JP4039864B2 - 樹脂用配合剤、その製法及び樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼオライトとその表面に沈着した非晶質ケイ酸とからなる樹脂用配合剤、その製法及びフィルム形成性熱可塑性樹脂と前記樹脂用配合剤とを含有する樹脂組成物に関するもので、より詳細にはアンチブロッキング性と透明性との組み合わせに優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
定形粒子構造を有するゼオライト系粒子は、樹脂フィルム用のアンチブロッキング剤や、その他の樹脂配合剤として広く用いられている。
【0003】
本発明者らの提案に係る特公昭61−36866号公報には、立方体の粒子形態を有するゼオライトを、その粒子形態が実質上損なわれない条件下に酸処理して得られる非晶質アルミナシリカを樹脂用配合剤として用いることが記載されている。
【0004】
特公平6−17217号公報には、P型ゼオライトに特有のX線回折像を有し且つ個々の粒子が全体として明確な球状粒子とギザギザの表面を有するゼオライト粒子を合成する工程、及び上記ゼオライト粒子を2価金属イオンでイオン交換させる工程、次いで該イオン交換粒子を200℃乃至700℃で焼成することを特徴とするシリカ・アルミナ系球状粒子の製造法及び特定の化学組成と表面形状とを有し、減少された吸湿性と増加した屈折率を有する非晶質ケイ酸アルミナ粒子が記載されている。
【0005】
更に、特公平6−43515号公報には、多孔質で非晶質のシリカ或いはシリカ・アルミナのコアと非晶質ケイ酸の多孔質シエルとから成り、全体として立方体乃至球体の定形の粒子形状と多孔質状のシエル構造を有する粒子から成り、85乃至200cc/100gの吸油量、0.1乃至0.6g/ccのカサ比重及び0.5乃至10.0μmの体積基準メジアン径を有することを特徴とする充填剤が記載されており、このものは、ゼオライトとゼオライト中のSiO2を基準にして2乃至40重量%のSiO2に相当するケイ酸アルカリとを含有する水性スラリーを製造し、このスラリー中に酸を添加してゼオライトのコアに非晶質ケイ酸の多孔質シエルが結合した被覆粒子を製造し、被覆粒子のスラリー中に酸の添加を続行して、ゼオライト中のアルカリ成分或いは更にアルミニウム分の少なくとも一部を溶出させ、コアのゼオライトを非晶質のシリカ或いはシリカ・アルミナに転化させることにより製造されることも記載されている。
【0006】
特開2000−233919号公報には、溶解したケイ酸アルカリを含む、定形粒子構造を有するゼオライトのスラリーに、アルカリ金属以外の金属の水溶性塩を添加して、添加した金属でイオン交換されたゼオライトのコアと、非晶質ケイ酸乃至ケイ酸塩からなるシェルとから成る粒子を形成させ、分離した被覆粒子を乾燥乃至焼成することを特徴とするアルミノシリカ系粒子の製造方法が記載されており、このアルミノシリカ系粒子はフィルムに配合したときの摩耗性や耐擦傷性が解消されており、アンチブロッキング性も向上していることも記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ゼオライトの定形粒子性を利用し、これらを非晶質化することにより、その吸湿性を低減させたアルミノシリカ系粒子は、フィルム等に配合したとき、アンチブロッキング性に優れているという利点を与えるが、粒子の表面が硬く摩耗性が大であり、例えばフィルムがこすられたとき、フィルム表面に傷が入りやすいという改善すべき点がある。
【0008】
また、ゼオライトのイオン交換により、金属成分を導入し非晶質化したアルミノシリカ系粒子は、屈折率が向上し、樹脂フィルムの屈折率に相当する屈折率とすることにより、配合樹脂フィルムの透明性をも向上させ得るという利点をも有するものであるが、やはり摩耗性が大きく、また粒子の嵩比重が大きくなってアンチブロッキング性にやや劣る場合をも生じる。
【0009】
更に、ゼオライトコアを酸処理やイオン交換・焼成処理により非晶質化すると共に、表面に非晶質ケイ酸の被覆を設けたアルミノシリカ系粒子は、フィルム等に配合したときの摩耗傾向或いは擦傷傾向がかなり改善されているという利点を有するが、配合樹脂フィルムの透明性の点で未だ不満足である。
【0010】
特に、アルミノケイ酸塩粒子を主体とする樹脂用配合剤は、キャストフィルムの用途に用いる場合には優れたアンチブロッキング性が得られるとしても、インフレーションフィルムの用途に用いた場合には、必ずしも満足すべきアンチブロッキング性能が得られないという問題がある。
【0011】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の欠点が解消され、アンチブロッキング性と透明性との組み合わせに優れたゼオライト系の樹脂用配合剤及びこの樹脂用配合剤を配合した樹脂組成物を提供するにある。
