JP4041370B2 - リサイクル樹脂を用いた自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材の再利用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリサイクル樹脂を用いた自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材の再利用方法に関する。さらに詳しくは、自動車内装材の端材または廃材から再生された樹脂を構成材料として再使用し、かつ高温下での使用に耐える品質を保持した自動車内装材用(特に自動車天井材用)発泡積層シートおよび自動車内装材の再利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車天井材として、発泡積層体に意匠面を考慮して表皮材を積層したものが広く用いられてきた。また、表皮材とは反対側の発泡積層体の表面に異音防止材が設けられることもある。このような発泡積層体を用いた自動車天井材は、軽量で断熱性が高く、成形加工性に優れるという特徴を有する。
【0003】
発泡積層体としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂からなる発泡層の両面にスチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂(耐熱PS系樹脂)からなる非発泡層を積層したものや、耐熱性に優れた変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、変性PPE系樹脂ともいう)の発泡層の両面に変性PPE系樹脂の非発泡層を積層したものが広く用いられている。表皮材としては、ポリエチレンテレフタレート系不織布が広く用いられており、ホットメルト接着剤などで発泡積層体に接着されいる。
【0004】
自動車天井材の成形加工においては、多くのトリミングロスや成形不良等により大量の廃棄物が発生する。例えば、成形天井の生産工程においては、端材に限っても、通常、原反に対して約25%程度の廃棄物が発生する。
【0005】
これらの発生した廃棄物は、焼却処理されているのが現状であるが、環境保全や資源の有効利用の観点からマテリアルリサイクルの要求が高まっている。
【0006】
自動車天井材のマテリアルリサイクルでは、特に、発泡積層体の基材樹脂を表皮などの他の素材から分離することが基本となり、完全に分離出来ればリサイクルも容易に実現されると考えられる。従来の分離技術は、端材や廃材を細かく粉砕した後、素材毎に分別するものであり、乾式では一般に風力選別機が使用される。
【0007】
発泡シートと不織布表皮材からなる車両用内装材を粉砕、分離して得られた発泡シート粉砕物を原材料に混合して発泡シートを作製する試みもなされてはいるが(例えば、特許文献1参照)、発泡シート成分に付着残存する表皮材成分が発泡の際に悪影響を及ぼし、安定した品質の発泡シートが得られない可能性がある。
【0008】
一方、自動車天井材には、基材中(表皮材、異音防止材、ホットメルト接着剤等)にポリエステル系繊維またはポリオレフィン系樹脂が広く使用されており、また、端材・廃材の回収時にポリエステル系繊維またはポリオレフィン系樹脂が他自動車部材から混入する可能性があることなどから、上記PS系または変性PPE系発泡積層体からなる自動車天井材をリサイクルする際には、ポリエステル系繊維またはポリオレフィン系樹脂の分離が必要である。
【0009】
しかしながら、ポリエステル系繊維またはポリオレフィン系樹脂の分離には、表皮材の分離に使用されるような構成層の比重差を利用した風力選別法での分離には限界があり、ポリエステル系繊維またはポリオレフィン系樹脂を含有するリサイクル樹脂を使いこなす技術の確立が望まれる。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−156854号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量性、断熱性、成形加工性、耐熱性などの自動車内装材としての実用特性を保持させつつ、マテリアルリサイクルを可能とする自動車内装材の再利用方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、さらに、リサイクル樹脂を使用し、しかも自動車内装材に要求される特性を保持した自動車内装用発泡積層シートを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、軽量性、成形加工性、耐熱性、剛性、耐衝撃性などの自動車内装材として必要とされる実用特性を保持させつつ、マテリアルリサイクル樹脂を使用した自動車内装用発泡積層シートを提供するため、基材の構成について鋭意検討を行った。その結果、自動車内装材の廃材または自動車内装材の製造や自動車の製造に際して発生する端材から、それらに含まれる異音防止材、表皮材などを実質的に分離除去した後再生した樹脂(以下、再生樹脂ともいう)を、耐熱性樹脂、なかんずく変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層およびその両面に積層された非発泡層からなる発泡積層シートの少なくとも一方の非発泡層に使用することによって、自動車内装材の廃材または端材を自動車内装材に要求される特性を保持しつつ自動車内装材の製造に再利用し得ることを見出した。
【0014】
樹脂の再生時に、自動車内装材の端材および廃材中に含まれる異音防止材、表皮材などに由来するポリエステル系繊維を実質的に分離除去することが必要である。自動車内装材における発泡層および非発泡層の基材樹脂である変性PPE系樹脂、耐熱性ポリスチレン系樹脂(以下、耐熱PS系樹脂ともいう)またはポリスチレン系樹脂(以下、PS系樹脂ともいう)とポリエステル系繊維(樹脂)との相溶性が良くないことが知られており、ポリエステル系繊維を多く含んだ状態で樹脂の再生を行った場合、相分離が発生し得られる樹脂の物性は脆く耐衝撃に劣ったものとなり、自動車内装材用の材料として適さないものとなる可能性がある。
【0015】
さらに、自動車内装材の端材または廃材から再生された樹脂を、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の少なくとも一方の非発泡層に使用することが必要である。非発泡層は発泡層に比べて物性の調整が容易であり、また物性調整のために再生樹脂に他の樹脂を配合して耐熱性が低下しても、再利用される自動車内装材は高耐熱性の発泡層からなるので、再生樹脂を使用して得られる非発泡層は依然として満足な耐熱性を維持することができる。
【0016】
再生に利用する自動車内装材の発泡層の基材樹脂は変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることが好ましく、さらには、再生樹脂を使用して製造する発泡積層シートの発泡層の基材樹脂も変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることが好ましい。
【0017】
自動車内装材の廃材または端材から異音防止材と表皮材を実質的に分離除去して得られる樹脂成分は、押出成形することによってペレット状に再生される。再生は、好ましくは、自動車内装材の廃材または端材から異音防止材と表皮材を実質的に分離し、ポリエステル系繊維成分がその含有量3重量%以下まで除去された樹脂成分を、2軸押出機を使用して押出成形するか、または一軸押出機を用いて270℃以上の温度で押出成形することによって行なわれる。樹脂中に若干量の繊維成分が含まれた再生樹脂を非発泡層に使用する場合、1mm以上の繊維長を有する繊維成分が核となってフィッシュアイなどが発生し、外観不良および非発泡層の物性が不均質となる可能性があるが、2軸押出機を使用して押出成形したり、あるいは一軸押出機を使用してポリエステル系繊維が溶融する温度以上(270℃以上)で押出し成形することにより、再生樹脂中のポリエステル系繊維が溶融微細化されて繊維成分の繊維長は1mm以下になり、フィッシュアイなどの発生を抑制することができる。再生樹脂を含有する非発泡層の繊維成分含量が0.1〜3重量%であって、かつ、繊維成分の繊維長が1mm以下であることが好ましい。
【0018】
樹脂の再生時に、自動車内装材の端材および廃材に含まれるホットメルト接着剤層、オレフィン系熱可塑性エラストマー表皮材(TPO表皮)やポリエチレン系フォーム緩衝材層などの表皮材層などのポリオレフィン系樹脂、および自動車内装材の端材または廃材の回収時に他自動車部材から混入する可能性のあるポリオレフィン系樹脂などの再生樹脂への混入は、できるだけ抑制するのが望ましい。自動車内装材における発泡層および非発泡層の基材樹脂である変性PPE系樹脂、耐熱PS系樹脂、PS系樹脂とポリオレフィン系樹脂の相溶性が良くないことが知られており、ポリオレフィン系樹脂を多く含んだ状態で樹脂の再生を行った場合、相分離が発生し得られる樹脂の物性は脆く耐衝撃に劣ったものとなり、自動車内装材用の材料として適さないものとなる可能性があるので、再生樹脂中に含まれるポリオレフィン系樹脂の含有量を10重量%以下に抑えることが好ましい。しかしながら、自動車内装材の端材および廃材に含まれるポリオレフィン系樹脂を完全に取り除くことは、容易ではない。
【0019】
そこで、本発明者らは、さらに、変性PPE系樹脂、耐熱PS系樹脂、PS系樹脂とポリオレフィン系樹脂の相溶性を改善する効果が期待される相溶化剤の添加について種々検討した結果、熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマー(たとえば、スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー)を再生樹脂に少量添加することによって、得られる再生樹脂の耐衝撃性が大幅に改善することを見出した。再生樹脂は発泡層から由来する高耐熱性樹脂を含有するため、たとえ熱可塑性エラストマーの添加によって耐熱性が低下しても、再生樹脂から形成される非発泡層は、再生に利用される自動車内装材の非発泡層と同等の耐熱性を維持することができる。
【0020】
発泡積層シートと表皮材、異音防止材などの被覆材がホットメルト接着剤によって接着されている場合は、自動車内装材の端材または廃材を有機溶剤中に浸漬することによってこれらを容易に分離することができる。しかしながら、被覆材が接着剤を用いずに発泡積層シートに積層されている場合は、かかる湿式法を適用することはできない。そこで、本発明者らは、さらに検討した結果、発泡層とその両面に積層された非発泡層からなる発泡積層シートの場合、自動車内装材に衝撃力を与えると、衝撃力が非発泡層(スキン層)に集中するため、衝撃粉砕によって表皮材の剥離と発泡積層体の粉砕を効率的に実施できることを見出した。したがって、自動車内装材の端材または廃材を粉砕し、粉砕物を篩および(または)比重分離によって分別することによっても、自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去することができる。
【0021】
本発明は以上のような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、
1)変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層およびその両面に積層された非発泡層からなる発泡積層シートであり、少なくとも一方の非発泡層の構成樹脂中に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートおよびその一方の表面に積層された表皮材および他方の表面に適宜積層された異音防止材からなる自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去した後に再生することによって得られる再生樹脂を含み、かつ該再生樹脂中にポリオレフィン系樹脂とスチレン系熱可塑性樹脂エラストマーが含まれていることを特徴とする自動車内装材用発泡積層シート、
