JP4038754B2 - 印刷用紙終端検出装置及びこれを備えた印刷装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用紙として連続紙を使用する印刷装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
連続紙を適用する印刷装置は、まずデータ処理部において、上位装置からのコマンドおよびデータを受信し、印刷する文字および図形の編集修飾およびドットイメージデータへの展開、更に当該データと用紙送り量の印刷制御部への送信を行う。次いで、データ処理部からのデータおよび用紙送り量を受信した印刷制御部は、印刷機構部の動作に同期して、印刷機構部へデータおよび用紙送り量の送信を行う。このとき、印刷装置全体の処理速度を向上させるため、データ処理部が印刷制御部へのデータおよび用紙送り量の送信完了後には、データ処理部は上位装置からの次のコマンドおよびデータを受信可能になっている。従って、データ処理部で算出している印刷位置と実際の印刷位置とは時間差がある。
【０００３】
一方、連続紙を適用する印刷装置は、予め印刷機構部と用紙センサを離して設置しており、連続紙終端が用紙センサを通過し、用紙センサ動作を検出する手段と、印刷制御部の用紙センサ動作情報をデータ処理部へ通知する手段により、データ処理部にて連続紙終端が用紙センサを通過したことを認識した場合には、印刷可能用紙残量を算出する手段により、印刷の度毎に印刷可能用紙残量を算出し、その結果により印刷を停止させる制御を行なっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
図３および図４を参照して、本発明が解決しようとする課題を詳述する。
【０００５】
図３は印刷機構部と用紙センサの位置関係を示す概略図である。図において、４１は印刷機構部、４２は印刷用紙、４３は用紙終端を検出する用紙センサである。
【０００６】
印刷用紙４２は印刷と共に図中の上方向へ移動する。図３の状態から印刷を開始した場合、用紙終端が用紙センサ４３を通過するまでは、印刷装置の処理速度を向上させるため、データ処理部が印刷制御部へ印刷データおよび用紙送り量を送信完了後に、データ処理部は上位装置からのコマンドおよびデータを受信可能にしている。用紙終端が用紙センサ４３を通過後、データ処理部は、印刷可能用紙残量を算出する手段により印刷可能用紙残量を算出し、頁の区切り等の適切な位置で印刷を停止する。
【０００７】
しかし、上述した従来の制御方法では、図３の状態からＡの長さに相当する「紙送り＋印刷データ」を印刷する場合に問題が発生する。この場合を図示したのが図４である。
【０００８】
図４において、横軸は時間、５１はデータ処理部から印刷制御部へＡの長さに相当する紙送り量の処理、５２は印刷データの処理を示す。
【０００９】
図３および図４の場合において、データ処理部で紙送りの処理を終了し、印刷制御部および印刷機構部での処理、すなわち図４のＢの時点で用紙終端が用紙センサを通過したものとする。その後、データ処理部の処理より、印刷可能用紙残量を算出を開始すると、Ａの長さに相当する紙送り量が印刷可能用紙残量に反映させることができないため、印刷可能用紙残量算出に著しい誤差が生じ、５２の印刷制御部および印刷機構部の処理において、「空打ち」が発生する場合がある。
【００１０】
そこで、本発明の課題は、印刷制御部に用紙終端が用紙センサ通過後の紙送り量を算出する手段を設け、その算出値を印刷可能用紙残量に反映させることにより、紙切れによる印刷停止位置の精度向上を行うことにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
このため本発明では、印刷用紙終端検出装置を、印刷用紙に連続紙を適用して印刷を実行する印刷機構部と、印刷機構部を制御する印刷制御部と、上位装置からのコマンドおよびデータを処理して前記印刷制御部に送信するデータ処理部と、用紙終端を検出する用紙センサと、前記印刷制御部に設けられるとともに用紙終端が用紙センサを通過後の用紙送り量を算出する手段と、データ処理部において印刷可能用紙残量を算出する手段と、印刷可能用紙残量算出の際に用紙終端が用紙センサを通過後の用紙送り量を反映させる手段により構成する。
【００１２】
そして、従来の印刷装置に、用紙センサ動作後の用紙送り量を算出する手段と、算出した値を印刷可能用紙残量へ反映する手段とを備えた印刷用紙終端検出装置を付加することにより印刷装置を構成している。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一例について図面を参照して説明する。
【００１４】
図５は本発明の一例となる制御ブロック図である。
【００１５】
図５において、６１は印刷を実行する印刷機構部、６２は用紙終端を検出する用紙センサ、６３は印刷機構部を制御する印刷制御部、６４は用紙センサ動作を検出する手段、６５は用紙センサ動作情報をデータ処理部へ通知する手段、６６は用紙センサ動作後の用紙送り量を算出する手段、６７は上位装置からのコマンドおよびデータの処理を行うデータ処理部、６８は印刷可能用紙残量を算出する手段である。
【００１６】
用紙終端が用紙センサ６２を通過し、用紙センサが動作すると、用紙センサ動作を検出する手段６４および用紙センサ情報をデータ処理部へ通知する手段６５によって、データ処理部６７に用紙センサ動作情報が伝達される。また、用紙センサ動作後の用紙送り量を算出する手段６６によって、用紙センサ動作後の用紙送り量の算出を開始する。一方、印刷可能用紙残量を算出する手段６８は用紙センサ動作を検出する手段６４および用紙センサ動作後の用紙送り量を算出する手段６６によって、印刷可能用紙残量を算出し、印刷停止の判断を行なう。
図１には印刷可能用紙残量算出の際に用紙終端が用紙センサを通過後の用紙送り量を反映させる手段の一例となる、データ処理部６７における用紙終端検出プログラムのフローチャートを示す。
図１において、処理１で印刷制御部６３より用紙終端が用紙センサ６２を通過した旨の通知を受けると、処理２で処理１のデータ処理が１回目の処理か否かを判断した後、処理３でデータ処理部において印刷可能用紙残量から印刷制御部で算出した用紙センサ６２の動作後の用紙送り量を減算する。その後、処理４で今回データ処理部において印刷制御部へ送信する用紙送り量を印刷可能用紙残量から再び減算する。更に、処理５で算出した印刷可能用紙残量で印刷継続可能か否かの判断を行い、不可能であれば処理６で印刷を停止する。
【００１７】
図２は印刷制御部６３のフローチャートを示す。
【００１８】
図２において、処理２１で印刷制御部６３が用紙終端が用紙センサ６２を通過したことを検出すると、処理２２で用紙センサ動作情報をデータ処理部６７へ通知した後、処理２３で用紙センサ動作後の用紙送り量の算出を開始する。
【００１９】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば印刷制御部で用紙センサ通過後の用紙送り量を算出し、これをデータ処理部の用紙残量算出に反映させるため、印刷制御部による用紙センサ動作検出とデータ処理部による印刷可能用紙残量算出の間に時間的な差があっても、より正確な印刷可能用紙残量算出を行なうことができ、「空打ち」発生を防止する等印刷精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一例となるデータ処理部６７のフローチャート。
【図２】 印刷制御部６３のフローチャート。
【図３】 印刷機構部と用紙センサの位置関係を示す概略図。
【図４】 従来の印刷処理の一例を示す概念図。
【図５】 本発明の一例となる印刷制御のブロック図。