本発明の他の目的は、上記の樹脂用配合剤を少ない工程数で、優れた生産性を以て安価に製造しうる方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、定形粒子構造とPc型ゼオライトに特有のX線回折像とを有する球状アルミノケイ酸塩粒子と、アルミノケイ酸塩粒子の表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体からなることを特徴とする樹脂用配合剤が提供される。
本発明の樹脂用配合剤においては、
1.前記複合体はアルミノケイ酸塩粒子と非晶質ケイ酸の微粒子とを95:5乃至50:50の重量比で含有するものであること、
2.表面水酸基量が450μmol/g以上であること、
3.非晶質ケイ酸粒子がアルミノケイ酸塩粒子の1次粒径に比して1/10以下の微細粒子からなること、
4.嵩密度が1.2g/ml以下であり、吸油量が10ml/100g以上であること、
が好ましい。
本発明によればまた、溶解したケイ酸アルカリを含む定形粒子構造を有するゼオライト型アルミノケイ酸塩のスラリーに、アルミノケイ酸塩の結晶性を損なわないがケイ酸アルカリの中和を生じるに十分な酸を添加して、アルミノケイ酸塩粒子とその表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体を生成せしめることを特徴とする樹脂用配合剤の製法が提供される。
本発明によれば更に、フィルム形成性熱可塑性樹脂に前記樹脂用配合剤を配合してなることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
本発明の樹脂組成物においては、
1.熱可塑性樹脂100重量部当たり樹脂用配合剤を0.05乃至20重量部の量で含有すること、
2.フィルム形成性熱可塑性樹脂がプロピレン系重合体であること、
3.カルボキシル基、その無水物基、そのアミド基またはその塩の基を有する有機物からなる分散剤及び/または滑剤を更に含有すること、
4.熱可塑性樹脂100重量部当たり分散剤及び/または滑剤を0.05乃至5重量部の量で含有すること、
が好ましい。
【0013】
【発明の実施形態】
本発明者らは、溶解したケイ酸アルカリを含む定形粒子構造を有するPc型ゼオライト型アルミノケイ酸塩のスラリーに、アルミノケイ酸塩の結晶性を損なわないがケイ酸アルカリの中和を生じるに十分な酸を添加することにより、アルミノケイ酸塩粒子とその表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体を生成せしめることに成功した。また、この複合体は樹脂用配合剤としての用途に特に適していることを見いだした。
【0014】
本発明の樹脂用配合剤は、定形粒子構造とPc型ゼオライトに特有のX線回折像とを有するアルミノケイ酸塩粒子と、非晶質ケイ酸の微粒子とからなり、しかもこの微粒子がアルミノケイ酸塩粒子の表面に沈着して形成されていることが顕著な特徴であり、この樹脂用配合剤はポリプロピレン等のフィルム形成用樹脂に配合したとき、透明性とアンチブロッキング性との組み合わせに特に優れている。
【0015】
公知のケイ酸系乃至アルミノケイ酸系アンチブロッキング剤(以下、AB剤と記載することがある)では、透明性とアンチブロッキング性との両方に関して満足しうるものは未だ知られていない。
先に紹介した特公平6−17217号公報や、特開2000−233919号公報に見られる、ゼオライトをイオン交換と乾燥乃至焼成とで非晶質化したものは、樹脂に配合したときの透明性には優れているが、アンチブロッキング性が未だ不十分であり、ブロッキング力の一層の低減が望まれている。
一方、ブロッキング力の小さなものとしては、市販のケイ酸系AB剤(A社製)があるが、このものは樹脂に配合したときのヘーズが高く、透明性に劣るという問題を有している。
【0016】
本発明では、定形粒子構造と結晶構造とを有するPc型ゼオライト型アルミノケイ酸塩粒子と非晶質ケイ酸とを複合体とし、この複合体をフィルム形成性熱可塑性樹脂に配合し、この樹脂組成物をフィルムに成形することにより、後述する例に示すとおり、フィルムのブロッキング力を低減し、透明性に優れたフィルムを得る事ができる。
【0017】
本発明の樹脂用配合剤が、低減されたブロッキング力とヘーズとを示すのは、多くの実験の結果現象として見いだされたものであり、その理由は未だ解明されていないけれども、次のように考えられるが、本発明は勿論これによって何らかの拘束を受けるものではない。
本発明の複合体では、定形粒子構造と結晶構造とを有するPc型ゼオライト型アルミノケイ酸塩粒子の周囲に、その場で形成された非晶質ケイ酸がバルキーな状態で沈着したハード・ソフト構造となっている。
