JP2004232822A - エンジンマウント - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンマウントにおいて、軸直角方向の振動入力や斜め方向の力に対して、異音の発生を抑える。
【解決手段】エンジンマウント10は、軸方向中間位置にて径方向に延びた突起部13を有する棒状の取付金具11と、取付金具から軸方向に離間して配置された本体金具16と、両金具11,16との間を弾性的に連結すると共に本体金具の軸方向一端側を閉塞するゴム弾性体本体25と、本体金具の一端側に同軸状に固定されて取付金具側に延びると共にその先端側にて軸心側に延びて突起部を覆う係合金具34とを備えると。突起部の径方向外端側には、第1突出ゴム部29が固定されている。係合金具内周面には、第2突出ゴム部42が第1突出ゴム部に対向して突出している。第2突出ゴム部の突出面には、軸方向に延びた複数の溝部47が設けられており、溝部で分離された線状凸部48が突出している。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジンマウント10は、軸方向中間位置にて径方向に延びた突起部13を有する棒状の取付金具11と、取付金具から軸方向に離間して配置された本体金具16と、両金具11,16との間を弾性的に連結すると共に本体金具の軸方向一端側を閉塞するゴム弾性体本体25と、本体金具の一端側に同軸状に固定されて取付金具側に延びると共にその先端側にて軸心側に延びて突起部を覆う係合金具34とを備えると。突起部の径方向外端側には、第1突出ゴム部29が固定されている。係合金具内周面には、第2突出ゴム部42が第1突出ゴム部に対向して突出している。第2突出ゴム部の突出面には、軸方向に延びた複数の溝部47が設けられており、溝部で分離された線状凸部48が突出している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のエンジンマウントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のエンジンマウントは、例えば図5に示すように、軸方向中間位置にて軸直角方向に延びた突起部2aを設けた棒状の取付金具2と、取付金具2の他端側にて外方に離間して同軸状に配置されると共に、軸方向外方に延設された筒状の本体金具3と、両金具2,3との間を弾性的に連結すると共に本体金具3の一端側を閉塞するゴム弾性体本体4と、本体金具3の一端側に同軸状に固定されて取付金具2側に突起部2aを越えて延び、その先端側にて軸心側に延びて突起部2aを覆うフランジ部5aを有する係合金具5とを設けている。突起部2aは、径方向外端側及び上側に突出ゴム部6が固定されている。また、取付金具2の一端側には、円盤状のゴム弾性体製のストッパ部材7が固定されている。さらに、エンジンマウント1の本体金具3の他端側には、オリフィス部材8a及びダイヤフラム部材8bが順次挿嵌固定されており、他端側を閉塞すると共に、本体金具3、ゴム弾性体本体4と共に内部に液体が封入された上下一対の液室K1,K2を形成している。
【0003】
このエンジンマウント1は、取付金具2を上にして軸方向を上下に向けて配置され、取付金具2に固定されたエンジン側ブラケットEにてエンジン側に固定され、本体金具3に固定された取付ブラケット9にて車体側に固定される。エンジンマウント1は、車両上下方向の主振動入力を、オリフィス部材8aを液体が還流することによる液柱共振作用や、ゴム弾性体本体4の弾性作用により減衰させるものである。そして、過大な主振動入力に対しては、その圧縮側入力は係合金具5の上面とストッパ部材7との当接により抑えられ、その引張側入力は係合金具5の下面と突出ゴム部6上面側との当接により抑えられるようになっている。エンジンマウント1と同様の構造の防振装置については、例えば特許文献1,2,3等に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−30672号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−257182号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−266927号公報(第2頁、図1,2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンマウント1は、そのエンジン支持形態によって、上記主振動入力の他に車両の水平方向に相当するエンジンマウント1の軸直角方向の振動入力も大きくなるため、これを抑制する必要がある。そのため、エンジンマウント1は、係合金具5の内周面と突出ゴム部6の外端側との当接により軸直角方向の振動入力を抑えるようにしている。しかし、過大な振動入力を係合金具5の内周面と突出ゴム部6間の1箇所のみで受けることになるため、突出ゴム部6の外端面が摩耗し、その結果、突起部2aの金属部分が露出して、係合金具5との衝突による異音が発生するおそれがある。さらに、エンジン自体が回転するいわゆるローリングあるいはピッチングにより、突出ゴム部6の係合金具5への当接時に、当接部分に単純な軸直角方向の力だけではなく、斜め方向の力も加わることにより、突出ゴム部6が係合金具5に当接したまま、さらに上下方向に動くことになる。そのため、突出ゴム部6と係合金具5内周面との間で滑りが発生し、これにより異音が生じることがある。
【0006】
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、軸直角方向の大きな振動入力による突出ゴム部の摩耗を抑え、さらにエンジンのローリング等による斜め方向の力による突出ゴム部と係合金具間の滑りを抑え、それらによる異音の発生を抑えることができるエンジンマウントを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、棒状であって、軸方向中間位置にて軸直角方向に延びた突起部を設け、軸方向一端側にてエンジン側に取り付けられる取付金具と、取付金具の他端側にて外方に離間して同軸状に配置されると共に、軸方向外方に延設され、車体側に取り付けられる筒状の本体金具と、取付金具と本体金具との間を弾性的に連結すると共に本体金具の軸方向一端側を閉塞するゴム弾性体本体と、本体金具の一端側に同軸状に固定されて取付金具側に延びると共に、その先端側にて軸心側に延びて突起部を覆う筒状の係合金具と、突起部の外端側に固定された第1突出ゴム部と、係合金具の内周面に配設されて第1突出ゴム部に対向して突出すると共に、突出表面側に軸方向に延びた複数の溝部が形成された第2突出ゴム部とを設けたことにある。
【0008】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、第2突出ゴム部が、係合金具の内周面に配設されて第1突出ゴム部に対向して突出しているため、エンジンマウントへの軸直角方向の過大な振動入力に対しては、第1突出ゴム部と第2突出ゴム部とが当接することにより、取付金具と本体金具間の過大な変位が抑えられる。その際、振動入力を2つの突出ゴム部で受けることができるため、振動入力による負荷が第1及び第2突出ゴム部に分散される。そのため、第1及び第2突出ゴム部の摩耗が抑えられ、ゴム部の摩耗による突起部及び係合金具の露出が長期にわたって防止される。さらに、第2突出ゴム部の突出表面側は、軸方向に延びた複数の溝部によって分離された複数の線状の凸部が突出していることにより、第1突出ゴム部が第2突出ゴム部に当接したとき、凸部がそれに応じて柔軟に変形できる。そのため、エンジンのローリング等による斜め方向の力が加えられたとき、第1及び第2突出ゴム部間に滑りが生じ難くされる。その結果、金具同士の当接や、第1及び第2突出ゴム部間の滑りによる異音の発生が抑えられる。
