JP4770245B2 - ジヒドロキシ化合物の合成方法及び多分岐状化合物の合成方法 - Google Patents

ジヒドロキシ化合物の合成方法及び多分岐状化合物の合成方法 Download PDF

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本発明は、エステル基を有するベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物の脱保護によるジヒドロキシ化合物の合成方法及びそれを用いた多分岐状化合物の合成方法に関する。
従来より、ベンジリデン基で保護されたジヒドロキシ化合物の脱保護の方法(下記化学反応式(1)参照)は古くから知られており、例えば以下のような方法が挙げられる。
Figure 0004770245
(1)メタノール溶媒中、Pd/C(パラジウムカーボン)存在下、20℃で5時間水素を常圧で流す方法(非特許文献1、2)。
(2)エタノール溶媒中、Pd/C存在下、2.5時間水素を流す方法(非特許文献3)。
(3)エタノール溶媒中、Pd/C存在下、水素30psiで振盪する方法や、エタノール水溶液中、濃硫酸存在下、5時間還流する方法(非特許文献4)。
(4)メタノール溶媒中、濃塩酸を加え、アルゴン雰囲気下で20時間還流する方法、あるいはジエチルエーテル/アンモニア分散液中、ナトリウムを加え撹拌する方法(非特許文献5、6)。
(5)テトラヒドロフラン水溶液中、10%塩酸存在下、1.5時間還流する方法(非特許文献7、8)。
(6)2M塩酸中、90℃で3時間加熱する方法(非特許文献9)。
(7)アルコール水溶液中、硫酸存在下で還流する方法(非特許文献10、11、12)。
N.G.Luk'yanenko, et.al, Chem.Heterocycl.Compd. (Engl.Transl.),23(9),934(1987). N.G.Luk'yanenko, et.al., Synthesis,11,930(1986). G.H.Dodd, et.al., J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,2273(1976). J.R.Surles, et.al., J.Med.Chem.,28,73(1985). C.A.Joll, et.al.,Aust.J.Chem.,43,1445(1990). G.Appendino, et.al., Bioorg.Med.Chem.Lett.,13,43(2003). A.Marinier, et.al., Tetrahedron Lett., 29(48),6215(1988). A.Marinier, et.al., Can.J.Chem.,70,2350(1992). T.Toyokuni, et.al., Synth.Commun.,33(22),3897(2003). M.A.Grum-Grzhimailo, et.al., J.Org.Chem.USSR(Engl.Trasl.),4,1113(1968). J.Stekar, et.al., Angew.Chem.,107,195(1995). W.A.West et.al., J.Am.Chem.Soc.,74,4466(1952).
しかし、上記従来のベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物の脱保護によるジヒドロキシ化合物の合成方法は、上記化学反応式(1)における置換基Rがアルキル基又はアルコキシル基の化合物に対して適用されており、Rがエステルの化合物に適用された例はない。
一方、非特許文献13には、化学反応式(1)におけるRがエステルのベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物をアルコール水溶液中、濃塩酸存在下、80℃で30分加熱して脱保護する反応が記載されている。
H.Hibbert, et.al., J,Am.Chem.Soc.,51,1601(1929).
また、非特許文献14には、化学反応式(1)におけるRがエステルのベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物をホウ酸を用いて加水分解する脱保護が記載されている。
G.K.E.Scriba,Arch.Pharm.(Weinheim),326,477(1993).
さらに、非特許文献15、16には、末端がベンジリデン保護されたポリ(グリセロール−コハク酸)をテトラヒドロフラン溶媒中、あるいは酢酸エチル/メタノール溶媒中、Pd/C存在下、水素50psiで20分〜10時間振盪することにより、ベンジリデン保護基を脱離させる反応が記載されている。
M.A.Carnahan, M.W.Grinstaff, J.Am.Chem.Soc.,123,2905(2001). M.A.Carnahan, M.W.Grinstaff, Macromolecules,34,7648(2001).
