JP4045084B2 - 電気的接続検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の接触端子を検査対象となる半導体素子等の電極に押圧接触させて電気信号を入出力させることによって、これらの電気特性を検査するための電気的接続検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIの半導体素子は、半導体ウエハ上に多数個設けられ、それぞれがチップに切り分けられ、電気製品等各種の利用製品に使用される。通常これらの半導体チップの表面には、その周囲に沿って多数の電極が列設されている。こうした半導体を工業的に多数生産するに際しては、その電気特性を検査するために一般にプローブカードと呼ばれる接続検査装置が用いられている。
【0003】
このプローブカードは図1に示すように配線が埋設された樹脂基板からなるカード基板1と、これから斜めに突出した金属針からなる接触端子2とで構成されている。そして、実際の検査に当たっては、接触端子2のたわみを利用した接触圧により半導体ウエハ4上の電極5を擦って表面に自然形成した酸化膜を除去することで電気的接触を図ることによって行なわれる。又、チップに切り分けられた素子を実装する前に、それらの検査を行なう場合にも、同様の多数の接触端子を有するコンタクタ(あるいはソケット)と呼ばれる接続検査装置が用いられ、同様にして素子に接触端子をコンタクタ接触させることで電気特性を検査することができるように構成されている。なお、表示装置等の各種電子デバイスの電気特性の検査にも一般にプローブと呼ばれる接続検査装置が使用されている。
【0004】
近年、半導体素子の微細化に伴ない、その電気的な検査を行なうための接続素子も微細化されたものが提案されている。例えば特開平7−283280号公報ではフォトリソグラフィ技術をベースとしてシリコンの異方性エッチングの鋳型を利用して接触端子を形成し、その中に硬質なメッキ材料を、最表面には導電層を形成したプローブカードが提案されている。又、特開平9−159696号公報にはフォトリソグラフィを用いて配線部分を形成、これを接続端子として利用するものも提案されている。
【0005】
しかしながら、このような従来の微細化された接続検査装置では、元々全体が微細であるがためにその接触端子の先端部も微細になってしまうことから、強度が低く、摩耗や異物による破損を起こし易くなりその耐久性が低いという欠点がある。
又、一方でこのような装置に用いられる配線は当然ながら電気抵抗が低いものが要求されるが、上記装置の微細化対応により配線そのものも微細となるため逆に配線の電気抵抗が増大する問題を抱えることになる。これに対処するには配線部の材料と厚さ、形成方法等ついて一定の制約を受けてしまい好ましくない。配線部は、一般的には電気メッキにより金やニッケル、銅の合金等で形成されることが多いが、上記電気的制約のために材料選択の面で自由度が狭く、特に強度の高い材料を適用することが難しい。
しかも、仮に高強度で低電気抵抗の材料が選択できたとしても、これらの材料は内部応力が高いため、十分に厚い膜を形成することが困難となり、やはり接続素子として十分な機能を果たせないことになる。
更に、上記とは異なった観点の問題として、ハンダや金等のバンプを用いた半導体素子の開発に伴なって、電極素材が接触端子の先端部に付着、凝集し、これが原因となって接続検査時に接触不良を起こすという問題も出てきている。この対策のために定期的なクリーニング作業が必要となり、検査効率が低下するばかりでなく、やはり接触端子の耐久性を損なうことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を一挙に解消し、電気抵抗等の電気特性及び内部応力等の物理性状の適性に伴なう製品機能面の制約や、メッキ法の採用可否等製造面の制約の観点において使用材料の選択の自由度を損なうことなく、更に電極素材が付着、凝集し難い優れた耐久性を備えた微細構造を有する電気的接続検査装置を提供することを、その解決課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明者等は上記本発明の課題解決を目指して鋭意実験・研究を行なったところ、特に工業的に有利な技術的解決策として本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
請求項1の発明は、複数個の接触端子を有し、検査対象と電気的に接触して信号を入出力するための電気的接続検査装置において、前記接触端子の先端部に位置する配線母材層の表面に、該配線母材層より高いヤング率を有し、3μm以上の厚さを有するタングステン又はその合金で構成される第2層の皮膜が形成され、更に該第2層の表面に、炭素、又は金属を含む炭素から構成される第3層の被膜が形成されたことを特徴とする電気的接続検査装置を提案するものである。