【0009】
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のエンジンマウントにおいて、第2突出ゴム部が係合金具の内周面に対して非接着にされたことにある。このように、第2突出ゴム部が係合金具の内周面に非接着で形成されたことにより、その形成のためのコストが安価にされる。
【0010】
また、上記請求項3に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載のエンジンマウントにおいて、第2突出ゴム部が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴムにより形成されたことにある。なお、自己潤滑ゴムとしては、摩擦係数が低いゴム材料であり、ゴムに合成ワックスを配合したもの、熱硬化型ポリウレタンエラストマにシリコーンオイルを配合したもの、ゴム弾性体に不飽和脂肪酸アミドを含有したもの等がある。このように、第2突出ゴム部が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴムにより形成されたことにより、第1及び第2突出ゴム部が当接した際に、両者間の接触が滑らかにされる。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力が加えられたとき、第1及び第2突出ゴム部間の滑りによる異音の発生が抑えられる。
【0011】
また、上記請求項4に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンマウントにおいて、取付金具の突起部の軸直角方向外端面が、外方に膨らんだ凸曲面形状にされたことにある。これにより、突起部側が係合金具側に当接したとき、その凸曲面状の外端に対応する第1突出ゴム部の部分と第2突出ゴム部の線状の凸部とが緊密に接触する。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部の滑りがさらに有効に抑えられることにより、第1及び第2突出ゴム部の摩耗もさらに抑えられる。
【0012】
また、上記請求項5に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンマウントにおいて、本体金具の他端側に挿嵌により固定され、他端側を閉塞して本体金具及びゴム弾性体本体と共に内部に液体が封入された液室を形成する封止部材を設けたことにある。このように、請求項1から5の発明を、本体金具の他端側に封止部材を挿嵌により固定して、他端側を閉塞して液体が封入された液室を備えた液体封入式エンジンマウントに適用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態である自動車のエンジン支持用の防振装置である液体封入式エンジンマウント(以下、エンジンマウントと記す)を断面図により示し、図2は係合金具を断面図により示し、さらに図3はエンジンマウントの自動車への取り付け状態を断面図により示したものである。
【0014】
エンジンマウント10は、軸方向中間位置にて径方向に延びた突起部13を有する丸棒状の取付金具11と、取付金具11の下端側にて外方に離間して同軸状に配置されると共に軸方向下方に延設された本体金具16と、両金具11,16との間を弾性的に連結すると共に本体金具16の軸方向一端側を閉塞するゴム弾性体本体25と、本体金具16の一端側に同軸状に固定されて取付金具11側に突起部13を越えて延びると共に、その先端側にて軸心側に延びて突起部13を覆う係合金具34と、突起部13の径方向外端側に固定された第1突出ゴム部29と、係合金具34の内外周面に配設されたゴム弾性体層41と、本体金具16の他端側に圧入された封止部材であるオリフィス部材31及びダイヤフラム部材32とを備えている。これら本体金具16と、ゴム弾性体本体25とオリフィス部材31及びダイヤフラム部材32とによって囲まれた内部には、上液室K1及び下液室K2が形成されている。
【0015】
エンジンマウント10は、取付金具11をエンジン側ブラケット51に固定することによりエンジン側に取り付けられ、本体金具16に装着された補強金具23に取り付けられた取付ブラケット24により車体側部材52に固定される。以下、エンジンマウント10についてさらに詳しく説明する。なお、以下の説明において、エンジンマウント10の各部の上下関係については、図1の上下に合わせることとする。
【0016】
取付金具11は、大径の丸棒形状の軸部12と、軸部12の軸方向中央位置にて径方向外方に突出した環状の厚板である突起部13とを一体で有している。軸部12は、突起部13を挟んだ上側全体及び下側にわずかに延びた部分が大径部12aになっている。軸部12の下端側は小径部12bになっており、小径部12bと大径部12aとの間が略円錐形状に傾斜して延びた円錐部12cになっている。軸部12の軸心位置には、上端面から円錐部12cの上端位置まで延びた取付孔14が設けられており、取付孔14の略上半分にはねじ溝が形成されている。突起部13は、径方向外端面13aが、径方向に円弧状に膨らんだ凸曲面形状になっている。さらに、突起部13の上下面及び径方向外端面には、第1突出ゴム部29が加硫成形により所定厚さで接着形成されている。なお、第1突出ゴム部29は、突起部13の外端にて係合金具34に囲まれた内部に形成されるもので、その径方向の肉厚が厚くならないように制限される。
【0017】
本体金具16は、略円筒形の筒部17と、筒部17の上端開口周縁にて径方向外方にわずかに延びた環状のフランジ部22とを一体で設けている。筒部17は、上端から軸方向の略中間位置に至る大径部18と、大径部18から下端近傍に至る中径部19と、その下側の小径部21とからなる。小径部21については、下端側が縮径された縮径部21aになっており、さらに最下端部が軸心方向にわずかに傾斜して折り曲げられた内側曲げ部21bに形成されている。縮径部21a及び内側曲げ部21bについては、上記オリフィス部材31及びダイヤフラム部材32が筒部17内に挿着された後に、それらの抜け止めのために絞り加工により形成される。
【0018】
本体金具16は、板材にプレス成形(絞り加工)を施すことによって形成されたものであり、筒部17の下端開口はプレス成形の絞り加工の工程中において下端側の内側底壁部分を打ち抜く加工によって形成される。さらに、本体金具16には、筒部17の外周面に円筒形の補強金具23が圧入により挿嵌されて固定されている。補強金具23は、本体金具16より肉厚のストレートな金具であり、軸方向長さが本体金具16よりわずかに短く、その内径が本体金具16の大径部の外径よりわずかに小さくされている。補強金具23は、その上端に径方向外方にわずかに延びたフランジ部23aを有しており、本体金具16のフランジ部22に重ね合わされるようになっている。補強金具23の外周面の1箇所には、エンジンマウント10を車体側部材52に取り付けるための取付ブラケット24が溶接により固定されており、軸方向下方に突出している。
【0019】
