JP2009185125A - 高分岐ポリマー及びその製造方法、並びに、高分岐ポリマー合成用モノマー及びその前駆体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エステル結合によって多分岐構造が形成される、ポリエステル型高分岐ポリマー及びその製造方法、並びにそれらの製造原料となる高分岐ポリマー合成用モノマー及びその前駆体に関する。
近年、高度に分岐した構造を有するデンドリティック高分子が注目されている。デンドリティック高分子は、その特異な分子構造から、非晶質である、有機溶媒への溶解性が高い、粘度が極端に小さい、機能性基を導入可能な鎖末端が多く存在する等、線状高分子とは異なる特徴があり、医薬品、塗料、コーティング剤、分散剤、発光材料、光学材料等、様々な分野での応用が期待され、近年盛んに研究が行われている。
デンドリティック高分子には、多官能基を有するモノマーを一段階づつ化学反応させ、分岐構造を形成させるデンドリマーと、ABx型モノマーを重縮合させて一気に分岐構造を形成する高分岐ポリマーとが知られている。高分岐ポリマーはモノマーから重縮合で一気に製造することができるため、製造が容易であり、製造コストが低廉であるという長所を有する。また、合成条件を適宜選択することにより、分岐度も制御できるため期待されている(非特許文献1)。
K.E.Uhrich、C.J.Hawker、J.M.J.Frechet、S.R.Turner「Macromolecules」25,4583-4587(1992)
K.E.Uhrich、C.J.Hawker、J.M.J.Frechet、S.R.Turner「Macromolecules」25,4583-4587(1992)
本発明は、新規であり、合成が容易で製造コストの低廉なポリエステル系の高分岐ポリマー、その製造方法、それの合成原料となる高分岐ポリマー合成用モノマー及びその前駆体を提供することを目的とする。
本発明の高分岐ポリマーは、フタル酸と、一般式(a)(式中R1は水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基を示し、nは0又は1を示す)で示されるトリオールの水酸基の1つとがエステル結合したモノエステルモノマーを重縮合させてなることを特徴とする。
本発明の高分岐ポリマーは、ベンゼン環を有しているため、耐熱性に優れている。また、末端に水酸基を有してはいるが、ベンゼン環を有しているため、有機溶剤への溶解性に優れている。さらには、高い屈折率を有し、光学材料等への応用が期待される。
本発明の高分岐ポリマーを合成するためのモノエステルモノマーは、フタル酸の一方のカルボキシル基と、一般式(a)で示されるトリオールの水酸基の1つとがエステル結合しており、1つのカルボキシル基と2つのヒドロキシル基を持つ。なお、ここでフタル酸とは、o−フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のすべてを含むものとする。このモノエステルモノマーを重縮合させた場合、2つのヒドロキシル基のそれぞれにカルボキシル基がエステル結合して、次々と枝分かれをし、高分岐ポリエステルとなる。例えば、トリオールが1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンである場合の反応式を示せば、次式のようになる(式は例示として重合度10のものを記載しているが、重合度は10に限られるものではない)。
高分岐ポリマーの原料となるモノエステルモノマーは、ベンジリデン保護基で保護されたトリオールとフタル酸の一方のカルボキシル基とのモノエステル化物の水素化分解によって得られるが、上記一般式(a)におけるnが0の場合には、その水素化分解反応時に転位が起こって副生成物が得られる可能性がある。例えば、ベンジリデン保護基で保護されたグリセリンとフタル酸とのモノエステル化物(1)の水素化分解を行った場合、カルボニル炭素へのプロトンの付加に起因する転位反応が起こり(図1参照)、下記化学反応式に示すように目的のモノエステルモノマー(2)以外に、副生成物(3)が生ずる可能性がある。
一方、上記一般式(a)におけるnが1のトリオールの場合には、このような転位反応が生じたとしても結果として全く同じ化合物となるため、高分岐ポリマーの原料となるモノエステルモノマーを容易かつ高収率で得られるため、好適である。
本発明の高分岐ポリマーの製造方法は、一般式(a)(式中R1は水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基を示し、nは0又は1を示す)で示されるトリオールにベンジリデン保護基を導入してトリオールベンジリデン誘導体とする保護基導入工程と、該トリオールベンジリデン誘導体と、フタル酸とを反応させてベンジリデン保護フタル酸モノエステルとするモノエステル化工程と、該ベンジリデン保護モノエステルの保護基を脱離させてフタル酸モノエステルモノマーとする脱離工程と、該フタル酸モノエステルモノマーを重縮合して高分岐ポリマーとする重合工程と、を備えることを特徴とする。
ここで、nが1のトリオールを用いれば、上述したように、脱離工程で転位反応が生じたとしても、結果として全く同じ化合物となるため、好適である。
重合工程における重合触媒としては、一般的にエステル化触媒として用いられている固体酸触媒(例えばp−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム等)や硫酸等の液体の酸の他、カルボジイミド(ジシクロへキシルカルボジイミド等)やカルボニルジイミダゾール等を用いることができる。発明者らはトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウムやp−トルエンスルホン酸を用いることにより、高収率で目的の重合物を得ている。
本発明の高分岐ポリマーの原料となる高分岐ポリマー合成用モノマーは、フタル酸の一方のカルボキシル基と、一般式(a)で示されるトリオールの水酸基の1つとがエステル結合していることを特徴とする(式中R1は水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基を示し、nは0又は1を示す)。
