられる。また第2電極18は、第1電極17に対して、第1電極17と第2電極18との互いに対向する側の面同士で形成される間隔d1が、被処理面12a上に投影される位置に応じて、すなわちX−Y平面上の座標位置に応じて異なるように設けられることを特徴とする。
第2電極18は、X−Z断面上にて見るとき、給電点28に最も近いものの間隔d1が最も大きく、給電点28から遠ざかるのにつれて順次間隔d1が小さくなるように設けられる。なお、順次小さくなる間隔を、特にそれぞれ区別する場合には、間隔d1a、d1bおよびd1c(d1a>d1b>d1c)と呼び、間隔を総称する場合d1と呼ぶ。なお、第2電極18は、給電点28を含むY−Z平面に関して面対称に形成される。またY−Z断面上において、第2電極18は、Y方向に延びて設けられ、第1電極17との間隔d1は、やはり給電点28に最も近い所で最大値を有し、給電点28から遠ざかるのにつれて連続的に小さくなるように形成される。たとえば、最も給電点28に近く設けられる第2電極18では、給電点28に最も近い所の間隔がd1a、給電点28から最も遠い所の間隔がd1cになるように設けられる。
なお本実施の形態のプラズマプロセス装置11では、第1電極17と第2電極18との間には、第2電極18と同様にY方向に延びてストライプ状に設けられる絶縁体19が介在する。絶縁体19は、第1電極17の被処理基板12を臨む側の面上に、該面から立ち上がるようにして、かつ給電点28から遠ざかるのにつれて、第1電極17の上記面からの立ち上がり高さが小さくなるように設けられる。この絶縁体19の第1電極17の面からの立ち上がり高さが、前述の第1電極17と第2電極18との対向面同士による間隔d1に一致する。
すなわち、X−Z断面上においては、絶縁体19は、幅w1の板状に形成され、給電点28から遠ざかるのにつれて高さがd1aからd1cまで順次小さくなるように、離隔距離G1をあけてストライプ状に設けられる。また、Y−Z断面上においては、給電点28に最も近いものについて例示すると、絶縁体19は、その高さが給電点28に最も近い所で最大値を有し、給電点28から遠ざかるのにつれて連続的に小さくなるように、長さL1にわたって形成される。
したがって、本実施形態のプラズマプロセス装置11では、絶縁体19の被処理基板12を臨む側の端面上に、幅w1および厚さt1(この厚さは鉛直方向であるZ方向の長さになるので、以後便宜上第2電極の高さと呼ぶ)の第2電極18が、Y方向にストライプ状に延びて設けられる。この第2電極18は、たとえばアルミニウム合金またはステンレス鋼などの導電性素材からなり、ストライプ方向に延びる端部において処理室13の壁面などの金属部に接地されて接地電位に保たれるので、接地電極と呼ばれることがある。
絶縁体19には、たとえばアルミナなどのセラミックが用いられる。なお、第2電極(接地電極)18を、第1電極17から間隔d1をあけて撓ませることなく設けることができるのであれば、絶縁体19を設ける必要はない。しかしながら、たとえばCVDでは、絶縁体19が無いと、第2電極18の第1電極17を臨む側の面に膜が堆積し、その膜が剥がれ落ちることによって被処理面12aをパーティクル汚染する恐れがあるので、絶縁体19が設けられることが好ましい。
なお、給電電極17とガス供給部21側の処理室13とで囲まれる空間、より厳密にはガス缶体25のガス供給部21を臨む側とガス供給部21側の処理室13とで囲まれる空間には、異常放電等および不必要な放電を防止するために図示していないアルミナ等の誘電体が敷き詰めてある。
複数設けられる絶縁体19の立ち上がり高さを、電極に発生する電界の定在波分布を補償するように、給電点28から遠ざかるのにつれて小さくなるように形成することによって、絶縁体19の被処理基板12を臨む側の端面に設けられる第2電極18と、第1電極17との間隔d1を調整することができる。このように、第1電極17と第2電極18との間隔d1が調整された構成とすることによって、X−Y平面すなわち被処理面12aと平行な平面における電界分布を均一化することができる。