非特許文献15、16は、化学反応式(1)におけるRがエステルのベンジリデン基で保護されたジヒドロキシ化合物の脱保護の方法を多分岐状化合物の1種であるデンドリマーの合成に応用している。すなわち、図1に示すように、ベンジリデン保護化合物(1)とコハク酸とのエステル化反応によってベンジリデン保護エステル(2)とし、さらにこのベンジリデン保護エステル(2)を脱保護してジヒドロキシ化合物(3)とする。そして、このジヒドロキシ化合物(3)とベンジリデン保護コハク酸モノエステル(4)とのエステル化反応によってベンジリデン保護化合物(5)とする。さらに脱保護とベンジリデン保護コハク酸モノエステル(4)によるエステル化を繰り返すことにより(図1〜4参照)、樹枝状に分子鎖が繋がったデンドリマーの合成を行うことができる。こうして合成されたデンドリマーは、その特異な分子構造に起因する特性を利用し、塗料やコーティング分野での改質剤、エンジニアリングプラスチックの流動性や軟化点の制御、DNAや医薬品のドラッグデリバリーシステムにおけるキャリヤー、光捕集アンテナ、有機EL材料、物質分離、単分子高分子ミセル等への応用が考えられている。このため、化学反応式(1)におけるRがエステルのベンジリデン基で保護されたジヒドロキシ化合物の脱保護は、デンドリマーの合成にとって重要な反応となる。
しかし、上記非特許文献13、14では、下記化学反応式(2)に示すようなエステル基の転位反応が起こり、エステル基の転位がない化合物を収率良く得ることはできない。
Figure 0004770245
これに対し、上記非特許文献15、16の方法を用いれば、このような転位反応は起こらず、エステル基の転位がない化合物を高収率で得ることができる。
しかし、上記非特許文献15、16に記載された方法は、水素の存在下で加圧し、長時間振盪しなければならず、危険性が高く、製造に長時間を要する。また、工業生産を想定した場合、専用の圧力容器が必要になる等、製造に要する設備費も高騰化する。さらには、得られるジヒドロキシ化合物も黄色に着色し、純度の低いものである。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、上記化学反応式(1)におけるRがエステルのベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物からのジヒドロキシ化合物の合成方法において、転位反応が起こり難く、反応条件が温和で安全であり、製造コストの低廉な方法を提供することを解決すべき課題としている。また、そのジヒドロキシ化合物の合成方法を利用して、副生成物が生じ難く、収率のよい多分岐状化合物の合成方法を提供することを解決すべき課題としている。
発明者らは、多分岐状化合物の合成において、上記化学反応式(1)におけるRがエステルのベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物の脱保護を白金族元素触媒の存在下で水素と反応させることについて研究を行っていた際、酸を共存させることによって、上述した化学反応式(2)で示すようなエステル基の転位反応を防止でき、収率も極めて良いことを発見した。
すなわち、本発明のジヒドロキシ化合物の合成方法は、下記一般式で表されるベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(1分子中にベンジリデン保護基が複数存在する化合物も含む)を白金族元素触媒及び酸触媒の存在下で水素と反応させることによって脱保護を行うことを特徴とする。
Figure 0004770245
式中R1、R2は置換されてもよいアルキル基、アリール基又は水素であり、R3は置換されてもよいアルキル基又はアリール基であり、φは置換されてもよいアリール基である。特に、R1及びR2が炭素数1〜3のアルキル基又は水素であり、φが炭素数6〜18のアリール基である化合物は合成が容易であり、好適に用いることができる。このような化合物として、例えば下記のような化合物が挙げられる。
Figure 0004770245
白金族元素としては、Pdが好ましく、さらに好ましいのは担体に担持されたPdであり、最も好ましいのはカーボンにPdが担持されたものである。Pdはベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物に対して0.5〜5質量%添加されていることが好ましく、さらに好ましいのは1〜2質量%である。
酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸を用いることができる。特に好ましいのは塩酸である。酸として塩酸を用いる場合、塩酸はベンジリデン保護基1モルに対して塩化水素として0.0005〜0.2モル添加されていることが好ましく、さらに好ましいのは0.002〜0.1モルである。塩酸の添加量がこの範囲を超えると、エステル基の転位反応が起こり易くなる。これは、図5に示すように、カルボニル炭素へのプロトンの付加に起因して、転位反応が生ずるからであると推測される。また、逆に塩酸の添加量がこれ以下であると、反応速度が低下し、反応終了まで長時間を要することとなる。また、塩酸の添加量は白金族元素触媒の添加量に対し塩化水素として1〜60質量%とされていることが好ましい。塩酸の添加量がこれより多いとエステル基の転位反応が起こり易くなり、これ以下では反応速度が低下し、反応終了まで長時間を要することとなる。
