JP2017013441A - 複合成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接点ピンを成形体に埋め込むことによる不具合を抑制し、確実に接点ピンと電極パターン層との電気的接続を行なわせる。
【解決手段】絶縁性の成形体15は所定の形状に成形されてなる。絶縁性の転写層14は、成形体15の表面の少なくとも一部を覆う。また、転写層14は、成形体15の表面15aの側に配置されている電極パターン層13を有する。導電性の接点ピン11は、成形体15に一端11aの側が埋設されて固定され、他端11bが成形体15から露出している。導電性接着剤12は、電極パターン層13と成形体15との間に形成され、電極パターン層13と接点ピン11とに接着して電極パターン層13と接点ピン11との間の電気的接続を形成している。
【選択図】図3

Description

本発明は、接点ピンが成形体中に埋め込まれている複合成形品及びその製造方法に関する。
従来から、接点ピンと電極パターンを電気的に接続する方法として、インサート成形による接続方法が知られている。従来のインサート成形による接続方法は、例えば、特許文献1に記載されているように、第1型に、導電性接着剤が塗布された電極パターン層及び転写層を有するベースフィルムを配置し、第2型に、導電性を有する接点ピンを配置し、導電性接着剤に接点ピンが接触するように第1型と第2型とを型締めを行い、第1型と第2型との間に形成される空洞部に溶融樹脂を射出することにより、ベースフィルムの電極パターン層の形成されている表面に沿って溶融樹脂を流し込むとともに、溶融樹脂の熱で導電性接着剤を軟化させて導電性接着剤で電極パターン層と接点ピンとを接着させ、溶融樹脂を冷却・固化することにより、転写層で表面の少なくとも一部が覆われておりかつ接点ピンの一端側を埋設して他端を露出させている成形体を形成するとともに、導電性接着剤を固化する、というものである。
特許第5705930号公報
従来のインサート成形を用いた接点ピンと電極パターンの接続方法において、市場要求に対応するために、導電接着剤と成形体とのさらなる密着性の向上が必要となっている。
本発明の課題は、導電性接着剤と成形体との密着性が保たれた複合成形品及びその製造方法を提供することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る複合成形品は、所定の形状に成形されてなる絶縁性の成形体と、成形体の表面の少なくとも一部を覆い、成形体の表面の側に配置されている電極パターン層を有する絶縁性のベースフィルムと、成形体に一端側が埋設されて固定され、他端がベースフィルムを貫通して露出している導電性の接点ピンと、電極パターン層と成形体との間に形成され、電極パターン層と接点ピンとに接着して電極パターン層と接点ピンとの間の電気的接続を形成している導電性接着剤とを備え、導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含むものである。
本発明の他の見地に係る複合成形品は、所定の形状に成形されてなる絶縁性の成形体と、成形体の表面の少なくとも一部を覆う絶縁性の転写層と、成形体と転写層との間に形成されている電極パターン層と、成形体に一端側が埋設されて固定され、他端が成形体から露出している導電性の接点ピンと、電極パターン層と成形体との間に形成され、電極パターン層と接点ピンとに接着して電極パターン層と接点ピンとの間の電気的接続を形成している導電性接着剤とを備え、導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含むものである。
この複合成形品において、導電性フィラーは銀含有粉末であるように構成されてもよい。
この複合成形品において、導電接着剤は、前記銀含有粉末100重量部に対して前記塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂21.3〜27.8重量部を有するように構成されてもよい。
本発明の一見地に係る複合成形品の製造方法は、第1型に、導電性接着剤が塗布された電極パターン層を有するベースフィルムを配置し、第2型に、導電性を有する接点ピンを配置する配置工程と、導電性接着剤が塗布されている位置でベースフィルムを貫通して接点ピンを突き立て、第1型と第2型とを型締めする型締め工程と、第1型と第2型との間に形成される空洞部に溶融樹脂を射出することにより、ベースフィルムの電極パターン層の形成されている表面に沿って溶融樹脂を流し込むとともに、溶融樹脂の熱で導電性接着剤を軟化させて導電性接着剤で電極パターン層と接点ピンとを接着させる射出工程と、溶融樹脂を冷却・固化することにより、ベースフィルムで表面の少なくとも一部が覆われておりかつ接点ピンの一端側を埋設して他端をベースフィルムから露出させている成形体を形成するとともに、導電性接着剤を固化する冷却工程と、を備え、導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含むものである。
本発明の他の見地に係る複合成形品の製造方法は、第1型に、導電性接着剤が塗布された電極パターン層及び転写層を有するベースフィルムを配置し、第2型に、導電性を有する接点ピンを配置する配置工程と、導電性接着剤に接点ピンが接触するように、又は接点ピンがベースフィルムを貫通するように、第1型と第2型とを型締めする型締め工程と、第1型と第2型との間に形成される空洞部に溶融樹脂を射出することにより、ベースフィルムの電極パターン層の形成されている表面に沿って溶融樹脂を流し込むとともに、溶融樹脂の熱で導電性接着剤を軟化させて導電性接着剤で電極パターン層と接点ピンとを接着させる射出工程と、溶融樹脂を冷却・固化することにより、転写層で表面の少なくとも一部が覆われておりかつ接点ピンの一端側を埋設して他端を露出させている成形体を形成するとともに、導電性接着剤を固化する冷却工程とを備え、導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含むものである。
本発明の複合成形品によれば、導電接着剤と成形体との密着性を上げることができる。
