JP2012148554A - Icタグ一体成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない工程で成形樹脂と粘着シートの接着が強固なICタグ一体成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】凹状の下型4内にICタグ1、または、樹脂シート上に保持されたICタグを配置し、前記凹状の下型と、粘着ベース基材2aと粘着層2bから構成された粘着シート2を保持した上型6aとでキャビティ3を形成し、前記キャビティに樹脂を注入するICタグ一体成形品の製造方法であって、前記ICタグはICタグベース基材1bに設けられたアンテナ回路1aと該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップ1cからなり、前記粘着シートは粘着層を上型側に保持され、前記上型は少なくとも一つの樹脂注入用のゲート6bを有し、前記粘着シートは前記ゲートに対応する位置に通孔2cを有することを特徴とするICタグ一体成形品の製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、ICタグが設けられた一体成形品の製造方法に関する。詳しくは、粘着層を介し被管理物品に直接貼付可能なICタグ一体成形品の製造方法に関する。
フィルム基材に設けられたアンテナ回路とICチップから構成されるICタグは、電波を利用し、離れた場所から複数のタグを一括して読み取りが出来るなど、自動認識技術としてバーコードには無い特徴を有していることから、流通、物流分野への応用に多くの関心が寄せられ、開発、実用化が進んでいる。
ICタグは、ラベル、リネン、樹脂成形など使用環境に合わせた加工が施される。特に、屋外で使用されるICタグは高い耐久性が要求されるため、光線や水分など使用環境での劣化の原因に対する耐性を有する樹脂でICタグを封止成形し使用される。
このようにICタグを封止成形する方法として、射出成形または圧縮成形によるインサート部材(表面樹脂・ICタグ)の一体成形がある。例えば、インサート成形によりICタグを内蔵するキャップが提案されている。この提案においては、キャップ上外側部を成形する工程と、これにICタグを装着する工程、キャップ本体を成形する工程により、キャップ上外側部とキャップ本体を溶着して、キャップが成形されている(特許文献1)。また、ポリプロピレンまたはポリエチレンからなる成形物にプロピレン系重合体またはエチレン系重合体を被溶着面とするICタグを一体成形する成形体が提案されている(特許文献2)。さらに、インサート成形用として射出成形のICタグとして金型ゲート対向部に開口部を設けたICタグとその成形方法が提案されている(特許文献3)。
特開2005−321935号公報 特開2008−100441号公報 特開2002−355847号公報
しかしながら、上記成形方法では、成形したICタグの取り付けが特定の形状の物品にのみ限られる問題や、直接貼り付け用には別途両面テープを取り付ける工程が必要で、さらに、成形樹脂に両面テープを貼り付ける方法では成形樹脂の材質によっては大きな接着力を得られない。
本発明は、このような従来技術の背景を鑑み、少ない工程で成形樹脂と粘着シートの接着が強固なICタグ一体成形品の製造方法を提供する。
かかる課題を解決するため、本発明は以下の構成を採るものである。すなわち、
(1)凹状の下型内にICタグ、または、樹脂シート上に保持されたICタグを配置し、前記凹状の下型と、粘着ベース基材と粘着層から構成された粘着シートを保持した上型とでキャビティを形成し、前記キャビティに樹脂を注入するICタグ一体成形品の製造方法であって、前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、前記粘着シートは粘着層を上型側に保持され、前記上型は少なくとも一つの樹脂注入用のゲートを有し、前記粘着シートは前記ゲートに対応する位置に通孔を有することを特徴とするICタグ一体成形品の製造方法。
(2)前記粘着シートが剥離シートが積層されたものである前記(1)に記載のICタグ一体成形品の製造方法。
(3)前記粘着シートの保持方法が、上型の縁と下型で挟持することによるものである前記(1)または(2)に記載のICタグ一体成形品の製造方法。
(4)前記粘着シートの保持方法が、上型に減圧保持することによるものである前記(1)〜(3)の何れかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
(5)前記ICタグが前記ICタグベース基材の前記アンテナ回路が設けられたのとは反対の面に、無給電アンテナ回路が設けられた前記(1)〜(4)のいずれかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
(6)前記粘着シートが、幅が0.5mm以上3mm以下のスリットを少なくとも一つ有するものである(1)〜(5)のいずれかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
(7)前記粘着シートが、粘着層のみからなる(1)〜(6)のいずれかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
