JP4046010B2 - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のドライブシャフト等の回転軸外周面に挿嵌されて、回転軸に生じる振動を減衰させるダイナミックダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のダイナミックダンパは、筒状の質量金具と、その軸方向両端から外方に所定距離を隔てて同軸状に配設された筒状の一対のゴム弾性体取付部と、質量金具の軸方向両端と一対のゴム弾性体取付部の軸方向内端との間をそれぞれ連結する筒状の一対のゴム弾性体連結部と、質量金具の内外周面を被覆する薄肉のゴム弾性体被覆部とを備えている。このダイナミックダンパは、例えば車両のドライブシャフトの外周に圧入により嵌め合わされて、両ゴム弾性体取付部において圧着固定され、ドライブシャフトの回転に伴って生じる曲げ振動やねじり振動等の有害な振動入力に対して、質量金具の振動による共振作用によって一対のゴム弾性体連結部に生じる剪断変形等により振動入力を吸収して減衰させるものである。
【0003】
ところで、このダイナミックダンパにおいては、低コスト化のため、質量金具と接触するゴム弾性体部分を質量金具に対して非接着とすることが検討されているが、このように、質量金具とゴム弾性体とを非接着とすることにより、ゴム弾性体の質量金具を保持する力が低下する。そのため、ダイナミックダンパに振動入力が加えられたときに、質量金具がゴム弾性体に対して回動し易くなり、その結果、ダイナミックダンパにおける共振作用にバラツキが生じて、その振動減衰特性が損なわれるという問題がある。このような質量金具とゴム弾性体との非接着に伴う問題に対しては、種々の対応が行われており、例えば、特許文献1に示すように(図7参照)、質量金具1の軸方向両端にて、厚さ方向に貫通してかつ軸方向に延びたスリット2を周方向の複数箇所に設け、質量金具1の内外周面を被覆するゴム弾性体被覆層3をスリット2内に充填させたダイナミックダンパが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−98186号公報(第2頁、図1、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載のダイナミックダンパの場合、ゴム弾性体が加硫成形直後の高温状態から常温に冷却されることにより収縮するが、このゴム弾性体の収縮により、スリット2内に充填されたゴム弾性体部分3aが収縮すると共に、質量金具1の内外周面側のゴム弾性体被覆部3が収縮する。これにより、図7(b)に矢印で示すように、スリット2内のゴム弾性体部分3aが周方向両側から引っ張られると共に、ゴム弾性体被覆部3の径方向内外側からも収縮により引張りを受け、その結果、スリット2内のゴム弾性体部分3aとスリット2との間に大きな隙間を生じる。そのため、振動入力が加えられることにより、質量金具1が隙間部分で回動し易くなり、その結果、ダイナミックダンパの共振作用にバラツキが生じて、その振動減衰特性が損なわれるという問題がある。さらに、質量金具1のスリット2部分がエッジとなっているため、ダイナミックダンパが振動入力を受けた際に、質量金具1のエッジ部分がスリット2内のゴム弾性体部分3aに繰り返し当ることにより、ゴム弾性体部分3aが損傷を受け易く、そのためゴム弾性体被覆部3の耐久性が損なわれるという問題がある。
【0006】
また、ダイナミックダンパの設計上の観点から、質量金具の軸方向長さが短くされる場合には、スリット幅を太くすると質量が不足するため、スリット幅が細くなる傾向にある。質量金具の製造は、製造コストが安価であることから、通常鍛造法あるいは焼結金属法が採用され、特に製造設備が簡易な焼結金属法が好適に採用されている。しかし、焼結金属法を採用する場合には、質量金具のスリット幅が細くなると、焼結用金型のスリット形成部分の型強度が低下するという問題がある。また、質量金具のスリット幅が細くなることにより、鍛造法による製造はさらに困難になる。一方、スリット幅を太くすると、質量確保のために質量金具の外形を大きくしなければならず、ダイナミックダンパの占有空間が広くなるという問題がある。
