JP2007271343A - コンタクトプローブおよびその製造方法 - Google Patents

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Yoshihiro Hirata
嘉裕 平田
Kazunori Okada
一範 岡田
Kazunori Kawase
和典 川瀬
Koji Nitta
耕司 新田
Seiji Ogino
誠司 荻野
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Abstract

【課題】バネ特性と電極への接触特性に優れた堅牢なコンタクトプローブを提供する。
【解決手段】本発明のコンタクトプローブは、被測定面に接触する先端部と、先端部に接続するバネ部と、バネ部に接続して基板上でバネ部を支持する支持部とを備えるコンタクトプローブであって、先端部とバネ部と支持部とは、支持部を固定して先端部を被測定面に押し当てると、先端部が被測定面に当接したままバネ部により弾性変形するように構成され、先端部とバネ部は、弾性変形する方向に沿って平面を有する板状構造体であり、先端部のうちバネ部との接続部分が、バネ部の平面に埋め込まれた構造を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ICチップまたは液晶デバイスなどの電子部品の電極に接触させて、電気的な検査を行なうためのコンタクトプローブおよびその製造方法に関する。
ICおよびLSIが高密度で実装された電子部品の電気的な検査をするために、多数のコンタクトプローブを配置したプローブカードが使用される。図6に、従来のカンチレバー型コンタクトプローブの基本構造を示す。図6(a)は、側面図であり、図6(b)は、平面図である。コンタクトプローブは、図6に示すように、先端部61と、バネ部62と、支持部63と、配線部64を有し、支持部63によりプローブカードに保持される。検査に際しては、コンタクトプローブの先端部61を電子部品の電極に押し付けて、電子部品から各種のデータを収集する。コンタクトプローブの先端部61は尖っており、電極の表面に形成された酸化被膜を破り、電気的な導通が得られる。また、検査対象である電子部品の反りおよび電極の高さのばらつきを吸収し、電極との確実な接触を得るため、バネ構造を有する。
コンタクトプローブを取付けるプローブカードの基本構造を図7に例示する。図7(a)は、斜視図であり、VIIB−VIIBで切断した断面図が図7(b)である。図7(a)に示すように、プローブカードの上表面には、多数の配線などが半径方向に配列している(図7(a)には、その一部を示す)。また、図7(b)に示すように、プローブカード70は、円板状の基板72と、基板72に組み込まれた針押え部74と、針押え部74に片持ち梁状に支持される複数のコンタクトプローブ76とからなる。コンタクトプローブ76は、基板72の半径の方向に配置する。
従来、コンタクトプローブとして、タングステン線が多く用いられてきたが、今日、ICおよびLSIの高集積化が進行し、被検査体である電極の配置密度が高くなるにつれて、コンタクトプローブの集積化が要求され、タングステン線では集積化の要請に応えられないことから、電鋳により製造するコンタクトプローブが盛んに開発され、実用化されている。
図8に、電鋳により製造する従来のコンタクプローブの基本構造を例示する。このコンタクトプローブは、図8に示すように、基板85に接続されたバネ接続要素84と、バネ接続要素84の他端に接続された先端構造体80を備え、先端構造体80の上面には、電極に圧力接触するブレード83を有する(特許文献1参照)。同文献には、バネ接続要素84がワイヤからなり、先端構造体80が、Pd、Co、Rh、Wまたはダイヤモンドにより構成された例が記載され、バネ接続要素がバネ性に優れ、先端構造体が耐摩耗性および接触性に優れていると紹介されている。また、先端構造体は、Siの異方性エッチングにより樹脂型を形成し、その上に導電性層を形成した後、電鋳により金属材料層を形成して製造し、製造された先端構造体は、蝋付けまたは半田付けによりバネ接続要素に固定される。
特開2004−139992号公報