2)非発泡層の構成樹脂中に含まれる再生樹脂の含有量が、50重量%以上である1)項記載の自動車内装材用発泡積層シート、
3)再生樹脂が0.1〜10重量%のポリオレフィン系樹脂を含有している1)項または2)項記載の自動車内装材用発泡積層シート、
4)再生樹脂中に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーの含有量が1〜20重量%である1)〜3)項のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート。
5)再生樹脂中に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーがスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー(SBS)である1)〜4)項のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
6)変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層およびその両面に積層された非発泡層からなる発泡積層シートであり、少なくとも一方の非発泡層の構成樹脂中に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートおよびその一方の表面に積層された表皮材および他方の表面に適宜積層された異音防止材からなる自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去した後に再生することによって得られる再生樹脂を含み、再生樹脂を含有する非発泡層が該層に対してポリエステル系繊維を0.1〜3重量%含有し、かつその繊維長が1mm以下であることを特徴とする自動車内装材用発泡積層シート、
7)発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度が、その両面に積層される非発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度より高い1)〜6)項のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
8)発泡層の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル成分35〜75重量%およびスチレン系成分65〜25重量%からなる1)〜7)項のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート、
9)変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートおよびその一方の表面に積層された表皮材および他方の表面に適宜積層された異音防止材からなる自動車内装材の再利用方法であって、前記と同一構造を有する発泡積層シートの製造において、前記自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去した後に再生することによって得られた再生樹脂を含有する樹脂から、発泡積層シートの少なくとも一方の非発泡層を形成することを特徴とする自動車内装材の再利用方法。
10)非発泡層の構成樹脂中に含まれる再生樹脂の含有量が50重量%以上である9)項記載の自動車内装材の再利用方法、
11)自動車内装材の端材または廃材を粉砕後、篩および/または比重分離で、自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する9)項または10)項記載の自動車内装材の再利用方法、
12)自動車内装材の端材または廃材を有機溶剤中に含浸し、自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する9)項または10)項記載の自動車内装材の再利用方法、
13)自動車内装材の端材または廃材に含まれる表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する際に使用される有機溶剤がアルコール類であることを特徴とする9)、10)または12)項記載の自動車内装材の再利用方法、
14)自動車内装材の端材または廃材に含まれる表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する際に使用される有機溶剤が脂肪族炭化水素類であることを特徴とする9)、10)または12)項記載の自動車内装材の再利用方法、
15)再生樹脂が、端材または廃材から回収された発泡積層シート部分を270℃以上の温度で押出成形することによって再生された樹脂である9)〜14)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、
16)再生樹脂が0.1〜10重量%のポリオレフィン系樹脂を含有する9)〜15)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、
17)再生樹脂中に、合計量に対して1〜20重量%のスチレン系熱可塑性エラストマーが配合されている9)〜16)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、
18)再生樹脂中に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーがスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー(SBS)である9)〜17)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、
19)発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度が、その両面に積層される非発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度より高い9)〜18)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、
20)非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる9)〜19)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、
21)非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂からなる9)〜20)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、
22)発泡層の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル成分35〜75重量%およびスチレン系成分65〜25重量%からなる9)〜21)項のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法、に関する。
【0022】
本発明の方法によれば、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートおよびその一方の表面に積層された表皮材および他方の表面に適宜積層された異音防止材からなる自動車内装材の端材または廃材から回収された樹脂成分を、前記自動車内装材の製造において繰り返し利用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明はリサイクル樹脂(再生樹脂)を用いた自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材の製造方法に関する。
【0024】
まず、再生に利用される自動車内装材について図面にもとづいて詳しく説明する。
【0025】
再生に利用される自動車内装材は、図1に示すように変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層(1)の両側に、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(室内側非発泡層(3)および室外側非発泡層(5))が形成されており、室内側非発泡層(3)の表面に接着剤層(7)を介して表皮材用の不織布層(9)が積層され、室外側非発泡層(5)の表面に実質的に接着剤層を介さずアンカー効果によって異音防止用の不織布層(11)が積層されてなるものである。
【0026】
また、再生に利用される自動車内装材の他の形態としては、図2に示すように耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(1)の両側に、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(室内側非発泡層(3)および室外側非発泡層(5))が形成されており、室内側非発泡層(3)の表面に接着剤層(7)を介して表皮材用の不織布層(9)が積層され、室外側非発泡層(5)の表面に接着剤層(7)を介して異音防止用の不織布層(11)が積層されてなるものである。
【0027】
なお、本発明は、場合により異音防止用不織布層が設けられていない自動車内装材にも適用できる。
【0028】
発泡層(1)を構成する基材樹脂は、ポリスチレンあるいは耐熱性ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル(PPE)とのブレンド体、PPEへのスチレングラフト重合物などのスチレン・フェニレンエーテル共重合体等の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性PPE系樹脂)である。これらの樹脂は、室内、室外の温度環境に耐えることができ、また、温度による変形が少ないことより、本発明にかかる自動車内装材に好適である。
【0029】
変性PPE系樹脂に使われるPPEとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0030】
変性PPE系樹脂中、PPE系樹脂と混合樹脂を形成するポリスチレン系樹脂はスチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等を主成分(60重量%以上、好ましくは70重量%以上)とする樹脂である。したがって、ポリスチレン系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず他の単量体と共重合することによって作られた共重合体であってもよい。スチレンまたはその誘導体と共重合可能な他の単量体としては、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、または無水マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有モノマーなどがあげられ、これらは単独または2種以上組合わせて用いられる。PPE系樹脂に混合されるPS系樹脂の具体例としては、たとえば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレン(スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体やスチレン−イタコン酸共重合体などのスチレンとカルボキシル基含有モノマーとの共重合体などがあげられる。
【0031】
また、フェニレンエーテルまたはPPE系樹脂と共重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単独でも、2種以上組み合わせでも用い得る。これらのうちではスチレンが、汎用性、コストの点から好ましい。
【0032】
発泡層の基材樹脂として使用される変性PPE系樹脂は、好ましくは、フェニレンエーテル成分35〜75重量%、スチレン成分65〜25重量%、更に好ましくは、フェニレンエーテル成分35〜60重量%、スチレン成分65〜40重量%、特に好ましくは、フェニレンエーテル成分38〜58重量%、スチレン成分62〜42重量%からなる。PPE系樹脂の混合割合が少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂の混合割合が多いと、加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難になる傾向がある。