【0007】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、ゴム弾性体と質量金具とを非接着とすることによってもゴム弾性体の質量金具を保持する保持力を確保することができ、ゴム弾性体の耐久性が確保され、さらにその占有空間の広がりが抑えられるダイナミックダンパを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、筒状の質量金具と、質量金具の軸方向両端から外方に所定距離を隔てて同軸状に配設された質量金具の内径より小さい内径を有する筒状の一対のゴム弾性体取付部と、質量金具の軸方向両端と一対のゴム弾性体取付部の軸方向内端との間をそれぞれ周方向全周に沿って連結する筒状の一対のゴム弾性体連結部と、質量金具の内外周面を被覆するゴム弾性体被覆部とを設けてなり、制振対象である回転軸の外周側に挿嵌され、ゴム弾性体連結部及び内周面側のゴム弾性体被覆部と回転軸の外周面との間に全周に沿って隙間を設けると共にゴム弾性体取付部にて回転軸に圧着固定されるダイナミックダンパにおいて、質量金具が焼結金属法又は鍛造法で形成されており、ゴム弾性体連結部及びゴム弾性体被覆部が、質量金具に対して非接着であり、さらに質量金具の軸方向両端面かつ外周面の周方向に沿った複数箇所にて、両端から軸方向内方に延びると共に軸心方向に凹んだ凹部を設け、凹部内がゴム弾性体被覆部で充填されており、質量金具の両端に設けた凹部が、それぞれ軸方向に対向して配設されており、凹部の径方向の底面が、凹部の軸方向内端から外端に向けて外径が小さくなるように傾斜した傾斜面であることにある。
【0009】
上記のように構成した請求項1の発明においては、質量金具は、ゴム弾性体連結部及びゴム弾性体被覆部に接着されていないが、軸方向両端面かつ外周面の周方向に沿った複数箇所にて、軸方向に延びると共に軸心方向に凹んだ凹部を設けおり、凹部内がゴム弾性体被覆部で充填されている。このように、凹部内にゴム弾性体被覆部が食い込んでいることにより、質量金具はゴム弾性体に係止される。さらに、凹部が質量金具の軸方向両端面かつ外周面側にのみ設けられていることにより、ゴム弾性体の加硫成形後の収縮による凹部内に充填されたゴム弾性体被覆部に対する引張り力が、ほとんど質量金具外周面側のゴム弾性体被覆部のみから作用するため、凹部内に充填されたゴム弾性体被覆部に生じる引張り変形が抑えられる。そのため、質量金具の凹部内に充填されたゴム弾性体被覆部と凹部との間の隙間の発生が抑えられ、ゴム弾性体被覆部が凹部にほぼ接触した状態で係合する。
【0010】
なお、本件発明者の実験により、質量金具の径方向外周面側のゴム弾性体被覆部の方が径方向内周面側のゴム弾性体被覆部より径方向の収縮が大きいことが判明した。これにより、スリット内に充填されるゴム弾性体の径方向の厚みを少なくすると径方向の収縮が少なくなり、スリット内のゴム弾性体全体の収縮が少なくなることが明かになった。この実験結果からも、凹部が質量金具の両端の外周面側にのみ設けられて内部に充填されたゴム弾性体の径方向厚さが薄くされたことにより、ゴム弾性体の加硫成形後の収縮による凹部内に充填されたゴム弾性体被覆部に対する引張り力が上記従来例に比べて抑えられ、ゴム弾性体被覆部と凹部との間の隙間の発生が抑えられることが裏付けられた。
【0011】
