JP4114293B2 - 動圧軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、コンピュータのハードディスクドライブやファンモータ等に使用される動圧軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータのハードディスクドライブやファンモータ等に使用される動圧軸受には、ステンレス鋼製のシャフトと銅合金製のスリーブが使用されている。しかしながら、近年のコンピュータの低価格化に伴って、動圧軸受も低コストのものが求められており、スリーブとして、動圧発生溝等の機械加工が容易で材料コストが安価な合成樹脂製のスリーブが多く用いられ始めている。この合成樹脂製スリーブには、例えば、収縮が小さく成形性のよい熱可塑性のポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)または熱硬化性のエポキシ樹脂が使用されている。そして、合成樹脂製スリーブは、スリーブをハウジングに圧入することによって、ハウジングに装着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記合成樹脂製スリーブを用いる動圧軸受では、この合成樹脂製スリーブをハウジングに圧入する際に、ハウジングの内径とスリーブの外径の間に締め代があるために、合成樹脂製スリーブは変形する。合成樹脂製スリーブが変形すると、合成樹脂製スリーブの内径面の真円度、つまり、動圧発生溝が形成されるスリーブの内径面の真円度が充分に確保できないという問題が生じる。
【0004】
合成樹脂製スリーブの変形によって、合成樹脂製スリーブの内径面の真円度が確保できないと、合成樹脂製スリーブがシャフトを押圧したり、合成樹脂製スリーブとシャフトとの間に隙間が生じたりして、動圧発生溝の機能が充分に発揮できない。したがって、この合成樹脂製スリーブの変形を最小限にするために、予め変形代を考慮した寸法の合成樹脂製スリーブを用いて製造された動圧軸受もある。しかし、変形代を考慮した合成樹脂製スリーブを使用した場合であっても、合成樹脂製スリーブの変形を狭い許容誤差範囲内に収めるのは非常に困難である。
【0005】
一方、合成樹脂製スリーブの変形の防止策として、接着によって合成樹脂製スリーブをハウジングに固定する方法がある。この接着による固定方法では、合成樹脂製スリーブをハウジングに圧入する必要がないので、スリーブが変形することはない。したがって、上述のスリーブの真円度の問題は解消される。しかしながら、合成樹脂製スリーブを接着によって固定する方法は、接着剤の塗布や加熱乾燥等において工程が煩雑になる上、接着剤の取り扱いに難点がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、合成樹脂製スリーブをハウジングに圧入で固定しても、合成樹脂製スリーブの内径面の真円度が容易に確保できる動圧軸受を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の動圧軸受は、動圧溝が形成された合成樹脂製の受部材を備え、上記受部材に実質的に歪を与えない緩衝部材によって上記受部材が支持される動圧軸受において、
上記緩衝部材は、切り起こし爪を有する弾性リング状部材であり、上記切り起こし爪は、上記弾性リング状部材の軸方向と周方向に対して傾斜していることを特徴としている。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
上記構成によれば、緩衝部材は、切り起こし爪を有する弾性リング状部材であるから、受部材の装着時における外部からの力に対して、緩衝部材の切り起こし爪のみが変形して、切り起こし爪を有する弾性リング状部材は受部材が実質的に変形するのを防止する。
【0029】
また、弾性リング状部材を軽圧入で装着しても、切り起こし爪によって、受部材の固定を強固なものにし、組み込み易く抜け難い固定となる。
【0030】
さらに、切り起こし爪が上記弾性リング状部材の軸方向と周方向に対して傾斜しているから、上記弾性リング状部材が周方向と軸方向の両方に移動するのを防止できる。
【0031】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の動圧軸受において、上記切り起こし爪は先端を鋭利に形成してなる弾性リング状部材であることを特徴としている。
【0032】