このコア粒子の表面に存在する非晶質ケイ酸は、マトリックスである樹脂を硬化させ、これに一種の架橋構造をもたらすと信じられる。この樹脂の硬化乃至架橋はコア粒子の表面で生じるため、ブロッキング力の減少に役立つ凸部の形成が有効に行われるものと考えられる。これは、インフレーション法によるフィルムの製造の場合に特に有効に機能する。即ち、インフレーション製膜法では、溶融状態の樹脂膜が次第に冷却され、延伸されるが、膜表面に形成される架橋部(非溶融部)が凸部を形成し、ブロッキング力の低減に役立っていると思われる。更に、本発明の樹脂用配合剤では、配合樹脂のヘーズが小さな値に抑制され、透明性が向上しているが、これは、前述した粒子構造が、光学的に透明性向上に寄与していることに加えて、樹脂の結晶化促進による透明性向上の寄与もあるものと推定される。
【0018】
本発明に用いる複合体では、アルミノケイ酸塩粒子と非晶質ケイ酸の微粒子とを95:5乃至50:50、特に95:5乃至70:30の重量比で含有することが望ましい。非晶質ケイ酸の量比が上記範囲を下回ると、ブロッキング力がかなり大きい値を示すのに対して、この量比が上記範囲内にある場合には、配合フィルムのブロッキング力を有効に低減させることが可能となる。また、この複合体では非晶質ケイ酸の量比が多くなりすぎると、ヘーズが増大する傾向があると共に、非晶質ケイ酸の増大は生産性の低下やコストの増大にもつながるので、上記範囲内にあることが好ましい。
【0019】
本発明に用いる樹脂用配合剤は、アンチブロッキング性及び透明性の点で、表面水酸基量が450μmol/g以上であることが好ましい。この表面水酸基は、前に説明した樹脂の架橋部の形成や結晶化と密接に関係しており、上記範囲内にあることにより、優れたアンチブロッキング性及び透明性が得られるものである。
【0020】
本発明の樹脂用配合剤のコア粒子であるアルミノケイ酸塩粒子は、Pc型ゼオライトに特有のX線回折像を有するものであり、特に球状の粒子構造を有している。
ここで、球状とは、下記式(1)、
A=r1/r2 ‥‥(1)
式中、r1は前記粒子の電子顕微鏡写真輪郭の外接円半径を表わし、
r2はその内接円半径を表わす、
で定義される真円度(A)が0.90乃至1.0、特に0.95乃至1.0の範囲内にあるものを意味する。
このコア粒子から形成された複合体は、樹脂中への分散性に優れており、更に配合樹脂のアンチブロッキング性及び透明性にも優れている。
【0021】
[複合体の製造]
本発明によれば、溶解したケイ酸アルカリを含む定形粒子構造を有するPc型ゼオライト型アルミノケイ酸塩のスラリーに、アルミノケイ酸塩の結晶性を損なわないがケイ酸アルカリの中和を生じるに十分な酸を添加することにより、アルミノケイ酸塩粒子とその表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体を生成せしめる。
【0022】
ゼオライトは無機イオン交換体、特にケイ酸質イオン交換体の総称であり、一般にイオン交換可能なアルカリ金属イオンを含有している。ゼオライトは、鉱物学的には、テクトケイ酸塩乃至テクトアルミノケイ酸塩に属し、SiO2四面体4個の頂点の何れもが相隣るSiO2四面体或いはAlO6八面体と結合し、3次元状の立体網目構造を形成している。この立体網目構造を反映して、特有のX線回折像を示す。
【0023】
本発明では、このようなゼオライトのうち定形粒子構造及び結晶構造を有するものを選択し、これを、最終被覆アルミノシリカ粒子が定形粒子となるように、コアとして利用し、しかもゼオライト構造中に、結晶構造が保存されるようにするものである。
即ち、特開2000−233919号公報に見られる方法では、コアとなるゼオライトをイオン交換と乾燥乃至焼成とで非晶質化するのに対して、本発明では、コアとなるゼオライトに結晶構造が保存されるように処理を行うのであって、この点において両者は相違している。
【0025】
本発明のシリカアルミナ複合粒子を製造するに際しては、先ずPc型ゼオライトに特有のX線回折像を有し且つ個々の粒子が全体として明確な球状形状を有するゼオライト粒子を製造する。この原料ゼオライトは、ギザギザ状の表面を有することが、非晶質ケイ酸乃至ケイ酸塩のシェルを確実に付着させるために好ましい。
【0026】
この粒子形状のPc型ゼオライトは、ケイ酸ナトリウムまたは活性ケイ酸ゲル、シリカゾル、メタカオリン、アルミン酸ナトリウム、アルミナゾル及び水酸化ナトリウムを、下記条件を満足するように混合してアルミノケイ酸アルカリのゲルを生成させ、このゲルを均質化した後、80乃至200℃の温度で常圧もしくは水熱条件下で結晶化を行うことにより製造される。
【0027】
各原料の組成比は次の通りである。
【0028】
生成したゼオライトは、スラリーの状態でそのまま次の工程に用いることもできるし、デカンテーションなどにより母液の少なくとも一部を除いた後次の工程に用いることもできるし、或いは更に水洗し、必要により所定の粒度への分級操作を行った後、次の工程に用いることもできる。