(8)(A)ICタグ、または、表面樹脂層とICタグ、(B)成形樹脂層、および、(C)粘着ベース層および粘着層、をこの順に配置したICタグ一体成形品であって、前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、前記粘着ベース層、および、粘着層はICタグ一体成形品表面に成形樹脂層が露出した少なくとも1つの樹脂露出部を有し、前記ICタグベース基材と成形樹脂層の界面および/または前記表面樹脂層と成形樹脂層の界面、ならびに、粘着ベース層と成形樹脂層の界面の各界面が融着していることを特徴とするICタグ一体成形品。
(9)前記粘着ベース層、および、粘着層が、幅が0.5mm以上3mm以下のスリットを少なくとも一つ有するものである(8)に記載のICタグ一体成形品。
(10)(A)ICタグ、または、表面樹脂層とICタグ、(B)成形樹脂層、および、(C)粘着層をこの順に配置したICタグ一体成形品であって、前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、前記粘着層はICタグ一体成形品の表面に成形樹脂層が露出した少なくとも1つの樹脂露出部を有し、前記ICタグベース基材と成形樹脂層の界面および/または前記表面樹脂層と成形樹脂層の界面、ならびに、粘着層と成形樹脂層の界面の各界面が融着していることを特徴とするICタグ一体成形品。
本発明のICタグ一体成形品の製造方法によれば、粘着層が成形樹脂に強固に接着した被管理物品に直接貼付可能なICタグ一体成形品を製造することができる。
本発明のICタグ一体成形品の製造方法に用いられるICタグの例を示す平面図。 本発明における下型内の配置(a)とICタグ一体成形品の構成(b)の1例を示す断面図。 本発明における下型内の配置(a)とICタグ一体成形品の構成(b)の別の例を示す断面図。 本発明に用いられる下型の例を示す断面図。 本発明のICタグ一体成形品の製造方法における粘着シートの保持方法の例を示す断面図。 本発明のICタグ一体成形品の製造方法に用いられる上型のゲートの形状と配置の例を示す断面図。 本発明において、無給電アンテナ回路を有するICタグを下型内に配置する例を示す断面図。 本発明のICタグ一体成形品の製造方法に用いられるICタグと無給電アンテナ回路の配置の例を示す平面図。 本発明のICタグ一体成形品の製造方法に用いられるICタグと無給電アンテナ回路の配置の例を示す断面図。 本発明のICタグ一体成形品の製造方法に用いられるICタグと無給電アンテナ回路の配置の例を示す平面図。
本発明のICタグ一体成形品の製造方法は、
凹状の下型内にICタグ、または、樹脂シート上に保持されたICタグを配置し、
前記凹状の下型と、
粘着ベース基材と粘着層から構成された粘着シートを保持した上型とでキャビティを形成し、
前記キャビティに樹脂を注入するICタグ一体成形品の製造方法であって、
前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に接続されたICチップからなり、
前記粘着シートは粘着層を上型側に保持され、
前記上型は少なくとも一つの樹脂注入用のゲートを有し、
前記粘着シートは前記ゲートに対応する位置に通孔を有することを特徴とする。
本発明の一体成形品の製造方法により、図2(a)(b)に示すように一方の面の表面に、または図3(a)(b)に示すように一方の面の表面樹脂層11dに接してICタグ1が配置され、上記キャビティ3の厚みを隔てた他方の面に粘着層12bが配置されたICタグ一体成形品11が得られる。ここで、表面樹脂層11dは、上記のICタグを保持した樹脂シート1dに由来する層である。
このように、粘着層のある側(すなわち被管理物品の表面)から、ICタグの距離を上記キャビティの厚みを隔てることにより、被管理物品の材質に起因するICタグの電気特性の変化による通信特性の変動を抑制することができる。例えば金属物品に貼り付けた場合でも、金属物品とICタグの間にキャビティ分の厚みを有することで、金属物品の影響を弱く出来、ICタグの通信が可能になる。
かかるICタグ一体成形品を得るために、上記製法を採ることにより、注入する樹脂が少なくとも一つ上方に設けたゲートを介し、粘着シートの通孔を通して注入されることで、ICタグに対し樹脂が上方から注入される。そのため、ICタグに対し側方から樹脂を注入する製法に比較し、ズレやシワなどを抑制することが出来る。また、粘着シートの粘着層を上型に保持する、すなわち注入された樹脂が該粘着ベース基材、または粘着層に接触し成形されるため、粘着層を設けるための別工程の必要が無く、粘着ベース基材、または粘着層と樹脂を強固に接着することができる。同様に、ICタグベース基材、または樹脂シートも注入される樹脂と接触し成形されるため強固に接着する。このようにして、注入される樹脂はICタグ一体成形品の成形樹脂層に、粘着ベース基材はICタグ一体成形品の粘着ベース層となる。
以下、個別の構成要件について詳細に説明する。
本発明に適用する成形型は、凹状の下型と少なくとも一つの樹脂注入用のゲートを有する上型から構成される。
