JP4042813B2 - ホウ素の含有量が低減されたデキストランの製造方法 - Google Patents

ホウ素の含有量が低減されたデキストランの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホウ素の含有量が低減されたデキストランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デキストランは、ショ糖をデキストラン産生菌(Leuconostoc mesenteroides, L. dextranicum 等)で発酵させて生産される多糖類である。生成されるデキストランのうち適当な分子量を有するものは、従来より生理食塩水に溶解して、これを急性出血時等の治療における代用血漿、外傷、出血等に基づく外科的ショックの予防剤および治療剤、または手術時等における体外循灌流液として用いられている。また、デキストランの誘導体として、鉄との複合体は鉄欠乏性貧血に対する注射液として用いられる。また、デキストランの硫酸エステルは血液凝固防止剤としてヘパリンの代用になる。その他にも、デキストランは食品工業等の種々の工業分野においても使用されている。
【0003】
デキストランの製造は、一般に図2に示すような製造工程を経て行われる。すなわち、まず、原料であるショ糖と、リン酸二カリウム等の無機塩と、ビタミン類とを水と共に原料溶解槽1に加えて溶解させたのち、原料液を発酵槽2に送り、デキストラン産生菌を加えて発酵させる。発酵後、発酵液を沈殿槽3に送り、メタノールを加えてデキストランを沈澱分離する。
【0004】
ついで、加水分解槽4にて、塩酸を加えて加水分解を行った後、濾過器5にて不純物を除去する。ついで、分別沈殿槽6にて一定のメタノール濃度で沈殿するデキストラン区分を集め、これを溶解槽7にて溶解させたのち、イオン交換塔8にて塩類を除去する。再び溶解槽9にてデキストランを溶解させたのち、濾過器10、蒸発缶11および調整タンク12を経て噴霧乾燥器13に送って噴霧乾燥してデキストラン粉末を得る。
【0005】
このようにして得られたデキストラン粉末は、前述のように、生理食塩水に溶解し、容器内に充填密封されて、注射液等の用途に使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
容器内に充填密封されたデキストラン溶液は、貯蔵中や運搬中の温度変化によってデキストランの結晶が析出するおそれがあるという問題がある。
【0007】
一方、デキストラン溶液を代用血漿や体外灌流液として使用するには、デキストラン溶液中にデキストランの結晶が析出していないことが必要である。
【0008】
しかしながら、一旦析出したデキストランの結晶は、加温、振盪等の手段を用いても再び溶解させるのが困難であるため、結晶が析出したデキストラン溶液の入った注射液容器は廃棄しなければならない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、溶液で使用しても結晶を析出しにくいデキストランの製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、デキストラン中に含まれる不純物に着目し、かかる不純物がデキストランの結晶が析出するのに影響を及ぼしているのではないかと考え、さらに研究を重ねたところ、驚くべきことに、デキストラン中に含有されるホウ素がデキストランの析出を促進させる機能を有するという新たな知見を得た。
【0011】
このような知見に基づき、本発明者らはさらなる検討を重ねた結果、ホウ素の含有量を、デキストランの乾物を基準としてホウ素原子換算で0.20μg/g以下とすることにより、デキストラン結晶の析出を抑制あるいは著しく低減させるとの事実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0012】
すなわち、本発明のデキストランは、ホウ素の含有量が、ホウ素原子換算で0.20μg/g以下(乾物基準)であることを特徴とする。
【0013】
なお、本発明でいうホウ素の含有量とは、本発明のデキストランの粉末または溶液中に含まれる該デキストランの乾物重量(g)に対するホウ素量を、ホウ素原子換算で表した値(μg)をいう。
【0014】
