JP4046813B2 - アクリル酸エステル誘導体およびその製造方法 - Google Patents

アクリル酸エステル誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下記一般式(2):
【0002】
【化5】
Figure 0004046813
【0003】
(式中、Rは水素原子を表し炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R 及びR は直接結合または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜3のアルキル基を表し、該基中の水素がアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはハロゲン原子で置換されていても良い)で表されるアクリル酸エステル誘導体およびその製造方法に関するものである。
【0004】
該アクリル酸エステル誘導体は、各種塗料の原料、架橋用モノマー、レジスト用モノマー等に有用である。
【0005】
【従来の技術】
ヒドロキシル基を有する化合物と無水多塩基酸および/または多塩基酸とを反応させてカルボキシル基含有化合物を製造する方法については、従来より種々検討がなされている。
【0006】
例えば、特開平4−294351号公報には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水コハク酸とを反応させると、下記式(3):
【0007】
【化6】
Figure 0004046813
【0008】
(式中R4は水素原子またはメチル基を示す。)
で表されるカルボキシル基含有アクリレートが得られる合成例が開示されている。
【0009】
しかしながら、前記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル誘導体およびその製造方法に関しては今まで知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、種々の用途に利用され得る、前記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル誘導体およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、前記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル誘導体を提供すべく鋭意検討した結果、オキシアクリル酸エステルと無水多塩基酸とを反応させることにより、前記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル誘導体が得られることを見いだして、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち、本発明は、一般式(1):
【0013】
【化7】
Figure 0004046813
【0014】
(式中、Rは水素原子を表し、R炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す)で表されるオキシアクリル酸エステル類と、多塩基酸無水物とを反応させることを特徴とする一般式(2):
【0015】
【化8】
Figure 0004046813
【0016】
(式中、Rは水素原子を表し炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R 及びR は直接結合または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜3のアルキル基を表し、該基中の水素がアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはハロゲン原子で置換されていても良い)で表わされるアクリル酸エステル誘導体の製造方法に関する。
【0017】
また本発明の他の発明は、一般式(2):
【0018】
【化9】
Figure 0004046813
【0019】
(式中、Rは水素原子を表し炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R 及びR は直接結合または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜3のアルキル基を表し、該基中の水素がアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはハロゲン原子で置換されていても良い)で表わされるアクリル酸エステル誘導体に関するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるアクリル酸エステル誘導体は、前記一般式(2)で構成される化合物である。
【0021】
このうち前記一般式(2)中、R1が水素原子であり、R2で示される基が、
【0022】
【化10】
Figure 0004046813
【0023】
(式中、Rは直接結合または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRは直接結合または炭素数1〜6のアルキル基を表し、 直接結合または炭素数1〜3のアルキル基を表し、該基中の水素がアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはハロゲン原子で置換されていても良い)であり、かつ、Rで示される基が炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基である。
【0024】
また、前記一般式(2)中、R1が水素原子であり、R2で示される基が、
【0025】
【化11】
Figure 0004046813
【0026】
であり、かつ、R3で示される基が炭素数1〜8のアルキル基である化合物がより好ましい。
【0027】
また、前記一般式(2)中、R1が水素原子であり、R2で示される基が、
【0028】
【化12】
Figure 0004046813
