JP2001017093A - 油脂被覆組成物及びその製造方法 - Google Patents

油脂被覆組成物及びその製造方法

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JP2001017093A JP11187732A JP18773299A JP2001017093A JP 2001017093 A JP2001017093 A JP 2001017093A JP 11187732 A JP11187732 A JP 11187732A JP 18773299 A JP18773299 A JP 18773299A JP 2001017093 A JP2001017093 A JP 2001017093A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸湿防止性、潮解防止性、固結防止性、打錠適
性などの機能が付与されると共に、安定な乳化状態を維
持しうる油脂被覆組成物、及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】芯材と、その表面を被覆する膜材とからな
り、かつ該膜材として、粒子表面を親水性素材で予め被
覆した粉末油脂を用いてなる油脂被覆組成物、及び粒子
表面を親水性素材で予め被覆した粉末油脂を調製したの
ち、これを用いて、高速撹拌混合機により芯材を被覆す
る油脂被覆組成物の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂被覆組成物及
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
特定の性状を有する粉末油脂からなる膜材で、芯材が被
覆されたものであって、吸湿防止性、潮解防止性、固結
防止性、打錠適性などの機能が付与されると共に、該粉
末油脂の融点以上の水溶液に添加されても、膜材の溶融
に起因する油浮きがなく、安定な乳化状態を維持しうる
油脂被覆組成物、及びこのものを効率よく製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉末素材における吸湿に起因する
固結や潮解などの現象は、商品価値や取扱い性を低下さ
せたり、食感を損なうなどの大きな問題を引き起こして
いる。したがって、この吸湿に起因する固結や潮解を防
止するために、これまで、多くの技術開発がなされてき
た。例えば、粉末素材の表面を融点40℃以上の硬化油
脂類でコーティングする方法(特許第2666283号
公報)が開示されている。この方法によれば、粉末の状
態においては、固結防止性能や潮解防止性能を十分に満
たす被覆粉末が得られる。しかしながら、該方法におい
ては、粉末素材の表面を被覆している膜材が油脂である
ため、水溶液中での分散性が悪い上、加熱されると膜材
の油脂が溶融して、いわゆる油浮きが生じ、水溶液の温
度が下がるとその表面で固化するという問題があった。
さらに、表面の膜材が油脂であることに起因して、各種
充填機、混合機、打錠機などへの付着が起こり、種々の
トラブルの原因となっていた。このような問題を解決す
るために、芯材を油脂被覆後に親水性素材で被覆する多
重被覆方法(特開平7−274886号公報など)が、
数多く提案されている。しかしながら、このような方法
においては、最終的には乾燥処理するものの、親水性被
膜の形成工程において水に曝されるため、油脂被覆によ
って付与された機能の中で、味のマスキング効果、吸湿
防止効果、溶出抑制効果、保存安定性などの多くの機能
低下が確認されている。このように、従来の油脂被覆品
や上記方法で得られた多重被覆品では、十分に満足しう
る機能を発揮することができないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、吸湿防止性、潮解防止性、固結防止性、
打錠適性などの機能が付与されると共に、油脂からなる
膜材の融点以上の水溶液に添加されても、膜材の溶融に
起因する油浮きがなく、安定な乳化状態を維持しうる油
脂被覆組成物を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の優
れた性能を有する油脂被覆組成物を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、粒子表面を親水性素材で予め被覆した粉
