JP2002264130A - 自動車内装材のリサイクル方法 - Google Patents

自動車内装材のリサイクル方法

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JP2002264130A
JP2002264130A JP2001063519A JP2001063519A JP2002264130A JP 2002264130 A JP2002264130 A JP 2002264130A JP 2001063519 A JP2001063519 A JP 2001063519A JP 2001063519 A JP2001063519 A JP 2001063519A JP 2002264130 A JP2002264130 A JP 2002264130A
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skin material
recycling
organic solvent
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JP2001063519A
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Toru Ueda
亨 上田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットメルト接着剤を介して表皮材と発泡積
層体が積層一体化されてなる自動車内装材の廃材および
/又は成形加工時に発生する端材について、表皮材と発
泡積層体を完全に分離し再利用する方法を得る。 【解決手段】 自動車内装材を有機溶剤中に浸すことで
表皮材から溶剤が進入し、ホットメルトフィルムを溶解
または分解させることで、容易に表皮材と発泡積層体が
層分離することが可能となる。更に、分離した表皮材と
発泡積層体には大きな密度差があり、溶剤中で浮遊物と
沈殿物に分離できる。また、使用する溶剤として安価で
低沸点のアルコール類または、安価で低沸点の脂肪族炭
化水素類を使用することで、発泡積層体および表皮材を
溶かすことなくホットメルトフィルムのみを選択的に溶
解又は分解できる。更に、発泡積層体および表皮材を回
収後、付着した有機溶剤を容易に除去することが可能
で、溶剤による物性低下を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車内装材の廃材
及び/又は成形加工時に発生する端材のリサイクル方法
に関する。さらに詳しくは、ホットメルト接着材を介し
て表皮材と発泡積層体が積層一体化されてなる自動車内
装材のリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車内装材として、発泡積層
体に意匠面を考慮して不織布製の表皮材を積層したもの
が広く用いられてきた。このような発泡積層体を用いた
自動車内装材は、軽量で断熱性が高く、成形加工性に優
れるという特徴が有る。
【0003】発泡積層体としてはスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体樹脂からなる発泡層の上下面にスチレン−
無水マレイン酸共重合体樹脂からなる非発泡層を積層し
たものや、耐熱性に優れた変性ポリフェニレンエーテル
系樹脂(以下「変性PPE系樹脂」と記す。)発泡層の
両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層したものが広
く用いられており、表皮材としてはポリエチレンテレフ
タレート系不織布(以下「PET系不織布」と記す。)
が広く用いられている。
【0004】また、表皮材と熱可塑性樹脂で構成される
発泡積層体を積層一体化する方法としてはホットメルト
接着剤としてホットメルトフィルムを使用することが一
般的である。ホットメルトフィルムは、構成成分として
ベースポリマー、粘着付与剤樹脂、ワックス、可塑剤、
充填剤および酸化防止剤等からなり、ベースポリマー、
粘着付与剤樹脂、ワックスが構成比率の大部分を占め
る。ベースポリマーとしてはエチレン酢酸ビニル共重合
体樹脂が広く使用されており、粘着付与剤樹脂としては
ロジンおよびロジン誘導体が広く使用されている。
【0005】自動車内装材の成形加工においては、多く
のトリミングロスや成形不良等により大量の廃棄物が発
生する。例えば成形天井の生産工程においては端材に限
っても原反に対して約25%程度発生すると言われてい
る。
【0006】これらの発生した廃棄物は、現在のところ
焼却処理している状況であるが、環境保全や資源の有効
利用の観点からマテリアルリサイクルの要求が高まって
いる。自動車内装材のマテリアルリサイクルでは、特
に、基材樹脂を表皮等の他の素材から分離することが基
本となり、完全に分離出来ればリサイクルも容易に実現
されると考えられる。この分離技術は、端材や廃材が細
かく粉砕された後、素材毎に分別するものであり、乾式
では一般に風力選別機が使用される。この風力選別機の
分離性能は、表皮材の種類、粉砕度合や粒度均一性、風
力等に依存し、現状では完全に分離することは不可能で
ある。なお、表皮材を不完全な状態で分離した発泡成形
体を粉砕し、原材料に混合して発泡シートを作製する試
みもなされてはいるが(特開平11−156854号公
報)、残存する表皮材成分が発泡の際に悪影響を及ぼ
し、安定した品質の発泡シートが得られない可能性があ
る。
【0007】また、分離方法を湿式にして水流選別等の
手法によって、熱可塑性樹脂発泡積層シートと表皮材を
完全に分離することも考えられるが、高価な設備が必要