【0029】
であり、かつ、R3で示される基が炭素数1〜4のアルキル基である化合物がさらに好ましい。
【0030】
本発明のアクリル酸エステル誘導体を製造する方法としては、オキシアクリル酸エステルと、無水多塩基酸とを反応させることにより容易に製造される。以下にその製造方法を説明する。
【0031】
本発明にかかるアクリル酸エステルの製造方法において、原料として用いられるオキシアクリル酸エステル類は、前記一般式(1)で示され、式中、Rで示される置換基が水素原子で構成され、Rで示される置換基が炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基で構成される化合物である
【0032】
前記一般式(1)で表されるオキシアクリル酸エステル化合物としては、具体的には、例えば、メチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、ブチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、2−エチルヘキシル−α−ヒドロキシメチルアクリレート等が挙げられる。これらオキシアクリル酸エステル系化合物は、一種類のみ用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合してもよい。上記例示の化合物のうち、メチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、ブチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、2−エチルヘキシル−α−ヒドロキシメチルアクリレートが重合性に優れるので好ましい。
【0033】
尚、上記オキシアクリル酸エステル系化合物は、従来公知の方法、例えば、相当するアクリル酸エステルとアルデヒド化合物とを塩基性イオン交換樹脂の触媒の存在下で反応させる(特開平6−135896号公報等)ことにより、容易に得ることができる。
【0034】
本発明にかかるアクリル酸エステルの製造方法において原料として用いられる多塩基酸の無水物としてはコハク酸、マレイン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、o−ヘキサヒドロフタル酸、m−ヘキサヒドロフタル酸、p−ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ジフェン酸等の多塩基酸の無水物が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0035】
前記オキシアクリル酸エステル化合物と無水多塩基酸および/または多塩基酸との反応方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を転用することができる。例えば、
▲1▼オキシアクリル酸エステル化合物と無水多塩基酸との反応方法としては、例えばオキシアクリル酸エステル化合物と無水多塩基酸とを、加温し反応させる方法が好適である。
【0036】
▲2▼オキシアクリル酸エステル化合物と多塩基酸との反応方法としては、例えばオキシアクリル酸エステル化合物と多塩基酸とを、触媒の存在下に加熱して反応させる方法が好適である。
【0037】
前記▲1▼の方法の場合、オキシアクリル酸エステル化合物に対する無水多塩基酸の添加量は、該オキシアクリル酸エステル化合物1モルに対し、無水多塩基酸を0.01〜5モルの範囲とすればよい。無水多塩基酸の添加量が0.01モルより少ない場合には、反応後に残る未反応のオキシアクリル酸エステルが多くなるおそれがある。また、無水多塩基酸の添加量が5モルより多い場合には、反応後に残る未反応の無水多塩基酸が多くなるおそれがある。
【0038】
前記▲1▼の方法を行う際の反応条件等は、特に限定されるものではないが、原料であるオキシアクリル酸エステル、並びに、生成物であるアクリル酸エステルは、分子中にビニル基を含有しているので、重合しやすい性質を有している。従って、オキシアクリル酸エステルやアクリル酸エステルの重合を抑制するために、反応系に重合防止剤(または重合禁止剤)や分子状酸素を添加することが好ましい。
【0039】
前記重合防止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、メチルヒドロキノン、t−ブチルヒドキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、tーブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重合防止剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合してもよい。また、重合防止剤の添加量は、特に限定されるものではないが、例えば、得られるアクリル酸エステルに対する割合が、0.001重量%〜5重量%の範囲内となるようにすればよい。分子状酸素としては、例えば、空気を用いることができる。この場合、反応系、つまり、オキシアクリル酸と無水多塩基酸の混合液中に空気を吹き込む(いわゆる、バブリング)ようにすればよい。そして、上記重合を充分に抑制するために、重合防止剤と分子状酸素とを併用することが好ましい。
【0040】
前記▲1▼の方法を行う場合、触媒は特に使用する必要は無いが、使用しても差し支えない。使用される触媒としてはヒドロキシル基と無水多塩基酸との反応に用いられる公知の触媒が使用できる。例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン化合物、およびそれらのクロル塩、ブロモ塩等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。触媒を使用する場合の使用量としては、使用されるオキシアクリル酸エステルに対し10重量%以下、好ましくは5重量%以下が好ましい。使用量が多いと経済的に有利ではない。
【0041】
