JP4046898B2 - インサート成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のインサートを有するインサート成形品の製造方法に関する。詳しくは、複数のインサートと、接合部を介して相隣るインサートを接合する保持部からなるインサート整列体を使用し、樹脂を注入してインサート成形し、成形後に保持部を取り除くことによるインサート成形品の製造方法、及び該製造方法により得られるインサート成形品、特に電気・電子部品用コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
機能または材質の異なる部分を樹脂成形品と一体化する場合には、この部分を予め射出成形などで作成してある成形品に接着、かしめ、溶着等で接合する方法と、あらかじめ機能または材質の異なる部分を金型に挿入し、樹脂を金型に注入して接合する方法とがある。
前者の場合は接合面の密着性、気密性に問題が発生する場合が多く、これを解決するために、予め一体化する部分の表面をプライマー処理、活性化処理などすることが必要になり、2次加工コストの負担が大きくなる。
後者の場合は、樹脂成形品を成形する際に、一体化する部分(インサート)を金型内に挿入する工程が余分に必要であり、成形サイクルが長くなることで生産性が低下する。さらに、インサートが複数、特に多数になる場合、一度に金型内に挿入することが困難で、成形サイクルがさらに長くなる。なおかつ、金型内で複数のインサートを保持するために複雑な構造の金型を必要とし、往々にして、得られた成形品内でインサートが、成形時の樹脂の圧力により移動したり、互いに接触するといった不具合が発生した。
【0003】
このような複数のインサートを必要とするインサート成形は、電気・電子部品のコネクタ等を成形する際に行われており、これまで、フープ成形のように、インサートをキャリアストリップによりつなぎ合わせて一体化したものを用いてインサート成形し、成形後キャリアストリップを切断することにより、複数のインサートを独立させることが行われていた(特開平10−217253号公報)。しかしながら、この方法では複雑な形状のインサートには対応が困難であった。
また、予め複数のインサートをつなぎ合わせるためにインサート成形し、これを金型内に挿入することで、インサートを保持するための構造を単純化するということが行われていた。しかしながら、この方法では、予めインサートを一体化する工程が必要であり、加工費がかさんだり、一体化したインサートと成形品の界面の気密不良が発生すると言った問題があった。
また、複数のインサートをブリッジにより接続された形に一体成形したインサートを用いてインサート成形し、その後ブリッジを打ち抜き加工などにより切断することにより、複数のインサートが独立した形でインサート成形されたインサート成形品を製造する方法がある。この場合、インサートのブリッジ部分を固定側金型及び移動側金型で挟み込む形で金型内に保持し、インサート成形する事が一般的である。こうすることで、ブリッジ部分には樹脂がなく、貫通部が形成されるため、プレス機によりブリッジ部分を打ち抜き加工することにより切断することが可能である。しかしながら、この場合、貫通部が形成されてしまうので、貫通部を有していてもよい成形品に限定するか、または貫通部を樹脂で埋め直す必要があるなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、複数のインサートを短時間で金型内にインサートし、成形サイクルの短縮が可能で、簡易な構造の金型を使用し、インサートが成形時の樹脂の圧力により移動せず、気密性が高く、貫通部の生じないインサート成形品も成形できる成形方法、及びそれによる成形品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、多数のインサートの間に保持部を点状に接合させたインサート整列体を使用し、保持部を直角に折り曲げ、該保持部を金型の固定用溝に挿入して保持し、樹脂をインサート整列体の上面から注入し、成形後に保持部を樹脂の注入されていない側から取り除くことにより、上記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、複数のインサート(2)を有するインサート成形品(1)の製造において、予め複数のインサート(2)が、接合部(4)を介して、相隣るインサートの間に設けられた、インサートとは別体である保持部(3)により一体化されたインサート整列体(5)を金型(8)へセットし、金型(8)に対してバネ効果をもたらす形状に加工された保持部(3)が金型(8)に設けられた固定部(10)所定の位置に係合して保持され、複数のインサート(2)の所定部分がインサートされるように樹脂(9)を、金型キャビティに注入した後、得られた原インサート成形品(1')から接合部(4)において保持部(3)を取り除くことを特徴とするインサート成形品の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
