JP2002179421A - シリカ微粉末の製造方法、シリカ微粉末及びシリカ微粉末を含む樹脂組成物 - Google Patents

シリカ微粉末の製造方法、シリカ微粉末及びシリカ微粉末を含む樹脂組成物

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JP2002179421A
JP2002179421A JP2000373293A JP2000373293A JP2002179421A JP 2002179421 A JP2002179421 A JP 2002179421A JP 2000373293 A JP2000373293 A JP 2000373293A JP 2000373293 A JP2000373293 A JP 2000373293A JP 2002179421 A JP2002179421 A JP 2002179421A
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silica
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silica fine
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Jiyuugo Goto
銃吾 後藤
Norihiko Betsumiya
伯彦 別宮
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HAKUYOO KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 封止剤における充填性及び作業性についての
障害を解決するための丸みを持ったシリカ微粉末の製造
法は、いずれも複雑で高度な設備を必要などの課題があ
り、簡単な設備であって、安価で能率よく生産する方法
が求められていた。 【解決手段】 直径10mm以下である粉砕用ボールと
シリカ粉末とを、シリカ微粉末の全重量に対して0.2
〜10%の水系溶媒の存在下で撹拌することを特徴とす
るシリカ微粉末の製造方法、その製造方法により製造し
たシリカ微粉末及びそのシリカを含む樹脂組成物を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子封止な
どに使用可能な樹脂組成物においてシリカの充填率を高
めることが可能であり、成型時の流動性が良好であり、
粗大粒子が少ないことにより半導体素子封止剤、塗料等
に好適に用いることが可能であるシリカ微粉末及びその
製造方法、並びにそのシリカ微粉末を用いた樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子などの電子部品は、通常、樹
脂封止剤などにより外部環境から遮断され保護されてい
る。半導体素子の封止に通常使用されている樹脂封止剤
は、エポキシ樹脂とシリカなどの無機充填剤などからな
り、性能及びコストの両面から可能な限り無機充填剤の
比率を高めることが求められている。前記無機充填剤と
しては、通常、結晶タイプのシリカ、非結晶タイプのシ
リカが最も一般的に使用されているが、結晶タイプのシ
リカは熱伝導性がよく、非結晶性タイプのシリカは熱膨
張率が低いという特徴があることにより、両タイプのシ
リカは用途によって使い分けられている。
【0003】結晶性タイプのシリカは、通常、高純度の
珪石や水晶を粉砕して得られたものであり、非結晶タイ
プのシリカとしては結晶状シリカを高温で溶融し製造さ
れる溶融シリカや合成シリカがある。
【0004】溶融シリカのインゴッドを機械的に粉砕す
ることにより製造される非結晶シリカ及び珪石等の天然
石を粉砕破砕することにより製造される結晶シリカは、
いずれも無定形であって角のある粒子であり、粒子の角
同士が作用し合うために、これらのシリカが配合された
封止剤の溶融粘度が増加し、金型に損傷を与えるなどの
封止剤における充填性及び作業性についての障害が多
く、封止剤中のシリカの比率を高めることができないな
どの問題を有している。
【0005】上記の問題を克服すべくシリカの角を取る
方法としては、シリカの角を溶融して丸みを持たせる方
法と機械的に角を丸める方法が提案されている。溶融し
て丸みをもたせる方法としては、特開昭58−1456