末油脂を調製し、これを膜材に用いて、芯材を被覆する
ことにより、その目的を達成しうることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)芯材と、その表面を被覆する膜材とか
らなり、かつ該膜材として、粒子表面を親水性素材で予
め被覆した粉末油脂を用いたことを特徴とする油脂被覆
組成物、(2)芯材が吸湿性粉末である第(1)項記載の
油脂被覆組成物、(3)粉末油脂が自己乳化性を有する
ものである第(1)又は(2)項記載の油脂被覆組成物、
(4)油脂の融点が40℃以上である第(1)、(2)又は
(3)項記載の油脂被覆組成物、及び(5)粒子表面を親
水性素材で予め被覆した粉末油脂を調製したのち、これ
を用いて、高速撹拌混合機により芯材を被覆することを
特徴とする油脂被覆組成物の製造方法、を提供するもの
である。また、本発明の好ましい態様は、(6)膜材と
して用いる粒子表面を親水性素材で予め被覆した粉末油
脂が、平均粒径1〜1000μmであって、芯材の平均
粒径に対し、1〜50%の平均粒径を有する第(1)、
(2)、(3)又は(4)項記載の油脂被覆組成物、及び
(7)膜材中の油脂の占める割合が1〜99重量%であ
る第(1)、(2)、(3)、(4)又は(6)項記載の油脂被覆
組成物、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の油脂被覆組成物は、芯材
と、その表面を被覆する膜材とから構成されているもの
であって、該膜材としては、粒子表面を親水性素材で予
め被覆してなる粉末油脂(以下、親水性素材被覆粉末油
脂と称する)が用いられる。上記膜材を構成する親水性
素材被覆粉末油脂としては、平均粒径が、好ましくは1
〜1000μm、より好ましくは1〜500μm、さら
に好ましくは1〜100μmの範囲にあり、かつ使用す
る芯材の平均粒径に対し、好ましくは1〜50%、より
好ましくは5〜25%の範囲にあって、油脂の占める割
合が、好ましくは1〜99重量%、より好ましくは50
〜95重量%の範囲にあるものが、得られる油脂被覆組
成物の性能の面から好適である。該親水性素材被覆粉末
油脂に用いられる親水性素材としては特に制限はなく、
様々な素材の中から、状況に応じて適宜選択される。こ
の親水性素材としては、例えばデキストリン、コーンス
ターチ、砂糖、乳糖、トレハロースなどの糖類や糖アル
コール、デンプンやその分解物;ゼラチン、カゼインナ
トリウム、脱脂粉乳、大豆タンパク質、小麦タンパク
質、トウモロコシタンパク質などのタンパク質類;アラ
ビアゴム、キサンタンガム、プルラン、カードラン、カ
ラギーナン、アルギン酸ナトリウムなどの増粘多糖類や
ガム質類;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリエ
チレングリコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
などの合成高分子化合物;親水性の色素、香料、ビタミ
ンなどの生理活性物質などが挙げられる。これらは単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、また、植物エキスや動物エキスなどの天然抽出物
も、もちろん使用可能である。さらに、それらに固形物
を分散させたものや、親水性物質の中に、親油性のビタ
ミン、香料、生理活性物質などを含む油相部を有するハ
イブリッドタイプの親水性素材を用いることもできる。
一方、油脂としては、常温で粉末を形成しうるものであ
ればよく、その融点については特に制限はないが、融点
が低すぎると物理的衝撃により該油脂が浸み出すため
に、芯材表面に強固に付着させることが困難となるし、
逆に融点が高すぎると乳化を利用して、親水性素材被覆
粉末油脂を調製する場合に、乳化工程自体が困難とな
る。以上の理由から、融点は40℃以上が好ましく、特
に40〜80℃の範囲が好適である。また、この親水性
素材被覆粉末油脂は乳化剤やカゼインナトリウムなどを
含む水系溶媒に容易に乳化分散しうる自己乳化性を有す
るものが好ましい。この粉末油脂に用いられる油脂とし
ては、融点が前記範囲にあればよく、特に制限されず、
例えばナタネ油、大豆油、パーム油、牛脂、豚脂、魚油
及びその硬化油、トリグリセリド類、ジグリセリド類、
モノグリセリド類、その他グリセリン誘導体、脂肪酸
類、各種乳化剤、ワックス類、糖脂質類、リン脂質類、