初めに本発明を図面により説明する。
図1(c)は、本発明に係るインサート整列体5の一例である。インサート整列体5は、複数のインサート2、相隣るインサート2の間に設けられた保持部3、及びインサート2と保持部3を接合する接合部4が一体的に設けられたものである。
インサート整列体5の材質は、目的により種々の材質が使用できるが、金属であるとインサート整列体5の作成の容易さ、保持部3の耐熱性、保持部3を取り除く際の加工の容易さがある。電気・電子部品のコネクタ等では、金属が使用される。
図1(a)に示すような金属製インサート整列体5は、例えば、金属板を打ち抜き加工等により、所望の形状及び間隔でインサート2と保持部3及び接合部4が一体となって形成される。次に、図1(b)に示すように、必要であれば保持部3の端部を折り畳んだ上で、図1(c)に示すように、保持部3をインサート2に対してほぼ直角に折り曲げる。
【0008】
このようにして得られた金属製インサート整列体5は、例えば図2に示すように、下金型8’の上にセットされ、金型の固定部10において保持部3が所定の位置に保持される。図2では、固定部10が下金型8’に設けられた溝10’であり、溝10’の中に保持部3が挿入されて保持される。上記において「ほぼ直角に折り曲げる」とは、所定の幅の溝10’の中に保持部3が容易に挿入され、保持されるに必要な角度に折り曲げることをいう。
次に、樹脂を金型キャビティに注入するが、樹脂をインサート整列体5を挟んで、固定部10と反対側の金型キャビティ(図2ではインサート整列体5と上金型8”との間の全面)に注入して、インサート2を所定の形状にインサート成形する。この時、電気・電子部品用コネクタではインサート2の下面には樹脂が注入されず、金属表面が露出されていてもよく、露出面が導電面となる。また、用途によっては、インサート2の下面にも樹脂が充填されてもよいが、この場合にはインサートは保持部3により下金型8’から浮かせて、樹脂が回り込める空間を持たせるようにする。
一方、保持部3の固定部10に保持された側には、樹脂が実質的に注入されず、原インサート成形品1’から保持部3を取り除く際に、樹脂の注入されていない側から取り除くことができる。上記において「樹脂が実質的に注入されていない」とは、保持部3の取り除き側は樹脂で、通常は、覆われないが、取り除く操作に影響がない程度に少量の樹脂が回り込んでいても構わないことをいう。なお、保持部3の固定部10に保持された側と反対側には、樹脂が注入される。
【0009】
このようにして得られた原インサート成形品1’から接合部4と保持部3を取り除くことにより、複数のインサート2を有するインサート成形品1を得ることができる。図3では、成形後に接合部4を含めて保持部3をねじって取り除く例が示されている。
取り除くためには、保持部3に、図4(a)に示すように円形等の孔を開けたり、図4(b)に示すようにブリッジ状にして、孔等を爪で引っかけて保持部3を取り除くことができる。
上記のような、ねじり取り、折り取り、引っかけ取り、又は切り取りを行えるものを取り除き手段6とし、取り除き手段6は金型の適当なところに設けられてインサート成形品1の離型時に保持部3を取り除いたり、原インサート成形品1’を離型後に取り除き手段6を有する治具などにより取り除いたりすることができる。
【0010】
図5は、本発明に係るインサート整列体5の他の一例である。インサート整列体5の保持部3の両端部には係合部3’及び3”が設けられている。
上記のインサート整列体5は、図6(a)及び図6(a’)に示すように、下金型8’の固定部10の固定爪11’及び11”の間に保持部3の係合部3’及び3”が挿入されて保持され、樹脂が注入される。なお、図6(a)は、樹脂が注入されて得られた原インサート成形品1’のインサートと直角の断面図であり、上金型8”が上に移動した(図示されない)状態を示す。図6(a’)は、図6(a)において、保持部3のインサート2と平行方向の断面図である。
したがって、保持部3は、インサート2と同一平面にすることもできる。また、保持部3を湾曲させて、固定爪11’及び11”の間に係合部3’及び3”が挿入され、保持部3が下金型8’に、必要であればバネ効果を持たせて、保持されるようにすることもできる。
インサート成形後、図6(b)に示すように、取り除き手段6(例えばエジェクタピン(6’)によりインサート成形品1を突き出して離型させるが、突き出す力で接合部4を破断して保持部3を取り除くことができる。保持部3は、固定爪11’及び11”の間に係合部3’及び3”が挿入されているので、下金型8’に残るが、図6(c)に示すように、離脱手段7(例えばエジェクタピン(7’))により突き出されて下金型8’から取り去られる。
【0011】
