JP4043103B2 - 溶融球状シリカ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板とICチップ間の僅かな隙間を封止する液状封止樹脂組成物及びそれに配合される溶融球状シリカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の高性能化、高機能化の要求はマルチメディア時代を迎えてますます強くなっている。これに伴って電子機器に使用される1Cパッケージの形態も小型化、薄型化、多ピン化が進んでいる。半導体チップは、その表面に形成された微細で複雑な電子回路を空気中のほこりや湿気から保護するために、封止材でICチップ全体を密閉して成型されている。現在、半導体ICチップの封止材として最も多く用いられているのはエポキシ樹脂封止材である。このエポキシ樹脂封止材は、トランスファー成型用エポキシ樹脂封止材と液状エポキシ樹脂封止材に大別され、現在その主力となっているのはトランスファー成型用エポキシ樹脂封止材であり、液状エポキシ樹脂封止材は、これまでその用途が限定されていた。
【0003】
しかし、この液状エポキシ樹脂封止材は、最近、特にP−PGA(Plastic Pin Grid Array)、P−BGA(Plastic Ball Grid Array )、フリップチップあるいはCSP(Chip Saize Package又はChip Scale Package)等の最先端半導体デバイスの封止材として使用され始めてきた。それらの中、CSPは従来のデバイスと比較すると、小型で複雑な構造のものが多い。CSPの基板とICチップ間の隙間(ギャップ)は、従来の75〜100μm 程度が主流であったものが、近年、多ピッチ化に伴う狭ピッチ化のためにバンプサイズが小さくなり、ギャップも30〜50μm 程度のものが増えつつあり、このような最先端半導体デバイスを封止するためには、これまで以上の微細な加工性が要求され、これに応じることができる封止材として、低粘度で隙間浸透性に優れる液状エポキシ樹脂封止材の開発が切望されている。
【0004】
一方、従来の液状エポキシ樹脂封止材には、該封止材の信頼性を高めるため、液状封止材とICチップとの線膨張率の差により発生する応力を低減するという問題がある。これを解決するものとしては、液状エポキシ樹脂封止材中にシリカフィラーを多量に配合して液状封止材の線膨張率を小さくする方法があり、このシリカフィラーの多量配合に伴う流動性の問題を解決するものとして、優れた低粘度特性を有する微細な溶融球状シリカを使用する数多くの方法が提案されている(特開平2−59416号公報、特開平2−199013号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の液状エポキシ樹脂封止材は、シリカフィラーの多量充填が可能で高い信頼性を有し、且つ最先端半導体デバイスの基板とICチップ間の1かな隙間を封止する隙間浸透性を十分兼ね備えているとは言い難い。このため、高い信頼性と低粘度化された液状エポキシ樹脂封止材及びこの性能をシリカフィラー側から付与する液状封止材用シリカフィラーの開発が望まれている。
【0006】
従って、本発明の目的は、基板とICチップ間の僅かな隙間を封止するに十分な低粘度を有し、且つ信頼性の高い液状封止樹脂組成物及びこれに充填される溶融球状シリカフィラー並びにその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、常温で液状のエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂に、溶融球状シリカを特定条件下で湿式処理して粒子表面を平滑化した特定の粒子特性を有するシリカ粒子を配合した液状封止樹脂組成物が、上記課題を解決し、基板とICチップ間の僅かな隙間を封止するに十分な低粘度を有し、且つ信頼性が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、最大粒子径が45μm 、平均粒子径が3〜10μm 