第1実施形態に係る複合成形品の構成の一例を示す斜視図。 図1の複合成形品のI−I線断面図。 図2の一部を拡大した部分拡大断面図。 (a)接点ピンの一例を示す部分破断拡大平面図、(b)接点ピンの他の例を示す部分破断拡大平面図。 (a)接点ピンの他の例を示す部分破断拡大平面図、(b)接点ピンの他の例を示す部分破断拡大平面図、(c)接点ピンの他の例を示す部分破断拡大平面図。 (a)接点ピンの他の例を示す部分破断拡大平面図、(b)図6(a)の接点ピンの部分拡大斜視図。 (a)射出成形同時加飾の配置工程を示す断面図、(b)射出成形同時加飾の型締め工程を示す断面図、(c)射出成形同時加飾の射出工程を示す断面図、(d)射出成形同時加飾の型開き工程を示す断面図。 第2実施形態に係る複合成形品の構成の一例を示す斜視図。 (a)接点ピンの他の例を示す拡大斜視図、(b)接点ピンの他の例を示す拡大斜視図、(c)接点ピンの他の例を示す拡大斜視図、(d)接点ピンの他の例を示す拡大斜視図。 (a)図8のII−II線断面図、(b)図8のIII−III線断面図、(c)図10(b)の状態からさらに加工が施された状態を説明するための断面図。 第3実施形態に係る複合成形品の構成の一例を示す部分断面図。 (a)第3実施形態に係る複合成形品の構成の他の形態を示す部分断面図、(b)第3実施形態に係る複合成形品の構成の他の形態の変形例を示す部分断面図。 第3実施形態に係る複合成形品の構成のさらに他の形態を示す部分断面図。 複合成形品の用途の一例である成形樹脂シートを説明するための斜視図。 第3実施形態に係るインサート成形の配置工程を示す断面図。 第3実施形態に係るインサート成形の型締め工程を示す断面図。 第3実施形態に係るインサート成形の型締め工程を示す断面図。 第3実施形態に係るインサート成形の射出工程を示す断面図。 取り出された複合成形品の処理を説明するための部分断面図。 (a)第3実施形態に係る他のインサート成形の型締め工程を示す断面図、(b)さらに他の形状の接点ピンを用いたインサート成形の型締め工程を示す断面図。 (a)第3実施形態に係る他のインサート成形により成形された複合成形品の一例を示す部分拡大断面図、(b)さらに他の形状の接点ピンを用いた複合成形品の他の例を示す部分拡大断面図。 第3実施形態に係る他のインサート成形の型締め工程を示す断面図。 第3実施形態に係る他のインサート成形の射出工程を示す断面図。 第4実施形態に係る射出成形同時加飾の配置工程を示す断面図。 第4実施形態に係る射出成形同時加飾の配置工程を示す断面図。 第4実施形態に係る射出成形同時加飾の型締め工程を示す断面図。 第4実施形態に係る射出成形同時加飾の型締め工程を示す断面図。 第4実施形態に係る射出成形同時加飾の射出工程を示す断面図。 第4実施形態に係る射出成形同時加飾の取出工程を示す断面図。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る複合成形品及びその製造方法について図1乃至図7を用いて説明する。
(1)複合成形品の概要
図1は本発明の第1実施形態に係る複合成形品の構成の概要を説明するための斜視図である。図2は図1のI−I線に沿った断面図である。また、図3には、図2に示されている断面構造のうち接点ピンと電極パターン層の接続部分の周辺が拡大して示されている。 図1乃至図3に示されている複合成形品10は、接点ピン11、導電性接着剤12、電極パターン層13、転写層14及び成形体15を備えている。成形体15は、長方形の板状部材の周囲が立壁を設けた形態になるように、熱可塑性樹脂が、後述する射出成形によって成形されたものである。中央部が凹んだ側が成形体15の裏面15bであり、その反対側が表面15aである。成形体15Aの表面15aには全体にわたって転写層14が形成されている。
電極パターン層13は、成形体15の表面側に形成されている。電極パターン層13の下方は転写層14で覆われている。換言すれば、電極パターン層13は、成形体15の表面15aと転写層14との間に配置されているということである。
接点ピン11は、その一端11aが電極パターン層13に電気的に接続され、その他端11bが成形体15の裏側15bに露出している。この複合成形品10は、例えば電気製品の裏蓋であり、接点ピン11は、電気製品の内部の電気回路と電極パターン層13とを接続するための部材である。接点ピン11は、金型内において図2に示されているような電極パターン層13との位置関係を保った状態で支持されており、射出成形時の溶融樹脂が固化することによって成形体15の中にその一部が埋設される。
接点ピン11と電極パターン層13とが接触する部分に導電性接着剤12が塗布されている。導電性接着剤12は、それ自身が高い導電性を有している。そのため、この導電性接着剤12によって接点ピン11と電極パターン層13が接着されることにより、接点ピン11と電極パターン層13との間に導電性接着剤12を介した電気経路が形成される。図3に示されているように、導電性接着剤12は、電極パターン層13に遮られて、転写層14に接触する部分が少なくなるように配置されている。このような構造によって、転写層14が導電性接着剤12により溶解や膨潤等による外観異常を受けることが防がれている。
(2)構成部材
(2−1)接点ピン
接点ピン11は、導電性を有する材料で形成される。接点ピン11を形成する材料としては、例えば、銅、真鍮、リン青銅、鉄、ステンレス等の金属材料やその表面にニッケル、金等のメッキを施した材料を使用することができる。接点ピン11を円柱状の形状にする場合には、電極パターン層13との接触や転写層14に与える影響を考慮すると、外径は、φ0.2〜2.0mmが好ましく、φ0.4〜1.0mmがさらに好ましい。接点ピン11の大きさは、スマートフォンやタブレット型パーソナルコンピュータなど複合成形品10の用途に応じて適宜選択される。
接点ピン11の形状には、図4及び図5に示されている形状以外にも種々の形状が適用可能である。図4(a)は、図1に記載されている接点ピン11の拡大平面図である。接点ピン11は、例えば、銅製の円柱状部材であり、表面に梨地状の凹凸が形成されている。図4(b)に示されている接点ピン11Aは、図4(a)に示されている接点ピン11とは異なる表面形状を有しているが、接点ピン11の代わりに用いることができるものである。図4(b)に示されている接点ピン11Aも例えば銅製の円柱状部材であるが、ピン表面に環状のローレット溝11Agが設けられている。これらのように接点ピン11,11Aのピン表面に梨地やローレット溝11Agなどの凹凸を設けることによって、成形体15がピン表面の凹凸に入り込んで固化するため、接点ピン11,11Aが抜け難くなる。
図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示されている接点ピン11B,11C,11Dも、図4(a)に示されている接点ピン11とは異なる形状を有しているが、接点ピン11の代わりに用いることができるものである。図5(a)に示されている接点ピン11Bも例えば銅製の円柱状部材であるが、一端11Ba及び他端11Bbのピン先端がテーパ状に加工されている。接点ピン11Bの一端11Baのピン先端がテーパ状であることにより、接点ピン11Bの一端11Baが導電性接着剤12に喰い込みやすくなるので、接点ピン11Bと導電性接着剤12との接触が安定する。なお、図5(a)のように接点ピン11Bの一端11Ba及び他端11Bbの両方をテーパ状にすることで、製造時に接点ピン11Bの方向を確認する必要がなくなるので、製造しやすくなる。図5(b)に示されている接点ピン11Cも例えば銅製の円柱状部材であるが、一端11Caのピン先端が円板状に拡開されている。接点ピン11Cの拡開の仕方は、図5(b)に示されているような円板状以外にも、円柱形や逆円錐形(図示せず)などがある。接点ピン11Cは、拡開された一端11Caが抜け止めとなり、接点ピン11,11Aのように表面の梨地あるいはローレット溝11Agなどを設けなくても抜け難くなる。図5(c)に示されている接点ピン11Dも例えば銅製の円柱状部材であるが、図5(a)の接点ピン11Bと同様に一端11Ba及び他端11Bbのピン先端がテーパ状に加工されているだけでなく、導体部分に環状の凹部11Dgが形成されている。この凹部11Dgは、導体部分よりも直径の小さい部分である。