ゴム弾性体本体25は、本体金具16の大径部18内周面の全周に沿って接着されており、大径部18の上端側開口を閉鎖している。また、ゴム弾性体本体25は、本体金具16の上端から軸方向外方に略円錐状に膨出して、上記取付金具11の突起部13より下側部分の表面に接着されており、上記第1突出ゴム部29につながっている。その結果、取付金具11は、突起部13より下側部分がゴム弾性体本体25に同軸状に埋設された状態となっている。ゴム弾性体本体25は、本体金具16の内部の上記大径部18の略下端位置で軸直角方向内方にわずかに広がる環状の底部26になっており、さらに底部26の内端にて軸心を中心として略山形に凹んだ凹み部27を設けている。また、本体金具16内周面の中径部19を経て小径部21の略中間位置に至る部分には、薄肉のゴム弾性体製の被覆部28が設けており、ゴム弾性体本体25の下端につながっている。これらゴム弾性体本体25、第1突出ゴム部29及び被覆部28は、NR,EPDM等の通常のゴム材料を用いて、加硫成形により一体で形成される。
【0020】
筒部17内の被覆部28を含む下端近傍位置までの空間内には、軸方向内側から順に封止部材であるオリフィス部材31とダイヤフラム部材32が同軸的に挿着されている。オリフィス部材31は、円盤形状であって、その外周縁部に沿って断面が略コ字状のオリフィス通路31aを設けており、その一端側が軸方向上方(上液室K1)に開口した上開口部(図示しない)になっており、他端側が軸方向下方(下液室K2)に開口した下開口部(図示しない)になっている。このオリフィス部材31で仕切られた上記ゴム弾性体本体25の山形凹み部27内が、上液室K1に形成されている。ダイヤフラム部材32は、リング状の金具32aの内側に軸方向の一方に膨らんだゴム製の薄膜32bを設けたものであり、薄膜32bはオリフィス部材31方向に膨らんだ状態で配置される。ダイヤフラム部材32とオリフィス部材31とに囲まれて下液室K2が形成される。
【0021】
係合金具34は、図1,図2に示すように、本体金具16の大径部18と略同一径で肉厚の円筒形の筒部35と、その軸方向上端にて径方向内方に延びる上フランジ部36と、軸方向下端にて径方向外方にわずかに延びる下フランジ部37と、下フランジ部37の外端側で軸方向下方にわずかに延びる取付部38とを一体で設けている。上フランジ部36の開口部36aの内径は、取付金具11の突起部13の外径よりわずかに小さくなっている。下フランジ部37の外径は、本体金具16のフランジ部22の外径よりわずかに大きくなっている。筒部35の下フランジ部37側には、壁面を貫通した連通孔35aが設けられている。係合金具34も、本体金具16と同様に板材にプレス加工を施すことにより形成される。そして、筒部35の軸方向上端から連通孔35aのわずかに下側に至る間の内外周面、及び上フランジ部36上下両面には、上述した自己潤滑ゴム材料からなるゴム弾性体層41が被覆されている。
【0022】
ゴム弾性体層41は、筒部35内周面の第2突出ゴム部42と、筒部35外周面の外側ゴム部43と、上フランジ部36の上面の上ストッパゴム部44と、上フランジ部36の下面の下ストッパゴム部45と、上フランジ部36の開口部36aにて上下ストッパゴム部44,45を周方向全周に沿って連結する連結ゴム部46とを一体で設けている。すなわち、第2突出ゴム部42の上端と下ストッパゴム部45の外端とが連結されており、外側ゴム部43の上端と上ストッパゴム部44の外端とが連結されており、さらに第2突出ゴム部42と外側ゴム部43とは連通孔35aを通して繋げられている。連結ゴム部46の内径は、取付金具11の大径部12aの外径に対して十分に大きくなっている。上ストッパゴム部44と第2突出ゴム部42とは厚肉になっており、これに対して下ストッパゴム部45と外側ゴム部43は薄肉になっている。
【0023】
第2突出ゴム部42は、図2に示すように、周方向に沿って所定ピッチでかつ軸方向両端間に延びた多数の線状の溝部47を設けており、溝部47によって分離されて相対的に軸心方向にわずかに突出した多数の線状凸部48を設けている。線状凸部48は軸直角断面が半円形状になっている。ただし、線状凸部の断面形状については、半円形の他に三角形、長方形、台形等種々の形状が可能である。また、溝部47の周方向の幅、径方向の深さは、本実施形態では、幅が約2mm、深さが約3mmにされており、つまり、線状凸部48が各々独立して柔軟に変形可能となるような寸法に設定されている。ゴム弾性体層41は、上記自己潤滑ゴム材料を用いて、係合金具34に非接着で一体成形される。このようにゴム弾性体層41で被覆された係合金具34は、開口部36aを取付金具11に挿入しかつ下フランジ部37をフランジ部22の上面に重ね合わせた状態で、取付部38の下側部分を軸心方向に折り返してフランジ部22に重ね合わせることにより、本体金具16に加締め付けられた状態で固定される。
【0024】
上記エンジンマウント10の形成については、まず取付金具11と本体金具16を、所定の成形金型(図示しない)に装着し、ゴム弾性体材料を注入して加硫成形を行うことにより、ゴム弾性体本体25、第1突出ゴム部29及び被覆部28が一体で形成される。この成形品を液体中に浸漬し、筒部17内に順次オリフィス部材31とダイヤフラム部材32を挿着して上下液室K1,K2内に液体を封入した後、本体金具16の小径部21に絞り加工を施すことにより、オリフィス部材31とダイヤフラム部材32は、筒部17内に強固に保持されさらに内側曲げ部21bによって係止されることにより、本体金具16からの脱落が防止される。なお、上下液室K1,K2内に封入される液体として、非圧縮性液体が封入されており、例えば水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が何れも採用可能であり、特に液体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性液体が好適に採用される。
【0025】
つぎに、本体金具16の外周側に、補強金具23が圧入により固定され、補強金具23に取付ブラケット24が溶接固定される。さらに、ゴム弾性体層41で被覆された係合金具34が本体金具16に取り付けられて、エンジンマウント10が得られる。このエンジンマウント10の車両への組付けは、以下の手順で行われる。図3に示すように、取付金具11の上端面にエンジン側ブラケット51を重ね、取付孔14にボルト55を螺着させることにより、取付金具11がエンジン側ブラケット51に取り付けられる。なお、エンジンマウント10のブラケット51への取り付けについては、第2突出ゴム部42が係合金具34の内周面の周方向全周に設けられていることにより、取り付けの方向性がないので、取り付けの作業性が高められる。
【0026】
つぎに、補強金具23に固定された取付ブラケット24を車体側部材52に位置合せし、取付孔を介してボルト56を挿通させ、車体側部材52側でナット57に螺着させることにより、取付ブラケット24が車体側部材52に取り付けられる。エンジン側ブラケット51と車体側部材52とに組み付けられたエンジンマウント10は、図3に示すように、エンジンの荷重を受けて取付金具11が下方に押され、その結果、係合金具34の上フランジ部36が、エンジン側ブラケット51と第1突出ゴム部29の上面との間のほぼ中間に位置するようになる。
【0027】
上記のように構成した実施形態においては、エンジン側ブラケット51と車体側部材52とに組み付けられたエンジンマウント10に、上下方向の主振動入力が加えられると、係合金具34の上フランジ部36に設けた上下ストッパゴム部44,45が、エンジン側ブラケット51と第1突出ゴム部29の上面に当接しない範囲では、マウント本来の振動減衰作用が発揮され、エンジン側から車体側への振動伝達が抑えられる。一方、車体側から過大な振動入力が加えられたり、車両の発進時や急加減速時にエンジンの動きが大きくなったりすると、上ストッパゴム部44とエンジン側ブラケット51との当接、及び下ストッパゴム部45と第1突出ゴム部29との当接によって、エンジン側と車体側の間の過大な変位が抑えられる。