、当該粒子の比表面積SW1と当該粒子の理論比表面積SW2との比、SW1/SW2が1.0〜2.5であり、且つ当該粒子表面は平滑面であることを特徴とする溶融球状シリカを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、酸素−可燃性ガス混合火炎中で生成した溶融球状シリカと該溶融球状シリカ付着微粒子除去助剤との混合物を湿式処理して、前記溶融球状シリカ表面に付着している微粒子を剥離、除去することを特徴とする溶融球状シリカの製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、(A)常温で液状のエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂、及び(B)最大粒子径が45μm 、平均粒子径が2〜10μm 、当該粒子の比表面積SW1と当該粒子の理論比表面積SW2との比、SW1/SW2が1.0〜2.5であり、且つ当該粒子表面は平滑面である溶融球状シリカフィラー、を含有することを特徴とする液状封止樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の溶融球状シリカは、その形状は球状粒子形であり、当該粒子の粒子表面は極めて平滑な面を呈している。該粒子の最大粒子径が45μm 、好ましくは40μm である。該溶融球状シリカの最大粒子径を45μm 以下とすることにより、液状封止樹脂組成物とした場合、これをCSPの基板とICチップ間の隙間に十分浸透させることができる。また、該粒子の平均粒子径は2〜10μm 、好ましくは、3.3〜8.0μm である。溶融球状シリカの平均粒子径が10μm を越えると、分級手段によっても最大粒子径を45μm 以下にすることは困難である。また、平均粒子径が2μm 未満では、全体の粒度分布に占める1μm 以下の粒子の割合が多くなり、液状封止樹脂組成物とした場合、粘度が高くなり、その結果隙間浸透性が悪くなる。また、これら最大粒子径及び平均粒子径の測定は、レーザー法マイクロトラック粒度分析計などを用いて行えばよい。
【0012】
また、本発明の溶融球状シリカ粒子は、当該粒子の比表面積SW1と当該粒子の理論比表面積SW2との比、SW1/SW2が1.0〜2.5、好ましくは1.0〜1.5、更に好ましくは1.0〜1.3の範囲である。該SW1/SW2値は1に近い程、真球に近く、逆に数値が大きい程、粒子表面に凹凸があることを示す。該SW1はBET法モノソーブ比表面積測定装置により求められる。また、該SW2はレーザー法マイクロトラック粒度分布により求めることができる。具体的には、次式(1);
W2(m2/g) =6/ρ・MA (1)
(式中、MAは面積平均粒子径(μm )を示し、ρはシリカの比重を示す。)
で求められる。また、MAは次式(2);
MA=Σ(ni i i )/Σ(ni i ) (2)
で求められる。これは、一つの粉体の集団において、粒子径の小さい順からd1 、d2 、・・・di 、・・dk の粒子径を持つ粒子が、それぞれn1 、n2 、・・・ni 、・・nk 個あり、また、粒子1個当たりの表面積をそれぞれa1 、a2 、・・・ai 、・・ak とした場合、MAはMA=(n1 1 1 +n2 2 2 +・・・+ni i i +・・・+nk k k )/(n1 1 +n2 2 +・・・+ni i +・・・+nk k )で求められることになる。
【0013】
また、本発明の溶融球状シリカの平滑面は、SEM写真等の電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。例えば、倍率5,000 倍のSEM写真の肉眼観察から粒子表面に実質的に凹凸が認められないものであり、その粒子表面は極めて平滑である。実質的に凹凸が認められないとは、少量の所謂「きなこ状」の微粒子が付着しているものも含む意味である。
【0014】
本発明の溶融球状シリカは、酸素−可燃性ガス混合火炎中で生成した溶融球状シリカと該溶融球状シリカ付着微粒子除去助剤との混合物を湿式処理して、前記溶融球状シリカ表面に付着している微粒子を剥離、除去することにより得ることができる。通常、溶融球状シリカは原料シリカを酸素−可燃性ガス混合火炎中に投入して、シリカをその融点以上の温度領域に保持することにより原料シリカが溶融し、粘性が低くなったシリカが表面張力により丸くなり、そのまま冷却することにより生成される。酸素−可燃性ガスの混合火炎の温度は、最高2700℃程度に達し、シリカの融点は約1720℃、沸点は2400℃であるため、シリカの一部は沸点以上の温度領域でSiOとして蒸発し、これが冷却される際に酸素と結合して非常に細かいサブミクロンのシリカ微粒子が生成する。通常、このサブミクロンのシリカ微粒子が溶融粒子の表面に付着して、あたかも溶融球状粒子の表面は所謂「きなこ」をまぶしたような状態となっている。この表面付着微粒子の付着量については、定量的な数値はないものの、比表面積の測定数値では、概ね粒子径が小さくなる程、球の理論比表面積との乖離が大きくなる。本発明の製造方法によれば、溶融球状シリカと溶融球状シリカ付着微粒子除去助剤とを混合して湿式処理するため、溶融シリカ表面に付着している「きなこ」状の微粒子は剥離、除去されて、表面は平滑化される。