【0033】
発泡層(1)を形成する1次発泡層としては、層の厚みが1〜5mm、更には1.5〜3.5mm、発泡倍率が3〜20倍、更には5〜15倍、セル径が0. 05〜0. 9mm、更には0.1〜0.7mm、独立気泡率が70%以上、更には80%以上であるのが好ましい。1次発泡層の厚さが1mm未満であると、強度および断熱性に劣り自動車内装材用発泡積層シートとして適当でない場合がある。一方、5mmを超える場合、成形加熱時に熱が発泡層(1)の厚み方向の中心部まで伝わり難く、そのため充分な加熱が行えず、成形性が悪くなる場合がある。また、充分な加熱を行うべく加熱時間を長くすると、発泡層表面のセルに破泡等が生じ、製品として許容できるものが得られ難くなる場合がある。また、1次発泡倍率が3倍未満の場合、柔軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また軽量化の効果が少ない。1次発泡倍率が20倍を越える場合、強度が低下し、中心部まで加熱しにくいことにより成形性が低下する傾向がある。更に、セル径が0.05mm以下の場合、充分な強度が得られ難く、0.9mm以上の場合、断熱性に劣る傾向がある。また、独立気泡率が70%以下の場合、断熱性、剛性に劣るとともに、成形加熱によって目的とする2次発泡倍率を得ることが困難となり、成形性に劣る傾向がある。
【0034】
発泡層(1)を形成する1次発泡層中の残存揮発成分の量は発泡層全重量に対して1〜5重量%、更には2〜4重量%が好ましい。残存揮発成分が1重量%を下回る場合は2次発泡倍率が低くなりすぎ、良好に成形できない場合がある。また、残存揮発成分が5重量%を越える場合は非発泡層との間に空気だまりが発生したり、経時による寸法安定性が悪くなる場合がある。なお、残存揮発成分の量は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良いが、通常、発泡層サンプルを変性PPE系樹脂が軟化しはじめる温度以上で分解温度以下の温度範囲で加熱して揮発成分を充分に揮発させ、加熱前後の重量差により測定する。
【0035】
本発明において使用される発泡層(1)の基材樹脂には、必要に応じて気泡核調整剤、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を添加してもよい。
【0036】
本発明の発泡層(1)の両側には非発泡層(3)、(5)が積層されるが、これは、自動車室内の温度変化時の変形制御、成形時の成形体形状の安定化を図る目的で、発泡層の動きを室内外非発泡層で制御する必要があることによる。
【0037】
非発泡層(3)、(5)の基材樹脂としては、発泡層(1)の基材樹脂よりも軟化温度が低いことが好ましい。さらに、ビカット軟化温度が発泡層(1)の基材樹脂よりも10℃以上低いことが好ましい。これは、非発泡層(3)、(5)の基材樹脂の軟化温度が、発泡層(1)の基材樹脂の軟化温度より高いかまたは同一の場合、非発泡層(3)、(5)の基材樹脂が溶融軟化し不織布層に浸透する程度まで高温に加熱すると、発泡層(1)を形成しているセルが破壊してしまうという問題が発生する可能性があることによる。
【0038】
非発泡層(3)、(5)に用いられる熱可塑性樹脂としては、変性PPE系樹脂からなる発泡層(1)との接着性の観点から、変性PPE系樹脂、耐熱性PS系樹脂が好ましく使用され、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
【0039】
非発泡層(3)には、変性PPE系樹脂が特に好ましく用いられる。変性PPE系樹脂としては、上述の発泡層(1)の場合と同様に、PPE系樹脂にスチレン系化合物を主体とする単量体またはその重合体で重合または混合による変性を行ったものであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂とPS系樹脂との混合物などが挙げられる。これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から好ましい。
【0040】
これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはスチレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、それを使用する理由などは、発泡層(1)において説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、HIPSで代表されるゴム変性ポリスチレン系樹脂が、非発泡層(3)、(5)の耐衝撃性改善効果が大きいという点から追加される。
【0041】
室内側非発泡層(3)に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、自動車室内の温度上昇を加味した耐熱評価温度以上のビカット軟化温度を有するものが好ましい。その理由としては、室内側非発泡層(3)が耐熱評価温度において軟化してしまうと発泡層(1)のセルの動きを制御する働きを担えなくなることによる。
【0042】
室外側非発泡層(5)の基材樹脂として、耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂(耐熱PS系樹脂)を使用する場合は、室内側非発泡層(3)の場合と同様に、耐熱評価温度以上のビカット軟化温度を有し、発泡層の基材樹脂よりもビカット軟化温度が10℃以上低いものが好ましい。
【0043】
非発泡層(5)の基材樹脂として使用される耐熱PS系樹脂は、スチレンまたはその誘導体と他の単量体との共重合体であり、スチレンまたはその誘導体と重合可能な耐熱性の改善効果を有する単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。耐熱性の改善効果を有するスチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体は通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で用いられる。
【0044】
また、耐熱PS系樹脂は、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものとマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。
【0045】
これらのうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体がその耐熱性改善効果、汎用性、コストの面から好ましい。
【0046】
耐熱性PS系樹脂は単独で用いても良く、あるいは2種類以上組み合わせても良い。また、耐熱性PS系樹脂は他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよく、ブレンドする熱可塑性樹脂としては例えば、ポリスチレン、HIPS、ポリカーボネートなどがあげられる。このうちでは汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
【0047】
次に、再生に利用される自動車内装材において、発泡層(1)に積層される非発泡層(3)、(5)の厚さは50〜300μm、更には75〜200μmが好ましい。非発泡層(3)、(5)の厚さが50μmより薄い場合には、強度、剛性、耐熱性などが劣り、300μmより厚い場合には、積層シートの成形性が劣る傾向にある。
【0048】
非発泡層(3)、(5)を形成する場合、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独又は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0049】
耐衝撃性改良剤は、非発泡層(3)、(5)を発泡層(1)に積層し、2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層(3)、(5)の割れなどを防止するのに有効である。耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えばHIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層(3)、(5)に耐衝撃性を付与することができる。
【0050】
再生に利用される自動車内装材は、図1、2に示するように、室外側非発泡層(5)の表面に異音防止用の不織布層(11)が設けられていてもよい。この異音防止用の不織布層(11)は、自動車に装着した場合、車内をクーラー等で急冷した際、また、凹凸のある路面での走行中や急カ−ブでの走行中に発生する異音を防止するのに効果を発揮する。
【0051】
異音防止用の不織布層(11)は、原料繊維を、接着剤、溶融繊維、あるいは機械的方法により接合させた布状物であればいずれの種類でも用いられ得る。原料繊維の種類も特に限定されず、合成繊維、半合成繊維、あるいは天然繊維のいずれをも用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル等の合成繊維や、羊毛、木綿、セルロース等の天然繊維を使用することができるが、中でもポリエステル繊維が好ましく、特に耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
【0052】
また、これらの繊維を単独で使用することも、2種以上を組み合わせ使用することもできる。不織布の種類は、その製造加工方法により、接合バインダー接着布、ニードルパンチ布、スパンポンド布、スプレファイバー布、あるいはステッチボンド布等が挙げられ、いずれの不織布も用いることができる。
【0053】
異音防止用の不織布層(11)は、品質及びコストを考慮すると、10〜50g/m2の目付を有していることが好ましく、更には20〜40g/m2の目付を有していることが好ましい。10g/m2以下の目付けでは、異音防止用の不織布層(11)を設けた箇所において、室外側非発泡層(5)の表面が部分的に露出し有効な異音防止効果が示されないことがある。一方、50g/m2以上の目付けでは、異音防止用の不織布層(11)の成形歪みによって、内装材に耐熱変形が生じたり、コストが無駄に増加したりすることがある。
【0054】
異音防止用の不織布層(11)を自動車内装材用基材に設ける方法としては、接着剤層(7)を介して室外側非発泡層(5)に積層する方法、室外側非発泡層(5)の基材樹脂を溶融させ、溶融した室外側非発泡層(5)の基材樹脂を発泡層(1)と異音防止用の不織布層(11)で圧着し、実質的に接着剤層を使用しないで積層する方法が好ましく、特に実質的に接着剤層を使用しないで積層する方法が好ましい。その理由としては、室外側非発泡層(5)の基材樹脂が適度に異音防止用の不織布層(11)に染み込み、アンカー効果によって良好な接着性が得られ、自動車に装着した際、長期間の使用、過酷な環境下での使用においても脱落のない安定な接着性が得られること、一工程でコア層、非発泡層、不織布層が同時に積層されるため、作業の煩雑さが解消されること、また、実質的に接着剤層を用いないため製造コストの増加を抑えることが可能であること、などが挙げられる。
【0055】
さらに、発泡層(1)の室外側非発泡層(5)との接着面が、溶融した室外側非発泡層(5)の基材樹脂によってダメージを受けにくいこと、室外側非発泡層(5)と異音防止用の不織布層(11)のより強固な接着性が得られることから、溶融した室外側非発泡層(5)の基材樹脂を異音防止用の不織布層(11)で接触させた後、異音防止用の不織布層(11)の反対面から発泡層(1)を溶融した室外側非発泡層(5)の基材樹脂に接触させ、圧着一体化する方法が更に好ましい。
【0056】
再生に利用される自動車内装材は、図1、2に示すように、室内側非発泡層(3)の表面に接着剤層(7)を介して表皮材用の不織布層(9)が積層されている。