【0029】
原料Pc型ゼオライトの化学組成の一例を示すと、下記式(2)の通りである。
kNa2O・pSiO2・Al2O3・q’H2O ‥(2)
式中、kは1.1±0.2 の数であり、pは4±1.5の数であり、
q’は1.0以下の数である。
【0030】
本発明で用いるゼオライトのスラリーは、上記ゼオライトに加えて、このスラリーの水性媒体中に溶解したケイ酸アルカリを含有する。このケイ酸アルカリは、ゼオライトの合成に用いたケイ酸アルカリの残分でもよいし、ゼオライトの合成後に加えたケイ酸アルカリであってもよいし、またこれらの両方からなっていてもよい。
【0031】
ゼオライトスラリーに対して、存在させるべきケイ酸アルカリの量は、ゼオライトの固形分基準で、シリカ(SiO2)として5乃至50重量%、特に10乃至30重量%であるのがよい。ケイ酸アルカリの量が上記範囲よりも少ない場合には、配合樹脂のブロッキング力がかなり大きい値を示すようになり、アンチブロッキング性の点で好ましくない。また、ケイ酸アルカリが多くなりすぎると、ヘーズが増大する傾向があると共に、生産性の低下やコストの増大にもつながるので好ましくない。
【0032】
本発明では、溶解したケイ酸アルカリを含むゼオライト型アルミノケイ酸塩のスラリーに、アルミノケイ酸塩の結晶性を損なわないがケイ酸アルカリの中和を生じるに十分な酸を添加する。
【0033】
ケイ酸アルカリの中和による非晶質ケイ酸の生成を選択的に行うには、ゼオライトの水性スラリーに、pHが6乃至8になるように酸をゆっくり添加するのがよい。
酸としては、無機酸でも有機酸でも使用しうるが、経済性や操作の簡便さの点から、硫酸、塩酸、リン酸等の鉱酸類、特に硫酸の使用が望ましい。
【0034】
尚、酸の代わりに、塩、例えば水溶性金属塩を使用した場合には、アルミノケイ酸塩の粒子表面には、ケイ酸塩粒子が沈着することとなる。
【0036】
ケイ酸アルカリの酸による中和は、一般に20乃至90℃の温度で行うのが好ましく、また処理時間は30乃至300分間程度が適当である。処理後の生成物は、濾過、水洗、乾燥乃至焼成、粉砕等の後処理を行って、製品とする。
【0037】
複合体粒子の典型的な一製造例では、ケイ酸ソーダを含むPc型ゼオライトの生成液を約75℃の温度で攪拌し、約14%の硫酸を反応系のpHが6〜8になるようにゆっくり添加する。次いで、攪拌下に約1時間放置した後、濾過水洗し、110℃で乾燥した後、粉砕して製品とする。
【0039】
[複合体粒子]
上記方法で製造される複合体粒子は、定形粒子構造とPc型ゼオライトに特有のX線回折像とを有するアルミノケイ酸塩粒子と、アルミノケイ酸塩粒子の表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体からなるが、この粒子構造は走査型電子顕微鏡写真により確認することができる。
【0040】
添付図面の図1は、酸の添加による中和法によって生成した本発明の複合体粒子の走査型電子顕微鏡写真であり、図2は、酸の代わりに水溶性金属塩の添加による分解によって表面にケイ酸塩が沈着した複合体粒子(本発明の範囲外)の走査型電子顕微鏡写真であり、図3は原料として用いたアルミノケイ酸塩粒子の走査型電子顕微鏡写真である。これらの走査型電子顕微鏡写真から、本発明の複合体では、定形粒子構造のアルミノケイ酸塩粒子をコアとし、これに非晶質ケイ酸の微粒子が沈着した構造を有することがわかる。また、これらの写真によると、非晶質ケイ酸の微粒子の沈着状態は、活性ケイ酸に特有の嵩高なものであることも了解される。
【0041】
また、本発明による複合体粒子において、アルミノケイ酸塩コア粒子がゼオライトに特有の結晶構造を保有している事実は、X線回折像により確認することができる。
添付図面の図4は中和法により生成した複合体粒子のX線回折像であり、図5は分解法により生成した複合体粒子のX線回折像であり、図6は原料として用いたアルミノケイ酸塩粒子のX線回折像である。
これらのX線回折像から、本発明による複合体粒子では、中和乃至分解処理にもかかわらず、コア粒子の結晶構造が実質上維持されていることが明らかである。
【0042】
本発明の複合体粒子のコアにおいては、製造過程においてゼオライト中のアルミナ分のロスを生じないことから、SiO2/Al2O3のモル比が出発原料のゼオライトとほぼ同一の範囲にあり、一般に2.5乃至4.5、特に3乃至4.5の範囲にある。
【0043】
本発明に用いる複合体粒子においては、コア粒子と微粒子シェルとが前述した量比で存在するが、シェルを構成する非晶質ケイ酸は、1次粒径の微細なものであり、アルミノケイ酸塩粒子の1次粒径に比して1/10以下の微細粒子からなることが好ましい。
【0044】