13及び特開昭61−118131においてシリカ粒子
をバーナーで処理して溶融シリカ球状体とする方法が、
特開平5−251588では二酸化珪素粒子表面をプラ
ズマ炎で加熱溶融する方法が、また、機械的に角処理を
する方法として特公平4−60053及び特公平6−2
569などにおいてローラーミルを用いた方法が提案さ
れている。
【0006】しかし、バーナーで処理して溶融シリカ球
状体とする方法およびプラズマ炎で加熱溶融する方法
は、熱による処理が必要であるために多量の熱量が必要
であり、設備が複雑で大掛かりとなって設備費や処理費
が高くつき、さらに、結晶シリカを得ることはできない
という欠点がある。ローラーミルを用いた機械的に角処
理をする方法は、専用に装置を据え付ける必要があり、
通常の撹拌機で行うことができないために簡易に製造す
ることができず、設備費が高くつく欠点を有している。
また、流動性も不良であり、粉体としての取り扱いも不
便であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来におい
て、封止剤における充填性及び作業性についての障害を
解決するためにシリカの微粒子の角を丸めた丸みを持つ
シリカ微粒子粉末が使用され、丸みを持つシリカ微粒子
粉末の製造法は数多く提案されているが、いずれも複雑
で高度な設備を必要とし、処理コストが高くなるという
課題があり、また、シリカ微粉末の製造作業性に課題を
依然として有していたものであり、その解決が望まれて
いた。
【0008】本発明者らは、かかる事情に鑑み種々検討
した結果、直径10mm以下である粉砕用ボールとシリ
カ微粉末とを、シリカ微粉末の全重量に対して0.2〜
10%の水系溶媒の存在下で撹拌する製造方法という、
特殊な装置を必要とせずに驚くべきことに非常に簡単な
設備で、非常に品質の良い丸みをもつシリカ微粉末で構
成され、粗大粒子が少なく均質な粒度分布を有するシリ
カ微粉末の工業的製造方法を見出し、上記課題を解決す
る本発明を完成させたのである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における製造方法は、直径
10mm以下である粉砕用ボールとシリカ粉末とを、シ
リカ微粉末の全重量に対して0.2〜10%の水系溶媒
の存在下で撹拌するシリカ微粉末の製造方法である。
【0010】本発明の製造方法における前記粉砕用ボー
ルは、直径が10mm以下であり、好ましくは5mm以
下であり、より好ましくは1〜3mmの範囲内のものが
用いられる。前記粉砕用ボールの直径が10mmを超え
ると、通常の回転速度による撹拌装置での撹拌時におけ
る前記粉砕用ボールによる粒子への衝撃力が強くなりす
ぎるため、破砕が起こることによるシリカ粒子に角が生
じて、丸みを帯びたシリカ粒子の製造が困難となるから
である。また、前記粉砕用ボールの直径が1mm未満で
ある場合には、粉砕用ボールの回収など取り扱いに工数
がかかるために好ましくない。
【0011】前記粉砕用ボールの材質は、特に限定され
るものではないが、硅石、磁性ボール、アルミナ製ボー
ルが磨耗が少ないことにより好ましい。
【0012】前記粉砕用ボールの撹拌時における添加量
は、特に限定されるものではないが、シリカの重量に対
する前記粉砕用ボールの重量の比が0.3〜2.0であ
ることが好ましい。シリカの添加量が、シリカの重量に
対する前記粉砕用ボールの重量が0.3未満である場合
には、前記粉砕用ボールの量が少ないために製造に長時
間を要するので好ましくなく、2.0より多い場合には
バッチ当たりのシリカ粉末の量が少ないために一定量の
シリカの製造に多くのバッチ数を要するので好ましくな
い。
【0013】本発明の製造方法におけるシリカ粉末は、
シリカ微粉末の原料となるものであるが、結晶シリカ及
び/または非結晶シリカを前もって公知の方法により粉
砕したものである。前記シリカ粉末は特に限定されるも
のではないが、前記結晶シリカとしては珪石、珪砂、水
晶などを用いることができ、前記非結晶シリカとしては
結晶シリカをインゴットとした溶融シリカなどを用いる
ことができる。なお、前記シリカ粉末の重量平均粒子径
は、仕上がり品であるシリカ微粉末の重量平均粒子径よ
り大きくする必要がある。
【0014】本発明の製造方法における水系溶媒は、水