上記構成によれば、上記切り起こし爪は先端を鋭利に形成されているので、弾性リング状部材を軽圧入で装着しても、切り起こし爪によって、受部材の固定をいっそう強固なものにし、組み込み易く抜け難い固定となる。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の動圧軸受において、上記弾性リング状部材は、内周側と外周側との両方に上記切り起こし爪を有していることを特徴としている。
【0038】
上記構成によれば、上記弾性リング状部材が、内周側と外周側との両方に上記切り起こし爪を有しているから、受部材の装着時における外部からの力に対して、内周側に切り起こされた切り起こし爪と外周側に切り起こされた切り起こし爪が変形して、切り起こし爪を有する弾性リング状部材は受部材が実質的に変形するのを防止する。また、弾性リング状部材は、両方の切り起こし爪によって、ハウジングと受部材との両方に確実に取り付けられる。
【0039】
請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の動圧軸受において、上記受部材は、上記緩衝部材を軸方向に拘束する鍔を有することを特徴としている。
【0040】
上記構成によれば、受部材が上記緩衝部材を軸方向に拘束する鍔を有しているから、上記緩衝部材が軸方向に移動するのが防止される。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明による第1の実施形態の動圧軸受の斜視図である。図1において、動圧軸受けは受部材11を有して、受部材11の内周面にはヘリングボーン形状の動圧発生溝12が形成されている。この動圧軸受けには、円筒部13と連結部14とからなる緩衝部材15が受部材11に一体に設けられている。上記受部材と緩衝部材15には、収縮が小さく成形性の優れた、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂あるいは熱硬化性のエポキシ樹脂が用いられる。
【0043】
より詳しく説明すると、上記円筒形の受部材11の外周側に、上記受部材11と平行に円筒部13が設けられ、上記円筒部13の一方の端と上記受部材11の一方の端とが、連結部14によって、一体に連結されている。一方、上記円筒部13の他方の端と上記受部材11の他方の端とは連結されていない。上記円筒部13と上記受部材11との間には円筒形の空間が形成されている。上記円筒形の空間は、一方の端の側では閉塞され、他方の端の側では開放されている。連結部14の外径は円筒部13の外径よりも僅かに小さく加工され、連結部14の外周部14aと上記円筒部13の外周部13aとの間には、段差16が形成されている。
【0044】
次に、上記構成の受部材11および緩衝部材15をハウジング(図示せず)のシリンダ穴に取付けたときの動作を説明する。
【0045】
上記ハウジングのシリンダ穴の直径は、上記受部材11の外周部に一体に設けられた円筒部13の外径よりも、締め代分だけ小さく作られている。また、受部材11の一方の端部と円筒部13の一方の端部に一体に接続された連結部14の外径は、ハウジングの内径よりも小さく作られている。したがって、受部材11をハウジングに挿嵌する時、初期の段階では、連結部14の外径がハウジングの内径よりも小さく作られているので、連結部14はハウジングに簡単に挿入される。それ故に、受部材11に圧力が加わることがなく、受部材11に変形は全く発生しない。
【0046】
さらに、受部材11をハウジングに挿入していくと、円筒部13の外周面はハウジングの内周面よりも締め代分だけ小さく作られているので、円筒部13の外周面とハウジングの内周面とが接触する。そして、さらに受部材11をハウジングの中に圧入すると、ハウジングの内周面が円筒部13の外周面を押圧する。このとき、ハウジングの押圧力によって円筒部13は円筒形の空間に向けて変形する。このように、円筒部13の変形すなわち歪は、円筒部13と受部材11との間に形成された空間が緩衝になって、受部材11には伝わらない。
【0047】
なお、この実施形態では、円筒部13はスリット(細長い切れ目)のない円筒であるが、円筒部13における半径方向の変形を吸収するために、円筒部13の軸方向にスリットを設けてもよい。
【0048】
図2は、図1の動圧軸受の一変形例を示す。図2において、動圧軸受けは受部材21を有し、この受部材21の内周面にヘリングボーン動圧発生溝22が形成され、内筒部23と外筒部24と内連結部25と外連結部26とから成る緩衝部材27が、上記受部材21に一体に設けられている。
【0049】