しかし、このコンタクトプローブは、先端構造体を別途作成した後、バネ接続要素に接続するため、アセンブル工程が加わり、コストが高くなる。また、シリコンの異方性エッチングにより形成できる先端構造体の形状はピラミッド状または屋根状などに限られ、コンタクトプローブの先端形状として最適な形状を十分に実現できない。
本発明の課題は、先端部が自在の形状を有し、バネ特性と電極への接触特性に優れた堅牢なコンタクトプローブを提供することにある。また、かかるコンタクトプローブの安価な製造方法を提供することにある。
本発明のコンタクトプローブは、被測定面に接触する先端部と、先端部に接続するバネ部と、バネ部に接続して基板上でバネ部を支持する支持部とを備えるコンタクトプローブであって、先端部とバネ部と支持部とは、支持部を固定して先端部を被測定面に押し当てると、先端部が被測定面に当接したままバネ部により弾性変形するように構成され、先端部とバネ部は、弾性変形する方向に沿って平面を有する板状構造体であり、先端部のうちバネ部との接続部分が、バネ部の平面に埋め込まれた構造を有することを特徴とする。
先端部が、バネ部との接続面に、接合層および/または応力緩和層を有する態様が好ましい。また、先端部のうちバネ部との接続部分が、表面に凹凸が形成された粗面を有する態様が好ましい。さらに、先端部のうちバネ部との接続部分が、バネ部の平面に沿って蛇行した板状構造を有する態様が好ましい。
本発明の製造方法は、かかるコンタクトプローブの製造方法であって、リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、導電性基板上で、樹脂型に金属材料層を電鋳により形成する工程と、金属材料層の表面を研磨または研削により平坦化する工程と、樹脂型を除去する工程とにより先端部を形成する工程と、リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、導電性基板上で、樹脂型に金属材料層を電鋳により形成する工程と、金属材料層の表面を研磨または研削により平坦化する工程と、樹脂型を除去する工程と、導電性基板を取りはずす工程とにより先端部に、バネ部と支持部を形成する工程を備えることを特徴とする。
先端部形成工程における平坦化工程の後に、メッキまたはスパッタリングにより金属材料層上に接合層および/または応力緩和層を形成する態様が好ましく、その後、バネ部と支持部の形成工程における電鋳工程の後、加熱処理をする態様がより好ましい。また、先端部形成工程における平坦化工程の後に、ブラストまたはスパッタリングまたはエッチングにより、先端部に粗面を形成する態様が好ましい。さらに、先端部形成工程における平坦化工程の後に、金属材料層上に犠牲層を形成し、バネ部と支持部の形成工程における電鋳工程の前に、犠牲層を除去する態様が好ましい。
プローブの層間剥離を防止し、バネ特性と電極への接触特性に優れたコンタクトプローブを提供することができる。また、先端部の形状を自在に成形した安価なコンタクトプローブを提供できる。
(コンタクトプローブ)
本発明のカンチレバー型のコンタクトプローブを図1に例示する。図1(a)はコンタクトプローブの全体を示す平面図であり、図1(b)〜図1(d)は先端部とその近傍の拡大図である。また、図1(b)は平面図であり、図1(c)は底面図であり、図1(d)は側面図である。図1(a)に示すように、このコンタクトプローブは、被測定面に接触する先端部1と、先端部1に接続するバネ部2と、バネ部2に接続して基板(図示していない。)上でバネ部2を支持する支持部3とを備える。先端部1とバネ部2と支持部3とは、支持部3を固定して先端部1を被測定面に押し当てると、先端部1が被測定面に当接したままバネ部2により、矢印に示す方向に弾性変形する。先端部1とバネ部2は、弾性変形する方向(矢印の方向)に沿って平面を有する板状構造体である。また、図1(d)に示すように、先端部1のうちバネ部2との接続部分が、バネ部2の平面2aに埋め込まれた構造を有することを特徴とする。