ここで、凹状とは、適用物品の形状に応じたのICタグ一体成形品の形状を得るために下型の縁よりくぼみ状に形成された形状をいい、かかる凹状の下型内にICタグ、または、樹脂シート上に保持されたICタグを配置することにより、被管理物品とICタグを上記キャビティの厚みを隔てて配置することが出来る。例えば、下型は図4のような断面の形状が考えられるがこれに限定されるものではない。一例として、図4(a)に、得ようとする一体成形品が、角柱、円柱の形状の場合に適用する断面が方形状である下型を示す。キャビティの厚みは、得られるICタグ一体成形品が被管理物品に貼り付けた際に通信可能である厚みがあればよく、適宜選択される。また、別の例として、図4(b)に得ようとする一体成形品の接着層の面に垂直な断面が円弧である蒲鉾形状、尖頭球形状の場合に適用する下型を示す。かかる場合も、キャビティ厚みは、得られるICタグ一体成形品が被管理物品に貼り付けた際に通信可能である厚みの範囲で、適宜設定すればよい。また、別の例として、図4(c)に、一体成形品の接着層に対向する面がが傾斜面である角柱状、尖頭円錐形状の場合に適用する下型を示す。傾斜面の角度、長さは、得られるICタグ一体成形品が被管理物品に貼り付けた際も通信可能である角度長さであればあればよく、適宜設定すればよい。さらに、別の例として、図4(d)に示すような、角柱、円柱の形状の側面と接着層に対向する面との間を曲面とした形状に対応する形状の下型でもよい。なお、図4(d)は、図4(a)をベースに一部図4(b)の形状を組合せたものと見ることもできるが、このように、2種以上の断面形状を組み合わせた形状の下型を用いてもよい。
キャビティを形成する上型は、少なくとも一つの樹脂注入用のゲートを有し、該ゲートより、樹脂をキャビティ内に注入して成形を行う。ここでゲートの断面形状は、樹脂材料の種類を含めた成形条件に応じて、円形状、方形状、短形状などを適宜選択すればよい。また、ゲートの口径も成形条件により適宜選択されるが、一般に、ゲート断面積=成型品質量×材料係数で規定される。少なくとも一つの樹脂注入用のゲートが必要であるが、配置されたICタグのICチップに直接樹脂が注入されない位置がICチップの破損を防止する上で好ましい。また、二つ以上のゲートを設けることも成形時間を短くでき好ましい。
また、上型には、下型と合わせてキャビティを形成する際、粘着ベース基材と粘着層、または粘着層のみから構成された粘着シートを粘着層を上型側にして保持しておくことにより、ICタグからキャビティの厚み分の成形樹脂層を隔てた面に粘着層を形成することが出来る(例えば図5)。このときの、粘着シートの成形型内での保持方法としては、例えば図5(a)のように、粘着シートが多角形状では上型の縁と下型で少なくとも2辺で挟持する方法、円形状では少なくとも下型内に粘着シートが落下しない程度に上型の縁と下型で粘着シートの端部を挟持する方法が挙げられる。粘着シートを上型と下型で狭持することにより上型側に保持する場合、挟持に用いた粘着シートの端部が一体成形品の上型に面した面からはみ出すので、かかる保持方法を適用した場合には、打抜きなどの後工程により、はみ出した粘着シートの端部を除去することが好ましい。好ましくは、例えば図5(b)のように前記粘着シートの粘着層の粘着ベース基材とは反対の面に後述する剥離シートを配置し、剥離シートのみを上型の縁と下型で挟持する方法が、成形後にはみ出した粘着シートの端部の除去を行う必要がなくなるので好ましい。さらに、例えば図5(c)のように前記粘着シートを減圧保持用吸引孔6cを介して上型に減圧保持する方法が、上型と下型で狭持するために粘着シートの端部を一体成形品の上型に面した面からはみ出させることが不要になり好ましい。
かかる上型の形状としては、上型と下型で挟持する際は、少なくとも粘着シートと接する面を平面とすることが注入した樹脂が粘着シートと上型の隙間に侵入することを防止することが出来るため好ましい。また、ゲートのキャビティ側の開口周辺のキャビティ内への突出部分(以降、ゲート部と記すこともある)が粘着シートの通孔の大きさで、かつ粘着シートの厚み以上に突出した凸形状であれば、注入した樹脂が粘着シートと上型の隙間に侵入することをより確実に防止することが出来るため好ましい。すなわち、図6(b)に示すように、ゲート部6dの周囲がキャビティ内に粘着シート厚み以上に突き出し、かつゲート部6dの周囲が粘着シートの通孔径以下の径であれば、注入する樹脂はキャビティ内に注入されやすく、キャビティが注入した樹脂で充填された後も粘着シートと上型の隙間に注入した樹脂が侵入し難い形状となる。
本発明において使用される前記粘着シートは、粘着ベース基材と粘着層、または粘着層のみから構成された粘着シートであって、粘着ベース基材、または粘着層が注入した樹脂に接着すれば良く市販の粘着テープを使用することが出来る。好ましくは、粘着ベース基材が熱可塑性を有するシートであれば、粘着ベース基材と注入した樹脂を融着、強固に接着することが出来る。かかる粘着ベース基材としては熱可塑性樹脂が好ましく、特にフィルム形態の熱可塑性樹脂を用いることで加工性、取り扱い性が良くこれにより生産性も向上することから、コストの面でも好ましい。かかる観点から例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表されるポリエステル、ナイロン6やナイロン66に代表される脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはポリアクリレート、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、塩化ビニル等のフィルムが挙げられる。前記粘着ベース基材は注入する樹脂に応じて適宜選択される。好ましくは、粘着ベース基材と注入した樹脂を融着するために注入する樹脂の射出時の温度以下のガラス転移温度の粘着ベース基材が選択される。