本発明のデキストランは、原料となるホウ素含有のデキストランを低級アルコールで処理することにより得られる。上記処理により、原料デキストラン中に含まれるホウ素を低級アルコールに溶解後、必要に応じて乾燥することによって製造することができる。
【0015】
すなわち、本発明のデキストランの製造方法は、ホウ素含有デキストランを出発原料とし、この出発原料を低級アルコールで処理してホウ素をホウ酸トリアルキルに変換し、ついで当該処理液を減圧乾固してホウ酸トリアルキルを分離除去することにより、デキストラン中のホウ素含有量をホウ素原子換算で0.20μg/g以下(乾物基準)に低減させることを特徴とする。
【0016】
ここで、出発原料となる前記ホウ素含有のデキストランは粉末または水溶液のいずれの形態であってもよい。
【0017】
本発明のデキストランは、前記のようにデキストラン結晶の析出が抑制またはその析出速度が著しく低減されているため、これを溶解した溶液をデキストラン注射液容器等の容器に充填して実用上、有効に使用することができる。
【0018】
なお、本発明において、原料のデキストラン中に含有されるホウ素とは、ホウ素原子あるいはホウ素原子を含む化合物のいずれの形態をも包含する。
【0019】
【発明の実施の形態】
デキストランへのホウ素の混入には、いろいろの原因が考えられ、例えばデキストラン製造時における装置や容器からのホウ素の漏出およびデキストランを産出する発酵用培地からのホウ素の混入等が挙げられる。
【0020】
すなわち、図2に示す製造工程で使用される原料溶解槽1、発酵槽1、沈殿槽3、濾過器5に使用するフィルターなどの容器や装置の壁面、特にガラス製の壁面とデキストラン液とが接触する際に、ホウ素がデキストラン液中に漏出すると考えられる。また、培地には、微量成分としてホウ素が含まれている場合があり、これが発酵生成物であるデキストランに混入することは避けられない状況になっている。
【0021】
このようにして製造されたデキストランのホウ素含有量は、ホウ素原子換算で通常、0.30〜1.20μg/g程度(乾物基準)である。
【0022】
なお、図2に示す製造工程でデキストランを分別沈殿させるためメタノールを使用しているが、この製造工程におけるメタノール処理程度では、本発明のデキストラン、すなわちホウ素含有量がホウ素原子換算で0.30μg/g未満(乾物基準)のデキストランを得ることができない。
【0023】
つぎに、本発明のデキストランの製造方法を説明する。
【0024】
ホウ素を含有したデキストラン粉末(原料)からのホウ素の除去は、該デキストラン粉末を低級アルコールに溶解して、ホウ素をホウ酸トリアルキルB(OR3 3 (式中、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)に変換し、ついで低級アルコールからデキストランを例えば濾過にて分離し、乾燥すればよい。これにより、原料デキストラン粉末中に混入されているホウ素は、低級アルコールに溶解してデキストランと分離される。
【0025】
上記低級アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール等の炭素数が1〜4のアルコールがあげられる。
【0026】
このような低級アルコールによるデキストラン粉末の洗浄は1回のみでもよいが、複数回繰り返すのが、本発明で目的とするホウ素含有量(デキストラン乾物重量当りホウ素原子換算で0.20μg/g以下)に低減させるうえで好ましい。また、使用する低級アルコール量は、デキストランに対して過剰量であるのがよく、特に制限されるものではない。
【0027】
なお、デキストラン粉末の低級アルコールへの溶解は攪拌しながら室温下で行ってもよく、あるいは適宜加温ないし加熱下で行ってもよい。
【0028】
また、デキストラン粉末に代えて、デキストランの水溶液を用いてもよい。この場合には、デキストラン水溶液に低級アルコールを加え、以下、前記と同様にして処理すればよい。その際、水溶液中のデキストランの濃度は約20〜30重量%であるのがよい。また、低級アルコールの添加量はデキストラン水溶液に対して体積比で約1/2〜1/3であるのがよい。
【0029】
上記の製造方法により、ホウ素含有量が、デキストランの乾物を基準としてホウ素原子換算で0.20μg/g以下に低減されたデキストランが得られ、注射液などの用途として使用する場合には、このようにホウ素の含有量がホウ素原子換算で0.20μg/g以下に低減されたものが好適である。
