JP5357645B2 - 半導体検査装置用プローブピンの製造方法および半導体検査装置用プローブピン - Google Patents

半導体検査装置用プローブピンの製造方法および半導体検査装置用プローブピン Download PDF

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Description

本発明は、導電性と耐久性を兼ね備えた非晶質炭素膜によって被覆された非晶質炭素膜被覆部材を製造するための有用な方法、およびこの様な非晶質炭素膜被覆部材からなる半導体検査装置用プローブピンに関するものである。
集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)、発光ダイオード(LED)等の半導体素子(半導体を用いた素子)は、半導体素子の電極にプローブピンを接触させてその電気特性が検査される。このような検査装置(半導体検査装置)で用いられるプローブピンは、接触抵抗が低いこと(導電性が良好なこと)は勿論のこと、電極との多数回の接触によっても摩耗や損傷を生じない程度の優れた耐久性を備えていることが要求される。
半導体検査装置用プローブピンの接触抵抗を低減すると共に耐久性を向上させる技術として、例えば特許文献1には、基材表面に金めっき膜を施したプローブピン(コンタクトプローブ)について提案されている。この技術では、金めっきの硬度をビッカース硬度で160Hv以上とすることによって、プローブピンの耐久性を高めるものである。
しかしながら、金めっきは基本的に硬度が低いものとなり、プローブピンに十分な耐久性を付与することができない。
一方、特許文献2には、プローブピン表面(母材表面)に、1層目として高いヤング率を有し比抵抗が1×10-4Ω・cm以下である膜を形成し、その上(最表面)に低凝集性を有する被膜を形成する技術が提案されている。この技術においては、最表面に形成される被膜として、金属元素を含む炭素が例示され、また1層目に形成される膜素材としてタングステまたはその合金が例示されている。
この技術では、低い接触抵抗が実現できると共に、優れた耐久性を備えているものとなるが、相手材(電極材)の凝着性が悪くなる場合がある。即ち、この技術で最表面に形成される「低凝集性を有する被膜」は、ハンダや金との付着・凝着性を低減することを考慮したものであるが、相手材(特にハンダに含まれるSn)の付着・凝着の抑制については不十分な場合がある。相手材の付着・凝着の抑制について不十分であると、付着・凝着した相手材(特にSn)が酸化することで、電気抵抗の増大を招き、検査の際の不具合となり、結果的に使用寿命が短くなる。
特開2007−187580号公報 特開2003−57311号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、導電性と耐久性を兼ね備えると共に、相手材(特にハンダに含まれるSn)の付着・凝着を極力低減して長寿命化を図ることのできる非晶質炭素膜被覆部材を製造するための有用な方法、およびこのような非晶質炭素膜被覆部材を適用した半導体検査装置用プローブピンを提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の非晶質炭素膜被覆部材の製造方法は、基材表面にタングステン含有非晶質炭素膜を被覆した非晶質炭素膜被覆部材を製造するに当り、固体炭素ターゲットと固体タングステンターゲットから別々に形成される2つの蒸発雰囲気で、前記基材表面を交互に複数回処理すると共に、1回当りの処理で蒸着されるタングステン量は理論厚さが0.40×10-10m以上、2.74×10-10m未満に相当するように設定して操業する点に要旨を有するものである。
本発明のより具体的な方法としては、基材表面にタングステン含有非晶質炭素膜を被覆した非晶質炭素膜被覆部材を製造するに当り、固体炭素ターゲットと固体タングステンターゲットを夫々有する独立した2つの蒸発源と、これら蒸発源の正面と直交する回転面を有する回転体を備えた装置を用い、この回転体の回転面に基材を載置し、回転体を回転することで基材表面を順次ターゲット正面に向けて複数回処理すると共に、1回当りの処理で蒸着されるタングステン量は理論厚さが0.40×10-10m以上、2.74×10-10m未満に相当するように設定して操業するようにしても良い。
尚、本発明方法においては、各処理毎におけるタングステン(後述する非晶質炭素についても同様)の成膜量は、形成後にそのまま層厚さとして反映できない場合もあるので、処理毎の量の目安として「理論厚さ」(理論厚さ相当量)を採用している。