さらに好ましくは、粘着ベース基材が融点を有し、かつ、注入する樹脂の融点以下のガラス転移温度の粘着ベース基材であれば成形後の接着性がより強固なものになる。また、粘着ベース基材としては、2層以上からなる積層体でも良く、積層する材質や構成の選択により耐久性等を付与できることから好ましい。また、粘着ベース基材の厚みは5〜200μmの範囲であれば、取り扱いの容易さや、加工単位の長尺化による生産性向上といった点から好ましく、75〜200μmであれば上型と下型に狭持する場合にたわみが少なくなり、シワなどのない高品位な外観が得られさらに好ましい。また、本発明に使用される粘着シートは、幅が0.5mm以上3mm以下のスリットを少なくとも一つ有するものが好ましい。ここでスリットとは、長さ/幅の比が、1.5以上である貫通した切れ込みのことをいう。なお、スリットの長さとは切れ込みの中央線の長さをいい、スリットの幅とは切れ込みの幅を長手方向に平均した値をいうものとする。前記スリットを有することで、スリット内に注入する樹脂が侵入し粘着シートと注入する樹脂の密着性が向上する。スリット幅は、0.5mm以上が好ましい。スリットが0.5mm以上であれば注入する樹脂が十分に侵入し、また、得られた成形体で曲面に貼り付け可能な柔軟性が発現できる。スリット幅が3mmを超えると、注入する樹脂が上型と粘着シートの間に入り込みやすくなり、製造が困難になる場合がある。また、スリットの形成数は少なくとも一つあればよく、得られるICタグ一体成形品が被管理物品に貼り付けた際に貼り付け面に十分に追従できれば良い。スリットの長さ、形成方向は、成形体の形状、貼り付ける管理物品の曲面形状により適宜選択すればよい(詳細は後述する)。
本発明のICタグ一体成形品の製造方法において用いられる前記粘着シートの粘着層は、貼り付け物品により適宜選択され、市販の粘着テープを使用することが出来る。ブチルゴム系、アクリル系等の粘着剤が適宜選択できる。好ましくはアクリル系粘着剤が汎用の粘着剤として価格・取り扱いの面で好ましい。
また、本発明のICタグ一体成形品の製造方法において用いられる前記粘着シートは、粘着層のみからなるものでも良い。粘着シートが粘着層のみからなると粘着ベース基材が必要なくなり、コストの面から好ましい。また、得られるICタグ一体成形品は粘着ベース基材がなくなることにより、粘着シート側に曲げることが可能になり、曲面に貼り付け可能な柔軟性が発現できる。前記同様粘着層は貼り付け物品により適宜選択され、市販の粘着テープを使用することが出来る。ブチルゴム系、アクリル系等の粘着剤が適宜選択できる。好ましくはアクリル系粘着剤が汎用の粘着剤として価格・取り扱いの面で好ましい。また、粘着層と注入した樹脂を融着するために注入する樹脂の射出時の温度以上の耐熱性を有する粘着層を選択することが好ましい。また、粘着層としては、2層以上からなる積層体でも良く、積層する材質や構成の選択により耐久性等を付与できることから好ましい。また、粘着層の厚みは5〜500μmの範囲であれば、取り扱いの容易さや、加工単位の長尺化による生産性向上といった点から好ましい。
また、このとき、上記粘着シートは前記ゲートに対応する位置に通孔を有するものである。これによって先に説明したように、上型の樹脂注入用のゲートからキャビティに樹脂を注入することができ、これによりICタグに対し樹脂が上方から注入されるので、下型に配置したICタグ、または樹脂シート上に保持されたICタグ、粘着シートのズレ、シワの発生を防止することが出来る。上記粘着シートの前記ゲートに対応する位置に通孔を設けない場合、ICタグに対し側方の壁にゲートを設けた下型を使用し粘着シートもしくはICタグに平行に樹脂を注入せざるを得ないが、かかる方法を採用した場合には、注入する樹脂のキャビティ内の流れによりICタグ、粘着シートのズレ、シワが発生しやすくなり好ましくない。
本発明のICタグ一体成形品の製造方法において用いられる前記粘着シートには剥離シートが積層され、粘着シートと同様の通孔を設けられてなることが好ましい。前述したように前記粘着シートの粘着層の粘着ベース基材とは反対の面に剥離シートが配置され、剥離シートのみを上型の縁と下型で挟持する方法が、成形後の粘着シートのはみ出した粘着シートの端部の除去を行う必要なくなり好ましい。前記剥離シートは、紙シートやシート状樹脂に、コーティングやラミネートなどにより剥離性を付与したシートや、剥離性を有するシートなど既知のものを用いることが出来る。
かかる成形型は、既知の材質の成形型を用いることが出来、注入する樹脂の材質や成形条件により適宜選択できる。
本発明において用いられるICタグは、ベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなる。このような構成のICタグは市販のものを用いることが出来る。ICタグを下型に配置するときは、ICチップおよびアンテナ回路が注入する樹脂側に配置されることが好ましい。その様な配置をすることでベース基材が成形後の一体成形品の表面側となるため、ICチップおよびアンテナ回路を、保護することが出来る。