ステロール類など、さらにはこれら素材を食品として可
能な範囲で化学修飾したものを挙げることができる。こ
れらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよく、あるいはこれらに油溶性香料、油溶性ビ
タミンや不飽和脂肪酸などの油溶性生理活性物質を含有
させたものや、前述したように固形物を分散させたもの
を用いてもよい。さらには、油脂物質の中に、水溶性の
ビタミン、香料、生理活性物質などを含む水相部を有す
るハイブリッドタイプの油脂も用いることができる。
【0006】親水性素材被覆粉末油脂を調製する方法と
しては、前記油脂の粒子表面を、前記親水性素材で被覆
しうる方法であればよく、特に制限されず、例えば、
(1)親水性素材と乳化剤と水系媒体を用いて、油脂を
乳化させたのち、スプレー乾燥処理して粉末化する方
法、(2)流動層スプレーによる油脂粒子の表面改質方
法、(3)油脂粒子と親水性素材粉末との接触衝突を利
用した油脂粒子の表面改質方法などを挙げることができ
る。上記(1)の方法において用いられる乳化剤として
は、例えば脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが
挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。このようにして
調製された親水性素材被覆粉末油脂は、そのまま用いて
もよいし、必要に応じ、使用する芯材の平均粒径に対
し、好ましくは1〜50%、より好ましくは5〜25%
の範囲の平均粒径になるように粉砕して用いてもよい。
本発明の油脂被覆組成物における芯材としては、常温で
粉末を形成しうる素材であればよく特に制限はないが、
水分との接触により悪影響を受けやすい吸湿性粉末が好
ましく用いられる。このような芯材の例としては、食
塩、重曹、塩化マグネシウムなどの無機塩類;クエン
酸、酒石酸、フマル酸などの有機酸類;グルコース、フ
ラクトース、ガラクトースなどの単糖類、マルトース、
ラクトース、シュクロース、トレハロースなどの二糖
類、その他エリスリトール、ソルビトール、マンニトー
ル、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、キシ
リトールなどの糖類粉末;生薬エキス、野菜エキス、肉
エキス、畜肉エキス、担子菌エキス、緑貝エキス、グル
タイーストエキス、モルトエキスなどの天然抽出エキス
粉末;トマト、ナス、ニンジンなどの野菜粉末;ワサ
ビ、マスタード、ジンジャー、唐辛子などの香辛料粉
末;アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの酵素粉
末;酵母、ビフィズス菌、乳酸菌などの有用生菌粉末;
ビタミンB群、ビタミンC、葉酸、ニコチン酸アミドな
どの水溶性ビタミン、ビタミンA、D、E、Kなどの脂
溶性ビタミンなどのビタミン粉末;スピルリナ、クロレ
ラ、高麗ニンジン、霊芝、アガリスク、マイタケ、イチ
ョウ葉、ウコン、ブルーベリー、各種ハーブ類、オオバ
コ、アロエ、茶、花粉、ガルシニア、ギムネマなどの植
物体、藻類、菌糸体の粉末;キチン、キトサン、コラー
ゲンなどの粉末;その他ローヤルゼリー、プロポリス、
核酸、レシチン、サポニン、ステロール類、カルニチ
ン、セラミド、カテキン、サメ軟骨、ヘム鉄などの粉
末、さらには粉末香料、ペプチド粉末、コンソメ粉末、
色素粉末、ヘム鉄粉末などが挙げられる。これらは単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらの芯材の平均粒径は特に制限はないが、通常
10μm〜3mm、好ましくは100μm〜1mmの範囲で
ある。本発明の油脂被覆組成物においては、上記芯材
と、その表面を被覆する前記親水性素材被覆粉末油脂か
らなる膜材との割合については特に制限はなく、任意に
選定することができる。例えば、油脂被覆組成物におい
て、芯材の吸湿性素材を多く用いる場合には、芯材含有
量の多いものが適しており、また、膜材の粉末油脂由来
の機能の方が重要である場合には、膜材含有量の多いも
のが適している。次に、本発明の油脂被覆組成物の製造
方法について説明する。本発明方法においては、まず、
油脂の粒子表面を、前述したように親水性素材で予め被
覆して、親水性素材被覆粉末油脂を調製する。次に、高
速撹拌混合機中に、芯材と上記親水性素材被覆粉末油脂
とを所定の割合で投入し、これらを均質に分散させると