とされ、コスト的に不利である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意研究の結果、ア)熱可塑性樹脂発泡積
層体と表皮材を溶解することなく、ホットメルトフィル
ムのみを選択的に溶解または分解する有機溶剤が存在す
ること。イ)有機溶剤が浸透しにくい独立気泡系の発泡
積層体と有機溶剤が浸透しやすい不織布表皮材を使用す
ることによって、有機溶剤中では密度の関係から熱可塑
性樹脂発泡積層体は浮遊し、表皮材は沈殿すること。に
着眼点を置き以下のリサイクル方法を見出した。
【0009】すなわち、本発明は〔1〕.表皮材(1)
と発泡積層体(2)をホットメルト接着剤(6)を介し
て積層一体化して得られる自動車内装材のリサイクル方
法であって、該自動車内装材の廃材及び/又は成形加工
時に発生する端材に含まれる表皮材(1)と発泡積層体
(2)を、有機溶剤を使用して分離・回収し、再利用す
ることを特徴とする自動車内装材のリサイクル方法。
【0010】〔2〕.自動車内装材の廃材および/又は
端材を粉砕処理し、有機溶剤中に浸すことで、ホットメ
ルト接着剤(6)を該有機溶剤で溶解することにより表
皮材(1)と発泡積層体(2)を分離し、該有機溶剤中
の表皮材(1)と発泡積層体(2)の浮力差を利用して
回収することを特徴とする〔1〕記載の自動車内装材の
リサイクル方法。
【0011】〔3〕.有機溶剤としてアルコール類を用
いることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の自動車内
装材のリサイクル方法。
【0012】〔4〕.有機溶剤として脂肪族炭化水素類
を用いることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の自動
車内装材のリサイクル方法。
【0013】〔5〕.ホットメルト接着剤(6)の構成
成分としてロジンおよびロジン誘導体を含むことを特徴
とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の自動車内
装材のリサイクル方法。
【0014】〔6〕.ホットメルト接着剤(6)の構成
成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含むこ
とを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の
自動車内装材のリサイクル方法。
【0015】〔7〕.ホットメルト接着剤(6)の構成
成分として脂肪族系石油樹脂を含むことを特徴とする
〔1〕、〔2〕または〔4〕のいずれか1項に記載の自
動車内装材のリサイクル方法。
【0016】〔8〕.表皮材(1)がポリエステル系不
織布であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか
1項に記載の自動車内装材のリサイクル方法。
【0017】
〔9〕.発泡積層体(2)が耐熱性樹脂を
基材樹脂とする発泡層(3)の両面に、熱可塑性樹脂を
基材樹脂とする非発泡層(4、5)を積層した構造を有
することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に
記載の自動車内装材のリサイクル方法。
【0018】〔10〕.発泡層(3)の基材樹脂が変性
ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とす
る〔1〕〜
〔9〕のいずれか1項に記載の自動車内装材
のリサイクル方法。
【0019】〔11〕.非発泡層(4、5)の基材樹脂
が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴
とする〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の自動車
内装材のリサイクル方法。
【0020】〔12〕.発泡層(3)の基材樹脂である
変性ポリフェニレンエーテル系樹脂中のフェニレンエー
テル成分の含有量が35重量%〜75重量%であり、ス
チレン系成分の含有量が65重量%〜25重量%である
ことを特徴とする〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記
載の自動車内装材のリサイクル方法である。
【0021】本発明のリサイクル方法は、a)有機溶剤
中に積層構造の廃材を浸すことで不織布表皮材から溶剤
が進入し、ホットメルトフィルムを溶解または分解させ
ることで、容易に表皮材と発泡積層体が層分離するこ
と、b)更に、分離した表皮材と発泡積層体には大きな
密度差があり、溶剤中で浮遊物と沈殿物に分離できるこ
とから、溶剤を用いて発泡積層体を溶解したのち蒸留に
よって分離回収する方法に比べ、非常に簡便に分離回収
できること、c)また、使用する溶剤として安価で低沸
点のアルコール類または、安価で低沸点の脂肪族炭化水
素類を使用することにより発泡積層および表皮材を溶か
すことなくホットメルトフィルムのみを選択的に溶解ま
たは分解し、発泡積層体および表皮材を回収後、付着し
た有機溶剤を容易に除去できること、に基づいている。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る自動車内装材
のリサイクル方法について以下に説明する。図1は、本
発明の1実施形態に係る自動車内装材の構成を示すもの
であり、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(3)の両
面に、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(車内側