本発明に用いる複合体粒子は、電子顕微鏡による一次粒子径が0.5乃至20μm、特に1乃至10μmの範囲にある。アンチブロッキング作用の点でいえば、用いる粒子の粒径には一定の好適範囲があり、上記粒径のものは、アンチブロッキング作用に優れている。
【0045】
本発明による複合体粒子は、嵩密度(JlS−K−6721)が1.2g/ml以下である。即ち、この複合体粒子は、コア粒子に比して小さい嵩密度を有し、全体としての嵩密度は、1.2g/ml以下、特に0.3乃至0.9g/mlの範囲にあるのが好ましい。本発明による複合体粒子はコア粒子の嵩密度よりも5乃至50%程度低い嵩密度を示すが、これは、シェルの量が50乃至5重量%と少ないことから見て、シェルを構成する非晶質ケイ酸が嵩高な状態で存在していることを物語っている。
【0046】
また、本発明の複合体粒子が、アルミノ珪酸塩粒子と、非晶質ケイ酸微粒子との単なるブレンド品と違うことは、後述の実施例に記載する嵩密度の測定結果から明らかである(実施例2及び比較例3を参照)。このことはブレンド品を用いた場合、輸送時の偏析、或いは樹脂へ配合するときに均一に配合することが難しいこと等が、本発明では起きにくいために、ハンドリング性に優れていると言える。
【0047】
更に、上記嵩密度にも関係するが、複合体粒子は、吸油量が10ml/100g以上であることが好適であり、特に30乃至60ml/100gの範囲にあることが推奨される。
【0048】
一般的な粉末物性としてのBET比表面積は、2.0乃至50m2/gの範囲内にある。即ち、この複合体粒子は表面活性が比較的小さく、雰囲気中での影響が小さい。
【0049】
また、この複合体粒子は、ハンター反射法による白色度が95%以上と白色度に優れている。
【0050】
更に、本発明による複合体粒子は、ゼオライト粒子そのものやイオン交換と熱処理により非晶質化したゼオライト粒子に比べて、耐摩耗性及び耐擦傷性が顕著に改善されている。耐摩耗性は、後述する実施例のワイヤー摩耗試験により評価できるが、イオン交換と熱処理により非晶質化したゼオライト粒子の摩耗量はかなり多いのに対して、本発明による複合粒子の摩耗量は少なく、本発明の優れた効果が明らかである。
【0052】
[用途]
本発明の複合体粒子は、樹脂用配合剤として有用である。例えば、種々のフィルム形成用樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル;6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド;塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の塩素含有樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン類;ポリアセタール等の熱可塑性樹脂に配合して、形成される樹脂成形品、例えば二軸延伸フィルム等にスリップ性乃至アンチブロッキング性を付与する目的に使用できる。特にポリアミド、ポリエステル等には重合前に添加して使用することもできる。
【0053】
この用途に対しては、熱可塑性樹脂100重量部に対して、本発明の樹脂用配合剤を0.05乃至20重量部、特に0.05乃至5重量部、更に好ましくは0.05乃至1重量部の配合比で用いるのがよい。
樹脂用配合剤の量が上記範囲を下回ると、アンチブロッキング性能が不十分となる傾向があり、一方上記範囲を上回ると、アンチブロッキング性能の向上には限度があると共に、透明性が低下するので好ましくない。
【0054】
本発明による樹脂用配合剤を樹脂に配合するときには、分散剤、特に滑剤としての作用をも有する分散剤と組み合わせで用いることが推奨される。このような分散剤としては、カルボキシル基、その無水物基、そのアミド基またはその塩の基を有する有機物が挙げられる。
【0055】
その適当な例としては、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石ケンおよびそれらの混合系が一般に用いられるが、特に脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系が好ましい。
更に、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンワックスや無水マレイン酸グラフト変性オレフィン系樹脂も、この目的に好適に使用される。
【0056】
上記の分散剤及び/または滑剤は、樹脂100重量部当たり0.05乃至5重量部、特に0.1乃至1重量部の量で配合することが好ましい。
【0057】
本発明の樹脂組成物は、それ自体公知の製膜法、例えばインフレーション製膜法、T−ダイ製膜法で延伸フィルムに成形することができ、得られたフィルムはアンチブロッキング性、透明性に優れている。
【0058】
また、本発明の樹脂用配合剤は、成形用熱硬化型樹脂や被覆形成用塗料に対する充填剤乃至補強剤、更には艶消し剤としての用途に供することもできる。