コンタクトプローブは、検査を促進するため高温条件下で、十万回以上も被検査体である電極に圧接され、先端部1とバネ部2の界面に繰り返し荷重がかかるため、先端部1とバネ部2との間で層間剥離が生じやすい。しかし、本発明では、図1(d)に示すように、先端部1のうちバネ部2との接続部分が、バネ部2の平面2aに埋め込まれた構造を有するため、先端部をバネ部上に単に積層した構造に比べて、層間剥離による先端部の脱離を抑制する効果が大きい。また、図1(d)に示すように、先端部1の厚さt1を薄くすることにより、接触圧力を高め、電気抵抗を下げ、安定した導通を得ることが可能である。また、バネ部2の厚さt2を厚くすることによりバネ力が得られ、アセンブリが容易となる。本発明のコンタクトプローブにおける先端部1は、弾性変形する方向(矢印の方向)に沿って平面を有する板状構造体であるため、リソグラフィと電鋳により容易に製造することができ、形状を自在に実現できる。また、先端部に接触性のよい材料を用い、バネ部にバネ性の良好な材料を用いることで、高い特性のプローブを得ることができる。
先端部には、被検査体である電極に圧接される毎に左右両方に荷重がかかるが、図1(c)に示すように、対称軸I−Iに対して線対称となるような構造とすることにより、左右両方の荷重がかかる場合でも層間剥離を抑制する効果を高めることができる。図2と図3に、先端部とバネ部との他の接続態様を例示する。図2(a)は底面図であり、図2(b)は側面図であり、先端部21はバネ部22の平面に埋め込まれた構造を有する。同様に、図3(a)は底面図であり、図3(b)は側面図であり、先端部31はバネ部32の平面に埋め込まれた構造を有するが、さらに、図2(a)および図3(a)に示すように、先端部のうち、バネ部との接触部分が、バネ部の平面に沿って蛇行した板状構造を有すると、より一層、先端部の脱離を抑制する効果を高めることができる。また、先端部を片側に寄せた構造とすることにより、図2(a)におけるw2、または図3(a)におけるw3が、図1(c)におけるw1に比べて広くなるため、後述するリソグラフィによる製造が容易になる。
図9に、本発明のコンタクトプローブにおいて、先端部とバネ部との間に接合層93を有する態様を示す。図9(a)は底面図であり、図9(b)は側面図である。図9(b)に示すように、先端部91とバネ部92との間に接合層93を有すると、先端部91とバネ部92との密着性が高まり、層間剥離を抑制する効果を高めることができる点で好ましい。接合層としては、Au、Au−Sn、半田などからなる層であり、厚さは、0.5μm〜3.0μmが好ましい。
前述のとおり、検査を促進するために、コンタクトプローブは高温下で使用されることが多く、さらに、検査中は通電によりプローブの温度が上がるため、先端部とバネ部の熱膨張率の相違により、先端部とバネ部の界面に大きな応力が発生し、層間剥離が生じやすくなる。このため、層間剥離を抑制する点で、先端部とバネ部の接続面に、AuまたはCuなどからなる応力緩和層を有する態様が好ましく、応力緩和層の厚さは、0.5μm〜10μmが好ましい。
先端部のうちバネ部との接続部分が、表面に凹凸が形成された粗面を有する態様が好ましい。粗面が形成されることにより、先端部とバネ部との接触面積が増加し、密着性が高まり、また、先端部の表面が凹凸を有することによりアンカー(錨)効果が生じて、先端部の脱離を抑制する効果を高めることができる。このため、粗面は、たとえば、表面粗さRa(算術平均粗さ)で、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上が好ましい。一方、先端部の表面に大きな凹凸があると、リソグラフィにおいて乱反射の原因となり、悪影響が生じるため、粗面のRaは0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。
コンタクトプローブの材質は、靭性などのバネ特性に優れ、硬度が高い点で、NiまたはNi系合金が好ましく、NiまたはNi系合金は、LIGA法による製造に適している点でも好ましい。Ni系合金としては、NiMn,NiFe,NiCo,NiW,NiPdが好ましく、Ni系合金の中でも、製造するコンタクトプローブに高い耐熱性が要求される場合にはNi−Mnが好適で、Mnの含有量は3質量%以下がより好ましい。一方、電気的な特性が求められる場合には、CuまたはCu系合金が好ましく、CuおよびCu系合金もLIGA法による製造に適している。Cu系合金としては、Cu−SnまたはCu−Znなどがある。なお、本明細書において、M系合金とは、金属元素Mを40質量%以上含有する合金をいう。