【0028】
一方、エンジンマウント10への車両の水平方向の過大な振動入力に対しては、取付金具11の突起部13に設けた第1突出ゴム部29と、第1突出ゴム部29と対向した係合金具34の内周面に設けた第2突出ゴム部42とが当接することにより取付金具11側と本体金具16側の間の過大な変位が抑えられる。その際、振動入力を2つの突出ゴム部29,42で受けることができるため、振動入力による負荷が第1及び第2突出ゴム部29,42に分散される。そのため、第1及び第2突出ゴム部29,42の摩耗が抑えられ、それによる突起部13及び係合金具34の露出が長期にわたって防止される。さらに、第2突出ゴム部42の突出表面側は、軸方向に延びた複数の溝部47によって分離された複数の線状凸部48が突出していることにより、第1突出ゴム部29が当接したとき、線状凸部48がそれに応じて柔軟に変形できる。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力を受けたとき、第1及び第2突出ゴム部29,42間の滑りが生じ難くされる。その結果、本実施形態においては、係合金具34及び突起部13の接触や、第1及び第2突出ゴム部29,42の摩擦による異音の発生が抑えられる。
【0029】
また、第2突出ゴム部42が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴムにより形成されたことにより、第1及び第2突出ゴム部29,42が当接した際に、両者間の接触が滑らかにされる。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力が加えられたとき、第1及び第2突出ゴム部29,42間の滑りによる異音の発生が効果的に抑えられる。さらに、取付金具11の突起部13の外端面13aが、軸方向外方に膨らんだ凸曲面形状にされたことにより、その突出部分に対応する第1突出ゴム部29の部分と第2突出ゴム部42の線状凸部48とが緊密に接触する。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部29,42の滑りが効果的に抑えられ、両者の摩耗が抑えられると共に異音の発生も抑えられる。また、第2突出ゴム部42を含むゴム弾性体層41が、係合金具34に非接着で形成されたことにより、その形成のためのコストが安価にされる。
【0030】
つぎに、上記実施形態の変形例について説明する。変形例は、液体封入式ではないゴム弾性体本体のみで振動を減衰させるエンジンマウントに、本発明の軸直角方向の過大な振動を抑えるストッパ構造を採用したものである。すなわち、図4に示すように、エンジンマウント60は、上記エンジンマウント10において、本体金具61及び補強金具62の軸方向長さを短くすると共に、オリフィス部材及びダイヤフラム部材を省略したものである。また、補強金具62には、その外周面全面を囲んで取付ブラケット63が取り付けられている。このような非液体封入式のエンジンマウント60においても、水平方向(軸直角方向)の振動入力、及びエンジンのローリング等に基づく斜め方向の力に対して、異音を発生させることのないようにすることができる。
【0031】
なお、上記実施形態においては、第2突出ゴム部42については、係合金具34の内周面の周方向全周に設けられているが、振動入力方向に対応する一部分にのみ設けることも可能である。また、上下方向の過大な振動を抑えるストッパ部材として、エンジン側ブラケット51が兼用されているが、これに代えて、別個のストッパ部材を用意して取付金具の一端側に固定するようにしてもよい。さらに、上記実施形態においては、第2突出ゴム部42を含むゴム弾性体層41が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴム材料により形成されており、異音抑制等の効果が高められているが、これに代えて、異音抑制効果が多少低下するが、ゴム弾性体本体25に用いられるような通常のゴム材料によりゴム弾性体層41を安価に形成することも可能である。
【0032】
また、エンジンマウントの各部材の具体的外形等については、上記実施形態に示したものに限られるものではなく、例えば、取付金具、本体金具、ゴム弾性体本体、係合金具等の形状について適宜変更可能である。その他、上記各実施形態に示したものは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々変更して実施することが可能である。
【0033】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、エンジンマウントへの軸直角方向の過大な振動入力に対しては、取付金具の突起部に設けた第1突出ゴム部と、係合金具の内周面に設けた第2突出ゴム部とが当接することにより、振動入力による負荷が第1及び第2突出ゴム部に分散され、第1及び第2突出ゴム部の摩耗が抑えられる。さらに、第2突出ゴム部の突出表面側の線状の凸部が柔軟に変形できるため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部間の滑りが生じ難くされる。その結果、請求項1の発明においては、金具の露出、突出ゴム部の滑り等による異音の発生が長期にわたって防止される。
【0034】
また、第2突出ゴム部が係合金具の内周面に非接着で形成されたことにより、その形成のためのコストが安価にされる(請求項2の発明の効果)。さらに、第2突出ゴム部が自己潤滑ゴムにより形成されたことにより、第1及び第2突出ゴム部間の接触が滑らかにされるため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力を受けた際の、第1及び第2突出ゴム部間の滑りによる異音の発生が抑えられる(請求項3の発明の効果)。
【0035】
また、取付金具の突起部の軸直角方向外端が凸曲面形状にされたことにより、凸曲面状の外端面に対応する第1突出ゴム部の部分と第2突出ゴム部の凸部とが緊密に接触し、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部の滑りがさらに有効に抑えられ、両突出ゴム部の摩耗も抑えられる。(請求項4の発明の効果)。また、請求項1から4の発明を、本体金具の他端側が封止部材で閉塞して液体が封入された液室を備えた液体封入式エンジンマウントに適用することができる(請求項5の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液体封入式エンジンマウントを示す軸線位置での断面図である。
【図2】係合金具のIIa−IIa線方向及びIIb−IIb線方向の断面図である。
【図3】同エンジンマウントの車両への組み付け状態を示す部分断面図である。
【図4】変形例であるエンジンマウントを示す断面図である。
【図5】従来例である液体封入式エンジンマウントを示す断面図である。
【符号の説明】