本発明に用いるICタグは、ベース基材(以降、ICタグベース基材と記す)として、注入した樹脂との接着性を強固にするため、熱可塑性樹脂を使用したものを選択することが好ましく、特にフィルム形態の熱可塑性樹脂を用いたものを選択することで加工性、取り扱い性が良くこれにより生産性も向上することから、コストの面でも好ましい。ICタグベース基材でかかる特性を有するフィルム形態の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表されるポリエステル、ナイロン6やナイロン66に代表される脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはポリアクリレート、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、塩化ビニル等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはポリアクリレート、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、塩化ビニルが好ましい。2層以上からなる積層体でも良く、積層構成により耐久性・意匠性を付与できるためよい。また、取り扱いの容易さや、加工単位の長尺化による生産性向上といった点からは、フィルムの厚みは5〜150μmの範囲が好ましく、12〜75μmであることはさらに好ましい。また、ICタグベース基材のアンテナ回路が設けられた面と反対の面にはハードコート層が付与されていてもよい。かかる場合においては、ハードコート層までをICタグベース基材と定義するものとする。前記ICタグベース基材は注入する樹脂により適宜選択される。好ましくは、ICタグベース基材と注入した樹脂を融着するために樹脂射出温度以下のガラス転移温度のICタグベース基材が選択される。さらに好ましくは、注入する樹脂の融点以下のガラス転移温度のICタグベース基材であれば成形後の接着性がより強固なものになる。
かかるICタグベース基材に設けられたアンテナ回路とは、ICタグベース基材上に電気伝導体をパターニングして得られるアンテナ回路であり、電気伝導体としては、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、錫などの少なくとも1種の金属を含む金属、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレンなど導電性高分子、金、銀、銅、アルミニウム、白金、鉄、ニッケル、錫、亜鉛、ハンダ、ステンレス、ITO、フェライトなどの金属、合金類、金属酸化物などの金属系粒子や、導電性カーボン(グラファイトを含む)粒子、あるいは前記粒子をメッキした粒子などの導電性粒子を含有させたポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などを主成分とする熱硬化性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などを主成分とする、UV硬化性樹脂などの光硬化性樹脂からなる導電性インクなど既知のものを使用できる。
また、パターンの形成方法としては、金属箔、金属蒸着層をエッチングし形成するエッチング法、金属箔を回路上に切り出し基板に貼り付ける転写法、導電性インクを用いて印刷により形成する印刷法など既知のものが使用できる。
本発明では、前述したようなICタグに代えて、樹脂シート上に保持されたICタグを用いても良い。ICタグベース基材の両面にアンテナ回路等の加工が施されている場合(例えばICチップの配置された面とは異なる面に無給電アンテナ回路7が配置されているような場合)、樹脂シートを配置することで、成形後の一体成形品の表面に加工が施された面が露出せず保護が出来る。また、加工が施された面が片面(ICチップ実装、アンテナ回路形成)の場合でも、樹脂シートを配置することでICタグベース基材の保護性能を補完するもしくは意匠性などの機能を付与することが出来る。かかる場合にICタグを樹脂シート上に保持する手段としてはホットメルト接着剤、両面テープのような感圧接着シート等通常の接着手段を適用すればよい。樹脂シート上にICタグを保持し用いることで耐久性・意匠性付与などの機能を発現させることも可能になる。このような樹脂シートとしては注入した樹脂との接着性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましく、特にフィルム形態の熱可塑性樹脂用いることで加工性、取り扱い性が良くこれにより生産性も向上することから、コストの面でも好ましい。かかる特性を有するフィルム形態の熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表されるポリエステル、ナイロン6やナイロン66に代表される脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはポリアクリレート、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、塩化ビニル等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはポリアクリレート、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、塩化ビニルが好ましい。2層以上からなる積層体でも良く、積層構成により耐久性・意匠性を付与できるためよい。また、取り扱いの容易さや、加工単位の長尺化による生産性向上といった点からは、フィルムの厚みは5〜150μmの範囲が好ましく、12〜75μmであることはさらに好ましい。また、樹脂シートの樹脂が注入される面と反対の面にはハードコート層が付与されていてもよい。かかる場合においては、ハードコート層までを樹脂シートと定義するものとする。前記樹脂シートは注入する樹脂により適宜選択される。好ましくは、樹脂シートと注入した樹脂を融着するために、注入する樹脂の射出温度以下のガラス転移温度の樹脂シートが選択される。さらに好ましくは、注入する樹脂の融点以下のガラス転移温度の樹脂シートであれば成形後の接着性がより強固なものになる。
