JP4041978B2 - 記録装置及びクラッチ装置 - Google Patents

記録装置及びクラッチ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4041978B2
JP4041978B2 JP2003071687A JP2003071687A JP4041978B2 JP 4041978 B2 JP4041978 B2 JP 4041978B2 JP 2003071687 A JP2003071687 A JP 2003071687A JP 2003071687 A JP2003071687 A JP 2003071687A JP 4041978 B2 JP4041978 B2 JP 4041978B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
recording
trigger
lever
recording apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003071687A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004099317A (ja
Inventor
和久 川上
正樹 下村
拓也 安江
透 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003071687A priority Critical patent/JP4041978B2/ja
Publication of JP2004099317A publication Critical patent/JP2004099317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4041978B2 publication Critical patent/JP4041978B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力源に連結された駆動歯車と、他の回転体に動力を伝達する伝達歯車と、前記駆動歯車と前記伝達歯車との間の動力伝達のオンとオフを切り換えるクラッチ装置と、を備えたインクジェットプリンタ等の記録装置、及びクラッチ装置に関する。
【0002】
ここで記録装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる液体噴射装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
記録装置の1つとしてインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)があり、プリンタには、被記録媒体の一例である記録用紙をインクジェット記録ヘッド部へと1枚ずつ給送する給送装置(ASF)を備えるものがある。このような給送装置においては、記録用紙を給送する給送ローラが設けられ、そして該給送ローラの駆動源は、低コスト化の為、記録用紙をインクジェット記録ヘッド部へと搬送する搬送ローラ等の駆動源と兼用されるのが一般的である。尚、以下において、被記録媒体は記録用紙を代表例として説明するので、「給送」を「給紙」、「給送装置」を「給紙装置」、また「給送ローラ」を「給紙ローラ」とそれぞれいう場合がある。
【0005】
ここで、前記駆動源を成す駆動モータから搬送ローラおよび給送ローラへの動力伝達を行う際、例えば搬送ローラによって記録用紙を搬送する際には給送ローラの回動を停止させる必要があり、また、搬送ローラは正転および逆転の双方向の回転駆動を行う必要もあり、従ってこのような観点から、駆動モータから給送ローラへの動力伝達のオンおよびオフを実現するクラッチ装置が設けられている(例えば特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−329965号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このクラッチ装置によって動力伝達のオンとオフを切り換えるためのトリガーは、通常、キャリッジの主走査方向における一端側に、すわなち、プリンタ本体の左右の一端側に配置され、その一端側に配置されたトリガーの位置まで、キャリッジが移動し押し当てられることにより、クラッチ装置を容易に作動できるようになっている。
【0008】
しかし、プリンタ本体の左右の一端側のみにしかトリガーが設けられていないため、クラッチ装置の前記オン・オフ切り換え動作を行う直前の当該記録の動作終了時において、キャリッジが他端側に位置した場合、前記オン・オフ切り換え動作を行おうとすると、キャリッジが記録領域のほぼ全領域を横断して該トリガーの位置まで移動しなければない。このように、キャリッジが記録領域を横断するためだけに時間を要するため、プリンタによる記録においては給紙から排紙までのスループットを向上するに当たって、障害となっていた。
【0009】
そこで本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、その課題は、記録領域の外側の両方に、クラッチ装置を操作するためにキャリッジが作用するトリガーを設けることにより、キャリッジがどこに位置しても比較的短時間でトリガーに到達することができ、記録処理のスループットの高い記録装置及び該装置に用いるクラッチ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願発明の第1の態様に係る記録装置は、動力源に連結された駆動歯車と、他の回転体に動力を伝達する伝達歯車と、前記駆動歯車と前記伝達歯車との間の動力伝達のオンとオフを切り換えるクラッチ装置と、を備えた記録装置であって、前記クラッチ装置は移動体が主走査方向へ移動してトリガーに作用することによって前記動力伝達のオンとオフを切り換えるクラッチレバーを備え、前記トリガーが主走査方向における記録領域の外側の両方に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、移動体が作用することでクラッチレバーによる動力伝達のオンとオフの切り換えを実現するために設けられるトリガーが、移動体の往復動の両側である記録領域の外側の両方に設けられるため、従来のように、トリガーが一端側のみに設けられていた場合に比べ、移動体がトリガーに到達するまでに要する最大距離が半分になり、短時間で回転体を起動することのできる記録装置を得ることができる。
【0012】
本発明の第2の態様に係る記録装置は、前記第1の態様の記録装置において、前記回転体が、被記録材を給送するために回転駆動される給送ローラ軸に設けられた給送ローラであり、前記移動体が、前記被記録材に記録を実行する記録ヘッドを備え主走査方向に往復動可能なキャリッジであり、前記クラッチ装置が、前記駆動歯車として備えられたラチェット歯車と、前記ラチェット歯車と噛合可能な歯部を有し、且つ、揺動可能に設けられ、揺動されることにより、前記歯部と前記ラチェット歯車との歯部係合状態および歯部非係合状態が切り換えられるクラッチ部材と、前記クラッチ部材を揺動可能に保持し、且つ、前記クラッチ部材が前記歯部係合状態にある際に、前記クラッチ部材から動力を受けて前記クラッチ部材とともに回動することによって前記給送ローラ軸に回動力を伝達する伝達歯車と、前記クラッチ部材に設けられたクラッチ係合部とのクラッチ係合状態およびクラッチ非係合状態とを切り換え可能に設けられ、前記クラッチ部材および前記伝達歯車が回動中において前記クラッチ非係合状態から前記クラッチ係合状態となることにより、前記クラッチ部材を揺動させて当該クラッチ部材を前記歯部係合状態から前記歯部非係合状態に切り換える前記クラッチレバーと、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、キャリッジを移動させトリガーに作用させるだけの簡単な構成である上に、クラッチ装置によってオンとオフされる動力が給送ローラを駆動する動力であるため、給送処理の際にキャリッジがトリガーに到達するまでに要する距離を従来の半分にすることができ、短時間で給送ローラを起動でき、給送処理を含む記録処理についてスループットが高い記録装置を得ることができる。