その結果、請求項1の発明においては、ダイナミックダンパに振動入力が加えられた際に、質量金具のゴム弾性体被覆部等に対する周方向の回動が抑えられ、ゴム弾性体被覆部等により質量金具を保持する保持力が安定して確保される。さらに、質量金具の回動が抑えられることにより、質量金具の凹部のエッジ部が繰り返し当ることによるゴム弾性体被覆部の損傷が防止され、ゴム弾性体被覆部の耐久性が確保される。また、凹部を質量金具の軸方向両端面かつ外周面の周方向に沿った複数個所にのみ設ければよいので、質量金具の質量減少を抑えつつ凹部の周方向の幅を適正に確保することができる。そのため、請求項1の発明によれば、質量金具を焼結金属法で成形する場合に成形金型の強度を損なわないようにすることができ、また鍛造法による質量金具の成形も可能になる。さらに、軸方向両端面かつ外周面の周方向に沿った複数個所にのみ凹部を設ければよいことにより質量金具の質量減少が抑えられるため、質量金具の形状を大きくしなくてもよく、そのため、ダイナミックダンパの占有空間の広がりが抑えられる。
【0012】
また、質量金具の両端に設けた凹部が、それぞれ軸方向に対向して配設されていることにより、凹部内に充填されたゴム弾性体被覆部に対する外周側のゴム弾性体被覆部からの引張り力が軸方向に揃えられるため、ゴム弾性体被覆部において捩れ方向の力の発生が抑えられる。その結果、本発明によれば、ゴム弾性体被覆部による質量金具保持機能がバランス良く確保される。
【0013】
また、凹部の径方向の底面が、凹部の軸方向内端から外端に向けて外径が小さくなるように傾斜した傾斜面であることにより、質量金具を鍛造で形成する場合に、凹部の底面が傾斜面となっているので、鍛造の型抜き作業がスムーズに行われる。その結果、質量金具の鍛造による形成が、安価にかつ信頼性よく行われる。
【0014】
また、上記請求項2の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のダイナミックダンパにおいて、凹部が、その軸方向長さが2mm以上であり、深さが1mm以上であることにある。凹部の軸方向長さが2mm未満であると、ダイナミックダンパを回転軸に圧入により組み付ける際に、ゴム弾性体被覆部の凹部内に充填された部分が凹部から外れ易くなり、ダイナミックダンパの組み付けに支障が生じる。また、凹部の深さが1mm未満であると、ゴム弾性体被覆部の凹部への食い込みによる質量金具の回動を防止する機能が損なわれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、参考例である自動車のドライブシャフトに取り付けられるダイナミックダンパを、I−I線方向の断面図及び側面図により示したものである。
【0016】
ダイナミックダンパ10は、円筒状の質量金具11と、その軸方向両端から外方に所定距離を隔てて同軸状に配設された筒状の一対のゴム弾性体取付部14と、質量金具11の両端部と一対のゴム弾性体取付部14の軸方向内端間をそれぞれ周方向全周に沿って連結する筒状の一対のゴム弾性体連結部16と、質量金具11の内外周面を被覆する薄肉のゴム弾性体被覆部18,19とを備えている。
【0017】
質量金具11は、図3及び図4に示すように、円筒状の金具であり、軸方向の両端側にて、その外周面の周方向に沿った複数箇所に、軸心方向に凹むと共に両端から軸方向に延びた凹部12を設けている。凹部12は、周方向に沿って等間隔に、かつ両端の軸方向対向位置に設けられており、その軸直角断面形状は、略長方形になっている。ただし、凹部12を、周方向及び軸方向に非対称に設けることも可能である。凹部12は、軸方向長さが2mm以上であり、深さが1mm以上であることが必要であり、望ましくは軸方向長さが4.5mm、深さが2mmである。また、凹部12の数についても任意であるが、両端側にそれぞれ3個以上設けられることが望ましい。
【0018】
質量金具11は、焼結金属法、冷間あるいは熱間鍛造法、プレス巻き法等により形成可能であるが、通常は製造コストが安価な焼結金属法あるいは鍛造法が用いられ、特に設備が簡易でありより安価な製造が可能な焼結金属法が好適に採用される。焼結金属品については、純鉄系や、鉄−炭素系、鉄−銅系などが使用条件等に応じて適宜選択して使用される。また、鍛造品については、特に材質の制限はなく、例えば炭素鋼などが採用され、冷間及び熱間鍛造の何れにおいても同様であり、さらに、ゴム弾性体との接触強度を強めるために表面にショットブラスト等によるスケール除去の施されたものが採用される。