【0057】
表皮材用の不織布層(9)としては、原料繊維を、接着剤、溶融繊維、あるいは機械的方法により接合させた布状物であればいずれの種類でも用いられ得る。
原料繊維の種類も特に限定されず、合成繊維、半合成繊維、あるいは天然繊維のいずれをも用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル等の合成繊維や、羊毛、木綿、セルロース等の天然繊維を使用することができるが、中でもポリエステル繊維が好ましく、特に耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
【0058】
表皮材として前記繊維の織布を使用することもできるが、成形加工性の点から、不織布が好ましい。不織布の種類として、その製造加工方法により、接合バインダー接着布、ニードルパンチ布、スパンポンド布、スプレファイバー布、あるいはステッチボンド布等が挙げられ、いずれの不織布も用いることができる。
【0059】
表皮材用の不織布層(9)の自動車内装材との接着方法としては、あらかじめ接着剤層(7)を接着した表皮材を自動車内装材用基材に熱ロール等を用いて接着する方法、あらかじめ接着剤層(7)を接着した自動車内装材用基材に表皮材を仮止めし加熱成形時に成形と接着を同時に行う方法、自動車内装材用基材の製造時に室内側非発泡層(3)の基材樹脂を溶融させ、溶融した室内側非発泡層(3)の基材樹脂を発泡層(1)と表皮材用の不織布層(9)で挟み込み圧着する方法等が挙げられる。なお、自動車内装材用基材の製造時に室内側非発泡層(12)の基材樹脂を溶融させ、溶融した室内側非発泡層(3)の基材樹脂を発泡層(1)と表皮材用の不織布層(9)で挟み込み圧着する方法は、実質的に接着剤層を用いないためコスト的に有利となり更に好ましい。
【0060】
次に、表皮材用の不織布層(9)は、品質およびコストを考慮すると、100〜300g/m2の目付けを有していることが好ましく、更には140〜200g/m2の目付けを有していることが好ましい。100g/m2以下の目付けでは、内装材としての充分な感触を得ることができないことがある。一方、300g/m2以上の目付けでは、表皮材の成形歪みが熱変形に影響を与えることがある。
【0061】
接着剤層(7)としては、少なくとも分子間力、水素結合、共有結合等の化学的な結合で室内側非発泡層(3)と表皮材用の不織布層(9)を接着させる働きを有するものが用いられる。
【0062】
接着剤層(7)の具体例としては、酢酸ビニル系、セルロース系、アクリル系、ポリアミド系、ポリビニルアセテート系等の熱可塑性接着剤、ウレタン系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系等の熱硬化性接着剤、クロロプレンゴム系、二トリルゴム系、シリコーンゴム系等のゴム系接着剤、でんぷん、たん白質、天然ゴム等の天然物系接着剤、ホットメルト接着剤があげられる。これらのなかでは、実用特性上ホットメルト接着剤(ホットメルトフィルム)が好ましい。
【0063】
ホットメルト接着剤の具体例としては、ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系等などの樹脂を成分とする物があげられる。このなかでは、耐熱性、接着性、コスト等から変性ポリオレフィン系ホットメルト接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系ホットメルト接着剤が特に好ましい。なお、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系ホットメルト接着剤は、エチレン成分が多いとn−ヘキサン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸ビニル成分が多いとメタノール、エタノール等のアルコール類に可溶であるという性質を有している。
【0064】
ホットメルト接着剤(ホットメルトフィルム)にはタック性およびヌレ性の改善を目的とした粘着付与剤樹脂を含有しうる。粘着付与剤樹脂としては、ロジン樹脂およびロジン誘導体樹脂、テルペン樹脂および変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂および脂環族系水添石油樹脂などがあげられる。これらのうち、ロジン樹脂およびロジン誘導体樹脂、脂環族系水添石油樹脂は接着性、ベースポリマーとの相溶性に優れているため好ましい。なお、ロジン樹脂およびロジン誘導体樹脂はアルコール類、テルペン油に可溶、脂環族系水添石油樹脂は脂肪族炭化水素類に可溶であるという性質を有している。
【0065】
次にリサイクル樹脂(再生樹脂)を用いた自動車内装材発泡積層シートの例を図面に基づいて詳しく説明する。
【0066】
図3は、本発明の1実施形態に係るリサイクル樹脂(再生樹脂)を用いた自動車内装材用発泡積層シートの構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(10)の両面に、自動車内装材の端材または廃材から再生された樹脂(再生樹脂)を構成樹脂中に含む非発泡層(室内側非発泡層(12)および室外側非発泡層(14))が形成されており、室内側非発泡層(12)の表面に接着剤層(16)を介して表皮材用の不織布層(18)が積層され、室外側非発泡層(14)の表面に実質的に接着剤層を介さずアンカー効果によって異音防止用の不織布層(20)が積層されている。
【0067】
図4は、本発明の他の1実施形態に係るリサイクル樹脂(再生樹脂)を用いた自動車内装材用発泡積層シートの構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(10)の両面に、自動車内装材の端材または廃材から再生された樹脂(再生樹脂)を構成樹脂中に含む非発泡層(室内側非発泡層(12)および室外側非発泡層(14))が形成されており、室内側非発泡層(12)の表面に接着剤層(16)を介して表皮材用の不織布層(18)が積層され、室外側非発泡層(14)の表面に接着剤層(16)を介して異音防止用の不織布層(20)が積層されている。
【0068】
本発明において、非発泡層(12)、(14)に再生樹脂を用いる場合には、該非発泡層の両方又は一方に使用することが可能である。一方のみに再生樹脂を使用する場合には室外側非発泡層(14)に用いるのが好ましい。
【0069】
本発明においては、上記に示したごとき再生樹脂を非発泡層に用いた自動車内装材用発泡積層シートを再生樹脂使用自動車内装材用発泡積層シートと呼ぶ。
【0070】
発泡層(10)、接着剤層(16)、表皮材用の不織布層(18)、異音防止用の不織布層(20)についての詳細な説明は、前記再生に利用される自動車内装材の発泡層(1)、接着剤層(7)、表皮材用の不織布層(9)、異音防止用の不織布層(11)の項で述べたものと同様である。
【0071】
再生樹脂使用自動車内装材用発泡積層シートは、図3、4に示すように発泡層(10)の両面に非発泡層(12)、(14)が積層されている。
【0072】
少なくとも一方の非発泡層(12)、(14)の構成樹脂中には、自動車内装材の端材または廃材から再生された再生樹脂を含む。かかる非発泡層を構成する樹脂中の再生樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%である。
【0073】
非発泡層(12)(14)の構成樹脂として使用される再生樹脂に追加使用される熱可塑性樹脂としては、HIPS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹脂、その他の熱可塑性樹脂などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。これらの内でも、更なるリサイクルの容易性から、変性PPE系樹脂、耐熱PS系樹脂、HIPS系樹脂が好ましく使用される。
【0074】
非発泡層(12)、(14)の基材樹脂は、発泡層(10)の基材樹脂よりも軟化温度が低いことが好ましい。さらに、ビカット軟化温度が発泡層(10)の基材樹脂よりも10℃以上低いことが好ましい。これは、非発泡層(12),(14)の基材樹脂の軟化温度が、発泡層(10)の基材樹脂の軟化温度より高いかまたは同一の場合、非発泡層(12)、(14)の基材樹脂が溶融軟化し不織布層に浸透する程度まで高温に加熱すると、発泡層(10)を形成しているセルが破壊してしまうという問題が発生する可能性があることによる。このため、非発泡層(12)、(14)の基材樹脂のビカット軟化温度を調整するために再生樹脂に上記熱可塑性樹脂を適当量混合させるのが好ましい。
【0075】
また、室内側非発泡層(12)の剛性は、室外側非発泡層(14)の剛性と同等かそれ以上を有することが好ましい。これは、室外側非発泡層(12)は、積層されている発泡層(10)のセルの動きと異音防止材(20)の動きを抑制する働きを担うのに対して、室内側非発泡層(12)は、積層されている発泡層(10)のセル動きを抑制すると同時に、異音防止材(20)に比べて剛性の強い表皮材(18)の動きを抑制する働きを担っていることによる。このため、非発泡層(12)、(14)の剛性を調整するために再生樹脂に上記熱可塑性樹脂を適当量混合させるのが好ましい。
【0076】
さらに、室外側非発泡層(14)の耐衝撃性は、室内側非発泡層(12)の耐衝撃性と同等かそれ以上有することが好ましい。これは、室内側非発泡層(12)に積層されている表皮材(18)は、クッション材として働き、外からの衝撃を低減することが期待出来るのに対して、室外側非発泡層(14)に積層されている異音防止材(20)は、厚みが薄いためクッション材としての働きが期待出来ないことによる。このため、非発泡層(12)、(14)の耐衝撃性を調整するために再生樹脂に上記熱可塑性樹脂を適当量混合させるのが好ましい。
【0077】
さらに、非発泡層(12)、(14)を作成する場合、必要に応じて、基材樹脂に、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独又は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0078】
再生樹脂を使用して得られる本発明の自動車内装材において、発泡層(10)に積層される非発泡層(12)、(14)の厚さは50〜300μm、さらには75〜200μmが好ましい。非発泡層(12)、(14)の厚さが50μmより薄い場合には、強度、剛性、耐熱性などが劣り、300μmより厚い場合には、積層シートの成形性が劣る傾向にある。
【0079】
非発泡層(12)、(14)の少なくとも一方は、基材樹脂として上記再生に利用される自動車内装材の端材または廃材から再生された再生樹脂を含有している。
【0080】
ここで、再生に利用される自動車内装材の端材または廃材とは、自動車内装材の製造に関わる各工程で発生するすべての端材および廃材のことを示し、その具体例としては、発泡シート製造工程で製品巾を調整する際にカットされる端部、発泡積層シート製造工程で製品巾または製品長さを調整する際にカットされる端部、成形工程でトリミング、パンチング加工する際にカットされる端部または廃材、各工程で発生する不良品等があげられる。なお、自動車内装材の製造に際して発生する端材および廃材の中には、再生樹脂使用自動車内装材の製造に際して発生する端材および廃材も含まれるものである。
【0081】
再生樹脂は、自動車内装材および自動車内装材の製造に際して発生する端材および廃材に含まれるホットメルト接着剤層、表皮材層(TPO表皮、ポリエチレン系フォーム緩衝材層)、および自動車内装材の製造に際して発生する端材または廃材の回収時に混入する可能性のあるポリオレフィン系樹脂基材等に由来のポリオレフィン系樹脂の、再生樹脂中に含まれる含有量を10重量%以下に抑え、且つ、再生樹脂中に熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが配合されていることが好ましい。
【0082】