10,60…液体封入式エンジンマウント、11…取付金具、13…突起部、16…本体金具、17…筒部、22…フランジ部、24…取付ブラケット、25…ゴム弾性体本体、29…第1突出ゴム部、34…係合金具、35…筒部、36…上フランジ部、36a…開口部、37…下フランジ部、38…取付部、41…ゴム弾性体層、42…第2突出ゴム部、44…上ストッパゴム部、45…下ストッパゴム部、47…溝部、48…線状凸部、51…エンジン側ブラケット、52…車体側部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のエンジンマウントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のエンジンマウントは、例えば図5に示すように、軸方向中間位置にて軸直角方向に延びた突起部2aを設けた棒状の取付金具2と、取付金具2の他端側にて外方に離間して同軸状に配置されると共に、軸方向外方に延設された筒状の本体金具3と、両金具2,3との間を弾性的に連結すると共に本体金具3の一端側を閉塞するゴム弾性体本体4と、本体金具3の一端側に同軸状に固定されて取付金具2側に突起部2aを越えて延び、その先端側にて軸心側に延びて突起部2aを覆うフランジ部5aを有する係合金具5とを設けている。突起部2aは、径方向外端側及び上側に突出ゴム部6が固定されている。また、取付金具2の一端側には、円盤状のゴム弾性体製のストッパ部材7が固定されている。さらに、エンジンマウント1の本体金具3の他端側には、オリフィス部材8a及びダイヤフラム部材8bが順次挿嵌固定されており、他端側を閉塞すると共に、本体金具3、ゴム弾性体本体4と共に内部に液体が封入された上下一対の液室K1,K2を形成している。
【0003】
このエンジンマウント1は、取付金具2を上にして軸方向を上下に向けて配置され、取付金具2に固定されたエンジン側ブラケットEにてエンジン側に固定され、本体金具3に固定された取付ブラケット9にて車体側に固定される。エンジンマウント1は、車両上下方向の主振動入力を、オリフィス部材8aを液体が還流することによる液柱共振作用や、ゴム弾性体本体4の弾性作用により減衰させるものである。そして、過大な主振動入力に対しては、その圧縮側入力は係合金具5の上面とストッパ部材7との当接により抑えられ、その引張側入力は係合金具5の下面と突出ゴム部6上面側との当接により抑えられるようになっている。エンジンマウント1と同様の構造の防振装置については、例えば特許文献1,2,3等に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−30672号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−257182号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−266927号公報(第2頁、図1,2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンマウント1は、そのエンジン支持形態によって、上記主振動入力の他に車両の水平方向に相当するエンジンマウント1の軸直角方向の振動入力も大きくなるため、これを抑制する必要がある。そのため、エンジンマウント1は、係合金具5の内周面と突出ゴム部6の外端側との当接により軸直角方向の振動入力を抑えるようにしている。しかし、過大な振動入力を係合金具5の内周面と突出ゴム部6間の1箇所のみで受けることになるため、突出ゴム部6の外端面が摩耗し、その結果、突起部2aの金属部分が露出して、係合金具5との衝突による異音が発生するおそれがある。さらに、エンジン自体が回転するいわゆるローリングあるいはピッチングにより、突出ゴム部6の係合金具5への当接時に、当接部分に単純な軸直角方向の力だけではなく、斜め方向の力も加わることにより、突出ゴム部6が係合金具5に当接したまま、さらに上下方向に動くことになる。そのため、突出ゴム部6と係合金具5内周面との間で滑りが発生し、これにより異音が生じることがある。
【0006】
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、軸直角方向の大きな振動入力による突出ゴム部の摩耗を抑え、さらにエンジンのローリング等による斜め方向の力による突出ゴム部と係合金具間の滑りを抑え、それらによる異音の発生を抑えることができるエンジンマウントを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、棒状であって、軸方向中間位置にて軸直角方向に延びた突起部を設け、軸方向一端側にてエンジン側に取り付けられる取付金具と、取付金具の他端側にて外方に離間して同軸状に配置されると共に、軸方向外方に延設され、車体側に取り付けられる筒状の本体金具と、取付金具と本体金具との間を弾性的に連結すると共に本体金具の軸方向一端側を閉塞するゴム弾性体本体と、本体金具の一端側に同軸状に固定されて取付金具側に延びると共に、その先端側にて軸心側に延びて突起部を覆う筒状の係合金具と、突起部の外端側に固定された第1突出ゴム部と、係合金具の内周面に配設されて第1突出ゴム部に対向して突出すると共に、突出表面側に軸方向に延びた複数の溝部が形成された第2突出ゴム部とを設けたことにある。
【0008】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、第2突出ゴム部が、係合金具の内周面に配設されて第1突出ゴム部に対向して突出しているため、エンジンマウントへの軸直角方向の過大な振動入力に対しては、第1突出ゴム部と第2突出ゴム部とが当接することにより、取付金具と本体金具間の過大な変位が抑えられる。その際、振動入力を2つの突出ゴム部で受けることができるため、振動入力による負荷が第1及び第2突出ゴム部に分散される。そのため、第1及び第2突出ゴム部の摩耗が抑えられ、ゴム部の摩耗による突起部及び係合金具の露出が長期にわたって防止される。さらに、第2突出ゴム部の突出表面側は、軸方向に延びた複数の溝部によって分離された複数の線状の凸部が突出していることにより、第1突出ゴム部が第2突出ゴム部に当接したとき、凸部がそれに応じて柔軟に変形できる。そのため、エンジンのローリング等による斜め方向の力が加えられたとき、第1及び第2突出ゴム部間に滑りが生じ難くされる。その結果、金具同士の当接や、第1及び第2突出ゴム部間の滑りによる異音の発生が抑えられる。
【0009】
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のエンジンマウントにおいて、第2突出ゴム部が係合金具の内周面に対して非接着にされたことにある。このように、第2突出ゴム部が係合金具の内周面に非接着で形成されたことにより、その形成のためのコストが安価にされる。
【0010】
また、上記請求項3に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載のエンジンマウントにおいて、第2突出ゴム部が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴムにより形成されたことにある。なお、自己潤滑ゴムとしては、摩擦係数が低いゴム材料であり、ゴムに合成ワックスを配合したもの、熱硬化型ポリウレタンエラストマにシリコーンオイルを配合したもの、ゴム弾性体に不飽和脂肪酸アミドを含有したもの等がある。このように、第2突出ゴム部が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴムにより形成されたことにより、第1及び第2突出ゴム部が当接した際に、両者間の接触が滑らかにされる。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力が加えられたとき、第1及び第2突出ゴム部間の滑りによる異音の発生が抑えられる。
【0011】