先端部には、導電性に優れ、接触抵抗が小さく、摩耗しにくく、さらに、硬度と融点の高い材料が好ましく、たとえば、Rh、Ir、Pt、Ru、Ni−PdもしくはPd−Coまたはそれらの合金が好適である。図10に、本発明における先端部とバネ部との他の接続態様を示す。図10(a)は底面図であり、図10(b)は側面図である。図10に示す例では、バネ部12に接続する先端部11は、Rh層11aと、Ni系合金層11b,11cとからなる積層体である。たとえば、RhまたはPtは、電鋳により形成すると、脆くなる場合があるが、そのような場合でも、図10に示すように、Ni系合金層11b,11cなどとの積層体とすることにより十分な強度を得ることができる。
後述する製造方法によれば、コンタクトプローブの先端部と、バネ部および支持部は、別個の電鋳工程を経て形成することから、先端部の材質と、バネ部および支持部の材質とを異なるものとすることができる。したがって、先端部には、ロジウムまたはパラジウム系合金などを使用することにより電極への接触特性を高め、バネ部にはニッケルまたはニッケル系合金などの材質を採用することにより、バネ特性の優れたコンタクトプローブを提供することができる。
(コンタクトプローブの製造方法)
本発明の製造方法は、前述したコンタクトプローブの製造方法であって、先端部を形成する工程と、先端部にバネ部と支持部を形成する工程とを備える。先端部を形成する工程は、リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、樹脂型に金属材料層を電鋳する工程と、金属材料層を平坦化する工程と、樹脂型を除去する工程とを備える。また、バネ部と支持部を形成する工程は、リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、樹脂型に金属材料層を電鋳する工程と、金属材料層を平坦化する工程と、樹脂型を除去する工程と、導電性基板を取りはずす工程とを備えることを特徴とする。
リソグラフィを採用することにより、先端部を自在に成形することができ、またアセンブリが容易な形状のプローブを形成することができる。また、先端部とバネ部と支持部を含むコンタクトプローブを一体形成できるため、先端部とバネ部とを別途、接合する必要がなく、部品点数を減らし、部品コストおよび組立てコストを低減することができる。一方、機械加工では、±10μm程度の精度しか得られないが、本発明の製造方法によれば、±1μmの高精度のコンタクトプローブを再現性よく製造することができ、バネ特性を均一に保つことができる。また、全長のバラツキを減らし、被測定面に接触する当接部の形状のバラツキを小さくできるため、脆性電極に対しても、過剰なストレスの発生を抑えることができる。
かかるコンタクトプローブの製造方法を図4に例示する。図4(a)に示すように、まず、導電性基板41上にレジスト42を形成する。導電性基板として、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼などからなる金属製基板を使用することができる。また、チタン、クロムなどの金属材料をスパッタリングしたシリコン基板などを用いることができる。レジストには、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのポリメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂材料、または紫外線(UV)もしくはX線に感受性を有する化学増幅型樹脂材料などを用いる。レジストの厚さは、形成しようとするコンタクトプローブの先端部の厚さに合せて任意に設定することができ、たとえば、10μm〜200μmとすることができる。
つぎに、レジスト42上にマスク43を配置し、マスク43を介してUVまたはX線44などを照射する。厚さが100μmを超え、高いアスペクト比を有する構造体が必要な場合、または±2μm程度の高精度の構造体が必要な場合は、UV(波長200nm)より短波長であるX線(波長0.4nm)を使用するのが好ましい。また、X線の中でも指向性の高いシンクロトロン放射のX線(以下、「SR」という。)を使用する態様がより好ましい。SRを用いるLIGA法は、ディープなリソグラフィが可能であり、厚さ数100μmのコンタクトプローブをミクロンオーダーの高精度で大量に製造することができる。一方、UVを用いると、コスト面でメリットを追求することができる。