再生樹脂中に含まれるポリオレフィン系樹脂の含有量が10重量%以上の場合、熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマーの相溶性改善効果が有効に発現しない可能性がある。再生樹脂中に含まれるポリオレフィン系樹脂の含有量が10重量%以上の場合は、たとえば、発泡シート製造工程等で発生するポリオレフィン系樹脂を含まない端材等を再生樹脂中に適当量混合することによって、ポリオレフィン系樹脂の含有量を10%以下に調整することが可能である。
【0083】
再生樹脂中に配合される熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。この中では、スチレン系樹脂、PPE系樹脂との相溶性が良好なことからスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0084】
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、たとえばハードセグメントとしてポリスチレンを使用し、ソフトセグメントとしてポリブタジエンを使用したSBS、ポリイソプレンを使用したSIS、水素添加ポリブタジエンを使用したSEBS、水素添加ポリイソプレンを使用したSEPS、無水マレイン酸等で変性した水素添加ポリブタジエンを使用した酸変性SEBS等が挙げられる。この中ではコスト、相溶性改善効果の点から、スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー(SBS)が特に好ましい。
【0085】
再生樹脂中に配合するスチレン系熱可塑性エラストマーの配合量としては、再生樹脂とエラストマーの合計に対して1〜20重量%が好ましく、3〜15重量%がより好ましい。配合量が1重量%以下の場合は相溶性改善効果が発現せず、耐衝撃性の改善が発現しない可能性がある。また、配合量が20重量%以上の場合は非発泡層の剛性が弱くなり、成形体の曲げ剛性が悪化する可能性があり、耐熱時の発泡層の動きを止めることができず、耐熱変形が増大する可能性がある。
【0086】
次に、自動車内装材の端材および廃材から樹脂を再生する方法について説明する。
【0087】
自動車内装材の端材および廃材は、端材および廃材中に含まれる異音防止材および表皮材を実質的に分離除去した後に再生される。
【0088】
ここで、異音防止材および表皮材を実質的に分離除去するとは、再生樹脂を非発泡層として使用する際、実用上問題の無いレベルまで表皮材および異音防止材由来のポリエステル系繊維などの繊維を除去することを意味する。好ましくは、再生樹脂中のポリエステル系繊維などの繊維含有量を3重量%以下に抑える。
【0089】
表皮材(18)、(20)を実質的に分離除去する方法としては、有機溶剤を使用した湿式分離法および乾式分離法があげられる。乾式分離法を用いた分離方法としては、自動車内装材を粉砕、特に衝撃粉砕後、篩で繊維部を分離するか、あるいは衝撃粉砕後、比重分離器で繊維部を分離するのが好ましい。分離精度を上げるために、衝撃粉砕後、篩のパス品を再び衝撃粉砕機のスクリーンの径を小さくして、粉砕後、篩の目空きを小さくして篩を行うことも可能である。又同様に衝撃粉砕後、比重分離したものを再び衝撃粉砕機のスクリーンの径を小さくして比重分離することも可能である。又衝撃粉砕後、篩のパス品を再び衝撃粉砕機のスクリーンの径を小さくして、粉砕後、比重分離することも可能である。
【0090】
湿式分離方法を用いた不織布層の分離方法は、異音防止材が積層されていない自動車内装材、表皮材に加えて異音防止材がホットメルト接着剤を介して基材に積層された自動車内装材に対して特に有効で、ホットメルト接着剤などの接着剤層を溶解または分解し得る有機溶剤を使用して、不織布層を分離除去することができる。
【0091】
これは、接着剤層を溶解または分解し得る有機溶剤中に自動車内装材を浸漬すると、有機溶剤は不織布層中に浸透し、接着剤層が溶解または分解されて、自動車内装材は不織布層が取り除かれた発泡積層体と不織布層に分離する。不織布層が取り除かれた発泡積層体は浮遊し、不織布層は溶剤中に沈殿するので、両者の浮力差を利用して分離回収することができる。この場合、発泡層としては長時間有機溶剤中に浸されても、有機溶剤が発泡体内部まで浸透することの無い独立気泡系の発泡層が好ましい。ここで、独立気泡系の発泡層とは、独立気泡率が70%以上のものをいう。浮力差による分離が効率的に行なえる点で、表皮材、異音防止材としては、密度の高いポリエチレンテレフタレートの不織布が好ましい。
【0092】
有機溶剤としては、接着剤層(16)を溶解または分解し、発泡積層体、異音防止材および表皮材を溶解させない性質を有するものが好ましく用いられ、接着剤の種類、発泡積層体や不織布の種類によって選定される。たとえば、粘着性付与剤樹脂としてロジン樹脂またはロジン誘導体樹脂を含有するホットメルトフィルムまたはエチレン成分が多いエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をベース樹脂とするホットメルトフィルムを接着剤層として使用する場合は、有機溶剤としてメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2-メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールなどのC1〜C4程度の低級脂肪族アルコール類が用いられる。酢酸ビニル成分が多いエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をベース樹脂とするホットメルトフィルムを接着剤層として使用する場合、または脂環族系水添石油樹脂を含有するホットメルトフィルムを接着剤層として使用する場合は、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチル−シクロペンタン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のC5〜C9程度の脂肪族炭化水素類が用いられる。アルコール類としては、安全性、コスト、沸点等からメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のC1〜C3程度の低級脂肪族アルコール類が好ましく、その内でもC1〜C3程度の低級飽和脂肪族アルコール類が特に好ましい。脂肪族炭化水素類としてはペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のC5〜C6程度の脂肪族炭化水素類が好ましく、その内でもC5〜C6程度の飽和脂肪族炭化水素類が特に好ましい。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく2種以上組合せて用いてもよい。また、ホットメルトフィルムを溶解または分解させる性質を阻害しない範囲で水と混合して使用してもよい。
【0093】
さらに、発泡積層体を構成する樹脂がPS系樹脂である場合、溶剤として柑橘類より製造されるリモネンを使用すると、発泡積層体は若干溶解されるが、環境へ悪影響を与えることなく効率的な分離・回収ができる。
【0094】
有機溶剤を使用する分離方法としては、例えば、自動車内装材の廃材を粉砕機により適度なサイズに粉砕処理し、有機溶剤の収容されたタンク中に投入する。10〜30分間溶剤中に浸積することで、ホットメルトフィルムが溶解または分解して、不織布層と発泡積層体が分離される。有機溶剤が浸透しにくい独立気泡系の発泡積層体と有機溶剤が浸透しやすい不織布表皮材を使用することによって、有機溶剤中では密度の関係から表皮材は沈殿し、発泡積層体は浮遊するので容易に分離して回収することができる。分離回収された発泡積層体屑の表面に付着した有機溶剤は、乾燥機、乾燥エアー等で取り除かれる。溶剤として安価で低沸点のアルコール類または安価で低沸点の脂肪族炭化水素類を使用することにより、発泡積層体および表皮材を溶かすことなくホットメルトフィルムのみを選択的に溶解分解し、発泡積層体および表皮材を回収後、付着した有機溶剤を容易に除去出来るため、溶剤による物性低下の懸念が無く再利用が可能となる。
【0095】
回収された発泡積層体(回収樹脂成分)は、好ましくは所定量の熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマーを添加し混合した後、押出機を用いて溶融、混練し、ダイスより押出し樹脂ペレットとして再生される。
【0096】
再生樹脂の製造においては、一般に知られている一軸押出機、二軸押出機が使用される。この中でも特に二軸押出機が好ましい。その理由としては、回収樹脂成分中に含まれる分離が不完全で若干量残った異音防止材および表皮材由来のポリエステル系繊維などの繊維を1mm以下の繊維長まで裁断することでフィルム加工の際、フィッシュアイの発生を抑制出来ることによる。
【0097】
再生樹脂の製造における押出条件としては、たとえば、粉砕法によって回収された樹脂成分中に含まれる分離不完全で残ったポリエステル系繊維などの繊維が溶けない温度(たとえば200〜250℃)で、しかも押出機のダイス部にスクリーンメッシュを挿入して押出を行ない、それによって樹脂中の1mm以上の繊維長を有する繊維分を取り除いてもよく、あるいはポリエステル系繊維などの繊維が溶融する温度以上(ポリエステル系繊維の場合270℃以上)で押出し成形することで溶融微細化し、再生樹脂中に1mm以上の繊維長を有する繊維分が存在しないようにしてもよい。
【0098】
特に一軸押出機を使用して、再生樹脂を製造する際には、ポリエステル系繊維などの繊維が溶解する温度以上(ポリエステル系繊維の場合270℃以上)で押出成形することが好ましい。これは、一軸押出機では、回収樹脂成分中に含まれる分離が不完全で若干量残った繊維を裁断する効果が充分でなく、フィルム加工時のフィッシュアイの発生を抑制するためには、再生樹脂中に1mm以上の繊維長を有する繊維分が存在しないようにする必要があることによる。
【0099】
次に、自動車内装材の製造法について説明する。本発明において使用される発泡層(1)、(10)は、たとえば、各種の添加剤を加えた変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を押出機により150℃〜300℃で溶融・混練し、ついで150〜300℃、3〜30MPaの高温高圧下で樹脂100重量部に対して発泡剤1〜15重量部を圧入し発泡最適温度(150〜300℃)に調整して、サーキュラーダイなどを使用し低圧帯(通常は大気中)に押出した後、マンドレルなどに接触させて、例えば0.5〜40m/分の速度で引き取りながらシート状に成形し、カット後、巻き取るなどの方法により製造することが出来る。
【0100】
発泡層(1)、(10)を製造する際に使用される発泡剤としては、ブタン、プロパン、ペンタンなどの炭化水素系発泡剤があげられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用しても良い。
【0101】
発泡層(1)、(10)に非発泡層(3)、(5)、(12)、(14)を積層する方法としては、予め発泡成形して、供給される発泡層(1)、(10)の上面または下面に押出機から供給した溶融状態でフィルム状の非発泡層(3)、(5)、(12)、(14)を接触させ層状に積層し、冷却ローラーなどによって圧着する方法が好ましい。
【0102】
得られた発泡積層シートから自動車内装材を成形する方法としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に発泡積層シートをクランプして導き、成形に適した温度、例えば120〜200℃に加熱して2次発泡させたのち、温度調整した金型にて異音防止材の設けられた面を自動車の室外側、表皮材の設けられた面を自動車の室内側に配して取り付けるように成形される。
【0103】
成形方法の例としてはプラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法があげられる。
【0104】
発泡積層シートを加熱し2次発泡させる際には、発泡積層シートに対して、通常1.2〜4倍に2次発泡させるが、さらには1.5〜3倍に2次発泡させるのが好ましい。