上記各方法によって適用し、基材としての芯材を用い、この芯材をタングステン含有非晶質炭素膜で被覆することによって希望する特性を発揮する半導体検査装置用プローブピンが得られる。半導体検査装置用プローブピンとして用いる場合は、タングステン含有非晶質炭素膜の厚さが0.1〜1μmであることが好ましい。
本発明方法では、固体炭素ターゲットと固体タングステンターゲットを夫々有する独立した2つの蒸発源によって、基材表面に対して非晶質炭素およびタングステンを交互に蒸着させると共に、基材の1回の回転当りに蒸着されるタングステン量を適切に設定することによって、タングステンが一様に分散された非晶質炭素膜を基材表面に被覆することができ、このような非晶質炭素膜被覆部材は、導電性と耐久性を兼ね備えると共に、相手材(特にハンダに含まれるSn)の付着・凝着を極力低減したものとなり、半導体検査装置用プローブピンの素材として極めて有用である。
本発明を実施するための装置構成例を示す概略説明図である。
非晶質炭素膜は、導電性が低いため、非晶質炭素膜中に金属元素を含有させることになる。そして、その金属含有方法については様々な方法が考えられるが、導電性と共に耐久性をも向上させる方法は確立されている訳ではない。
本発明者らは、上記のような非晶質炭素膜について、金属元素の含有方法と、導電性、耐久性との関係について明らかにし、半導体検査装置用プローブピンの素材として最適な非晶質炭素膜被覆部材を実現するべく、様々な角度から検討した。特に、高寿命化の観点からは、半導体検査の際に主な相手材であるハンダとの接触において、ハンダの主成分であるSnがプローブピンの接触部に付着・凝着し(以下、単に「凝着」と呼ぶことがある)、凝着したSnが酸化することで、接触抵抗の増大を招き、検査の際の支障となる。本発明者らはこうした問題を解消するべく、低電気抵抗を示すと共に、耐Sn凝着性にも優れた非晶質炭素膜の開発を実現したものである。
本発明の非晶質炭素膜被覆部材においては、基本的な膜の材質として、非晶質炭素膜を使用するものである。炭素膜、特に非晶質炭素膜は、Sn等に対して極めて固溶しにくいという性質が有しているため、相手材(特にハンダに含まれるSn)の凝着を抑制することができる。
本発明では、非晶質炭素膜に含有させる金属元素として、タングステン(W)を選択する。このタングステンは、他の金属元素と比べて、Snや鉛(Pb)に対して固溶し難いという性質があるので、相手材(特にハンダに含まれるSn)の凝着を抑制することが期待できる。また、タングステンは鉄等と比べて、非晶質炭素膜への導電性付与効果は大きいものとなる。但し、スパッタリングで形成されたタングステン膜は、Snの凝着が全く発生しない訳ではないため、単にタングステンを含有させるだけでは不十分である。
炭素膜に金属元素を含有させる方法として、従来から知られている成膜方法では、炭素ターゲット上に金属元素チップを配置する方法(即ち、炭素ターゲットに付随して金属元素を配置する方法)が採用されるのが一般的である(例えば、前記特許文献2)。こうした方法では、金属元素チップの量を調整することによって、全体としては炭素に対する金属元素の量を精密に制御できるものの、微視的にみれば金属元素またはその炭化物を炭素膜に一様に分散させることができず、金属元素またはその炭化物の偏りが生じてしまうことになる。そのため、表面に凝集したタングステンまたはその炭化物の粒子に相手材(特にハンダに含まれるSn)が凝着しやすくなる。
これに対して本発明では、上記のようなタングステン含有非晶質炭素膜を形成するに際して、固体タングステンターゲットと固体炭素ターゲットを夫々独立した2つの蒸発源として設け、各蒸発源からの蒸気雰囲気中で基材表面に交互に複数回処理する(レート制御可能な真空蒸着法やスパッタリング法によって膜を形成する)ものである。
このように、タングステンと炭素を夫々独立したターゲットから成膜することによって、個々の成分に対して成膜条件を制御できることになり、タングステン含有非晶質炭素膜をプローブピン等の要求される特性に適切に対応できる状態で形成することができる。このようにして得られるタングステン含有非晶質炭素膜では、非晶質炭素中にタングステン(若しくはタングステンカーバイト)粒子が適切に分散したグラニュラー構造を持つものとなり、タングステン/非晶質炭素の層状構造や、タングステン粒子が基材側から表面まで繋がった構造にはならない。本発明で得られるタングステン含有非晶質炭素膜では、上記したような構造になる結果、Snの凝着を飛躍的に抑制することができるようになる。