【0014】
本発明の第3の態様に係る記録装置は、前記第2の態様の記録装置において、前記移動体が、前記被記録材に記録を実行する記録ヘッドを底部に備え主走査方向に往復動可能なキャリッジであることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第4の態様に係る記録装置は、前記第の態様または第3の態様の記録装置において、前記クラッチレバーは主走査方向における一端側に配設され、主走査方向における両側に到達するように延在すると共に、前記クラッチレバーと連動可能に形成されたリンク部材を備え、少なくともクラッチレバーと反対側に位置する第1トリガーが前記リンク部材に設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、クラッチレバーと反対側に設ける第1トリガーを、クラッチレバーと連動可能に形成されたリンク部材に設けることで、クラッチレバーから遠い箇所に位置する第1トリガーを、簡単な構成で設けることができ、部品点数の増加を極力抑えることができる。
ここで、「連動」とは、該リンク部材がクラッチレバーと一体に形成され、単一部材として動くものと、両者が別体に形成され、互いの連動機構を介して一連に動くものと、の両方を意味する。
【0017】
本発明の第5の態様に係る記録装置は、前記第4の態様の記録装置において、クラッチレバー側の第2トリガーは、該クラッチレバーに設けられていることを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、第2トリガーを、既存のクラッチレバーに設けることで、部品点数を増やすことなく、第2トリガーを設けることができる。また、前記リンク部材に第2トリガーを設けないので、すなわち、リンク部材は第1トリガーだけ設けられる構造であるため、単純な構造で、第1トリガーの機能を実現することができる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る記録装置は、前記第5の態様の記録装置において、前記クラッチレバーは、回動軸を中心に回動することにより、下部のフック部が前記クラッチ部材の外周に対して進退動作可能に形成され、上部が前記第2トリガーとして構成されており、前記フック部を前記クラッチ部材の外周に押し付ける方向に付勢するばねが設けられ、前記リンク部材は、主走査方向にスライド可能に形成され、前記第1トリガーに前記キャリッジが移動して押し当たることにより、該リンク部材は、前記クラッチレバーと反対側に向かって移動し、この移動に基づいて、該クラッチレバーが回動して前記フック部が前記クラッチ係合部から退避するように形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の第6の態様によれば、クラッチレバーの下部に形成されるフック部が、ばねによって直接クラッチ部材に向かって付勢され、クラッチ係合部と係合しクラッチ係合状態となり、クラッチレバーの上部にキャリッジが係合することにより、フック部がクラッチ係合部から退避しクラッチ非係合状態となるため、クラッチレバーの状態を切り換えるために新たに動力を設ける必要がない。
【0020】
また、リンク部材をスライド可能に形成し、キャリッジが第1トリガーに押し当たることでクラッチ装置を作動させるため、このとき、リンク部材には、リンク部材の長手方向の引っ張り力が作用し、これと垂直な方向の力を受ける必要がないため、比較的低強度の部材を用いることができ、引っ張り力に耐えられるものであれば、細いワイヤのようなものでも良い。
【0021】
本発明の第7の態様に係る記録装置は、前記第6の態様の記録装置において、前記クラッチレバーの前記フック部は、前記クラッチ係合部と当接する部分にテーパ形状のテーパ部が設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、フック部がクラッチ係合部と係合する方向(クラッチ部材の外周に押し付けられる方向)に進むと、そのテーパ部によってクラッチ部材の歯部がラチェット歯車から外れる方向に当該クラッチ部材を揺動させる働きをして、その歯部非係合状態への移行が迅速且つ確実なものとなる。
【0022】
本発明の第8の態様に係る記録装置は、前記第6の態様または第7の態様において、前記給送ローラ軸に設けられ、カム面に凹部が形成されるカムと、前記カム面に向かって付勢するカムフォロア付勢手段を有し、前記カムと係合するカムフォロアと、を備え、該凹部に前記カムフォロアが前記カムフォロア付勢手段の付勢力によって嵌り込むことによって前記給送ローラ軸が所定量回動するように構成され、且つ、前記カムが前記カムフォロアとの係合を開始した際に、前記クラッチレバーが前記クラッチ係合状態となり、前記カムフォロアが前記凹部に嵌り込むことによって前記給送ローラ軸が所定量回動すると、前記伝達歯車が所定量回動し、これによって前記クラッチ部材がその前記歯部を前記ラチェット歯車から離間する方向に所定量揺動するように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0023】
本発明の第8の態様によれば、給送ローラの回動軸は伝達歯車によって回動駆動され、そして当該伝達歯車には、ラチェット歯車、クラッチ部材の順に動力が伝達される様になっている。一方、給送ローラの回動軸にはカムが設けられ、該カムにはカムフォロア付勢手段によってカムフォロアが付勢されるようになっている。そして、カムのカム面には凹部が設けられていて、該凹部にカムフォロアが嵌り込むと、給送ローラの回動軸が所定量回動するようになっている。そして、給送ローラの回動軸が所定量回動すると、伝達歯車が所定量回動し、その結果クラッチ部材が所定量揺動して、以てクラッチ部材に設けられた歯部がラチェット歯車から離間するので、これによってラチェット歯車と歯部との係合状態を確実に解除することが可能となる。
【0024】
つまり、本発明の第8の態様は、既存の構成要素であるカムに凹部を設け、該凹部にカムフォロアが嵌り込むことによって給送ローラ軸を所定量回動させる様に構成したので、複雑な構成とならず、且つ、複雑な制御等をも行う必要なく、既存の構成要素を利用して簡単にラチェット歯車と歯部との係合状態を確実に解除することが可能となる。
【0025】
本発明の第9の態様に係る記録装置は、前記第6の態様から第8の態様のいずれかにおいて、キャリッジが給紙動作以外の他の動作で前記トリガーに作用するときは、前記クラッチレバーが回動することによって前記クラッチ係合状態を脱し、前記歯部が前記ラチェット歯車に接する際に、前記クラッチ部材が所定量回動するように、前記ラチェット歯車を逆転させ、更に、前記歯部が前記ラチェット歯車から離間する方向に所定量揺動するように、前記ばねで前記クラッチレバーを前記クラッチ部材に付勢することによって、前記フック部と前記クラッチ係合部が前記クラッチ係合状態に回復可能なように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0026】
本発明の第9の態様によれば、予めクラッチ係合状態を脱することが分かっている場合に、そのタイミングに合わせ、ラチェット歯車を逆転させ、キャリッジがトリガーに作用しても、給送ローラの回動駆動のオンおよびオフの切り換えを行う必要のないときには、そのオンおよびオフを実行しないようにすることができる。例えば、キャリッジの待機位置が記録領域外にあり、記録ヘッドのクリーニング等のために、キャリッジを待機位置に移動させるとき、トリガーに作用しても記録用紙の給紙をする必要は無いため、このような場合に、本発明を利用することにより、給送ローラの回動駆動のオン及びオフを実行しないようにすることができる。
【0027】