【0105】
なお、本発明の再生樹脂は、樹脂フィルム、樹脂シート、発泡シートなどの押出成形品の原料として使用することも可能である。
【0106】
自動車内装材の端材または廃材から表皮材、異音防止材を実質的に分離除去した分離回収品から直接フィルムまたはシートを押出し加工、カレンダ−加工またはプレス加工で製造できるが、品質の安定性からペレット状の前記再生樹脂を押出し加工するのが好ましい。
【0107】
再生樹脂の製造に際して、分離回収品に、ポリスチレン系樹脂や変性ポリフェニレンエーテル系樹脂などを添加してペレット状に押出しを行っても良い。
【0108】
また、分離回収品単体からなる再生樹脂ペレットを押出してフイルムまたはシートの成型体を製造することも可能であるが、成型体の物性の点から、分離回収品単体からなる再生樹脂ペレットにポリスチレン系樹脂または変性ポリフェニレンエーテル系樹脂をブレンド後、押出してフィルムまたはシートを製造するか、あるいは分離回収品にポリスチレン系樹脂または変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を添加したペレットを用いてフィルムまたはシートを製造するのが好ましい。
【0109】
さらに、本発明の押出成形用樹脂組成物をより高性能な物にするため、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、等の酸化防止剤、リン系安定剤、等の熱安定剤、等を単独または2種類以上併せて使用することが好ましい。さらに必要に応じて、無機充填剤、安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤などの通常の添加剤を樹脂組成物に配合することが出来る。
【0110】
押出成形品は、具体的には、自動車の内装材として、ドアパネル、ドアトリム、フロントパネル、自動車天井材の一部、例えば、自動車天井材の非発泡層としてや、自動車のトランクル−ムのボ−ドなどに使用可能である。
【0111】
【実施例】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は「重量部」を示す。
【0112】
また、実施例中では耐熱性評価温度として80℃としたが、これは発明を評価するための一つの基準として選択したものであり、現実に適用される耐熱評価温度は各自動車メーカーによって異なるものである。
【0113】
実施例および比較例に用いた樹脂を表1に、また表皮材および異音防止材、接着剤を表2に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
〔樹脂の種類〕
変性PPE :変性ポリフェニレンエーテル
PS :ポリスチレン
SMAA共重合体:スチレン−メタアクリル酸共重合体
HIPS :ハイインパクトポリスチレン
SBS :ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体
SEPS :ポリスチレン−水素添加ポリブタジエンブロック共重合体
酸変性SEBS :ポリスチレン−酸変性水素添加ポリブタジエンブロック共重合体
【0117】
また、実施例および比較例で行った評価方法を以下に示す。
〔発泡層および成形体の厚さ〕
1次発泡シート、成形体の幅方向に20ヶ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0118】
〔発泡倍率〕
1次発泡シートの密度dfをJISK7222に準じて測定し、耐熱性樹脂の密度dpをJISK7112に準じて測定し、次式より求めた。
発泡倍率=dp/df
【0119】
〔独立気泡率〕
ASTMD−2859に準じて評価して求めた(マルチピクノメーター(ベックマン社製)を使用)。
【0120】
〔セル径〕
発泡層の断面を光学顕微鏡で観察し、20個のセル径を測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0121】
〔目付〕
1次発泡シートの押出し方向に5ヶ所より、10cm×10cmの大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定したのち、平均値を算出した。
【0122】
〔ビカット軟化温度〕
JIS K 7206に準じて測定した。
【0123】
〔IZOD衝撃値〕
JIS K 6911,5.21に準じ、2号試験片を使用し、ノッチ有りで測定した。
【0124】
〔実装耐熱性試験〕
図5に示すような自動車天井材22(幅930mm×長さ1424mm)を自動車天井部(カットボディ)に装着し、サンバイザー、ルームミラー、ルームランプ、ガニッシュ、ピラーを介して実車と同等となるように固定した。なお、図中24はアシストグリップ取付穴、26はサンバイザー取付穴、28はサンバイザー留め取付孔、30はルームミラー取付穴、32は室内灯取付穴である。また、フロント部分に測定点を6点、成形体の中心線と対称に120mm間隔で刻印した(図5中a〜f)。フロント部の測定点付近に標線を設け垂直方向の距離を測定した。次に、80±1℃に設定した恒温室に、天井材を取付けた自動車天井部を24時間投入した後、成形体フロント部に刻印された測定点の、垂直方向寸法変化量の絶対値を測定した。
判定の基準としては自動車内装材としての実用性を考慮して、以下の基準を用いた。
○・・・フロント部の変形量の絶対値が2mm以内
×・・・フロント部の変形量の絶対値が2mm以上
【0125】
〔落球衝撃試験〕
自動車天井材の一般部から300mm×300mmのサンプルを切り出し、0℃恒温層中に室外側を上にして2時間以上放置の後、2mの高さから、45g(22φ)の鉄球を自然落下させ、室外側非発泡層の割れの有無を観察した。
判定の基準としては自動車内装材としての実用性を考慮して、以下の基準を用いた。
○・・・非発泡層の割れ無し
×・・・非発泡層の割れ有り
【0126】
実施例1
〔再生に利用される自動車天井材の製造方法〕
PPE系樹脂成分40重量%,PS系樹脂成分60重量%となるように変性PPE系樹脂(A)57.1部とPS系樹脂(B)42.9部とを混合した混合樹脂(ビカット軟化温度145℃)100部に対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15)3.4部およびタルク0.32部を押出機により混練した。この混練樹脂をサーキュラーダイスより樹脂温200℃で押出し、8m/分の速さの引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻取り、一次厚み2.4mm、一次発泡倍率12倍、独立気泡率90%、セル径0.19mm、目付け180g/m2の発泡シートを得た。
【0127】
次いで、この発泡シートをロールより8m/分の速さで繰り出しながら、SMAA共重合体樹脂(C)50部とHIPS樹脂(D)50部の混合樹脂(ビカット軟化温度115℃)を樹脂温度が245℃となるように押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、更に、異音防止材(K1)を供給し、溶融状態でフィルム状の非発泡層を、まず異音防止材(K1)を接触させた後、溶融状態でフィルム状の非発泡層を発泡層と異音防止材で挟み込む形で積層し、発泡シートの片面(室外側)に厚さ150μmの耐熱性の改善されたPS系樹脂非発泡層を形成した。
【0128】
更に、この耐熱性の改善されたPS系樹脂非発泡層を形成したシートをロールから8m/分の速さで繰り出しながら、PPE系樹脂成分20重量%、PS系樹脂成分80重量%となるように変性PPE系樹脂(A)28.6部、PS系樹脂(B)71.4部を混合した混合樹脂(ビカット軟化温度125℃)を樹脂温度が265℃となるように押出機で溶融・混練しTダイを用いてフィルム状に押出し、発泡積層シートの他方の面(室内側)に厚さ120μmの変性PPE系樹脂非発泡層を形成し、非発泡層を両面に積層した発泡積層シート(I)を得た。
【0129】
得られた発泡積層シート(I)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。
【0130】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、変性PPE系樹脂非発泡層が車内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0131】
〔自動車天井材の端材の再利用〕
上記自動車天井材の成形加工時に発生したトリミング屑を回収した。回収されたトリミング屑を、粉砕機により5mmサイズのチップ状に粉砕し、篩および比重分離により不織布層(表皮材、異音防止材)を分離、除去した。得られた基材粉砕分離品にSBS(E)を5部添加し、さらに自動車天井材用PP架橋発泡シートを5部添加して270℃に加熱された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、押出機先端に取り付けた100メッシュのスクリーンを通過させた後、孔状のダイスより樹脂を押出した。なお、溶融・混練時にはベント孔より発生するガス成分を回収した。このようにして再生樹脂(a)を採取した。
【0132】
室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(a)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(a)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、自動車内装材用発泡積層シートの製造方法と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(II)を得た。
【0133】
得られた発泡積層シート(II)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。
【0134】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0135】
得られた自動車天井材の一般部を切り出し、0℃で室外側より落球衝撃試験を実施した。また、得られた自動車天井材をカットボディに装着し、80℃の耐熱試験を実施した。得られた結果を表4に示す。また、室内側および室外側非発泡層の構成樹脂の物性を表3に示す。
【0136】
実施例2
基材粉砕分離品にSBS(E)を10部添加する以外は実施例1と同様にして、再生樹脂(b)を採取した。室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(b)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(b)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、実施例1の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(III)を得た。
【0137】
得られた発泡積層シート(III)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。
【0138】
その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0139】
得られた自動車天井材の一般部を切り出し、0℃で室外側より落球衝撃試験を実施した。また、得られた自動車天井材をカットボディに装着し、80℃の耐熱試験を実施した。得られた結果を表4に示す。また、室内側および室外側非発泡層の構成樹脂の物性を表3に示す。
【0140】
実施例3
基材粉砕分離品にSEPS(F)を5部添加する以外は実施例1と同様にして、再生樹脂(c)を採取した。
【0141】
室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(c)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(c)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、実施例1の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(IV)を得た。