【0030】
このデキストランの粉末は、他の成分と共に精製水に溶解し、プラスチックバッグ、ガラスバイアル等の容器に充填密封され、加熱殺菌して注射液等のデキストラン溶液として利用できる。
【0031】
本発明における、溶液状で容器に充填してなるデキストランは、貯蔵中や運搬中の温度変化等によってデキストランの結晶が容器内壁に析出するのを抑制あるいは析出する速度を著しく低減させたものである。デキストラン結晶の析出とホウ素との関係は必ずしも明確ではないが、図1に模式的に示すように、デキストランの分子鎖10は、該分子鎖10が有する水酸基中の非共有電子対に基づき、ホウ素11を介して架橋構造を形成し、その結果、デキストランが析出しやすくなるためではないかと推測される。
【0032】
【実施例】
以下、実施例および試験例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0033】
実施例1
デキストラン粉末(名糖産業(株)製、数平均分子量40,000、α−1,6結合してなるグルカン)200gを1000mlの水に溶解し、これにメタノール300mlを加え、室温下で10分間攪拌した。攪拌後、処理液を減圧乾固した。
【0034】
かかるメタノール処理前および処理後のデキストラン粉末中のホウ素含有量をそれぞれ下記のように測定した(繰り返し数n=2)。
(測定方法)
試料0.04gを超純水に溶解し、硝酸を0.04ml添加した後、超純水で4mlに調整した。この溶液について、ICP質量分析装置(セイコー電子工業(株)製の「SPQ9000型」)によりホウ素含有量の測定を行った。
【0035】
その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004042813
表1から、メタノール処理によりホウ素含有量は大幅に低減していることがわかる。
【0037】
実施例2
デキストラン粉末200gをメタノール200mlに加えたほかは、実施例1と同様にして、メタノール処理したデキストラン粉末を得た。
【0038】
つぎに、本発明のデキストランを製剤形態(注射液)とし、以下に示す各試験を行った。
【0039】
試験例1
上記実施例1と同様にしてメタノール処理したデキストランを超純水に溶解して10w/v%デキストラン水溶液を作製した。ついで、その50mlを100mlガラスバイアルに充填し密封し、デキストラン溶液を充填した容器(試料1)を作製した。
【0040】
一方、メタノール処理前のデキストラン(前述の名糖産業(株)製、数平均分子量40,000のデキストラン)を用いて上記と同様にしてデキストラン溶液を充填した容器(試料2)を作製した。
【0041】
得られた各試料(n=5)を日光の当たる室外に放置し(平均気温約28℃)、デキストラン結晶の沈殿が発生するか否かを試験開始から1日後および4日後にそれぞれ目視にて観察した。その結果を表2に示す。
なお、表中、分数の分母は試験に供した試料数を、分子は沈殿が発生した試料の個数をそれぞれ示している。
【0042】
【表2】
Figure 0004042813
表2から、直射日光、高温下という、厳しい保存条件下においては、ホウ素含有量を低減していないデキストランを用いた試料2では、試験開始後1日目からデキストランの沈殿が発生した。
【0043】
一方、メタノール処理によってホウ素含有量を低減したデキストランを用いた試料1では、試験開始4日経過後においても、デキストランの沈殿は全試験試料に認められなかった。
【0044】
試験例2
試験例1で使用した試料2について、出発原料となる元のデキストラン粉末中および沈殿物中にそれぞれ含まれる微量成分を分析した。
【0045】
測定は、実施例1の分析方法と同様にして、試料を硝酸で溶解した後、ICP質量分析装置(前出)により各微量成分を測定した。ただし、カルシウムは黒鉛炉加熱−原子吸光分析法により測定した。
【0046】
測定結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
Figure 0004042813
+ 0.1〜1μg/g
++ 1〜10μg/g
+++ 10〜100μg/g
