JP4042262B2 - 油脂被覆組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂被覆組成物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の性状を有する粉末油脂からなる膜材で、芯材が被覆されたものであって、吸湿防止性、潮解防止性、固結防止性、打錠適性などの機能が付与されると共に、該粉末油脂の融点以上の水溶液に添加されても、膜材の溶融に起因する油浮きがなく、安定な乳化状態を維持しうる油脂被覆組成物、及びこのものを効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉末素材における吸湿に起因する固結や潮解などの現象は、商品価値や取扱い性を低下させたり、食感を損なうなどの大きな問題を引き起こしている。したがって、この吸湿に起因する固結や潮解を防止するために、これまで、多くの技術開発がなされてきた。例えば、粉末素材の表面を融点40℃以上の硬化油脂類でコーティングする方法(特許第2666283号公報)が開示されている。この方法によれば、粉末の状態においては、固結防止性能や潮解防止性能を十分に満たす被覆粉末が得られる。しかしながら、該方法においては、粉末素材の表面を被覆している膜材が油脂であるため、水溶液中での分散性が悪い上、加熱されると膜材の油脂が溶融して、いわゆる油浮きが生じ、水溶液の温度が下がるとその表面で固化するという問題があった。さらに、表面の膜材が油脂であることに起因して、各種充填機、混合機、打錠機などへの付着が起こり、種々のトラブルの原因となっていた。
このような問題を解決するために、芯材を油脂被覆後に親水性素材で被覆する多重被覆方法(特開平7−274886号公報など)が、数多く提案されている。しかしながら、このような方法においては、最終的には乾燥処理するものの、親水性被膜の形成工程において水に曝されるため、油脂被覆によって付与された機能の中で、味のマスキング効果、吸湿防止効果、溶出抑制効果、保存安定性などの多くの機能低下が確認されている。
このように、従来の油脂被覆品や上記方法で得られた多重被覆品では、十分に満足しうる機能を発揮することができないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、吸湿防止性、潮解防止性、固結防止性、打錠適性などの機能が付与されると共に、油脂からなる膜材の融点以上の水溶液に添加されても、膜材の溶融に起因する油浮きがなく、安定な乳化状態を維持しうる油脂被覆組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた性能を有する油脂被覆組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、粒子表面を親水性素材で予め被覆した粉末油脂を調製し、これを膜材に用いて、芯材を被覆することにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)吸湿性粉末からなる芯材と、その表面を被覆する膜材とからなる油脂被覆組成物の製造方法であって、かつ該膜材として、粒子表面を親水性素材で予め被覆した、融点40〜80℃の油脂からなる粉末油脂を用い、高速撹拌機中で芯材と該膜材を均質に分散させて芯材の表面に該膜材を被覆することを特徴とする油脂被覆組成物の製造方法及び
(2)粉末油脂が自己乳化性を有するものである第(1)項記載の油脂被覆組成物の製造方法
を提供するものである。
また、本発明の好ましい態様は、
)膜材として用いる粒子表面を親水性素材で予め被覆した粉末油脂が、平均粒径1〜1000μmであって、芯材の平均粒径に対し、1〜50%の平均粒径を有する第(1)又は()項記載の油脂被覆組成物の製造方法、及び
)膜材中の油脂の占める割合が1〜99重量%である第(1)、(2)又は()項記載の油脂被覆組成物の製造方法
である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の油脂被覆組成物は、芯材と、その表面を被覆する膜材とから構成されているものであって、該膜材としては、粒子表面を親水性素材で予め被覆してなる粉末油脂(以下、親水性素材被覆粉末油脂と称する)が用いられる。
上記膜材を構成する親水性素材被覆粉末油脂としては、平均粒径が、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは1〜100μmの範囲にあり、かつ使用する芯材の平均粒径に対し、好ましくは1〜50%、より好ましくは5〜25%の範囲にあって、油脂の占める割合が、好ましくは1〜99重量%、より好ましくは50〜95重量%の範囲にあるものが、得られる油脂被覆組成物の性能の面から好適である。
