JP4041589B2 - 散布式表面処理工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、散布式表面処理工法に関し、更に詳しくは、発泡した状態の瀝青材料上に骨材を散布する改良された散布式表面処理工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路舗装は、交通に供されるにつれて、次第に老化、劣化が進み、路面が摩耗して凹凸を生じたり、舗装表面にひび割れ等が発生したりすることがある。凹凸やひび割れを放置すると、通行車両の安全を脅かしたり、雨水等がひび割れ部から舗装体内部に浸透して舗装体そのものの破損、破壊を引き起こす恐れがある。
【0003】
従来、このような老化、劣化した道路舗装を補修する方法として、散布式表面処理工法や混合式表面処理工法、更にはオーバーレイ工法などが提案されていた。この中で散布式表面処理工法は、例えば図1に示すように、老化ないしは劣化して凹凸やひび割れの発生した路面1上に、アスファルト等の瀝青材料2を膜状に散布し、続いてその上に骨材3を散布して、瀝青材料2によって骨材3を路面1に結合し、路面1上に瀝青材料2と骨材3とからなる層を構築するという工法である。
【0004】
この散布式表面処理工法は、比較的簡単に舗装体表面を補修できるので、老化、劣化した舗装体の補修工法としては極めて有効なものであるが、アスファルト混合物を用いる補修工法とは違って、単に瀝青材料によって骨材を路面に結合しているだけであるので、通行車両のタイヤ等から受ける引掻力や衝撃力によって、瀝青材料上に散布された骨材が、例えば図1に符号4で示すように、ややもすると飛散してしまう現象が見られることがあった。骨材4が飛散してしまうと、瀝青材料が直接路面表面に現れてきてしまうため、路面がフラッシュし、著しく滑り易くなって、通行車両のスリップ等を引き起こし、ひいては交通事故の原因ともなる危険性があった。
【0005】
このような骨材の飛散を防止する試みとして、散布する瀝青材料の量を多くして瀝青材料の層を厚くし、骨材を強固につなぎ止めることも考えられるが、瀝青材料の量が多くなると、日射しの強い夏季等に路面温度が上昇した際に、過剰な瀝青材料に起因するフラッシュ現象が発生し、返って交通障害を招く結果となることがあった。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来技術の欠点を解決するために為されたもので、過剰の瀝青材料を使用することなく、骨材を強固に路面上に結合しておくことが可能な散布式表面処理工法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、散布式表面処理工法において骨材が瀝青材料によって路面上に結合される機構について研究を重ねた結果、路面上にまず発泡した状態の瀝青材料の層を形成し、その上に骨材を散布することによって、瀝青材料による骨材の路面への結合力が著しく増強され、過剰の瀝青材料を使用することなく、強固な散布式表面処理層を構築できることを見出して、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、路面上に発泡した状態の瀝青材料の層を形成する工程と、発泡した状態の瀝青材料の層上に骨材を散布する工程とを含む散布式表面処理工法を提供することによって上記課題を解決するものである。
【0009】
路面上に発泡した状態の瀝青材料の層を形成するに当たっては、瀝青材料と発泡材とを同時又は相前後して散布して、瀝青材料と発泡材とを路面上及び/又は空中で接触、混合させて瀝青材料を発泡させるようにしても良いし、瀝青材料と発泡材とを接触、混合させて予め発泡させた瀝青材料を散布するようにしても良い。
【0010】
発泡材としては水を用いるのが良く、この水には、必要に応じて所定量の各種発泡促進剤を混合しておくことができる。
【0011】