【0019】
そして、本発明ではこの接触端子2の特に突起7の部分に特異の構成を付与した点にある。すなわち、図3及び図4は図2に示した突起7を下方から見た拡大斜視図及び拡大断面図であるが、この突起7の外形は図3の通り四角錐台形状を呈しており、しかもその構造は図4の如く、内側の母材配線層(A)と、その表面を覆っている配線母材層(A)より高いヤング率を有し且つ比抵抗が1×10-4 Ωcm以下である第2層の被膜(B)(以下、単に第2層ということがある。)と、更に第2層の被膜(B)の表面に低凝集性を有する第3層の被膜(C)(以下、単に第3層ということがある。)とからなる3層構造となっている。突起7の外形寸法は先端の接触点となる上面の四角形の一辺が0〜10μm、底面のその一辺が20〜100μm、又引出し配線の厚さが10〜30μmの微細構造を有するものである。
【0020】
母材配線層(A)は電気抵抗が低く、メッキがし易い比較的軟質の純金属が用いられる。例えば電気抵抗については比抵抗が1×10-5 Ωcm以下のものが好ましい。具体的には金、銀、銅、ニッケル及びその合金が好適である。
【0021】
第2層(B)は母材配線層(A)の表面を覆って形成された肉厚の膜で、3μm以上の厚さを有することが好ましく、5μm以上とするのが特に好ましい。ここでいう厚さは、場所によって変化する場合を考慮してその最小値で定義する。また、同時にこの第2層(B)は上記母材配線層(A)よりヤング率が高いことが必須である。特にヤング率が150GPa以上であることが好ましく、200GPa以上が更に好ましい。更に、この第2層(B)は比抵抗が1×10-4 Ωcm以下の材料であることが必要である。好ましくは1×10-5 Ωcm以下の低抵抗材料を選択することが良い。第2層(B)の材料として、具体的にはタングステン又はその合金が特に好ましい材料である。
【0022】
次いで、第3層(C)は低凝集性を有する被膜で、更にこの他に対磨耗性及び耐酸化性を兼ね備えたものであることが望ましい。
この第3層(C)の材料としては、炭素及び炭素に金属元素を含有させたものが好ましい。特に、炭素に、チタン、バナジウム、ニオブ、ジルコン、モリブデン、タングステン、タンタル、ハフニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト及びニッケル等の純金属又はそれらの合金を一部含有させた材料が好ましい。この場合、炭素に対する上記金属元素の含有量は0.5〜50原子%とするのが適切である。又、上記以外の材料として窒化アルミニウム、窒化チタン、炭窒化アルミニウム、炭窒化チタン、窒化硼素、炭窒化硼素等、金属の窒化物や炭窒化物も有用である。
【0023】
さて、このように本発明は接触端子2の先端部の突起7を3層構造とした点を特徴としているが、以下に本発明の原理・作用並びにその数値限定の根拠等について発明者等の検討の経過を含めて説明する。
先ず、発明者等は微細化された接触端子2において特に耐久性が要求される突起7に関して、高強度の材料を採用しようとした場合に招来する前述の問題から突起7全体を単体の材料で構成するのではなく、複合した構成とすることで解決する道が開けるのではないかと考えた。母材配線層は電気特性面及び製造面を配慮して比較的低強度で弾性変形が可能な材質とし、その外周表面をより強度の高いの殻つまり高ヤング率を有する第2層で包覆してやれば母材側の強不足を補ってその変形や摩耗を防止して保護し、全体として耐久性を十分維持できる可能性があるとの着想に至った。
【0024】
しかしながら、この着想を具体化するに当たって一つ気がかりな問題が予想された。これは、高ヤング率の材料を母材に被覆した結果、その被覆層は高強度であるが故に内部応力も高くなり、被覆層の形態によっては反って短期に破損や劣化を生じ、耐久性が損なわれる恐れがあるからである。
【0025】
そこで、発明者等はこのような事情に鑑み、第2層の形態としてその厚さに着目して次のような解析を行った。すなわち、図8に示すように外形が四角錐台形状の2層構造を有する突起を対象とし、その母材配線層(A)のヤング率を45GPa(金の値を採用)、又第2層(B)のヤング率を234GPa(タングステンの値を採用)として、これに垂直に5gの荷重を加えた場合を想定し、この第2層(B)の厚さを変化させた時の同層に誘起される応力(ミーゼス応力)を計算により求めた。更に、第2層(B)のヤング率を変化させた場合についても同様にして同応力の計算を行なってみた。ここで第2層(B)の厚さは図4に示す四角錐台の傾斜部分の厚さ(t)で定義し、上面の厚さはこの傾斜部分の厚さの1.4倍(t×1.4)とした。これらの計算には汎用ソフト「ABAQUS」を用いて行なった。