【0059】
【実施例】
本発明を次の実施例により更に説明する。(尚、以下の実施例において、実施例3で調製された試料S−3の複合体が本発明例であり、実施例1及び2で調整された試料S−1、S−2の複合体は、非晶質ケイ酸の代わりに非晶質ケイ酸塩を沈着させた参考例である。)
実施例で行った測定方法は、以下のように行った。
【0060】
(1)X線回折
理学電機(株)製のガイガーフレックスRAD−IBシステムを用いて、Cu−Kαにて測定した。
ターゲット Cu
フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター
検出器 SC
電圧 40KVP
電流 20mA
カウントフルスケール 700c/s
スムージングポイント 25
走査速度 1°/min
ステップサンプリング 0.02°
スリット DS1° RS0.15mm SS1°
照角 6°
【0061】
(2)表面水酸基量
試料を120℃で2時間乾燥し、シリカゲルデシケータ中で室温まで放置冷却させる。この試料2gを三角フラスコに入れ、脱水したトルエン40mlを加える。系内を乾燥したN2ガスで置換後、トリエチルアルミニウムの11vol%トルエン溶液を攪拌下に加え、試料表面のOH基とトリエチルアルミニウムとの反応により発生するエタンガス量を定量し、OH基の量を下記式より算出する。
n=PV/RTW
ここで、n:表面OH基量(mol/g)、
P:圧力(atm)、
V:エタンガス発生量(L)、
R:気体定数、
T:温度(K)、
W:試料重量(g)
【0062】
(3)嵩密度
JIS K−6721に準拠して測定した。
また、実施例2及び比較例3の試料については、次の条件でも嵩密度を測定した(タッピング法とする)。所定比に混合した粉体を円筒形ポリ容器に入れ、一定の高さから10回タッピングを行った後、容器の上層から採取した粉体の嵩密度を測定し、JIS法の値と比較した。
【0063】
(4)吸油量
JIS K−5101−19に準拠して測定した。
【0064】
(5)摩耗性
日本フィルコン株式会社製、NF式摩耗試験機を用いて摩耗度を測定した。本測定法は試料濃度2wt%の試験液を、ブロンズ製メッシュに流通循環させ、180分間におけるメッシュの重量変化から摩耗性を以下のように測定した。
○:ほとんど摩耗がない。
△:少し摩耗がある。
×:かなり摩耗がある。
【0065】
(合成1)P型ゼオライトの合成
3号ケイ酸ソーダ(SiO2 27wt%,Na2O 9.0wt%)、アルミン酸ナトリウム(Al2O3 22.5wt%,Na2O 15.5wt%)、苛性ソーダを用いて下記モル比で全体が16Kgになるように希ケイ酸ソーダ液と希アルミン酸ナトリウム液を調製した。
Na2O/SiO2 = 0.8
SiO2/Al2O3 = 8.0
H2O /Na2O = 70
次に内容積約25Lのステンレス製容器中で希ケイ酸ソーダ液8.2 Kgと希アルミン酸ナトリウム7.8 Kgを撹拌下ゆっくり混合し、全体が均一なアルミノケイ酸アルカリゲルとした。次いでこのアルミノケイ酸アルカリゲルを激しく撹拌しながら90℃まで昇温させ、その温度で48時間処理をして結晶化させた(反応スラリー)。次いで濾過、水洗して固形分濃度44.5%のNa−P型ゼオライトケーキを得た。その組成式を下記に示す。
Na2O・3.8SiO2・Al2O3・2.4H2O
【0066】
(実施例1)
合成例1で得たPc型ゼオライトのケーキを約15%のスラリー濃度になるようにスラリー化する。このスラリーに対して、ケイ酸ソーダを固形分に対して約10%のSiO2に相当する割合で添加する。このスラリーを攪拌下に約1時間放置した後、攪拌下に約75℃に昇温し、塩化カルシウムの水溶液をケイ酸アルカリ含有ゼオライトスラリー中のゼオライトに含まれるNa2O1モル当たり約0.5モル添加する。分解処理後、攪拌下に約1時間放置した後、濾過水洗し、110℃で乾燥した後、粉砕して樹脂用配合剤(S−1とする)を得た。
S−1のアルミノケイ酸塩粒子と非晶質ケイ酸塩の微粒子は90:10の重量比であった。
得られた試料の物性を表1に示す。
【0067】
(実施例2)
実施例1において、ケイ酸ソーダの割合を固形分に対して約35%のSiO2に相当する割合で添加した以外は、実施例1と同様にして行い樹脂用配合剤(S−2とする)を得た。
S−2のアルミノケイ酸塩粒子と非晶質ケイ酸塩の微粒子は80:20の重量比であった。
得られた試料の物性を表1に示す。
また、タッピング法による嵩密度は、0.55g/mlであり、JIS法とほぼ同じ値であった。
【0068】
(実施例3)
合成例1で得たPc型ゼオライトケーキと、ケイ酸ソーダを含む生成液を約75℃の温度で攪拌し、濃度が約14%の硫酸を反応系のpHが6〜8になるようにゆっくり添加する。次いで、攪拌下に約1時間放置した後、濾過水洗し、110℃で乾燥した後、粉砕して樹脂用配合剤(S−3とする)を得た。