表3から、ホウ素を除く他の元素は元のデキストラン粉末および沈殿物ともに含有量は殆ど変わらないのに対して、ホウ素では元のデキストラン粉末に対して沈殿物の含有量は10倍以上にも増大していた。このことから、ホウ素の存在がデキストランの析出に関与していることがわかる。
【0048】
試験例3
以上の試験例の結果から、ホウ素の含有量を低減したデキストラン粉末により作製したデキストラン溶液を充填した容器(試料1)は、ホウ素を全く低減していないデキストラン粉末により作製したデキストラン溶液を充填した容器(試料2,従来品)よりも、不良品の発生が少ないことが明らかとなった。
【0049】
次に、実際にデキストラン中のホウ素含有量が、どの程度まで低減されていれば、該デキストランの溶液を充填した容器内で沈殿物の発生が低減され、不良品の発生を有効に防止することができるかを検討した。
【0050】
試験方法としては、デキストラン溶液中のホウ素含有量に対する不良品の発生個数を調べる、以下の定量試験を行った。
【0051】
なお、保存条件としては、上記デキストラン充填容器を商品化した場合を想定し、医薬製剤の保存条件に近い温度(平均気温約22℃)を採択した。
(試料の作製)
上記試験例1と同様にしてメタノール処理したデキストランを超純水に溶解して10w/v%デキストラン水溶液を作製した。ついで、この溶液を200mlずつ8個のプラスチック容器に加え、それぞれに80.08ppmのホウ酸水溶液を0.29ml、0.36ml、0.39ml、0.42ml、0.43ml、0.50mlを添加した。このとき各プラスチック容器中のホウ素量は、溶解しているデキストラン(乾物)の重量に対して0.20ppm、0.25ppm、0.275ppm、0.295ppm、0.30ppm、0.35ppmである。
【0052】
ついで、これらの各容器中からそれぞれ20mlを取り出し、100mlポリエチレン製バックに充填し密封し、デキストラン溶液を充填した容器を作製した。
【0053】
なお、対照として、デキストラン粉末(前述の名糖産業(株)製,数平均分子量40,000のデキストラン,従来品)を用いて上記と同様にしてデキストラン溶液を充填した容器を作製した。この対照の容器中のホウ素含有量は、溶解しているデキストラン(乾物)の重量に対して1.20ppmである。
(試験方法)
得られた各試料(n=5)を日光の当たる室外に放置し(平均気温約22℃)、デキストラン結晶の沈殿が発生するか否かを試験開始から1日後、4日後、6日後、10日後および21日後にそれぞれ目視にて観察した。その結果を表4に示す。なお、表中、分数の分母は試験に供した試料数を、分子は沈殿が発生した試料の個数をそれぞれ示している。
【0054】
【表4】
Figure 0004042813
表4から、ホウ素の含有量が、溶解しているデキストラン(乾物)の重量に対して0.30ppm未満であると、試験開始から21日経過後においても沈殿の発生を抑制していることがわかる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、デキストランの析出が抑制もしくは析出速度が著しく低減されるため、デキストラン注射液容器などにおいてデキストランの析出による不良品の発生を低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】デキストランに対するホウ素の作用を示す模式図である。
【図2】デキストランの製造工程を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 デキストランの分子鎖
11 ホウ素

Claims (3)

  1. ホウ素含有デキストランを出発原料とし、この出発原料を低級アルコールで処理してホウ素をホウ酸トリアルキルに変換し、ついで当該処理液を減圧乾固してホウ酸トリアルキルを分離除去することにより、デキストラン中のホウ素含有量をホウ素原子換算で0.20μg/g以下(乾物基準)に低減させることを特徴とする、ホウ素含有量の低減されたデキストランの製造方法。
  2. 出発原料となる前記ホウ素含有デキストランが粉末または水溶液の形態である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記低級アルコールがメタノールまたはエタノールである請求項1記載の製造方法。
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