詳細には、上記円筒形の受部材21の外周側に、上記受部材21と平行に内筒部23が設けられ、上記内筒部23の他方の端と上記受部材21の他方の端とが、内連結部25によって一体に連結されている。しかし、上記内筒部23の一方の端と上記受部材21の一方の端とは連結されていない。したがって、上記内筒部23と上記受部材21との間には円筒形の空間が形成されている。上記円筒形の空間は、他方の端の側では閉塞され、一方の端の側では開放されている。
【0050】
また、上記内筒部23の外周側に、上記内筒部23と平行に外筒部24が設けられ、上記内筒部23の一方の端と上記外筒部24の一方の端とが、外連結部26によって一体に連結されている。上記内筒部23の他方の端と上記受部材21の他方の端とは連結されていない。したがって、上記内筒部23と上記外筒部24との間には円筒形の空間が形成されている。上記円筒形の空間は、一方の端の側では閉塞され、他方の端の側では開放されている。
【0051】
上記受部材21および緩衝部材27をハウジング(図示せず)のシリンダ穴に挿嵌したときの動作について説明する。
【0052】
上記ハウジングの内径は、上記受部材21の外周部に一体に設けられた外筒部24の外径よりも、締め代分だけ小さく作られている。したがって、受部材21をハウジングに挿嵌していくと、外筒部24の外周面はハウジングの内周面よりも締め代分だけ小さく作られているので、外筒部24の外周面とハウジングの内周面とが接触する。そして、プレス等によって受部材21をハウジングの中に圧入すると、ハウジングの内周面が外筒部24の外周面を押圧する。このとき、ハウジングの押圧力によって外筒部24は変形する。しかしながら、外筒部24の変形は、外筒部24と内筒部23との間に形成された空間の方に変形し、また内筒部23は、その内筒部23と受部材21との間に形成された空間とが緩衝になって、受部材21は殆ど変形しない。
【0053】
また、上記内筒部23と外筒部24とは、それぞれ、内連結部25と外連結部26を基準にして、半径方向に傾斜移動できる。したがって、緩衝部材27は受部材21に対して調芯性を与えることができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、内筒部23と外筒部24とはスリットのない円筒であるが、内筒部23や外筒部24に軸方向にスリット(図示せず)を設けて、内筒部23や外筒部24における半径方向の変形を吸収するようにしてもよい。
【0055】
図3は、図2の動圧軸受の一変形例を示す。図3に示すように、この動圧軸受けは受部材31を有し、受部材31の内周面にヘリングボーン形状の動圧発生溝32が形成されている。また、内筒部33と中筒部34と外筒部35と内連結部36と外連結部37とから成る緩衝部材38が、受部材31と別体に製造されている。上記緩衝部材38は、上記緩衝部材38の内筒部33に受部材31の外周部31aを圧入して、受部材31に取付けている。さらに、上記受部材31は緩衝部材38を軸方向に拘束する鍔31b,31cを有している。
【0056】
緩衝部材38の内筒部33の外周側に、上記内筒部33と平行に上記中筒部34が設けられ、上記内筒部33の他方の端と上記中筒部材35の他方の端とが、内連結部36によって一体に連結されている。しかし、上記内筒部33の一方の端と上記中筒部材35の一方の端とは連結されていない。したがって、上記内筒部33と上記中筒部材35との間には円筒形の空間が形成されている。上記円筒形の空間は、他方の端の側では閉塞され、一方の端の側では開放されている。
【0057】
また、上記中筒部34の外周側に、上記中筒部34と平行に上記外筒部35が設けられ、上記中筒部34の一方の端と上記外筒部35の一方の端とが、外連結部37によって一体に連結されている。しかし、上記中筒部34の他方の端と上記外筒部35の他方の端とは連結されていない。したがって、上記中筒部34と上記外筒部35との間には円筒形の空間が形成されている。上記円筒形の空間は、一方の端の側では閉塞され、他方の端の側では開放されている。
【0058】
上記受部材31および緩衝部材38をハウジング(図示せず)に取付けると、図2の実施形態と同様にして、受部材31の歪が回避される。
【0059】
なお、図3では、鍔31b,31cが上記受部材31の両端部に設けられていて、緩衝部材38を軸方向に拘束しているが、一方の鍔31bは取り外し可能になっている。
【0060】