前記▲1▼の方法を行う場合、溶媒は特に用いる必要は無いが、使用しても差し支えない。使用される溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良いが、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤や脂肪族系溶剤が好適に使用される。
【0042】
前記▲1▼の方法を行う際の反応温度は、特に限定されるものではないが、前記した重合を抑制するために、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、30〜120℃の範囲内が特に好ましい。反応温度が0℃よりも低い場合には、反応時間が長く成り過ぎ、アクリル酸エステルを効率的に製造することができなくなるおそれがある。また、反応温度が150℃よりも高い場合には、前記した重合を抑制することができなくなるおそれがある。オキシアクリル酸エステル化合物と無水多塩基酸との反応は発熱反応であるので、両者を反応させる際には、反応系から余分な熱を除去すると共に、該反応系から除去される熱量に見合う量の無水多塩基酸を粉体あるいは溶融状態あるいは溶媒に溶解させて反応系に添加することにより反応温度をほぼ一定に保ちながら反応を進行させても差し支えない。但し、上記反応は必ずしもほぼ一定の反応温度で進行させる必要はない。反応時間は、上記反応が完結するように、反応温度やオキシアクリル酸エステル化合物および無水多塩基酸の種類や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。このときの反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
【0043】
反応終了後、必要に応じて触媒や有機溶媒を除去し、所望するアクリル酸エステル誘導体が容易に得られる。尚、触媒や有機溶媒の除去方法は、特に限定されるものではない。
【0044】
前記▲2▼の方法の場合、例えば、オキシアクリル酸エステル化合物としてα−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルを用い、α−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルと多塩基酸とを触媒の存在下に加熱することにより行うことが好適である。
【0045】
前記▲2▼の方法を行う場合、触媒としては、ヒドロキシル基とカルボキシル基とのエステル化反応に用いられる公知の触媒が使用できる。例えば、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酸性イオン交換樹脂等のプロトン酸が挙げられ、好ましくはメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸が好適に使用される。これら触媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合してもよい。
【0046】
オキシアクリル酸エステル化合物に対する前記触媒の添加量は、用いるオキシアクリル酸エステル類の種類にもよるが、例えば、該オキシアクリル酸エステル類に対する割合が、0.001重量%〜50重量%の範囲内、好ましくは0.01重量%〜10重量%の範囲内となるようにすればよい。触媒の添加量が、0.001重量%よりも少ない場合には、反応時間が長くなり過ぎ、アクリル酸エステル誘導体を効率的に製造することができなくなるおそれがある。また、触媒の添加量を50重量%よりも多くしても、反応時間の短縮等の効果のさらなる向上は望めず、添加した触媒の一部が無駄になり、経済的に不利と成るおそれがある。
【0047】
前記▲2▼の方法を行う場合、オキシアクリル酸エステル化合物に対する多塩基酸の添加量は、該オキシアクリル酸エステル1モルに対し、多塩基酸を0.01〜5モルの範囲とすればよい。多塩基酸の添加量が0.01モルより少ない場合には、反応後に残る未反応のオキシアクリル酸エステルが多くなるおそれがある。また、多塩基酸の添加量が5モルより多い場合には、反応後に残る未反応の多塩基酸が多くなるおそれがある。
【0048】
前記▲2▼の方法を行う際の反応条件等は、特に限定されるものではないが、原料であるオキシアクリル酸エステル、並びに、生成物であるアクリル酸エステルは、分子中にビニル基を含有しているので、重合しやすい性質を有している。従って、オキシアクリル酸エステルやアクリル酸エステルの重合を抑制するために、反応系に重合防止剤(または重合禁止剤)や分子状酸素を添加することが好ましい。
【0049】
前記重合防止剤としては、前記のオキシアクリル酸と無水多塩基酸との反応で挙げられるものが使用できるが、特に限定されるものではない。これら重合防止剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合してもよい。また、重合防止剤の添加量は、特に限定されるものではないが、例えば、得られるアクリル酸エステルに対する割合が、0.001重量%〜5重量%の範囲内となるようにすればよい。分子状酸素としては、例えば、空気を用いることができる。この場合、反応系、つまり、オキシアクリル酸と無水多塩基酸の混合液中に空気を吹き込む(いわゆる、バブリング)ようにすればよい。そして、上記重合を充分に抑制するために、重合防止剤と分子状酸素とを併用することが好ましい。
【0050】
前記▲2▼の方法を行う場合、溶媒は特に用いる必要は無いが、オキシアクリル酸と多塩基酸との反応は脱水反応であるので、使用した生成した水を共沸除去する目的で使用する方が好ましい。使用される溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良いが、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤や脂肪族系溶剤が好適に使用される。
【0051】