【0015】
本発明の製造方法において、原料となる溶融球状シリカとしては、特に制限されず、いかなる製造履歴のものでもよいが、例えば、珪酸アルカリと鉱酸との湿式反応により合成された高純度シリカゲルを溶融して得られる球状シリカ、天然の高純度石英を溶融粉砕して得られる球状シリカ、四塩化珪素を火炎分解酸化し、次いで溶融して得られる球状シリカ、アルコキシシランからゾル−ゲル法により得られるゲルを粉砕、焼成して得られる球状シリカ、金属珪素を直接酸化することにより得られる溶融球状シリカ等が挙げられる。このうち、珪酸アルカリと鉱酸との湿式反応により合成された高純度シリカゲルを溶融して得られる溶融球状シリカが好ましい。
【0016】
具体的には、珪酸アルカリと鉱酸との湿式反応により合成された高純度シリカゲルを作成し、次いでこの高純度シリカゲルをボールミル又はジェットミル等の粉砕機により粉砕して、例えば、平均粒子径が5μm の溶融粉砕シリカを得る。この溶融粉砕シリカを溶融炉に供給して、酸素−LPG混合火炎中でシリカの融点以上の温度で溶融し、次いで、溶融したシリカを急冷した後、サイクロンで捕集して溶融球状シリカを得る方法が好ましい。この溶融球状シリカは必要に応じて分級処理して、所望の範囲の粒度特性を有する溶融球状シリカとすればよい。
【0017】
前記溶融球状シリカと混合される溶融球状シリカ付着微粒子除去助剤としては、溶融球状シリカ粒子を粉砕することなく、該溶融球状シリカ粒子に付着している微粒子のみを除去、剥離するという当該助剤の目的を達成できるものであれば特に制限されないが、例えば、苛性アルカリあるいは弗化水素酸又は無機粉砕物が挙げられる。該無機粉砕物としては、ガラスビーズ、アルミナ、ジルコニア、シリカビーズ等の粉砕物が挙げられ、該粉砕物の粒径は10mm程度又はそれ以下のものが好ましい。無機粉砕物を用いて湿式処理する場合、スラリー中の無機粉砕物濃度としては、特に制限されず、無機粉砕物が自由に流動できる濃度であればよい。また、湿式処理を行う場合の液性は、水単独、アルカリ性あるいは弗化水素酸酸性液のいずれであってもよい。アルカリ性や弗化水素酸酸性液の場合、前記無機粉砕物の存在下又は不存在下で行われる。アルカリ性や弗化水素酸酸性液を使用することにより、溶融球状シリカ粒子の表面に付着した微粒子は溶解除去される。アルカリ性や弗化水素酸酸性液で処理を行った場合は、処理終了後、水洗によりアルカリ分や酸性成分を除去する必要がある。苛性アルカリとしては、NaOH、KOH、LiOH等が挙げられる。
【0018】
湿式処理に使用する装置としては、特に制限されないが、ペイントシェーカー、アトライター等が挙げられる。湿式処理後、遊離した付着微粒子はデカンテーション又は傾斜法等により除去され、一方、溶融球状シリカは通常の方法により濾過、乾燥される。かかる方法により得られる溶融球状シリカの表面は極めて平滑であり、処理前の溶融球状シリカの表面の比較では、その平滑性に歴然とした差がある。
【0019】
また、本発明の溶融球状シリカは、イオン性不純物として、煮沸抽出水中のNaイオンとClイオンがそれぞれ1ppm以下、放射性不純物としてのU、Thがそれぞれ1ppb以下であることが好ましい。イオン性不純物量が多い場合は、いわゆるソフトエラーの原因になることが知られており、特に、半導体メモリーデバイスの封止用として使用する場合は注意が必要である。
【0020】
また、本発明の液状封止樹脂組成物は、(A)常温で液状のエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂、及び(B)最大粒子径が45μm 、平均粒子径が3〜10μm 、当該粒子の比表面積SW1と当該粒子の理論比表面積SW2との比、SW1/SW2が1.0〜2.5であり、且つ当該粒子表面は平滑面である溶融球状シリカフィラー、を含有し、組成物中、前記(B)成分の配合量が、30〜80重量%、好ましくは35〜70重量%である。