該親水性素材被覆粉末油脂に用いられる親水性素材としては特に制限はなく、様々な素材の中から、状況に応じて適宜選択される。この親水性素材としては、例えばデキストリン、コーンスターチ、砂糖、乳糖、トレハロースなどの糖類や糖アルコール、デンプンやその分解物;ゼラチン、カゼインナトリウム、脱脂粉乳、大豆タンパク質、小麦タンパク質、トウモロコシタンパク質などのタンパク質類;アラビアゴム、キサンタンガム、プルラン、カードラン、カラギーナン、アルギン酸ナトリウムなどの増粘多糖類やガム質類;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの合成高分子化合物;親水性の色素、香料、ビタミンなどの生理活性物質などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、植物エキスや動物エキスなどの天然抽出物も、もちろん使用可能である。さらに、それらに固形物を分散させたものや、親水性物質の中に、親油性のビタミン、香料、生理活性物質などを含む油相部を有するハイブリッドタイプの親水性素材を用いることもできる。
一方、油脂としては、常温で粉末を形成しうるものであればよく、その融点については特に制限はないが、融点が低すぎると物理的衝撃により該油脂が浸み出すために、芯材表面に強固に付着させることが困難となるし、逆に融点が高すぎると乳化を利用して、親水性素材被覆粉末油脂を調製する場合に、乳化工程自体が困難となる。以上の理由から、融点は40℃以上が好ましく、特に40〜80℃の範囲が好適である。
また、この親水性素材被覆粉末油脂は乳化剤やカゼインナトリウムなどを含む水系溶媒に容易に乳化分散しうる自己乳化性を有するものが好ましい。
この粉末油脂に用いられる油脂としては、融点が前記範囲にあればよく、特に制限されず、例えばナタネ油、大豆油、パーム油、牛脂、豚脂、魚油及びその硬化油、トリグリセリド類、ジグリセリド類、モノグリセリド類、その他グリセリン誘導体、脂肪酸類、各種乳化剤、ワックス類、糖脂質類、リン脂質類、ステロール類など、さらにはこれら素材を食品として可能な範囲で化学修飾したものを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、あるいはこれらに油溶性香料、油溶性ビタミンや不飽和脂肪酸などの油溶性生理活性物質を含有させたものや、前述したように固形物を分散させたものを用いてもよい。さらには、油脂物質の中に、水溶性のビタミン、香料、生理活性物質などを含む水相部を有するハイブリッドタイプの油脂も用いることができる。
【0006】
親水性素材被覆粉末油脂を調製する方法としては、前記油脂の粒子表面を、前記親水性素材で被覆しうる方法であればよく、特に制限されず、例えば、(1)親水性素材と乳化剤と水系媒体を用いて、油脂を乳化させたのち、スプレー乾燥処理して粉末化する方法、(2)流動層スプレーによる油脂粒子の表面改質方法、(3)油脂粒子と親水性素材粉末との接触衝突を利用した油脂粒子の表面改質方法などを挙げることができる。
上記(1)の方法において用いられる乳化剤としては、例えば脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようにして調製された親水性素材被覆粉末油脂は、そのまま用いてもよいし、必要に応じ、使用する芯材の平均粒径に対し、好ましくは1〜50%、より好ましくは5〜25%の範囲の平均粒径になるように粉砕して用いてもよい。
本発明の油脂被覆組成物における芯材としては、常温で粉末を形成しうる素材であればよく特に制限はないが、水分との接触により悪影響を受けやすい吸湿性粉末が好ましく用いられる。このような芯材の例としては、食塩、重曹、塩化マグネシウムなどの無機塩類;クエン酸、酒石酸、フマル酸などの有機酸類;グルコース、フラクトース、ガラクトースなどの単糖類、マルトース、ラクトース、シュクロース、トレハロースなどの二糖類、その他エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、キシリトールなどの糖類粉末;生薬エキス、野菜エキス、肉エキス、畜肉エキス、担子菌エキス、緑貝エキス、グルタイーストエキス、モルトエキスなどの天然抽出エキス粉末;トマト、ナス、ニンジンなどの野菜粉末;ワサビ、マスタード、ジンジャー、唐辛子などの香辛料粉末;アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの酵素粉末;酵母、ビフィズス菌、乳酸菌などの有用生菌粉末;ビタミンB群、ビタミンC、葉酸、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミン、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンなどのビタミン粉末;スピルリナ、クロレラ、高麗ニンジン、霊芝、アガリスク、マイタケ、イチョウ葉、ウコン、ブルーベリー、各種ハーブ類、オオバコ、アロエ、茶、花粉、ガルシニア、ギムネマなどの植物体、藻類、菌糸体の粉末;キチン、キトサン、コラーゲンなどの粉末;その他ローヤルゼリー、プロポリス、核酸、レシチン、サポニン、ステロール類、カルニチン、セラミド、カテキン、サメ軟骨、ヘム鉄などの粉末、さらには粉末香料、ペプチド粉末、コンソメ粉末、色素粉末、ヘム鉄粉末などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの芯材の平均粒径は特に制限はないが、通常10μm〜3mm、好ましくは100μm〜1mmの範囲である。