図7(a)は、本発明に係るインサート整列体5の更に他の一例である。図7(b)は保持部3と接合部4の拡大図を示す。インサート整列体5の保持部3はドーナツ型円板状であり、内円周上には係合部3’が複数設けられており、外円周上には接合部4が設けられている。
上記のインサート整列体5は、図8(a)に示すように、下金型8’の頭部を有する固定柱12にドーナツ型円板状の保持部3が押し込まれ、係合部3’が下金型8’と固定柱12の頭部との間に挿入され、保持部3が保持される。なお、図8(a)は、樹脂が注入されて得られた原インサート成形品1’のインサートと直角の断面図であり、上金型8”が上に移動した(図示されない)状態を示す。
したがって、保持部3は、インサート2と同一平面にすることができる。この場合、保持部3の係合部3’を下方に変形させて、係合部3’を固定柱12の頭部の下に押し込み、保持部3が下金型8’に対してバネ効果を持たせて保持させるようにすることもできる。
インサート成形後、図8(b)に示すように、取り除き手段6(例えばエジェクタピン(6’))によりインサート成形品を離型させると同時に、押し出す力で接合部を破断して保持部3を取り除くことができる。係合部3’が頭部の下に挿入された保持部3は下金型8’に残るが、図8(c)に示すように、離脱手段7(例えばエジェクタピン(7’))により下金型8’から取り除かれる。
また、保持部3のバネ効果は、インサート整列体5を金型に対して確実に保持するとともに、残った保持部3を離脱手段7により容易に取り去るように働く。
【0012】
上記において、複数のインサート2の数は、2以上であれば特に制限はないが、例えば、100等のような多数のインサートを設けることも可能である。
複数のインサート2は、所望の形状に曲げ加工などを施した後、金型内にセットすることもできる。
複数のインサート2は、それぞれ別の形状をしていてもよい。
相隣る2つのインサート2の間に設けられる保持部3は、1箇所であっても、複数箇所であってもよい。
また、別の態様としては、インサート整列体5を金型のある場所にセットし、別の種類のインサート整列体5を同じ金型の別の場所にセットして、インサート成形を行うこともできる。これにより多種類のインサートを多数設けたインサート成形品を成形することができる。
【0013】
接合部4は、必要に応じて、原インサート成形品1’から保持部3を取り除くことが容易に行えるような設計とする事が望ましい。
すなわち、接合部4が、インサート整列体5を金型8内へ挿入する際にはインサート整列体5から外れないような強度を有し、取り除く際には保持部3が取り除き易いような強度を有することが望ましい。
そのために、例えば、接合部4の厚みを、インサート2の厚みの80%以下、好ましくは80%から20%になるように部分的に厚みを薄くして接合する方法、保持部3とインサート2の接合部4の幅を2mm以下として点状もしくは細板状に接合する方法などが挙げられる。
なお、保持部3を取り除いた時、インサート2の接合部4が接合していた境界が出っ張って、コネクタとして他の端子にはめ込む際等に、不具合を生じない場所、及び形状、厚さに接合部4と保持部3を設ける。
【0014】
保持部3の形状は、保持部3が金型8に設けられた固定部10において所定の位置に保持される機構によって決められる。上記のように、保持部3の厚みは、接合部4の厚みより大きいことが望ましい。保持部の厚みが薄すぎると、成形後にインサートから保持部を取り除く際に、原インサート成形品1’からうまく取り除かれずに成形品1に残ってしまう事がある。
【0015】
このような保持部3を設け、金型8に保持部3の形状に応じた固定部を設けることにより、得られるインサート成形品は、貫通孔を設けるといった形状的な制約を受けることなく、プレス機のような特別な機械工具の必要もなく、簡便に2個以上のインサートをもつインサート成形品を製造する事が可能となる。
【0016】
インサートとして金属を使用する場合は、インサートは金属母材のみ、あるいは金属母材に鍍金をしたものでもよい。上記金属母材としては、電導性の高い金属であれば特に制限はないが、銅系、黄銅系、銀系、金系、アルミニウム系等が挙げられ、鍍金材質としてはスズ、ニッケル、金、銀等が挙げられる。
【0017】
インサート成形に使用する樹脂の種類は特に問わないが、熱硬化性であっても熱可塑性であっても構わない。熱可塑性樹脂としては、通常の射出成形が可能なものであればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、PMMAなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、テトラフルオロエチレンなどの各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
また、これらを主成分として、共重合可能なモノマーにより変性してあっても構わない。また、これらの1種以上を混合または併用しても構わない。その中でも、インサート成形に適したものとしては、ポリブチレンテレフタレート、液晶性ポリマー、ポリフェニレンスルフィドなどを挙げることが出来る。
熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
【0018】
これら樹脂には、用途や目的に応じて必要な特性を付与する為に、公知の、各種添加剤を配合する事が出来る。例えば熱安定剤、酸化防止剤、核剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、乳化剤、顔料、光沢剤、難燃剤、静電防止剤、発泡剤、補強剤、無機または有機充填剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
耐熱性及び機械的強度等をアップする目的で、無機及び/又は有機の充填材を配合した樹脂を用いることができる。好適な充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、ネフェリンシナイト、タルク、アタルパルジャイト、ウォラストナイト、PMF、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス等の強化充填材を挙げることができる。これらは中空であってもよく、2種以上を併用することもでき、必要により、シラン系、チタン系等のカップリング剤で予備処理して使用することができる。
また、難燃性を付与するために、ハロゲン系やりん系などの難燃剤、3酸化アンチモンや5酸化アンチモンなどの難燃助剤、ドリッピング防止剤としてのフッ素系樹脂などを単独もしくは併用して使用する事が出来る。
【0019】
インサート成形法としては、射出インサート成形など従来の方法が使用できる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(図1〜3参照)は、複数のインサートの間に接合部を介し保持部を設けて一体化したインサート整列体の接合部を、先端部を折り畳んだ後、インサートに対してほぼ直角に曲げ加工を施した例である。
インサートは、幅3mm、厚さ0.5mmの銅製端子を用いた。インサートは3個が平面状に平行に整列されている。相隣るインサート間の距離は4mmである。相隣るインサートの間には、接合部を介して保持部が設けられる。保持部は、長さ8mm、幅3mmであり、折り畳まれた後、インサートに直角に折り曲げられ、溝に挿入される長さは5mmである。接合部は、厚さ0.5mmで、接合幅1mmである。
このようなインサート整列体を60℃に温調した金型に挿入設置し、ポリブチレンテレフタレート樹脂ジュラネックスTM3316(ポリプラスチックス株式会社製)をシリンダ設定温度250℃で溶融したものを注入し、射出成形によりコネクタをインサート成形する。
保持部は、金型の溝に挿入後、折り畳んだ先端部のばね効果により、溝に挿入しても、通常の操作では溝から外れないので、インサート整列体をセットする際に、インサートの抜け落ちや浮き上がりが生じることなく、成形が行える。
インサート成形後、金型からインサート成形品を取り出し、保持部を手で折り取る事により、不要な部分を成形品に残すことなく、複数のインサートをもつインサート成形品を得ることができる。
【0021】
実施例2(図5〜6参照)では、インサート整列体は、金型に設けられた固定部に接合部を横にスライドしながら挿入する事により保持された後、樹脂でインサート成形される。インサート成形後、原インサート成形品の保持部が金型に保持された状態で、まずエジェクタピン6’(取り除き手段6)がインサート成形品を突き出す。その際に、インサートから保持部が接合部の個所で切断されてインサート成形品が取出される。
その後、エジェクタピン7’(離脱手段7)を突き出す事により固定部に残っている保持部が取り外される。
この方式では、成形後の保持部の取り除きが自動的に行われるため、後処理工程が必要無くなる。
【0022】
実施例3(図7〜8参照)は、保持部としてドーナツ状円板を使用したインサート整列体の例である。ドーナツ状円板の内側にはバネ効果を有する係合部(スナップ)が4箇所設けられている。
ドーナツ状円板の保持部は金型に設けられた頭部を有する固定柱に押し込まれて保持される。なお、固定柱の頭部の頂部は、保持部がはめやすいように、角面取りをしてテーパ状に加工されてあったほうがよい。
樹脂は、インサート整列体の上面全体に注入されるので、ドーナツ状円板の保持部の上面にも注入されるが、樹脂注型後、離型する際には、保持部が金型側に残るので、従来技術のようにプレス機で打ち抜いたりする必要がないので、貫通部を生じることがない。