また、内筒部33と中筒部34と外筒部35とに軸方向のスリット(図示せず)が設けられている場合には、スリットが内筒部33と中筒部34と外筒部35の半径方向の変形を吸収するので、両方の鍔31b,31cが受部材31に一体に取付けられていてもよい。
【0061】
図4(a)は、本発明による実施形態の動圧軸受の断面図である。図4(b)は、図4(a)の正面図である。この動圧軸受の緩衝部材は、図4(a)に示すように、弾性のある金属または樹脂からなる波形の弾性リング状部材41からなる。上記弾性リング状部材41は、受部材42と別体に作られ、受部材42と円筒形のハウジング43との間に挿嵌されている。上記弾性リング状部材41の周方向の一端部41aは、図4(a)に示すように、互いに離れている。もっとも、上記一端部41aと他端部41bとは一致していてもよい。
【0062】
上記構成において、弾性リング状部材41を受部材42とハウジング43との間に挿嵌すると、弾性を有する弾性リング状部材41は、ハウジング43の内周面を押圧すると共に受部材42の外周面を押圧して、弾性リング状部材41を介して受部材42をハウジング43に実質的に固定する。
【0063】
図5は、図4(a)の変形例を示す。図5において、弾性リング状部材51は、波形を形成する凸部51aすなわち波の山が周方向一方に傾いている。凸部51aは、図5では、矢印Cで示す時計周りの方向に傾いている。
【0064】
上記構成において、弾性リング状部材51の凸部51aは矢印Cの方向に傾斜しているから、弾性リング状部材51の凸部51aが傾斜していない場合に比べて、軸受52の矢印Cの方向に対する移動に対して弾性リング状部材51の抵抗力が増大する。したがって、弾性リング状部材51によって、軸受52の矢印C方向の回転に対して、より高い回転抑止効果が得られる。
【0065】
図6の(a)は、第3実施形態の緩衝部材を含む動圧軸受の縦断面図であり、(b)はその緩衝部材の斜視図である。緩衝部材は弾性リング状部材61で形成され、弾性リング状部材61は、図6の(a)に示すように、動圧軸受62とハウジング63のと間の隙間部分に挿嵌される。図6の(b)に示すように、弾性リング状部材61は先端の鋭い切り起こし爪61aを有し、切り起こし爪61aは弾性リング状部材61の外周側に、軸方向の一方に、鱗状に切り起こされている。
【0066】
上記構成において、弾性リング状部材61が受部材62とハウジング63との間の隙間部分に挿嵌されると、切り起こし爪61aは、弾性リング状部材61の半径方向すなわち肉厚方向に変形される。一方、この切り起こし爪61aはハウジング63の内周面に食い込むと共に、弾性リング状部材61は、切り起こし爪61aの弾力によって受部材62をハウジング63に固定する。また、弾性リング状部材61を移動させる力が、上記軸方向の一つの側に働いたとしても、切り起こし爪61aの鋭い先端がハウジング63の内周面に食い込み、弾性リング状部材61は移動することができない(アンカー効果)。つまり、弾性リング状部材61を軽圧入で装着しても、切り起こし爪61aの鋭い先端によって、受部材62の固定を強固なものにし、組み込み易く抜け難い固定を可能にしている。
【0067】
図7(a)は、図6の変形例の縦断面図であり、(b)はその斜視図である。緩衝部材である弾性リング状部材71は、図6の(a)に示すように、内周側と外周側とにそれぞれ切り起こされた先端の鋭い切り起こし爪71a,71bを有している。また、上記内周側の起こし爪71aは弾性リング状部材71の軸方向の一方に切り起こされ、外周側の切り起こし爪71bは上記軸の他方向に切り起こされている。
【0068】
上記構成において、弾性リング状部材71が受部材72とハウジング73の間の隙間部分に挿嵌されると、切り起こし爪71aはハウジング63の内周面を押圧し、切り起こし爪71bは受部材62の外周面を押圧する。このようにして、弾性リング状部材71は、切り起こし爪71a,71bの弾力によって、受部材72をハウジング73に固定する。また、弾性リング状部材71を移動させる力が、軸方向のどちらかに働いたとしても、切り起こし爪71a,71bのどちらかの鋭い先端が、ハウジング73の内周面または受部材72の外周面に食い込み、弾性リング状部材71は軸方向の何れの方向にも移動することができない。
【0069】
図8は、弾性リング状部材81は、図6に示した緩衝部材の変形例の斜視図である。緩衝部材である弾性リング状部材81は、図8に示すように、その外周側に切り起こされた先端の鋭い切り起こし爪81aを有している。上記切り起こし爪81bは、上記軸方向に対して45度傾斜して設けられている。