及び/又はアルコールを主成分として含む溶媒である。
前記水系溶媒に含まれる水は、特に限定されるものでは
ないが、脱イオン水又は蒸留水が封止剤に悪影響を及ぼ
すイオン性不純物を含まないことにより好んで使用され
る。また、前記水系溶媒に含まれるアルコールは、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の公知
のアルコールでよく、1種であっても複数種が使用され
ても良い。
【0015】前記水系溶媒の添加量は、シリカ粉末の全
重量に対して0.2〜10重量%であり、好ましくは
0.5〜6.0重量%、特に好ましくは1.5〜4.0
重量%である。前記水系溶媒の添加量が10重量%を超
える場合には、微粒子同士の凝集力が低下し、個々の粒
子が受ける衝撃力の増大により粒子が破壊されて角を生
成するからである。前記水系溶媒の添加量が0.2未満
である場合には、やはり粒子同士の凝集力が小さくな
り、粒子の破壊を招き、粒子に角を生成するからであ
る。
【0016】前記水系溶媒は、粉砕用ボールとシリカ粉
末とを撹拌する際に揮散するなど添加量が減少した場合
には、公知の添加方法により補充することが好ましい。
【0017】前記シリカ粉末の重量平均粒子径が仕上が
り品であるシリカ微粉末の重量平均粒子径に比べて必要
以上に大きい場合には、撹拌当初に水系溶媒を添加せず
に又は少量の水系溶媒を添加して、粉砕用ボールとシリ
カ粉末とを撹拌し、次いで所定の量の水系溶媒を適宜に
加えることで水系溶媒の添加量をシリカ粉末の全重量に
対して0.2〜10%として、粉砕用ボールとシリカ粉
末とを撹拌しても良いし、また、粉砕用ボールと所定の
量より少ない量のシリカ粉末とを撹拌し、次いでシリカ
粉末を適宜に加えることで水系溶媒の添加量をシリカ粉
末の全重量に対して0.2〜10%として、粉砕用ボー
ルとシリカ粉末とを撹拌しても良い。
【0018】本発明の製造方法における撹拌装置は、特
に限定されるものではないが、粉砕用ボールがシリカ粒
子と接触または衝突しながら移動するものであれば良
く、容器を固定して撹拌翼が移動もしくは回転すること
により粉砕用ボールがシリカ粒子と接触または衝突しな
がら移動するものであっても、容器が回転し、さらに固
定刃でシリカを掻き落とすことにより粉砕用ボールがシ
リカ粒子と接触または衝突しながら移動するものでもよ
い。前記撹拌装置としては、例えば、平底の容器に撹拌
翼を取り付けて回転させるもの、ボールミルのように容
器を回転させながらブレードで容器内壁に付着したシリ
カなどを掻き落とすもの、リボンブレンダーのように円
筒に沿って撹拌翼を回転させるものが例示として挙げら
れるが、内容物が上下方向に移動することによりシリカ
粒子に対して重力方向に力が加わるタイプのものに比べ
て、平底の容器に撹拌翼を取り付けて回転させるものの
ように内容物が水平方向に移動することによりシリカ粒
子に対して水平方向に力が加わるタイプのものの方がシ
リカ粒子の大きな破壊が少なく、角処理が容易であるた
めに好ましい。
【0019】また、前記撹拌装置は、公知の手段によ
り、前記粉砕用ボールを容器内から除去するための装置
を取り付けてもよい。
【0020】本発明の製造方法におけるシリカ粉末と粉
砕用ボールとを撹拌する際において、撹拌速度は、特に
限定されるものではなく、容器の大きさ、撹拌翼の形状
等により撹拌効率等が異なるために、シリカ粒子の破壊
が生じた場合には撹拌速度を一段低下させることにより
破壊を防止するなど適宜調整が行われる。
【0021】また、前記のシリカ粉末と粉砕用ボールと
を撹拌する際におけるシリカの温度は、特に限定される
ものではないが、室温から90℃の範囲内に調節するこ
とが好ましく、40〜80℃の範囲内に調節することが
より好ましい。室温より低い温度にシリカの温度を調節
する場合にはシリカの処理に必要以上の温度調節を行う
こととなるために過剰なエネルギーの消費となり、90
℃より高い温度にシリカの温度を調節する場合には水系
溶媒の量のコントロールが困難となるためである。特
に、50〜80℃に加温するとシリカ同士のブロッキン
グが軽減され、撹拌時のシリカ粉末の流動性が良好とな
り、撹拌翼による混合が容易となる。
【0022】本発明のシリカ微粉末は、前記のごとく、
直径10mm以下である粉砕用ボールとシリカ粉末と