本発明の第10の態様は、前記第6の態様から第9の態様の記録装置において用いられているものである。本発明によれば、前記第6の態様から第9の態様の記録装置と同様の効果を必要とする機器に適したクラッチ装置を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下では先ず、本発明の一実施形態に係る記録装置の一例であるインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)100の概略構成について図1および図2を参照しつつ説明する。ここで、図1はプリンタ100の装置本体(外観を構成するカバー部材を取り外した状態)の外観斜視図であり、図2は同側断面概略図である。尚、以下では、図1の右側(プリンタ100の後方側)を「上流側」(用紙搬送経路の上流側)と言い、図1の左側(プリンタ100の前方側)を「下流側」(用紙搬送経路の下流側)と言うこととする。
【0029】
プリンタ100は、図1に示すように装置本体の基体を構成する、平面視略コの字形の形状をなすメインフレーム12の後方側に給紙装置1を備え、該給紙装置1から記録用紙を装置前方側へ1枚ずつ給送する。ここで、図2に示すように給紙装置1は、給送ローラ3と、分離パッド4と、紙戻しレバー9と、ホッパ5とを備えている。
【0030】
図示しない駆動モータによって回動駆動される給送ローラ3は側面視略D形の形状をなし、ローラ本体3aと、該ローラ本体3aの外周部に巻回されるゴム材3bとから構成されている。給送ローラ3は、その円弧部分によって記録用紙Pを給送する一方、平坦部分によって記録用紙Pを通過させて、下流側の搬送ローラ17による搬送動作時に搬送負荷を与えないようになっている。
【0031】
ホッパ5は板状体からなり、図示するように傾斜姿勢に設けられ、且つ、上部に設けられた回動軸5aを中心に図2の時計方向及び反時計方向に揺動可能に設けられている。そして、後述するカム機構によって揺動駆動されることにより、下端部が給送ローラ3に対して圧接及び離間動作するようになっている。従って、ホッパ5が給送ローラ3に対して圧接方向に揺動すると、ホッパ5上に堆積された記録用紙Pの束は給送ローラ3に圧接し、そして当該圧接状態で給送ローラ3が回動することにより、堆積された記録用紙Pの最上位のものが下流側へと給送される。
【0032】
分離パッド4は、高摩擦部材からなり、給送ローラ3と対向する位置に設けられている。給送ローラ3が回動すると、給送ローラ3の円弧部分と分離パッド4とが圧接し、圧接部が形成される。給送ローラ3の円弧部分によって繰り出された最上位の記録用紙Pは、前記圧接部を通過して下流側へと進むが、最上位の記録用紙Pにつられて下流側へと進もうとする次位以降の記録用紙Pは、前記圧接部により、下流側への進行が阻止され、これによって記録用紙Pの重送が防止される。
尚、分離パッドに代えて、リタードローラ等の他の分離部材すなわち重送防止手段を用いてもよい。リタードローラを用いるときは給紙ローラ3は側面視円形のものとなる。
【0033】
紙戻しレバー9はレバー形状をなし、ホッパ5の下端部近傍に配置され、回動支点9aを中心に図示しない駆動機構によって図2の時計方向および反時計方向に回動可能に設けられている。紙戻しレバー9は、記録用紙Pの給紙動作時には図2に示すように下流側に倒れた状態となっていて、記録用紙Pの給送を阻害しない状態となっている。そして、記録用紙Pの給紙が始まり、給送される記録用紙Pの先端が紙戻しレバー9の下流側に進むと、紙戻しレバー9は上流側に向かって起き上がり、給送される記録用紙Pにつられて重送されようとする次位以降の記録用紙Pを上流側に押し戻す。これにより、記録用紙Pの重送が更に確実に防止される。
【0034】
次に、給紙装置1の下流には板状体からなる紙案内15が略水平に設けられ、給送ローラ3によって繰り出された記録用紙Pの先端が該紙案内15に斜めに当接し、滑らかに下流側に案内される。紙案内15から下流には回動駆動される搬送駆動ローラ17aと、該搬送駆動ローラ17aに圧接する搬送従動ローラ17bとからなる搬送ローラ17が設けられ、記録用紙Pは、当該搬送駆動ローラ17aと搬送従動ローラ17bとにニップされて、印刷条件に応じたピッチで下流側に搬送される。ここで、搬送従動ローラ17bは搬送従動ローラホルダ21の下流側に軸支されていて、当該搬送従動ローラホルダ21は、回動軸21aを中心に図2の時計方向及び反時計方向に回動可能に設けられ、且つ、図示しないねじりコイルばねによって搬送従動ローラ17bが常に搬送駆動ローラ17aに圧接する方向(図2の反時計方向)に回動付勢されている。尚、搬送駆動ローラ17aは、主走査方向(図2の紙面表裏方向)に長い軸体からなり、搬送従動ローラ17bと搬送従動ローラホルダ21とは、共に搬送駆動ローラ17aの軸方向に複数配設されている(図示は省略)。
【0035】
次に、最も0桁側(図2の紙面表側)に位置する搬送従動ローラホルダ21近傍には、記録用紙Pの通過を検出する、センサ本体部19bと検出レバー19aとからなる紙検出器19が配設されている。検出レバー19aは側面視略「く」の字の形状をなし、その中央付近の回動軸19cを中心に図2の時計方向及び反時計方向に回動可能に設けられている。検出レバー19aの上方に位置するセンサ本体部19bは発光部(図示せず)及び該発光部からの光を受ける受光部(図示せず)を備え、検出レバー19aの回動軸19cから上側が、その回動動作により、前記発光部から前記受光部に向かう光の遮断及び通過を行うようになっている。従って、図2に示すように記録用紙Pの通過に伴って検出レバー19aが上方に押し上げられるように回動すると、検出レバー19aの上側がセンサ本体部19bから外れ、これによって前記受光部が受光状態となって、記録用紙Pの通過を検出するようになっている。
【0036】
続いて、搬送駆動ローラ17aの下流には、プラテン27及びインクジェット記録ヘッド25が上下に対向するように配設され、搬送ローラ17によってインクジェット記録ヘッド25の下へ搬送される記録用紙Pは、プラテン27によって下から支持される。インクジェット記録ヘッド25はインクカートリッジ24を搭載するキャリッジ23の底部に設けられ、該キャリッジ23は、主走査方向(図2の紙面表裏方向)に延び、メインフレーム12(図1)によって支持されるキャリッジガイド軸10により、主走査方向にガイドされる。
【0037】
図1において、メインフレーム12の両側部分には自由回動可能な従動プーリ13と、図示しない駆動モータによって回動駆動される駆動プーリ14とが設けられ、駆動プーリ14と従動プーリ13とには無端ベルト18が巻回されている。そしてキャリッジ23は無端ベルト18の一部に固定され、これにより、キャリッジ23が主走査方向に往復動するようになっている。そして、キャリッジ23が主走査方向に往復動しながら記録ヘッド25(図2)によってインクカートリッジ24から供給されたインク滴が吐出されることにより、記録用紙Pへの記録が実行される。
【0038】
次に、図2に戻ってインクジェット記録ヘッド25から下流は排紙部となっていて、回動駆動される排紙駆動ローラ29aと、自由回動可能な排紙従動ローラ29bとからなる排紙ローラ29が設けられている。従ってインクジェット記録ヘッド25によって記録の行われた記録用紙Pは、排紙駆動ローラ29aと排紙従動ローラ29bとによってニップされた状態で排紙駆動ローラ29aが回動することにより、矢印方向に排出される。また、排紙従動ローラ29bのやや上流側には、自由回動可能な補助ローラ30が配設されている。ここで、排紙駆動ローラ29aは主走査方向にほぼ等間隔で複数個配設されていて、同ように排紙従動ローラ29bについても、これに合わせてほぼ等間隔で配設されている(図示は省略)。また、補助ローラ30は、排紙駆動ローラ29aと排紙従動ローラ29bとのほぼ中間に配設されている(図示は省略)。
【0039】
ところで、搬送ローラ17と排紙ローラ29とは、協働して以下のような作用効果を奏している。即ち、図2に示すように、搬送ローラ17において搬送駆動ローラ17aと搬送従動ローラ17bとのニップ点がやや下流側に設定されていて、また、排紙ローラ29においては、排紙駆動ローラ29aと排紙従動ローラ29bとのニップ点がやや上流側に設定されている。従ってこれにより、搬送ローラ17と排紙ローラ29との間においては、記録用紙Pは図示するように下に凸となるような緩やかな湾曲状態となり、これにより、記録用紙Pがプラテン27に押し付けられるようになっている。その結果、記録用紙Pのプラテン27からの浮き上がりが防止され、記録面と記録ヘッド25との距離が一定に保たれるので、印字品質の低下を防止できるようになっている。
