JP4044689B2 - 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬や食品用などの製剤に、崩壊性や結合性を付与するために添加される低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
医薬品や食品分野等における顆粒剤や錠剤などの固形製剤は、主薬成分のみで製剤化すると、薬物を投与しても十分な崩壊性が得られず、薬効が十分に発揮されなかったり、結合性が劣るため、製剤の形状を保つことができないなどの問題がある。このような問題を解決するために、製剤化の際に低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加することにより、崩壊性や結合性を付与してきた。その目的のため、上記の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの他に、例えばカルボキシメチルセルロース及びそのカルシウム塩、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルスターチ等が用いられる。これらの中で低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、非イオン性であるため、イオン性の薬物等との相互作用による変質が少ない等の利点を有する。
【0003】
従って、顆粒剤や錠剤などの製剤は、上述の利点を利用して低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの粉末を医薬の有効成分やその他の賦型剤等と乾式混合後、打錠したり、水又は水溶性結合剤の水溶液と混練し造粒することにより製剤化される。
このような製剤化において、崩壊性や結合性を付与するために添加される低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを製造するには、まず、原料パルプを苛性ソーダ水溶液に浸漬後、圧搾して得られたアルカリセルロースとプロピレンオキサイドとを反応させるか、あるいは、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、ヘキサン等の有機溶剤中の粉末状パルプに苛性ソーダ水溶液を添加して得られたアルカリセルロースとプロピレンオキサイドとを反応させる。次に、得られた粗反応生成物を水中に分散させ、溶解した後、残存アルカリを酸により中和する。
【0004】
なお、上記の中和反応を行う前に予め、酸を添加して残存アルカリの一部を中和溶解することにより、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの見掛け密度を調整することができる(特公昭57―53100号公報参照)。
最後に、上述の工程段階において副生される塩及びその他の不純物を除去するために、水又は熱水を用いて洗浄精製を行い、精製した生成物を圧搾して水分を除去後、乾燥・粉砕等の工程を経て最終的に低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが得られる。
しかし、この低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、水不溶性で、水を吸収し膨潤することにより崩壊するものであり、保水性(水を抱える性質)に優れた、特有の性質を有する。そのため、従来の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法では、水や熱水による洗浄精製後の生成物の含水率が高くなることにより、その後続の乾燥工程の際には、多くの熱量を必要とするので、生産性が低下してしまうという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造時、特に反応終了後の洗浄精製工程後の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含水率を低下させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため本発明の一態様によれば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを製造する際の反応生成物を溶解中和する工程において、その溶解中和時の温度を60℃以上にすることを特徴とする低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法が提供される。本発明の方法によれば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含水率が低下するので、その後の乾燥工程で必要な熱量を低減するとともに、単位水量当たりの灰分の低下率が向上する。また、濾過時間も短縮され低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの洗浄性を向上することにより、生産コストの削減を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態にのみ限定されるものではない。
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとしては、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.1〜0.5であるものが好ましい。ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.1未満であると、目的の結合性を示さず、一方、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.5を超えると、目的の崩壊性を示さず、成型された顆粒剤や錠剤等の製剤の崩壊に要する時間が長くなり過ぎるおそれがある。
【0008】
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法を具体的に説明すると次のようである。まず、原料パルプを10〜50重量%の苛性ソーダ水溶液に浸漬後、圧搾して得られたアルカリセルロースとプロピレンオキサイドを20〜90℃にて約2〜8時間反応させる。あるいは、粉末状パルプをイソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、ヘキサン等の有機溶剤中に溶解し、苛性ソーダ水溶液を添加してアルカリセルロースを製造し、このアルカリセルロースにプロピレンオキサイドを添加して反応させる。これによって、粗反応生成物を得ることができる。
【0009】
その後、ニーダータイプの混合機又は縦型の混合機等の公知の溶解装置に60℃以上の熱水を張り込み、そこへ上記粗反応生成物を60℃以上に保持しながら一定時間溶解した後、酸により中和する。ここで、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのアルカリ溶液を60℃以上の高温で処理することにより、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが水を吐き出した形で析出されるため、脱水した精製品の含水率が低下し、かつ、洗浄時の水切れの向上により洗浄性も向上する。