【0019】
そして、質量金具11の内周面及び外周面側は、薄肉のゴム弾性体であるゴム弾性体被覆部18,19により非接着かつ密着状態で被覆されている。さらに、外周側のゴム弾性体被覆部19は、質量金具11の凹部12内に突出して凹部12を充填する突出部19aを有している。質量金具11内周側を被覆するゴム弾性体被覆部18の内径は、後述するドライブシャフトSの外径より数mm大きくなっている。
【0020】
一対のゴム弾性体取付部14は、厚肉の円筒形状であり、その内径はドライブシャフトSの外径より1mm程度小さくされている。また、一対のゴム弾性体取付部14のいずれか一方(図示右側)の外周面には、リング状の締付部材(図示しない)を取り付けるための締付溝15が同軸状に設けられている。一対のゴム弾性体連結部16は、一対のゴム弾性体取付部14の各軸方向内端と質量金具11の両端部間とをそれぞれ連結するものであり、各ゴム弾性体取付部14から質量金具11の両端部に向けて略漏斗状に拡げられており、その内端が質量金具11の内外周面を被覆するゴム弾性体被覆部18,19に一体で連結されている。ゴム弾性体連結部16は、軸方向内端において質量金具11の両端面とは非接着になっている。
【0021】
これら一対のゴム弾性体取付部14、一対のゴム弾性体連結部16及びゴム弾性体被覆部18,19は、接着剤塗布等の接着処理の行われていない質量金具11を成形金型(図示しない)にセットした状態でゴム加硫成形により一体的に形成され、それによりダイナミックダンパ10が得られる。ここで、成形金型の空洞部内面には、セットされた質量金具11の外周側を支持する外周支持突部が、質量金具11の軸方向両端に対応する位置の周方向に沿って等間隔な8個所に設けられている。さらに、8箇所の外周支持突部の内の互いに隣接すると共に径方向に対向する4箇所にて、質量金具11の両端面側を支持する端面支持突部が、外周支持突部に続いて設けられている。これにより、ダイナミックダンパ10のゴム弾性体被覆部19の軸方向両端には、上記外周支持突部に対応して周方向の8箇所に外側凹部19bが形成され、またゴム弾性体連結部16にも上記端面支持突部に対応して外側凹部16aが、4箇所の外側凹部19bに続いて形成されている。
【0022】
上記構成のダイナミックダンパ10は、図1に示すように、圧入液が塗布された車両のドライブシャフトSの外周に、人手によりあるいは治具を用いて圧入により嵌め合わされて、両ゴム弾性体取付部14にて圧着固定される。このとき、質量金具11内周側を被覆するゴム弾性体被覆部18は、ドライブシャフトSの外周との間に数mmの隙間が設けられており、また漏斗状に広がるゴム弾性体連結部16の内周面とドライブシャフトSの外周との間にも隙間が設けられている。これにより、質量金具11は、ゴム弾性体取付部14及びゴム弾性体連結部16によってドライブシャフトSに弾性的に支持される。このダイナミックダンパ10は、ドライブシャフトSの回転に伴って生じる曲げ振動やねじり振動等の有害な振動入力に対して、質量金具11の振動による共振作用によって一対のゴム弾性体連結部16に生じる剪断変形により振動入力を吸収して減衰させるものである。
【0023】
上記のように構成した参考例においては、質量金具11は、ゴム弾性体連結部16及びゴム弾性体被覆部18,19に接着されていないが、その外周面の周方向に沿った複数箇所にて、軸方向両端から軸方向に延びると共に軸心方向に凹んだ凹部12を設けており、ゴム弾性体被覆部19の突出部19aが凹部12内に突出して充填している。このように、凹部12内にゴム弾性体被覆部19の突出部19aが食い込んでいることにより、質量金具11はゴム弾性体被覆部19に係止される。
【0024】