本発明の油脂被覆組成物においては、上記芯材と、その表面を被覆する前記親水性素材被覆粉末油脂からなる膜材との割合については特に制限はなく、任意に選定することができる。例えば、油脂被覆組成物において、芯材の吸湿性素材を多く用いる場合には、芯材含有量の多いものが適しており、また、膜材の粉末油脂由来の機能の方が重要である場合には、膜材含有量の多いものが適している。
次に、本発明の油脂被覆組成物の製造方法について説明する。
本発明方法においては、まず、油脂の粒子表面を、前述したように親水性素材で予め被覆して、親水性素材被覆粉末油脂を調製する。次に、高速撹拌混合機中に、芯材と上記親水性素材被覆粉末油脂とを所定の割合で投入し、これらを均質に分散させると共に、剪断力と衝撃力を与え、ハイブリダイゼーションを行い、芯材の表面を、該親水性素材被覆粉末油脂からなる膜材で被覆することにより、所望の油脂被覆組成物を製造する。この際用いる高速撹拌混合機(ハイブリダイザー)としては、例えば奈良機械(株)製「オーエムダイザー」や、パウレック社製「バーチカルグラニュレーター」などを用いることができる。
【0007】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた油脂被覆組成物の機能は、以下に示す方法に従って評価した。
(1)固結防止効果
油脂被覆組成物をシャーレに分取し、温度40℃、湿度75%の条件で3日間保存し、常温になるまで放冷後、原末(芯材)の固化状態を1点、全く固化していない状態を10点とし10人のパネラーにより10段階評価を行った。
(2)膜材の乳化性
油脂被覆組成物10gをビーカーに採り、80℃に加熱されたお湯を加え、溶融した膜材が表面に油浮きしている状態を1点、均一な乳化状態を10点として、10人のパネラーにより、10段階で評価した。
(3)潮解性防止効果
油脂被覆組成物をシャーレに分取し、温度40℃、湿度75%の条件で3日間保存し、常温になるまで放冷後、シャーレ内の状態を、完全に潮解した状態を1点、吸湿テスト前の状態を5点として、10人のパネラーにより、5段階評価を行った。
(4)打錠性改善効果
油脂被覆組成物を用いて錠剤を100錠成型し、打錠製剤の表面が欠けていないきれいな状態の錠剤(適性錠剤)の数を求めると共に、打錠工程の経過を評価した。なお、記号の意味は下記のとおりである。
×:錠剤中に表面が一部欠けたものが存在する。
○:全ての錠剤の表面が良好である。
製造例1
カゼインナトリウム[中央商工(株)製]40g及び乳糖450gを水1000gに加えた溶液に、乳化剤としてグリセリンモノステアレート(HLB値4)10gを加えたナタネ硬化油(融点68℃)500gを添加し、80℃にて予備乳化した[撹拌機:Heidon社製「スリーワンモーター」]。
次に、これを高圧均質機により、均質圧150kg/cm2で均質化したものを、スプレードライヤー[大川原化工機(株)製「L−8型」]にて噴霧乾燥し、その表面がタンパク質で被覆された平均粒径約50μmの粉末油脂▲1▼860gを得た。
第1表に、粉末油脂▲1▼の組成を示す。
製造例2、3
製造例1と同様にして、第1表に示す組成の平均粒径約50μmの粉末油脂▲2▼及び▲3▼を調製した。
製造例4
油相内水相部(W1)となる水溶性バニラフレーバー[小川香料(株)製]50gと油相部となるナタネ硬化油(融点68℃)100gを、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB値2)10gを用いて80℃にて予備乳化し、均質化処理した。得られたW1/Oにグリセリンモノステアレート(HLB値4)3gを加えたものを、カゼインナトリウム(前出)15g及び乳糖150gを水500gに加えた溶液に添加し、予備乳化、均質化、噴霧乾燥して、平均粒径約50μmの粉末油脂▲4▼260gを得た。
第1表に、粉末油脂▲4▼の組成を示す。
【0008】
【表1】
Figure 0004042262
【0009】
製造例5
製造例1で調製した粉末油脂▲1▼をジェットミルで粉砕して平均粒径10μmの粉末油脂▲5▼を得た。
実施例1
製造例1で得た粉末油脂▲1▼100gと平均粒径500μmの精製食塩400gを、高速撹拌混合機[パウレック社製「バーチカルグラニュレーター」]により、回転数500rpmで15分間処理し、精製塩の粒子表面が粉末油脂▲1▼で被覆された油脂被覆精製塩組成物495gを得た。
この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価結果を第2表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示す。