また、上記請求項4に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンマウントにおいて、取付金具の突起部の軸直角方向外端面が、外方に膨らんだ凸曲面形状にされたことにある。これにより、突起部側が係合金具側に当接したとき、その凸曲面状の外端に対応する第1突出ゴム部の部分と第2突出ゴム部の線状の凸部とが緊密に接触する。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部の滑りがさらに有効に抑えられることにより、第1及び第2突出ゴム部の摩耗もさらに抑えられる。
【0012】
また、上記請求項5に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンマウントにおいて、本体金具の他端側に挿嵌により固定され、他端側を閉塞して本体金具及びゴム弾性体本体と共に内部に液体が封入された液室を形成する封止部材を設けたことにある。このように、請求項1から5の発明を、本体金具の他端側に封止部材を挿嵌により固定して、他端側を閉塞して液体が封入された液室を備えた液体封入式エンジンマウントに適用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態である自動車のエンジン支持用の防振装置である液体封入式エンジンマウント(以下、エンジンマウントと記す)を断面図により示し、図2は係合金具を断面図により示し、さらに図3はエンジンマウントの自動車への取り付け状態を断面図により示したものである。
【0014】
エンジンマウント10は、軸方向中間位置にて径方向に延びた突起部13を有する丸棒状の取付金具11と、取付金具11の下端側にて外方に離間して同軸状に配置されると共に軸方向下方に延設された本体金具16と、両金具11,16との間を弾性的に連結すると共に本体金具16の軸方向一端側を閉塞するゴム弾性体本体25と、本体金具16の一端側に同軸状に固定されて取付金具11側に突起部13を越えて延びると共に、その先端側にて軸心側に延びて突起部13を覆う係合金具34と、突起部13の径方向外端側に固定された第1突出ゴム部29と、係合金具34の内外周面に配設されたゴム弾性体層41と、本体金具16の他端側に圧入された封止部材であるオリフィス部材31及びダイヤフラム部材32とを備えている。これら本体金具16と、ゴム弾性体本体25とオリフィス部材31及びダイヤフラム部材32とによって囲まれた内部には、上液室K1及び下液室K2が形成されている。
【0015】
エンジンマウント10は、取付金具11をエンジン側ブラケット51に固定することによりエンジン側に取り付けられ、本体金具16に装着された補強金具23に取り付けられた取付ブラケット24により車体側部材52に固定される。以下、エンジンマウント10についてさらに詳しく説明する。なお、以下の説明において、エンジンマウント10の各部の上下関係については、図1の上下に合わせることとする。
【0016】
取付金具11は、大径の丸棒形状の軸部12と、軸部12の軸方向中央位置にて径方向外方に突出した環状の厚板である突起部13とを一体で有している。軸部12は、突起部13を挟んだ上側全体及び下側にわずかに延びた部分が大径部12aになっている。軸部12の下端側は小径部12bになっており、小径部12bと大径部12aとの間が略円錐形状に傾斜して延びた円錐部12cになっている。軸部12の軸心位置には、上端面から円錐部12cの上端位置まで延びた取付孔14が設けられており、取付孔14の略上半分にはねじ溝が形成されている。突起部13は、径方向外端面13aが、径方向に円弧状に膨らんだ凸曲面形状になっている。さらに、突起部13の上下面及び径方向外端面には、第1突出ゴム部29が加硫成形により所定厚さで接着形成されている。なお、第1突出ゴム部29は、突起部13の外端にて係合金具34に囲まれた内部に形成されるもので、その径方向の肉厚が厚くならないように制限される。
【0017】
本体金具16は、略円筒形の筒部17と、筒部17の上端開口周縁にて径方向外方にわずかに延びた環状のフランジ部22とを一体で設けている。筒部17は、上端から軸方向の略中間位置に至る大径部18と、大径部18から下端近傍に至る中径部19と、その下側の小径部21とからなる。小径部21については、下端側が縮径された縮径部21aになっており、さらに最下端部が軸心方向にわずかに傾斜して折り曲げられた内側曲げ部21bに形成されている。縮径部21a及び内側曲げ部21bについては、上記オリフィス部材31及びダイヤフラム部材32が筒部17内に挿着された後に、それらの抜け止めのために絞り加工により形成される。
【0018】
本体金具16は、板材にプレス成形(絞り加工)を施すことによって形成されたものであり、筒部17の下端開口はプレス成形の絞り加工の工程中において下端側の内側底壁部分を打ち抜く加工によって形成される。さらに、本体金具16には、筒部17の外周面に円筒形の補強金具23が圧入により挿嵌されて固定されている。補強金具23は、本体金具16より肉厚のストレートな金具であり、軸方向長さが本体金具16よりわずかに短く、その内径が本体金具16の大径部の外径よりわずかに小さくされている。補強金具23は、その上端に径方向外方にわずかに延びたフランジ部23aを有しており、本体金具16のフランジ部22に重ね合わされるようになっている。補強金具23の外周面の1箇所には、エンジンマウント10を車体側部材52に取り付けるための取付ブラケット24が溶接により固定されており、軸方向下方に突出している。
【0019】
ゴム弾性体本体25は、本体金具16の大径部18内周面の全周に沿って接着されており、大径部18の上端側開口を閉鎖している。また、ゴム弾性体本体25は、本体金具16の上端から軸方向外方に略円錐状に膨出して、上記取付金具11の突起部13より下側部分の表面に接着されており、上記第1突出ゴム部29につながっている。その結果、取付金具11は、突起部13より下側部分がゴム弾性体本体25に同軸状に埋設された状態となっている。ゴム弾性体本体25は、本体金具16の内部の上記大径部18の略下端位置で軸直角方向内方にわずかに広がる環状の底部26になっており、さらに底部26の内端にて軸心を中心として略山形に凹んだ凹み部27を設けている。また、本体金具16内周面の中径部19を経て小径部21の略中間位置に至る部分には、薄肉のゴム弾性体製の被覆部28が設けており、ゴム弾性体本体25の下端につながっている。これらゴム弾性体本体25、第1突出ゴム部29及び被覆部28は、NR,EPDM等の通常のゴム材料を用いて、加硫成形により一体で形成される。
【0020】
筒部17内の被覆部28を含む下端近傍位置までの空間内には、軸方向内側から順に封止部材であるオリフィス部材31とダイヤフラム部材32が同軸的に挿着されている。オリフィス部材31は、円盤形状であって、その外周縁部に沿って断面が略コ字状のオリフィス通路31aを設けており、その一端側が軸方向上方(上液室K1)に開口した上開口部(図示しない)になっており、他端側が軸方向下方(下液室K2)に開口した下開口部(図示しない)になっている。このオリフィス部材31で仕切られた上記ゴム弾性体本体25の山形凹み部27内が、上液室K1に形成されている。ダイヤフラム部材32は、リング状の金具32aの内側に軸方向の一方に膨らんだゴム製の薄膜32bを設けたものであり、薄膜32bはオリフィス部材31方向に膨らんだ状態で配置される。ダイヤフラム部材32とオリフィス部材31とに囲まれて下液室K2が形成される。
【0021】