を、シリカ微粉末の全重量に対して0.2〜10%の水
系溶媒の存在下で撹拌することにより製造されたもので
ある。
【0023】前記シリカ微粉末は、シリカ粉末の粒子同
士の磨砕ではなく、直径10mm以下である粉砕用ボー
ルがシリカ粉末と接触または衝突することにより、シリ
カ粒子に限度以上の衝撃力を与えることなく角処理がさ
れ、丸みを帯びたものになるものである。また、前記シ
リカ微粉末は、体積粒子径で48μm以上の粗大粒子の
含有量が少ないことにより、半導体封止剤として用いた
場合には成型時に金型を傷めることがなく、塗料、トナ
ー、接着剤または成型剤に用いた場合には薄膜塗布を必
要とする用途に用いることが可能である。さらに、サブ
ミクロンサイズである微粉が比較的少ないことにより、
前記シリカ微粉末は、実用として良好な粉体流動性を示
す粉体である。また、前記シリカ微粉末は、角のない丸
みを帯びた形状の粒子であることから無定形のものに比
べ、樹脂組成物中のシリカ微粉末の配合率を高くするこ
とができる。
【0024】前記シリカ微粉末の粒子径は、特に限定さ
れるものではないが、半導体などの電子部品用の封止剤
に充填剤として使用される場合には、重量平均粒子径が
5〜50μmであることが好ましい。
【0025】本発明のシリカの製造方法は、粉砕用ボー
ルとシリカ粉末とが撹拌機により撹拌されることにより
前もって設定された所定の重量平均粒子径となった後
に、前記撹拌機の回転数を低下させながら及び/または
粉砕用ボールの個数を減らしながら、前記撹拌機で撹拌
することで水系溶媒を乾燥させる方法を用いてもよい。
温風乾燥等の通常の方法ではシリカ微粒子が凝集しやす
く2次粒子を形成しやすくなるために二次粒子の解砕工
程を必要とするが、前記撹拌機の回転数を低下させなが
ら及び/または粉砕用ボールの個数を減らしながら前記
撹拌機で撹拌することで水系溶媒を乾燥させる方法は、
撹拌しながら乾燥を行うためにシリカ微粒子が凝集しな
いことから、前記解砕工程を必要とせず、工程短縮を可
能とするものである。この方法において、前記撹拌機の
回転数の低下は段階的に行っても良く、連続的に行って
も良い。また、前記の粉砕用ボールの個数の減らし方
は、機械的に行っても良く、手動で行っても良い。
【0026】また、本発明は、シリカ微粉末及び基体樹
脂を含む樹脂組成物において、前記シリカ微粉末が直径
10mm以下である粉砕用ボールとシリカ粉末とを、シ
リカ微粉末の全重量に対して0.2〜10%の水系溶媒
の存在下で撹拌することにより製造されたことを特徴と
する樹脂組成物でもある。
【0027】本発明の樹脂組成物における前記基体樹脂
としては、膜形成成分として配合されるものであれば特
に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂または熱可塑
性樹脂であっても良く、また、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂な
ど公知の樹脂系のものに用いることができるが、前記樹
脂組成物が封止剤として用いられる場合には通常として
エポキシ樹脂が用いられる。
【0028】本発明の樹脂組成物における前記シリカ微
粉末は充填剤として配合され、その配合量は、特に限定
されるものではないが、樹脂組成物中に0.1〜90重
量%であることが好ましく、前記樹脂組成物が封止剤と
して用いられる場合には50〜90重量%であることが
好ましい。前記シリカ微粉末の配合量が50重量部より
少ない場合には半導体素子と樹脂組成物との熱膨張係数
差により応力が生じるので封止剤として好ましくなく、
また、配合量が90重量%より大きい場合には封止剤と
しての膜形成が困難となるので封止剤として好ましくな
い。
【0029】本発明の樹脂組成物は、シリカ微粉末及び
基体樹脂以外に、硬化剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、分散剤、可塑剤などの添加剤を用途に応じ
て含むことができる。
【0030】本発明の樹脂組成物は、公知の製造方法に
より製造することができ、液状の基体樹脂を用いる場合
にはロールミル、グラインダー、高速インペーラー等の
分散機、固体の基体樹脂を用いる場合にはミキサー、加
熱ニーダー、エキストルルーダー、ペレタイザー等の混
