JP3345984B2 - 二重被覆粒子および製造方法 - Google Patents

二重被覆粒子および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯物質を脂質で被覆し
た二重被覆粒子、特に食品、飼料、医薬品、医薬部外
品、化粧品等の分野において使用される二重被覆粒子、
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粒状ないし粉末状物質を保護するため
に、これらの物質を芯物質とし、脂質で被覆した被覆粒
子が使用されている。被覆粒子は、一般に保存性の向
上、芯物質同士の接触回避、味のマスキング等の目的で
多くの分野で使用されており、その被覆性能は非常に重
要である。例えば、空気や水との接触により分解や酸化
が起こるL−アスコルビン酸等は、脂質で被覆すること
により空気や水分から遮断され、保存性が向上する。ま
た畜肉加工食品や水産練り製品等は、製品のpHを調整
して保存安定性を向上させるために、有機酸または有機
酸塩が使用されているが、有機酸または有機酸塩を原料
に直接添加すると製品の物性が損なわれる。そこで脂質
で被覆した有機酸または有機酸塩を原料に添加して加工
し、加熱を行えれば、製品の物性を損なうことなく、加
熱後のpHの調整が可能になる。
【0003】従来の被覆粒子を製造する方法としては、
溶解した硬化油、ワックス等に芯物質を懸濁させた後、
スプレーまたは回転ディスクを用いて噴霧冷却固化する
ことにより被覆物を得る方法(例えば、特公昭45−3
2217号公報に記載の「被覆有機酸の製法」、特公昭
53−31476号公報に記載の「被覆有機酸の製造方
法」)、ならびにフローコーティングと呼ばれる方法で
芯物質を下部からの風力で浮き上がらせておき、上部か
ら硬化油、ワックス等を噴霧して被覆を行うか、または
これに類似した方法(例えば、特開昭62−26312
8号に記載の「腸内有用細菌含有カプセル」)などが知
られている。
【0004】これらの方法によって形成される被覆膜
は、脂質の連続膜となるが、被覆性能は不十分であり、
また多量の脂質を必要とするため、芯物質の含量が低く
なり、目標品質を得るためには多量の被覆粒子の添加が
必要であり、これがコストアップの原因となっていた。
【0005】別の被覆粒子の製造方法として、芯物質に
脂質粉状体を接触、衝突させて被覆を行う方法(例え
ば、特開昭63−164863号に記載の「被覆有機酸
及び有機酸塩製剤の製造方法」)が提案されている。
【0006】この方法によって形成される被覆膜は、脂
質粒子同士が周辺部で融着した固着層となるが、その被
覆性能は芯物質の形状に左右され、天然抽出物の粉状体
のような不定形の芯物質に対する被覆性は、必ずしも満
足できるものではなかった。
【0007】一方、二重被覆粒子としては、脂質以外の
膜剤と脂質の二種類の膜剤を別々にスプレーコートする
方法(例えば、特開昭63−317050号に記載の
「反趨動物用飼料添加物」)、ならびに脂質以外の膜剤
で予備被覆したのち、硬化油を用いて噴霧乾燥等により
二重被覆粒子を製造する方法(例えば、特公昭48−1
185号に記載の「二重被覆フマール酸粒子の製造
法」)などが提案されている。
【0008】しかしこれらの方法によって形成される二
重被覆膜は、脂質の連続層と脂質以外の膜剤の連続層が
二重に形成された構造となるが、本質的には単層の脂質
からなる被覆膜と変らず、被覆性能が不十分で、多量の
脂質が必要になり、芯物質の含量が低いという点は変ら
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芯物
質の形状にかかわらず、少量の脂質で十分な被覆が可能
であり、芯物質の含量が高く、かつ少量の使用で十分な
添加効果が得られ、コストを低減できる二重被覆粒子お
よびその製造方法を提案することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次の二重被覆粒
子およびその製造方法である。 (1) 常温で粒状もしくは粉末状の芯物質と、この芯
物質の表面を被覆する脂質の連続層からなる一次被覆膜
と、この一次被覆膜の囲表面を被覆するように固着
した融点40℃以上の脂質粉状体の固着層からなる二次
被覆膜とを有する二重被覆粒子であって、芯物質と一次
被覆膜となる脂質との混合比(芯物質重量/脂質重量)
が(80/20)〜(95/5)であり、一次被覆粒子
と脂質粉状体との混合比(一次被覆粒子重量/脂質粉状
体重量)が(40/60)〜(98/2)である二重被