Claims (5)

1. 印刷用紙に連続紙を適用して印刷を実行する印刷機構部と、印刷機構部を制御する印刷制御部と、上位装置からのコマンドおよびデータを処理して前記印刷制御部に送信するデータ処理部と、用紙終端を検出する用紙センサと、前記印刷制御部に設けられるとともに用紙終端が用紙センサを通過後の用紙送り量を算出する手段と、データ処理部において印刷可能用紙残量を算出する手段と、印刷可能用紙残量算出の際に用紙終端が用紙センサを通過後の用紙送り量を反映させる手段から構成されることを特徴とする印刷用紙終端検出装置。
2. 請求項１記載の印刷用紙終端検出装置を備えた印刷装置。
3. 請求項１の印刷用紙終端検出装置において、印刷可能用紙残量算出の際に、用紙終端が用紙センサを通過後の用紙送り量を反映させる手段として設けられた用紙終端検出プログラム。
4. 請求項 3 の用紙終端検出プログラムにおいて、用紙終端の用紙センサ通過を判断するステップと、前記ステップが１回目の処理であることを判断した場合、印刷可能用紙残量から用紙センサ動作後の用紙送り量を減算するステップと、印刷可能用紙残量から今回の用紙送り量を減算するステップと、算出した印刷可能用紙残量で印刷継続可能か否かを判断するステップとからなる用紙終端検出プログラム。
5. 請求項３または４の用紙終端検出プログラムを記録した記録媒体。

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