【0040】
以上がプリンタ100の用紙搬送経路の構成であり、以下、図3乃至図11を参照しつつ、給紙装置1のより詳細な構成について説明する。ここで、図3は給送ローラ3およびホッパ5を斜め下から見た斜視図であり、図4は給紙装置1の側面側(図1において右側)に設けられる、給送ローラ3(給送ローラ軸2)への動力伝達のオンおよびオフを行うクラッチ装置(歯車装置)31の分解斜視図であり、図5は同組立図である。また、図6(a)、(b)はクラッチ部材43の動作原理を示す同クラッチ部材43の断面図であり、図7乃至図11はクラッチ装置31の動作原理を示す同クラッチ装置31の正面図(一部断面図)である。
【0041】
先ず、図3を参照しつつ、ホッパ5を揺動駆動するカム機構について説明する。図3に示すように、ホッパ5はその下部の両側端側に給送ローラ3側に向かって突出するようなカムフォロア7を有し、一方で給送ローラ軸2の両軸端側には、給送ローラ軸2の軸方向視において略扇形の形状をなし、カムフォロア7と係合する2つのカム6が、給送ローラ軸2と一体的に形成されている。一方、ホッパ5の背面側には、ホッパ5を給送ローラ3に向けて揺動付勢する付勢手段としてのホッパばね8(図2参照)が設けられていて、ホッパ5とカムフォロア7はそれぞれ、該ホッパばね8によって常に給送ローラ3またはカム6に向けて揺動付勢された状態となっている。そして、図3から明らかなように、給送ローラ3(給送ローラ軸2)の回動により、カム6とカムフォロア7との係合状態および非係合状態とが切り換わり、カム6がカムフォロア7を押し下げる係合状態(図3の状態)となることにより、ホッパ5が給送ローラ3から離間するようになっている。
【0042】
次に、図4乃至図6を参照しつつ、給送ローラ3(給送ローラ軸2)への動力伝達のオンおよびオフを行うクラッチ装置31の構成について説明する。
先ず、図4および図5において、クラッチ装置31は、図示しない駆動モータによって回動駆動される平歯車40を有し、従って該平歯車40が、クラッチ装置31への動力の入力部となっている。
【0043】
平歯車40はラチェット歯車41と一体的に形成されていて、該ラチェット歯車41には、該ラチェット歯車41の歯と噛合可能な歯部43aを円環形状の内部に有する、円環形状をなすクラッチ部材43が緩やかに嵌められる。クラッチ部材43は、その中心から偏倚した位置に軸受孔43bを有し、該軸受孔43bには、平歯車40とでクラッチ部材43を挟むように設けられる「伝達歯車」としての平歯車39の、回動中心から偏倚した位置に設けられる突起軸39aが嵌合するようになっている。そして、ラチェット歯車41にクラッチ部材43の歯部43aが噛合した状態となると、クラッチ部材43はラチェット歯車41と共に回動し、そしてこれにより、平歯車39も回動するようになっている。
【0044】
平歯車39には、給送ローラ3の回動軸である給送ローラ軸2の軸端に設けられた給送ローラ歯車35が噛合していて、従ってクラッチ部材43の歯部43aがラチェット歯車41に噛合した状態で平歯車40が回動すると、結果的に給送ローラ軸2に回動力が伝達され、以て給送ローラ3が回動するようになっている。
【0045】
また、以上から明かなように、クラッチ部材43の歯部43aがラチェット歯車41と噛合していない状態では、ラチェット歯車41はクラッチ部材43の円環の内部で空転するのみとなり、結果として平歯車40の回動力は、給送ローラ3へは伝達されない。尚、クラッチ装置31においては、図4および図5において図示しない軸体が、平歯車40、ラチェット歯車41、クラッチ部材43、平歯車39を挿通し、これにより、これら4つの回転体が同一の回転中心によって回動するようになっている。
【0046】
以上がクラッチ装置31の概要であり、以下、主にクラッチ装置31の動作原理について主として図6を参照しつつ、適宜図4をも参照しながら説明する。ここで、図6(a)は、上述したようにクラッチ部材43の歯部43aがラチェット歯車41と噛合して給送ローラ3へ回動力を伝達する状態を示していて、同図(b)は、クラッチ部材43の歯部43aがラチェット歯車41と噛合しておらず、給送ローラ3へ回動力を伝達しない状態を示している。
【0047】
図6(a)において、クラッチ部材43は軸受孔43bに突起軸39a(図4)が嵌合することにより、軸受孔43bを中心にして、図6の時計方向および反時計方向に揺動することができるようになっている。そして、揺動することにより、図6(a)に示すような歯部43aとラチェット歯車41との噛合状態(歯部係合状態)となり、また、図6(b)に示すような歯部43aとラチェット歯車41との非噛合状態(歯部非係合状態)となる。
【0048】
次に、クラッチ部材43にはばね掛止部43cが設けられ(図4も参照)、一方で平歯車39の側にもばね掛止部39bが設けられ(図4も参照)、これら2つのばね掛止部には、引っ張りコイルばね45が掛架されている。引っ張りコイルばね45は、歯部43aがラチェット歯車41と噛合する方向(ラチェット歯車41に圧接する方向)にクラッチ部材43を揺動付勢し、これにより、クラッチ部材43に外部から何らの力が作用していない状態では、歯部43aとラチェット歯車41とがしっかりと噛合するようになっている。そして、図6(a)から明かなように、ラチェット歯車41は本実施形態においては図6(a)の反時計回りに歯が傾いていて、また、歯部43aもこのように形成されたラチェット歯車41の歯と噛合するように形成されているので、ラチェット歯車41が図6(a)に示す反時計方向に回動すると、クラッチ部材43に回動力が伝達され、そして平歯車39も図6(a)の反時計方向に回動し、この結果、給送ローラ3が記録用紙Pを下流側に給送する方向(図2の時計方向)に回動する。
【0049】
次に、クラッチ部材43の外周部には、クラッチ部材43が給送ローラ3に回動力を伝達する方向(図6(a)の反時計方向)に回動した際に、該クラッチ部材43の外周付近に位置するフック部33aと係合するクラッチ係合部43dが形成されている。
【0050】
ここで、フック部33aはフック形状をなし、クラッチレバー33(図4)の下部に形成されている。該クラッチレバー33は、回動軸33bを中心に回動することにより、下部のフック部33aがクラッチ部材43の外周に対して進退動作することができるように設けられている。該クラッチレバー33には、前記フック部33aをクラッチ部材43の外周に押し付けるように付勢するクラッチレバー付勢用のばね53(図4)が設けられている。また、回動軸33bの上部(図示せず)が、キャリッジ23がクラッチ装置31の設けられている側(図1の右側)に移動してきた際に、当該キャリッジ23と係合可能となっていて、これにより、クラッチレバー33の上記回動動作(フック部33aの上記進退動作)が行われるようになっている。そして、これによってクラッチレバー33は、フック部33aとクラッチ係合部43dとが係合する「クラッチ係合状態」と、フック部33aとクラッチ係合部43dとが係合しない「クラッチ非係合状態」とを切り換えることができるようになっている。
【0051】
ここで、クラッチレバー33の前記フック部33aは、前記クラッチ係合部43dと当接する部分にテーパ形状のテーパ部33eが設けられている(図10及び図11)。これにより、フック部33aがクラッチ係合部43dと係合する方向(クラッチ部材の外周に押し付けられる方向)に進むと、そのテーパ部33eによってクラッチ部材43の歯部43aがラチェット歯車41から外れる方向に当該クラッチ部材43を揺動させる働きをして、その歯部非係合状態への移行が迅速且つ確実なものとなる。
【0052】
図6に戻って、ラチェット歯車41が給送ローラ3に回動力を伝達する方向(図6(a)の反時計方向)に回動中にフック部33aがクラッチ部材43の外周部に進出すると(図6(a)に示すフック部33aの状態)、フック部33aとクラッチ係合部43dとが係合し、クラッチ部材43の回動が止められる。しかし、ラチェット歯車41は更に回転しようとするから、ラチェット歯車41の歯は、歯部43aを図6(a)の矢印に示す方向に押し退けようとする。ここで、クラッチ部材43は、軸受孔43bを中心に揺動可能に設けられているから、ラチェット歯車41の歯が歯部43aを図6(a)の矢印に示す方向に押し上げようとする力によって、クラッチ部材43は引っ張りコイルばね45の付勢力に抗して揺動し、この結果、図6(b)に示すようなラチェット歯車41と歯部43aとの非噛合状態となる。