【0021】
常温で液状のエポキシ樹脂としては、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する液状物であれば、特に制限されないが、例えば、液状フェノールノボラック系エポキシ樹脂、液状クレゾールノボラック系エポキシ樹脂、液状ビスフェノールA系エポキシ樹脂、液状ビスフェノールAD系エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF系エポキシ樹脂、液状指環族系エポキシ樹脂、1 、1-ビス(4- ヒドロキシフェニル) エタンのグリシジルエーテルなどの液状エポキシ樹脂等が挙げられる。常温で液状のエポキシ樹脂は、これら単独もしくは2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
常温で液状のシリコーン樹脂としては、例えば、下記一般式(1):
【0023】
【化1】
Figure 0004043103
【0024】
(式中、nは2 〜10,000であり、R1 〜R8 の主体はメチル基であり、該メチル基は水素原子、メチル基、フェニル基、高級脂肪酸残基、エポキシ含有基又はポリオキシアルキレン基で置換されたものであってもよく、また、R4 及びR5 がメチレン基の環状ポリシロキサンを形成していてもよい。)で表されるポリシロキサンであり、25℃における粘度が2 〜100Pa ・s(1,000 ポイズ) 、好ましくは2 〜500Pa ・s(1,000 ポイズ) を有する常温で液状の鎖状、部分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサンが挙げられる。具体的には、25℃の粘度が60ポイズのポリジメチルシロキサンオイル、25℃の粘度が500ポイズのポリジメチルシロキサンオイル、末端に水酸基を有するポリジメチルシロキサン、末端にビニル基を有するポリシロキサンなどが例示される。
【0025】
本発明の液状封止樹脂組成物は、前記(A)成分及び前記(B)成分以外に、他の任意成分を含有することができる。該任意成分としては、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化触媒、着色剤などが挙げられる。前記(A)成分が常温で液状のエポキシ樹脂の場合、任意成分は第3級アミン、4−(イミダゾ−1−イル)フェノール等の芳香族性水酸基含有第3級アミン、ジアゾビシクロ化合物などの硬化促進剤、無水フタル酸、無水テトラハイドロフタル酸、無水ヘキサハイドロフタル酸、無水メチルヘキサハイドロフタル酸、無水メチルテトラハイドロフタル酸及びイソフタル酸無水物等の硬化剤等が挙げられる。
【0026】
本発明の溶融球状シリカフィラーは、常温で液状のエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂に高割合に配合可能であり、液状封止樹脂組成物の線膨張率を小さくできるため高い信頼性を有する。また、該溶融球状シリカは、特定の粒度分布を有し、その粒子表面は極めて平滑であるため、該溶融球状シリカフィラーの高い配合量であっても該液状封止樹脂組成物は低粘度で、良好な隙間浸透性を有する。このため、本発明の液状封止材用溶融球状シリカフィラーは、狭ギャップ寸法のCSP封止材用フィラーとして好適に使用される。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例を挙げて更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。なお、各種試験項目は、次の方法で行った。
【0028】
(平均粒子径、最大粒子径及び理論比表面積の測定)
レーザー法マイクロトラック粒度分析計(型式:9320-X100 、日機装社製)を用いて常法により測定する。
(粘度)
恒温槽で所定温度(50℃)下、ELD型回転粘度計(東機産業社製)を用いて常法により測定する。
(比表面積)
BET法モノソーブ比表面積測定装置(フローソーブ2300型: 島津製作所社製)を用いて常法にて測定する。
【0029】
実施例1、比較例1