上記の溶解中和時の温度は60℃以上、好ましくは60〜100℃が好適である。溶解中和時の温度が60℃未満であると、脱水した精製品の含水率が高く、洗浄時の水切れが悪くなる。一方、溶解中和時の温度が100℃を超えると、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの重合度が低下したり、最終製品の変色が生じる等の問題のおそれがある。
【0010】
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの溶解時に用いられる水又は熱水の量は、無水セルロース1重量部あたり2〜20重量部、特に4〜10重量部が好ましい。このような溶解水量が2重量部未満であると、反応物の溶液が高粘性となるため、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを均一に溶解することが難しく、一方、溶解水量が20重量部を超えると、溶解に必要な装置が大きくなってしまうとともに、脱水した精製品の含水率が高くなるという問題がある。
【0011】
なお、上記溶解中和を行う前に予め、別に酸を添加して残存アルカリの一部を中和溶解することにより、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの溶解度を調整してもかまわない。
上記の中和工程で使用する酸としては、特に制限されることなく、どのような酸でも用い得るが、例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸等の有機酸と、塩酸、硫酸等の無機酸とが挙げられる。その酸の使用濃度は、特に制限されることなく自由に選択可能であるが、10〜50重量%の範囲が好ましい。
【0012】
その後、上記段階で得られた析出物を水又は熱水で希釈してスラリーを収得し、そのスラリーを減圧濾過又は加圧濾過等の常法に従って洗浄を行う。このように洗浄して得られた精製品を常法に従って、圧搾、乾燥、粉砕する。すなわち、加圧圧縮により圧搾して脱水し、静置式オーブンや流動層乾燥機等によって乾燥後、衝撃粉砕機、ボールミル等を用いて粉砕して最終生成物の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース粉末を得ることができる。
得られた低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの粉末は、医薬の有効成分やその他の賦型剤等と乾式混合後、打錠したり、水又は水溶性結合剤の水溶液と混練し造粒することにより、顆粒剤や錠剤などに製剤化される。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
原料パルプを43重量%苛性ソーダ溶液に浸漬後、圧搾して、水酸化ナトリウム22.2重量%、セルロース44.8重量%、水分33.0重量%の組成のアルカリセルロースを得た。セルロース換算で350gのアルカリセルロースを5リットル容量の反応器に仕込み、この反応器内を窒素ガスで置換した。置換後、プロピレンオキサイドを79g(セルロースに対して0.226重量部)反応器に添加して、45℃で2時間、65℃で30分間反応を行い、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.25である低置換度ヒドキシプロピルセルロースの粗反応生成物860gを得た。
【0014】
その後、ニーダーに65℃の熱水1925g(セルロースに対して5.5重量部)を張り込み、氷酢酸52gを添加した後、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を65℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸631gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、以下の脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
1.脱水試験
得られた低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを4重量%スラリーとなるように60℃の熱水にて希釈して、強度試験機(前川製作所製)にて1t、1分間圧縮して脱水操作を行う。その後、脱水した生成物を105℃で4時間乾燥して、その重量変化により生成物の脱水後の含水率を算出する。
2.洗浄試験
得られた低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを4重量%スラリーとなるように60℃の熱水にて希釈し、そのスラリーを加圧濾過器により49kPaで加圧して脱液操作を行う。その後、80℃の熱水50gを添加して同様の脱液操作を行う。この脱液操作を3回行い、その3回の脱液操作における平均濾過時間と3回目の精製品に対する灰分量を求めて、洗浄性を評価する。
【0015】
[実施例2]
実施例1で用いたアルカリセルロースを、実施例1と同様の方法にてプロピレンオキサイドと反応させ、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.25である低置換度ヒドキシプロピルセルロースを得た。その後、ニーダーに55℃の熱水1925g(セルロースに対して5.5重量部)を張り込み、氷酢酸52gを添加した後、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を70℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸631gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0016】
[実施例3]
実施例1で用いたアルカリセルロースを、実施例1と同様の方法にてプロピレンオキサイドと反応させ、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.25である低置換度ヒドキシプロピルセルロースを得た。その後、ニーダーに80℃の熱水1925g(セルロースに対して5.5重量部)を張り込み、氷酢酸52gを添加した後、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を80℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸631gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0017】
[実施例4]
原料パルプを43重量%苛性ソーダ溶液に浸漬後、圧搾して、水酸化ナトリウム24.1重量%、セルロース40.9重量%、水分35.0重量%の組成のアルカリセルロースを得た。セルロース換算で350gのアルカリセルロースを5リットル容量の反応器に仕込み、この反応器内を窒素ガスで置換した。置換後、プロピレンオキサイドを41g(セルロースに対して0.116重量部)反応器に添加して、45℃で2時間、65℃で30分間反応を行い、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.14である低置換度ヒドキシプロピルセルロースの粗反応生成物896gを得た。その後、ニーダーに65℃の熱水2520g(セルロースに対して7.2重量部)を張り込み、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を65℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸937gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0018】