本発明者らの知見によれば、発泡して容積が増大した状態の瀝青材料は、例えば図2に示すように、たとえ少量であっても路面1上に比較的厚い瀝青材料2の層を形成することができ、その上に骨材3を散布すると、瀝青材料2が発泡していない場合に比べて、遙かに大きな面積の骨材表面が瀝青材料2で覆われる。その結果、例えば図3に示すように、瀝青材料2の発泡が収まった状態でも、骨材3と瀝青材料2との接触面積は大きく、路面1と骨材3間及び骨材3と骨材3間の結合力は著しく増大し、車両等の通過によって骨材3が無闇に飛散する恐れがない。また、瀝青材料2を過剰に使用していないので、路面温度が上昇する夏季等においても、瀝青材料2が溶融し、フラッシュ現象を起こすこともない。
【0012】
本発明における瀝青材料の発泡の程度には特に制限はないが、通常、瀝青材料の元の容積の1.1〜20倍程度に容積が増大するように発泡させるのが好ましい。容積の増大量が1.1倍未満では、発泡による効果が十分に期待できず、逆に、容積を20倍超に発泡させても、効果にさほどの差違は見られない。通常は、発泡前の容積の3〜15倍程度に発泡させるのが好ましい。
【0013】
なお、本発明の散布式表面処理工法は、瀝青材料が発泡しているうちに骨材を散布する必要があるので、路面上に発泡した状態の瀝青材料の層を形成してから骨材を散布するまでの時間は短い方が好ましく、更には短くてかつ一定している方が好ましく、そのような施工を容易に可能にするためには、少なくとも、瀝青材料と発泡材の散布装置又は発泡した瀝青材料の散布装置と、骨材の散布装置とを単一の作業車に搭載し、この作業車を用いて作業を行うのが望ましい。そのような作業車としては、例えば、同じ出願人による特願平10−158664号明細書、特願平10−158665号明細書、特願平10−172107号明細書、特願平10−172119号明細書、及び、特願平10−177986号明細書に開示したような作業車を用いるのが好ましい。
【0014】
本発明の散布式表面処理工法は、一般道路に限らず、自動車専用道路、構内道路、公園内道路、散策路、自転車道、運動場、駐車場、飛行場、港湾施設等の舗装にも適用されるものであり、その用途も補修のみならず、新設工事における表面層の構築にも使用することが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の散布式表面処理工法について詳細に説明する。
【0016】
まず、使用材料について説明する。
【0017】
〈瀝青材料〉
本発明の散布式表面処理工法に使用する瀝青材料としては、レーキアスファルト等の天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱瀝アスファルト(例えば、プロパン脱瀝アスファルト)等の石油アスファルト、重油、タール、ピッチ等の瀝青材料が挙げられる。
【0018】
これら瀝青材料には、天然ゴムまたは各種合成ゴムを単独あるいは併用の形で添加することができる。合成ゴムとしては、クロロプレンゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴムなどの各種合成ゴムが、単独あるいは併用の形で用いられる。特に、クロロプレンゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴムを用いた場合には、高温ならびに低温における特性が改善されて好ましい。また、ムーニー粘度が、固形またはラテックスタイプのもので、10〜100程度のものが良い結果が得られて好ましい。
【0019】
また、本発明で使用される瀝青材料には、ゴムの他に、エチレン酢酸ビニール共重合体、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリ塩化ビニールなどの合成高分子重合樹脂、クマロン樹脂、石炭酸樹脂、キシレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、アルキッド樹脂などの合成樹脂、ロジン、テルペン樹脂などの天然樹脂などを添加することができる。
【0020】
また、これらの瀝青材料に、耐熱性向上や、紫外線等による劣化防止、作業性向上、並びに接着性向上等の目的で、紫外線吸収剤や、各種添加剤、粘度調整剤などを添加しても良い。
【0021】
〈発泡材〉