前記▲2▼の方法を行う際の反応温度は、特に限定されるものではないが、前記した重合を抑制するために、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、30〜120℃の範囲内が特に好ましい。反応温度が0℃よりも低い場合には、反応時間が長く成り過ぎ、アクリル酸エステルを効率的に製造することができなくなるおそれがある。また、反応温度が150℃よりも高い場合には、前記した重合を抑制することができなくなるおそれがある。オキシアクリル酸と多塩基酸との反応は脱水反応であるので、両者を反応させる際には、反応系から生成する水を除去すると共に、該反応系から除去される熱量に見合う量の無水多塩基酸を粉体あるいは溶融状態あるいは溶媒に溶解させて反応系に添加することにより反応温度をほぼ一定に保ちながら反応を進行させるても差し支えない。但し、上記反応は必ずしもほぼ一定の反応温度で進行させる必要はない。反応時間は、上記反応が完結するように、反応温度やオキシアクリル酸系化合物および無水多塩基酸の種類や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。また、反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
【0052】
反応終了後、所定の方法によって反応系から触媒および溶媒を除去することにより、所望するアクリル酸エステル誘導体が容易に得られる。尚、触媒の除去方法は、特に限定されるものではない。例えば、アルカリ水溶液で洗浄する方法や、酸吸着剤を添加し、吸着剤に反応溶液中の触媒を吸着させて不溶物を形成し、次いで、反応溶液の濾過等を行うことにより、不純物、すなわち触媒を除去することができる。また溶媒の除去方法は特に限定されるものではない。例えば、蒸発による溜去、空気や不活性ガスの吹き込みによる除去などが採用できる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0054】
なお、反応生成物の同定は、1H−NMRおよび13C−NMRで行なった。
【0055】
実施例1
撹拌機、温度計およびガス吹き込み管を備えた500mlの反応容器に、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル130g、無水マレイン酸98g、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.046gを仕込んだ。反応液中に空気を吹き込みながら、反応液の温度を80〜90℃とし、除熱しながら反応した。発熱が見られなくなってから、反応液を90℃に10時間保持することにより熟成した。この液を吸引ろ過して淡黄色透明液体58gを得た。得られた反応生成物の1H−NMR、および13C−NMRスペクトルを図1および図2に示す。その結果、得られた化合物は、α−((3−カルボキシ−1−オキソプロペニル)オキシメチル)アクリル酸であることが特定された。
【0056】
【発明の効果】
前記一般式(2)で表される新規なアクリル酸エステル誘導体は、従来公知のカルボキシル基を含有する単量体、例えばコハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)等の用途と同様の用途に供することができる。例えば、アクリル酸エステル誘導体もしくは前記アクリル酸エステル誘導体からなる重合体は、いわゆる塗料の密着性向上剤として用いることができる。つまり、アクリル酸エステル誘導体もしくは前記アクリル酸エステル誘導体からなる重合体を塗料に添加することにより、被塗布物に対する塗膜の密着性を向上させることができる。
【0057】
また、前記アクリル酸エステル誘導体もしくは前記アクリル酸エステル誘導体からなる重合体は、エポキシ樹脂等の架橋反応に供される架橋用モノマー;紫外線硬化性樹脂やアルカリ可溶性樹脂モノマー等に有用であるので、エッチングレジストやフォトレジスト等のレジスト材料用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた反応生成物の1H−NMRスペクトル図である。
【図2】実施例1で得られた反応生成物の13C−NMRスペクトル図である。

Claims (3)

  1. 一般式(1):
    Figure 0004046813
    (式中、Rは水素原子を表し、R炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す)で表されるオキシアクリル酸エステル類と、多塩基酸無水物とを反応させることを特徴とする一般式(2):
    Figure 0004046813
    (式中、Rは水素原子を表し炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R 及びR は直接結合または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜3のアルキル基を表し、該基中の水素がアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはハロゲン原子で置換されていても良い)で表わされるアクリル酸エステル誘導体の製造方法。
  2. 請求項記載のアクリル酸エステル誘導体の製造方法により得られ、
    前記一般式(2):
    Figure 0004046813
    (式中、Rは水素原子を表し炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R 及びR は直接結合または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R は直接結合または炭素数1〜3のアルキル基を表し、該基中の水素がアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはハロゲン原子で置換されていても良い)で表わされるアクリル酸エステル誘導体。
  3. 前記一般式(2)において、Rが水素原子であり、R
    Figure 0004046813
    で示される基であり、Rが炭素数14のアルキル基である請求項記載のアクリル酸エステル誘導体。
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