S−3のアルミノケイ酸塩粒子と非晶質ケイ酸の微粒子は80:20の重量比であった。得られた試料の物性を表1に示す。
【0069】
(比較例1)
非晶質シリカ微粉末(サイロブロック45:W.R.グレース製)(H−1とする)を用いた。
試料の物性を表1に示す。
【0070】
(比較例2)
前記合成例1で得られたNa−P型ゼオライトケーキを濃度20%になるよう水を加えスラリーとし、そのスラリー500gをスターラーで攪拌しながら水浴中で40℃に加熱する。次いでP型ゼオライトに含まれるNa2 O分の2倍モルの塩化カルシウムを加えて 1時間攪拌する。濾過、水洗後700℃で2時間焼成後、粉砕分級して試料(H−2とする)を得た。得られた試料の諸物性を表1に示し、配合評価の結果を表2に示す。
得られた試料の物性を表1に示す。
【0071】
(比較例3)
合成例1で得られたP型ゼオライトスラリーを80℃で乾燥し、粉砕し、試料を得た。これと、比較例1記載のシリカとを重量比でゼオライト:シリカ=80:20の割合で混合した(H−3とする)。
得られた試料の物性を表1に示す。
また、タッピング法による嵩密度は、0.20g/mlであり、JIS法の値(0.40g/ml)とかなり違う値であった。
【0072】
【表1】
【0073】
各樹脂配合剤を添加して得たフィルムについてそれぞれ確性試験を行った。試験方法は、以下の通りである。なお、フィルムは、ISO 291:1997に準拠した、23℃、湿度50%の環境下で所定時間保存した試験片を用いて試験を行った。
【0074】
(1)アンチブロッキング性(AB性:触診開口試験)
ISO11502:1995(method B)に記載される条件で2枚のフィルムを圧着し、触診試験によってその剥がれ易さを以下のように評価した。
◎: 抵抗なく剥がれるもの
○: やや剥がれにくいもの
△: 著しく剥がれにくいもの
×: 剥がれないもの
【0075】
(2)ヘーズ(Haze)
ASTM D 1003−95に準拠して測定した。Hazeの値が小さいほど透明性に優れる。
【0076】
(3)透明性(Clarity)
ASTM D 1044−94に準拠する装置を使用し、上記ヘーズ測定フィルムのClarityを測定した。Clarityの値が大きいほど鮮明性に優れる。
【0077】
(4)静摩擦係数(SCOF)
ASTM D 1894−95に準拠して、東洋精機製摩擦測定機TR−2を用いて、静摩擦係数(SCOF)を測定した。SCOFの値が低いほど滑り性に優れる。
【0078】
(5)Δイエローインデックス(ΔYI)
試験フィルム10.5gを190℃で熱プレスし,5cm×7cm×3mmのプレートを作成した。このプレートについてその色相をJIS K 7105−1981に準拠して測定した。評価パラメーターである△YIは次式より算出した。
△YI=YI試験サンプル − YIベースレジン
△YIの値が小さいほど樹脂の黄変を来たさない。
【0079】
(6)分散性
試料を樹脂に分散したときの分散性を下記のように目視で評価した。
◎:特に分散性が良い。
○:分散性が良い。
△:少し分散性が悪い。
×:かなり分散性が悪い。
【0080】
(実施例4〜6,比較例4〜6)
ランダムポリプロピレン(ランダムPPと記載することがある)を用い、以下に示した配合原料を加工温度230℃で、Tダイ法により製膜し、厚さ30μmのフィルムを得た。得られたフィルムについて確性試験を行い、結果を表2に示す。
[ランダムポリプロピレン樹脂組成物配合表]
ランダムPP{メルトフローレート(MFR)=7} 99.68wt%
アンチブロッキング剤(表2参照) 0.2 wt%
滑剤(エルカ酸アミド) 0.12wt%
MFRの単位は(g/10min)。
【0081】
【表2】
【0082】
(実施例7〜9,比較例7〜9)
ランダムポリプロピレン(ランダムPPと記載することがある)を用い、以下に示した配合原料を加工温度210℃で、インフレーション法で製膜し、厚さ30μmのフィルムを得た。得られたフィルムについて確性試験を行い、結果を表3に示す。
[ランダムポリプロピレン樹脂組成物配合表]
ランダムPP{MFR=7g/10min} 99.55wt%
アンチブロッキング剤(表3参照) 0.3 wt%
滑剤(エルカ酸アミド) 0.15wt%
【0083】
【表3】
【0084】
(実施例10〜12,比較例10〜12)
ホモポリプロピレン(ホモPPと記載することがある)を用い、以下に示した配合原料を加工温度210℃で、インフレーション法で製膜し、厚さ30μmのフィルムを得た。得られたフィルムについて確性試験を行い、結果を表4に示す。
[ホモポリプロピレン樹脂組成物配合表]
ホモPP{MFR=7g/10min} 99.6wt%
アンチブロッキング剤(表4参照) 0.3wt%
滑剤(エルカ酸アミド) 0.1wt%
【0085】