一方、本発明に使用する発泡材は、通常、蒸留水、飲料水、工業用水、湖沼水、河川水等の水であり、これに必要に応じて0〜20重量%の発泡促進剤を添加混合したものを使用する。発泡促進剤は20重量%を越えて添加しても効果にさほどの差異は見られず、経済的に不都合である。
【0022】
使用する発泡促進剤としては、重炭酸ナトリウムや各種の乳化剤を使用することができ、乳化剤としてはカチオン系、アニオン系、両性系のいずれをも用いることができる。また、過酸化水素とサラシ粉、塩酸と重曹、マグネシウムや鉛とアルカリ、カルシウムカーバイトなども使用することができ、更には、樹脂石鹸、アルキルスルホン酸などの合成界面活性剤、カゼインやゼラチンなどの蛋白質誘導体、マレイン酸などの高分子界面活性剤などが使用できる。これらの発泡促進剤は単独で、或いは、2種以上を併用して使用する。
【0023】
〈骨材〉
本発明で使用する骨材とは、社団法人日本道路協会発行の「アスファルト舗装要綱」に記載されている舗装用の骨材で、砕石、玉砕、砂利、鉄鋼スラグ等である。また、これらの骨材にアスファルトを被覆したアスファルト被覆骨材および再生骨材なども使用できる。その他、これに類似する粒状材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量骨材、陶磁器粒、ルクソバイト、シノパール、アルミニウム粒、プラスチック粒、セラミックス、エメリー等も使用することができる。
【0024】
本発明で使用する骨材の粒度に特に制限はなく、細骨材から粗骨材までどのような粒径のものでも使用できるが、構築される表面処理層の厚さが均一になるように、一回の散布に使用する骨材は単粒度のものが好ましい。また、骨材は、使用に先立ち、水洗等で表面の汚れを落としておくと、瀝青材料による付着力が増し好ましい。また、使用する骨材に、骨材に対して0.3〜1重量%程度のアスファルト乳剤又はストレートアスファルト、或いは改質アスファルトを被覆しておいても良い。なお、有色の骨材を使用すれば、カラー舗装を簡単に実現することができる。
【0025】
次に、本発明の散布式表面処理工法について説明する。
【0026】
〈発泡した状態の瀝青材料層の形成〉
本発明において発泡した状態の瀝青材料の層は路面上にどのような方法を用いて形成されても良いが、好ましくは、瀝青材料と発泡材とを同時又は相前後して散布し、瀝青材料と発泡材とを路面上及び/又は空中で接触、混合させて瀝青材料を発泡させ、発泡した状態の瀝青材料の層を路面上に形成するか、或いは、瀝青材料と発泡材とを接触、混合させて予め発泡させ、発泡した瀝青材料を散布することによって発泡した状態の瀝青材料の層を路面上に形成するようにするのが好ましい。
【0027】
まず、瀝青材料と発泡材とを同時又は相前後して散布し、瀝青材料と発泡材とを路面上及び/又は空中で接触、混合させて瀝青材料を発泡させるには、例えば2種類のノズルを用いて、瀝青材料と発泡材とを、それぞれ、空中ないしは路面上で互いに接触、混合するように散布する。主として空中で両者を接触、混合しようとすれば、両者の散布領域が空中で重なるようにノズルを配置すれば良く、主として路面上で接触、混合させるのであれば、路面上の同じ箇所に両者が同時もしくは相前後して散布されるようにノズルを配置すれば良い。相前後して散布する場合には、瀝青材料と発泡材の散布順序は、瀝青材料又は発泡材のいずれを先にしても良い。散布は、瀝青材料用と発泡材用のそれぞれのスプレーバーとスプレーバーに取り付けられたそれぞれ複数のノズルとを近接した位置に備えた作業車によって行うのが好ましく、散布幅が施工幅員に応じて自由に変更可能に構成されているのが好ましい。また、ノズルとしては複数の材料を同時に散布できる複頭ガンのスプレーノズルを使用しても良い。なお、瀝青材料と発泡剤とを散布する前に、施工路面をヒータープレーナー等の加熱装置によって加熱しておくのが好ましい。
【0028】
瀝青材料の散布量は、0.4〜2.5(l/m )であり、好ましくは、0.8〜2.0(l/m )である。瀝青材料の散布量が0.4(l/m )未満では骨材を良好に結合することができず、逆に2.5(l/m )を越えるとフラッシュ現象の原因となる恐れがある。瀝青材料は、加熱して使用するのが好ましく、その加熱温度は個々の瀝青材料の温度−粘度曲線に基づいて適当な粘度となる温度に選ばれるが、通常、90〜210℃、好ましくは、150〜180℃程度に加熱して使用される。