なお、ミーゼス応力とはワークの降伏応力と密接な関係があり、この応力の値が高いほど塑性変形を受け易くなることを示す、構造解析の際に一般的に用いられるパラメータである。
【0026】
図5〜図7はこの計算・解析結果を纏めたもので、図5は第2層の厚さと最大ミーゼス応力との関係、図6は第2層の厚さが2μmの場合のそのヤング率と最大ミーゼス応力との関係、図7は同様に第2層の厚さが3μmの場合のそのヤング率と最大ミーゼス応力との関係をそれぞれ示したグラフである。図5を見ると、第2層の厚さが3mm以上では内部ミーゼス応力が800MPa前後で層厚の変化に影響を受けず、低く安定しているが、3μm未満では層厚の減少に伴なって急激に増加し、特に2μm以下になると1000MPaを超えて既に塑性変形の領域に達していることが分る。これは第2層が3μm以上の場合は安定して荷重に耐えており機能上問題がないが、2μm以下になると、もはや荷重に耐え切れず破壊に至り、外殻としての保護の役割を完全に失い、内側の母材配線層の変形が開始していることであり、とりもなおさず接触端子として使用不能の状態に陥ったことを意味するものである。
【0027】
この現象について更に詳細に解析調査を進めたところ, 第2層の厚さが3μm以上のものは層中に荷重に応じた圧縮方向の応力が誘起されるのに対して、2μm以下では層では誘起される応力が引張り方向に働き、応力の誘起される箇所も厚みによって変化することが判明した。加えて、3μm以上の厚膜構造においても過大な荷重がかかった場合には被覆層が押しつぶされることにより破壊に至るが、2μm以下の場合はより低い荷重で折れ曲がるように変形して破壊するという、両者のメカニズムの違いについても究明できた。
【0028】
又、図6から第2層の厚さが2μmの場合、同層のヤング率が増大すると誘起される応力もこれに比例してかなり増加する傾向にあるが、一方その厚さが3μmの場合になると、図7から明らかなように、少なくともヤング率が250GPa以下の範囲内においてはヤング率が増大しても応力は僅かに増加するだけで800MPa前後とほとんど変化していないことが分る。この事実は、3μm以上では第2層のヤング率の大小は内部応力に起因する破壊や劣化に直接影響を与えないものと考察できるから、つまり3μm以上の第2層を適用する限りにおいて、当然ながら高強度の第2層の材質として高ヤング率のものを採用することが可能となり、その耐久性の向上を図ることができるし、又、許容できるヤング率の範囲(例えば100GPa以上)で電気特性等の優れた材料を選定することできるといった材料選択の自由度も広がることになる。
【0029】
これらの現象・事実は発明者等独自の新規且つ貴重な発見であり、特に第2層の厚さが、突起すなわち接触端子の強度、耐久性を大きく支配しており、しかも3μmという厚さに臨界的意義が認められることが明らかとなった。
従って、以上のことから、高ヤング率を有する第2層の厚さとしては下限を3μmとすることが特に好ましいと考える。一方、その上限については特に規定するものではないが電気抵抗等他の特性への影響を考慮すると10μm以下にすることが好ましいといえる。
又、第2層のヤング率については母材配線層の変形・破壊の発生を外側で保護する観点で少なくとも母材配線層のヤング率より高いことが必要であるが、更に優れた耐久性を確保する意味で150GPa以上のヤング率を有するものが望ましい。
【0030】
さて、この第2層は上述のように配線母材層の表面を覆う厚い硬質の殻の役割を果たし、母材層をその変形や摩耗から保護しこれによって接触端子の耐久性を向上・維持させんとするものであるが、更にこれに関連して電気特性についても留意する必要がある。本発明では、検査精度の確保の面から、この第2層の材料として比抵抗が1×10-4 Ωcm以下のものを選択する。第2層の外殻としての役割を効果的に発揮させるためには厚肉の被膜とする必要があり、この結果として電気抵抗が増大し、接触端子としての要求特性を満足しない恐れが出てくる。例えば、第2層が5μmで存在した場合、典型的なプローブカードの接触面積は10μm角であるから、抵抗値Rは断面積S長さLとしてR=ρ×L/Sとなるから比抵抗ρ(Ωcm)とすると、ρ×5×102Ωとなる。この種プローブカードとして一般に抵抗値Rについては5×10-2Ω以下のものが要求されてるため、従って比抵抗としては1×10-4 Ωcm以下のものが必要となる。 こうした層厚と電気抵抗の関係から第2層を構成する材料としてその比抵抗の下限を上記のように規定したのである。
【0031】