本発明の上記タングステン含有非晶質炭素膜は、上記したようにタングステン/非晶質炭素の層状構造にはならず、非晶質炭素中にタングステン(若しくはタングステンカーバイト)粒子が適切に分散したグラニュラー構造を持つものとなる。こうした構造を有する膜は夫々独立した2つの蒸発源からの蒸気雰囲気中で基材表面に交互に複数回処理することによって形成することができるが、上記のように各処理毎におけるタングステンまたは非晶質炭素の成膜量は形成後にそのまま層厚さとして反映できない場合もあるので、処理毎の量の目安として理論厚さ(理論厚さ相当量)を採用した。各処理1回当りに蒸着される理論厚さは、複数回処理して実際にタングステンまたは非晶質炭素のいずれか単独で形成した後、形成された層の厚さを処理回数で除して求めることができる。
各処理毎におけるタングステンまたは非晶質炭素の成膜量(理論厚さ)は、各ターゲット(固体タングステンターゲットまたは固体炭素ターゲット)に印加する電圧(若しくは電力)、基材バイアス電圧、基材と各蒸発源との処理周期(後記図1に示すような基材を回転する構成を採用する場合には、基材の回転速度に相当)等によって制御することができる。尚、処理毎(1回当り)の理論厚さは、上記のように実際の厚さを反映したものではないが、見掛け上の層厚さの意味も含むものである。例えば、タングステンの原子直径は2.74×10-10mであり、この値はタングステン層の厚さの最小値となるが、本発明では1回の処理でタングステンの完全な層が形成されない場合がある。それゆえ、処理毎の厚さとして「理論厚さ」を使用する。
導電性を付与するという観点からして、1回当りの処理で蒸着されるタングステン量は理論厚さで0.40×10-10m以上であることが必要であり、1.00×10-10m以上であることが好ましく、より好ましくは1.50×10-10m以上であり、更に好ましくは2.00×10-10m以上である。尚、上記のように1回当りの処理で蒸着されるタングステン量の上限は、タングステンの原子直径の関係から理論厚さで2.74×10-10m未満となる。
一方、1回当りの処理で蒸着される非晶質炭素膜量は、特に限定されないが、炭素原子の結合距離(ダイヤモンド:1.57×10-10m)の観点から理論厚さで1.57×10-10m以上であることが好ましく、2.00×10-10m以上であることがより好ましい。しかしながら、1回当りの非晶質炭素膜の厚さ(理論厚さ)が厚過ぎると、タングステン量との関係から導電性が悪くなるので、2.00×10-9m以下(20.0×10-10m以下)とすることが好ましく、より好ましくは1.00×10-9m以下(10.0×10-10m以下)である。
本発明方法を実施するに際して、夫々のターゲット(固体炭素ターゲットおよび固体タングステンターゲット)からなる2つの蒸発源の配置構成(装置構成)は特に限定されるものではないが、例えば図1(装置構成を示す概略説明図)に示すような装置を用いることができる。この装置では、蒸発源となる各ターゲット表面に対して垂直な方向が互いに直交するように2つの蒸発源2、3(図中2は固体タングステンターゲット、3は固体炭素ターゲットを夫々示す)を配置し、これら蒸発源の夫々の正面と直交する回転面を有する回転体4(基材ステージ)を真空チャンバ1内に備えており、この回転体の回転面上に、基材ホルダー5を介して基材6が載置された構成となっている。
そして、回転体4を回転することで、基材6の表面を、固体タングステンターゲット2、固体炭素ターゲット3の正面に順次向けるようにして複数回処理することによって、2つのターゲット(固体タングステンターゲット2、固体炭素ターゲット3)からの各成分が交互に蒸着されて、基材6の表面にタングステン含有非晶質炭素膜が形成されることになる。尚、図示していないが、真空チャンバ1内は、真空ポンプによってその内部が真空にされると共に、各種成膜用ガスが導入されるように構成されている。また各ターゲット(固体タングステンターゲットまたは固体炭素ターゲット)には、成膜時に電力を印加すると共に、基材にバイアス電圧を印加できる構成となっている。
上記のような装置構成を採用して操業することによって、タングステン含有非晶質炭素膜を連続的に成膜することができるようになる。こうした構成を採用する場合には、上記1回当りの処理は、「基材1回の回転当り」に相当することになる。また、基材1回の回転当りの処理で蒸着されるタングステン量や炭素量は、上記した1回当りの処理量に対応したものとなる。