ここで、nが1であれば、たとえこの化合物をベンジリデン保護基が結合した化合物から保護基を脱離させて製造した場合において、転位反応が生じたとしても同じ化合物となるため、転位反応による副生成物は生じることがないため、製造が容易となる。
本発明の高分岐ポリマー合成用モノマーの原料となる高分岐ポリマー合成用モノマー前駆体は、フタル酸の一方のカルボキシル基と、一般式(b)で示されるベンジリデン保護トリオール誘導体の水酸基とがエステル結合していることを特徴とする(式中R1は水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基であり、φは置換されてもよいアリール基であり、nは0又は1である)。
例えば、トリオールとしての1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン(4)のベンジリデン保護誘導体(5)を合成し、この化合物と無水フタル酸を反応させてベンジリデン保護フタル酸モノエステル(6)とした後、ベンジリデン保護基を脱離させてフタル酸モノエステルモノマー(7)を製造する場合を例に挙げれば(下式参照)、ベンジリデン保護基を脱離させる最後の反応工程において、転位反応を生じたとしても同じ化合物となるため、収率は極めてよい。このため、容易かつ安価に本発明の高分岐ポリマーを製造することができる。
以下、本発明を具体化した実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、図2の合成経路に示すように、o-フタル酸と、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタンとのモノエステルを合成し、それを重縮合反応させることによって高分岐ポリマーを得た。
(実施例1)
実施例1では、図2の合成経路に示すように、o-フタル酸と、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタンとのモノエステルを合成し、それを重縮合反応させることによって高分岐ポリマーを得た。
<保護基導入工程>
すなわち、まず保護基導入工程としてベンズアルデヒドと1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタンとを反応させて、5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメタノール(5)を合成した。
すなわち、ジムロート冷却器、Dean-Stark水分離器、マグネティックスターラーを装備した100 mlナスフラスコに5.00 g (47.1 mmol) のベンズアルデヒド、5.77 g (48.0 mmol) の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン、および50 mLのトルエンを取り、4時間加熱還流攪拌した。反応終了後、反応混合物にジエチルエーテルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、淡黄色透明オイルを得た。クロロホルム / ヘキサンで再結晶することにより白色固体として(1)を収率96.9%で得た。1H-NMR及び13C-NMRのスペクトルから、(1)はcis体とtrans体が5.8:1の混合物であることが分かった。混合物の融点は90〜93℃であった。
すなわち、まず保護基導入工程としてベンズアルデヒドと1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタンとを反応させて、5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメタノール(5)を合成した。
すなわち、ジムロート冷却器、Dean-Stark水分離器、マグネティックスターラーを装備した100 mlナスフラスコに5.00 g (47.1 mmol) のベンズアルデヒド、5.77 g (48.0 mmol) の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン、および50 mLのトルエンを取り、4時間加熱還流攪拌した。反応終了後、反応混合物にジエチルエーテルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、淡黄色透明オイルを得た。クロロホルム / ヘキサンで再結晶することにより白色固体として(1)を収率96.9%で得た。1H-NMR及び13C-NMRのスペクトルから、(1)はcis体とtrans体が5.8:1の混合物であることが分かった。混合物の融点は90〜93℃であった。
<モノエステル化工程>
次に、上記のようにして得られた化合物(5)と無水フタル酸とのモノエステル化反応を行い、5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)を合成した。
すなわち、ジムロート冷却器およびマグネティックスターラーを装備した50 mL二口ナスフラスコに3.00 g (14.4 mmol)の5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメタノール(1)、ピリジン15 mL、無水フタル酸3.00
g (20.3 mmol)の順に取り、窒素下で14時間加熱還流攪拌した。反応終了後、ジクロルメタンを加え、1N塩酸で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、溶媒を減圧留去した。こうして得られた抽出物をシリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=5:1)で分取し、5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)を得た(収率79%)。