本発明に用いられるICタグは、前記ICタグベース基材の前記アンテナ回路が設けられたのとは反対の面に、無給電アンテナ回路7が設けても良い。該無給電アンテナ回路は電気伝導体をパターニングして得られるアンテナであり、前記アンテナ回路およびICチップとはICタグベース基材で絶縁されているものである。このような無給電アンテナ回路を設けることで、得られたICタグ一体成形品の厚みを薄くすることが出来る。すなわち、金属物品にICタグ一体成形品を貼り付けた場合でも、アンテナ回路のインピーダンス変動の影響をきわめて小さくすることができ、ICタグ一体成形品の厚みが薄い場合でもICタグの通信が可能になる。かかる無給電アンテナ回路の形状は、用いられるICタグ、貼り付ける金属物品の形状材質により適宜設計される。
無給電アンテナ回路を構成する材料は、電気伝導体としては、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、錫などの少なくとも1種の金属を含む金属箔、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレンなどの導電性高分子膜、金、銀、銅、アルミニウム、白金、鉄、ニッケル、錫、亜鉛、ハンダ、ステンレス、ITO、フェライトなどの金属、合金類、金属酸化物などの金属系粒子や、導電性カーボン(グラファイトを含む)粒子、あるいは前記粒子をメッキした樹脂粒子などの導電性粒子を含有させたポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などを主成分とする熱硬化性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などを主成分とする、UV硬化性樹脂などの光硬化性樹脂からなる導電性インクを硬化した膜など既知のものを使用できる。
また、無給電アンテナ回路のパターンの形成方法としては、金属箔、金属蒸着層をエッチングし形成するエッチング法、金属箔を回路上に切り出し基板に貼り付ける転写法、導電性インクを用いて印刷により形成する印刷法など既知のものが使用できる。
本発明のICタグ一体成形品は、
(A)ICタグ、または、表面樹脂層とICタグ、
(B)成形樹脂層、および、
(C)粘着ベース層および粘着層
をこの順に配置したICタグ一体成形品であって、
前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、
前記粘着ベース層、および、粘着層はICタグ一体成形品表面に成形樹脂層が露出した少なくとも1つの通孔を有し、
前記ICタグベース基材と成形樹脂層の界面および/または前記表面樹脂層と成形樹脂層の界面、ならびに、
粘着ベース層と成形樹脂層の界面
の各界面が融着していることを特徴とする。
また、本発明ICタグ一体成形品のもうひとつの形態は、
(A)ICタグ、または、表面樹脂層とICタグ、
(B)成形樹脂層、および、
(C)粘着層
をこの順に配置したICタグ一体成形品であって、
前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、
前記粘着ベース層、および、粘着層はICタグ一体成形品表面に成形樹脂層が露出した少なくとも1つの通孔を有し、
前記ICタグベース基材と成形樹脂層の界面および/または前記表面樹脂層と成形樹脂層の界面、ならびに、
粘着層と成形樹脂層の界面
の各界面が融着していることを特徴とする。
本発明のICタグ一体成形品は、一方の面の表面に、または一方の面の表面樹脂層に接してICタグが配置され、成形樹脂層の厚みを隔てた他方の面に粘着ベース層および粘着層が配置されている。
このように、粘着層のある側から、ICタグの距離を成形樹脂層の厚みを隔てることにより、貼り付ける被管理物品材質起因のICタグの電気特性の変化による通信特性の変動を抑制することができる。例えば金属物品に貼り付けた場合でも、金属物品とICタグの間に成形樹脂層の厚みを隔てることで、金属物品の影響を弱めることが出来、ICタグの通信が可能になる。成形樹脂層は上記注入する樹脂に由来する層であり、本発明のICタグ一体成形品における成形樹脂層は、前記ICタグベース基材および/または前記表面樹脂層、ならびに、粘着ベース層または粘着層と各界面で融着して強固に接着している。成形樹脂層は、熱可塑性樹脂を用いることで射出成形が可能になり好ましく、特に熱可塑性エラストマーを成形樹脂層として用いることで一体成形品が柔軟性を持つため曲面への貼り付けが可能となり様々な形状の物品に使用できることから好ましい。かかる特性を有する熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ナイロン系エラストマーが好ましい。これらエラストマーは、老化防止剤、着色剤、充填剤など必要に応じて配合される。かかる成形樹脂層の厚みは0.5から10mmであることが、被管理物品材質起因のICタグの電気特性の変化を抑制するために好ましく、さらには、0.5から5mmが通信特性と材料価格のバランスが良く好ましい。