そして、凹部12が質量金具11の両端の外周面側にのみ設けられていることにより、ゴム弾性体の加硫成形後の収縮による凹部12内の突出部19aに対する引張り力が、ほぼ質量金具11外周面側のゴム弾性体被覆部19のみから作用するため、凹部12内に充填された突出部19aに生じる引張り変形が抑えられる。そのため、ダイナミックダンパ10においては、質量金具11の凹部12内に充填された突出部19aと凹部12との間の隙間の発生が抑えられ、突出部19aが凹部12に接触した状態で係合する。
【0025】
その結果、参考例においては、ダイナミックダンパ10に振動入力が加えられた際に、質量金具11のゴム弾性体連結部16、ゴム弾性体被覆部18,19に対する周方向の回動が確実に阻止され、ゴム弾性体被覆部18,19等により質量金具11を保持する保持力が安定して確保される。そのため、ダイナミックダンパ10の防振特性が適正に発揮される。さらに、質量金具11の回動が抑えられることにより、質量金具11の凹部12のエッジ部が繰り返し当ることによるゴム弾性体被覆部19の損傷が防止され、ゴム弾性体被覆部19の耐久性が確保される。
【0026】
また、凹部12を質量金具11の両端の外周面側にのみ設ければよいため、質量金具11の質量減少を抑えつつ凹部12の周方向の幅を適正に確保することができる。そのため、参考例においては、質量金具11を焼結金属法により成形する場合に使用する成形金型の強度を損なわないようにすることができ、さらに鍛造法による質量金具11の成形も可能になる。さらに、質量金具11の両端の外周面側にのみ凹部12を設けたことにより、従来に比べて質量金具11の質量減少が抑えられるため、質量金具11の形状を大きくしなくてもよく、その結果、ダイナミックダンパ10の占有空間の広がりも抑えられる。
【0027】
また、質量金具11の両端に設けた凹部12が、それぞれ軸方向に対向して配設されているため、凹部12内に充填された突出部19aに対する外周側のゴム弾性体被覆部19からの引張り力が軸方向に揃えられるため、ゴム弾性体被覆部19において捩れ方向の力の発生が抑えられる。その結果、本実施形態によれば、ゴム弾性体被覆部19による適正な質量金具保持機能がバランス良く確保される。また、ゴム弾性体連結部16及びゴム弾性体被覆部18,19と質量金具11とが非接着であり、質量金具11に対する接着処理が不要となるため、ダイナミックダンパ10の製造工程の簡略化と製造コストの低減を達成することができる。
【0028】
つぎに、実施形態について説明する。実施形態においては、図5、図6に示すように、円筒形の質量金具21の軸方向の両端側にて、その外周面の周方向に沿った複数箇所に設けた凹部22について、軸直角断面形状を略長方形とし、その径方向の底面22aを、凹部22の軸方向内端から外端に向けて外径が小さくなるように傾斜した傾斜面としたものである。これにより、質量金具21を鍛造で形成する場合に、凹部22の底面22aが傾斜面となっているので、鍛造の型抜き作業がスムーズに行われる。その結果、質量金具21の鍛造による形成が、安価にかつ信頼性よく行われる。なお、底面22aの形状としては平面に限らず、凹曲面形状等であってもよい。
【0029】
なお、上記実施形態においては、ダイナミックダンパを車両のドライブシャフトの振動低減用として適用しているが、その他の同様の用途に対しても適用することができる。その他、上記実施形態に示したダイナミックダンパについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、質量金具の凹部内に充填されたゴム弾性体被覆部と凹部との間の隙間の発生が抑えられ、ゴム弾性体被覆部が凹部にほぼ接触した状態で係合するため、ダイナミックダンパに振動入力が加えられた際に、質量金具のゴム弾性体被覆部等に対する周方向の回動が抑えられる。その結果、請求項1の発明においては、ゴム弾性体被覆部等により質量金具を保持する保持力が安定して確保され、それによりダイナミックダンパの安定した振動減衰特性が得られ、さらに、ゴム弾性体被覆部の損傷が防止され、ゴム弾性体被覆部の耐久性が確保される。また、凹部を質量金具の軸方向両端面かつ外周面の周方向に沿った複数個所にのみ設ければよいので、質量金具の質量減少を抑えつつ凹部の周方向の幅を適正に確保することができるため、焼結金属法により質量金具を成形する場合に成形金型の強度が確保され、また鍛造法による質量金具の成形も可能になる。さらに、凹部を設けたことにより質量金具の質量減少が抑えられるため、質量金具の形状を大きくしなくてもよく、ダイナミックダンパの占有空間の広がりが抑えられる。