撹拌器付き反応槽に硝酸水溶液(HNO319.3重量%)4,000 gを取り、これにシュウ酸二水塩6 g、35重量% 過酸化水素水17gを添加溶解した。この硝酸水溶液に、珪酸ソーダJIS3号(Na2O9.2重量% 、SiO228.5重量% 、SiO2/Na2O モル比3.1)2,100gを約30分間を要して添加し、シリカの沈澱を生成させた。この間、反応槽を充分撹拌し、また、液温を70〜80℃に保持した。反応終了後、反応スラリーを80℃で2 時間撹拌して熟成を行った。この時の母液の硝酸濃度は1.1 規定であった。この反応終了スラリーからシリカの沈澱を濾過、洗浄を繰り返した後、分離回収した。分離回収したシリカを撹拌器付き酸処理槽にとり、これに水と硝酸を加えてスラリー全量を5l、スラリー中の硝酸濃度1規定となるようにして調整し、更に、シュウ酸6 g、35重量% 過酸化水素水17g を添加して撹拌しながらこのシリカスラリーを90℃で3 時間加熱して酸処理した。このスラリーからシリカを濾過分離し、以下常温で水によるリバルブ洗浄、固液分離、乾燥を行い、さらに900 ℃で2 時間焼成した。シリカ中の不純物含有量は各不純物元素は全て5ppm以下であり、U 、Thもそれぞれ1ppb以下の低放射性高純度シリカを得た。次いでこの高純度シリカゲルをボールミルで平均粒子径が15μm になるまで粉砕し、さらにジェットミル粉砕機により粉砕して、平均粒子径が4.8 μm の溶融粉砕シリカゲルを得た。この溶融粉砕シリカゲル(含水率9.5%)を溶融炉に供給して、酸素−プロパンガス混合火炎中でシリカの融点以上の温度で溶融し、次いで、溶融したシリカを急冷した後、サイクロンで捕集して溶融球状シリカを得た。この溶融球状シリカを分球機にて空気分球して、平均粒子径5.35μm 、比表面積1.46m2/gの溶融球状シリカaを得た。得られた溶融球状シリカaのSEM写真を図1に示す(比較例1)。
【0030】
次に、この溶融球状シリカa20gと5%苛性ソーダ水溶液20gを100ml ポリ瓶に入れペイントシェーカで15分間混合した後、超音波分散を15分間行い、更にペイントシェーカで20分間混合した。ここへ純水50gを追加して10分間静置し、浮遊微粒シリカを含む上澄み液50gを除去した後、純水50gを追加して静置した。この操作を3回繰り返した後、濾過、リバルブ洗浄を2回繰り返して、濾過ケーキを120 ℃で2 時間乾燥した。乾燥品は150 μm の篩いを通過させた後、溶融球状シリカAとした。該溶融球状シリカAの平均粒子径は5.46μm 、比表面積(SW1)は0.52m2/gであった。この粒子の理論比表面積(SW2)は0.500m2/g であり、(SW1)/(SW2)は1.04であった。また、溶融球状シリカAのSEM写真を図2に示す。図2のSEM写真より、溶融球状シリカAは、粒子表面の付着微粒子が除去されており、極めて平滑な表面を有することが判る。
【0031】
実施例2、比較例2
実施例1で得られた溶融球状シリカaを分級機にて空気分級して、平均粒子径6.47μm 、比表面積1.25m2/gの溶融球状シリカbを得た。得られた溶融球状シリカbのSEM写真を図3に示す(比較例2)。
【0032】
次に、この溶融球状シリカb30gと5%苛性ソーダ水溶液20gを100ml ポリ瓶に入れ、超音波で15分間分散処理を行い、更にペイントシェーカで20分間振騰した。次いで純水50gを追加して10分間静置して、浮遊微粒シリカを含む上澄み液60gを除去した後、純水60gを追加して静置した。この操作を3回繰り返した後、濾過、リバルブ洗浄を2回繰り返して、濾過ケーキを120 ℃で2 時間乾燥した。乾燥品は150 μm の篩いを通過させた後、溶融球状シリカBとした。該溶融球状シリカBの平均粒子径は6.53μm 、比表面積(SW1)は0.48m2/gであった。この粒子の理論比表面積(SW2)は0.42m2/gであり、(SW1)/(SW2)は1.14であった。また、溶融球状シリカBのSEM写真を図4に示す。図4のSEM写真より、溶融球状シリカBは、粒子表面の付着微粒子が除去されており、極めて平滑な表面を有することが判る。また、粒子表面に少量の「きなこ」状微粒子が付着した溶融球状シリカBのSEM写真を図5に示す。
【0033】
実施例3、比較例3
実施例1で得られた溶融球状シリカaを分級機にて空気分級して、平均粒子径3.65μm 、比表面積3.64m2/gの溶融球状シリカcを得た。得られた溶融球状シリカcのSEM写真を図6に示す(比較例3)。
【0034】