非発泡層(4)および車外側非発泡層(5))が形成さ
れてなり、車内側非発泡層(4)の上面にホットメルト
接着剤層(6)を介して表皮材(1)が積層されてい
る。
【0023】耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(3)
は自動車内装材の基体となる層であり、この層(3)が
耐熱性および成形性が良好な樹脂から形成されているの
で、発泡積層成形体である自動車内装材が容易に成形で
きる。また、この層(3)が発泡層であるため、軽量
で、断熱性に優れ、また密度が低いため使用樹脂量が少
量で済み、コスト競争力を有するものとなる。
【0024】本発明の発泡層(3)の基材樹脂として使
用される耐熱性樹脂は、耐熱性を有するとして当業者に
知られるいずれの樹脂をも用いることができる。例示す
れば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等
の耐熱ポリスチレン系樹脂;ポリスチレンあるいは耐熱
ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)との
ブレンド体、PPEへのスチレングラフト重合物などの
スチレン・フェニレンエーテル共重合体、等の変性ポリ
フェニレンエーテル系樹脂(変性PPE系樹脂);ポリ
カーボネート樹脂;およびポリブチレンテレフタレート
やポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステ
ル樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンで例示されるポ
リオレフィン樹脂などである。これらの樹脂は、2種以
上を用いることもできる。
【0025】この中でも、変性PPE系樹脂を発泡層
(3)の基材樹脂として使用すると、耐熱性および剛性
等の品質に優れているうえに、加工性および製造が容易
である点で好ましい。
【0026】変成PPE系樹脂に使われるPPE系樹脂
としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン
−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル
フェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチル
フェニレンー1,4−エーテル)、 ポリ(2,6−ジ
プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−
メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフ
ェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6
−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−
エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等
が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用
いられる。
【0027】変性PPE系樹脂中、PPE系樹脂と混合
樹脂を形成するPS系樹脂はスチレンまたはその誘導
体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メ
チルスチレン、エチルスチレン等を主成分とする樹脂で
ある。したがって、PS系樹脂はスチレンまたはスチレ
ン誘導体だけからなる単独重合体に限らず他の単量体と
共重合することによって作られた共重合体であってもよ
い。
【0028】また、前記PPE系樹脂に重合、好ましく
はグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例として
は、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチ
レン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合
わせてもよい。これらのうちではスチレンが、汎用性、
コストの点から好ましい。
【0029】本発明の発泡層に使用される基材樹脂とし
て、変成PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレンエ
ーテル成分として35〜75重量部、スチレン成分とし
て65〜25重量部が好ましく、更に好ましくは、フェ
ニレンエーテル成分として35〜60重量部、スチレン
成分として65〜40重量部、特に好ましくは、フェニ
レンエーテル成分として38〜58重量部、スチレン成
分として62〜42重量部がよい。PPE系樹脂の混合
割合が少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹
脂の混合割合が多いと、加熱流動時の粘度が上昇し発泡
成形が困難になる傾向がある。
【0030】本発明において使用される発泡層(3)の
基材樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、耐衝撃性改良
剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭
気低減剤等を添加してもよい。
【0031】さらに、発泡層(3)としては長時間有機
溶剤中に浸されても、有機溶剤が発泡体内部まで浸透す
ることの無い独立気泡系の発泡層が好ましい。ここで、
独立気泡系の発泡層とは、独立気泡率が70%以上のも
のをいう。
【0032】次に、本発明に係る自動車内装材には、発
泡層(3)の両面に熱可塑性樹脂の非発泡層(4,5)
が形成される。これら非発泡層(4,5)のうち、車内
側非発泡層(4)は、その一方の表面に積層される表皮
材(1)の加熱収縮を抑制する働きと、他方の表面にあ
る発泡層(3)の成形時に延伸され扁平となったセル
が、加熱時に扁平率を解消する方向に形状を変化させる
ことによる加熱収縮を抑制する働きを有する。また、車
外側非発泡層(5)は、発泡層(3)の加熱収縮を抑制
する働きを有する。
【0033】ここで発泡層(3)の加熱収縮率はセル形
状、養生によるセル内圧の変化、独立気泡率、加熱温度
等により大きく影響され、その収縮率を制御することは
非常に困難である。しかしながら、高温下でのフロント
部の変形は発泡層(3)の加熱収縮率に大きく左右され
るため、発泡層(3)の加熱収縮率を発泡層(3)の両
面に積層された非発泡層(4、5)で抑制することが重
要となる。
【0034】次に、非発泡層(4、5)に用いられる熱
可塑性樹脂としては、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂な
どが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合
わせて用いられるが、発泡層(3)として変性PPE系
樹脂を使用する場合は、該樹脂層との接着性の観点か
ら、変性PPE系樹脂、耐熱PS系樹脂が好ましく使用
される。
【0035】非発泡層(4、5)として変性PPE系樹
脂を使う場合は、上述の発泡層(3)の場合と同様に、
PPE系樹脂とスチレン系化合物を主体とする単量体ま
たはその重合体で重合または混合による変性を行ったも
のであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合
樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたP
PE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂ま
たはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系
樹脂とPS系樹脂との混合物などが挙げられる。これら
のうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂
が、製造が容易であるなどの点から好ましい。
【0036】これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはス
チレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS
系樹脂やスチレン系単量体と重合可能な単量体の具体
例、それを使用する理由などは、発泡層(3)において
説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ま
しい具体例として、HIPSで代表されるスチレン−ブ
タジエン共重合体が、非発泡層(4,5)の耐衝撃性改
善効果が大きいという点から追加される。
【0037】非発泡層(4、5)に使用される基材樹脂
として、変成PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレ
ンエーテル成分として15〜75重量部、スチレン成分
として85〜25重量部が好ましく、更に好ましくは、
フェニレンエーテル成分として20〜60重量部、スチ
レン成分として80〜40重量部がよい。 PPE系樹
脂の使用割合が小さすぎると、耐熱性が劣る傾向にあ
り、PPE系樹脂の使用割合が大きすぎると、加熱流動
時の粘度が上昇し、成形が困難になる場合がある。
【0038】非発泡層(4、5)の基材樹脂として好ま
しい耐熱PS系樹脂はスチレンまたはその誘導体と他の
単量体との共重合体(以下「St系共重合体」と記
す。)であり、耐熱性の改善効果を有するスチレンまた
はその誘導体と共重合可能な単量体としては、例えばマ
レイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イ
タコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およ
びその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられ
る。 これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合
わせて用いてもよい。耐熱性の改善効果を有するスチレ
ンまたはその誘導体と共重合可能な単量体は通常40重
量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で用いられ
る。また、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる
際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合さ
せたものとマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタア
クリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタ
アクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体で
あってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン
酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチ
レン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体がその耐熱性改善効果、
汎用性、コストの面から好ましい。
【0039】耐熱PS系樹脂は単独で用いても良く、あ
るいは2種類以上組み合わせても良い。また、耐熱PS
系樹脂は他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよ
く、ブレンドする熱可塑性樹脂としては例えば、ポリス
チレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、
ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル
エーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドやそれら
の共重合体などがあげられる。このうちでは汎用性、均
一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果
が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。
HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含
有量は通常1〜15重量%である。
【0040】非発泡層(4,5)を形成する場合、必要
に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止
剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独又
は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0041】耐衝撃性改良剤は、非発泡層(4,5)を
発泡層(3)に積層し、2次発泡させた積層シートを自
動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層
シートや成形体を輸送する際に、非発泡層(4,5)の
割れなどを防止するのに有効である。耐衝撃性改良剤と
しては、基材樹脂に混合することによってその効果を発
揮するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性
改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐
衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例え
ばHIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを
混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層(4,
5)に耐衝撃性を付与することができる。
【0042】発泡積層シートの車内側非発泡層(4)の
表面には、ホットメルト接着剤としてのホットメルトフ
ィルム(6)が形成される。ホットメルトフィルム
(6)は、通常、表皮材(1)を発泡積層体(2)に積
層一体化するのに用いられる。前記ホットメルトフィル
ム(6)としては、ポリオレフィン系、変性ポリオレフ
ィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴ
ム系、スチレン−ブタンジエン共重合体系、スチレン−
イソプレン共重合体系などの樹脂をベースポリマーとす
るものが挙げられる。これらのうち、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、ポリオレフィン樹脂をベース樹脂と
したものが汎用化されておりコスト的にも好ましい。
【0043】なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
系のホットメルトフィルムは、エチレン成分が多いとn
−ヘキサン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸ビニ
ル成分が多いとメタノール、エタノール等のアルコール
類に可溶であるという性質を有している。
【0044】さらに、本発明に用いられるホットメルト
フィルム中にはタック性およびヌレ性の改善を目的とし
た粘着付与剤樹脂が含まれる。粘着付与剤樹脂としては
ロジン樹脂およびロジン誘導体樹脂、テルペン樹脂およ
び変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油
樹脂および脂環族系水添石油樹脂が含まれる。これらの
うち、ロジン樹脂およびロジン誘導体樹脂、脂環族系水
添石油樹脂は接着性、ベースポリマーとの相溶性に優れ
ているため好ましい。
【0045】なお、ロジン樹脂およびロジン誘導体樹脂
はアルコール類、テルペン油に可溶、脂環族系水添石油
樹脂は脂肪族炭化水素類に可溶であるという性質を有し
ている。表皮材(1)の具体例としては、従来の自動車
内装材として用いられるものが使用できる。たとえば織
布、不織布があげられるが、これらは、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロ
ン)、ポリアクリロニトリル、モダアクリル(例えば、
鐘淵化学工業株式会社製「カネカロン(登録商標)」な
どの合成樹脂や羊毛、木綿などの天然素材のものや、そ
れらを適宜組み合わせたものが使われる。このような表
皮材(1)に、必要に応じて、更にポリウレタンフォー
ムやポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ンフォームから成る発泡層を単層または複層で積層した
ものが使用できる。
【0046】表皮材としては、有機溶剤の浸透性から通
気性のある不織布が特に好ましい。また、浮力による分
離が効率的に行えるようにするためには密度の高いポリ
エチレンテレフタレートの不織布が好ましい。
【0047】本発明に用いられる有機溶剤としてはホッ
トメルトフィルム(6)を溶解または分解し、発泡積層
体(2)および表皮材(1)を溶解させない性質を有す
るものが好ましく用いられ、ホットメルトフィルム
(6)の種類、発泡積層体(2)、表皮材(1)の種類
によって選定される。具体例としては、粘着性付与剤樹
脂としてロジン樹脂またはロジン誘導体樹脂を含有する
ホットメルトフィルム(6)を使用する場合または、エ
チレン成分が多いエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を
ベース樹脂とするホットメルトフィルム(6)を使用す
る場合は、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール、2-メチル−1−プ
ロパノール、2−メチル−2−プロパノール等のC1
4程度の低級脂肪族アルコール類があげられる。酢酸
ビニル成分が多いエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を
ベース樹脂とする場合または、脂環族系水添石油樹脂を
含有するホットメルトフィルム(6)を使用する場合
は、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサ
ン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2
−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチル−シクロペンタン、シクロヘプタン、シクロ
オクタン等のC5〜C9程度の脂肪族炭化水素類があげら
れ、安全性、コスト、沸点等から、アルコール類として
はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール等のC1〜C3程度の低級脂肪族アルコール類が好
ましく、その内でもC 1〜C3程度の低級飽和脂肪族アル
コール類が特に好ましい。脂肪族炭化水素類としてはペ
ンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シ
クロヘキサン等のC5〜C6程度の脂肪族炭化水素類が好
ましく、その内でもC5〜C6程度の飽和脂肪族炭化水素
類が特に好ましい。
【0048】また、前記アルコール類、脂肪族炭化水素
類は、数種の混合物を用いても良く、またホットメルト
フィルムを溶解または分解させる性質を阻害しない範囲
で水と混合して使用しても良い。
【0049】さらに、発泡積層体(2)を構成する基材
がPS系樹脂である場合、溶剤として柑橘類より製造さ
れるリモネンを使用すると、発泡積層体(2)は若干溶
解されるが効率的な分離・回収ができるうえに環境への
悪影響を与えることがなく好ましい。
【0050】本発明における分離方法としては、例え
ば、自動車内装材の廃材を粉砕機により適度なサイズに
粉砕処理し、有機溶剤の収容されたタンク中に投入す
る。10〜30分間溶剤中に浸積することで、ホットメ
ルトフィルムが溶解または分解して、表皮材と発泡積層
体が分離される。なお、有機溶剤が浸透しにくい独立気
泡系の発泡積層体と有機溶剤が浸透しやすい不織布表皮
材を使用することによって、有機溶剤中では密度の関係
から表皮材は沈殿し、発泡積層体は浮遊するので容易に
分離して回収することができる。
【0051】本発明において樹脂としてリサイクルする
方法としては、分離回収された発泡積層体屑の表面に付
着した有機溶剤を乾燥機、乾燥エアー等で取り除き、押
出機を用いて溶融・混練した後、孔状のダイスより押出
し樹脂ペレットとして再生される。再生された樹脂ペレ
ットは発泡積層体の非発泡層の原料として戻す。
【0052】以下、本発明を実施例により、さらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0053】
【実施例】実施例・比較例に用いた樹脂を表1に示す。
なお表1に示した樹脂に関する各符号は次の通りであ
る。
【0054】
【表1】 〔樹脂の種類〕 変性PPE :変性ポリフェニレンエーテル PS :ポリスチレン HIPS :ハイインパクトポリスチレン また、実施例および比較例で行った評価方法を以下に示
す。 〔発泡倍率〕自動車内装材の一般部からサンプルを切り
出し、各構成層を分離した後、発泡層の密度dfをJI
SK7222に準じて測定し、変性PPE系樹脂の密度
dpをJIS K 7112に準じて測定し、次式より求
めた。 発泡倍率=dp/df
【0055】(実施例1)実施例1に使用した自動車内
装材の構成を以下に示す。 発泡層:PPE系樹脂成分40重量%,PS系樹脂成分
60重量%(変性PPE樹脂(a)57.1部とPS樹
脂(b)42.9部を混合)からなる厚み5.8mm、
発泡倍率19倍の発泡層 室内側非発泡層:PPE系樹脂成分20重量%、PS系
樹脂成分80重量%(変性PPE樹脂(a)28.6
部、PS樹脂(b)71.4部を混合)からなる厚み1
20μmのフィルム 室外側非発泡層: PPE系樹脂成分20重量%、PS
系樹脂成分76.8重量%、ゴム成分3.2重量%(変
性PPE樹脂(a)28.6部、PS樹脂(b)41.
4部、HIPS樹脂(c)30.0部を混合)からなる
厚み120μmのフィルム 表皮材層:PET系不織布表皮材(日本バイリーン社製
RVC−100、厚さ約1.0mm) 接着剤層:ホットメルトフィルム(クラボウ(株)社製ク
ランベターX2200)からなる自動車内装材のトリミ
ング屑を回収した。
【0056】上記構成の自動車内装材を粉砕機により5
mmサイズのチップ状に粉砕し、エタノールが入ったタ
ンクの中に粉砕チップを投入した。30分放置後、表皮
材と発泡積層体が完全に分離していることが確認され
た。また、表皮材が沈殿し、発泡積層体が浮遊している
ことが確認された。浮遊している発泡積層体を10メッ
シュの網ですくい上げ回収した。回収された発泡積層体
を80℃のオーブン中に1時間放置し、発泡積層体表面
に付着したエタノールを取り除いた後、230℃に加熱
された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、孔状の
ダイスより樹脂を押出した。なお、溶融・混練時にはベ
ント孔より発生するガス成分を回収した。このようにし
て溶剤の含まない樹脂ペレットを採取した。採取された
樹脂ペレットを発泡積層体の室外側非発泡層の原料に5
0%混合し、単軸押出機で溶融・混練し、Tダイを用い
てフィルム状に押出したところ均一なフイルムが得られ
た。
【0057】(実施例2) 接着剤層:ホットメルトフィルム(ヒロダイン(株)社製
ヒロダイン7586)を使用したこと以外は実施例1
と同様な構成からなる自動車内装材のトリミング屑を回
収した。
【0058】粉砕機により5mmサイズのチップ状に粉
砕し、エタノールが入ったタンクの中に粉砕チップを投
入した。30分放置後、表皮材と発泡積層体が完全に分
離していることが確認された。また、表皮材が沈殿し、
発泡積層体が浮遊していることが確認された。浮遊して
いる発泡積層体を10メッシュの網ですくい上げ回収し
た。
【0059】回収された発泡積層体を80℃のオーブン
中に1時間放置し、発泡積層体表面に付着したエタノー
ルを取り除いた後、230℃に加熱された2軸押出機を
用いて、溶融・混練した後、孔状のダイスより樹脂を押
出した。なお、溶融・混練時にはベント孔より発生する
ガス成分を回収した。このようにして溶剤の含まない樹
脂ペレットを採取した。採取された樹脂ペレットを発泡
積層体の室外側非発泡層の原料に50%混合し、単軸押
出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押出
したところ均一なフイルムが得られた。
【0060】(実施例3) 接着剤層:ホットメルトフィルム(三井ポリケミカル社
製 エバフレックス220)を使用したこと以外は実施
例1と同様な構成からなる自動車内装材のトリミング屑
を回収した。
【0061】粉砕機により5mmサイズのチップ状に粉
砕し、シクロヘキサンが入ったタンクの中に粉砕チップ
を投入した。30分放置後、表皮材と発泡積層体が完全
に分離していることが確認された。また、表皮材が沈殿
し、発泡積層体が浮遊していることが確認された。浮遊
している発泡積層体を10メッシュの網ですくい上げ回
収した。
【0062】回収された発泡積層体を80℃のオーブン
中に1時間放置し、発泡積層体表面に付着したシクロヘ
キサンを取り除いた後、230℃に加熱された2軸押出
機を用いて、溶融・混練した後、孔状のダイスより樹脂
を押出した。なお、溶融・混練時にはベント孔より発生
するガス成分を回収した。このようにして溶剤の含まな
い樹脂ペレットを採取した。採取された樹脂ペレットを
発泡積層体の室外側非発泡層の原料に50%混合し、2
60℃に加熱された単軸押出機で溶融・混練し、Tダイ
を用いてフィルム状に押出したところ均一なフイルムが
得られた。
【0063】(比較例1)実施例1と同様の構成からな
る自動車内装材のトリミング屑を用いて、粉砕機により
5mmサイズのチップ状に粉砕し、粉砕屑を230℃に
加熱された2軸押出機を用いて、溶融・混練した後、孔
状のダイスより樹脂を押出し樹脂ペレットを採取した。
【0064】採取された樹脂ペレットを熱可塑性発泡積
層シートの室外側非発泡層の原料に50%混合し、26
0℃に加熱された単軸押出機で溶融・混練し、Tダイを
用いてフィルム状に押出したところ、縞模様の厚みムラ
の多いフイルムが得られた。厚み調整すると部分的に裂
けが発生し均一なフイルムを採取することはできなかっ
た。
【0065】
【発明の効果】本発明の表皮材と発泡積層体をホットメ
ルト接着剤としてのホットメルトフィルムを介して積層
一体化して得られる自動車内装材のリサイクル方法は、
有機溶剤中に積層構造の廃材を浸すことで不織布表皮材
から溶剤が進入し、ホットメルトフィルムを溶解または
分解させることで、容易に表皮材と発泡積層体が層分離
すること。更に、分離した表皮材と発泡積層体には大き
な密度差があり、溶剤中で浮遊物と沈殿物に容易に分離
できる。このことから溶剤を用いて発泡積層体を溶解し
たのち蒸留によって分離回収する方法に比べ、非常に簡
便に分離回収が出来る。
【0066】また、使用する溶剤として安価で低沸点の
アルコール類または、安価で低沸点の脂肪族炭化水素類
を使用することにより発泡積層体および表皮材を溶かす
ことなくホットメルトフィルムのみを選択的に溶解また
は分解し、発泡積層体および表皮材を回収後、付着した
有機溶剤を容易に除去出来るため、溶剤による物性低下
の懸念が無く再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車内装材の要部拡大断面説明
図である。
【符号の説明】
1:表皮材 2:発泡積層体 3:発泡層 4:室内側非発泡層 5:室外側非発泡層 6:ホットメルト接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 67:00 67:00 103:00 103:00 C08L 23:04 C08L 23:04 31:04 31:04 67:00 67:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮材(1)と発泡積層体(2)をホッ
    トメルト接着剤(6)を介して積層一体化して得られる
    自動車内装材のリサイクル方法であって、該自動車内装
    材の廃材及び/又は成形加工時に発生する端材に含まれ
    る表皮材(1)と発泡積層体(2)を、有機溶剤を使用
    して分離・回収し、再利用することを特徴とする自動車
    内装材のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 自動車内装材の廃材および/又は端材を
    粉砕処理し、有機溶剤中に浸すことで、ホットメルト接
    着剤(6)を該有機溶剤で溶解することにより表皮材
    (1)と発泡積層体(2)を分離し、該有機溶剤中の表
    皮材(1)と発泡積層体(2)の浮力差を利用して回収
    することを特徴とする請求項1記載の自動車内装材のリ
    サイクル方法。
  3. 【請求項3】 有機溶剤としてアルコール類を用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の自動車内装材のリ
    サイクル方法。
  4. 【請求項4】 有機溶剤として脂肪族炭化水素類を用い
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の自動車内装材
    のリサイクル方法。
  5. 【請求項5】 ホットメルト接着剤(6)の構成成分と
    してロジンおよびロジン誘導体を含むことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車内装材のリ
    サイクル方法。
  6. 【請求項6】 ホットメルト接着剤(6)の構成成分と
    してエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含むことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車内
    装材のリサイクル方法。
  7. 【請求項7】 ホットメルト接着剤(6)の構成成分と
    して脂肪族系石油樹脂を含むことを特徴とする請求項
    1、2または4のいずれか1項に記載の自動車内装材の
    リサイクル方法。
  8. 【請求項8】 表皮材(1)がポリエステル系不織布で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の自動車内装材のリサイクル方法。
  9. 【請求項9】 発泡積層体(2)が耐熱性樹脂を基材樹
    脂とする発泡層(3)の両面に、熱可塑性樹脂を基材樹
    脂とする非発泡層(4、5)を積層した構造を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の自
    動車内装材のリサイクル方法。
  10. 【請求項10】 発泡層(3)の基材樹脂が変性ポリフ
    ェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれか1項に記載の自動車内装材のリサイ
    クル方法。
  11. 【請求項11】 非発泡層(4、5)の基材樹脂が変性
    ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の自動車内装材の
    リサイクル方法。
  12. 【請求項12】 発泡層(3)の基材樹脂である変性ポ
    リフェニレンエーテル系樹脂中のフェニレンエーテル成
    分の含有量が35重量%〜75重量%であり、スチレン
    系成分の含有量が65重量%〜25重量%であることを
    特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の自動
    車内装材のリサイクル方法。
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