図6(a)及び図6(b)に示されている接点ピン11Eも、図4(a)に示されている接点ピン11とは異なる形状を有しているが、接点ピン11の代わりに用いることができるものである。図6(a)は接点ピン11Eの平面図であり、図6(b)は一端11Eaの側から見た斜視図である。接点ピン11Eに形成されているローレット溝11Egは、ピン軸方向に対して斜めに傾いている。つまり、ローレット溝11Egはピン表面に螺旋状に形成されている。接点ピン11Eも、既に説明したローレット溝11Agを有する接点ピン11Aと同様に成形体15がピン表面のローレット溝11Egに入り込んで固化するために抜け難くなる。また、ローレット溝11Egによって接点ピン11Eの一端11Eaの円周部に凹凸が形成されるため、導電性接着剤12が一端11Eaの円周部の凹凸に入り込むことによって導電性接着剤12の接触面積が増加し、接点ピン11Eとの確実な接点を形成することができる。
(2−2)導電性接着剤
導電性接着剤12は、例えば導電性フィラーとバインダーとを含んでいる。導電性フィラーとしては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、カーボン及びグラファイトなどの導電性材料の粉末、並びにウレタン粒子やシリカ粒子などの非導電性粒子の表面に銅、ニッケルあるいは銀等の金属をメッキした導電性粉末が使用できる。また、バインダーとしては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂にロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂及び石油樹脂等の熱により粘着性を発現するタッキファイヤーを配合して使用することができる。このバインダーは、成形体15の成形時の熱で軟化することによって接点ピン11と電極パターン層13とを接着する機能を発現する。導電性接着剤12は、例えば、成形体15の成形前に、電極パターン層13の上に塗布することで予め形成される。導電性接着剤12を塗布するには、バインダーを溶剤で溶解してペースト化したものを使用し、そのペースト状の導電性接着剤12をスクリーン印刷やディスペンサー等の手段を用いる。この場合、例えば塗布された導電性接着剤12の溶剤は成形体15の成形前に乾燥される。導電性接着剤12は、溶剤を使用せずに塗布することもでき、例えば、バインダーの熱可塑性樹脂が熱溶融され、導電性フィラーがそのバインダー中に分散しているホットメルト導電性接着剤として用いることができる。ホットメルト導電性接着剤は、溶剤を含まないので常温で固形又は半固形であるため乾燥させる必要がなく、溶融樹脂の射出時に溶融樹脂によって加熱溶融された後に冷却・固化されると接点ピン11と電極パターン層13とを接着できる。
バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂が好ましい。塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂をバインダーに用いると、導電性フィラーの量を少なく抑え、バインダーの量を多くすることができるため、導電接着剤と成形樹脂の密着性を上げることができる。導電性フィラーとバインダーの組み合わせは、銀含有粉末と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂が好ましい。さらに、銀含有粉末と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂の比率は、銀含有粉末100重量部に対して塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂21.3〜27.8重量部とするのが好ましい。このような比率にすると、導電接着剤と成形樹脂との密着性をより上げることができる。
表1には、銀含有粉末と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂の比率を変化させたときの導電性と密着性が示されている。導電性試験は、PET基材上に導電性ペーストを5mm×100mmのパターンを形成したスクリーン版を用いて印刷し、バッチ式のオーブンで120℃、60分乾燥させ、デジタルハイテスターを用いて乾燥後の塗膜の4端子抵抗測定を行なった。○が導通を確認できたもの、×が導通を確認できなかったものである。銀粉末100重量部に対して、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂が14.7〜27.8重量部のときに導通を確認できることを示している。密着性試験は、耐熱性ABSフィルム上に導電性ペーストを50mm×50mmのパターンを形成したスクリーン版を用いて印刷し、バッチ式のオーブンで120℃、60分乾燥させ、導電性ペーストを印刷したフィルムをポリカーボネート樹脂又はABS樹脂を用いてインサート成形し、成形品をフィルム面から1.5mm間隔でクロスカットした後にテープ密着性試験を行なった。○が剥がれなかったもの、×は剥がれがあるものである。銀粉末100重量部に対して塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂が21.3〜37.0重量部のときにテープ密着性試験で剥がれなかったことを示している。表1に示されているように、銀粉末100重量部に対して塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂21.3〜27.8重量部のときに導通を確認でき、且つ樹脂との密着性を確保できる。
Figure 2017013441
図3に記載されている厚さd1は、導電性接着剤12が電極パターン層13の上面に接触している部分から山形状に盛り上がった導電性接着剤12の山の頂上までの距離である。接点ピン11が導電性接着剤12の山の頂上に刺さると厚さd1が小さくなることから、導電性接着剤12が塗布され揮発成分が蒸発した後のドライ状態で、厚さd1が3μm以上300μm以下の範囲であることが好ましい。言い換えると、この厚d1は、成形体15と電極パターン層13の積層方向における肉厚の最大値ということになる。導電性接着剤12の厚さd1が厚すぎると、成形体15を成形するための溶融樹脂の射出時に、導電性接着剤12が流されてしまう。逆に、導電性接着剤12の厚さd1が薄すぎると、接点ピン11と電極パターン層13の電気的接続が不安定になりやすくなる。
(2−3)電極パターン層
電極パターン層13は、電極パターン層用インキを用いてスクリーン印刷又はグラビア印刷で形成されても良い。あるいは、フィルムに水溶性樹脂をパターン印刷後、例えばアルミニウムや銅などの金属蒸着工程さらに水洗工程を経て水溶性樹脂の上の金属蒸着膜を水溶性樹脂と共に水で洗い流し形成することもできる。この場合の金属蒸着層の厚みは約400〜1000Åである。又別の方法として、例えばベースフィルムにアルミニウムや銅などの金属箔をラミネートしてレジストパターン印刷後エッチングすることにより電極パターンを形成することもできる。このベースフィルムには、後述するベースフィルム18と同様のものを用いることができる。金属箔による電極パターン層13の厚みは、例えば6μm〜18μmである。