マスク43は、製造しようとする先端部の形状に応じてパターニングしたUVまたはX線44などの吸収層43aと、透光性基材43bとからなる。透光性基材43bには、X線用マスクでは、窒化シリコン、シリコン、ダイヤモンド、チタンなどを用い、UV用マスクでは、石英ガラスなどを用いる。また、吸収層43aには、X線用マスクの場合は、金、タングステン、タンタルなどの重金属またはその化合物などを用い、UV用マスクの場合は、クロムなどを用いる。X線44またはUVの照射により、レジスト42のうち、レジスト42aは露光されるが、レジスト42bは吸収層43aにより露光されない。このため、ポジ型レジストの場合、露光により変質(分子鎖が切断)した部分のみが現像により除去され、図4(b)に示すようなレジスト42bからなる樹脂型が得られる。一方、ネガ型レジストを使用した場合は、逆に露光部が残り、非露光部が除去されるので、ポジ型レジストの場合とは逆のマスクパターンが必要となる。
つぎに、電鋳を行ない、図4(c)に示すように、レジスト42bからなる樹脂型に金属材料層45aを堆積する。電鋳とは、金属イオン溶液を用いて導電性基板上に金属材料からなる層を形成することをいう。導電性基板41をめっき電極として電鋳を行なうことにより、樹脂型に金属材料層45aを堆積することができる。金属材料層45aは、本発明のコンタクトプローブにおける先端部となり、先端部の材料には、バネ部と同じニッケルまたはニッケル合金などを用いることができるが、前述のとおり、ロジウムまたはパラジウム系合金などを選択することにより先端部の接触性を高めることができる。
電鋳後、研磨または研削により金属材料層の表面を平坦化し、所定の厚さに揃えてから、化学的な剥離方法またはプラズマエッチングにより樹脂型を除去すると、図4(d)に示すような金属材料層45aからなる先端部を導電性基板41上に形成することができる。つぎに、図4(e)に示すように、レジスト47を、たとえば、30μm〜200μm程度形成し、図4(a)と同様に、レジスト47上にマスク46を配置し、X線44などを照射し、現像して、図4(f)に示すような、樹脂型47bを形成する。
その後、図4(c)と同様に、電鋳により樹脂型47bに金属材料層45bを形成し、金属材料層の表面を研磨または研削により平坦化する。つぎに、図4(g)に示すように、ウェットエッチングまたはプラズマエッチングにより樹脂型47bを除去する。最後に、導電性基板41を取りはずすと、図4(h)に示すように、金属材料層45aからなる先端部に、金属材料層45bからなるバネ部と支持部が接続した構造を有する本発明のコンタクトプローブ45を得ることができる。基板の除去は、酸もしくはアルカリを用いたウェットエッチングにより、または機械的に引き剥がすことにより行なうことができる。
図4(c)に示すように、先端部形成工程において、金属材料層45aを研磨または研削により平坦化した後、メッキまたはスパッタリングにより、金属材料層45a上に接合層を形成する態様が好ましい。接合層形成後、金属材料層45bが形成されるから(図4(g))、Au−Sn、Au、半田またはCuなどからなる接合層を、金属材料層45aと金属材料層45bとの間に形成することにより、各層間の密着性が高まり、層間脱離を抑制する効果を高めることができる。
図4(c)に示すように、先端部形成工程における平坦化工程の後に、メッキまたはスパッタリングにより金属材料層45a上に応力緩和層を形成する態様が好ましい。応力緩和層形成後、金属材料層45bが形成されるから(図4(g))、AuまたはCuなどの軟質材からなる応力緩和層を、金属材料層45aと金属材料層45bとの間に形成することにより、熱膨張率の差で生じる歪を緩和し、層間剥離を防止し、先端部の脱離を抑制する効果をさらに高めることができる。
金属材料層45bからなるバネ部と支持部を形成した後、加熱処理をすると、形成した接合層および/または応力緩和層が溶融し、界面での拡散を促進できるため、各層の密着性が一層高まり、先端部の脱離を抑制する上で効果的である。たとえば、接合層として、Au−Sn層を形成した場合、Au−Snは280℃で溶融するため、350℃で10秒間程度加熱処理を施すことにより、密着性を高めることができ、接合層として半田を使用する場合も同様の加熱処理が有効である。