本発明の多分岐状化合物の合成方法は、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物を脱保護してジヒドロキシ化合物とする脱保護工程と、該ジヒドロキシ化合物の二つの水酸基をベンジリデン保護ジヒドロキシル基を有するカルボン酸によってエステル化する保護基導入工程とを繰り返すことによって多分岐状化合物を得る多分岐状化合物合成方法において、
前記脱保護工程におけるベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物は下記一般式で表される構造を有し、該脱保護工程は請求項1乃至9のいずれか1項記載のジヒドロキシ化合物の合成方法を用いることを特徴とする。
Figure 0004770245
本発明の多分岐状化合物の合成方法では、脱保護工程において、一つのベンジリデン保護基が脱離することによって二つの水酸基が生じる。そして、保護基導入工程においてその二つの水酸基それぞれがベンジリデン保護ジヒドロキシル基を有するカルボン酸によってエステル化される。こうして得られたエステルのベンジリデン保護基を脱離させることによって、4つの水酸基が生じる。こうして、水酸基の数を倍々に増加させ、脱保護工程と保護基導入工程を繰り返すことによって、樹枝状の多分岐状化合物分子が形成される。特に、本発明の多分岐状化合物の合成方法では、脱保護工程において、上記請求項1乃至9のいずれか1項記載のジヒドロキシ化合物の合成方法によって行うため、エステル基の転位反応を防止でき、収率も極めて良い。
発明者らは、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物が下記構造式1で示される化合物であり、ベンジリデン保護ジヒドロキシル基を有するカルボン酸が下記構造式2で示される化合物である場合に、目的とする多分岐状化合物が良い収率で、確実に得られることを確認している。
Figure 0004770245
Figure 0004770245
本発明の多分岐状化合物の合成方法では、保護基導入工程におけるエステル化反応において通常用いられるカルボジイミド等の縮合剤を用いることができる。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような有機溶媒にしか溶解しないものでも利用できるが、反応後の除去処理の点から水溶性の縮合剤を用いることが望ましい。このような水溶性の縮合剤として、EDC(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide Hydrochloride)、CMC(1-Cyclohexyl-3-(2-morpholinyl-(4)-ethyl)carbodiimide)[T.Fukui,et.al.,J.Biochem.,83,183(1978)]、BDDC(1,3-Bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxolan-4-ylmethyl) carbodiimide)[H.Rapopoet,et.al.,J.Org.Chem.,59,7503(1994)]、CDI(1,1’-Carbonyldiimidazole)[M.Okamoto,et.al.,Synthesis,833(1982)]等の水溶性カルボジイミドが挙げられる。また、Yamaguchi法(2,4,6-Trichlorobenzoylchlorideなど)[Y.Yamaguchi,et.al,Bull.Chem.Soc.Jpn.,52,1989(1979)]、Mukaiyama法(第四級2-ハロピリジニウム塩)[T.Mukaiyama,et.al.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,50,1863(1977)]、BOP-Cl法(Bis(2-oxo-3-oxazolidinyl)phosphinic chloride)[A.Z.Bilbao,et.al.,Synthesis,547(1980)]、DPC法(Di-2-pyridyl carbonate)[A.E.Greene,et.al.,J.Am.Chem.Soc.,110,5917(1988)]、DPTC法(Di-2-pyridyl thionocarbonate)[T.Mukaiyama,et.al.,Chem.Lett.,679(1998)]、MNBA法(6-Methyl-2-nitrobenzoic anhydride)[M.Hasizume,et.al.,J.Org.Chem.,69,1822(2004)],BBDI法(1-t-Butoxy -2-t-butoxycarbonyl-1,2-dihydroisoquinoline)[H.Takahata,et.al.,Org.Lett.,4,585(2002).]等の水溶性縮合剤を用いた反応を利用することもできる。
本発明のジヒドロキシ化合物の合成方法において用いられる水素の供給源としては、市販の水素ガスボンベを用いたり、水素ガス発生装置を用いたり、簡易のスプレー缶式水素ボンベを用いたりすることができる。純度は99.99%以上のものが望ましい。水素の圧力は常圧〜0.1MPaでよく、常圧でも充分反応が迅速に進行するが、加圧することも可能である。