本発明のICタグ一体成形品における粘着ベース層および粘着層は上記製法における粘着シートの粘着ベース基材および粘着層に由来する。本発明のICタグ一体成形品における粘着ベース層は成形樹脂層に接着していれば良く、使用する成形樹脂層に融着する粘着ベース基材を用いた市販の粘着テープを選択して使用して得ることが出来る。好ましくは、粘着ベース層が熱可塑性樹脂のシートであれば、粘着ベース層と成形樹脂層が融着することで、強固に接着しているので、使用時に剥離したりすることがなく好ましい。
本発明のICタグ一体成形品における粘着ベース層および粘着層はICタグ一体成形品の表面に成形樹脂層が露出した少なくとも一つの通孔を有する。該粘着ベース層および粘着層の通孔は上記粘着シートのゲートに対応する位置に形成した通孔に由来するものである。また、本発明のICタグ一体成形品における前記粘着ベース層、および、粘着層が、幅が0.5mm以上3mm以下のスリットを少なくとも一つ有するものであることが好ましい。なおスリットの定義等は前述のとおりである。スリットが0.5mm以上であれば成形体品を曲面に貼り付け可能な柔軟性が発現できる。スリット幅が3mmを超えるものは前述した理由により得ることが困難な場合がある。また、スリットの形成数は少なくとも一つあればよく、被管理物品に貼り付けた際に貼り付け面に十分に追従できれば良い。スリットの長さ、形成方向は、ICタグ一体成形品の形状、貼り付ける管理物品の曲面形状により適宜選択することができる。例えば、ICタグ一体成形品を円筒缶に貼り付ける際は、円筒缶の軸方向と平行にICタグ一体成形品のスリットを形成し、スリット長さはICタグ一体成形品の円筒缶の軸方向の長さの50〜100%の長さが形成されることが好ましい。スリットの形状としては、単独のスリットやスリットが複数組み合わされた形状など適宜選択できる。また、球状の管理物品に貼り付ける際は、スリットが複数格子状に組み合わされたメッシュ状のスリットを有すれば形状への追従性が向上するため好ましい。
本発明のICタグ一体成形品におけるICタグベース基材と成形樹脂層の界面および/または前記表面樹脂層と成形樹脂層の界面、ならびに、粘着ベース層または粘着層と成形樹脂層の界面の各界面が融着していることを特徴とする。前記界面が融着することで、接着剤や両面テープなどによる各界面の接着が不要になり、かつより強固に接着させることが出来るため使用時に剥離することが無く好ましい。かかる発明のICタグベース基材、表面樹脂層は、熱可塑性樹脂が好ましく、特にフィルム形態の熱可塑性樹脂を表面樹脂層として用いることで加工性、取り扱い性が良くこれにより生産性も向上することから、コストの面でも好ましい。かかる特性を有するフィルム形態の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表されるポリエステル、ナイロン6やナイロン66に代表される脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはポリアクリレート、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、塩化ビニル等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよび/またはポリアクリレート、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、塩化ビニルが好ましい。2層以上からなる積層体でも良く、積層構成により耐久性・意匠性を付与できるためよい。また、取り扱いの容易さや、加工単位の長尺化による生産性向上といった点からは、フィルムの厚みは5〜150μmの範囲が好ましく、12〜75μmであることはさらに好ましい。前記ICタグベース基材、表面樹脂層は注入する樹脂により適宜選択される。好ましくは、粘着ベース基材と注入した樹脂を融着するために注入する樹脂の射出温度以下のガラス転移温度の粘着ベース基材が選択される。さらに好ましくは、注入する樹脂の融点以下のガラス転移温度の粘着ベース基材であれば成形後の接着性がより強固なものになる。
(実施例1)
寸法18mm×105mm、厚み0.2mmのPPフィルムの中央に、寸法16mm×100mmのICタグ(Alien社製ALN−9640−FR)を両面テープ(リンテック社製S−25 PP40PL 8LKY)にて貼り合せた。また、寸法20mm×107mmの片面PPテープ(スリオンテック社製No.6110)に剥離紙を付け、金型ゲート位置に内径1mmの開口部を打抜きにより形成し粘着層とした。金型内ゲート対向面にPPフィルムが成形後表面に出るようにPPフィルムとICタグ貼り合せ品を配置し、ゲート面側に粘着層を剥離紙が成形後表面側になるように粘着層を配置した。縦型射出機にてラバロン(三菱化学社製SJ5400B)を、金型内に射出し、寸法19mm×106mm、総厚み4mmのICタグ一体成形品を作成した。
続いてICタグ一体成形品の剥離紙を剥がし、ステンレス板に貼り付け、剥離を行ったところ、粘着層(片面PPテープ)とステンレス板間で剥離が発生した。
(実施例2)