[実施例5]
実施例1で用いたアルカリセルロースを、セルロース換算で350gの量で5リットル容量の反応器に仕込み、この反応器内を窒素ガスで置換した。置換後、プロピレンオキサイド56g(セルロースに対して0.116部)を反応器に加え、45℃で2時間、65℃で30分間反応を行い、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.17である低置換度ヒドキシプロピルセルロースの粗反応生成物837gを得た。その後、ニーダーに65℃の熱水2450g(セルロースに対して7.0重量部)を張り込み、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を65℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸937gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0019】
[実施例6]
実施例1で用いたアルカリセルロースを、セルロース換算で350gの量で5リットル容量の反応器に仕込み、この反応器内を窒素ガスで置換した。置換後、プロピレンオキサイド118.3g(セルロースに対して0.338重量部)を反応器に加え、45℃で2時間、65℃で30分間反応を行い、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.394である低置換度ヒドキシプロピルセルロースの粗反応生成物899gを得た。その後、ニーダーに80℃の熱水1750g(セルロースに対して5.0重量部)を張り込み、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を80℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら20重量%の塩酸778gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0020】
[比較例1]
実施例1で用いたアルカリセルロースを、実施例1と同様の方法にてプロピレンオキサイドと反応させ、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.25である低置換度ヒドキシプロピルセルロースを得た。その後、ニーダーに30℃の水1925g(セルロースに対して5.5重量部)を張り込み、氷酢酸52gを添加した後、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を30℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸631gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0021】
[比較例2]
実施例1で用いたアルカリセルロースを、実施例1と同様の方法にてプロピレンオキサイドと反応させ、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.25である低置換度ヒドキシプロピルセルロースを得た。その後、ニーダーに40℃の水1925g(セルロースに対して5.5重量部)を張り込み、氷酢酸52gを添加した後、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を40℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸631gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0022】
[比較例3]
実施例4で用いたアルカリセルロースを、実施例4と同様の方法にてプロピレンオキサイドと反応させ、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.14である低置換度ヒドキシプロピルセルロースを得た。その後、ニーダーに25℃の水2520g(セルロースに対して7.2重量部)を張り込み、氷酢酸52gを添加した後、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を25℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸937gを30分にかけて添加し中和析出を行った。析出された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0023】
[比較例4]
実施例5で用いたアルカリセルロースを、実施例5と同様の方法にてプロピレンオキサイドと反応させ、無水グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシル基置換モル数が0.17である低置換度ヒドキシプロピルセルロースを得た。その後、ニーダーに25℃の水2450g(セルロースに対して7.0重量部)を張り込み、これに上記反応生成物を全量分散した。次いで、温度を25℃に保持しながら反応生成物を30分間溶解した後、同一温度を維持しながら33重量%の酢酸937gを30分かけて添加し中和析出を行った。析出した低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにつき、実施例1と同様に脱水試験及び洗浄試験を実施し、その結果を表1に記載した。
【0024】
【表1】
上記表1から判るように、実施例1〜6では、溶解中和時に高い温度で反応処理することにより、比較例に比べて最終生成物の脱水性及び洗浄性の両方とも優れていた。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明によれば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造時、特に反応終了後の洗浄精製工程後の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含水率が低下するので、その後の乾燥工程で必要な熱量を低減することができる。また、単位水量あたりの灰分量を低下し、濾過時間も短縮され低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの洗浄性を向上することにより、生産コストの削減を図ることができる。
Claims (1)
- アルカリセルロースとプロピレンオキサイドとを反応させて得られる反応生成物を水に溶解した後に中和する工程において、その溶解中和時の温度を60℃以上にすることを特徴とする低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法。
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