白金族元素触媒としてはPdが好ましく、さらに好ましいのは担体に担持されたPdである。担体としてはアルミナ、シリカ、炭素等が挙げられるが、特に好ましいのは炭素担体に担持させたもの(以下「Pd/C」という)である。こうしたPd/Cとしては、パラジウム活性炭素、パラジウム炭素、パラジウムカーボン等が挙げられ、例えば市販されているパラジウム含有量1質量%、3質量%、5質量%及び10質量%のものを使用することができる。これらのPd/CはWETタイプよりもDRYタイプの方が望ましい。WETタイプのPd/Cはエステルの加水分解を起こす可能性があり、これにより図5に示すようなエステル基の転位が促進される可能性があるからであり。Pdの添加量は原料のベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物に対して0.5〜5%(質量比)(例えばPd10質量%含有するPd/Cを使用した場合、原料のベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物に対して5〜50%(質量比))となるように添加するのが好ましい。これより少ないと反応が進行し難くなる場合がある。さらに好ましくは1〜2質量%である。
酸としては塩酸や硫酸を用いることができる。塩酸を使用する場合には、濃塩酸をメタノール等の水溶性有機溶媒で希釈して(例えば濃塩酸50μLをメタノール2〜4mLで希釈する等)用いることが好ましい。濃塩酸を水溶性有機溶媒の代わりに水で薄めて使用した場合、エステルの加水分解が生じ易くなり、そのために図5に示すような転位反応が起き易くなるからである。また、塩化水素ガスをメタノール等の水溶性有機溶媒に吸収させた溶液を用いることも好ましい。こうであれば、さらに水分を減らすことができるからである。
反応を迅速に進行させるために、反応中に撹拌を行うことが好ましい。反応液に水素ガスの気泡を巻き込むほどの激しい撹拌は、反応をさらに迅速化することができる。撹拌はプロペラ式の撹拌器やマグネティックスターラー等を用いることができる。
反応時間は脱保護反応の進行程度に応じて適宜決定されるが、通常の場合0.5〜2時間で充分である。また、反応温度は0〜40°Cが好ましい。温度を高くするとエステル基の転位反応が起こりやすいからである。
以下、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例を説明する。
実施例1〜3及び比較例1では、図1に示すベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)の脱保護を試みた。
<実施例1>
吸引栓を備えたナス型フラスコに、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)を0.75g(1.70mmol)入れ、脱水テトラヒドロフラン12mLを加えて溶解した。次いでこの溶液に10%Pd/Cを0.15g加え、さらに、濃塩酸50μLをメタノール2mLに溶解させた溶液を20μL加えた。そして、窒素を満たしたバルーンを三方コックを介してナス型フラスコに接続し、三方コックの残った口をアスピレーターに接続した。アスピレーターでフラスコ内を減圧した後、窒素を導入する操作を3回繰り返し、フラスコ内を窒素で置換した。次に窒素バルーンを水素で満たしたバルーンと交換し、同様の操作によってフラスコ内を水素で置換した。その後、室温下、マグネティックスターラーで溶液を1.5時間激しく撹拌した。その後、吸引濾過によってPd/Cを除去し、濾液の溶媒を減圧下留去し、真空ポンプで乾燥させることにより、無色粘性液体を得た。このものの1H−NMRは次の通りであった。
1H-NMR(CD3OD)δ(ppm)
2.69(s,4H,-CH2-CH2-),3.61〜3.73(m,8H,-CH2-CH-CH2-),4.85〜4.94(m,2H,-CH2-CH-CH2-)
このNMRスペクトルの解析から、得られた無色粘性液体は、図1に示すジヒドロキシ化合物(3)であり、エステル基の転位生成物は認められなかった。
<実施例2>
吸引栓を備えたナス型フラスコに、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)を0.25g入れ、脱水テトラヒドロフラン10mLを加えて溶解した。次いでこの溶液に10%Pd/Cを0.05g加え、さらに、濃塩酸50μLをメタノール2mLに溶解させた溶液を20μL加えた。それ以外の操作は実施例1と同様であり、説明を省略する。
このものの1H−NMRは実施例1と同じであった。このことから、得られた無色粘性液体は、図1に示すジヒドロキシ化合物(3)であり、エステル基の転位生成物は認められなかった。
<実施例3>
実施例3では、濃塩酸50μlをメタノール2mLに溶解させた溶液を1mL用いた。それ以外の条件は実施例1と同様であり、説明を省略する。こうして得られた無色粘性液体の1H−NMRは次の通りであった。
1H-NMR(CD3OD)δ(ppm)
2.66〜2.67(m,-CH2-CH2-),3.50〜3.59(m,-CH(OH)CH2OH -転位由来),3.63〜3.69(m,-CH2-CH-CH2-),3.78〜3.85(m,-CH(OH)CH2OH転位由来)4.07(ddd,-COOCH2-転位由来),4.17(ddd,-COOCH2-転位由来)4.85〜4.94(m,-CH2-CH-CH2-)