以下、電界分布均一化の原理について簡単に等価回路を用いて説明する。図3は、等価回路を簡略化して示す図である。本発明のプラズマプロセス装置11は、簡略的に図3に示すような等価回路で示される。図3では、分布定数回路で示されるところの回路の単位長さ当りの抵抗、インダクタンス、コンダクタンスおよびキャパシタンスは省略しており、プラズマが発生する第2電極(接地電極)18と、その近隣の第1電極(給電電極)17との間の放電部分の容量成分のみを表している。また図3では、X方向の等価回路を示しているが、放電部分の容量を単位長さ当りの値と考えることによって、Y方向の等価回路であっても同様に表現することができる。
たとえば、複数ある絶縁体の高さが全て等しい、すなわち給電電極と接地電極との間隔が被処理基板の被処理面上の投影位置に関らず等しい場合、給電点からの入射波と電極端等における反射波とが干渉することによって、分布定数回路上で示されるところの抵抗および容量成分により定まる定在波が発生し、給電点からX方向またはY方向に遠ざかるにつれて電圧は低下し、プラズマ放電部の電界も減少して電界分布にばらつきが生じる。
しかし、本発明のプラズマプロセス装置11におけるように、被処理面12aに平行なX−Y平面内において、絶縁体19の高さ、すなわち第1電極17と第2電極18との間隔d1を、被処理面12a上の投影位置、すなわちX−Y座標位置に応じて異なるように調整することによって、給電点28からXまたはY方向へ遠ざかるのにつれて電圧が徐々に低下するけれども、その分、第2電極18と第1電極17との間隔d1を小さくして距離を近づけて、プラズマ放電部分の電界を大きくすることができ、X−Y平面内の電界分布を均一化することが可能になる。
以下、プラズマ放電発生部14の構成についての具体的な事例を示すとともに、該構成例について3次元高周波電磁界シミュレーション解析を行った結果について説明する。なお、この具体的構成例は、あくまでも本発明の一例を示すにすぎず、本発明範囲を限定するものではない。
図4は、解析に用いたプラズマ放電発生部14の具体的構成例を示す断面図である。なお、図4では、プラズマ放電発生部14が面対象に構成されるので、X−Z断面における2分の1断面にて図示する。図4は、たとえば基板サイズ1800mm×1500mmに対応するプラズマプロセス装置11に搭載されるプラズマ放電発生部14について例示する。
第1電極(給電電極)17は、平面寸法が1900mm×1600mm、厚さ10mmであり、その外周に適宜配置される空気ならびに厚さ15mmのアルミナおよびポリテトラフルオロエチレンで構成される絶縁部材31によって、処理室13の内壁面から絶縁される。
絶縁体19は、30mmピッチ(離隔距離G1=30mm)で互いに平行になるようにY方向に延び、給電電極17の被処理面12aを臨む側の面に配置される。この絶縁体19は、比誘電率:9.2のアルミナからなり、幅w1が5mm、長さL1が1900mm、高さd1が3〜15mmである。給電電極17の平面寸法が1900mm×1600mmの場合、絶縁体19は、ピッチを30mmとすると、55本程度が、Y方向に延びX方向に平行に配列される。
絶縁体19を介して給電電極17と対向するようにして第2電極(接地電極)18が設けられる。接地電極18の寸法を表1に示す。
Figure 2006331740
高周波電源15による給電電極17に対する電力供給部すなわち給電点28は、給電電極17の平面図上における中心付近に設けられる。給電点28には、直径:30mm、長さ100mmの円柱金属が接続され、円柱金属はさらにプラズマプロセス装置外周部と絶縁するために直径50mmの円筒状のポリテトラフルオロエチレンによって被覆される。
サセプタ24は、接地電極18から平均距離で30mm離間し、かつ給電電極17に対して平行になるように配置され、平面寸法が1900mm×1600mm、厚さ10mmである。このサセプタ24は、金属部材32によって処理室13の内壁面に連結される。なお基板ホルダ23および被処理基板12はシミュレーション解析の簡略化のため省略した。