電極パターン層用インキは、導電性フィラーとバインダーとを含んでいる。導電性フィラーとしては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、カーボン及びグラファイトなどの導電性材料の粉末、並びにウレタン粒子やシリカ粒子などの非導電性粒子の表面に銅、ニッケルあるいは銀等の金属をメッキした導電性粉末が使用できる。また、バインダーとしては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂にロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂及び石油樹脂等の熱により粘着性を発現するタッキファイヤーを配合して使用することができる。このインキに用いられる溶剤は、スクリーン印刷やグラビア印刷などに適合するものである。バインダーには、熱可塑性樹脂以外にも、エポキシ系、ウレタン系あるいはアクリル系などの熱硬化性樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いることも可能である。
(2−4)転写層
転写層14は、ベースフィルム30(図7参照)に形成される。ベースフィルム30は、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、スチレン樹脂若しくはABS樹脂からなる樹脂フィルム、アクリル樹脂とABS樹脂の多層フィルム、又はアクリル樹脂とポリカーボネート樹脂の多層フィルムである。
図2に示されている転写層14は成形体15の表面15aの全面を覆っているが、必ずしも全面を覆う必要はなく、成形体15の表面15aの少なくとも一部を覆っていれば足りる。転写層14は、図3に示されているように、模様の描画や着色のための意匠インキ層14aと意匠インキ層14aを保護するためのトップコート層14bと絶縁層14cとを含んでいる。転写層14の膜厚は、意匠性と転写層14の形成時の乾燥を考慮すると数μm〜数十μmの範囲から選択されることが好ましい。
意匠インキ層14aは、複合成形品10の外観を装飾するために設けられる。転写層14の材料としては、例えば、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂などの熱可塑性樹脂が使用できる。あるいはアクリル・ウレタン樹脂、ポリエステル・ウレタン樹脂、ユリア・メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂又は熱可塑性樹脂をバインダーとするインキが使用できる。
トップコート層14bの材質としては、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレートなどのUV硬化性、電離放射線硬化性樹脂、あるいはアクリル系やウレタン系などの熱硬化性樹脂が挙げられる。絶縁層14cは、絶縁性の高い熱可塑性樹脂で形成される。絶縁層14cは電極パターン層13の間の絶縁性を確保するための層であり成形体樹脂に対する接着性を兼ね備えている。意匠インキ層14aの絶縁性が高いときには絶縁層14cが省かれてもよい。
このような転写層14は、剥離層、接着層及びアンカー層などの他の層を含んでいてもよい。接着層は、例えば導電性接着剤12のバインダーなどに用いられている熱可塑性樹脂で形成され、感熱性の接着機能を発揮する。
(2−5)成形体
成形体15は、着色されていても着色されていなくてもよく、透明、半透明あるいは不透明の熱可塑性樹脂又はエラストマーを用いて成形される。成形体15の材料としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂若しくはAS樹脂などの汎用の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。それ以外に、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エンジニアリング樹脂(ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート系樹脂など)又はポリアミド系樹脂を成形体15の材料として使用することができる。また、天然ゴムや合成ゴムを成形体15の材料として用いることができる。成形体15には、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加することもできる。
(3)複合成形品の製造方法
複合成形品10の製造方法の一例について図7(a)〜図7(d)を用いて説明する。図7(a)には、配置工程が示されている。配置工程では、第1型50の内面51に、導電性接着剤12が塗布された電極パターン層13及び転写層14を有するベースフィルム30が配置される。ベースフィルム30は、クランプ52で固定される。次に必要に応じてヒーター加熱によりベースフィルムを軟化させ第1型50側からのエアー吸引によりキャビティ面に沿わせる。第2型60には、接点ピン11が配置される。接点ピン11は、吸着されて第2型60に固定される。
次に、図7(b)に示されている型締め工程が行われる。型締め工程では、第1型50に配置されている導電性接着剤12と、第2型60の内面61に配置されている接点ピン11とが接触するように型締めされる。型締め時に、接点ピン11の一端11aは、導電性接着剤12の表面を強く押しながら接触するので、導電性接着剤12には圧縮応力が残る。第1型50と第2型60との間には、空洞部55が形成される。
図7(c)には、射出工程が示されている。射出工程では、第1型50と第2型60との間に形成されている空洞部55に溶融樹脂65がスプルー64を通して射出される。接点ピン11と導電性接着剤12とのそれぞれの表面に溶融樹脂65が密着し、導電性接着剤12は、溶融樹脂65から直接伝わる熱と接点ピン11を介して伝わる熱とによってバインダーが軟化して接着機能を発揮する。このとき溶融樹脂65の熱と圧力により導電性接着剤12が軟化して変形するので、接点ピン11と導電性接着剤12との間に生じていた圧縮応力が緩和され、接点ピン11が導電性接着剤12の中にめり込む。そして、導電性接着剤12は、バインダーが軟化して電極パターン層13との接着を保った状態で接点ピン11に接着し、電極パターン層13と接点ピン11との間の電気的接続を形成する。このとき、接点ピン11の周囲に押し上げられた導電性接着剤12は、接点ピン11の一端11aつまり先端部周辺を覆うように接着するため、接点ピン11との密着度が上がる。溶融樹脂65が空洞部55を満たして流動が止まると、第1型50と第2型60とを介して溶融樹脂65が冷却される。溶融樹脂65が冷却されて固化することにより、成形体15が成形される。
次に、図7(d)に示されているように、第1型50と第2型60の型開きが行なわれる。このとき、ベースフィルム30と転写層14との間で剥離し複合成形品10が第2型60に残り、ベースフィルム30は第1型50に残るので、第2型60から複合成形品10が取り外される。複合成形品10は、例えば、第2型60より突き出されるエジェクタピン62によって第2型60から外され、進入した取り出しロボット(図示せず)に保持されて取り出される。