【表4】
【0086】
(実施例13〜15,比較例13〜15)
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、低密度ポリエチレン(LDPE)を用い、以下に示した配合原料を加工温度200℃で、インフレーション法で製膜し、厚さ30μmのフィルムを得た。得られたフィルムについて確性試験を行い、結果を表5に示す。
[LLDPE樹脂組成物配合表]
LLDPE{MFR=1.1g/10min} 84.55wt%
LDPE {MFR=1.0g/10min} 15.0 wt%
アンチブロッキング剤(表5参照) 0.3 wt%
滑剤(エルカ酸アミド) 0.15wt%
【0087】
【表5】
【0088】
【発明の効果】
本発明者らは、溶解したケイ酸アルカリを含む定形粒子構造を有するPc型ゼオライト型アルミノケイ酸塩のスラリーに、アルミノケイ酸塩の結晶性を損なわないがケイ酸アルカリの中和を生じるに十分な酸を添加することにより、アルミノケイ酸塩粒子とその表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体を生成せしめることに成功した。
また、この複合体は樹脂用配合剤としての用途に特に適していることを見いだした。即ち、この樹脂用配合剤は、アンチブロッキング性と透明性との組み合わせに優れている。また、本発明によれば、上記の樹脂用配合剤を少ない工程数で、優れた生産性を以て安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中和法により生成した複合体粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】分解法により生成した複合体粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】原料として用いたアルミノケイ酸塩粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】中和法により生成した複合体粒子のX線回折像である。
【図5】分解法により生成した複合体粒子のX線回折像である。
【図6】原料として用いたアルミノケイ酸塩粒子のX線回折像である。
Claims (11)
- 定形粒子構造とPc型ゼオライトに特有のX線回折像とを有する球状アルミノケイ酸塩粒子と、アルミノケイ酸塩粒子の表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体からなることを特徴とする樹脂用配合剤。
- 前記複合体はアルミノケイ酸塩粒子と非晶質ケイ酸の微粒子とを95:5乃至50:50の重量比で含有するものである請求項1に記載の樹脂用配合剤。
- 表面水酸基量が450μmol/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂用配合剤。
- 非晶質ケイ酸粒子がアルミノケイ酸塩粒子の1次粒径に比して1/10以下の微細粒子からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂用配合剤。
- 嵩密度(JIS−K−6721)が1.2g/ml以下であり、吸油量が10ml/100g以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の樹脂用配合剤。
- 溶解したケイ酸アルカリを含む定形粒子構造を有するゼオライト型アルミノケイ酸塩のスラリーに、アルミノケイ酸塩の結晶性を損なわないがケイ酸アルカリの中和を生じるに十分な酸を添加して、アルミノケイ酸塩粒子とその表面に沈着した非晶質ケイ酸の微粒子との複合体を生成せしめることを特徴とする樹脂用配合剤の製法。
- フィルム形成性熱可塑性樹脂に請求項1乃至5の何れかに記載の樹脂用配合剤を配合してなることを特徴とする樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂100重量部当たり樹脂用配合剤を0.05乃至20重量部の量で含有することを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物。
- フィルム形成性熱可塑性樹脂がプロピレン系重合体であることを特徴とする請求項7または8に記載の樹脂組成物。
- カルボキシル基、その無水物基、そのアミド基またはその塩の基を有する有機物からなる分散剤及び/または滑剤を更に含有することを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂100重量部当たり分散剤及び/または滑剤を0.05乃至5重量部の量で含有することを特徴とする請求項10に記載の樹脂組成物。
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