電界分布のシミュレーションに際し、給電電極17および接地電極18は完全導体と仮定し、給電電極17とサセプタ24との間に構成される空間は真空からなると仮定した。シミュレータには、高周波3次元電磁界シミュレータ[HFSS(High-Frequency
Structure Simulator)、Ver.8.5.04:アンソフト製]を用い、シミュレーション条件として表2に示す条件を用いて、3次元高周波電磁界シミュレーション解析を行った。
Figure 2006331740
なお、本発明例の電界分布と比較するために、給電電極と接地電極との間隔(絶縁体の高さ)が6mm一定であること以外は上記の設定と同一である比較例の場合についても、3次元高周波電磁界シミュレーション解析を行った。シミュレーション解析を行ったケース分けを表3に示す。解析結果は、給電電極17と接地電極18との中間位置の仮想X−Y平面上の電界強度を、隣り合う接地電極18同士の離隔距離G1である30mmで平均した平均電界強度として算出した。以下断りが無い限り、電界強度は平均電界強度を示すものとする。
Figure 2006331740
図5は、シミュレーション結果を示す図である。図5は、表3に示す発明例と比較例とのそれぞれの場合について、表3に示すX方向およびY方向の電界強度を算出した結果を、給電点を中心Oとして示す。
電極サイズが1600mm×1900mmのように大きい場合、給電電極と接地電極との間隔d1(絶縁体の高さ)を6mmと一定にすると、図5中のライン33,34に見られるように、電界強度は、X方向およびY方向のいずれであっても給電点から遠ざかるのに伴って、平行平板型のプラズマプロセス装置と同様に電界強度が低下するという典型的な定在波の影響が表れる。
一方、本発明例のように、たとえば給電電極17と接地電極18との間隔d1を、給電点28から遠ざかるのにつれて15mmから3mmへと減少させると、図5中のライン35,36に見られるように、間隔d1が小さい所では逆に電界強度が増加する結果が得られた。
このように、給電電極17と接地電極18との間隔d1(絶縁体19の高さ)をX方向およびY方向において、給電点28から遠ざかるのにつれて15mmから3mmへと減少させることによって、給電電極17の周縁部すなわち被処理基板12の周縁部における電界強度の低下を防止することができ、間隔d1の大きさによっては電界強度を逆に増加させることができる。したがって、絶縁体19の高さを適切に調整し、給電電極17と接地電極18との間隔d1を適切に調整することによって、電界強度分布の均一化を実現することができる。
さらなる3次元高周波電磁界シミュレーション解析を行った結果、電極サイズ1600mm×1900mmの場合、給電点近接部における間隔d1を15mmとし、給電電極周縁部における間隔d1を9mmとするとき、給電電極17の平面領域内における電界強度分布のばらつきを±1%以内に抑えることができ、電界分布の均一化を実現することができる。
次に、給電電極17と接地電極18との間隔d1を、3次元高周波電磁界シミュレーション解析から導かれる上記の好適値になるように調整したプラズマプロセス装置11によって、サイズ1800mm×1500mmの被処理基板12上に窒化シリコン(SiN)膜を成膜した結果を説明する。
成膜に用いた材料ガスは、SiH(2slm)、H(10slm)およびN(20slm)である。ここで、「slm」とは、0℃において毎分流れるリットル単位のガス流量である。プラズマプロセス装置11内の材料ガス雰囲気圧力は100Paから300Paとし、被処理基板12の温度を200度とし、高周波電源15による供給電力を10kWから20kW、周波数を10〜100MHzとした。
成膜後、ガラス基板を4分割に裁断し、被処理基板12上に形成されたSiNの膜厚分布を、分光エリプソメータにて測定した結果、膜厚はプロセス条件に依存するけれども、安定なプラズマ放電が得られる周波数27MHz、材料ガス圧力150〜250Paにおいて膜厚分布のばらつきが±10%以内に納まることが判った。すなわち、間隔d1を、給電点28から給電電極17の周縁部に向かって適正に減少させることによって、電界分布の均一化を実現し、均一なプラズマを生成させて膜厚が均等になるようにプラズマプロセス処理を施すことが可能になる。