<第2実施形態>
(4)複合成形品の概要
次に、この発明の第2実施形態に係る複合成形に品について図8乃至図10を用いて説明する。図8には、第2実施形態に係る複合成形品10Aが示され、図9(a)には、複合成形品10Aに用いられている接点ピン11Fが示されている。図10(a)には図8のII−II線に沿った断面が示され、図10(b)にはIII−III線に沿った断面が示されている。第2実施形態に係る複合成形品10Aと第1実施形態に係る複合成形品10とが異なる点は、接点ピン11Fの形状が帯状に延びる平板形状である点と、接点ピン11Fの周囲に支持凸部16及びリブ17を有している点である。第2実施形態に係る複合成形品10Aは、第1実施形態の複合成形品10と基本的な構成は共通するため、複合成形品10Aについて複合成形品10と相違する構成を中心に説明する。接点ピン11Fは、帯状に延びる平板形状つまり直方体形状を有しており、その一端11Faに開口11Fcが形成されている。
接点ピン11Fの一端11Faが導電性接着剤12と接触した状態で、接点ピン11Fの開口11Fcは、成形体15Aの中に埋設されて開口11Fcの中に樹脂が入っている。接点ピン11Fは、転写層14に対して直交する向きに延びて、他端11Fbが成形体15Aから露出している。接点ピン11Fの外周には、成形体15Aの裏面15Abから所定の高さまで立ち上がった支持凸部16が形成されている。支持凸部16は、成形体15Aと一体的に形成されており、接点ピン11Fの支持を補強する補強部材である。なお、図8に示されている支持凸部16は、平面視において、接点ピン11Fの外周に沿って環状に形成されているが、接点ピン11Fの固定度を上げるような形状であれば、C字状など、平面視で一部に支持凸部16が形成されていない部分があってもよい。
支持凸部16の平面視における長辺側にリブ17が連結されている。リブ17は、これら支持凸部16の長辺に対して直交する向きに延びている。リブ17は、図10(b)に示されているように、成形体15Aの裏面15Abから支持凸部16の上面まで延びており、上に行くに従って幅が狭くなった台形形状を呈する。リブ17は、成形体15Aと一体的に形成されており、接点ピン11Fの支持を補強する補強部材である。
図10(a)に示されている接点ピン11Fは、開口11Fcが一端11Faの側と他端11Fbの側の両端に形成されているが、他端11Fbの側の開口11Fcは形成されなくてもよい。しかし、接点ピン11Fが上下対称になるように2つの開口11Fcが形成されていれば、接点ピン11Fのいずれの端を成形体15Aの内部に埋設してもよくなり、複合成形品10Aの製造が容易になる。
また、図10(c)に示されているように、支持凸部16を起点にして接点ピン11Fを曲げ、接点ピン11Fにスプリング性を付与してもよい。この場合、折り曲げられている部分がスプリング性を発揮するスプリング部11Fdになる。このスプリング部11Fdによって矢印Arの方向に付勢し易くなり、接点ピン11Fに接続される回路基板の接点端子75との電気的接続が安定する。この場合、接点ピン11Fの材質としては、リン青銅、銅・ニッケル合金、ベリリウム銅、銅・チタン合金等がある。
なお、支持凸部16が二点鎖線で示されている曲面状の上面16Aaを持つように形成されれば、接点ピン11Fをなめらかに曲げることができる。支持凸部16を起点にして接点ピン11Fを曲げる場合には、接点ピン11Fを折り曲げたい位置に支持凸部16の高さを設定すればよい。
(5)構成部材
(5−1)接点ピン
図8(a)に示されている接点ピン11Fは、接点ピン11と同様の導電性材料で形成される。接点ピン11Fは、例えば板厚tが0.1mm〜1mm、板幅wが1mm〜10mmのものが使用される。好ましくは、接点ピン11Fの板厚tは0.15mm〜0.5mm、板幅wは2mm〜4mmである。接点ピン11Fは、板厚tが薄すぎると成形体15Aの射出成型時に溶融樹脂の圧力によって曲がるなどの望まない変形が起こりやすくなり、板厚tが厚すぎると成形体15Aの表面15Aaの接点ピン11Fの配置部分にひずみが生じ、意匠上の欠点が生じやすく、接点ピンの先端などを曲げる2次加工がある場合に、曲げ加工が施しにくくなるという加工上の難しさが生じる。板幅wは、狭すぎると接点ピン11Fの強度が弱くなって曲がり易くなり、広すぎても射出成形時の溶融樹脂の圧力が大きく掛かることになって変形が生じやすくなる。接点ピン11Fの大きさは、スマートフォンやタブレット型パーソナルコンピュータなど複合成形品10Aの用途に応じて適宜選択される。
第2実施形態に用いられる接点ピン11Fの形状は、図9(a)に記載されているもの以外に、例えば図9(b)や図9(c)や図9(d)に記載されているようなものであってもよい。図9(b)に示されている接点ピン11Gも接点ピン11Fと同様に、帯状に延びる平板形状を有し、接点ピン11Fと同様の材質で形成されている。接点ピン11Gが接点ピン11Fと異なる点は、開口11Fcに代えて、板幅を狭くするように三角形状の切欠き11Gcが形成されているところである。接点ピン11Gの4つの切欠き11Gcのうちの2つが成形体15Aに埋設される位置に設けられている。
図9(c)に示されている接点ピン11Hも接点ピン11Fと同様に、帯状に延びる平板形状を有し、接点ピン11Fと同様の材質で形成されている。接点ピン11Hが接点ピン11Fと異なる点は、開口11Fcに代えて、一端11Haと他端11Hbの中央部に台形形状の切欠き11Hcが設けられているところである。切欠き11Hcは台形形状であるため端辺に向かうほど幅が狭くなっている。接点ピン11Hの2つの切欠き11Hcのうちの一方が成形体15Aに埋設される。
図9(d)に示されている接点ピン11Iも接点ピン11Fと同様に、帯状に延びる平板形状を有し、接点ピン11Fと同様の材質で形成されている。接点ピン11Iが接点ピン11Fと異なる点は、一端11Iaと他端11Ibがテーパ状に加工されているところである。一端11Iaや他端11Ibのテーパ形状によってフィルムを貫通させ易くなり、また金型内での移動が容易になる。
なお、図9(a)乃至図9(d)に示されている接点ピン11F,11G,11H、11Iは、それぞれ成形体15Aに埋設される開口11Fcや切欠き11Gc,11Hc,11Icを有しているが、これらの数や形状や大きさや配置位置などは、図9(a)乃至図9(d)に示されている例に限られるものではない。接点ピンは、引っ張っても抜けにくく、押しても成形体15Aの表面15a側に突き抜けにくい形態であることが好ましい。
<第3実施形態>
(6)複合成形品の概要
上記第1実施形態及び第2実施形態に係る複合成形品10,10Aは、接点ピン11,11Fが電極パターン層13や転写層14とは反対側に露出している。しかし、接点ピンが露出する方向は、複合成形品10,10Aとは反対の側であってもよい。例えば、電極パターン層13を接点ピンが貫通するような構成であってもよい。
図11に示されている第3実施形態に係る複合成形品10Bは、接点ピン11Fが電極パターン層13を貫通した構成になっている。図11に示されている接点ピン11Fは、図10(a)を用いて説明したように、一端11Fa及び他端11Fbには開口11Fcが形成されている。