覆粒子。 (2) 常温で粒状もしくは粉末状の芯物質に、溶融状
態にある脂質を噴霧または滴下して、芯物質の表面を被
覆する脂質の連続層からなる一次被覆膜を形成し、得ら
れた一次被覆粒子に融点40℃以上の脂質粉状体を接
触、衝突させ、一次被覆粒子の全周囲表面に脂質粉状体
着、被覆させて二次被覆膜を形成する二重被覆粒子
の製造方法であって、芯物質と一次被覆膜となる脂質と
の混合比(芯物質重量/脂質重量)が(80/20)〜
(95/5)であり、一次被覆粒子と脂質粉状体との混
合比(一次被覆粒子重量/脂質粉状体重量)が(40/
60)〜(98/2)である二重被覆粒子の製造方法。
【0011】本発明において使用できる芯物質は、粒状
もしくは粉末状の物質であり、天然に存在するもので
も、合成により得られるものでもよい。その性状は常温
で粒状もしくは粉末状であれば結晶状でもゲル状でもよ
く、その形状も球形、不定形など、任意の形状のものが
使用できる。粒径は1〜800μm、特に5〜200μ
mのものが好ましい。粒状もしくは粉末状で得られる芯
物質はそのまま原料に用いることができる。このような
物質としては、例えばアミノ酸、ビタミン類、有機酸
類、有機酸塩類、蛋白質、ペプチド、多糖類、細菌類、
酵素類などがあげられる。常温で液体状の物質は、包
接、含浸、凍結乾燥、スプレー乾燥などにより固体化し
て、粒状もしくは粉末状にすることにより、本発明の芯
物質として利用することができる。
【0012】本発明において一次被覆膜を形成するため
の一次被覆剤として使用できる脂質としては、芯物質の
表面を連続層の状態で被覆できる脂質であれば制限はな
い。このような脂質としては、天然に得られる動植物油
(例えば、牛脂、魚油、大豆油、ナタネ油、綿実油、お
よびそれらの硬化油)、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸
ジグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、
ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸、高級アルコール、ワッ
クス、リンまたは窒素含有リン脂質、糖を構成成分に持
つ糖脂質、スルホン酸基を持つスルホリピッド、ステロ
ール、炭化水素、およびこれらの水添物などがあげら
れ、これらのうち一種または二種以上のものを使用する
ことができる。これらの一次被覆剤は従来のものと異な
り、融点による制限はなく、常温で液状のものでも使用
することができる。
【0013】本発明において二次被覆膜を形成するため
の二次被覆剤として使用する脂質は、融点40℃以上の
脂質からなる粉状体である。このような脂質としては、
天然に得られる動植物油(例えば、牛脂硬化油、魚油硬
化油、大豆硬化油)、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸
ジグリセライド、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸、高級アルコール、
ワックス、リンまたは窒素含有リン脂質、糖を構成成分
に持つ糖脂質、スルホン酸基を持つスルホリピッド、ス
テロール、炭化水素、およびこれらの水添物などがあげ
られ、これらのうち一種または二種以上のものから選ぶ
ことができる。融点が40℃未満では好ましい脂質粉状
体が得られず、良好な二重被覆粒子が得られない。脂質
粉状体の粒径は0.1〜50μm、特に5〜15μmの
ものが好ましい。
【0014】図1は本発明の二重被覆粒子の例を示す模
式的断面図であり、二重被覆粒子1は、粒状または粉末
状の芯物質2の表面が一次被覆膜3の連続層で被覆さ
れ、その周辺部に脂質粉状体4の固着層からなる二次被
覆膜5が形成されている。二次被覆膜5は脂質粉状体4
同士が融着すると同時に、境界付近の脂質粉状体4が一
次被覆膜3と融着ないし溶着した構造になっている。
【0015】芯物質2が球形など、滑らかな表面を有す
るときは、脂質の連続層のみで被覆する場合、あるいは
脂質粉状体の固着層のみで被覆する場合のいずれの場合
も、比較的被覆が容易である。しかし、図1のように芯
物質2が不定形で、突出部6を有するときは、脂質の連
続層で被覆すると、突出部6では被覆膜が薄くなり、被
覆が不完全になる。これを防止するために多量の脂質を
使用して被覆膜を厚くすると、凹部7に多量の脂質がた
まり、芯物質の含量が少なくなる。脂質粉状体の固着層
により被覆する場合も、突出部6付近では脂質粉状体4
が付着しにくく、この部分の被覆膜が不十分になりやす