なお、給電電極と接地電極との間隔d1を6mmと一定にしたこと以外は上記と同様にして、SiNの成膜を行ったところ、成膜後の膜厚分布のばらつきが±25〜45%もあり、電界分布の均一性に問題があり、均一なプラズマプロセス処理が行えていないことが判った。
図6は本発明の実施の第2形態であるプラズマプロセス装置41の構成を簡略化して示すX−Z断面図であり、図7は図6に示すプラズマプロセス装置41のY−Z断面図である。本実施の形態のプラズマプロセス装置41は、実施の第1形態のプラズマプロセス装置11に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
プラズマプロセス装置41において注目すべきは、プラズマ放電発生部42の第2電極43は、第1電極17を臨む側の面と被処理面12aとの距離が、被処理面12a上に投影される位置に応じて異なり、かつ被処理基板12を臨む側の面と被処理面12aとの距離G2が等しくなるように設けられることである。
本実施の形態では、図6に示すX−Z断面上にて見るとき、第2電極43は、給電点28に最も近いものの高さt1が最も小さく、給電点28から遠ざかるのにつれて順次高さt1が大きくなるように設けられる。なお、順次大きくなる高さを、特にそれぞれ区別する場合には、高さt1a、t1bおよびt1c(t1a<t1b<t1c)と呼び、高さを総称する場合t1と呼ぶ。
したがって、プラズマ放電発生部42を構成する第1電極17と第2電極43とは、次の関係を満足する。給電点28から遠ざかるのにつれて、第2電極43の高さt1が大きくなることによって第1電極17と第2電極43との間隔d1が小さくなり、かつ間隔d1と第2電極43の高さt1との和(=d1+t1)が、被処理面12a上に投影される位置に関らず一定になる。
このような構成とすることによって、第1電極17と絶縁体19と第2電極とで囲まれる空間であって、プラズマが発生する空間44(便宜上プラズマ空間と略称する)の容積を等しくすることができるので、一層均一なプラズマの発生を可能にし、均一な膜厚分布の成膜を実現することができる。
プラズマプロセス装置41によって、周波数27MHz、材料ガス雰囲気圧力を200Paにして成膜を行ったところ、膜厚分布のばらつきを±5%以内に抑制できることを確認した。
図8は本発明の実施の第3形態であるプラズマプロセス装置51の構成を簡略化して示すX−Z断面図であり、図9は図8に示すプラズマプロセス装置51のY−Z断面図である。本実施の形態のプラズマプロセス装置51は、実施の第2形態のプラズマプロセス装置41に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
プラズマプロセス装置51は、プラズマ放電発生部52を構成する第1および第2電極53,54の構成と配置とに特徴を有する。第1電極53は、ガス導入口16が形成され被処理面12aに対して略平行に設けられる平板状の電極基部55と、電極基部55から被処理面12aに向う方向に突出してリブ状に形成される電極突起部56とを有する。
本実施の形態では、電極突起部56は、たとえばアルミニウム合金またはステンレス鋼製であり、断面が直角3角形の角柱形状を有し、Y方向に延びてストライプ状に絶縁体57を挟んで両側に設けられる。この電極突起部56の電極基部55からの立ち上がり高さを電極突起部56の高さh1と呼ぶ。電極突起部56は、その高さh1が給電点28から遠ざかるのにつれて、高くなるように形成される。電極突起部56は、図8に示すX−Z断面上にて見るとき、給電点28に最も近いものの高さh1が最も低く、給電点28から遠ざかるのにつれて順次高さh1が高くなるように形成される。なお、順次高くなる高さを、特にそれぞれ区別する場合には、高さh1a、h1bおよびh1c(h1a<h1b<h1c)と呼び、高さを総称する場合h1と呼ぶ。