係合金具34は、図1,図2に示すように、本体金具16の大径部18と略同一径で肉厚の円筒形の筒部35と、その軸方向上端にて径方向内方に延びる上フランジ部36と、軸方向下端にて径方向外方にわずかに延びる下フランジ部37と、下フランジ部37の外端側で軸方向下方にわずかに延びる取付部38とを一体で設けている。上フランジ部36の開口部36aの内径は、取付金具11の突起部13の外径よりわずかに小さくなっている。下フランジ部37の外径は、本体金具16のフランジ部22の外径よりわずかに大きくなっている。筒部35の下フランジ部37側には、壁面を貫通した連通孔35aが設けられている。係合金具34も、本体金具16と同様に板材にプレス加工を施すことにより形成される。そして、筒部35の軸方向上端から連通孔35aのわずかに下側に至る間の内外周面、及び上フランジ部36上下両面には、上述した自己潤滑ゴム材料からなるゴム弾性体層41が被覆されている。
【0022】
ゴム弾性体層41は、筒部35内周面の第2突出ゴム部42と、筒部35外周面の外側ゴム部43と、上フランジ部36の上面の上ストッパゴム部44と、上フランジ部36の下面の下ストッパゴム部45と、上フランジ部36の開口部36aにて上下ストッパゴム部44,45を周方向全周に沿って連結する連結ゴム部46とを一体で設けている。すなわち、第2突出ゴム部42の上端と下ストッパゴム部45の外端とが連結されており、外側ゴム部43の上端と上ストッパゴム部44の外端とが連結されており、さらに第2突出ゴム部42と外側ゴム部43とは連通孔35aを通して繋げられている。連結ゴム部46の内径は、取付金具11の大径部12aの外径に対して十分に大きくなっている。上ストッパゴム部44と第2突出ゴム部42とは厚肉になっており、これに対して下ストッパゴム部45と外側ゴム部43は薄肉になっている。
【0023】
第2突出ゴム部42は、図2に示すように、周方向に沿って所定ピッチでかつ軸方向両端間に延びた多数の線状の溝部47を設けており、溝部47によって分離されて相対的に軸心方向にわずかに突出した多数の線状凸部48を設けている。線状凸部48は軸直角断面が半円形状になっている。ただし、線状凸部の断面形状については、半円形の他に三角形、長方形、台形等種々の形状が可能である。また、溝部47の周方向の幅、径方向の深さは、本実施形態では、幅が約2mm、深さが約3mmにされており、つまり、線状凸部48が各々独立して柔軟に変形可能となるような寸法に設定されている。ゴム弾性体層41は、上記自己潤滑ゴム材料を用いて、係合金具34に非接着で一体成形される。このようにゴム弾性体層41で被覆された係合金具34は、開口部36aを取付金具11に挿入しかつ下フランジ部37をフランジ部22の上面に重ね合わせた状態で、取付部38の下側部分を軸心方向に折り返してフランジ部22に重ね合わせることにより、本体金具16に加締め付けられた状態で固定される。
【0024】
上記エンジンマウント10の形成については、まず取付金具11と本体金具16を、所定の成形金型(図示しない)に装着し、ゴム弾性体材料を注入して加硫成形を行うことにより、ゴム弾性体本体25、第1突出ゴム部29及び被覆部28が一体で形成される。この成形品を液体中に浸漬し、筒部17内に順次オリフィス部材31とダイヤフラム部材32を挿着して上下液室K1,K2内に液体を封入した後、本体金具16の小径部21に絞り加工を施すことにより、オリフィス部材31とダイヤフラム部材32は、筒部17内に強固に保持されさらに内側曲げ部21bによって係止されることにより、本体金具16からの脱落が防止される。なお、上下液室K1,K2内に封入される液体として、非圧縮性液体が封入されており、例えば水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が何れも採用可能であり、特に液体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性液体が好適に採用される。
【0025】
つぎに、本体金具16の外周側に、補強金具23が圧入により固定され、補強金具23に取付ブラケット24が溶接固定される。さらに、ゴム弾性体層41で被覆された係合金具34が本体金具16に取り付けられて、エンジンマウント10が得られる。このエンジンマウント10の車両への組付けは、以下の手順で行われる。図3に示すように、取付金具11の上端面にエンジン側ブラケット51を重ね、取付孔14にボルト55を螺着させることにより、取付金具11がエンジン側ブラケット51に取り付けられる。なお、エンジンマウント10のブラケット51への取り付けについては、第2突出ゴム部42が係合金具34の内周面の周方向全周に設けられていることにより、取り付けの方向性がないので、取り付けの作業性が高められる。
【0026】
つぎに、補強金具23に固定された取付ブラケット24を車体側部材52に位置合せし、取付孔を介してボルト56を挿通させ、車体側部材52側でナット57に螺着させることにより、取付ブラケット24が車体側部材52に取り付けられる。エンジン側ブラケット51と車体側部材52とに組み付けられたエンジンマウント10は、図3に示すように、エンジンの荷重を受けて取付金具11が下方に押され、その結果、係合金具34の上フランジ部36が、エンジン側ブラケット51と第1突出ゴム部29の上面との間のほぼ中間に位置するようになる。
【0027】
上記のように構成した実施形態においては、エンジン側ブラケット51と車体側部材52とに組み付けられたエンジンマウント10に、上下方向の主振動入力が加えられると、係合金具34の上フランジ部36に設けた上下ストッパゴム部44,45が、エンジン側ブラケット51と第1突出ゴム部29の上面に当接しない範囲では、マウント本来の振動減衰作用が発揮され、エンジン側から車体側への振動伝達が抑えられる。一方、車体側から過大な振動入力が加えられたり、車両の発進時や急加減速時にエンジンの動きが大きくなったりすると、上ストッパゴム部44とエンジン側ブラケット51との当接、及び下ストッパゴム部45と第1突出ゴム部29との当接によって、エンジン側と車体側の間の過大な変位が抑えられる。
【0028】
一方、エンジンマウント10への車両の水平方向の過大な振動入力に対しては、取付金具11の突起部13に設けた第1突出ゴム部29と、第1突出ゴム部29と対向した係合金具34の内周面に設けた第2突出ゴム部42とが当接することにより取付金具11側と本体金具16側の間の過大な変位が抑えられる。その際、振動入力を2つの突出ゴム部29,42で受けることができるため、振動入力による負荷が第1及び第2突出ゴム部29,42に分散される。そのため、第1及び第2突出ゴム部29,42の摩耗が抑えられ、それによる突起部13及び係合金具34の露出が長期にわたって防止される。さらに、第2突出ゴム部42の突出表面側は、軸方向に延びた複数の溝部47によって分離された複数の線状凸部48が突出していることにより、第1突出ゴム部29が当接したとき、線状凸部48がそれに応じて柔軟に変形できる。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力を受けたとき、第1及び第2突出ゴム部29,42間の滑りが生じ難くされる。その結果、本実施形態においては、係合金具34及び突起部13の接触や、第1及び第2突出ゴム部29,42の摩擦による異音の発生が抑えられる。
【0029】