接点ピン11Fの他端11Fbは、電極パターン層13だけでなく、導電性接着剤12、ベースフィルム18及び意匠インキ層19を貫通し、成形体15Bから露出している。一方、接点ピン11Fの一端11Faは、第1実施形態や第2実施形態の複合成形品10,10Aと同様に成形体15B中に埋設されている。
また、第3実施形態の複合成形品10Bが第1実施形態や第2実施形態の複合成形品10,10Aと異なる点は、成形体15Bの表面15Baがベースフィルム18と意匠インキ層19とで覆われている点である。複合成形品10,10Aの転写層14の代わりに複合成形品10Bがベースフィルム18と意匠インキ層19とを備えているので、複合成形品10,10Aと複合成形品10Bの製造方法が異なるが、複合成形品10Bの製造方法については後述する。
さらに、複合成形品10Bが接着剤層20を成形体15Bと電極パターン層13との間に備えている点も複合成形品10,10Aとは異なっている。ただし、ベースフィルム18と電極パターン層13が成形体樹脂との熱接着性を有する場合は複合成形品10Bの接着剤層20は省いてもよく、既に説明した複合成形品10,10Aにおいて電極パターン層13、転写層14が成形体樹脂との熱接着性に乏しい場合は接着剤層を設けても良い。 また、図12(a)に示されているように、第2実施形態の複合成形品10Aと同様に、複合成形品10Cの成形体15Cに支持凸部16を設けることもできる。複合成形品10Cの接点ピン11Fが平板形状であることから、平面視において、支持凸部16は、第2実施形態の支持凸部16と同様に、環状に接点ピン11Fの外周を取り巻くものとなる。なお、図12(a)に示されている複合成形品10Cでは、複合成形品10Bに設けられていた接着剤層20が省かれている。
また、図12(b)に示されているように、支持凸部16を起点にして接点ピン11Fを曲げ、接点ピン11Fにスプリング性を付与してもよい。この場合、折り曲げられている部分がスプリング性を発揮するスプリング部11Fdになる。このスプリング部11Fdによって矢印Arの方向に付勢し易くなり、接点ピン11Fに接続される回路基板との電気的接続が安定する。
さらに、図13に示されている複合成形品10Dのように、接点ピン11Fの一端11Faも成形体15Bの外部に露出させた構成とすることができる。このように構成すれば、接点ピン11Fの一端11Faからでも他端11Fbからでも電極パターン層13への電気的な接続が可能になる。
(7)構成部材
複合成形品10Bを構成する構成部材のうち、接点ピン11F、導電性接着剤12、電極パターン層13及び成形体15Bについては、複合成形品10の接点ピン11、導電性接着剤12、電極パターン層13及び成形体15と同様であるため説明を省略する。
(7−1)ベースフィルム
複合成形品10Bのベースフィルム18は、上述のベースフィルム30と同じ材質で構成することができる。ベースフィルム18は、例えばその厚さが25μm〜200μmのものを使用することができる。
(7−2)意匠インキ層
意匠インキ層19は、図柄などの意匠を表現するための層である。意匠インキ層19は、例えば、ベースフィルム18の上にグラビア、スクリーン印刷法などによって形成することができる。意匠インキ層19を形成する材質は、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂と、それに添加される顔料又は染料を含むものである。また、意匠インキ層19は、例えば真空蒸着法やスパッタリング法などを使って金属薄膜層とすることもできる。意匠インキ層19に金属薄膜を使用する場合には、エッチング法を用いて図柄を形成することができる。意匠インキ層19に金属調意匠が必要な場合は表面に絶縁処理されたアルミペーストやミラーインキ等が使用できる。この意匠インキ層19の上には、転写層14と同様にトップコート層が形成されてもよい。
(7−3)接着剤層
絶縁性の接着剤層20には、例えば、ウレタン系、ポリエステル系、合成ゴム系、ポリアミド系、アクリル系、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が使用できる。溶融樹脂の熱によって接着剤層20が接着性を発現し、成形体15Bと電極パターン層13の接着力を向上させる。接着剤層20の厚さは、例えば2μm〜20μm程度である。
(8)成形樹脂シート
図14には、複合成形品10Bの用途の一例として成形樹脂シート70が示されている。成形樹脂シート70は、電極パターン層13と接点ピン11Fとが樹脂シート71に一体的に成形されたものである。この樹脂シート71の表面には、複合成形品10Bのベースフィルム18や意匠インキ層19と同様のものが配置されている。
接点ピン11Fには、回路基板72と電気的に接続されている接点端子73が接触するように配置されている。これら回路基板72と接点端子73は、回路基板カバー74に収納されており、回路基板カバー74の内部で位置決めされている。そのため回路基板72と接点端子73の収納された回路基板カバー74を成形樹脂シート70に取り付けると、回路基板72と電極パターン層13とが接点ピン11F及び接点端子73を介して接続される。このような成形樹脂シート70の用途としては、例えば、成形樹脂シート70の上に携帯電話機などを置くと電極パターン層13を通じて非接触で携帯電話機などが充電されるような用途が挙げられる。
(9)複合成形品の製造方法
複合成形品10Bの製造方法の一例について図15乃至図19を用いて説明する。図15には、配置工程が示されている。配置工程では、第1型50Bの内面51に、導電性接着剤12が塗布された電極パターン層13を有するベースフィルム18が配置される。ベースフィルム18は第1型50Bの内面51に吸引して固定される。接点ピン受け部53の配置位置と重なる部分に導電性接着剤12が配置される。一方、第2型60Bの接点ピン挿入部63に、接点ピン11Fが配置される。接点ピン11Fは、装着時にエアーで吸引されて接点ピン挿入部63に固定される。
次に、図16に示されている型締め工程が行われる。型締め工程では、第1型50Bに配置されている導電性接着剤12と電極パターン層13とベースフィルム18と意匠インキ層19とを、第2型60Bの内面61に配置されている接点ピン11Fが貫通する。そして、接点ピン11Fの他端11Fbを第1型50Bの接点ピン受け部53の内部に進入させる。
図17に示されているように型締め時に、さらに接点ピン受け部53の所定位置まで接点ピン11Fが吸引されて固定される。このとき、接点ピン受け部53に接点ピン11を吸引する代わりに、接点ピン挿入部63に圧縮空気を吹き込んで接点ピン11を押し上げるようにしてもよい。あるいは、接点ピン受け部53の側で吸引しながら、接点ピン挿入部63に圧縮空気を吹き込んで、両方の力で接点ピン11Fを接点ピン受け部53の所定位置まで移動させてもよい。このようにして固定された接点ピン11Fの一端11Faは、第1型50Bと第2型60Bとの間に形成される空洞部55の中央付近に配置される。 図18には、射出工程が示されている。射出工程では、第1型50Bと第2型60Bとの間に形成されている空洞部55にスプルー64を通して溶融樹脂65が通して射出される。このとき接点ピン挿入部63に隙間ができて、その隙間に溶融樹脂65が流入する。接点ピン11Fと導電性接着剤12とのそれぞれの表面に溶融樹脂65が密着し、導電性接着剤12は、溶融樹脂65から直接伝わる熱と接点ピン11Fを介して伝わる熱とによってバインダーが軟化して接着機能を発揮する。導電性接着剤12は、バインダーが軟化しても電極パターン層13との接着を保った状態で接点ピン11に接着し、電極パターン層13と接点ピン11との間の電気的接続を形成する。このとき、接点ピン11の周囲を取り巻く導電性接着剤12は、接点ピン11の外周を覆うように接着して接点ピン11との密着度を上げる。