【0029】
路面上及び/又は空中で接触、混合させる場合の瀝青材料に対する発泡材の量は、瀝青材料100容積部に対して、発泡材0.1〜40容積部が好ましい。発泡材の量が0.1容積部未満では瀝青材料を十分に発泡させることができず、逆に、発泡材の量が40容積部を越えると、発泡がなかなか収まらず、強度発現に時間が掛かり過ぎて不都合である。発泡材は、常温のまま散布しても良いが、通常、70〜90℃程度に加熱して散布するのが好ましい。
【0030】
瀝青材料と発泡剤とは散布されて互いに接触、混合すると発泡し、路面上に発泡した瀝青材料の層を形成する。瀝青材料と発泡剤との散布高さ、即ちノズルの位置は、路面から5〜50cmの範囲が好ましく、更に好ましくは、7〜35cmの範囲である。
【0031】
次に、瀝青材料と発泡材とを予め接触、混合させて発泡させ、発泡した瀝青材料を散布するようにするには、まず、瀝青材料と発泡材とを発泡装置に導入して両者を接触、混合させて瀝青材料を発泡させる。使用する発泡装置には特に制限はなく、瀝青材料と発泡材とを接触、混合させて発泡させることができるものであればどのような発泡装置を使用しても良いが、例えば、ラインミキサー型発泡機や攪拌型発泡機、加圧型発泡ノズルなど従来公知の発泡装置を使用することができる。これら発泡装置には、瀝青材料と発泡材に加えて、空気などの気体を強制的に吹き込むようにしても良い。
【0032】
発泡した瀝青材料はノズルを介して(加圧型発泡ノズルを使用した場合にはそのまま)路面に向かって散布される。散布は、ラインミキサー型発泡機や攪拌型発泡機などの発泡装置を用いる場合には、それら発泡装置とスプレーバー及びスプレーバーに取り付けられた複数のノズルとを備えた作業車によって行うのが好ましく、また、加圧型発泡ノズルを使用する場合には、複数個の加圧型発泡ノズルを取り付けたスプレーバーを備えた作業車を使用するのが好ましい。いずれの場合においても、散布幅が施工幅員に応じて自由に変更可能に構成されているのが好ましい。なお、発泡した瀝青材料を散布する前に、施工路面をヒータープレーナー等の加熱装置によって加熱しておくのが好ましい。
【0033】
瀝青材料は加熱して発泡装置に導入するのが好ましく、その加熱温度は、瀝青材料と発泡材とを空中及び/又は路面上で接触、混合させる場合と同じく、基本的には個々の瀝青材料の温度−粘度曲線に基づいて適当な粘度となる温度に選ばれるが、瀝青材料は、通常、90〜210℃、好ましくは、150〜180℃程度に加熱された状態で、発泡装置に導入される。
【0034】
一方、発泡材は、常温で発泡装置に導入するようにしても良いが、通常、70〜90℃程度に加熱して発泡装置に導入するのが好ましい。また、発泡装置に導入される発泡材の量は、瀝青材料100容積部に対して0.05〜10容積部、好ましくは、0.1〜5容積部である。発泡材の量が0.05容積部未満では、瀝青材料を十分に発泡させることができず、逆に、発泡材の量が10容積部を越えると、効果にさほどの差が見られず経済的に好ましくない。
【0035】
発泡した瀝青材料の散布量は、発泡前の容積換算で、0.4〜2.5(l/m )であり、好ましくは、0.8〜2.0(l/m )である。瀝青材料の散布量が0.4(l/m )未満では骨材を良好に結合することができず、逆に2.5(l/m )を越えるとフラッシュ現象の原因となる恐れがある。発泡した瀝青材料の散布高さ、即ちノズルの位置は、路面から5〜50cmの範囲が好ましく、更に好ましくは、7〜35cmの範囲である。
【0036】
〈骨材の散布〉