【0070】
上記構成において、弾性リング状部材81は、上記切り起こし爪81aがその弾性によって図示しないハウジングに食い込んで、受部材を変形させることなくハウジングに固定する。上記切り起こし爪81bは、軸方向に対して45度傾斜して設けられているので、弾性リング状部材61を移動させる力が、軸方向または周方向に働いたとしても、切り起こし爪61aの鋭い先端が図示しないハウジングの内周面に食い込み、弾性リング状部材61は軸方向と周方向のいずれにも移動することができない。
【0071】
上記第1の実施形態〜第4の実施形態においては、緩衝部材の材質は樹脂であってもよく、金属であってもよく、また、複合材であってもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明の動圧軸受によれば、緩衝部材は、切り起こし爪を有する弾性リング状部材であるから、受部材の装着時における外部からの力に対して、緩衝部材の切り起こし爪のみが変形して、切り起こし爪を有する弾性リング状部材は受部材が実質的に変形するのを防止できる。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
また、弾性リング状部材を軽圧入で装着しても、切り起こし爪によって、受部材の固定を強固なものにし、組み込み易く抜け難い固定となる。
【0085】
さらに、切り起こし爪が上記弾性リング状部材の軸方向と周方向に対して傾斜しているから、上記弾性リング状部材が周方向と軸方向の両方に移動するのを防止できる。
【0086】
請求項2の発明の動圧軸受によれば、上記切り起こし爪は先端を鋭利に形成されているので、弾性リング状部材を軽圧入で装着しても、切り起こし爪によって、受部材の固定をいっそう強固なものにし、組み込み易く抜け難い固定とすることができる。
【0087】
【0088】
【0089】
請求項3の発明の動圧軸受によれば、弾性リング状部材は、内周側と外周側との両方に上記切り起こし爪を有しているので、受部材の装着時における外部からの力に対して、内周側に切り起こされた切り起こし爪と外周側に切り起こされた切り起こし爪が変形して、弾性リング状部材は受部材をハウジングに強固に固定できる。
【0090】
請求項4の発明の動圧軸受によれば、受部材が上記緩衝部材を軸方向に拘束する鍔を有しているから、上記緩衝部材が軸方向に移動するのが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の動圧軸受の断面斜視図である。
【図2】 第1実施形態の変形例の断面斜視図である。
【図3】 別の変形例の断面図である。
【図4】 (a)は本発明の第2実施形態の動圧軸受を示す(b)のA−A線横断面図であり、(b)は(a)のB−B線縦断面図である。
【図5】 第2実施形態の変形例の横断面部分図である。
【図6】 (a)は本発明の第3実施形態の動圧軸受の縦断面図であり、
(b)は上記緩衝部材の斜視図である。
【図7】 (a)は図6の緩衝部材の変形例を示す縦断面図であり、(b)はその緩衝部材の斜視図である。
【図8】 図6の緩衝部材の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11,31,42,52,62,72…受部材、
12,22,32…動圧発生溝、
13…円筒部、
23,33…内筒部、
24,35…外筒部、
34…中筒部、
31b…鍔、
41…波板、弾性リング状部材、
61,71,81…弾性リング状部材、
61a, 71a,71b,81a…切り起こし部。
Claims (4)
- 動圧溝が形成された合成樹脂製の受部材を備え、
上記受部材に実質的に歪を与えない緩衝部材によって上記受部材が支持される動圧軸受において、
上記緩衝部材は、切り起こし爪を有する弾性リング状部材であり、
上記切り起こし爪は、上記弾性リング状部材の軸方向と周方向に対して傾斜していることを特徴とする動圧軸受。 - 請求項1に記載の動圧軸受において、
上記切り起こし爪は先端を鋭利に形成してなる弾性リング状部材であることを特徴とする動圧軸受。 - 請求項1または2に記載の動圧軸受において、
上記弾性リング状部材は、内周側と外周側との両方に上記切り起こし爪を有していることを特徴とする動圧軸受。 - 請求項1または2に記載の動圧軸受において、
上記受部材は、上記緩衝部材を軸方向に拘束する鍔を有することを特徴とする動圧軸受。
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