合機を使用するとシリカ微粉末等を基体樹脂に分散させ
て製造することができる。
【0031】本発明の樹脂組成物の用途としては、特に
限定されるものではないが、電子部品用封止剤、塗料、
トナー、接着剤、成型剤等に好適に用いることができ
る。本発明の樹脂組成物を電子部品用封止剤に用いた場
合には、前記シリカ微粉末の特徴である丸みを帯びた粒
子形状により樹脂組成物中に80重量%以上配合がで
き、また体積粒子径で48μm以上の粗大粒子が従来に
比べて少なくなっているために成型時に金型をいためる
ことがないために好ましい。本発明の樹脂組成物を塗
料、トナー、接着剤及び成型剤に用いた場合には、48
μm以上の粗大粒子が従来に比べて少なくなっているた
めに被塗物に対して薄く塗布することが可能であるため
に好ましい。
【0032】(実施例)以下に本発明の実施例及び比較
例を説明する。重量平均粒子径及び粒度分布について
は、粒度分析計(商品名:シーラス粒度分析計モデル7
15、シーラス社製)を用いて測定した。顕微鏡観察に
については、顕微鏡(商品名:VideoLoupe
VL−11S、スカラ株式会社製)を用いて観察した。
また、安息角については、注入法で測定することができ
る。
【0033】(シリカ微粉末の製造例) 実施例1 内径20cmの平底の磁製容器に、直径18cmの両面
にアルミナタイルを貼り付けたステンレス製の円形回転
翼を容器底からの間隔が3mmとなるように設置し、重
量平均粒子径22.4μmであって最大粒径150μm
以下であるシリカ粉末を1500gと、粉砕用ボールで
ある直径2mmのアルミナボール1500gとを仕込
み、容器内を60℃に保温した。次に、回転翼を300
rpmで回転さることによりシリカ粉末とアルミナボー
ルを撹拌しながら、水を徐々に添加して、揮散した水を
補充しながらシリカ粉末重量に対して2.5±0.5重
量%となるように調節し、12時間の撹拌を行ってシリ
カ微粉末を得た。得られたシリカ微粉末の重量平均粒子
径は、13.7μmであった。粒度分布については、体
積粒子径で6〜48μmの粒子が55%、48μm以上
の粒子が14%であった。また、粒子を顕微鏡で観察す
ると、円形、楕円形をしており、角は観察されなかっ
た。
【0034】実施例2 内径20cmの平底の磁製容器に、直径18cmの両面
にアルミナタイルを貼り付けたステンレス製の円形回転
翼を容器底からの間隔が3mmとなるように設置し、重
量平均粒子径22.4μmであって最大粒径150μm
以下であるシリカ粉末を1500gと、粉砕用ボールで
ある直径2mmのアルミナボール1500gとを仕込
み、少量の水(7.5g)を添加した後に、容器内を密
閉状態で60℃で6時間撹拌した。水分含有量をシリカ
粉末に対して2.5±0.5%になるように調節しなが
ら4時間撹拌した。容器中のシリカ微粉末は微粒子に角
が観察されない球状又は楕円状であった。次に、アルミ
ナボール750gを除去し、容器上部を開放した状態
で、残りのアルミナボール及びシリカ微粉末をゆっくり
と撹拌しながらシリカを乾燥させた。撹拌されているシ
リカ微粉末中の水分量が0.1%以下になった後に、ア
ルミナボールを全て除去し、シリカ微粉末を取り出し
た。得られたシリカ微粉末を150メッシュの篩いで分
級したところ、篩いに上に残った物はほとんど観察され
なかった。撹拌しながらシリカを乾燥させたことにより
シリカ微粉末の2次粒子が解砕されて、大きな粒子は存
在しなかった。得られたシリカ微粉末の重量平均粒子径
は、15.8μmであった。粒度分布については、体積
粒子径で6〜48μmの粒子が58.2%、48μm以
上の粒子が14.9%であった。
【0035】比較例 シリカ粉末を実施例1と同じものを用い、ローラーミル
を用いて生産された重量平均粒子径14.7μmのシリ
カ微粉末の粒度分布については、体積粒子径で6〜48
μmの粒子が47.9%であり、48μm以上の粒子が
20.3%あり、実施例1に比べて多かった。また、粒
子を顕微鏡で観察すると、円形、楕円形をしており、角
は観察されなかった。
【0036】(シリカ微粉末の流動性の評価)実施例
1、2及び比較例1のシリカ微粉末の粉体について、注
入法により安息角を調べ、結果を表1に示す。実施例1
及び実施例2のシリカ微粉末は実用として十分な粉体流
動性を示し、しかも比較例1のシリカ微粉末に比べて良