また、第2突出ゴム部42が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴムにより形成されたことにより、第1及び第2突出ゴム部29,42が当接した際に、両者間の接触が滑らかにされる。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力が加えられたとき、第1及び第2突出ゴム部29,42間の滑りによる異音の発生が効果的に抑えられる。さらに、取付金具11の突起部13の外端面13aが、軸方向外方に膨らんだ凸曲面形状にされたことにより、その突出部分に対応する第1突出ゴム部29の部分と第2突出ゴム部42の線状凸部48とが緊密に接触する。そのため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部29,42の滑りが効果的に抑えられ、両者の摩耗が抑えられると共に異音の発生も抑えられる。また、第2突出ゴム部42を含むゴム弾性体層41が、係合金具34に非接着で形成されたことにより、その形成のためのコストが安価にされる。
【0030】
つぎに、上記実施形態の変形例について説明する。変形例は、液体封入式ではないゴム弾性体本体のみで振動を減衰させるエンジンマウントに、本発明の軸直角方向の過大な振動を抑えるストッパ構造を採用したものである。すなわち、図4に示すように、エンジンマウント60は、上記エンジンマウント10において、本体金具61及び補強金具62の軸方向長さを短くすると共に、オリフィス部材及びダイヤフラム部材を省略したものである。また、補強金具62には、その外周面全面を囲んで取付ブラケット63が取り付けられている。このような非液体封入式のエンジンマウント60においても、水平方向(軸直角方向)の振動入力、及びエンジンのローリング等に基づく斜め方向の力に対して、異音を発生させることのないようにすることができる。
【0031】
なお、上記実施形態においては、第2突出ゴム部42については、係合金具34の内周面の周方向全周に設けられているが、振動入力方向に対応する一部分にのみ設けることも可能である。また、上下方向の過大な振動を抑えるストッパ部材として、エンジン側ブラケット51が兼用されているが、これに代えて、別個のストッパ部材を用意して取付金具の一端側に固定するようにしてもよい。さらに、上記実施形態においては、第2突出ゴム部42を含むゴム弾性体層41が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴム材料により形成されており、異音抑制等の効果が高められているが、これに代えて、異音抑制効果が多少低下するが、ゴム弾性体本体25に用いられるような通常のゴム材料によりゴム弾性体層41を安価に形成することも可能である。
【0032】
また、エンジンマウントの各部材の具体的外形等については、上記実施形態に示したものに限られるものではなく、例えば、取付金具、本体金具、ゴム弾性体本体、係合金具等の形状について適宜変更可能である。その他、上記各実施形態に示したものは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々変更して実施することが可能である。
【0033】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、エンジンマウントへの軸直角方向の過大な振動入力に対しては、取付金具の突起部に設けた第1突出ゴム部と、係合金具の内周面に設けた第2突出ゴム部とが当接することにより、振動入力による負荷が第1及び第2突出ゴム部に分散され、第1及び第2突出ゴム部の摩耗が抑えられる。さらに、第2突出ゴム部の突出表面側の線状の凸部が柔軟に変形できるため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部間の滑りが生じ難くされる。その結果、請求項1の発明においては、金具の露出、突出ゴム部の滑り等による異音の発生が長期にわたって防止される。
【0034】
また、第2突出ゴム部が係合金具の内周面に非接着で形成されたことにより、その形成のためのコストが安価にされる(請求項2の発明の効果)。さらに、第2突出ゴム部が自己潤滑ゴムにより形成されたことにより、第1及び第2突出ゴム部間の接触が滑らかにされるため、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力を受けた際の、第1及び第2突出ゴム部間の滑りによる異音の発生が抑えられる(請求項3の発明の効果)。
【0035】
また、取付金具の突起部の軸直角方向外端が凸曲面形状にされたことにより、凸曲面状の外端面に対応する第1突出ゴム部の部分と第2突出ゴム部の凸部とが緊密に接触し、エンジンのローリング等に基づく斜め方向の力による第1及び第2突出ゴム部の滑りがさらに有効に抑えられ、両突出ゴム部の摩耗も抑えられる。(請求項4の発明の効果)。また、請求項1から4の発明を、本体金具の他端側が封止部材で閉塞して液体が封入された液室を備えた液体封入式エンジンマウントに適用することができる(請求項5の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液体封入式エンジンマウントを示す軸線位置での断面図である。
【図2】係合金具のIIa−IIa線方向及びIIb−IIb線方向の断面図である。
【図3】同エンジンマウントの車両への組み付け状態を示す部分断面図である。
【図4】変形例であるエンジンマウントを示す断面図である。
【図5】従来例である液体封入式エンジンマウントを示す断面図である。
【符号の説明】
10,60…液体封入式エンジンマウント、11…取付金具、13…突起部、16…本体金具、17…筒部、22…フランジ部、24…取付ブラケット、25…ゴム弾性体本体、29…第1突出ゴム部、34…係合金具、35…筒部、36…上フランジ部、36a…開口部、37…下フランジ部、38…取付部、41…ゴム弾性体層、42…第2突出ゴム部、44…上ストッパゴム部、45…下ストッパゴム部、47…溝部、48…線状凸部、51…エンジン側ブラケット、52…車体側部材。
Claims (5)
- 棒状であって、軸方向中間位置にて軸直角方向に延びた突起部を設け、軸方向一端側にてエンジン側に取り付けられる取付金具と、
該取付金具の他端側にて外方に離間して同軸状に配置されると共に、軸方向外方に延設され、車体側に取り付けられる筒状の本体金具と、
前記取付金具と本体金具との間を弾性的に連結すると共に該本体金具の軸方向一端側を閉塞するゴム弾性体本体と、
前記本体金具の一端側に同軸状に固定されて前記取付金具側に延びると共に、その先端側にて軸心側に延びて前記突起部を覆う筒状の係合金具と、
前記突起部の外端側に固定された第1突出ゴム部と、
前記係合金具の内周面に配設されて前記第1突出ゴム部に対向して突出すると共に、突出表面側に軸方向に延びた複数の溝部が形成された第2突出ゴム部と
を設けたことを特徴とするエンジンマウント。 - 前記第2突出ゴム部が前記係合金具の内周面に対して非接着にされたことを特徴とする前記請求項1に記載のエンジンマウント。
- 前記第2突出ゴム部が、摩擦係数の小さい自己潤滑ゴムにより形成されたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のエンジンマウント。
- 前記取付金具の突起部の軸直角方向外端面が、外方に膨らんだ凸曲面形状にされたことを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンマウント。
- 前記本体金具の他端側に挿嵌により固定され、該他端側を閉塞して前記本体金具及びゴム弾性体本体と共に内部に液体が封入された液室を形成する封止部材を設けたことを特徴とする前記請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンマウント。
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