【0053】
以上がクラッチ部材43の動作原理であり、以下、給送ローラ3、ホッパ5の動きと共に、クラッチ装置31全体の動作原理について説明する。尚、以下では、ラチェット歯車41と歯部43aとが噛合し、これによって図示しない駆動モータから給送ローラ3に回動力が伝達される状態を、クラッチ装置31の「稼働状態」と言うこととする。
【0054】
先ず、図7は、給紙装置1が給紙待機状態から、給紙動作に移った直後の状態を示している。この状態では、給送ローラ3は図示するように側面視略D形の形状における平坦部をホッパ5に対向させた状態となっていて(図2に示す状態)、ホッパ5は、ホッパばね8のばね力に抗して給送ローラ3から離間した状態にある。より詳しくは、図3を参照しつつ説明したカム6とカムフォロア7とが係合した状態にあり、カム6が、カムフォロア7を介してホッパ5を下方に押し下げた状態となっている。従ってこの状態では、ホッパ5上にセットされた記録用紙Pは、給送ローラ3には圧接していない。すなわち、この状態で付勢力は、給送ローラ3とホッパ5の間には作用せず、カム6とカムフォロア7の間に作用する。
【0055】
そして、給紙動作の開始時には、キャリッジ23(図1)がクラッチレバー33と係合して、図7に示すようにフック部33aがクラッチ部材43の外周部から退避してラチェット歯車41と歯部43aとが引っ張りコイルばね45の付勢力によって噛合状態となり、そしてクラッチ装置31が稼働状態となる。尚、図7乃至図9において符号▲3▼、▲4▼、▲5▼と共に実線で示す矢印は、それぞれ給送ローラ3(即ち、給送ローラ軸2、平歯車35、カム6)、平歯車39、クラッチ部材43のそれぞれの回転方向を示すと同時に、当該実線で示す矢印は、これら回転体が、クラッチ装置31が稼働状態となり、図示しない駆動モータの駆動力によって回動する状態を示している(これに対して、図10において破線で示す矢印は、駆動モータの駆動力ではない他の駆動力による回動を示している(後述))。また、符号▲1▼および▲2▼で示す矢印は、ホッパ5が揺動可能な方向を示している。
【0056】
次に、図7に示す状態から符号▲6▼で示す方向にラチェット歯車41が回動すると、図7から図8に示す変化のように、カム6とカムフォロア7との係合が解かれ、ホッパ5は、ホッパばね8の付勢力によって給送ローラ3に圧接する方向(図7の符号▲1▼で示す方向)に揺動する。すなわち、この状態で付勢力は、給送ローラ3とホッパ5の間に作用し、カム6とカムフォロア7の間には作用しない。これにより、ホッパ5上にセットされた記録用紙Pが給送ローラ3に圧接し、給送ローラ3の回動と共に、最上位の記録用紙Pの給送が開始される。またこの時、キャリッジ23(図1)がクラッチレバー33との係合状態を解き、これにより、フック部33aが、前記ばね53の付勢力によって再びクラッチ部材43に進出した状態となる。
【0057】
次に、ラチェット歯車41が更に回動すると、図9に示すようにカム6とカムフォロア7とが再び係合を開始して、ホッパ5を給送ローラ3から離間する方向(図7の符号▲2▼で示す方向)に揺動させると共に、クラッチ係合部43dとフック部33aとが係合する。そして、図9に示す状態からラチェット歯車41が更に回動すると、ラチェット歯車41の歯が歯部43aを押し退け、これにより、クラッチ部材43は図9の矢印▲7▼で示す方向に揺動する。尚、カム6のカム面(円弧面)6aには、図示するように凹部6bが形成されていて、図9に示すようにクラッチ係合部43dとフック部33aとの係合が開始した時点においては、カムフォロア7は、カム面6aの緩やかな円弧面に圧接した状態となっている。この状態で付勢力は、給送ローラ3とホッパ5の間には作用せず、カム6とカムフォロア7の間に作用する。
【0058】
次に、ラチェット歯車41が更に回動すると、図10に示すようにカムフォロア7がカム6に形成された凹部6bにさしかったと同時に、上述したクラッチ部材43の揺動動作によってラチェット歯車41と歯部43aとが非噛合状態となり、ラチェット歯車41は、符号▲8▼で示すようにいずれの方向にも自由に回動することができるようになる。即ち、クラッチ装置31が非稼働状態となり、ラチェット歯車41の回動力がクラッチ部材43に伝達されない状態となる為、給送ローラ3が回動せず、従って給送ローラ3と駆動源(駆動モータ)を同じくする搬送ローラ17(図2)が、いずれの方向に回動しても給紙装置1に対して影響を与えない状態となる。
【0059】
ここで、クラッチ装置31は非稼働状態となるので、原則的には、平歯車39、給送ローラ歯車35、給送ローラ軸2はこの時点以降は回動しないことになる。尚、この状態に於いて、歯部43aは、ラチェット歯車41によって押し退けられるようにしてラチェット歯車41の歯から遠ざかる為、ラチェット歯車41の歯と接触するかしないか、いわばぎりぎりの状態(位置)にあり、場合によっては、ラチェット歯車41の回動に従って接触音(異音)が発生する状態となる。
【0060】
しかし、前述したようにカム6のカム面には凹部6bが形成されていて、しかもカムフォロア7は、ホッパばね8の付勢力が作用し、カム6に圧接した状態となっている。そして、図10に示す状態では、カムフォロア7は凹部6bにさしかかった状態にあるので、ラチェット歯車41からの回動力の伝達が絶たれても、図10から図11に示す変化のように、カムフォロア7が凹部6bに入り込む(嵌り込む)ことによって給送ローラ軸2を所定量(僅かに)回動させる。
【0061】
すると、これによって給送ローラ歯車35、平歯車39が所定量(僅かに)回動する。ここで、図10において符号▲1▼’とともに破線で示す矢印は、カムフォロア7が凹部6bに入り込むことによってホッパ5が僅かに揺動する方向を示していて、符号▲3▼’、▲4▼’とともに破線で示す矢印は、同じくカムフォロア7が凹部6bに入り込むことによって給送ローラ歯車35、平歯車39が所定量(僅かに)回動する方向を示している。
【0062】
次に、クラッチ部材43においては、平歯車39が僅かに回動すると、フック部33aとクラッチ係合部43dとが係合状態であるから、揺動支点としての軸受孔43bのみが平歯車39とともに僅かに回動し、これに伴い、クラッチ部材43は符号▲7▼’および破線で示す矢印の方向に僅かに揺動することとなる。すると、これにより、図11に示すように歯部43aがラチェット歯車41から更に遠ざかり、前述したような歯部43aがラチェット歯車41の歯と接触するかしないかの状態が解消され、ラチェット歯車41が回動しても、接触音(異音)が発生しない状態となる。
【0063】
つまり、本発明に係るクラッチ装置31は、既存の構成要素であるカム6に凹部6bを設け、該凹部6bにカムフォロア7が嵌り込むことによって給送ローラ軸2を僅かに回動させるように構成したので、複雑な構成とならず、且つ、複雑な制御等をも行う必要なく、既存の構成要素を利用して簡単にラチェット歯車41と歯部43aとの係合状態を確実に解除することができ、これにより、クラッチ装置31が非稼働状態となった場合に、ラチェット歯車41がいずれの方向に回動しても、ラチェット歯車41と歯部43aとによる接触音(異音)の発生を防止することができるようになっている。
【0064】
以上がクラッチレバー33のみを給送ローラ3の回動駆動のオンおよびオフを行うためのトリガーとして利用した場合のインクジェットプリンタ100の構成および動作であり、以下、記録領域の外側の両方に2つのトリガーを備えた場合について、図12乃至図15を参照しつつ説明する。ここで、図12は、本発明に係る記録領域の外側の両方に給送ローラの回動駆動のオンおよびオフを行うための2つのトリガーを備えた記録装置を上から見た平面図である。図13は、本発明に係る記録装置の要部拡大図であり、クラッチレバーとリンク部材の係合部分の要部斜視図である。図14は、本発明に係る記録装置において2つのトリガーの内の第2トリガーに係合する直前の位置にキャリッジが在る状態の要部斜視図であり、図15は、本発明に係る記録装置において2つのトリガーの内の第1トリガーに係合する直前の位置にキャリッジが在る状態の要部斜視図である。