なお、電極突起部56は、給電点28を含むY−Z平面に関して面対称に形成される。また図9に示すY−Z断面上において、電極突起部56は、Y方向に延びて設けられ、立ち上がり高さh1は、やはり給電点28に最も近い所で最低値を有し、給電点28から遠ざかるのにつれて連続的に高くなるように形成される。たとえば、最も給電点28に近く設けられる電極突起部56では、給電点28に最も近い所の高さh1a、給電点28から最も遠い所の高さがh1cになるように形成される。なお、第1電極53は、電極基部55と電極突起部56とが一体もので作製される構成であってもよい。
第2電極54は、幅w1と高さt1とが一定の角棒状に形成され、被処理面12aと第1電極53との間に、Y方向に延びてストライプ状に設けられる。第1電極53と第2電極54とは、第1電極53の電極突起部56の先端と第2電極54の第1電極53を臨む側の面とで形成される間隔d1が、被処理面12a上に投影される位置に応じて異なるように、すなわち給電点28から遠ざかるのにつれて小さくなるように設けられる。
本実施形態のプラズマプロセス装置51においては、絶縁体57の高さHと前記間隔d1とは一致しない。絶縁体57の高さHは一定に保たれるので、同じく高さt1が一定の第2電極54と絶縁体57との高さの和(=H+t1)が、被処理面12a上の投影位置によらず一定である。
したがって、プラズマプロセス装置51は、電極突起部56の電極基部55からの立ち上がり高さh1が給電点28から遠ざかるのにつれて大きくなるようにすることによって、第2電極54と第1電極53の電極突起部56との間隔d1が、給電点28から遠ざかるのにつれて小さくなるように構成される。
このような構成とすることによって、プラズマプロセス装置51においても、電界分布の均一化に関する原理は保たれるので、電極端等の反射により発生する電磁波の定在波のため生じる電界分布のばらつきを抑制することができる。また、電極突起部56を設けることによって、プラズマ空間44内に発生する平均電界強度を大きくすることができ、一層高密度なプラズマ放電が可能となる。したがって、均一成膜と同時に高速成膜が可能となり、装置の高スループット化が期待できる。
図10は、第1電極の電極突起部の変形例を示す断面図である。実施の第3形態のプラズマプロセス装置51では、第1電極53の電極突起部56が、断面が直角3角形の角柱状に形成され、直角三角形の底辺と斜辺との間の角度を調整することによって高さh1を調整しているけれども、それに限定されるものでは無い。たとえば、図10(a)に示すように、断面形状が直角3角形の電極突起部56aを、断面の三角形の相似形を維持したまま拡大/縮小することによって高さh1を調整する方法であってもよい。また、図10(b)のように、断面形状が台形の電極突起部56bを、断面の台形の底辺の長さを調整することによって高さh1を調整する方法であってもよい。また、図10(c)のように、断面形状が直角3角形の斜辺を曲線にした電極突起部56cを、拡大/縮小することによって高さh1を調整する方法であってもよい。
図11は本発明の実施の第4形態であるプラズマプロセス装置61の構成を簡略化して示すX−Z断面図であり、図12は図11に示すプラズマプロセス装置61のY−Z断面図である。本実施の形態のプラズマプロセス装置61は、実施の第2および第3形態のプラズマプロセス装置41,51に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態のプラズマプロセス装置61のプラズマ放電発生部62は、実施の第2形態の絶縁体19および第2電極43に、電極基部64と電極突起部65とからなる第1電極63を組合せた構成を有する。
第1電極63の電極基部64は、実施の第3形態の第1電極53の電極基部55と同一に形成される。第1電極63の電極突起部65は、断面が直角三角形の三角柱状に形成され、1つの絶縁体19と、1つの第2電極43と、1つの絶縁体19を挟んで対向して設けられる一対の電極突起部63とからなる1つのプラズマ放電発生ユニットにおいては、高さh1がY方向に一定になるように形成される。したがって、上記の1つのプラズマ放電発生ユニットにおいて、電極突起部63の先端部と第2電極43との間隔d1のY方向における変化は、第2電極43の高さt1が、給電点28から遠ざかるのにつれて大きくなるように形成されることによって実現される。