溶融樹脂65が空洞部55を満たして流動が止まると、第1型50Bと第2型60Bとを介して溶融樹脂65が冷却される。溶融樹脂65が冷却されて固化することにより、成形体15Bが成形される。次に、第1型50Bと第2型60Bの型開きが行なわれる。取り外された複合成形品10Bには、溶融樹脂65が接点ピン挿入部63に流入して、図19に示されているようなバリ15Bdができるため、成型後にこのバリ15BdがラインL1でカットされる。
製造工程において、バリ15Bdが形成されないようにするためには、例えば、図20(a)に示されているように、接点ピン11Fが接点ピン受け部53の所定の位置に固定された状態で、その一端11Faが接点ピン挿入部63に残るように配置される。接点ピン挿入部63を接点ピン11Fの一端11Faの側が塞ぐことにより、射出工程において接点ピン挿入部63に溶融樹脂65が流入しなくなる。ただし、図21(a)に示されているように、このようにして製造された複合成形品10Dは、接点ピン11Fの他端11Fbだけでなく、一端11Faも成形体15Bの裏面15Bbに露出する。
図20(a)及び図21(a)に示されている工程を、図20(b)及び図21(b)に示されているように、図9(d)に示されている一端11Iaをテーパ状に加工して、一端11IaにC面を取っている接点ピン11Iを用いて行うこともできる。この場合、第1型50Bの接点ピン受け部53の周囲の沿いを作らないようにすることができる。それにより、接点ピン11Iを用いて製造された複合成形品10Fでは、接点ピン11Iの周囲を平坦に成形することができる。
製造工程において、バリ15Bdが形成されないようにするためには、例えば、図22及び図23に示されているように、接点ピン11Fが接点ピン受け部53の所定位置に固定された状態で、接点ピン挿入部63を駆動ピン80が塞ぐことにより、射出工程において接点ピン挿入部63に溶融樹脂65が流入しなくなる。図23に示されているように、型締めされて板81が第2型60Bに押し付けられるまでは、駆動ピン80が取り付けられている板81はスプリング82,83によって第2型60Bから離れている。このときスプリング83が駆動ピン80の端を板81に押し付けているため、駆動ピン80が接点ピン挿入部63の奥に引っ込んで接点ピン11Fが接点ピン挿入部63の中に収納されている。図23に示されているように、スプリング82,83の弾性力に逆らって板81が第2型60Bに押し付けられると、接点ピン挿入部63の中に駆動ピン80が挿入され、接点ピン11が駆動ピン80によって押し出される。同時に、接点ピン11Fは接点ピン受け部53に吸引されて、接点ピン11Fが接点ピン受け部53の所定位置に固定される。
<第4実施形態>
(10)複合成形品の概要
上述の第3実施形態に係る複合成形品10Bは、導電性接着剤12、電極パターン層13、ベースフィルム18及び意匠インキ層19を接点ピン11Fが突き抜け、接点ピン11Fの他端11Fbが成形体15Bから露出していた。それに対して、図29に示されているように、第4実施形態に係る複合成形品10Eは、導電性接着剤12、電極パターン層13及び転写層14を接点ピン11Fが突き抜け、接点ピン11Fの他端11Fbが成形体15Bから露出している。一方、接点ピン11Fの一端11Faは、第3実施形態の複合成形品10Bと同様に成形体15B中に埋設されている。このように、第4実施形態の複合成形品10Eについては、第1実施形態の複合成形品10との相違点が接点ピン11Fの突き抜ける方向だけである。言い換えると、このように、第4実施形態の複合成形品10Eが第3実施形態の複合成形品10Bと異なる点は、成形体15Bの表面15Baがベースフィルム18と意匠インキ層19の代わりに転写層14で覆われている点である。転写層14については、第1実施形態及び第2実施形態の複合成形品10,10Aの転写層14と同様である。そのため、第4実施形態の複合成形品10Eの製造方法は、第1実施形態及び第2実施形態の複合成形品10,10Aの製造方法と第3実施形態の複合成形品10Bの製造方法を組み合わせたものになる。
(11)複合成形品の製造方法
複合成形品10Eの製造方法の一例について図24〜図28を用いて説明する。図24及び図25には、配置工程が示されている。配置工程では、第1型50Cの内面51に、導電性接着剤12が塗布された電極パターン層13及び転写層14を有するベースフィルム30が配置される。ベースフィルム30は、クランプ52で固定され、第1型50Cの内面51に吸引して固定されている。接点ピン受け部53の配置位置と重なる部分に導電性接着剤12が配置される。一方、第2型60Cには、接点ピン11Fが配置される。接点ピン11Fは、装着時にエアーで吸引されて接点ピン挿入部63に固定される。
次に、図26に示されている型締め工程が行われる。型締め工程では、第1型50Cに配置されている導電性接着剤12と電極パターン層13と転写層14とベースフィルム30とを、第2型60Cの内面61に配置されている接点ピン11Fが貫通する。そして、接点ピン11Fの他端11Fbを第1型50Cの接点ピン受け部53の内部に進入させる。
図27に示されているように型締め時に、さらに接点ピン受け部53の所定位置まで接点ピン11Fが吸引されて固定される。
図28には、射出工程が示されている。射出工程では、第1型50Cと第2型60Cとの間に形成されている空洞部55にスプルー64を通って溶融樹脂65が射出される。このとき接点ピン挿入部63に隙間ができて、その隙間に溶融樹脂65が流入する。接点ピン11Fと導電性接着剤12とのそれぞれの表面に溶融樹脂65が密着し、導電性接着剤12は、溶融樹脂65から直接伝わる熱と接点ピン11Fを介して伝わる熱とによってバインダーが軟化して接着機能を発揮する。導電性接着剤12は、バインダーが軟化しても電極パターン層13との接着を保った状態で接点ピン11Fに接着し、電極パターン層13と接点ピン11Fとの間の電気的接続を形成する。このとき、接点ピン11Fの周囲を取り巻く導電性接着剤12は、接点ピン11Fの外周を覆うように接着して接点ピン11Fとの密着度を上げる。
溶融樹脂65が空洞部55を満たして流動が止まると、第1型50Cと第2型60Cとを介して溶融樹脂65が冷却される。溶融樹脂65が冷却されて固化することにより、成形体15Bが成形される。