次に、本発明者等は、接触端子への電極素材の付着・凝集の問題に取り組み、研究・検討を進めたところ、上記第2層にヤング率が高くしかも比抵抗が低い材料を用いなければならないため、更にこの上、低凝集性においても優れた材料を選択することは、その実用性を考慮すると極めて困難であることが分かった。そこで、低凝集性については第2層の役割から分離させ, 第2層の外側表面に独立して形成された被膜すなわち第3層の被膜にその役割を担わせることで材料選択の問題も解決し得るとの結論を導き出した。
そして、種々の材料についてこの第3層としての適性について実験・検討した結果、炭素系の材料、すなわち炭素あるいは、炭素に、チタン、バナジウム、ニオブ、ジルコン、モリブデン、タングステン、タンタル、ハフニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト及びニッケル等の金属元素を適量含有させたものが好適であることが確認された。
【0032】
かかる炭素系の材料はハンダや金等の軟質の金属で構成された電極に対しても付着、凝集し難く、優れた低凝集性を備えており、又硬度も高く、耐磨耗性にも優れている。更に耐酸化性を有しており、自己の酸化のみならず内側の第2層の被膜の酸化防止にもその機能を発揮するもので最外層として極めて有益な材料ということができる。
特に前記金属元素を適量含有させたものは、こうした特性に加えて前述の比抵抗も低いという特徴があり、最適な材料として推奨されるものである。
【0033】
以下にその実験例を挙げて説明する。
市販のマグネトロンスパッタ装置を用いて絶縁基板の表面に、金属を含有しない炭素被膜及びタングステン含有量の変化した炭素被膜を形成した。炭素被膜中のタングステン含有量の調整は装置内のグラファイトターゲットに大きさの異なるタングステンのチップを置くことで行った。タングステン含有炭素被膜被膜の形成は、ターゲット/基板間距離:55mm、Arガス圧:3mTorr,基板温度:室温、投入電力5.7ワット/cm2の条件でそれぞれ実施した。
【0034】
こうして形成された炭素被膜のタングステン含有量と比抵抗の関係を図9に示す。なお、比抵抗の値は被膜の抵抗を4端子測定法により計測し、触針式段差計を用いて測定した膜厚の値から換算して求めた。
図9から明らかなように、タングステンが含有されていない炭素被膜の比抵抗は数Ωcmであるが、タングステンの含有量が増加するに従って減少し、1原子%以上の領域では顕著に減少していることが分かる。
【0035】
又、本発明者等は、この炭素被膜中のタングステン含有量と薄膜硬度(塑性変形硬さ)についても調査を行った。なお、薄膜硬度はナノインデンテーション法によって測定した。このナノインデンテーション法とは、ダイヤモンド等の試料よりも十分硬く、先端が鋭い圧子を試料表面へ垂直に侵入させたときの圧子の負荷荷重と侵入深さとから、試料表面の力学特性を評価する方法であり、侵入深さがナノメートル(nm)オーダーで行うことから、厚さがμm以下の薄膜の評価が可能である測定方法である。又、炭素被膜中にチタンを含有させた場合についても同様に測定を行った。
【0036】
これらの結果を図10に示しており、同図から次のように考察できる。金属元素を含有させることによって、30〜50原子%まではあまり薄膜硬度は変化しないものの、50原子%を超えると急激に低下し、100%に向かって一様に低下していることが判明する。こうした事実から明らかな通り、炭素被膜本来の硬度を保ち、接触端子の最外層となる第3層としてその機能を果たすべく耐磨耗性や耐久性を維持するためには、炭素被膜中の金属元素の含有量は50原子%以下であることが望ましいことが分かる。
【0037】
又、上記のような炭素被膜を第3層として形成した接触端子では、電極金属に対する低凝集性についても金属元素の含有量が同様に50原子%を超えることによって炭素本来の特性が失われることにより、やはりその機能が劣化してしまうことが確認できた。
【0038】
ところで、本態様として突起7の外形を前述の如く、四角錐台形状としたものを示したのは、全体として構造的に頑強であるとともにその先端が平面となっているため、荷重を分散して受けることができ、更に異方性エッチングを利用すればその製造も容易という利点があるからである。円錐台形状や他の角錐台形状を用いても耐久性の面では同効である。この突起7の形状が別の形状に変化した場合、内部への応力のかかり方も変わり、上記の最大ミーゼス応力の値や臨界的厚さが変化することも予想されるが上記錐形、錐台形状をとる限り、大きく変化することはなく臨界的厚さの意義が失われることはない。
【0039】