寸法18mm×105mm、厚み0.2mmのPPフィルムの中央に、寸法16mm×100mmのICタグ(Alien社製ALN−9640−FR)を両面テープ(リンテック社製S−25 PP40PL 8LKY)にて貼り合せた。また、寸法20mm×107mmの両面テープ(共同技研化学社製300A100)に剥離紙を付け、金型ゲート位置に内径1mmの開口部を打抜きにより形成し粘着層とした。金型内ゲート対向面に両面テープとICタグ貼り合せ品を配置し、ゲート面側に粘着層を剥離紙が成形後表面側になるように粘着層を配置した。縦型射出機にてラバロン(三菱化学社製SJ5400B)を、金型内に射出し、寸法19mm×106mm、総厚み4mmのICタグ一体成形品を作成した。
続いてICタグ一体成形品の剥離紙を剥がし、ステンレス板に貼り付け、剥離を行ったところ、粘着層(両面テープ)とステンレス板間で剥離が発生した。

(比較例1)
寸法18mm×105mm、厚み0.2mmのPPフィルムの中央に、寸法16mm×100mmのICタグ(Alien社製ALN−9640−FR)を両面テープ(リンテック社製S−25 PP40PL 8LKY)にて貼り合せた。金型内ゲート対向面にPPフィルムが成形後表面に出るようにPPフィルムとICタグ貼り合せ品を配置した。縦型射出機にてラバロン(三菱化学社製SJ5400B)を、金型内に射出し、寸法19mm×106mm、総厚み4mmの成形体を作成したのち、基材を有する両面テープ(スリオンテック社製No.5576)を貼り付けICタグ成形体とした。
続いてICタグ成形体の剥離紙を剥がし、ステンレス板に貼り付け、剥離を行ったところ、成形樹脂(ラバロン)と粘着層〔両面テープ〕間で剥離が発生した。
以上実施例、比較例より、本発明のICタグ一体成形品の製造方法により得たICタグ一体成形品は、別途両面テープを貼り付けた成形体に比較し、成形樹脂層と粘着層の接着が強固であることが確認できた。
1 ICタグ
1a アンテナ回路
1b ICタグベース基材
1c ICチップ
1d 樹脂シート
2 粘着シート
2a 粘着ベース基材
2b 粘着層
2c 通孔
2d 剥離シート
3 キャビティ
4 下型
5 成形樹脂層
6a 上型
6b ゲート
6c 減圧保持用吸引孔
6d ゲート部
7 無給電アンテナ回路
11 ICタグ一体成形品
11d 表面樹脂層
12a 粘着ベース層
12b 粘着層
12c 樹脂露出部

Claims (10)

  1. 凹状の下型内にICタグ、または、樹脂シート上に保持されたICタグを配置し、前記凹状の下型と、粘着ベース基材と粘着層から構成された粘着シートを保持した上型とでキャビティを形成し、前記キャビティに樹脂を注入するICタグ一体成形品の製造方法であって、前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、前記粘着シートは粘着層を上型側に保持され、前記上型は少なくとも一つの樹脂注入用のゲートを有し、前記粘着シートは前記ゲートに対応する位置に通孔を有することを特徴とするICタグ一体成形品の製造方法。
  2. 前記粘着シートが剥離シートが積層されたものである請求項1に記載のICタグ一体成形品の製造方法。
  3. 前記粘着シートの保持方法が、上型の縁と下型で挟持することによるものである請求項1または2に記載のICタグ一体成形品の製造方法。
  4. 前記粘着シートの保持方法が、上型に減圧保持することによるものである請求項1〜3の何れかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
  5. 前記ICタグが前記ICタグベース基材の前記アンテナ回路が設けられたのとは反対の面に、無給電アンテナ回路が設けられた請求項1〜4のいずれかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
  6. 前記粘着シートが、幅が0.5mm以上3mm以下のスリットを少なくとも一つ有するものである請求項1〜5のいずれかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
  7. 前記粘着シートが、粘着層のみからなる請求項1〜6のいずれかに記載のICタグ一体成形品の製造方法。
  8. (A)ICタグ、または、表面樹脂層とICタグ、(B)成形樹脂層、および、(C)粘着ベース層および粘着層をこの順に配置したICタグ一体成形品であって、前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、前記粘着ベース層、および、粘着層はICタグ一体成形品の表面に成形樹脂層が露出した少なくとも1つの樹脂露出部を有し、前記ICタグベース基材と成形樹脂層の界面および/または前記表面樹脂層と成形樹脂層の界面、ならびに、粘着ベース層と成形樹脂層の界面の各界面が融着していることを特徴とするICタグ一体成形品。
  9. 前記粘着ベース層、および、粘着層が、幅が0.5mm以上3mm以下のスリットを少なくとも一つ有するものである請求項8に記載のICタグ一体成形品。
  10. (A)ICタグ、または、表面樹脂層とICタグ、(B)成形樹脂層、および、(C)粘着層をこの順に配置したICタグ一体成形品であって、前記ICタグはICタグベース基材に設けられたアンテナ回路と該アンテナ回路に電気的に接続されたICチップからなり、前記粘着層はICタグ一体成形品の表面に成形樹脂層が露出した少なくとも1つの樹脂露出部を有し、前記ICタグベース基材と成形樹脂層の界面および/または前記表面樹脂層と成形樹脂層の界面、ならびに、粘着層と成形樹脂層の界面の各界面が融着していることを特徴とするICタグ一体成形品。
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