次に、上記のようにして得られた化合物(5)と無水フタル酸とのモノエステル化反応を行い、5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)を合成した。
すなわち、ジムロート冷却器およびマグネティックスターラーを装備した50 mL二口ナスフラスコに3.00 g (14.4 mmol)の5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメタノール(1)、ピリジン15 mL、無水フタル酸3.00
g (20.3 mmol)の順に取り、窒素下で14時間加熱還流攪拌した。反応終了後、ジクロルメタンを加え、1N塩酸で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥してから、溶媒を減圧留去した。こうして得られた抽出物をシリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=5:1)で分取し、5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)を得た(収率79%)。
<脱離工程(3-Hydroxy-2-hydroxymethyl-2-methylpropyl
phthalate (7)の合成)>
さらに、上記のようにして得られた5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)のベンジリデン保護基の脱離反応を以下のようにして行った。
すなわち、マグネティックスターラー、三方コック、セラムキャップを装備した200 mL三口フラスコを、減圧乾燥、窒素置換し、2.5 g (7.02 mmol) の5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)、110
mLのテトラヒドロフラン、0.32 gのパラジウム‐活性炭の順に取り、2 mLのメタノールに0.05 mLの濃塩酸を溶解した溶液を0.12 mL加え、窒素置換した後、水素置換し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、吸引ろ過によりパラジウム‐活性炭をろ別し、溶媒を減圧留去し、冷蔵庫で冷却して、黄色固体を得た。酢酸エチルで再結晶することにより白色固体として3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)を96%の収率で得た。このものの1H-NMR、13C-NMR及びIRの各スペクトルデータ、並びに融点のデータを図3に示す。これらのスペクトルデータは、いずれも3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)の構造を示すものであった。
phthalate (7)の合成)>
さらに、上記のようにして得られた5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)のベンジリデン保護基の脱離反応を以下のようにして行った。
すなわち、マグネティックスターラー、三方コック、セラムキャップを装備した200 mL三口フラスコを、減圧乾燥、窒素置換し、2.5 g (7.02 mmol) の5-メチル−2−フェニル−5−[1,3]ジオキサニルメチルフタレート(6)、110
mLのテトラヒドロフラン、0.32 gのパラジウム‐活性炭の順に取り、2 mLのメタノールに0.05 mLの濃塩酸を溶解した溶液を0.12 mL加え、窒素置換した後、水素置換し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、吸引ろ過によりパラジウム‐活性炭をろ別し、溶媒を減圧留去し、冷蔵庫で冷却して、黄色固体を得た。酢酸エチルで再結晶することにより白色固体として3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)を96%の収率で得た。このものの1H-NMR、13C-NMR及びIRの各スペクトルデータ、並びに融点のデータを図3に示す。これらのスペクトルデータは、いずれも3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)の構造を示すものであった。
<重合工程>
さらに、上記脱離工程で得られた3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)を重縮合させて、高分岐ポリマーであるポリ3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレートを合成した。重合触媒としては、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(Sc(OTf)3)、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)及びDCCの3種類で行なった。
1)Sc(OTf)3による重合
マグネティックスターラーを装備した10 mLナスフラスコに134.1
mg (0.50 mmol) の3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)、2.5 mgのSc(OTf)3の順に取り、10mmHgの減圧下、110℃又は130℃で1時間攪拌した後、少量のメタノールを加えることにより、重合を停止した。重合終了後、メタノールを減圧留去し、透明ガラス状の固体を得た。結果を表1に示す。
ここでunit typeとは、フタル酸モノエステルモノマー(7)ユニットが、高分岐ポリマーの中で、B:分岐ユニットであるか、L:分岐せずに直鎖状に連結している直鎖ユニットであるか、T:末端ユニットであるかを1H-NMRのそれぞれのユニットのプロトン比から求めたものである。また、DPは数平均重合度、DBは分岐度を示し、次式により求めた。
DP=(T+L+B)/(T−B)
DB=2B/(2B+L)
2)p−TsOHによる重合
マグネティックスターラーを装備した10 mLナスフラスコに134.1