以上のようにして路面に発泡した瀝青材料の層を形成し、続いて、その上に骨材を散布する。骨材の散布は、瀝青材料の発泡状態が継続している間に行われる必要があり、そのためには、瀝青材料や発泡材の散布装置と骨材の散布装置、或いは、発泡した瀝青材料の散布装置と骨材の散布装置とを1台の作業車に搭載し、その作業車を進行させながら作業を進めるのが効率的であって望ましい。瀝青材料ないしは発泡した瀝青材料や発泡材などの散布装置と骨材の散布装置とは、それらの散布位置の間に作業車のタイヤやクローラーが位置しないように、換言すれば、瀝青材料ないしは発泡した瀝青材料や発泡材が散布された後、骨材が散布される前に、作業車のタイヤやクローラーが散布領域を通過しないように、例えば、瀝青材料、発泡材、骨材のそれぞれの散布位置が共に、作業車の前輪より前、前輪と後輪の間、或いは、後輪よりも後ろになるように配置される。そのような作業車としては、同じ出願人による特願平10−158664号明細書、特願平10−158665号明細書、特願平10−172107号明細書、特願平10−172119号明細書、及び、特願平10−177986号明細書に開示したような作業車が挙げられ、本発明の散布式表面処理工法を施工するには、そのような作業車を使用するのが望ましい。なお、発泡した瀝青材料を散布する場合には、瀝青材料の発泡装置も、上述のような作業車に搭載しておくのが望ましい。
【0037】
骨材の散布量は1回の散布につき、100m 当たり、0.2〜2.5m の範囲であり、好ましくは0.4〜2.0m である。骨材の散布量が100m 当たり0.2m 未満であるとフラッシュ現象の原因となる恐れがあり、逆に、2.5m を越えると、過剰になった骨材が車両の通行に伴って飛散する恐れがある。
【0038】
散布する骨材は単粒度のものが好ましく、1回の散布で、実質的に単層の骨材層が路面上に形成されるように散布される。骨材は、通常、100〜170℃に加熱した状態で散布されるが、常温で散布するようにしても良い。
【0039】
骨材の散布後、路面を転圧するのが望ましく、転圧機としては、例えば、タイヤローラー、鉄輪ローラー、振動ローラーなどの自走式転圧機を使用することができる。
【0040】
以下、実施例を用いて、本発明を更に説明するが、本発明がこれら実施例に限られるものでないことは勿論である。
【0041】
【実施例1】
構内道路を使用して、幅1m、長さ2mの範囲に渡って、本発明の散布式表面処理工法を施工した。施工領域をまずヒータープレーナーを用いて約60℃になるまで加熱した後、まず発泡材を実験用スプレーヤーを用いて路面に向かって散布し、直ちに、同じく実験用スプレーヤーを用いて瀝青材料を路面に向かって散布した。発泡材と瀝青材料とが路面上で混合し、盛んな発泡が見られたので、速やかに骨材を散布した。骨材の散布後、骨材の散布面を振動ローラーで十分に転圧して作業を終えた。
【0042】
使用した材料は次の通りである。
〈瀝青材料〉
瀝青材料:ガムファルトS(ニチレキ(株)製)(加熱アスファルト)
散布量 :1.0(l/m
散布温度:170℃
【0043】
〈発泡材〉
発泡材 :脂環族界面活性剤10重量%水溶液
散布量 :0.4(l/m
散布温度:82℃
【0044】
〈骨材〉
骨材 :6号砕石(栃木県葛生産)
状態 :水洗処理
散布温度:120℃
散布量 :1.0(m /100m
【0045】
なお、使用した瀝青材料の性状を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004041589
【0047】
【実施例2】
実験用の複列スプレーヤーを用いて瀝青材料と発泡材とを同時に散布して空中で両者を接触、混合させて、路面上に発泡した瀝青材料の層を形成した。瀝青材料は、散布量を1.1(l/m )とした以外は実施例1と同じものを使用し、発泡材として以下に示す材料を用いた。それ以外の手順は実施例1と同様にして、実施例1と同じく、構内道路の幅1m、長さ2mの路面上に本発明の散布式表面処理工法を施工した。
【0048】
〈発泡材〉
発泡材 :脂環族界面活性剤3重量%水溶液
散布量 :0.1(l/m
散布温度:84℃
【0049】
【実施例3】
実施例1で使用したのと同じ瀝青材料100容積部に、実施例1で使用したのと同じ発泡材3容積部を、実験用に作成した攪拌型発泡機に導入し、攪拌、混合して発泡させ、予めヒータープレーナーで約80℃に加熱した幅1m、長さ2mの施工路面にエンジンスプレーヤーを用いて散布した。散布量は、発泡前の瀝青材料換算で、1.2(l/m )であった。発泡した瀝青材料の散布後、直ちに、実施例1で使用したのと同じ骨材を散布した。骨材の散布温度、散布量ともに実施例1と同じであった。その後、実施例1と同じく骨材の散布面を振動ローラーで十分に転圧して作業を終えた。