一方、プラズマ放電発生部62の電極突起部63の先端部と第2電極43との間隔d1のX方向における変化は、第2電極43の高さt1が、給電点28から遠ざかるのにつれて大きくなるように形成されることに加えて各絶縁体19を挟んで、ストライプ状に設けられる電極突起部65の高さh1が、給電点28から遠ざかるのにつれて大きくなるように形成されることによって実現される。
このような構成とすることによって、第1電極63の電極突起部65と第2電極43とによって形成される間隔d1が、被処理面12a上に投影される位置に応じて異なるように設けることを実現する上で、自由度の高い設計が可能となる。したがって、プラズマ放電発生部を製作する時のコストならびに製作するデバイス等の膜厚分布仕様および成膜速度に応じて、最適な組み合わせを多様に実現することができる。
本発明のプラズマプロセス装置は、大型の被処理基板に対して均等なプラズマプロセス処理を施すことができるものであるけれども、広い領域に均一にプラズマプロセス処理を施すことだけにその使用が限定されるものではない。
プラズマ放電発生部の第1電極と第2電極との間隔d1、または第1電極の電極突起部と第2電極との間隔d1を、所望の部位において意図的に小さくすることによって、また意図的に大きくすることによって、電界強度の強弱を調整することが可能である。このように電界強度分布を調整することによって、被処理基板の表面に所望の膜厚分布を有する成膜処理を施すことも可能である。
図13および図14は、プラズマプロセス処理で成膜された被処理基板の事例を示す平面図である。たとえば、図13に示す被処理基板12は、被処理基板12の周縁部付近においてのみ、リング状の領域Aを他の部分より厚膜にすることや他の部分より多くエッチングすることなど、他の部分よりも強いプラズマプロセス処理が施されたものである。また、図14に示す被処理基板12は、局所的に区画される3つの選択領域U,V,Wにのみ、強いプラズマプロセス処理が施されたものである。
以上に述べたように、本実施の形態では、プラズマ放電発生部は、その第2(接地)電極、絶縁体、電極突起部が、Y方向に延びるストライプ状に形成されるけれども、これに限定されることなく、たとえば給電点を中心として90°角変位した位置に同一構成のものが設けられて、X方向とY方向とに延びて格子状に形成される構成であっても良い。プラズマ放電発生部の第2電極、絶縁体、電極突起部が格子状に設けられることによって、さらなる高密度で均一なプラズマを発生させることが可能になるので、一層高能率なプラズマプロセス処理を実現することができる。
また高周波電源から第1電極(給電電極)に対する電力供給は、給電電極の平面図上におけるほぼ中央に設けられる給電点を通じて行われるけれども、これに限定されることなく、任意の部分に給電点が設けられる構成であってもよい。たとえば、中心付近以外にも給電電極の端部での接続、また分岐して複数箇所に給電点を設ける等の接続であってもよい。この場合、給電点を増やしたり、給電場所を変えたりしても電磁波は干渉し合うので、電極に定在波が発生するけれども、それを補償するように給電電極と接地電極との間隔d1を調整すればよい。
またプラズマプロセス処理は、成膜処理を事例としたけれども、これに限定されることなく、プラズマプロセス装置は、成膜以外にも、ドライエッチング、アッシングなどのプラズマプロセス処理にも利用することができる。
本発明の実施の第1形態であるプラズマプロセス装置11の構成を簡略化して示すX−Z断面図である。 図1に示すプラズマプロセス装置11のY−Z断面図である。 等価回路を簡略化して示す図である。 解析に用いたプラズマ放電発生部14の具体的構成例を示す断面図である。 シミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施の第2形態であるプラズマプロセス装置41の構成を簡略化して示すX−Z断面図である。 図6に示すプラズマプロセス装置41のY−Z断面図である。 本発明の実施の第3形態であるプラズマプロセス装置51の構成を簡略化して示すX−Z断面図である。 図8に示すプラズマプロセス装置51のY−Z断面図である。 第1電極の電極突起部の変形例を示す断面図である。 本発明の実施の第4形態であるプラズマプロセス装置61の構成を簡略化して示すX−Z断面図である。 図11に示すプラズマプロセス装置61のY−Z断面図である。 プラズマプロセス処理で成膜された被処理基板12の事例を示す平面図である。 プラズマプロセス処理で成膜された被処理基板の事例を示す平面図である。 従来のプラズマCVD装置1の構成を模式的に示す断面図であり、 図15に示すプラズマCVD装置1に備わるプラズマ放電発生部の斜視図である。