上記シグナルの積分値の比較から、エステル基が転位しなかった生成物(すなわち、ジヒドロキシ化合物(3))は約15%であり、エステル基が転位した生成物は約85%と見積もられた。
<比較例1>
比較例1では、非特許文献16に記載されたGrinstaffらの方法で、図1に示すベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)の脱保護を行った。すなわち、まず撹拌子を入れた100mLのSUS製オートクレーブにベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)を0.25g入れ、脱水テトラヒドロフラン10mLを加えて溶解した。次いでこの溶液に10%Pd/Cを0.05g加え、オートクレーブを密栓した後、窒素を導入して0.4MPaに加圧し、その後常圧に戻す操作を3回繰り返すことにより、オートクレーブ内を窒素で置換した。次いで同様の操作を水素ガスで行い、最後に水素で0.4MPaに加圧した状態でオートクレーブを密栓した。そして、室温下において反応液をマグネティックスターラーで10時間激しく撹拌した。反応終了後、反応液を吸引濾過することによってPd/Cを除去し、濾液を減圧下で溶媒留去し、真空ポンプで乾燥させ、黄色粘性液体のジヒドロキシ化合物(3)をほぼ定量的に得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、実施例1のスペクトルと一致した。
1H-NMR(CD3OD)δ(ppm)
2.69(s,4H,-CH2-CH2-),3.61〜3.73(m,8H,-CH2-CH-CH2-),4.85〜4.94(m,2H,-CH2-CH-CH2-)
<実施例4>
実施例4では、図1〜3に示す合成経路でデンドリマー(9)(図3参照)を合成した。詳細な手順を以下に示す。
ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)(図1参照)の合成
cis-1,3-O-Benzylideneglycerol(1)(5.0g,27.7mmol)とコハク酸(1.55g,13.1mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(0.36g,2.9mmol)を60mLのジクロロメタンに加えてマグネティックスターラーで撹拌し、さらに、水溶性カルボジイミドとして1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide Hydrochloride(5.8g,30.3mmol)を加え、反応容器を窒素置換した。0℃(氷冷)で3時間撹拌した後、室温で一晩撹拌した。反応液を1/20Nの塩酸で3回洗浄し、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液100mLで2回洗浄し、さらに水100mLで1回洗浄した後、有機溶媒相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、デカンテーションで硫酸ナトリウムを除去し、減圧下で溶媒を留去させた。こうして得られた白色固体をクロロホルム/メタノール混合溶液にて再結晶精製した。析出した白色結晶を吸引濾過で取り出し、真空乾燥し、第一晶を得た。さらに濾液を溶媒留去し、得られた白色固体を繰り返し同様に再結晶精製し、第二晶〜第四晶を得た。こうして第一晶〜第四晶までの合計5.05gの白色結晶を収率90%で得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)の構造を有すると同定された。
1H-NMR (CDCl3) δ(ppm)
2.81(s,4H,-CH2-CH2-) , 4.06〜4.14(m,4H,-CH2-CH-CH2-),4.24〜4.30(m,4H,-CH2-CH-CH2-) , 4.70〜4.73(m,2H,-CH2-CH-CH2-),5.53(s,2H,O-CH-O) , 7.30〜7.40(m,6H,Ph) , 7.47〜7.52(m,4H,Ph)
ジヒドロキシ化合物(3)の合成(図1参照)
上記のようにして合成したベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)を実施例1の方法によって脱保護し、ジヒドロキシ化合物(3)を得た。
ベンジリデン保護コハク酸モノエステル(4)(図1参照)の合成
ピリジン(15mL)にcis-1,3-O-Benzylideneglycerol(1)(5.0g,27.7mmol)と無水コハク酸(2.48g,24.7mmol)を加え、マグネティックスターラーで撹拌して溶解させた後、反応容器内を窒素置換した。そして、室温で17時間撹拌した後、40°Cにおいて減圧下で反応液に含まれているピリジンを留去させた。そして残留固体をジクロロメタンに溶解させ、0.2Nの塩酸で3回洗浄した後、有機相を減圧下で留去した。さらに、析出した固体に脱イオン水を加え、1Nの水酸化ナトリウム溶液でpHを7となるよう調節し、ジクロロメタンで洗浄した。そして、pHを4に調節した後、ジクロロメタンで2回抽出し、この抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、デカンテーションで硫酸ナトリウムを除去し、減圧下で溶媒を留去させた。こうして得られた白色固体をジエチルエーテルで−25°Cにおいて再結晶させることにより、白色結晶(収率95%)を得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、ベンジリデン保護コハク酸モノエステル(4)の構造を有すると同定された。