先端部形成工程における平坦化工程の後に、ブラストまたはスパッタリングまたはエッチングにより、金属材料層45aの表面を粗面に加工する態様が好ましい。粗面を形成することにより、金属材料層45aと金属材料層45bとの間の接触面積を増加させ、層間の密着性を高めることができる。また、アンカー(錨)効果により先端部の脱離を抑制する効果を高めることができる。
本発明のコンタクトプローブの製造方法について、他の態様を図5に例示する。まず、図5(a)に示すように、導電性基板51上にレジスト52を形成し、レジスト52上にマスク53を配置して、X線などを照射した後、露光し、先端部形成用の樹脂型52aを形成する。つぎに、電鋳を行ない、図5(b)に示すように、研磨または研削により平坦化した後、図5(c)に示すように、金属材料層55a上に、接合層58と犠牲層59を電解メッキにより形成する。犠牲層59の材質は、電解メッキが可能であり、金属材料層55aの材質に対して選択的なエッチングが可能であることが必要である。したがって、犠牲層は、金属材料層の材質(Ni系合金など)との関係において選択し、たとえば、Cuを好ましく選択することができ、Cuからなる犠牲層は希塩酸などにより、容易にエッチングすることができる。犠牲層の厚さは、犠牲層の効果を確保する点で、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。一方、犠牲層形成後、不要となった犠牲層をエッチングにより容易に除去できるように、犠牲層の厚さは、1.0μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
つづいて、樹脂型52aを除去した後、図5(d)に示すように、レジスト52bを形成し、リソグラフィにより露光し、現像して樹脂型52cを形成する(図5(e))。その後、図5(f)に示すように、樹脂型52cの空孔内にある犠牲層59aをエッチングにより除去し、樹脂型52cに金属材料層55bを電鋳により形成し、研磨または研削により平坦化した後、図5(g)に示すように、樹脂型52cをアッシングにより除去する。つづいて、エッチングにより犠牲層59bをエッチングにより除去し、さらに、基板6を取り外した後、加熱する。得られるコンタクトプローブにおいては、金属材料層55aと金属材料層55bとの間に接合層58が介在するため、層間の密着性が高く、層間剥離を抑制する効果が大きい。また、加熱によりAu−Snなどからなる接合層を溶融し、金属材料層55aと金属材料層55bとの密着性をより一層高めることができる。
図5(d)において、樹脂層52bを形成するために、樹脂液を塗布し、加熱して乾燥するときに、金属材料層55aは熱伝導度が高いため、金属材料層55a上の樹脂は速く乾燥するが、他の領域の樹脂は遅く乾燥する。このため、樹脂型52c形成後の加熱により、樹脂型52cからレジストが沁みだし、図5(e)に示すように、レジスト残渣54が生じやすい。また、レジスト残渣54は、現像工程においても生じる。レジスト残渣54が存在すると、金属材料層55aと、その上の金属材料層55bとの密着性が低下し、層間剥離が生じやすくなる。
図5に示す実施形態では、図5(c)に示すように、先端部形成工程における平坦化工程の後に、犠牲層59を形成し、バネ部と支持部の形成工程における電鋳工程を実施する前に、犠牲層59aを除去する。したがって、樹脂型52cの空孔部内には予め犠牲層59が形成されているから、樹脂型の空孔部内にレジスト残渣が生じても、犠牲層とともに除去することができる。したがって、先端部とバネ部の密着性を高く維持することができ、層間剥離を回避し、先端部の脱離を抑制する効果を高めることができる。
本発明のコンタクトプローブでは、先端部のうちバネ部との接続部分がバネ部の平面に埋め込まれた構造を有し、好ましい態様として、先端部とバネ部との接続面に、接合層、応力緩和層、粗面または犠牲層を有するが、これらの好ましい態様は、組合わせることにより相乗的に層間の密着性を高め、層間剥離を抑制する効果を高めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のコンタクトプローブは、繰り返しタッチダウンしても先端部の脱離が抑制され、接触特性およびバネ特性が良好であるため、信頼性の高いIC検査が可能である。また、各構成部品を一体成形できるため製造コストが低廉である。