【0142】
得られた発泡積層シート(IV)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。
【0143】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0144】
得られた自動車天井材の一般部を切り出し、0℃で室外側より落球衝撃試験を実施した。また、得られた自動車天井材をカットボディに装着し、80℃の耐熱試験を実施した。得られた結果を表4に示す。また、室内側および室外側非発泡層の構成樹脂の物性を表3に示す。
【0145】
実施例4
基材粉砕分離品に酸変性SEBS(G)を5部添加する以外は実施例1と同様にして、再生樹脂(d)を採取した。室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(d)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(d)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、実施例1の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(V)を得た。
【0146】
得られた発泡積層シート(V)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。
【0147】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0148】
得られた自動車天井材の一般部を切り出し、0℃で室外側より落球衝撃試験を実施した。また、得られた自動車天井材をカットボディに装着し、80℃の耐熱試験を実施した。得られた結果を表4に示す。また、室内側および室外側非発泡層の構成樹脂の物性を表3に示す。
【0149】
比較例1
上記実施例1〜4において、再生樹脂の製造用に使用された自動車天井材の一般部を切り出し、0℃で室外側より落球衝撃試験を実施した。また、この自動車天井材をカットボディに装着し、80℃の耐熱試験を実施した。得られた結果を表4に示す。また、室内側および室外側非発泡層の構成樹脂の物性を表3に示す。
【0150】
比較例2
実施例1で得られた基材粉砕分離品に自動車天井材用PP架橋発泡シートを5部添加して270℃に加熱された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、押出機先端に取り付けた100メッシュのスクリーンを通過させた後、孔状のダイスより樹脂を押出した。なお、溶融・混練時にはベント孔より発生するガス成分を回収した。このようにして再生樹脂(e)を採取した。
【0151】
室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(e)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(e)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、実施例1の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(VI)を得た。
【0152】
得られた発泡積層シート(VI)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。
【0153】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0154】
得られた自動車天井材の一般部を切り出し、0℃で室外側より落球衝撃試験を実施した。また、得られた自動車天井材をカットボディに装着し、80℃の耐熱試験を実施した。得られた結果を表4に示す。また、室内側および室外側非発泡層の構成樹脂の物性を表3に示す。
【0155】
表3および表4より再生樹脂を非発泡層の構成樹脂に使用した自動車天井材は、相溶化剤である熱可塑性エラストマーを添加することによって、再生樹脂を構成樹脂に使用しない自動車天井材と同様に実用上遜色の無い特性を有しており、再生樹脂を構成樹脂に使用することが可能であることがわかる。
【0156】
【表3】
【0157】
【表4】
【0158】
実施例5
〔再生に利用される自動車天井材の製造方法〕
PPE系樹脂成分40重量%,PS系樹脂成分60重量%となるように変性PPE系樹脂(A)57.1部とPS系樹脂(B)42.9部とを混合した混合樹脂(ビカット軟化温度145℃)100部に対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15)3.4部およびタルク0.32部を押出機により混練した。この混練樹脂をサーキュラーダイスより樹脂温200℃で押出し、8m/分の速さの引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻取り、一次厚み2.4mm、一次発泡倍率12倍、独立気泡率90%、セル径0.19mm、目付け180g/m2の発泡シートを得た。
【0159】
次いで、上記発泡シートをロールより8m/分の速さで繰り出しながら、SMAA共重合体樹脂(C)50部とHIPS樹脂(D)50部の混合樹脂(ビカット軟化温度115℃)を樹脂温度が245℃となるように押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、溶融状態でフィルム状の非発泡層を発泡シート表面に接触させ、発泡シートの片面(室外側)に厚さ150μmの耐熱性の改善されたPS系樹脂非発泡層を形成した。
【0160】
更に、この耐熱性の改善されたPS系樹脂非発泡層を形成したシートをロールから8m/分の速さで繰り出しながら、PPE系樹脂成分20重量%、PS系樹脂成分80重量%となるように変性PPE系樹脂(A)28.6部、PS系樹脂(B)71.4部を混合した混合樹脂(ビカット軟化温度125℃)を樹脂温度が265℃となるように押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出した溶融状態でフィルム状の非発泡層を、発泡積層シートの他方の面(室内側)に接触させ、厚さ120μmの変性PPE系樹脂非発泡層を形成し、非発泡層を両面に積層した発泡積層シート(VII)を得た。
【0161】
得られた発泡積層シート(VII)の室外側非発泡層上に、片側表面にホットメルト接着剤が点在した異音防止材(K2)を、点在したホットメルト接着剤が室外側非発泡層に接触するように配して120℃の熱ロールにて熱圧着した。
【0162】
さらに、発泡積層シート(A)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。
【0163】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、変性PPE系樹脂非発泡層が車内側になるように金型に配置し、金型クリアランス4.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0164】
上記構成の自動車天井材を粉砕機により5mmサイズのチップ状に粉砕し、エタノールが入ったタンクの中に粉砕チップを投入した。30分放置後、表皮材および異音防止材と発泡積層体が完全に分離していることが確認された。また、表皮材および異音防止材が沈殿し、発泡積層体が浮遊していることが確認された。浮遊している発泡積層体を10メッシュの網ですくい上げ回収した。回収された発泡積層体を80℃のオーブン中に1時間放置し、発泡積層体表面に付着したエタノールを取り除いた後、SBSを5部添加し、さらに自動車天井材用PP架橋発泡シートを5部添加して270℃に加熱された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、孔状のダイスより樹脂を押出した。なお、溶融・混練時にはベント孔より発生するガス成分を回収した。このようにして溶剤の含まない再生樹脂(f)を採取した。
【0165】
室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(f)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(f)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、実施例1と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(VIII)を得た。
【0166】
得られた発泡積層シート(VIII)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M1)を介して仮止めした。
【0167】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M1)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0168】
実施例6
ホットメルトフィルム(M2)を使用したこと以外は、実施例5と同様にして自動車天井材を得た。
【0169】
上記構成の自動車天井材のトリミング屑を粉砕機により5mmサイズのチップ状に粉砕し、エタノールが入ったタンクの中に粉砕チップを投入した。30分放置後、表皮材および異音防止材と発泡積層体が完全に分離していることが確認された。また、表皮材および異音防止材が沈殿し、発泡積層体が浮遊していることが確認された。浮遊している発泡積層体を10メッシュの網ですくい上げ回収した。回収された発泡積層体を80℃のオーブン中に1時間放置し、発泡積層体表面に付着したエタノールを取り除いた後、SBSを5部添加し、さらに自動車天井材用PP架橋発泡シートを5部添加して270℃に加熱された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、孔状のダイスより樹脂を押出した。なお、溶融・混練時にはベント孔より発生するガス成分を回収した。このようにして溶剤の含まない再生樹脂(g)を採取した。
【0170】
室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(g)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(g)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、実施例1における自動車内装材用発泡積層シートの製造方法と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(IX)を得た。
【0171】
得られた発泡積層シート(IX)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M2)を介して仮止めした。
【0172】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M2)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0173】
実施例7
ホットメルトフィルム(M3)を使用したこと以外は、実施例5と同様にして自動車天井材を得た。
【0174】
上記構成の自動車天井材のトリミング屑を粉砕機により5mmサイズのチップ状に粉砕し、エタノールが入ったタンクの中に粉砕チップを投入した。30分放置後、表皮材および異音防止材と発泡積層体が完全に分離していることが確認された。また、表皮材および異音防止材が沈殿し、発泡積層体が浮遊していることが確認された。浮遊している発泡積層体を10メッシュの網ですくい上げ回収した。回収された発泡積層体を80℃のオーブン中に1時間放置し、発泡積層体表面に付着したエタノールを取り除いた後、SBSを5部添加し、さらに自動車天井材用PP架橋発泡シートを5部添加して270℃に加熱された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、孔状のダイスより樹脂を押出した。なお、溶融・混練時にはベント孔より発生するガス成分を回収した。このようにして溶剤の含まない再生樹脂(h)を採取した。