1H-NMR (CDCl3) δ(ppm)
2.67〜2.69(m,4H,-CH2-CH2-) , 4.13〜4.20(m,2H,-CH2-CH-CH2-),4.25〜4.32(m,2H,-CH2-CH-CH2-) , 4.73〜4.76(m,1H,-CH2-CH-CH2-),5.55(s,1H,O-CH-O) , 7.33〜7.41(m,3H,Ph) , 7.47〜7.52(m,2H,Ph)
ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(5)(図1参照)の合成
ジヒドロキシ化合物(3)(0.46g,1.73mmol)と、ベンジリデン保護コハク酸モノエステル(4)(1.97g,7.03mmol)と、4-ジメチルアミノピリジン(0.086g,0.70mmol)とを30mLのジクロロメタンに加え、マグネティックスターラーにて撹拌した。さらに、1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide Hydrochloride(1.49g,7.77mmol)を加え、反応容器内を窒素置換した。そして、0℃(氷冷)で1時間撹拌した後、室温で一晩撹拌した後、反応液を1/20Nの塩酸で3回洗浄し、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液100mLで2回洗浄し、さらに水100mLで1回洗浄した後、有機溶媒相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、デカンテーションで硫酸ナトリウムを除去し、減圧下で溶媒留去した。こうして得られた白色固体をクロロホルム/メタノール混合溶液にて再結晶精製した。析出した白色結晶を吸引濾過で分取し、真空乾燥し、第一晶を得た。さらにベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)の合成の場合と同様の方法で第二晶〜第四晶までの再結晶を行い、合計2.10gの白色結晶を収率92%で得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(5)の構造を有すると同定された。
1H-NMR (CDCl3) δ(ppm)
2.60(s,4H,-CH2-CH2-) , 2.62〜2.70(m,8H,-CH2-CH2-) , 2.71〜2.79(m,8H,-CH2-CH2-),4.09〜4.21(m,12H,-CH2-CH-CH2-) , 4.21〜4.33(m,12H,-CH2-CH-CH2-),4.70〜4.74(m,4H,-CH2-CH-CH2-) , 5.21〜5.29(m,2H,-CH2-CH-CH2-),5.53(s,4H,O-CH-O) , 7.33〜7.41(m,12H,Ph) , 7.46〜7.53(m,8H,Ph)
ジヒドロキシ化合物(6)(図1参照)の合成
吸引栓を備えたナス型フラスコにベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(5)(0.1g,0.076mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mLに溶解し、10%Pd/Cを0.02g加え、さらに濃塩酸50μlをメタノール2mLに溶解させた溶液を40μl加えた。窒素を満たしたバルーンを三方コックを介してナス型フラスコに接続し、三方コックの残った口をアスピレーターに接続した。アスピレーターにてフラスコ内を減圧、その後窒素を導入する操作を3回繰り返し、フラスコ内を窒素で置換した。次に水素で満たしたバルーンに置き換え、同様の操作によってフラスコ内を水素で置換した。その後室温で反応液をマグネティックスターラーで1.5時間激しく撹拌した。反応後、吸引濾過でPd/Cを除去し、濾液を減圧下で溶媒留去し、真空ポンプで乾燥させ、無色粘性液体を定量的に得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、ジヒドロキシ化合物(6)の構造を有すると同定された。
1H-NMR(CD3OD)δ(ppm)
2.62〜2.70(m,20H,-CH2-CH2-) , 3.60〜3.74(m,16H,-CH2-CH-CH2-),4.20〜4.38(m,8H,-CH2-CH-CH2-),4.84〜4.94(m,4H,-CH2-CH-CH2-) , 5.21〜5.33(m,2H,-CH2-CH-CH2-)
ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(7)(図2参照)の合成