本発明のコンタクトプローブの基本構造を示す模式図である。 本発明のコンタクトプローブにおける先端部とバネ部との接続態様を示す模式図である。 本発明のコンタクトプローブにおける先端部とバネ部との接続態様を示す模式図である。 本発明のコンタクトプローブの製造方法を示す工程図である。 本発明のコンタクトプローブの製造方法を示す工程図である。 従来のコンタクトプローブの基本構造を示す模式図である。 コンタクトプローブを取付けるプローブカードの基本構造を示す模式図である。 従来のコンタクプローブの基本構造を示す模式図である。 本発明のコンタクトプローブにおいて、先端部とバネ部との間に接合層を有する態様を示す模式図である。 本発明のコンタクトプローブにおいて、先端部とバネ部との他の接続態様を示す模式図である。
符号の説明
1,21,31 先端部、2,22,32 バネ部、3 支持部、41 基板、42,47 レジスト、43,46 マスク、44 X線、45a,45b 金属材料層、58,93 接合層、59 犠牲層。

Claims (11)

  1. 被測定面に接触する先端部と、該先端部に接続するバネ部と、該バネ部に接続して基板上でバネ部を支持する支持部とを備えるコンタクトプローブであって、前記先端部とバネ部と支持部とは、支持部を固定して先端部を被測定面に押し当てると、先端部が被測定面に当接したままバネ部により弾性変形するように構成され、前記先端部とバネ部は、弾性変形する方向に沿って平面を有する板状構造体であり、前記先端部のうちバネ部との接続部分が、バネ部の前記平面に埋め込まれた構造を有するコンタクトプローブ。
  2. 前記先端部は、バネ部との接続面に接合層を有する請求項1に記載のコンタクトプローブ。
  3. 前記先端部は、バネ部との接続面に応力緩和層を有する請求項1または2に記載のコンタクトプローブ。
  4. 前記先端部のうちバネ部との接続部分が、表面に凹凸が形成された粗面を有する請求項1〜3のいずれかに記載のコンタクトプローブ。
  5. 前記先端部のうちバネ部との接続部分は、バネ部の前記平面に沿って蛇行した板状構造を有する請求項1〜4のいずれかに記載のコンタクトプローブ。
  6. 請求項1に記載のコンタクトプローブの製造方法であって、
    リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、
    導電性基板上で、前記樹脂型に金属材料層を電鋳により形成する工程と、
    前記金属材料層の表面を研磨または研削により平坦化する工程と、
    樹脂型を除去する工程と
    により先端部を形成する工程と、
    リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、
    導電性基板上で、前記樹脂型に金属材料層を電鋳により形成する工程と、
    前記金属材料層の表面を研磨または研削により平坦化する工程と、
    樹脂型を除去する工程と、
    導電性基板を取りはずす工程と
    により前記先端部に、バネ部と支持部を形成する工程を備えるコンタクトプローブの製造方法。
  7. 先端部形成工程における平坦化工程の後に、メッキまたはスパッタリングにより金属材料層上に接合層を形成する請求項6に記載のコンタクトプローブの製造方法。
  8. 先端部形成工程における平坦化工程の後に、メッキまたはスパッタリングにより金属材料層上に応力緩和層を形成する請求項6または7に記載のコンタクトプローブの製造方法。
  9. バネ部と支持部の形成工程における電鋳工程の後、加熱処理をする請求項7または8に記載のコンタクトプローブの製造方法。
  10. 先端部形成工程における平坦化工程の後に、ブラストまたはスパッタリングまたはエッチングにより、先端部に粗面を形成する請求項6〜9のいずれかに記載のコンタンクトプローブの製造方法。
  11. 先端部形成工程における平坦化工程の後に、金属材料層上に犠牲層を形成し、バネ部と支持部の形成工程における電鋳工程の前に、犠牲層を除去する請求項6〜10のいずれかに記載のコンタクトプローブの製造方法。
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