【0031】
また、凹部を軸方向に対向して設けることにより、凹部内に充填されたゴム弾性体被覆部に外周側から加えられる引張り力が軸方向に揃えられるため、ゴム弾性体被覆部において捩れ方向の力の発生が抑えられ、その結果、ゴム弾性体被覆部による質量金具保持機能がバランス良く確保される。また、凹部の底面を、凹部の軸方向内端から外端に向けて外径が小さくなるように傾斜した傾斜面としたことにより、鍛造の型抜き作業がスムーズに行われ質量金具の鍛造による形成が、安価にかつ信頼性よく行われる。なお、凹部の軸方向長さを2mm以上とし、深さを1mm以上とすることにより、ダイナミックダンパを回転軸に圧入により組み付ける際に、ゴム弾性体被覆部の食い込み部分が凹部から外れ難く組み付けが容易になり、また、ゴム弾性体被覆部の凹部への食い込みによる質量金具の回動を防止する機能が確実に達成される(請求項2の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例であるダイナミックダンパを示す図2のI−I線方向の断面図である。
【図2】ダイナミックダンパを示す側面図である。
【図3】ダイナミックダンパを構成する質量金具を示す側面図である。
【図4】質量金具を示す図3のIV−IV線方向の断面図である。
【図5】実施形態であるダイナミックダンパを構成する質量金具を示す側面図である。
【図6】質量金具を示す図5のVI−VI線方向の断面図である。
【図7】従来例であるダイナミックダンパを示す軸線位置での断面図及びその軸直角断面の一部分を拡大して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10…ダイナミックダンパ、11…質量金具、12…凹部、14…ゴム弾性体取付部、16…ゴム弾性体連結部、18,19…ゴム弾性体被覆部、19a…突出部、21…質量金具、22a…底面、S…ドライブシャフト。

Claims (2)

  1. 筒状の質量金具と、該質量金具の軸方向両端から外方に所定距離を隔てて同軸状に配設された該質量金具の内径より小さい内径を有する筒状の一対のゴム弾性体取付部と、前記質量金具の軸方向両端と前記一対のゴム弾性体取付部の軸方向内端との間をそれぞれ周方向全周に沿って連結する筒状の一対のゴム弾性体連結部と、前記質量金具の内外周面を被覆するゴム弾性体被覆部とを設けてなり、制振対象である回転軸の外周側に挿嵌され、前記ゴム弾性体連結部及び前記内周面側のゴム弾性体被覆部と前記回転軸の外周面との間に全周に沿って隙間を設けると共に前記ゴム弾性体取付部にて該回転軸に圧着固定されるダイナミックダンパにおいて、
    前記質量金具が焼結金属法又は鍛造法で形成されており、前記ゴム弾性体連結部及びゴム弾性体被覆部が、前記質量金具に対して非接着であり、さらに該質量金具の軸方向両端面かつ外周面の周方向に沿った複数箇所にて、両端から軸方向内方に延びると共に軸心方向に凹んだ凹部を設け、該凹部内が前記ゴム弾性体被覆部で充填されており、前記質量金具の両端に設けた前記凹部が、それぞれ軸方向に対向して配設されており、前記凹部の径方向の底面が、該凹部の軸方向内端から外端に向けて外径が小さくなるように傾斜した傾斜面であることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記凹部が、その軸方向長さが2mm以上であり、深さが1mm以上であることを特徴とする前記請求項1に記載のダイナミックダンパ。
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