【0065】
図12に示すように、クラッチレバー33は主走査方向における一端側(1桁側すなわち印刷の基準位置側)に配設されている。そして、長尺なリンク部材51が、図12に示したように、主走査方向における両側に到達するように延在する、すなわちキャリッジガイド軸10と平行で記録領域全体に渡るように延在すると共に、前記クラッチレバー33と連動可能に形成されている。本実施の形態では、キャリッジ23が作用することによって、給送ローラ3の回動駆動のオンおよびオフを行うための2つのトリガーの内、クラッチレバー33と反対側に位置する第1トリガー51aが前記リンク部材51の一端に設けられ、他の1つのクラッチレバー33側に位置する第2トリガー33cはクラッチレバー33自体の上部に設けられている。
【0066】
このように、クラッチレバー33と反対側に設ける第1トリガー51aを、クラッチレバー33と連動可能に形成されたリンク部材51に設けることで、クラッチレバー33から遠い箇所に位置することになる第1トリガー51aを、簡単な構成で設けることができ、部品点数の増加を極力抑えることができる。更に、第2トリガー33cを、既存のクラッチレバー33自体に設けることで、部品点数を増やすことなく、第2トリガー33cを具備させることができると共に、前記リンク部材51には第2トリガー33cを設けないで済むので、単純な構造で、第1トリガー51aの機能を実現することができる。
【0067】
尚、ここで、「連動」とは、該リンク部材51がクラッチレバー33と一体に形成され、単一部材として動くものと、本実施の形態の如く、両者が別体に形成され、互いの連動機構(詳細は後述する)を介して一連に動くものと、の両方を意味する。
【0068】
本実施の形態では、クラッチレバー33は、回動軸33bを中心に回動することにより、下部のフック部33aがクラッチ部材43の外周に対して進退動作可能に形成され、上部が前記第2トリガー33cとして構成されている。また、前記フック部33aをクラッチ部材43の外周に押し付けるように付勢するクラッチレバー付勢用のばね53(図4および図16乃至図18)が設けられている。更に、前記リンク部材51は、主走査方向にスライド可能に形成されている。そして、前記第1トリガー51aに前記キャリッジ23が移動して押し当たることにより、該リンク部材51は、前記クラッチレバー33と反対側に向かって移動し、この移動に基づいて、該クラッチレバー33が回動して前記フック部33aが前記クラッチ係合部43dから退避するように形成されている。
【0069】
前記クラッチレバー33と前記リンク部材51と前記ばね53の関係を更に詳しく説明する。リンク部材51の両端には、それぞれ摺動溝51c(全部で2カ所)が設けられ、給紙装置1の本体に形成された摺動用突起52に対しスライド可能なように緩挿されている。また、キャリッジ23には、リンク部材51の第1トリガー51aおよびクラッチレバー33の第2トリガー33cと係合可能なように、凸部23aが設けられている。
【0070】
図13に示すように、リンク部材51がクラッチレバー33の上部と係合する部分となるクラッチレバー係合部51bには、記録領域に近い側から遠い側へ徐々に太くなるように形成されているテーパ部51dと、クラッチレバー33の上部において、テーパ部51dに対して迫り出すように形成された板状のリンク部材当接部33dが、接点54で接し互いに力を伝達することによって、リンク部材51とクラッチレバー33は連動して動作するようになっている。また、図4に示すように、クラッチレバー33の下部には、クラッチレバー付勢用のばね53が設けられており、キャリッジ23の凸部23aが、第1トリガー51a及び第2トリガー33cのどちらにも係合していない状態では、該ばね53の付勢力によって、クラッチレバー33はそのフック部33aがクラッチ部材43の外周部に向かって付勢されるように構成されている。
【0071】
キャリッジ23の凸部23aが、どちらのトリガー51a、33cにも係合せず、クラッチレバー33のフック部33aがクラッチレバー付勢用ばね53の付勢力によって、クラッチ部材43の外周部に向かって付勢されているときには、クラッチレバー33のリンク部材当接部33dが、リンク部材51のテーパ部51dを押すため、リンク部材51はクラッチレバー係合部51bが記録領域から遠ざかるように(図12の右方向に)スライドし、リンク部材当接部33dとテーパ部51dの接点54は、テーパ部51dの細くなっている箇所に位置して安定することとなる。
【0072】
そして、キャリッジ23の移動動作によって、その凸部23aが、リンク部材51の一端側に位置する第1トリガー51aを記録領域から遠ざかる方向に(図12の左方向に)押して当該リンク部材51をスライドさせると、該リンク部材51の他端側に設けられたクラッチレバー係合部51bも一体的に移動し、該スライド動作によって、そのテーパ部51dがクラッチレバー33のリンク部材当接部33dを押すとともに、該リンク部材当接部33dとテーパ部51dの接点54は、テーパ部51dの太くなっている箇所に位置するように変位し、クラッチレバー33は、回動軸33bを支点にして、フック部33aがクラッチ部材43の外周部から退避する方向に回動する。
【0073】
すなわち、キャリッジ23の凸部23aが、記録領域の外側の両方に設けられたクラッチレバー33の第2トリガー33cまたはリンク部材51の第1トリガー51aのどちらかに押し当てられることで、給送ローラ3の回動駆動のオンおよびオフの実行が可能であり、どちらも、給送ローラ3の回動駆動のオンおよびオフの実行をするためのトリガーとしての役割を果たすようになっている。
【0074】
第1トリガー51a及び第2トリガー33cがそれぞれ記録領域の外側の両方に配置されることで、給送ローラ3の回動駆動のオンおよびオフを行うために、キャリッジ23がトリガーに到達するまでに必要な移動動作の最大距離は、トリガーが記録領域の一方にのみ配置された場合に比べ、半分に短縮することができる。したがって、給紙処理を含む記録処理のスループットの向上が可能となる。
【0075】
尚、リンク部材51をスライド可能に形成し、キャリッジ23が第1トリガー51aに押し当たることでクラッチ装置を作動させるため、このとき、リンク部材51には、該リンク部材51の長手方向の引っ張り力が作用し、これと垂直な方向の力を受ける必要がないため、比較的低強度の部材を用いることができ、引っ張り力に耐えられるものであれば、細いワイヤのようなものでも良い。
【0076】
次に、給紙の必要がないにも係わらず、キャリッジ23がトリガー位置を通過する場合の動作制御を説明する。図12に示すように、キャリッジ23の待機位置50が第2トリガー33cの外側にあるような場合には、電源投入直後のキャリッジ23のイニシャライズ動作時や、インクノズルのクリーニング動作時や、キャリッジ23をただ単に待機位置50に戻す場合など、給紙の必要がないにも係わらず、キャリッジ23がトリガー位置を通過してしまうことがある。このような場合には、給紙の実行を回避して、無駄な給紙処理を無くす必要がある。
【0077】
図16乃至図18を参照しつつ、給紙の必要がないにも係わらずキャリッジ23がトリガー位置を通過する場合に、給紙の実行を回避するための動作制御について説明する。ここで、図16は、本発明に係るクラッチ装置のクラッチ係合状態(動力伝達「オフ」状態であり、キャリッジ23の凸部23aが、どちらのトリガー33c、51aにも係合していない状態)を示す、同クラッチ装置の正面図であり、図17は、本発明に係るクラッチ装置のクラッチ係合状態を脱した直後の状態(動力伝達「オン」状態であり、キャリッジ23の凸部23aが、どちらかのトリガー33c、51aに係合している状態)を示す、同クラッチ装置の正面図であり、図18は、本発明に係るクラッチ装置のクラッチレバーがクラッチ部材をすくい上げる状態を示す、同クラッチ装置の正面図である。
【0078】