【0175】
室内側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(h)を使用し、室外側非発泡層の構成樹脂に再生樹脂(h)70部、HIPS樹脂(D)30部を使用した以外は、実施例1における自動車内装材用発泡積層シートの製造方法と同様にして自動車内装材用発泡積層シート(X)を得た。
【0176】
得られた発泡積層シート(X)の室内側非発泡層上に、表皮材(L)をホットメルトフィルム(M3)を介して仮止めした。
【0177】
この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(M3)面に表皮材(L)を仮止めした表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、表皮材(L)が室内側になるように金型に配置し、金型クリアランス5.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車天井材を得た。
【0178】
比較例3
実施例5と同様の構成からなる自動車天井材のトリミング屑を用いて、粉砕機により5mmサイズのチップ状に粉砕し、粉砕屑を270℃に加熱された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、孔状のダイスより樹脂を押出し再生樹脂(i)を得た。
【0179】
再生樹脂(i)70部、HIPS樹脂(D)30部の混合樹脂を270℃に加熱された単軸押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出したところ、縞模様の厚みムラの多いフイルムが得られた。厚み調整すると部分的に裂けが発生し均一なフイルムを採取することはできなかった。
【0180】
以上の結果から、表皮材、異音防止材と発泡積層体をホットメルト接着剤を介して積層一体化して製造された自動車内装材は、有機溶剤中に積層構造の廃材を浸すことで不織布表皮材、不織布異音防止材から溶剤が進入し、ホットメルト接着剤が溶解されて容易に表皮材、異音防止材と発泡積層体に分離すること、更に、分離した表皮材と発泡積層体には大きな密度差があり、溶剤中で浮遊物と沈殿物に分かれるので樹脂成分(発泡積層体)を容易に回収することができることが分かる。このことから溶剤を用いて発泡積層体を溶解したのち蒸留によって分離回収する方法に比べ、非常に簡便に分離回収が出来る。
【0181】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、自動車内装材の端材や廃材から簡便な操作で樹脂成分を回収することができ、自動車内装材に要求される品質を損なうことなく、自動車内装材の製造に再利用することができる。本発明はリサイクル樹脂を製品に戻す方策を提示するものであり、最近の環境負荷の抑制に向けた市場ニ−ズに工業レベルで対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る再生に利用される自動車内装材の一実施態様を示す部分断面説明図である。
【図2】本発明に係る再生に利用される自動車内装材の他の一実施態様を示す部分断面説明図である。
【図3】本発明に係る再生樹脂を使用した自動車内装材用発泡積層シートの一実施態様を示す部分断面説明図である。
【図4】本発明に係る再生樹脂を使用した自動車内装材用発泡積層シートの他の一実施態様を示す部分断面説明図である。
【図5】本発明に係るトリミング加工を施した自動車天井材の一例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1 発泡層
3 室内側非発泡層
5 室外側非発泡層
7 接着剤層
9 表皮材用不織布層
11 異音防止用不織布層
10 発泡層
12 室内側非発泡層
14 室外側非発泡層
16 接着剤層
18 表皮材用不織布層
20 異音防止用不織布層
22 自動車天井材
24 アシストグリップ取付け穴
26 サンバイザー取付け穴
28 サンバイザー留め取付け穴
30 ルームミラー取付け穴
32 室内灯取付け穴
Claims (22)
- 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層およびその両面に積層された非発泡層からなる発泡積層シートであり、少なくとも一方の非発泡層の構成樹脂中に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートおよびその一方の表面に積層された表皮材および他方の表面に適宜積層された異音防止材からなる自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去した後に再生することによって得られる再生樹脂を含み、かつ該再生樹脂中にポリオレフィン系樹脂とスチレン系熱可塑性樹脂エラストマーが含まれていることを特徴とする自動車内装材用発泡積層シート。
- 非発泡層の構成樹脂中に含まれる再生樹脂の含有量が50重量%以上である請求項1記載の自動車内装材用発泡積層シート。
- 再生樹脂が0.1〜10重量%のポリオレフィン系樹脂を含有している請求項1または2記載の自動車内装材用発泡積層シート。
- 再生樹脂中に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーの含有量が1〜20重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート。
- 再生樹脂中に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーがスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー(SBS)である請求項1〜4のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート。
- 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層およびその両面に積層された非発泡層からなる発泡積層シートであり、少なくとも一方の非発泡層の構成樹脂中に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートおよびその一方の表面に積層された表皮材および他方の表面に適宜積層された異音防止材からなる自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去した後に再生することによって得られる再生樹脂を含み、再生樹脂を含有する非発泡層が該層に対してポリエステル系繊維を0.1〜3重量%含有し、かつその繊維長が1mm以下であることを特徴とする自動車内装材用発泡積層シート。
- 発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度が、その両面に積層される非発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度より高い請求項1〜6のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート。
- 発泡層の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル成分35〜75重量%およびスチレン系成分65〜25重量%からなる請求項1〜7のいずれかに記載の自動車内装材用発泡積層シート。
- 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された発泡積層シートおよびその一方の表面に積層された表皮材および他方の表面に適宜積層された異音防止材からなる自動車内装材の再利用方法であって、前記と同一構造を有する発泡積層シートの製造において、前記自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去した後に再生することによって得られた再生樹脂を含有する樹脂から、発泡積層シートの少なくとも一方の非発泡層を形成することを特徴とする自動車内装材の再利用方法。
- 非発泡層の構成樹脂中に含まれる再生樹脂の含有量が50重量%以上である請求項9記載の自動車内装材の再利用方法。
- 自動車内装材の端材または廃材を粉砕後、篩および/または比重分離で、自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する請求項9または10記載の自動車内装材の再利用方法。
- 自動車内装材の端材または廃材を有機溶剤中に含浸し、自動車内装材の端材または廃材から表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する請求項9または10記載の自動車内装材の再利用方法。
- 自動車内装材の端材または廃材に含まれる表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する際に使用される有機溶剤がアルコール類であることを特徴とする請求項9、10または12記載の自動車内装材の再利用方法。
- 自動車内装材の端材または廃材に含まれる表皮材と異音防止材を実質的に分離除去する際に使用される有機溶剤が脂肪族炭化水素類であることを特徴とする請求項9、10または12記載の自動車内装材の再利用方法。
- 再生樹脂が、端材または廃材から回収された発泡積層シート部分を270℃以上の温度で押出成形することによって再生された樹脂である請求項9〜14のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
- 再生樹脂が0.1〜10重量%のポリオレフィン系樹脂を含有する請求項9〜15のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
- 再生樹脂中に、合計量に対して1〜20重量%のスチレン系熱可塑性エラストマーが配合されている請求項9〜16のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
- 再生樹脂中に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーがスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー(SBS)である請求項9〜17のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
- 発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度が、その両面に積層される非発泡層を構成する基材樹脂のビカット軟化温度より高い請求項9〜18のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
- 非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる請求項9〜19のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
- 非発泡層を構成する熱可塑性樹脂が耐熱性の改善されたポリスチレン系樹脂からなる請求項9〜20のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
- 発泡層の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル成分35〜75重量%およびスチレン系成分65〜25重量%からなる請求項9〜21のいずれかに記載の自動車内装材の再利用方法。
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