mg (0.50 mmol) の3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)、5 mLのアセトニトリル、8.61mgのp−TsOHの順に取り、10mmHgの減圧下、130℃で2時間攪拌した後、少量のメタノールを加えることにより、重合を停止した。重合終了後、メタノールを減圧留去し、透明ガラス状の固体を得た。結果を表2に示す。
3)DCCによる重合
マグネティックスターラーを装備した10 mLナスフラスコに134.1
mg (0.50 mmol) の3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)、10mLのクロロホルム、124 mg (0.60 mmol) のジシクロへキシルカルボジイミドの順に取り、、6.1 mg (0.05 mol) の4-ジメチルアミノピリジンを加え、窒素下、室温で1時間攪拌した。メタノールを加えることにより、重合を停止した。重合後、吸引ろ過によりジシクロへキシル尿素をろ別し、溶媒を減圧留去した。反応混合物を少量のメタノールに溶解させ、イソプロピルエーテルで再沈殿を行うことによりポリマーを単離した。結果を表3に示す。
さらに、上記脱離工程で得られた3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)を重縮合させて、高分岐ポリマーであるポリ3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレートを合成した。重合触媒としては、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(Sc(OTf)3)、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)及びDCCの3種類で行なった。
1)Sc(OTf)3による重合
マグネティックスターラーを装備した10 mLナスフラスコに134.1
mg (0.50 mmol) の3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)、2.5 mgのSc(OTf)3の順に取り、10mmHgの減圧下、110℃又は130℃で1時間攪拌した後、少量のメタノールを加えることにより、重合を停止した。重合終了後、メタノールを減圧留去し、透明ガラス状の固体を得た。結果を表1に示す。
DP=(T+L+B)/(T−B)
DB=2B/(2B+L)
2)p−TsOHによる重合
マグネティックスターラーを装備した10 mLナスフラスコに134.1
mg (0.50 mmol) の3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)、5 mLのアセトニトリル、8.61mgのp−TsOHの順に取り、10mmHgの減圧下、130℃で2時間攪拌した後、少量のメタノールを加えることにより、重合を停止した。重合終了後、メタノールを減圧留去し、透明ガラス状の固体を得た。結果を表2に示す。
マグネティックスターラーを装備した10 mLナスフラスコに134.1
mg (0.50 mmol) の3-ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルフタレート(7)、10mLのクロロホルム、124 mg (0.60 mmol) のジシクロへキシルカルボジイミドの順に取り、、6.1 mg (0.05 mol) の4-ジメチルアミノピリジンを加え、窒素下、室温で1時間攪拌した。メタノールを加えることにより、重合を停止した。重合後、吸引ろ過によりジシクロへキシル尿素をろ別し、溶媒を減圧留去した。反応混合物を少量のメタノールに溶解させ、イソプロピルエーテルで再沈殿を行うことによりポリマーを単離した。結果を表3に示す。
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明の高分岐ポリマーは、ベンゼン環を有しているため、耐熱性に優れている。また、末端に水酸基を有してはいるが、ベンゼン環を有しているため、有機溶剤への溶解性に優れている。さらには、高い屈折率を有し、光学材料等への応用が期待される。このため、塗料、コーティング剤、分散剤、発光材料、光学材料等、様々な分野での応用が可能である。
Claims (7)
- 前記nは1であることを特徴とする請求項1記載の高分岐ポリマー。
- 前記R1は水素原子、メチル基及びエチル基のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の高分岐ポリマー。
- 重合工程における重合触媒としてジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム及びp−トルエンスルホン酸のいずれか1種以上を用いることを特徴とする請求項4記載の高分岐ポリマーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008024138A JP2009185125A (ja) | 2008-02-04 | 2008-02-04 | 高分岐ポリマー及びその製造方法、並びに、高分岐ポリマー合成用モノマー及びその前駆体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5032843B2 (ja) * | 2004-04-09 | 2012-09-26 | 三星エスディアイ株式会社 | 固体高分子電解質膜,その製造方法及び固体高分子型燃料電池 |
CN111138712A (zh) * | 2018-11-06 | 2020-05-12 | 杨建强 | 一种赤泥处理剂及其制备方法与应用 |
-
2008
- 2008-02-04 JP JP2008024138A patent/JP2009185125A/ja active Pending
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