図16は、給紙処理が終了し、該給紙処理のためにクラッチレバー33上部の第2トリガー33cまたはリンク部材51の第1トリガー51aに係合していたキャリッジ23は、そこからすでに退避し、クラッチレバー33の回動軸33bの下部に設けられたクラッチレバー付勢用のばね53によって、フック部33aがクラッチ部材43に付勢されている状態である。また、クラッチレバー付勢用ばね53は、ラチェット歯車41からクラッチ部材43の歯部43aを確実に離間するだけの張力が蓄えられるようにそのばね力が設定されているため、その付勢力によって、クラッチ係合部43dはフック部33aに設けられた斜面の上部にまで持ち上げられた状態となっている。
【0079】
このとき、再び、どちらかのトリガー33c、51aに(図12の例では第2トリガー33cに)キャリッジ23が押し当てられると、図17に示すように、クラッチレバー33は回動し、クラッチレバー33の下部のフック部33aとクラッチ部材43のクラッチ係合部43dの係合状態が解除されるとともに、引っ張りコイルばね45に蓄えられている引っ張り力によって、クラッチ部材43の歯部43aがラチェット歯車41に接近し接触または係合する。
【0080】
通常ならば、前述のように、図17の反時計方向にラチェット歯車41を回転させることで、給紙処理を行うが、給紙処理を回避するために、本発明では、このような場合には図示しない制御部からの制御信号に基づいて、ラチェット歯車41を図17の時計回り方向、すなわち、符号▲9▼で示す矢印方向にラチェット歯車41を所定量回転させるように構成されている。これにより、クラッチ部材43は、図17の矢印▲7▼の方向に軸受孔43bを中心に回動し、クラッチ係合部43dが持ち上げられる。
【0081】
ここで、どちらかのトリガー33c、51a(図12の例では第2トリガー33c)に押し付けられていたキャリッジ23がトリガー33c、51a(図12の例では第2トリガー33c)と係合しない位置に退避すると、クラッチレバー付勢用ばね53に蓄えられている引っ張り力によって、クラッチレバー33が回動することによって、フック部33aはクラッチ部材43の外周部に進出し、図18のように、フック部33aに設けられた斜面がクラッチ係合部43dと接触する。
【0082】
クラッチレバー付勢用ばね53は、ラチェット歯車41からクラッチ部材43の歯部43aを確実に離間するだけのばね力が蓄えられるように設定されているため、その付勢力によって、フック部33aに設けられた斜面は、クラッチ係合部43dをすくい、図16に示すように、クラッチ係合部43dはフック部33aに設けられた斜面の上部にまで持ち上げられ、クラッチ係合状態に即座に戻る。
【0083】
この一連の動作により、フック部33aとクラッチ係合部43dがクラッチ係合状態から脱しても、給送ローラ3を1回転させることなく、再び、フック部33aとクラッチ係合部43dのクラッチ係合状態を回復することが可能である。
【0084】
以上説明したように、本発明によれば、キャリッジの主走査方向における記録領域の外側の両方に、キャリッジが作用することによって、給紙処理を開始するためのトリガーを設けたので、給紙処理を含む記録処理のスループットの高い記録装置を提供することができる。
【0085】
また、給紙処理が必要ない場合には、前記トリガーに前記キャリッジが作用しても、クラッチ装置のラチェット歯車を逆転することで、給紙処理を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェットプリンタの装置本体の外観斜視図。
【図2】 本発明に係るインクジェットプリンタの側断面概略図。
【図3】 本発明に係る給紙装置における給送ローラおよびホッパを斜め下から見た外観斜視図。
【図4】 本発明に係るクラッチ装置の分解斜視図。
【図5】 本発明に係るクラッチ装置の組立図。
【図6】 本発明に係るクラッチ装置におけるクラッチ部材の動作原理を示す、同クラッチ部材の断面図。
【図7】 本発明に係るクラッチ装置の動作原理を示す、同クラッチ装置の正面図(一部断面図)。
【図8】 本発明に係るクラッチ装置の動作原理を示す、同クラッチ装置の正面図(一部断面図)。
【図9】 本発明に係るクラッチ装置の動作原理を示す、同クラッチ装置の正面図(一部断面図)。
【図10】 本発明に係るクラッチ装置の動作原理を示す、同クラッチ装置の正面図(一部断面図)。
【図11】 本発明に係るクラッチ装置の動作原理を示す、同クラッチ装置の正面図(一部断面図)。
【図12】 本発明に係る記録領域の外側の両方にトリガーを備えた記録装置を上から見た平面図。
【図13】 本発明に係る記録装置の要部拡大図であり、クラッチレバーとリンク部材の係合部分の要部斜視図。
【図14】 本発明に係る記録装置において給送ローラの回動駆動のオンおよびオフを行うための第2トリガーに係合する直前の位置にキャリッジが在る状態の要部斜視図。
【図15】 本発明に係る記録装置において給送ローラの回動駆動のオンおよびオフを行うための第1トリガーに係合する直前の位置にキャリッジが在る状態の要部斜視図。
【図16】 本発明に係るクラッチ装置のクラッチ係合状態を示す、同クラッチ装置の正面図。
【図17】 本発明に係るクラッチ装置のクラッチ係合状態を脱した直後の状態を示す、同クラッチ装置の正面図。
【図18】 本発明に係るクラッチ装置のクラッチレバーがクラッチ部材をすくい上げる状態を示す、同クラッチ装置の正面図。
【符号の説明】
1 給紙装置、 2 給送ローラ軸、 3 給送ローラ、 4 分離パッド、
5 ホッパ、 6 カム、 7 カムフォロア、 8 ホッパばね、
9 紙戻しレバー、 10 キャリッジガイド軸、 17 搬送ローラ、
23 キャリッジ、 23a 凸部、 24 インクカートリッジ、
25 インクジェット記録ヘッド、 27 プラテン、 29 排紙ローラ、
30 補助ローラ、 31 クラッチ装置、 33 クラッチレバー、
33a フック部、 33b 回動軸、 33c 第2トリガー、
33d リンク部材当接部、 35 給送ローラ歯車、 39 平歯車、
39a 突起軸、 39b ばね掛止部、 40 平歯車、
41 ラチェット歯車、 43 クラッチ部材、 43a 歯部、
43b 軸受孔、 43c ばね掛止部、 43d クラッチ係合部、
45 引っ張りコイルばね、 50 キャリッジ待機位置、
51 リンク部材、 51a 第1トリガー、
51b クラッチレバー係合部、 51c 摺動溝、 51d テーパ部、
52 リンク部材摺動用突起、
53 クラッチレバー付勢用引っ張りコイルばね、
54 クラッチレバーとリンク部材の接点、 100 インクジェットプリンタ

Claims (9)

  1. 動力源に連結された駆動歯車と、他の回転体に動力を伝達する伝達歯車と、前記駆動歯車と前記伝達歯車との間の動力伝達のオンとオフを切り換えるクラッチ装置と、を備えた記録装置であって、
    前記クラッチ装置は移動体が主走査方向へ移動してトリガーに作用することによって前記動力伝達のオンとオフを切り換えるクラッチレバーを備え、前記トリガーが主走査方向における記録領域の外側の両方に設けられていることを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、前記回転体が、被記録材を給送するために回転駆動される給送ローラ軸に設けられた給送ローラであり、前記移動体が、前記被記録材に記録を実行する記録ヘッドを備え主走査方向に往復動可能なキャリッジであり、
    前記クラッチ装置が、前記駆動歯車として備えられたラチェット歯車と、前記ラチェット歯車と噛合可能な歯部を有し、且つ、揺動可能に設けられ、揺動されることにより、前記歯部と前記ラチェット歯車との歯部係合状態および歯部非係合状態が切り換えられるクラッチ部材と、
    前記クラッチ部材を揺動可能に保持し、且つ、前記クラッチ部材が前記歯部係合状態にある際に、前記クラッチ部材から動力を受けて前記クラッチ部材とともに回動することによって前記給送ローラ軸に回動力を伝達する伝達歯車と、