共に、剪断力と衝撃力を与え、ハイブリダイゼーション
を行い、芯材の表面を、該親水性素材被覆粉末油脂から
なる膜材で被覆することにより、所望の油脂被覆組成物
を製造する。この際用いる高速撹拌混合機(ハイブリダ
イザー)としては、例えば奈良機械(株)製「オーエムダ
イザー」や、パウレック社製「バーチカルグラニュレー
ター」などを用いることができる。
【0007】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、各例で得られた油脂被覆組
成物の機能は、以下に示す方法に従って評価した。 (1)固結防止効果 油脂被覆組成物をシャーレに分取し、温度40℃、湿度
75%の条件で3日間保存し、常温になるまで放冷後、
原末(芯材)の固化状態を1点、全く固化していない状
態を10点とし10人のパネラーにより10段階評価を
行った。 (2)膜材の乳化性 油脂被覆組成物10gをビーカーに採り、80℃に加熱
されたお湯を加え、溶融した膜材が表面に油浮きしてい
る状態を1点、均一な乳化状態を10点として、10人
のパネラーにより、10段階で評価した。 (3)潮解性防止効果 油脂被覆組成物をシャーレに分取し、温度40℃、湿度
75%の条件で3日間保存し、常温になるまで放冷後、
シャーレ内の状態を、完全に潮解した状態を1点、吸湿
テスト前の状態を5点として、10人のパネラーによ
り、5段階評価を行った。 (4)打錠性改善効果 油脂被覆組成物を用いて錠剤を100錠成型し、打錠製
剤の表面が欠けていないきれいな状態の錠剤(適性錠
剤)の数を求めると共に、打錠工程の経過を評価した。
なお、記号の意味は下記のとおりである。 ×:錠剤中に表面が一部欠けたものが存在する。 ○:全ての錠剤の表面が良好である。 製造例1 カゼインナトリウム[中央商工(株)製]40g及び乳糖
450gを水1000gに加えた溶液に、乳化剤として
グリセリンモノステアレート(HLB値4)10gを加
えたナタネ硬化油(融点68℃)500gを添加し、8
0℃にて予備乳化した[撹拌機:Heidon社製「ス
リーワンモーター」]。次に、これを高圧均質機によ
り、均質圧150kg/cm2で均質化したものを、スプレ
ードライヤー[大川原化工機(株)製「L−8型」]にて
噴霧乾燥し、その表面がタンパク質で被覆された平均粒
径約50μmの粉末油脂860gを得た。第1表に、
粉末油脂の組成を示す。 製造例2、3 製造例1と同様にして、第1表に示す組成の平均粒径約
50μmの粉末油脂及びを調製した。 製造例4 油相内水相部(W1)となる水溶性バニラフレーバー
[小川香料(株)製]50gと油相部となるナタネ硬化油
(融点68℃)100gを、ショ糖ステアリン酸エステ
ル(HLB値2)10gを用いて80℃にて予備乳化
し、均質化処理した。得られたW1/Oにグリセリンモ
ノステアレート(HLB値4)3gを加えたものを、カ
ゼインナトリウム(前出)15g及び乳糖150gを水
500gに加えた溶液に添加し、予備乳化、均質化、噴
霧乾燥して、平均粒径約50μmの粉末油脂260g
を得た。第1表に、粉末油脂の組成を示す。
【0008】
【表1】
【0009】製造例5 製造例1で調製した粉末油脂をジェットミルで粉砕し
て平均粒径10μmの粉末油脂を得た。 実施例1 製造例1で得た粉末油脂100gと平均粒径500μ
mの精製食塩400gを、高速撹拌混合機[パウレック
社製「バーチカルグラニュレーター」]により、回転数
500rpmで15分間処理し、精製塩の粒子表面が粉末
油脂で被覆された油脂被覆精製塩組成物495gを得
た。この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価
結果を第2表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第
3表に示す。 実施例2 製造例2で得た粉末油脂100gと平均粒径500μ
mの精製食塩400gを、高速撹拌混合機[奈良機械
(株)製「オーエムダイザー」]により、回転数1000
rpmで10分間処理し、精製塩の粒子表面が粉末油脂
で被覆された油脂被覆精製塩組成物490gを得た。こ
の組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価を第2
表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示