本発明方法を実施するための装置構成は、図1に示したものに限らず他の構成のものも採用できるが、要するに、固体タングステンターゲットと固体炭素ターゲットを夫々独立した2つの蒸発源として設け、各蒸発源からの蒸気雰囲気中で基材表面に交互に複数回処理できるような構成となっていればよい。
上記のようにして形成されるタングステン含有非晶質炭素膜は、半導体検査装置用プローブピンの素材として有用なものであるが、こうした用途に用いる場合には、基材としてFe合金、Ni合金、Cu合金、Al合金、W、W−Re、Mo、Ti等を芯材として用い、この芯材に本発明方法によってタングステン含有非晶質炭素膜を被覆するようにすれば良い。このような半導体検査装置用プローブピンを構成する場合には、タングステン含有非晶質炭素膜の厚さ(全体の厚さ)は、十分な耐久性を得るためには、0.1μm(1000×10-10m)以上であることが好ましい。但し、この膜厚さがあまり厚くなり過ぎると、膜応力の影響で剥れやすくなるので1μm(10000×10-10m)以下とすることが好ましい。
但し、本発明で用いる基材の素材は、半導体検査装置用プローブピン以外の用途(例えば、静電気を嫌う摺動部材や電子部品)に適用する場合には、上記したものに限らず、例えばガラス、SUS、シリコンウェハー等も基材として適用できるものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
蒸発源に固体炭素ターゲットと固体タングステンターゲットを備えたアンバランスドマグネトロンスパッタリング装置(株式会社神戸製鋼所製:UBM202)を用いて、タングステン含有非晶質炭素膜の成膜を行った。このとき用いた装置構成の概要は前記図1に示した通りであり、図1も同時に参照して説明する。固体炭素ターゲット3と固体タングステンターゲット2は、相互の位置が90°の方向となるように配置し、基材6を中心に載置した回転体4(基材ステージ)を回転させて実施した。基材6としてはガラス基板を用いた。
基材6をチャンバ1内に導入後、1×10-3Pa以下に排気してから、Ar(アルゴン)ガス雰囲気中(成膜圧力:0.6Pa)で成膜を行った。このとき、固体タングステンターゲット2への投入電力を0.12kWとすることで、1回転当りのタングステン層厚(理論厚さ)を制御した。また、固体炭素ターゲット3への投入電力は2.0kWに固定した。成膜時には、基材6に−100Vのバイアス電圧を印加し、回転体4(基材ステージ)の回転数は5rpmとした。以上の成膜条件で試料を作製した(下記表1の試料No.2)。
得られた試料について、4探針法による電気抵抗値(比抵抗)を測定することによって導電性を評価した。また膜厚(全体の膜厚)は、ガラス基板(基材6)に予め修正液を付けておき、成膜後にエタノールで修正液と膜を剥離することで膜の段差を表面粗さ計で測定した。また各層厚さ(1回転当りで形成される各層の理論厚さ)は、実際のタングステン含有非晶質炭素成膜の成膜条件で、炭素またはタングステンのみの成膜を実施し、各々の成膜速度から1回当りに成膜される厚さを算出した。
また、得られた試料について、Snボールを用いた摺動試験を実施することによってSn凝着性を評価した。摺動試験は、ボールオンディスク試験装置(CMS社製:、Tribometer)によって回転摺動試験を実施した。このとき回転半径:1.5mm、回転速度:0.2cm/秒、荷重:0.2Nとし、ボールにはSUJ2(直径:9.5mm)上に10μmのSnめっきしたものを使用した。また摺動距離は300mの一定とし、摺動試験後のSn付着量をSn凝着性の指標とした。Sn付着量は、摺動円周上の3点を表面粗さ計で測定し、各箇所の各箇所の付着断面積を求め、3点の平均値を求めた。このときの値が0のものは(下記表の試料No.2)、Sn付着が全く発生していないことを示している。
その結果(比抵抗、Sn付着量)を、膜中の金属含有量と共に下記表1に示す。下記表1には、成膜手法や添加金属種の違いによる結果をも示した。即ち、固体タングステンターゲット(ターゲット1)の代りにFeターゲットを用いたもの(ターゲット2は固体炭素ターゲット:試料No.3)、および固体炭素ターゲット上にタングステン線(W線)を配置したもので成膜したもの(試料No.1)についても示した。このとき、固体炭素ターゲット(固体炭素ターゲット上にW線を配置したものも含む)への印加電圧は2.0kWとし、Feターゲットへの印加電圧は0.06kWとした(回転数については、上記と同じ)。