ジヒドロキシ化合物(6)(0.13g,0.14mmol)と、ベンジリデン保護コハク酸モノエステル(4)(0.32g,1.15mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(0.014g,0.12mmol)を15mLのジクロロメタンに加え、マグネティックスターラーにて撹拌し、さらに1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide Hydrochloride(0.27g,1.38mmol)を加え、反応容器内を窒素置換した。0℃(氷冷)で1時間撹拌した後、室温で12時間撹拌し、反応液を1/20Nの塩酸で3回洗浄し、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液100mLで2回洗浄し、さらに水100mLで1回洗浄した後、有機溶媒相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。デカンテーションで硫酸ナトリウムを除去し、減圧下で溶媒留去した。得られた白色個体をクロロホルム/メタノール混合溶液にて再結晶精製した。析出した白色結晶を吸引濾過で取り出し、真空乾燥し、第一晶を得た。さらにベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)の合成の場合と同様の方法で第二晶〜第四晶までの再結晶を行い、合計0.36gの白色結晶を収率86%で得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(7)の構造を有すると同定された。
1H-NMR (CDCl3) δ(ppm)
2.60〜2.78(m,4H+16H+32H,-CH2-CH2-),4.08〜4.21(m,4H+8H+16H,-CH2-CH-CH2-) , 4.21〜4.33(m,4H+8H+16H,-CH2-CH-CH2-),4.70〜4.75(m,8H,-CH2-CH-CH2-) , 5.18〜5.28(m,2H+4H,-CH2-CH-CH2-),5.53(s,8H,O-CH-O) , 7.32〜7.41(m,24H,Ph) , 7.46〜7.52(m,16H,Ph)
ジヒドロキシ化合物(8)(図2参照)の合成
吸引栓を備えたナス型フラスコにベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(7)(0.08g,0.026mmol)を入れ、脱水テトラヒドロフラン10mLを加えて溶解した。さらに、10%Pd/Cを0.016g加え、濃塩酸50μlをメタノール2mLに溶解させた溶液を20μl加えた。
それ以外の操作はジヒドロキシ化合物(6)の合成と同様であり、説明を省略する。こうして無色粘性液体を定量的に得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、ジヒドロキシ化合物(8)の構造を有すると同定された。
1H-NMR(CD3OD)δ(ppm)
2.62〜2.73(m,4H+16H+32H,-CH2-CH2-),3.60〜3.73(m,32H,-CH2-CH-CH2-),4.20〜4.29(m,4H+8H,-CH2-CH-CH2-),4.29〜4.39(m,4H+8H,-CH2-CH-CH2-),4.88〜4.94(m,8H,-CH2-CH-CH2-),5.22〜5.36(m,2H+4H,-CH2-CH-CH2-)
ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(9)(図3参照)の合成
ジヒドロキシ化合物(8)(0.065g,0.028mmol)とベンジリデン保護コハク酸モノエステル(4)(0.13g,0.45mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(0.0055g,0.045mmol)とを10mLのジクロロメタンに加え、マグネティックスターラーにて撹拌した。さらに1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide Hydrochloride(0.094g,0.49mmol)を加え、反応容器内を窒素置換した。0℃(氷冷)で1時間撹拌した後、室温で12時間撹拌した。反応液を1/20Nの塩酸で3回洗浄し、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液100mLで2回洗浄し、さらに水100mLで1回洗浄した後、有機溶媒相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。デカンテーションで硫酸ナトリウムを除去し、減圧下で溶媒留去した。得られた白色個体をクロロホルム/メタノール混合溶液にて再結晶精製した。析出した白色結晶を吸引濾過で取り出し、真空乾燥し、第一晶を得た。さらにベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(2)の合成の場合と同様の方法で第二晶〜第四晶までの再結晶を行い、合計0.16gの白色結晶を収率92%で得た。このものの1H−NMRは次の通りであり、ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物(9)の構造を有すると同定された。
1H-NMR (CDCl3) δ(ppm)