す。 実施例3 製造例3で得た粉末油脂50gと平均粒径250μm
の塩化マグネシウム450gを、高速撹拌混合機[パウ
レック社製「バーチカルグラニュレーター」]により、
回転数100rpmで5分間処理し、塩化マグネシウムの
粒子表面が粉末油脂で被覆された油脂被覆塩化マグネ
シウム組成物490gを得た。この組成物の打錠性改善
の評価結果を第3表に示すと共に、潮解性防止効果の評
価結果を第4表に示す。 実施例4 製造例4で得た粉末油脂50gと平均粒径250μm
の塩化マグネシウム450gを、高速撹拌混合機[パウ
レック社製「バーチカルグラニュレーター」]により、
回転数100rpmで5分間処理し、塩化マグネシウムの
粒子表面が粉末油脂で被覆された油脂被覆塩化マグネ
シウム組成物495gを得た。この組成物の打錠性改善
の評価結果を第3表に示すと共に、潮解性防止効果の評
価結果を第4表に示す。 実施例5 製造例5で得た粉末油脂と、芯材としての平均粒径2
00μmのスピルリナ造粒物を用い、実施例1と同様に
して油脂被覆スピルリナ組成物を得た。この組成物の固
結防止効果及び膜材の乳化性の評価結果を第2表に示す
と共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示す。 実施例6 製造例5で得た粉末油脂と、芯材としての平均粒径約
150μmのローヤルゼリー粉末を用い、実施例1と同
様にして油脂被覆ローヤルゼリー組成物を得た。この組
成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価結果を第2
表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第3表に示
す。 比較例1 平均粒径10μmのナタネ硬化油粉末(融点68℃)5
0gと、平均粒径250μmの塩化マグネシウム450
gを、高速撹拌混合機[パウレック社製「バーチカルグ
ラニュレーター」]により、回転数500rpmで5分間
処理し、塩化マグネシウムの粒子表面が硬化油脂で被覆
された油脂被覆塩化マグネシウム組成物495gを得
た。この組成物の固結防止効果及び膜材の乳化性の評価
結果を第2表に示すと共に、打錠性改善の評価結果を第
3表に示す。 比較例2 比較例1で得た油脂被覆塩化マグネシウム組成物480
gに対し、流動層造粒機[パウレック社製「フローコー
ター」]を用いて、10重量%デキストリン水溶液20
0ミリリットルをスプレーし、その表面を水溶性に改質
した組成物452gを得た。この組成物の固結防止効果
及び膜材の乳化性の評価結果を第2表に示すと共に、潮
解性防止効果の評価結果を第4表に示す。
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【表4】
【0013】
【発明の効果】本発明の油脂被覆組成物は、親水性素材
被覆粉末油脂からなる膜材で、吸湿性粉末からなる芯材
が被覆されたものであって、吸湿防止性、潮解防止性、
固結防止性、打錠適性などの機能が付与されると共に、
該粉末油脂の融点以上の水溶液に添加されても、膜材の
溶融に起因する油浮きがなく、安定な乳化状態を維持す
ることができる。したがって、食品、医薬品、医薬部外
品、化粧料などに好適に利用することができる。また、
本発明方法によると、芯材となる吸湿性粉末を、水分の
影響を抑制しながら、容易にかつ短時間で、親水性素材
被覆粉末油脂により、被覆することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯材と、その表面を被覆する膜材とからな
    り、かつ該膜材として、粒子表面を親水性素材で予め被
    覆した粉末油脂を用いたことを特徴とする油脂被覆組成
    物。
  2. 【請求項2】芯材が吸湿性粉末である請求項1記載の油
    脂被覆組成物。
  3. 【請求項3】粉末油脂が自己乳化性を有するものである
    請求項1又は2記載の油脂被覆組成物。
  4. 【請求項4】油脂の融点が40℃以上である請求項1、
    2又は3記載の油脂被覆組成物。
  5. 【請求項5】粒子表面を親水性素材で予め被覆した粉末
    油脂を調製したのち、これを用いて、高速撹拌混合機に
    より芯材を被覆することを特徴とする油脂被覆組成物の
    製造方法。
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