い。
【0016】これに対して図1のように、一次被覆膜3
と二次被覆膜5を積層すると、境界面付近の脂質粉状体
4は一次被覆膜3と融着ないし溶着するため、突出部6
付近における一次被覆膜3が薄い場合でも、脂質粉状体
4と一次被覆膜3の融着ないし溶着は起こり、これによ
り付着した脂質粉状体4にさらに他の脂質粉状体4が融
着して、二次被覆膜5は成長し、被覆性能が改善され
る。
【0017】このような二重被覆粒子1を製造するに
は、まず芯物質2に溶融状態にある一次被覆剤としての
脂質を噴霧または滴下して一次被覆膜3を形成する。こ
のとき脂質が常温で液状の場合はそのまま使用し、また
常温で固体の場合は加熱して完全に溶融した状態で、ノ
ズル、アトマイザー等を使用して、攪拌を行っている芯
物質に対して噴霧させるか、あるいは滴下させることに
より、一次被覆膜3を形成して芯物質2を被覆する。
【0018】ここで使用する被覆装置としては、簡単な
攪拌装置がついていればよく、その形状等は問わない。
またノズル、アトマイザー等についても、噴霧、滴下す
ることが可能であれば、その形状等は問わない。
【0019】一次被覆における芯物質と一次被覆剤であ
る脂質との混合比(芯物質重量/脂質重量)は、(80
/20)〜(95/5)の範囲である
【0020】こうして形成された一次被覆粒子に、二次
被覆剤としての脂質粉状体4を接触、衝突させ、一次被
覆粒子の全周囲表面に二次被覆膜5を形成して二重被覆
粒子1が製造される。一次被覆粒子と融点40℃以上の
脂質粉状体4とを互いに接触、衝突させる方法として
は、高能率粉体混合装置などの公知の粉体を接触させる
装置を使用することができ、これにより脂質粉状体4同
士を互いに接触、衝突させるとともに、一次被覆粒子の
一次被覆膜3と衝突させて、その全周囲表面を均一に被
覆する。
【0021】接触にあたっては、激し過ぎる条件で作用
させると、一次被覆粒子の粉砕が起こる危険があるた
め、温和な条件で接触させることが望ましい。また上記
装置により接触させるにあたって、予め一次被覆粒子と
脂質粉状体とを混合した後接触、衝突させることによ
り、被覆性能を向上させることができる。このようにし
て接触、衝突を行うことにより、芯物質の形状が球形で
も不定形でも、被覆性能の高い被覆膜が形成される。
【0022】二次被覆における一次被覆粒子と脂質粉状
体との混合比(一次被覆粒子重量/脂質粉状体重量)
は、(40/60)〜(98/2)の範囲、特に(60
/40)〜(80/20)とするのが好ましい。これら
の混合比は一次被覆粒子と脂質粉状体との粒径比との関
係で調整することが好ましい。上記の粒径比が大きい場
合には、上記の混合比を大きくするのが好ましく、また
粒径比が小さい場合には、混合比を小さくするのが好ま
しい。
【0023】このようにして製造される二重被覆粒子1
は、脂質粉状体4が一次被覆粒子の全周囲表面に固着し
て、二次被覆膜5を形成し、全体を被覆していることが
必要である。一次被覆膜3だけでは完全な被覆効果を発
揮することが困難であるが、二次被覆膜5が形成され
て、二重被覆粒子になることにより、強固で緻密な被覆
膜が形成される。
【0024】以上により得られる二重被覆粒子は、従来
被覆粒子が使用されていた食品、飼料、医薬品、医薬部
外品、化粧品等の任意の分野に使用することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の二重被覆粒子は、常温で粒状も
しくは粉末状の芯物質と、この芯物質の表面を被覆する
脂質の連続層からなる一次被覆膜と、この一次被覆膜の
全周囲表面を被覆するように固着した融点40℃以上の
脂質粉状体の固着層からなる二次被覆膜とを有する二重
被覆粒子であって、芯物質と一次被覆膜となる脂質との
混合比(芯物質重量/脂質重量)が(80/20)〜
(95/5)であり、一次被覆粒子と脂質粉状体との混
合比(一次被覆粒子重量/脂質粉状体重量)が(40/
60)〜(98/2)であるので、従来公知の被覆粒子
と比較して被覆効果が大幅に向上し、芯物質の外気や水
分からの遮断および他の成分との接触の防止が可能であ
り、芯物質が外部へ放出される場合は、徐々に放出され
るため、長期にわたっての効果が維持される。また二重
被覆粒子中における芯物質の含量を高くすることができ
るので、被覆剤の量的影響を少なくできるだけでなく、
少量添加によっても所期の効果を達成でき、かつコスト
ダウンが可能である。
【0026】また本発明の二重被覆粒子の製造方法は、
常温で粒状もしくは粉末状の芯物質に、溶融状態にある