次に、図29に示されているように、第1型50Cと第2型60Cの型開きが行なわれる。このとき、複合成形品10Eが第2型60Cに残り、ベースフィルム30が第1型50Cに残るので、ベースフィルム30から複合成形品10Eが取り外される。複合成形品10Eは、例えば、第2型60Cより突き出されるエジェクタピン(図示せず)によって第2型60Cから外され、進入した取り出しロボット90に保持されて取り出される。取り外された複合成形品10Eには、溶融樹脂65が接点ピン挿入部63に流入して、図28に示されているようなバリ15Bdができるため、成型後にこのバリ15Bdがカットされる。
(13)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(13−1)
上記各実施形態において、接点ピン11,11A〜11Iを円柱状や平板形状とする場合について説明したが、接点ピンの形状は、例えば六角柱など他の形状であってもよく、上記の例に限られない。
(13−2)
上記各実施形態においては、電極パターン層13や転写層14やベースフィルム18や意匠インキ層19は、成形体15,15A,15B,15Cの表面15a,15Aa,15Baに配置される場合について説明したが、これらが配置される箇所は成形体の表面に限られるものではなく、裏面や両面に配置されてもよい。
(13−3)
上記各実施形態においては、接点ピン11,11A,11Bが電極パターン層13の電極パターンや転写層14の転写部分やベースフィルム18のベースフィルムや意匠インキ層19の意匠インキを貫通する場合について説明したが、例えば電極パターン層13を接点ピンが貫通する箇所に電極パターンの開口を設けて電極パターンが破れないように構成することもできる。このとき、電極パターンの近傍に接点ピンが設けられていれば、導電性接着剤12によって両者の電気的接続を図ることはできる。同様に、転写層14の転写部分やベースフィルム18のベースフィルムや意匠インキ層19の意匠インキが無いところを接点ピンが貫通するように構成することもできる。ここで説明した態様も、接点ピンの他端が転写層、電極パターン層及び導電性接着剤を貫通して成形体から露出する場合に含まれる。
(13−4)
上記各実施形態においては、接点ピン11,11A,11Bが電極パターン層13の電極パターンに接点ピンが貫通する箇所に切れ目を入れるなど、電極パターンを接点ピンが貫通しやすい構成とすることもできる。
10,10A〜10E 複合成形品
11,11A〜11I 接点ピン
12 導電性接着剤
13 電極パターン
14 転写層
15,15A〜15C 成形体
16 支持凸部
17 リブ
18 ベースフィルム
19 意匠インキ層
50,50B,50C 第1型
60,60B,60C 第2型

Claims (6)

  1. 所定の形状に成形されてなる絶縁性の成形体と、
    前記成形体の表面の少なくとも一部を覆い、前記成形体の前記表面の側に配置されている電極パターン層を有する絶縁性のベースフィルムと、
    前記成形体に一端側が埋設されて固定され、他端が前記ベースフィルムを貫通して露出している導電性の接点ピンと、
    前記電極パターン層と前記成形体との間に形成され、前記電極パターン層と前記接点ピンとに接着して前記電極パターン層と前記接点ピンとの間の電気的接続を形成している導電性接着剤とを備え、
    前記導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、
    前記バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含む、
    複合成形品。
  2. 所定の形状に成形されてなる絶縁性の成形体と、
    前記成形体の表面の少なくとも一部を覆う絶縁性の転写層と、
    前記成形体と前記転写層との間に形成されている電極パターン層と、
    前記成形体に一端側が埋設されて固定され、他端が前記成形体から露出している導電性の接点ピンと、
    前記電極パターン層と前記成形体との間に形成され、前記電極パターン層と前記接点ピンとに接着して前記電極パターン層と前記接点ピンとの間の電気的接続を形成している導電性接着剤とを備え、
    前記導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、
    前記バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含む、
    複合成形品。
  3. 前記導電性フィラーは銀含有粉末である、請求項1又は2に記載の複合成形品。
  4. 前記導電接着剤は、前記銀含有粉末100重量部に対して前記塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂21.3〜27.8重量部を有する、請求項3に記載の複合成形品。
  5. 第1型に、導電性接着剤が塗布された電極パターン層を有するベースフィルムを配置し、第2型に、導電性を有する接点ピンを配置する配置工程と、
    前記導電性接着剤が塗布されている位置で前記ベースフィルムを貫通して前記接点ピンを突き立て、前記第1型と前記第2型とを型締めする型締め工程と、
    前記第1型と前記第2型との間に形成される空洞部に溶融樹脂を射出することにより、前記ベースフィルムの前記電極パターン層の形成されている表面に沿って前記溶融樹脂を流し込むとともに、前記溶融樹脂の熱で前記導電性接着剤を軟化させて前記導電性接着剤で前記電極パターン層と前記接点ピンとを接着させる射出工程と、
    前記溶融樹脂を冷却・固化することにより、前記ベースフィルムで表面の少なくとも一部が覆われておりかつ前記接点ピンの一端側を埋設して他端を前記ベースフィルムから露出させている成形体を形成するとともに、前記導電性接着剤を固化する冷却工程とを備え、
    前記導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、
    前記バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含む、複合成形品の製造方法。
  6. 第1型に、導電性接着剤が塗布された電極パターン層及び転写層を有するベースフィルムを配置し、第2型に、導電性を有する接点ピンを配置する配置工程と、
    前記導電性接着剤に前記接点ピンが接触するように、又は前記接点ピンが前記ベースフィルムを貫通するように、前記第1型と前記第2型とを型締めする型締め工程と、
    前記第1型と前記第2型との間に形成される空洞部に溶融樹脂を射出することにより、前記ベースフィルムの前記電極パターン層の形成されている表面に沿って前記溶融樹脂を流し込むとともに、前記溶融樹脂の熱で前記導電性接着剤を軟化させて前記導電性接着剤で前記電極パターン層と前記接点ピンとを接着させる射出工程と、
    前記溶融樹脂を冷却・固化することにより、前記転写層で表面の少なくとも一部が覆われておりかつ前記接点ピンの一端側を埋設して他端を露出させている成形体を形成するとともに、前記導電性接着剤を固化する冷却工程とを備え、
    前記導電接着剤は導電性フィラーとバインダーとを含み、
    前記バインダーは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を含む、複合成形品の製造方法。
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