い流動性を示した。
【0037】
【表1】
【0038】(樹脂組成物の製造例) 実施例3 エポキシ樹脂(商品名:アラルダイトAER250、旭
チバ株式会社製)80重量部と実施例2により得たシリ
カ微粉末80重量部とを撹拌用容器に入れて、公知の撹
拌方法により撹拌することにより樹脂組成物を得た。短
時間の撹拌によりシリカ微粉末の粗大粒子が目視により
観察することができず、エポキシ樹脂中におけるシリカ
微粉末の混練性及び分散性は良好であった。
【0039】比較例2 実施例2により得たシリカ微粉末の替わりに実施例2で
用いたシリカ粉末を使用した以外は、実施例3と同様に
して樹脂組成物を得た。
【0040】(樹脂組成物の流動性の評価)実施例3及
び比較例2で得た樹脂組成物をB型粘度計により25℃
における粘度測定した。比較例2の樹脂組成物の粘度が
64900cpsであるのに対し、実施例3の樹脂組成
物の粘度は32000cpsであって、良好な流動性を
示した。また、実施例2で得たシリカ微粉末を用いた樹
脂組成物は、電子部品用の封止剤として使用した場合に
おいて、未処理であるシリカ粉末を用いた場合に比べて
優れた流動性の樹脂組成物であり、電子部品用の封止剤
として充填作業性の良い流動性の樹脂組成物であった。
【0041】
【本発明の効果】本発明のシリカ微粒子は簡素な設備で
能率よくシリカ微粒子を生産できるという特徴を有する
もので、本発明の方法で製造されたシリカ微粒子は、電
子部品用の封止剤などに使用可能な樹脂組成物に対して
充填剤として好適に使用できる丸みをもつシリカ微粒子
で構成され、サブミクロン粒子及び体積粒子径で48μ
m以上の粗大粒子の含有量が比較的少ないという特徴を
有し、粉体としての流動性が良好である。また、本発明
のシリカ微粉末を充填剤として用いた樹脂組成物は、電
子部品用の封止剤などとして好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D063 EE17 EE27 GA05 GD02 GD27 4G072 AA25 BB05 GG01 GG03 HH14 LL06 LL17 MM26 UU01 UU07 UU09 4J002 AA001 AA011 AA021 BD031 BD121 BG001 CD001 CF001 CK021 CP031 DJ016 FD016

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径10mm以下である粉砕用ボールと
    シリカ粉末とを、シリカ粉末の全重量に対して0.2〜
    10%の水系溶媒の存在下で撹拌機により撹拌すること
    を特徴とするシリカ微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記粉砕用ボールは、直径が1〜3mm
    であることを特徴とする請求項1に記載のシリカ微粉末
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記粉砕用ボールと前記シリカ粉末とが
    撹拌されることにより得られるシリカ微粉末が所定の重
    量平均粒子径となった後に、前記撹拌機の回転数を低下
    させながら及び/または粉砕用ボールの個数を減らしな
    がら、前記撹拌機により撹拌することでシリカ微粉末中
    の前記水系溶媒を乾燥させることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のシリカ微粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 直径10mm以下である粉砕用ボールと
    シリカ粉末とを、シリカ粉末の全重量に対して0.2〜
    10%の水系溶媒の存在下で撹拌することにより製造さ
    れたシリカ微粉末。
  5. 【請求項5】 シリカ微粉末及び基体樹脂を含む樹脂組
    成物において、前記シリカ微粉末が直径10mm以下で
    ある粉砕用ボールとシリカ粉末とを、シリカ粉末の全重
    量に対して0.2〜10%の水系溶媒の存在下で撹拌す
    ることにより製造されたことを特徴とする樹脂組成物。
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