脂質を噴霧または滴下して、芯物質の表面を被覆する脂
質の連続層からなる一次被覆膜を形成し、得られた一次
被覆粒子に融点40℃以上の脂質粉状体を接触、衝突さ
せ、一次被覆粒子の全周囲表面に脂質粉状体を固着、被
覆させて二次被覆膜を形成する二重被覆粒子の製造方法
であって、芯物質と一次被覆膜となる脂質との混合比
(芯物質重量/脂質重量)を(80/20)〜(95/
5)、一次被覆粒子と脂質粉状体との混合比(一次被覆
粒子重量/脂質粉状体重量)を(40/60)〜(98
/2)としているので、従来の製造方法において、均一
な被覆が困難な不定形の芯物質や粒径の細かい芯物質に
ついても、容易かつ均一に被覆膜を形成して、被覆効果
を大幅に向上することが可能である。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。各例中、%は重量%である。
【0028】参考例1 芯物質としての植物エキスの凍結乾燥粉末(平均粒径2
50μm)300gと、脂質粉状体としての菜種硬化油
(平均粒径10μm、融点63.4℃、日本油脂株式会
社製)200gとを混合分散型造粒機(株式会社奈良機
械製作所製)に入れ、攪拌羽根回転数1000rpm、
造粒羽根回転数3000rpmで3時間混合して接触、
衝突させ、平均粒径260μmの被覆粒子を得た。
【0029】参考例2 参考例1で使用した芯物質としての植物エキスの凍結乾
燥粉末300gを混合分散型造粒機(株式会社奈良機械
製作所製)に入れ、攪拌羽根回転数150rpm、造粒
羽根回転数1000rpmで攪拌しながら、被覆剤とし
て完全に溶融した70℃の菜種硬化油(融点36.4
℃、日本油脂株式会社製)200gを、二流体ノズル
(スプレーイングシステムスジャパン株式会社製)を用
いて加圧空気圧20×104Paで噴霧して、平均粒径
260μmの被覆粒子を得た。
【0030】実施例1 植物エキスの凍結乾燥粉末(平均粒径250μm)27
0gを混合分散型造粒機(株式会社奈良機械製作所製)
に入れた。次に攪拌羽根回転数150rpm、造粒羽根
回転数1000rpmで攪拌しながら、一次被覆剤とし
て完全に溶融した70℃の牛脂硬化油(融点48.0
℃、日本油脂株式会社製)30gを、二流体ノズル(ス
プレーイングシステムスジャパン株式会社製)を用いて
加圧空気圧20×104Paで噴霧して平均粒径250
μmの一次被覆粒子を得た。その後、脂質粉状体として
菜種硬化油(平均粒径10μm、融点63.4℃、日本
油脂株式会社製)150gを入れ、攪拌羽根回転数10
00rpm、造粒羽根回転数3000rpmで1時間3
0分混合して接触、衝突させ、二重被覆粒子(平均粒径
270μm、植物エキス含量60%)を製造した。
【0031】次に、参考例1、参考例2および実施例1
により製造した被覆粒子の溶出試験を行った。溶出試験
は、植物エキス純分0.75gを水50gでストマッカ
ー(オルガノ株式会社製)にて1秒間処理を行い、その
溶液を水450gに添加して行った。溶出率の測定は2
85nmにおける吸光度を測定することにより求めた。
試験結果を表1に示す。表1の結果から、参考例1およ
び参考例2より実施例1の二重被覆粒子の溶出率が低
く、十分な被覆が難しい芯物質についても、本発明によ
り被覆性能を向上できることがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】参考例3 芯物質としてビフィズス菌の連続乾燥粉末(平均粒径1
00μm、新扶桑製薬株式会社製)250gと、脂質粉
状体としての菜種硬化油(平均粒径10μm、融点6
3.4℃、日本油脂株式会社製)250gとを混合分散
型造粒機(株式会社奈良機械製作所製)に入れ、攪拌羽
根回転数1000rpm、造粒羽根回転数3000rp
mで2時間混合して接触、衝突させ、平均粒径120μ
mの被覆粒子を得た。
【0034】実施例2 芯物質としてビフィズス菌の連続乾燥粉末(平均粒径1
00μm、新扶桑製薬株式会社製)270gをタテ型ミ
キサー(HOBART CANADA INC.製)に
入れた。次に低速で攪拌しながら、一次被覆剤として完
全に溶融した50℃のパーム硬化油(融点42.0℃、
日本油脂株式会社製)30gを6g/分の割合で滴下し
て、平均粒径100μmの一次被覆粒子を得た。次に、
この一次被覆粒子と、脂質粉状体としての菜種硬化油
(平均粒径10μm、融点63.4℃、日本油脂株式会
社製)200gとを混合分散型造粒機(株式会社奈良機
械製作所製)に入れ、攪拌羽根回転数800rpm、造
粒羽根回転数3000rpmで1時間20分混合して接