次に、本発明に係る接続検査装置の製造方法についてプローブカードを例にとって概説する。尤も、本発明は製造方法に特徴があるのではなく上述して来たように装置の構成特に接触端子の先端部の構造を要旨とするであるから、これを満足する限り、周知、公知の方法含めをいかなる製法により得られたものであっても本発明の範囲に含まれる。また、本装置の製造に当たっては半導体素子と同様にリソグラフィ技術、エッチンング技術、メッキ・蒸着・技術等微細加工・形成に適したマイクロテクノロジー等を駆使する。
【0040】
本装置(プローブカード)の製法は、基本的には予め図2に示した接触端子2を犠牲基板上に形成し、この接触端子2をカード基板1に連結した後に前記犠牲基板から分離し、同接触端子2をカード基板1上に転写するものである。又、この際、犠牲基板上に二酸化シリコンよりなる犠牲層を形成し、この二酸化シリコン層を溶解することにより前記接触端子2を分離するものである。
【0041】
接触端子2の製造は、突起7の第3層(C)を製造する工程と、同じく突起7の第2層(B)を製造する工程と、更に同突起7の母材配線層(A)並びに引出し配線6を製造する工程とに分れる。先ず、突起7の鋳型となる四角錐台形状を有した凹部を異方性エンチングにより形成する。次いで、凹部の内面に第3層となる材料(タングステンを1.5原子%含む炭素等)をスパッタリング法により蒸着し、例えば0.1μmの被膜を形成する。次に凹部内に形成された第3層の表面に第2層を構成する材料(タングステン等)を同様にスパッタリング法によって蒸着し、例えば7μmの被膜を形成する。更に配線材料となる比較的軟質の材料(金等)を同第2層上の凹部の残りの全体並びに引出し配線領域に亘ってメッキ法により母材配線層及び引出し配線層を一体的に形成する。なお、第3層及び/又は第2層を凹部のみならず引出し配線領域の一部若しくは全部に形成する方法であっても良い。
【0042】
こうして犠牲基板上に形成された3層構造を有する接触端子2にフィルム基板3並びに緩衝材8を接着し、更にそれらの基部側をカード基板1の下面に直接接着して、先端部側を緩衝材8を介して接着する。その後犠牲基板を分離し、接触端子2の引出し配線6と延長配線9、延長配線9と配線電極10を接続してプローブカードが出来上がるとになる。
なお、かかる製造プロセスの詳細は本発明者等が先に出願した特願2000−266299号の実施態様にて開示しており、ここでは概要の説明に止める。
【0043】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、微細構造を有して且つ耐久性に極めて優れた接触端子が得られるから、繰り返し使用に耐え得る長寿命の接続検査装置を提供できる。これに伴い、接続検査時の出力安定による検査精度を長期に亘って高く維持することができ、装置のメインテナンスや部品交換に要する労力やコストも低減することができる。更に、本発明により接触端子等の材料選択の面において自由度が広がり、全体として安価で高機能な装置設計が可能となる等本分野において顕著な技術的貢献を果たすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の接続検査装置の基本的な構成例を示す断面図である。
【図2】図2は本発明に係る接続検査装置であるプローブカードの構成例を示す断面図である。
【図3】図3は図2の要部拡大斜視図である。
【図4】図4は図2の要部拡大断面図である。
【図5】図5は第2層の被膜の厚さと最大ミーゼス応力との関係を示したグラフである。
【図6】図6は第2層の被膜の厚さが2μmの場合のそのヤング率と最大ミーゼス応力との関係を示したグラフである。
【図7】図7は第2層の被膜の厚さが3μmの場合のそのヤング率と最大ミーゼス応力との関係を示したグラフである。
【図8】第2層の被膜の厚さと最大ミーゼス応力との関係を解析するに当たって対象とした突起の拡大断面図である。
【図9】第3層を構成する炭素被膜中のタングステン含有量と比抵抗値との関係を示すグラフである。
【図10】第3層を構成する炭素被膜中のタングステン含有量と薄膜硬度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:カード基板 2:接触端子 6:引出し配線 7:突起 8:緩衝材
9:延長配線 10:配線電極
A:母材配線層 B:第2層(の被膜) C:第3層(の被膜)
Claims (1)
- 複数個の接触端子を有し、検査対象と電気的に接触して信号を入出力するための電気的接続検査装置において、前記接触端子の先端部に位置する配線母材層の表面に、該配線母材層より高いヤング率を有し、3μm以上の厚さを有するタングステン又はその合金で構成される第2層の皮膜が形成され、更に該第2層の表面に、炭素、又は金属を含む炭素から構成される第3層の被膜が形成されたことを特徴とする電気的接続検査装置。
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