次に、この溶融球状シリカc30gと3.3%苛性ソーダ水溶液30gを100ml ポリ瓶に入れ、超音波で15分間分散処理を行い、更にペイントシェーカで20分間振騰した。次いで純水50gを追加して10分間静置して、浮遊微粒シリカを含む上澄み液60gを除去した後、純水60gを追加して静置した。この操作を2回繰り返した後、1日静置して上澄み液80gを除去し、純水70gを添加後、濾過、リバルブ洗浄、濾過、水洗を行ってから、120 ℃で2 時間乾燥した。乾燥品は150 μm の篩いを通過させた後、溶融球状シリカCとした。該溶融球状シリカCの平均粒子径は3.62μm 、比表面積(SW1)は0.96m2/gであった。この粒子の理論比表面積(SW2)は0.75m2/gであり、(SW1)/(SW2)は1.28であった。また、溶融球状シリカCのSEM写真を図7に示す。図7のSEM写真より、溶融球状シリカCは、粒子表面の付着微粒子が除去されており、極めて平滑な表面を有することが判る。
【0035】
実施例4、比較例4
実施例1で得られた溶融球状シリカa及び溶融球状シリカAを使用して、25℃の粘度が0.98Pa・s(9.8 ポイズ) の液状エポキシ樹脂(商品名「エピコート815」油化シェル社製)と混合(溶融球状シリカ70%+液状エポキシ樹脂30%)し、該混合物の50℃における粘度を測定した。結果を以下に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004043103
【0037】
表1より、粒子表面の微粒子が除去された溶融球状シリカは、これを樹脂と混合した場合、粘度が低下しており、液状封止材用シリカフィラーとして好適に使用できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の溶融球状シリカフィラーは、溶融球状シリカを特定条件下で湿式処理して粒子表面が平滑化された特定の粒子特性を有するため、常温で液状のエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂に高割合に配合可能であり、液状封止樹脂組成物の線膨張率を小さくできるため高い信頼性を付与できる。また、該溶融球状シリカフィラーの高い配合量であっても該液状封止樹脂組成物は低粘度であるため、良好な隙間浸透性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1の溶融球状シリカaのSEM写真(倍率5,000 )を示す。
【図2】実施例1の溶融球状シリカAのSEM写真(倍率5,000 )を示す。
【図3】比較例2の溶融球状シリカbのSEM写真(倍率5,000 )を示す。
【図4】実施例2の溶融球状シリカBのSEM写真(倍率5,000 )を示す。
【図5】実施例2の溶融球状シリカBの他のSEM写真(倍率5,000 )を示す。
【図6】比較例3の溶融球状シリカdのSEM写真(倍率5,000 )を示す。
【図7】実施例3の溶融球状シリカDのSEM写真(倍率5,000 )を示す。

Claims (4)

  1. 最大粒子径が45μm 、平均粒子径が2〜10μm 、当該粒子の比表面積SW1と当該粒子の理論比表面積SW2との比、SW1/SW2が1.0〜2.5であり、且つ当該粒子表面は平滑面であることを特徴とする溶融球状シリカ。
  2. 酸素−可燃性ガス混合火炎中で生成した溶融球状シリカと該溶融球状シリカ付着微粒子除去助剤との混合物を湿式処理して、前記溶融球状シリカ表面に付着している微粒子を剥離、除去することを特徴とする溶融球状シリカの製造方法。
  3. 前記溶融球状シリカ付着微粒子除去助剤が、苛性アルカリあるいは弗化水素酸又は無機粉砕物であることを特徴とする請求項2記載の溶融球状シリカの製造方法。
  4. (A)常温で液状のエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂、及び(B)最大粒子径が45μm 、平均粒子径が2〜10μm 、当該粒子の比表面積SW1と当該粒子の理論比表面積SW2との比、SW1/SW2が1.0〜2.5であり、且つ当該粒子表面は平滑面である溶融球状シリカフィラー、を含有し、組成物中、前記(B)成分の配合量が、30〜80重量%であることを特徴とする液状封止樹脂組成物。
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