    前記クラッチ部材に設けられたクラッチ係合部とのクラッチ係合状態およびクラッチ非係合状態とを切り換え可能に設けられ、前記クラッチ部材および前記伝達歯車が回動中において前記クラッチ非係合状態から前記クラッチ係合状態となることにより、前記クラッチ部材を揺動させて当該クラッチ部材を前記歯部係合状態から前記歯部非係合状態に切り換える前記クラッチレバーと、を備えているものであることを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、前記移動体が、前記被記録材に記録を実行する記録ヘッドを底部に備え主走査方向に往復動可能なキャリッジであることを特徴とする記録装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の記録装置において、前記クラッチレバーは主走査方向における一端側に配設され、主走査方向における両側に到達するように延在すると共に前記クラッチレバーと連動可能に形成されたリンク部材を備え、少なくともクラッチレバーと反対側に位置する第1トリガーが前記リンク部材に設けられていることを特徴とする記録装置。
  5. 請求項4に記載の記録装置において、クラッチレバー側の第2トリガーは、該クラッチレバーに設けられていることを特徴とする記録装置。
  6. 請求項5に記載の記録装置において、前記クラッチレバーは、回動軸を中心に回動することにより、下部のフック部が前記クラッチ部材の外周に対して進退動作可能に形成され、上部が前記第2トリガーとして構成されており、
    前記フック部を前記クラッチ部材の外周に押し付ける方向に付勢するばねが設けられ、
    前記リンク部材は、主走査方向にスライド可能に形成され、前記第1トリガーに前記キャリッジが移動して押し当たることにより、該リンク部材は、前記クラッチレバーと反対側に向かって移動し、この移動に基づいて、該クラッチレバーが回動して前記フック部が前記クラッチ係合部から退避するように形成されていることを特徴とする記録装置。
  7. 請求項6に記載の記録装置において、前記クラッチレバーの前記フック部は、前記クラッチ係合部と当接する部分にテーパ形状のテーパ部が設けられていることを特徴とする記録装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の記録装置において、前記給送ローラ軸に設けられ、カム面に凹部が形成されるカムと、
    前記カム面に向かって付勢するカムフォロア付勢手段を有し、前記カムと係合するカムフォロアと、を備え、
    該凹部に前記カムフォロアが前記カムフォロア付勢手段の付勢力によって嵌り込むことによって前記給送ローラ軸が所定量回動するように構成され、
    前記クラッチ装置は、前記カムが前記カムフォロアとの係合を開始した際に、前記クラッチレバーが前記クラッチ係合状態となり、前記カムフォロアが前記凹部に嵌り込むことによって前記給送ローラ軸が所定量回動すると、前記伝達歯車が所定量回動し、これによって前記クラッチ部材がその前記歯部を前記ラチェット歯車から離間する方向に所定量揺動するように構成されている、ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項6からは請求項8のいずれか1項に記載の記録装置において、キャリッジが給紙動作以外の他の動作で前記トリガーに作用するときは、前記クラッチレバーが回動することによって前記クラッチ係合状態を脱し、前記歯部が前記ラチェット歯車に接する際に、前記クラッチ部材が所定量回動するように、前記ラチェット歯車を逆転させ、更に、前記歯部が前記ラチェット歯車から離間する方向に所定量揺動するように、前記ばねで前記クラッチレバーを前記クラッチ部材に付勢することによって、前記フック部と前記クラッチ係合部が前記クラッチ係合状態に回復可能なように構成されている、ことを特徴とする記録装置。
JP2003071687A 2002-07-15 2003-03-17 記録装置及びクラッチ装置 Expired - Fee Related JP4041978B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003071687A JP4041978B2 (ja) 2002-07-15 2003-03-17 記録装置及びクラッチ装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002206110 2002-07-15
JP2003071687A JP4041978B2 (ja) 2002-07-15 2003-03-17 記録装置及びクラッチ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004099317A JP2004099317A (ja) 2004-04-02
JP4041978B2 true JP4041978B2 (ja) 2008-02-06

Family

ID=32300226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003071687A Expired - Fee Related JP4041978B2 (ja) 2002-07-15 2003-03-17 記録装置及びクラッチ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4041978B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4753015B2 (ja) * 2005-09-27 2011-08-17 セイコーエプソン株式会社 クラッチ装置、記録装置
JP5494149B2 (ja) * 2010-04-06 2014-05-14 セイコーエプソン株式会社 搬送装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3800306B2 (ja) * 2000-05-31 2006-07-26 セイコーエプソン株式会社 摩擦クラッチ及びこれを用いた給紙装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004099317A (ja) 2004-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4086706B2 (ja) 記録装置
CN1766745A (zh) 用于释放一对传送件的装置和包括该释放装置的成像装置
JP2004207918A (ja) 画像読取記録装置
JP4613790B2 (ja) 動力断続機構及び媒体供給装置と記録装置と液体噴射装置
JP4058628B2 (ja) クラッチ装置、給送装置、記録装置
JP4041978B2 (ja) 記録装置及びクラッチ装置
KR100855154B1 (ko) 공급 수단
JP3965574B2 (ja) 給送装置、記録装置及びクラッチ装置
JP3838356B2 (ja) 給送装置及び該給送装置を備えた液体噴射装置
JP4352248B2 (ja) 記録装置
JP4692759B2 (ja) 記録装置、液体噴射装置
JP4508897B2 (ja) 記録装置
JP4935999B2 (ja) 記録装置
JP4431855B2 (ja) 記録装置
JP4849217B2 (ja) 記録装置
JP4582334B2 (ja) 給紙装置及びそれを備えた画像記録装置
JP2004292167A (ja) 被記録媒体の搬送経路変更装置、両面記録装置、被噴射媒体の搬送経路変更装置
JP4737432B2 (ja) 被記録材給送装置、記録装置、液体噴射装置
JP4835848B2 (ja) 被記録媒体給送装置、記録装置、液体噴射装置
JP3722728B2 (ja) 給紙装置及び画像形成装置
JP2004301146A (ja) 位相管理クラッチ、記録装置及び液体噴射装置
JP2005231802A (ja) 被記録材の自動給送装置、記録装置及び液体噴射装置
JP2007161377A (ja) シート給送装置及び記録装置
JP2004269084A (ja) 被記録材給送装置、記録装置、液体噴射装置
JP2010100393A (ja) 給送装置、記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070718

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071017

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees