JP4040005B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、前面側の下部位置に遊技球を貯留する貯留皿装置を備えたパチンコ遊技機に関する。
パチンコ遊技機は、一般的にその前面下部に発射皿装置と貯留皿装置が段設されており、発射皿装置に貯留した遊技球を球送り機構により一球ずつ発射レール始端の発射位置に自動的に供給し、発射ハンドルの回動操作によって発射位置の遊技球を発射鎚で打圧することにより、遊技球が遊技盤面に順次打ち出される。そして、遊技盤面の入賞口に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が払出装置から払い出される。この遊技球は、通常、上方の払出口から発射皿装置に排出されるが、発射皿装置が満杯になると自動的に下方の払出口から貯留皿装置に排出される。この貯留皿装置は、上方に開放する貯留空間が内部に形成された貯留皿部材を備え、この貯留空間に払い出された遊技球が停留する。
そして、従来の貯留皿装置は、貯留皿部材の底面部に形成された下方へ連通する球抜孔と、該球抜孔を閉塞する遮蔽板部が形成された開閉部材とを備える。この開閉部材は貯留皿部材の底面部に水平方向(主に左右方向)に摺動可能に保持されて、遮蔽板部で球抜孔を横断状に閉塞する定常位置と、遮蔽板部が球抜孔から退避して球抜孔を開放する球抜位置とに変換可能となっている。開閉部材は、常態ではバネ等により定常位置側に付勢されて球抜孔を閉塞し、貯留空間に遊技球を貯留可能としているが、貯留皿装置の前面には、開閉部材と連繋する操作部が設けられており、この操作部の手操作により、開閉部材を球抜位置へ変移可能となっている(例えば特許文献1)。この開閉部材を球抜位置へ移動させる球抜部の操作(以下、球抜操作と記す)により、貯留空間に貯留された遊技球が、開放された球抜孔を通って下方に排出され、貯留皿装置の下方に載置した球箱に移し替えられる。
ところで、上述したように、発射皿装置が満杯となると、払出装置から払い出された遊技球は貯留皿装置に排出されて貯留される。そして、貯留皿装置も満杯となり、貯留皿装置から遊技球が溢れそうになると、一般のパチンコ遊技機では、満杯状態が改善されるまで発射装置の遊技球発射作動を停止させ、新たな入賞が生じて貯留皿装置に更なる遊技球が排出されるのを防止する。すなわち、貯留皿装置が満杯となると、遊技者は遊技球を発射できなくなる。ここで、貯留皿装置が満杯となるのは、大抵、大量の遊技球が払い出される大当り遊技中であるが、大当り遊技は、所定時間内に遊技球を大入賞口に入賞させて賞球を獲得するものがほとんどであり、中には所定時間内に大入賞口の特定領域に規定数の入賞がないと大当り遊技が途中終了してしまうものもある。従って、大当り遊技中に貯留皿装置が満杯となり、遊技球を発射できなくなると、大当り遊技で獲得可能な利益を十分に享受できないため、遊技者は、貯留皿装置が満杯となる前に、貯留皿装置の遊技球を球箱へ移し替えなくてはならない。
特開平7−265527号公報
しかし、大当り遊技中は、遊技者は興奮状態にありがちであり、貯留皿装置が満杯となるまで気づかずに、発射装置が停止されてから慌てて球抜操作を行い、遊技球を排出することが多々ある。ところが、満杯状態で球抜操作を行っても、開放された球抜孔から遊技球が排出されず、発射停止が長引いて、遊技者の損失が大きくなることがある。この原因は、図13に示すように、貯留空間9cに貯留された遊技球Xがドーム状になって均衡する、いわゆる「ブリッジ配列」(図13中のP部分)が、球抜孔24c上方に形成されて、球抜孔24c上方の遊技球Xが重力に抗するためである。かかる場合には、遊技者が手ずから貯留空間9c内の遊技球Xをかき混ぜれば、遊技球Xの配列が崩れてブリッジ配列Pは解消され、遊技球Xは球抜孔24cから排出されるようになるが、大当り遊技中の時間ロスは避けられず、遊技性とは無関係なところで遊技者に損失を与え、遊技の興趣を損ねていた。
本発明は、かかる問題の解決を試みたものであり、球抜孔の開放と同時に、遊技球のブリッジ配列を解消し得るパチンコ遊技機の提供を目的とするものである。
本発明は、前面側の下部位置に貯留皿装置を備えたパチンコ遊技機において、貯留皿装置は、遊技球を貯留する貯留空間を内部に形成する貯留皿部材と、貯留皿部材の底面部に形成された球抜孔と、貯留皿部材の底面部に水平方向に摺動可能に保持されて、球抜孔を閉塞する定常位置と球抜孔を開放する球抜位置とに変換される開閉部材とを備えるものであって、貯留空間内に突出する球崩し突部と、貯留空間外に位置する受圧部とを具備してなり、貯留皿部材に回動可能に軸支される球崩し部材を備えると共に、開閉部材は前記受圧部と当接する押圧部を備え、開閉部材の摺動に伴って、受圧部が該押圧部により押圧されて従動し、球崩し突部が貯留空間内で回動することを特徴とするパチンコ遊技機である。
かかる構成にあっては、球抜操作の際に、球崩し突部が貯留空間内で回動して、貯留空間内の遊技球を押圧することにより、遊技球は転動して、その配列関係を変化させる。このため、球抜孔の上方にブリッジ配列が形成されていても、球抜操作時には、球崩し突部により、ブリッジ配列は解消されることとなり、遊技球は確実に球抜孔から排出される。しかも、本発明の球崩し部材は、開閉部材に従動して回動するため、従来通りの操作部を手操作するといった球抜操作だけで、球抜孔の開放と球崩し突部の移動とが同時に行われることとなり、球崩し突部を回動させるための付加的操作を要しない。
球崩し部材の最適な構成の一つとしては、球崩し突部を貯留皿部材の前面部に上下方向に軸支して、受圧部を前面部の下方に位置させると共に、球崩し突部を貯留空間内で水平方向に回動するようにした構成が提案される。かかる構成では、球崩し突部は前面部から貯留空間へ突出しており、開閉部材の摺動に伴い、貯留空間内の遊技球を水平方向に押圧して、転動させることとなる。このように、球崩し突部を、貯留皿部材の前面部から突出させた場合には、球崩し突部と貯留皿部材の底面部との間に、遊技球の直径よりも上下幅の広い隙間を形成することが望ましい。かかる場合にあっては、貯留した遊技球は貯留皿部材の底面部と球崩し突部の間隙で係止されないから、球崩し突部が遊技球の流下の障害となることがない。
また、球崩し部材を、貯留皿部材の底面部に水平方向に軸支して、受圧部を底面部の下方に位置させると共に、球崩し突部を貯留空間内で上下方向に回動させるようにした構成も提案される。かかる構成にあっては、球抜操作時に、球崩し突部が貯留空間の下部に貯留される遊技球を押し上げることとなる。貯留された遊技球は、下部に位置するものほど、遊技球の重みにより動き難くなっているため、上方の遊技球を転動させてもその変化が下方にまで及ばないことがあるが、かかる構成のように、下部の遊技球を直接押し上げるようにすれば、遊技球配列を確実かつ効率的に変化させることが可能となる。
ここで、球崩し部材は、バネの弾性力や重力等により、押圧部の押圧による従動方向と逆方向へ付勢して、押圧部の押圧から開放された際に、元の位置へ復帰させることが望ましい。そこで、本発明にあっては、押圧部に、開閉部材の摺動方向に沿った凹凸面を形成し、開閉部材の摺動に伴い、押圧部の凹凸面に沿って受圧部を従動させて、球崩し突部を貯留空間内で揺動させる構成としている。かかる構成にあっては、球抜操作に伴い球崩し突部を揺動させることで、貯留空間内の遊技球は一方向へ押圧されるよりも複雑に攪拌されるため、遊技球配列の変動は大きくなる。
さらに、本発明にあっては、開閉部材を、貯留皿部材の底面部の下底に固着される摺動保持部材により、水平方向に摺動可能となるように下方から保持する構成にあって、摺動保持部材の上面と開閉部材の底面とに相互に当接する凸部を形成し、開閉部材の摺動に伴って両面の凸部を衝突させて、開閉部材が上下に振動する構成としている。かかる構成にあっては、開閉部材の上下振動は、球崩し部材や貯留皿部材を介して、貯留空間の遊技球へ伝わることとなる。このように、球抜操作時に遊技球を振動させることにより、遊技球同士の密着が緩んで遊技球間に隙間が生じ、遊技球の配列構造が崩れ易い状態となる。ここで、開閉部材は繰り返し振動させることが望ましく、摺動保持部材の上面と開閉部材の底面の少なくとも一面には複数の凸部を形成して、開閉部材の摺動に伴って、複数の凸部が順次、他方側の凸部と衝突するようにするとよい。
本発明は、貯留空間内に突出する球崩し突部と、貯留空間外に位置する受圧部とを具備してなり、貯留皿部材に回動可能に軸支される球崩し部材を備えると共に、開閉部材は前記受圧部と当接する押圧部を備え、開閉部材の摺動に伴って、受圧部が該押圧部により押圧されて従動し、球崩し突部が貯留空間内で回動することを特徴とするパチンコ遊技機であるから、球抜操作の際に、球崩し突部の押圧により、遊技球配列が崩れて変化するため、球抜孔の上方にブリッジ配列が形成されていても、球抜操作と同時にその配列は解消される。従って、大当り遊技中に、貯留皿装置が満杯となり発射装置が停止しても、球抜操作を行えば貯留皿装置の遊技球は確実に排出され、発射停止は遅滞なく解除される。このため、遊技者は、発射停止による損害を最低限に抑えることができ、不必要な損害を被り不快な思いをすることもない。また、球崩し部材は開閉部材に従動するものであり、球崩し突部は従来同様の球抜操作によって付随的に回動するから、遊技者は付加的な操作を強いられることもないし、意識的に球崩し突部を回動させる必要もない。
ここで、球崩し部材を貯留皿部材の前面部に上下方向に軸支して、受圧部を前面部の下方に位置させると共に、球崩し突部を貯留空間内で水平方向に回動するようにした場合には、球抜孔の開放と同時に、球崩し突部により、貯留空間内の遊技球を水平方向に押圧して、ブリッジ配列を解消することができる。また、かかる構成にあって、球崩し突部と貯留皿部材の底面部との間に、遊技球の直径よりも上下幅の広い隙間を形成すれば、貯留空間内の遊技球を排出する際に、全ての遊技球を球崩し突部と底面部の間で係止させることなく、スムーズに球抜孔へ流下させることができる。
また、球崩し部材を、貯留皿部材の底面部に水平方向に軸支して、受圧部を底面部の下方に位置させると共に、球崩し突部を貯留空間内で上下方向に回動させるようにした場合には、貯留空間下部の動き難い遊技球が、球崩し突部により直接押し上げられて転動するため、ブリッジ配列を好適に解消させることができる。
そして、球崩し部材を、開閉部材の摺動に伴い摺動空間内で揺動するようにしているから、球崩し突部を一方向に回動させるよりも、遊技球配列を大きく変化させることが可能となる。
さらに、摺動保持部材の上面と開閉部材の底面とに相互に当接する凸部を形成し、開閉部材の摺動に伴って、両面の凸部を衝突させて、開閉部材を上下に振動するようにしているから、球抜操作時に、遊技球配列を容易に、かつ大きく変化させることが可能となり、ブリッジ配列をより簡単に解消できる。
以下に、本発明の第一実施例を、図面を参照して説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、外枠2の前面に開閉可能な前面枠3が配設され、該前面枠3には遊技盤面を覆うガラス扉4と、発射皿装置5とが夫々開閉可能に軸着される。また、前面枠3の下部には、前記発射皿装置5の下方に位置させて貯留皿装置6aが配設され、さらに貯留皿装置6aの右側方に発射ハンドル7が配設されている。この発射皿装置5と貯留皿装置6aとは夫々遊技球を貯留する貯留空間8,9aを備え、前面枠3に形成された上部払出口10と下部払出口11とを介して、各貯留空間8,9aは、パチンコ遊技機1背面側の払出装置(図示省略)と連通する。
発射皿装置5に貯留される遊技球は、前面枠3の背面に設けられた発射装置(図示省略)へ順次送られて、発射ハンドル7の回動操作により遊技盤面に順次打ち出される。そして、図示しない入賞口に入賞すると所定数(例えば15個)の遊技球が、賞球として払出装置から払い出される。この払い出された遊技球は上部払出口10から発射皿装置5の貯留空間8に排出されるが、大当り遊技中に多数の遊技球が払い出され、発射皿装置5の貯留空間8が満杯になると、パチンコ遊技機1の背面に配設される図示しない振り分け通路を遊技球が流下して下部払出口11から貯留皿装置6aの貯留空間9aに放出される。ここで、下部払出口11の内部には、満杯検出スイッチ(図示省略)が設けられており、貯留空間9aが遊技球で満杯となり、下部払出口11の内部にまで遊技球が滞留すると、この満杯検出スイッチがON作動して、これに応じて発射装置が停止する。この発射装置の停止は、満杯状態が解消されて満杯検出スイッチがOFF作動するまで続行される。
貯留皿装置6aは、図2に示すように、上方と後方に開放する略直方体形状の貯留空間9aを備え、該貯留空間9aの後方側を下部払出口11に臨ませて前面枠3に固定され、また、その前面側には皿カバー19が固着される。そして、貯留空間9aの底面には、下方に連通する球抜孔24aが形成される。この球抜孔24aは、常態では閉塞されているが、貯留皿装置6aの前面に突出する操作部32aを左方向に操作すると開放され、貯留空間9a内の遊技球が球抜孔24aを介して機外へ排出される。そして、該貯留皿装置6aの下方には樹脂製の球箱(図示省略)を載置可能となっており、該貯留皿装置6aから排出した遊技球を球箱へ移し替えるようになっている。
以下に、本実施例の貯留皿装置6aの構成について、図3〜6を参照して説明する。
本実施例の貯留皿装置6aは、図3に示すように、貯留空間9aを内部に形成する貯留皿部材20aと、貯留皿部材20aに下方から固着される摺動保持部材26aと、貯留皿部材20aと摺動保持部材26aの間に形成された摺動間隙50aに取り付けられて、貯留皿部材20aの底面部21aに対して左右方向に摺動可能に保持される開閉部材30aと、貯留皿部材6aの前面部22aに上下方向に軸支される球崩し部材40aとからなる。
貯留皿部材20aは、図3に示すように、貯留空間9aの底面を形成する底面部21aと、該底面部21aから起立する前面部22a及び左右の側面部23a,23aを備え、かかる底面部21aおよび前面部22a、側面部23a,23aからなる皿面部の内部に貯留空間9aを形成する。そして底面部21aの中央位置には、貯留皿装置6aの下方に連通する円形の球抜孔24aが形成され、この球抜孔24aに向けて形成された下り勾配により、貯留空間9a内の遊技球を該球抜孔24aに案内して、下方に排出するようになっている。また、前面部22aには、上下に貫通する保持孔25aが形成されており、この保持孔25aに球崩し部材40aが軸支される(図6参照)。
摺動保持部材26aは、図3に示すように、貯留皿部材20aの底面部21aと略同じ大きさをなし、該底面部21aを下方から覆うように貯留皿部材20aに螺着され、底面部21aとの間に、開閉部材30aを保持する摺動間隙50aを形成する。また、摺動保持部材26aには球抜孔24aと上下に対向する位置に連通孔29aが形成されており、球抜孔24aを貯留皿装置6aの下方へ連通させる(図6参照)。
摺動間隙50a内で摺動可能に保持される開閉部材30aは、球抜孔24aを遮蔽する遮蔽板部31aを備え、該遮蔽板部31aが球抜孔24aを横断状に遮蔽する右側の定常位置I(図5イ参照)と、遮蔽板部31aが球抜孔24aの左方へ退避して、球抜孔24aを完全開放する左側の球抜位置II(図5ロ参照)との間を移動可能となっている。
ここで、図5に示すように、摺動間隙50aの左側には、コイルバネ28が設けられており、開閉部材30aは、このコイルバネ28の弾性力により定常位置Iへ付勢される。そして、開閉部材30aの前部には、連繋部36aを介して貯留皿装置6aの前面に突出する操作部32aが形成されており、該操作部32aを遊技者が左方向へ操作することにより、開閉部材30aが球抜位置IIへ変位して、球抜孔24aが開放するようになっている。また、操作部32aの付け根からは杆状の押圧部37が右方に延成される。この押圧部37は側断面が逆L字状をなし、後述するように、その下部で球崩し部材40aを押圧して回動させる。
次に本発明の要部である球崩し部材40aについて説明する。
本実施例の球崩し部材40aは、図3,4に示すように、上下に長尺な杆状の支軸部43aと、該支軸部43aの上端部に固定されて水平方向に突出する球崩し突部41aと、水平方向の突起を有し、支軸部43aの下端に固定される受圧部42aとからなり、図5,6に示すように、貯留皿部材20aの前面部22aに形成された保持孔25aに、支軸部43aを貫通させて回動可能に軸支される。そして、貯留皿部材20aに軸支された状態にあっては、図5,6に示すように、球崩し突部41aは貯留空間9aで水平方向に回動し、その突き出る方向を左方と後方との間で移動可能となっている。ここで、球崩し部材40aの上端には、球崩し突部41aと逆方向に突出する板バネ44が設けられる(図3参照)。そして、球崩し部材40aは、該板バネ44の先端を前面部22aに当接した状態で軸支され、板バネ44の弾性力により球崩し突部41aを左方に向けるように付勢される。
一方、球崩し部材40a下端の受圧部42bは、図6に示すように、前面部22a下方の摺動間隙50aに位置する。そして、図4に示すように、開閉部材30aの定常位置Iで、受圧部42aは突起部分を、開閉部材30aの押圧部37の左縁下部と当接する。かかる状態にあっては、受圧部42bと押圧部37は軽く接している状態であり、球崩し部材40aは前記板バネ44の付勢力により、球崩し突部41aを左方に向けている。そして、操作部32aを左方へ操作して、開閉部材30aを球抜位置IIへ摺動させると、押圧部37により、受圧部42aが左方へ押圧されて従動し、球崩し部材40aが回動する。そして、図5に示すように、この回動により、上端の球崩し突部41aは、その先端を左方から後方へ向けるように貯留空間9a内を回動する。このため、貯留空間9aに貯留された遊技球は、球抜操作に伴い、球崩し突部41aに水平方向に押圧されて転動し、その配列構造を変動する。従って、遊技球がブリッジ配列を形成している場合でも、球崩し突部41aによりブリッジ配列は解消され、球抜孔24aを介して遊技球が確実に排出されることとなる。ここで、図6に示すように、球崩し突部41aは、底面部21aとの間に、遊技球Xの直径よりも上下幅の広い隙間を形成するように配設されており、球抜孔24aから遊技球Xを排出する際に、貯留空間9aの遊技球Xが球崩し突部41aと底面部21aとの間で係止されることなく、球抜孔24aへ流下できるようになっている。
上述のように球崩し部材40aは、開閉部材30aの左方への摺動に伴い、受圧部42aを押圧部37の下部左縁に押圧されて回動し、球崩し突部41aを後方に突出させるが、回動した球崩し部材40aは、板バネ44により、回動した方向とは逆方向に付勢されるため、押圧して回動した受圧部42aを、左方に移動する押圧部37の後面に圧接することとなる。ここで、図7に示すように、押圧部37の後面には左右方向に沿った凹凸面38が形成されており、受圧部42aは突起部分の先端に設けられた球状突片45を該凹凸面38に圧接させる。そして、図7に示すように、押圧部37の凹凸面38の左方に移動に伴い、球状突片45の凹凸面38との当接部が右方に変移していくため、受圧部42aは凹凸面38の凹凸に従い揺動する。従って、球崩し突部41aは、球抜孔24aの開放と同時に、先端を左方から後方に向けるように水平回動した後、受圧部42aの揺動に応じて、貯留空間9a内で左右に揺動することとなる。このため、開閉部材30aの球抜位置IIへの摺動に伴って、球崩し突部41bは、貯留空間9a内の遊技球を一方向だけでなく、左右に押圧することで遊技球を複雑に攪拌することができる。
このように、本実施例の貯留皿装置6aにあっては、球抜操作による開閉部材30aの摺動に伴い、貯留空間9a内の遊技球配列を崩し得るため、球抜孔24a上方にブリッジ配列が形成されていても、球抜操作と同時にブリッジ配列は解消され、貯留された遊技球は球抜孔24aから排出されることとなる。このため、大当り遊技中に貯留皿装置6aが満杯となり、発射装置が停止された場合でも、遊技球を確実に、遅滞なく排出できるから、遊技の時間ロスによる損害を最小限に抑えられる。特に、本実施例においては、図5に示すように、球崩し突部41aが球抜孔24a上方を通過するように回動するため、ブリッジ配列を構成する遊技球を直接押圧して、ブリッジ配列を確実に崩すことができる。
次に、球崩し部材40bを水平方向に軸支した第二実施例について、図8〜図12を参照して説明する。尚、本実施例では、パチンコ遊技機の構成や貯留皿装置の基本構成は第一実施例と同様の構成であるため、重複する部分の説明は省略する。
本実施例の球崩し部材40bは、図8,9に示すように、前後方向の支軸部43bと、該支軸部43bから右方向に突出する球崩し突部41bと、球崩し突部41bの右端部の前後両縁に下方に向けて設けられる凸状の受圧部42b,42bとを備える。そして、この球崩し部材40bは、図8に示すように、支軸部43bの前後端を、球抜孔24bの左縁の保持孔25b,25bに嵌挿することにより、上下方向に回動可能に軸支される。
一方、開閉部材30bは、第一実施例同様に、摺動間隙50bに摺動可能に保持されて、遮蔽板部31bが球抜孔24bを横断状に遮蔽する右側の定常位置I(図10イ参照)と、球抜孔24aを完全開放する左側の球抜位置II(図10ハ参照)との間を移動可能となっている。そして、図9に示すように、本実施例では遮蔽板部31bの上面に円弧状の凸面が形成されており、この遮蔽板部31bの上面に、球崩し部材40bの受圧部42bが当接する。すなわち、本実施例では、遮蔽板部31bが球崩し部材40bを押圧する押圧部を構成する。そして、図10(イ),11(イ)に示すように、開閉部材30bの定常位置Iでは、受圧部42bは、遮蔽板部31bの凸面左縁の最も低い部分と当接し、球崩し突部41bは、水平となり底面部21bと一面状になっている。
そして、かかる状態から、開閉部材30bを左方へ摺動させると、図10ロ、図11ロに示すように、遮蔽板部31bの左方移動に伴い、遮蔽板部31bの受圧部42bとの当接位置が徐々に右方に変移していき、その当接位置が徐々に高くなることにより、受圧部42bは遮蔽板部31bにより上方に押し上げられることとなり、球崩し突部41bは上方に回動し、貯留空間9bへ突出する。このため、貯留空間9b内に遊技球が貯留される場合には、この球崩し突部41bの上方回動により遊技球が押し上げられて、その配列構造を変動させることとなる。そして、受圧部42bが遮蔽板部31bの中央部と当接した後は、その当接位置の高さは低くなっていくため、球崩し突部41bは徐々に下方回動し、開閉部材30bの球抜位置IIでは、受圧部42bは、再び底面部21bと一面状となる。このように、本実施例の球崩し突部41bは、球抜孔24bの開放に伴い、上方に回動して貯留空間9bに突出した後、下方に回動し、球抜位置IIでは底面部21bと一面状となる。このため、球抜孔24bが開放された時点では、遊技球は、球崩し突部41bに引っ掛かることなく、球抜孔24bへ円滑に流下することができる。