2.59〜2.78(m,4H+16H+32H+64H,-CH2-CH2-),4.10〜4.21(m,4H+8H+16H+32H,-CH2-CH-CH2-),4.21〜4.30(m,4H+8H+16H+32H,-CH2-CH-CH2-),4.69〜4.75(m,16H,-CH2-CH-CH2-) , 5.16〜5.29(m,2H+4H+8H,-CH2-CH-CH2-),5.53(s,16H,O-CH-O) , 7.33〜7.40(m,48H,Ph) , 7.46〜7.52(m,32H,Ph)
以上のようなベンジリデン保護基の導入と脱離を繰り返すことによって、更に大きなデンドリマーを製造することができる(図3及び図4参照)
本発明は塗料やコーティング分野での改質剤、エンジニアリングプラスチックの流動性や軟化点の制御、DNAや医薬品のドラッグデリバリーシステムにおけるキャリヤー、光捕集アンテナ、有機EL材料、物質分離、単分子高分子ミセル等への応用が考えられているデンドリマーの合成に適用することができる。
デンドリマー(12)の合成経路(その1)を示す図である。 デンドリマー(12)の合成経路(その2)を示す図である。 デンドリマー(12)の合成経路(その3)を示す図である。 デンドリマー(12)の合成経路(その4)を示す図である。 エステル基を有するジヒドロキシ化合物の転位機構を示す図である。

Claims (12)

  1. 下記一般式で表されるベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物を白金族元素触媒及び酸触媒の存在下で水素と反応させることによって脱保護を行うことを特徴とするジヒドロキシ化合物の合成方法。
    Figure 0004770245
    式中R1及びR2は置換されてもよいアルキル基、アリール基又は水素であり、R3は置換されてもよいアルキル基又はアリール基であり、φは置換されてもよいアリール基である。
  2. 式中R1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基又は水素であり、φは炭素数6〜18のアリール基であることを特徴とする請求項1記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  3. 白金族元素はPdであることを特徴とする請求項1又は2記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  4. Pdは担体に担持されていることを特徴とする請求項3記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  5. 担体は炭素であることを特徴とする請求項4記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  6. Pdはベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物に対して質量比で0.5〜5%であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  7. 酸は塩酸であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  8. 塩酸はベンジリデン保護基1モルに対して塩化水素として0.0005〜0.2モル添加されていることを特徴とする請求項7記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  9. 塩酸の添加量は白金族元素触媒の添加量に対し塩化水素として1〜60質量%とされていることを特徴とする請求項7又は8記載のジヒドロキシ化合物の合成方法。
  10. ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物を脱保護してジヒドロキシ化合物とする脱保護工程と、該ジヒドロキシ化合物の二つの水酸基をベンジリデン保護ジヒドロキシル基を有するカルボン酸によってエステル化する保護基導入工程とを繰り返すことによって多分岐状化合物を得る多分岐状化合物合成方法において、
    前記脱保護工程におけるベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物は下記一般式で表される構造を有し、該脱保護工程は請求項1乃至9のいずれか1項記載のジヒドロキシ化合物の合成方法を用いることを特徴とする多分岐状化合物の合成方法。
    Figure 0004770245
    式中R1、R2は置換されてもよいアルキル基、アリール基又は水素であり、R3は置換されてもよいアルキル基又はアリール基であり、φは置換されてもよいアリール基である。
  11. ベンジリデン保護ジヒドロキシ化合物は下記構造式1で示される化合物であり、ベンジリデン保護ジヒドロキシル基を有するカルボン酸は下記構造式2で示される化合物であることを特徴とする請求項10記載の多分岐状化合物の合成方法。
    Figure 0004770245
    Figure 0004770245
  12. 保護基導入工程におけるエステル化反応において、水溶性の縮合剤を用いることを特徴とする請求項10又は11記載の多分岐状化合物の合成方法。
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