【0050】
【比較例1】
発泡材を散布しないことを除いては実施例1と同様にして散布式表面処理工法を施工した。
【0051】
【比較例2】
発泡材を散布しないことを除いては実施例2と同様にして散布式表面処理工法を施工した。
【0052】
【比較例3】
発泡材を使用せず、瀝青材料を発泡させなかったことを除いては実施例3と同様にして散布式表面処理工法を施工した。
【0053】
1昼夜の養生後、試験用の大型車両に重荷重を積載し、時速30km/hの速度で、上記実施例1〜3、比較例1〜3によって構築された表面処理層上を繰り返し走行させ、通算72時間後にそれぞれの表面処理層の状況を調べた。
【0054】
その結果、実施例1〜3の区間では骨材の飛散はほとんど発見されなかったのに対し、比較例1〜3の区間では、試験車両の轍部に骨材の飛散跡が数ヶ所発見された。ドライバーやスパチュラの先端で骨材を剥がすことを試みたが、実施例1〜3の区間では、全ての場所において骨材は路面に強固に付着しており、剥がすことができなかったのに対し、比較例1〜3の区間では、車両轍部などに、所々、比較的容易に骨材を剥がすことが可能な場所があった。以上の結果から、本発明の散布式表面処理工法によれば、散布された骨材は極めて強固に路面に付着しており、堅牢な表面処理層が構築できることが分かる。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の散布式表面処理工法によれば、散布される瀝青材料は発泡し、容積が増大した状態で路面上に存在するので、フラッシュ現象を起こさない程度の量の瀝青材料を使用しても、散布される骨材の表面を広く十分に覆うことができ、骨材同士及び骨材と路面とを強固に結合することが可能となる。特に、瀝青材料や発泡材の散布装置と骨材の散布装置とを搭載した作業車を用いて本発明の散布式表面処理工法を施工する場合には、瀝青材料や発泡材の散布と骨材の散布、或いは、発泡した瀝青材の散布と骨材の散布とを互いに関連させて、一貫した工程として管理することが可能となり、均一で耐久性のある表面処理層を簡単に効率良く構築することが可能である。このように、本発明の散布式表面処理工法によれば、路面上に強固で堅牢な表面処理層を簡単に構築することができるので、既設舗装の補修のみならず、新設を含めて、全ての舗装体上に結合材と骨材とからなる表面層を構築する際に利用できるので、極めて便利であり、極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の散布式表面処理工法によって構築された表面処理層の説明図である。
【図2】 本発明の散布式表面処理工法の説明図である。
【図3】 本発明の散布式表面処理工法の説明図である。
【符号の説明】
1 路面
2 瀝青材料
3 骨材
4 飛散した骨材

Claims (7)

  1. 瀝青材料と発泡材とを同時又は相前後して、それぞれのノズルから散布し、瀝青材料と発泡材とを路面上及び/又は空中で接触、混合させて瀝青材料を発泡させ、路面上に発泡した状態の瀝青材料の層を形成する工程と、発泡した状態の瀝青材料の層上に骨材を散布する工程とを含む散布式表面処理工法。
  2. 発泡材が水であり、0〜20重量%の発泡促進剤を含む請求項に記載の散布式表面処理工法。
  3. 瀝青材料が加熱瀝青材料である請求項1又は2に記載の散布式表面処理工法。
  4. 骨材が単粒度である請求項1、2又は3に記載の散布式表面処理工法。
  5. 発泡した状態の瀝青材料の層を路面上に形成する前に、路面を加熱する工程を含む請求項1、2、3又は4に記載の散布式表面処理工法。
  6. 骨材が散布された面を転圧する工程を含む請求項1、2、3、4又は5に記載の散布式表面処理工法。
  7. 少なくとも、瀝青材料の散布装置と発泡材の散布装置と骨材の散布装置を搭載した単一の作業車を使用する請求項1、2、3、4、5又は6に記載の散布式表面処理工法。
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