触、衝突させ、二重被覆粒子(平均粒径120μm、ビ
フィズス菌含量50%)を製造した。
【0035】次に参考例3および実施例2により製造し
た被覆粒子の耐酸性試験を行った。すなわち、塩酸酸性
pH3.0の水溶液に各被覆粒子0.1gを添加し、振
とう培養器にて37℃、100rpm 1時間の攪拌を
行った。次に、BL寒天培地(栄研化学株式会社製)に
てビフィズス菌の嫌気培養を行い、生菌数を測定して生
残率を求めた。試験結果を表2に示する。
【0036】表2の結果より、実施例2の二重被覆粒子
が耐酸性に優れており、生残率が高いことがわかる。
【0037】
【表2】
【0038】参考例4 芯物質としてビタミンB1(平均粒径12μm、扶桑化
学工業株式会社製)300gと、脂質粉状体として牛脂
硬化油(平均粒径9μm、融点61.6℃、日本油脂株
式会社製)200gとを混合分散型造粒機(株式会社奈
良機械製作所製)に入れ、攪拌羽根回転数1200rp
m、造粒羽根回転数3000rpmで3時間混合して接
触、衝突させ、平均粒径20μmの被覆粒子を得た。
【0039】実施例3 芯物質としてビタミンB1(平均粒径12μm、扶桑化
学工業株式会社製)300gを混合分散型造粒機(株式
会社奈良機械製作所製)に入れた。次に攪拌羽根回転数
200rpm、造粒羽根回転数1500rpmで攪拌し
ながら、70℃で一次被覆剤としての完全に溶融した牛
脂硬化油(融点51.0℃、日本油脂株式会社製)60
gを、二流体ノズル(スプレーイングシステムスジャパ
ン株式会社製)を用いて加圧空気圧4×104Paで噴
霧して平均粒径20μmの一次被覆粒子を得た。その
後、脂質粉状体として牛脂硬化油(平均粒径9μm、融
点61.6℃、日本油脂株式会社製)140gを入れ、
攪拌羽根回転数1200rpm、造粒羽根回転数300
0rpmで1時間混合して接触、衝突させ、二重被覆粒
子(平均粒径40μm、ビタミンB1含量60%)を製
造した。
【0040】次に参考例4および実施例3により製造し
た被覆粒子の溶出試験を行った。すなわち、ビタミンB
1純分29.6gを水900gに添加して、攪拌羽根を
用いて100rpmで攪拌した。20分後、270nm
における吸光度を測定することにより溶出率を求めた。
試験結果を表3に示す。表3から実施例3の二重被覆粒
子は溶出率が低く、被覆性能において優れていることが
わかる。
【0041】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重被覆粒子の一例を示す模式的断面
図である。
【符号の説明】
1 二重被覆粒子 2 芯物質 3 一次被覆膜 4 脂質粉状体 5 二次被覆膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−173568(JP,A) 特開 昭63−226250(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23P 1/00 - 1/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で粒状もしくは粉末状の芯物質と、 この芯物質の表面を被覆する脂質の連続層からなる一次
    被覆膜と、 この一次被覆膜の囲表面を被覆するように固着した
    融点40℃以上の脂質粉状体の固着層からなる二次被覆
    膜とを有する二重被覆粒子であって、 芯物質と一次被覆膜となる脂質との混合比(芯物質重量
    /脂質重量)が(80/20)〜(95/5)であり、
    一次被覆粒子と脂質粉状体との混合比(一次被覆粒子重
    量/脂質粉状体重量)が(40/60)〜(98/2)
    である二重被覆粒子。
  2. 【請求項2】 常温で粒状もしくは粉末状の芯物質に、
    溶融状態にある脂質を噴霧または滴下して、芯物質の表
    面を被覆する脂質の連続層からなる一次被覆膜を形成
    し、 得られた一次被覆粒子に融点40℃以上の脂質粉状体を
    接触、衝突させ、 一次被覆粒子の全周囲表面に脂質粉状体を着、被覆さ
    せて二次被覆膜を形成する二重被覆粒子の製造方法であ
    って、 芯物質と一次被覆膜となる脂質との混合比(芯物質重量
    /脂質重量)が(80/20)〜(95/5)であり、
    一次被覆粒子と脂質粉状体との混合比(一次被覆粒子重
    量/脂質粉状体重量)が(40/60)〜(98/2)
    である二重被覆粒子の製造方法。
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