また、図9に示すように、開閉部材30bには、遮蔽板部31bの前後縁から下方に設けられた支持脚部34b,34bを備え、図11に示すように、開閉部材30bは、該支持脚部34bの底面を摺動保持部材26bの上面と接しながら、摺動間隙50b内を摺動する。ここで、本実施例の支持脚部34bの底面には、複数の凸部35,35が形成されており、一方の摺動保持部材26bの上面にも、図12に示すように、凸部27が形成される。そして、開閉部材30bを摺動すると、この凸部35,35が、摺動保持部材26bの凸部27と衝突するようになっている。すなわち、開閉部材30bを球抜位置IIへ変位させる際には、図12に示すように、底面の凸部35と、凸部27とが衝突して、開閉部材30bは凸部27を乗り越えるようにして上下に振動しながら球抜位置IIへと移動することとなる。この上下振動は、球崩し突部33bや貯留皿部材20bを介して、貯留空間9bの遊技球に伝わり、緊密に並んだ遊技球の間に隙間を生じさせることとなり、貯留空間9b内の遊技球配列は崩れ易い状態となる。
このように、本実施例の構成にあっては、球抜操作により、球崩し突部41bが上下方向に回動して、貯留空間9bの遊技球を下方から押し上げるため、貯留空間9b下部の動き難い遊技球が、球崩し突部41bにより直接押圧されて転動することとなり、ブリッジ配列を好適に解消させることができる。また、球抜操作時に、遊技球を振動させて、遊技球配列を崩し易い状態とするため、球崩し突部41bの押圧により遊技球配列を大きく変化させることができる。
尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施例の開閉部材はいずれも貯留皿部材の底面部に対して左右方向に摺動するものであるが、左右方向に限らず、開閉部材が前後方向に摺動する構成や、開閉部材が貯留皿部材に軸支されて底面部に対して回転方向に摺動する構成にも本発明は適用可能である。また、操作部に関しても、貯留皿装置の前面に設けられている必要はなく、開閉部材と別部材で構成されたものでも構わない。さらに、貯留皿部材の形状についても、本実施例の構成に限らず、前面枠と一体形成された構成など多様な形態に本発明は適用できる。
パチンコ遊技機1の斜視図である。 第一実施例の貯留皿装置6aを分離して示すパチンコ遊技機1下部の斜視図である。 開閉部材30aと球崩し部材40aを分離して示す第一実施例の貯留皿装置6aの斜視図である。 貯留皿部材20aを透過視して、開閉部材30aと球崩し部材40aとの係合態様を示す斜視図である。 第一実施例の貯留皿装置6aの平面図であり、(イ)は開閉部材30aが定常位置Iにある状態を、(ロ)は開閉部材30aが球抜位置IIに変位した状態を示す。 図5中のA−A断面図である。 押圧部37の凹凸面38と、受圧部42aの当接態様を拡大して示す説明図である。 開閉部材30bと球崩し部材40bを分離して示す第二実施例の貯留皿装置6bの斜視図である。 貯留皿部材20bを透過視して、開閉部材30bと球崩し部材40bとの係合態様を示す斜視図である。 第二実施例の貯留皿装置6bの平面図であり、(イ)は開閉部材30bが定常位置Iにある状態を、(ロ)は開閉部材30bが定常位置Iから球抜位置IIへ変位する途上の状態を、(ハ)は開閉部材30bが球抜位置IIに変位した状態を示す。 第二実施例の貯留皿装置6bの縦断面図であり、(イ)は図10中のB−B断面を、(ロ)は図10中のC−C断面を、(ハ)は図10中のD−D断面を示す。 開閉部材30bの凸部35と摺動保持部材26aの凸部27との衝突態様を示す、図11(ロ)の拡大図である。 貯留空間9cにブリッジ配列Pが形成された状態を示す、従来の貯留皿装置6cの縦断面図である。
符号の説明
1 パチンコ遊技機
2 外枠
3 前面枠
4 ガラス扉
5 発射皿装置
6a〜6c 貯留皿装置
7 発射ハンドル
8,9a〜9c 貯留空間
10 上部払出口
11 下部払出口
19 皿カバー
20a〜20c 貯留皿部材
21a,21b 底面部
22a,22b 前面部
23a,23b 側面部
24a〜24c 球抜孔
25a,25b 保持孔
26a,26b 摺動保持部材
27 凸部
28 コイルバネ
29a,29b 連通孔
30a〜30c 開閉部材
31a,31c 遮蔽板部
31b 遮蔽板部(押圧部)
32a,32b 操作部
34a,34b 支持脚部
35 凸部
36a,36b 連繋部
37 押圧部
38 凹凸面
40a,40b 球崩し部材
41a,41b 球崩し突部
42a,42b 受圧部
43a,43b 支軸部
44 板バネ
45 先端突起
50a,50b 間隙
60 固定部材
P ブリッジ配列
X 遊技球
I 定常位置
II 球抜位置

Claims (5)

  1. 前面側の下部位置に貯留皿装置を備え、
    貯留皿装置は、遊技球を貯留する貯留空間を内部に形成する貯留皿部材と、
    貯留皿部材の底面部に形成された球抜孔と、
    貯留皿部材の底面部に水平方向に摺動可能に保持されて、球抜孔を閉塞する定常位置と、球抜孔を開放する球抜位置とに変換される開閉部材とを具備するものであるパチンコ遊技機において、
    貯留空間内に突出する球崩し突部と、貯留空間外に位置する受圧部とを具備してなり、貯留皿部材に回動可能に軸支される球崩し部材を備えると共に、
    開閉部材は前記受圧部と当接する押圧部を備え、開閉部材の摺動に伴って、受圧部が該押圧部により押圧されて従動し、球崩し突部が貯留空間内で回動するものであり、
    さらに球崩し部材は、押圧部の押圧による従動方向と逆方向へ付勢されると共に、
    押圧部には、開閉部材の摺動方向に沿った凹凸面が形成されており、
    開閉部材の摺動に伴い、押圧部の凹凸面に沿って受圧部が従動して、球崩し突部が貯留空間内で揺動することを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 前面側の下部位置に貯留皿装置を備え、
    貯留皿装置は、遊技球を貯留する貯留空間を内部に形成する貯留皿部材と、
    貯留皿部材の底面部に形成された球抜孔と、
    貯留皿部材の底面部に水平方向に摺動可能に保持されて、球抜孔を閉塞する定常位置と、球抜孔を開放する球抜位置とに変換される開閉部材とを具備するものであるパチンコ遊技機において、
    貯留空間内に突出する球崩し突部と、貯留空間外に位置する受圧部とを具備してなり、貯留皿部材に回動可能に軸支される球崩し部材を備えると共に、
    開閉部材は前記受圧部と当接する押圧部を備え、開閉部材の摺動に伴って、受圧部が該押圧部により押圧されて従動し、球崩し突部が貯留空間内で回動するものであり、
    さらに開閉部材は、貯留皿部材の底面部の下底に固着される摺動保持部材により、水平方向に摺動可能となるように下方から保持されており、
    摺動保持部材の上面と開閉部材の底面には、相互に当接する凸部が形成されており、開閉部材の摺動に伴って両面の凸部が衝突し、開閉部材が上下に振動することを特徴とするパチンコ遊技機。
  3. 球崩し部材は、貯留皿部材の前面部に上下方向に軸支され、受圧部を前面部の下方に位置すると共に、球崩し突部を貯留空間内で水平方向に回動するものであることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
  4. 球崩し突部と、貯留皿部材の底面部との間には、遊技球の直径よりも上下幅の広い隙間が形成されていることを特徴とする請求項3記載のパチンコ遊技機。
  5. 球崩し部材は、貯留皿部材の底面部に水平方向に軸支されて、受圧部を底面部の下方に位置すると共に、球崩し突部を貯留空間内で上下方向に回動するものであることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
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