この場合、エジェクタピン7’(離脱手段7)は、固定柱を取り巻く形の円筒形のスリーブとすることで、保持部を固定部から外しやすくしている。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、多数のインサートを容易に金型内にインサートし、インサートが成形時の樹脂の圧力により移動せず、成形後、保持部を取り除くことが容易であり、成形サイクルの短縮が可能である。本発明のインサート成形品は貫通部を生じないので、種々の形状のインサート成形品が製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明に係るインサート整列体の一例の斜視図である。図1(b)は、図1(a)のインサート部を折り畳んだ状態を示す図である。図1(c)は、図1(b)の折り畳んだインサート部を直角に折り曲げた状態を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係るインサート整列体が金型にセットされたインサート長さ方向の断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る原インサート成形品の斜視図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、本発明に係るインサート整列体の他の例の斜視図である。
【図5】図5は、本発明に係るインサート整列体の他の例の斜視図である。
【図6】図6(a)は、本発明に係る原インサート成形品と金型の関係を示す、インサートの幅方向の断面図である。図6(a’)は、図6(a)において、保持部3のインサートと平行方向の断面図である。図6(b)は、インサート成形品が離型される状態を示す図である。図6(c)は、離型後、保持部が取り去られる状態を示す図である。
【図7】図7(a)は、本発明に係るインサート整列体の他の例の斜視図である。図7(b)は、図7(a)の保持部の拡大斜視図である。
【図8】図8(a)は、本発明に係る原インサート成形品と金型の関係を示す、インサートの幅方向の断面図である。図8(b)は、インサート成形品が離型される状態を示す図である。図8(c)は、離型後、保持部が取り去られる状態を示す図である。
【符号の説明】
1 インサート成形品
1’原インサート成形品
2 インサート
3 保持部
3’、3”係合部
4 接合部
5 インサート整列体
6 取り除き手段
6’エジェクタピン
7 離脱手段
7’エジェクタピン
8 金型
8’下金型
8”上金型
9 樹脂
10 固定部
10’溝
11’、11”固定爪
12 固定柱

Claims (8)

  1. 複数のインサート(2)を有するインサート成形品(1)の製造において、予め複数のインサート(2)が、接合部(4)を介して、相隣るインサートの間に設けられた、インサートとは別体である保持部(3)により一体化されたインサート整列体(5)を金型(8)へセットし、金型(8)に対してバネ効果をもたらす形状に加工された保持部(3)が金型(8)に設けられた固定部(10)所定の位置に係合して保持され、複数のインサート(2)の所定部分がインサートされるように樹脂(9)を、金型キャビティに注入した後、得られた原インサート成形品(1')から接合部(4)において保持部(3)を取り除くことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  2. 接合部(4)が、インサート(2)に対して、実質的に点状、細板状又は薄肉状で接合されていることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品の製造方法。
  3. インサート整列体(5)を挟んで、固定部(10)と反対側の金型キャビティに樹脂が注入されることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品の製造方法。
  4. 保持部(3)の固定部(10)に保持された側には、樹脂が実質的に注入されず、原インサート成形品(1')から保持部(3)を取り除く際に、樹脂の注入されていない側から取り除くことを特徴とする請求項3に記載のインサート成形品の製造方法。
  5. 保持部(3)がインサート(2)に対し、接合部(4)において、直角に折り曲げ加工され、折り曲げ部を固定部(10)に設けられた溝に挿入して保持することを特徴とする請求項2に記載のインサート成形品の製造方法。
  6. 金型(8)が、保持部(3)を取り除く手段(6)、及び該取り除かれた保持部(3)を金型(8)から離脱させる手段(7)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のインサート成形品の製造方法。
  7. 取り除く手段(6)及び離脱させる手段(7)が、金型(8)に設けられた、それぞれ、インサート成形品突き出しピン及び保持部突き出しピンであることを特徴とする請求項6に記載のインサート成形品の製造方法。
  8. インサート整列体(5)が金属製である請求項1または2に記載のインサート成形品の製造方法。
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