実施例2
製造例2で得た粉末油脂▲2▼100gと平均粒径500μmの精製食塩400gを、高速撹拌混合機[奈良機械(株)製「オーエムダイザー」]により、回転数1000rpmで10分間処理し、精製塩の粒子表面が粉末油脂▲2▼で被覆された油脂被覆精製塩組成物490gを得た。
この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価を第2表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示す。
実施例3
製造例3で得た粉末油脂▲3▼50gと平均粒径250μmの塩化マグネシウム450gを、高速撹拌混合機[パウレック社製「バーチカルグラニュレーター」]により、回転数100rpmで5分間処理し、塩化マグネシウムの粒子表面が粉末油脂▲3▼で被覆された油脂被覆塩化マグネシウム組成物490gを得た。
この組成物の打錠性改善の評価結果を第3表に示すと共に、潮解性防止効果の評価結果を第4表に示す。
実施例4
製造例4で得た粉末油脂▲4▼50gと平均粒径250μmの塩化マグネシウム450gを、高速撹拌混合機[パウレック社製「バーチカルグラニュレーター」]により、回転数100rpmで5分間処理し、塩化マグネシウムの粒子表面が粉末油脂▲4▼で被覆された油脂被覆塩化マグネシウム組成物495gを得た。
この組成物の打錠性改善の評価結果を第3表に示すと共に、潮解性防止効果の評価結果を第4表に示す。
実施例5
製造例5で得た粉末油脂▲5▼と、芯材としての平均粒径200μmのスピルリナ造粒物を用い、実施例1と同様にして油脂被覆スピルリナ組成物を得た。
この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価結果を第2表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示す。
実施例6
製造例5で得た粉末油脂▲5▼と、芯材としての平均粒径約150μmのローヤルゼリー粉末を用い、実施例1と同様にして油脂被覆ローヤルゼリー組成物を得た。
この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価結果を第2表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示す。
比較例1
平均粒径10μmのナタネ硬化油粉末(融点68℃)50gと、平均粒径250μmの塩化マグネシウム450gを、高速撹拌混合機[パウレック社製「バーチカルグラニュレーター」]により、回転数500rpmで5分間処理し、塩化マグネシウムの粒子表面が硬化油脂で被覆された油脂被覆塩化マグネシウム組成物495gを得た。
この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価結果を第2表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示す。
比較例2
比較例1で得た油脂被覆塩化マグネシウム組成物480gに対し、流動層造粒機[パウレック社製「フローコーター」]を用いて、10重量%デキストリン水溶液200ミリリットルをスプレーし、その表面を水溶性に改質した組成物452gを得た。
この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価結果を第2表に示すと共に、潮解性防止効果の評価結果を第4表に示す。
【0010】
【表2】
Figure 0004042262
【0011】
【表3】
Figure 0004042262
【0012】
【表4】
Figure 0004042262
【0013】
【発明の効果】
本発明の油脂被覆組成物は、親水性素材被覆粉末油脂からなる膜材で、吸湿性粉末からなる芯材が被覆されたものであって、吸湿防止性、潮解防止性、固結防止性、打錠適性などの機能が付与されると共に、該粉末油脂の融点以上の水溶液に添加されても、膜材の溶融に起因する油浮きがなく、安定な乳化状態を維持することができる。したがって、食品、医薬品、医薬部外品、化粧料などに好適に利用することができる。
また、本発明方法によると、芯材となる吸湿性粉末を、水分の影響を抑制しながら、容易にかつ短時間で、親水性素材被覆粉末油脂により、被覆することができる。

Claims (2)

  1. 吸湿性粉末からなる芯材と、その表面を被覆する膜材とからなる油脂被覆組成物の製造方法であって、かつ該膜材として、粒子表面を親水性素材で予め被覆した、融点40〜80℃の油脂からなる粉末油脂を用い、高速撹拌機中で芯材と該膜材を均質に分散させて芯材の表面に該膜材を被覆することを特徴とする油脂被覆組成物の製造方法
  2. 粉末油脂が自己乳化性を有するものである請求項1記載の油脂被覆組成物の製造方法
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