上記の条件で基材1回転当りに形成されるタングステン層、Fe層および炭素層の理論膜厚は、夫々2.35×10-10m、2.17×10-10mおよび3.51×10-10mである。また、いずれの膜も、その膜厚さ(全体の厚さ)は0.2μm(2000×10-10m)となるように成膜時間を制御した。
Figure 0005357645
この結果から次のように考察できる。まず複合皮膜(試料No.1のもの)では、比抵抗は低くなるものの、Snの凝着が発生していることが分かる。これに対し、固体タングステンターゲットと固体炭素ターゲットを夫々独立した2つの蒸発源を設けて成膜したものでは(試料No.2:本発明例)、比抵抗が低くなっており、Snの凝着も発生していないことが分かる。また含有させる金属種をFeに変更したものでは(試料No.3)、比抵抗は比較的低くなっているものの、タングステンに比べて高い値を示し、またSnの凝着も発生していることが分かる。
[実施例2]
次に、タングステンの層厚さの違いによる比抵抗とSn凝着性の評価を行なうため、固体炭素ターゲットの印加電力を2.0kWの一定とし、タングステンターゲットの印加電力を0.02〜0.25kWに変化させることで、タングステン層厚さを変化させてタングステン含有非晶質炭素膜を成形した(他の条件については、実施例1と同じ)。従って、1回転当りの炭素層の理論厚さは、3.51×10-10mである。
タングステンターゲットへの印加電力(W印加電力)、そのときのタングステン厚さ(1回転当り理論厚さ:W層厚さ)、各条件で形成されたタングステン含有非晶質炭素膜の比抵抗およびSn付着量(測定方法は上記)について、下記表2に示す(表2の試料No.9は表1の試料No.2に相当)。
Figure 0005357645
表2の結果から、次のように考察できる。まずW印加電力が0.02kWでは、W層厚さは0.32×10-10mとなり、比抵抗の値が比較的大きくなることが分かる。これは含有されるタングステンの量が少なくなったためと考えられる。これに対し、W印加電力が0.04〜0.12kWでは(試料No.5〜9)、W層厚さは0.56〜2.35(×10-10m)となり、グラニュラー構造のタングステン含有非晶質炭素膜となっているものと推察され、比抵抗が小さく、且つSnの凝着も発生していないことが分かる。しかしながら、W層厚さが3.26×10-10m以上では(試料No.10〜14)、比抵抗は小さくなるものの、Snの凝着が発生していることが分かる。これは、W層厚さが3.26×10-10m以上となるような成膜条件では、タングステン粒子が粗大化するため、比抵抗が下がるが、皮膜表面に存在するタングステンの割合が増大することでSnの凝着が発生するものと考えられた。
1 真空チャンバ
2 固体タングステンターゲット
3 固体炭素ターゲット
4 回転体(基材ステージ)
5 基材ホルダー
6 基材

Claims (4)

  1. 基材表面にタングステン含有非晶質炭素膜を被覆した半導体検査装置用プローブピンを製造するに当り、固体炭素ターゲットと固体タングステンターゲットから別々に形成される2つの蒸発雰囲気で、前記基材表面を交互に複数回処理すると共に、1回当りの処理で蒸着されるタングステン量は理論厚さが0.40×10-10m以上、2.74×10-10m未満に相当するように設定して操業することを特徴とする半導体検査装置用プローブピンの製造方法。
  2. 基材表面にタングステン含有非晶質炭素膜を被覆した半導体検査装置用プローブピンを製造するに当り、固体炭素ターゲットと固体タングステンターゲットを夫々有する独立した2つの蒸発源と、これら蒸発源の正面と直交する回転面を有する回転体を備えた装置を用い、この回転体の回転面に基材を載置し、回転体を回転することで基材表面を順次ターゲット正面に向けて複数回処理すると共に、1回当りの処理で蒸着されるタングステン量は理論厚さが0.40×10-10m以上、2.74×10-10m未満に相当するように設定して操業することを特徴とする半導体検査装置用プローブピンの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載された方法によって、芯材をタングステン含有非晶質炭素膜で被覆することによって得られる半導体検査装置用プローブピン。
  4. タングステン含有非晶質炭素膜の厚さが0.1〜1μmである請求項3に記載の半導体検査装置用プローブピン。
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