符号の説明
11,41,51,61 プラズマプロセス装置
12 被処理基板
13 処理室
14,42,52,62 プラズマ放電発生部
15 電源
16 ガス導入口
17,53,63 第1電極
18,43,54 第2電極
19,57 絶縁体
21 ガス供給部
22 ガス排出部
23 基板ホルダ
24 サセプタ
28 給電点
44 プラズマ空間
55,64 電極基部
56,65 電極突起部

Claims (6)

  1. 被処理基板が内部に配置される処理室と、処理室の内部に設けられ、被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ放電発生部とを備えるプラズマプロセス装置において、
    プラズマ放電発生部は、
    被処理基板のプラズマ処理が施される被処理面に対して略平行に設けられ、処理室内にガスを導入させるガス導入口が形成される第1電極と、
    被処理基板の被処理面と第1電極との間に設けられる第2電極であって、予め定める方向に延びるストライプ状、または格子状に設けられる第2電極とを含み、
    第1電極と第2電極とは、第1電極と第2電極との互いに対向する側の面同士で形成される間隔が、被処理面上に投影される位置に応じて異なるように設けられることを特徴とするプラズマプロセス装置。
  2. 被処理基板が内部に配置される処理室と、処理室の内部に設けられ、被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ放電発生部とを備えるプラズマプロセス装置において、
    プラズマ放電発生部は、
    被処理基板のプラズマ処理が施される被処理面に対して略平行に設けられる電極基部と電極基部から被処理面に向う方向に突出して形成される電極突起部とを有し、処理室内にガスを導入させるガス導入口が形成される第1電極と、
    被処理基板の被処理面と第1電極との間に設けられる第2電極であって、予め定める方向に延びるストライプ状、または格子状に設けられる第2電極とを含み、
    第1電極と第2電極とは、第1電極の電極突起部の先端と第2電極の第1電極を臨む側の面とで形成される間隔が、被処理面上に投影される位置に応じて異なるように設けられることを特徴とするプラズマプロセス装置。
  3. 第2電極は、
    第1電極を臨む側の面と被処理基板の被処理面との距離が、被処理面上に投影される位置に応じて異なるように設けられることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマプロセス装置。
  4. 第2電極は、
    被処理基板を臨む側の面と被処理基板の被処理面との距離が、等しくなるように設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のプラズマプロセス装置。
  5. 第1電極と第2電極との間に絶縁体が介在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のプラズマプロセス装置。
  6. 第1電極と第2電極とは、
    第1電極に対して電力が供給される点である給電点から遠ざかるのにつれて、前記間隔が小さくなるように設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のプラズマプロセス装置。
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