JP4037868B2 - 圧電アクチュエータの駆動装置 - Google Patents
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Description
この圧電アクチュエータ1は、圧電板5、7の分極方向に応じて、例えばプラス端子P1と共通端子P3間(圧電板5の電極5aとプレート3間)にプラス電位+を印加すると、プレート3が屈曲して例えば図5中破線で示すように開放端が上方向に変位する。
一方、共通端子P3とマイナス端子P2間(プレート3と他方の圧電板7の電極7a間)にマイナス電位−を印加すると、例えば同図中一点鎖線で示すように開放端が下方向に変位する。
そして、圧電アクチュエータ1は、そのような圧電現象による屈曲運動を利用して種々の駆動源、例えば編機の編成針の選針駆動源として用いられる。
すなわち、図6に示すように、細長い絶縁性の箱形ケース9内のその一方の側壁9aに、上述した複数の圧電アクチュエータ1(図中1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1hに分けて示す。)を互いに所定の間隔を置いて平行に一端を片持ち支持させ、開放端としての他端をケース9の対向する側壁9bに設けた操作孔11に遊びをもって差し込み、その他端に固定された機構部品としての操作片13をその操作孔11から遊びをもって突出させた構成となっている。
ケース9に支持された複数の圧電アクチュエータ1a〜1h(操作片13を含む。)はすべて同一であり、図7はケース9の側壁9bすなわち操作片13の先端側からケース9を見た図である。
このような複数の圧電アクチュエータ1a〜1hに対し、電源部15からのプラス・マイナスの直流駆動電圧をコントローラ17を介して印加すると、各圧電アクチュエータ1a〜1hが屈曲し、ケース9の操作孔11から突出する操作片13が変位するから、操作片13によって図示しない選針レバー(機構部品)を動かせる。
そして、コントローラ17によって複数の圧電アクチュエータ1a〜1hに対する駆動電圧を切り換え選択することにより、例えば編機の編成針の選針駆動装置として使用できる。
この種の圧電アクチュエータに係る一般的な特許文献をあげれば、特許文献1(特開平5−302251号)がある。
さらに、コントローラ17による複数の圧電アクチュエータ1a〜1hへの駆動電圧を制御する構成としては、図8に示すような構成が考えられる。
すなわち、複数の圧電アクチュエータ1a〜1hに対応して直列接続されたフォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8を用い、プラス側電源ライン19から抵抗R1を介して一方のフォトトランジスタQ1のコレクタを接続し、他方のフォトトランジスタQ2のエミッタを抵抗R2を介してマイナス側電源ライン21に接続する。
圧電アクチュエータ1aにおけるプラス端子P1をプラス側電源ライン19に接続し、マイナス端子P2をマイナス側電源ライン21を接続し、フォトトランジスタQ1、Q2の接続点をその圧電アクチュエータ1aの共通端子P3に接続する。
同様に、フォトトランジスタQ3〜Q8についても抵抗R3〜R8を介してプラス側やマイナス側電源ライン19、21に接続するとともに、圧電アクチュエータ1b〜1dについてもフォトトランジスタQ3〜Q8の接続点およびプラス側やマイナス側電源ライン19、21に接続する。
また、直列接続されたフォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8に対し、直列接続された発光ダイオードD1とD2、D3とD4、D5とD6、D7とD8を対応させて近接配置する。
切換制御部23によってそれら発光ダイオードD1〜D8を選択的に通電して発光させ、上述した圧電アクチュエータの駆動装置が形成される。
図8において、フォトトランジスタQ1〜Q8、発光ダイオードD1〜D8および切換制御部23によって、述したコントローラ17が形成されている。
なお、図8では、切換制御部23から1本のラインで発光ダイオードD1〜D8が接続されているが、実際は発光ダイオードD1〜D8に対応させて個別配線となっているが、分かり易くするために簡素化して図示されている。
そして、複数の圧電アクチュエータ1a〜1dのうち、例えば、圧電アクチュエータ1aをオン駆動させる場合であってその開放端を上方へ変位させるには、切換制御部23によって発光ダイオードD1のみを選択的に導通制御し、その先端を下方へ変位させるには発光ダイオードD2のみを選択的に導通制御させる。
他の圧電アクチュエータ1b〜1dについては、発光ダイオードD3がD4、D5かD6、D7かD8についていずれか片方を選択的に導通制御させる点も同様である。
上述した構成の圧電アクチュエータの駆動装置において、フォトトランジスタQ1〜Q8とプラス側およびマイナス側電源ライン19、21間に接続された抵抗R1〜R8は、フォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8のうち一方から他方へ切り換わるとき、フォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8の双方が一時的に導通したり急激な電流変化が発生して駆動電流が大きくなっても、フォトトランジスタQ1〜Q8を流れる駆動電流の増大を抑えたり、駆動装置全体の消費電力を高めないような電流制限機能を有している。
しかしながら、上述した圧電アクチュエータの駆動装置では、複数の圧電アクチュエータ1a〜1hをオン駆動する複数のフォトトランジスタQ1〜Q8について電流制限用の抵抗R1〜R8が各々接続されているから、部品点数が多くて配線も複雑となり、コストを低減し難く、生産性も向上し難い。
そこで、プラス側およびマイナス側電源ライン19、21おいて、コントローラ17までの部分に電流制限用の抵抗を1つずつ挿入すれば、部品点数が減少し配線も簡単となるように考えられるが、以下の理由によって実現されなかった。
すなわち、編機の編成針の選針駆動装置などに使用されるこの種の圧電アクチュエータ1a〜1hでは、それらを速い切り換え速度で駆動させれば速く編成針の変位が可能となり、編成速度を向上させることが可能である。
例えば、圧電アクチュエータ1aのオン制御と同時又は直後に別の圧電アクチュエータ1bをオン制御したり、オン・オフ動作切換えタイミングを短くしながら順次圧電アクチュエータ1a〜1hをオンオフ制御すると、一時的に大きな駆動電流が流れ1個又は1対の電流制限用抵抗Rでは発熱が大きくなり易い。
これを回避するためには、消費電力が大きく高価な抵抗が必要となるから、結局、消費電力が大きくない安価な抵抗R1〜R8を各圧電アクチュエータ1a〜1h毎に挿入接続していた。
本発明者は、圧電アクチュエータ1a〜1hに関し、その機能や等価回路について注意深く検討した。その結果、本発明者は、圧電アクチュエータ1a〜1hが等価的にコンデンサとしての機能を有し、圧電アクチュエータ1a〜1hに流れる駆動電流はオン制御直後では大きいものの充電進行によって減少し、ある期間を経過すると駆動電流が微少になるとともに変化も小さい点に着目し、抵抗数の減少と圧電アクチュエータ1a〜1hの高速切換えの可能な構成を見出し、本発明を完成させた。
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、複数の圧電アクチュエータを駆動する駆動装置において、駆動電流の増大を抑える抵抗の数を減少させるとともに複数の圧電アクチュエータの高速切換えが可能で、装置全体の消費電力を低く抑えることも可能な圧電アクチュエータの駆動装置の提供を目的とする。
しかも、複数のそれら圧電アクチュエータはその共通抵抗にあって上記電源部とは反対側にて電源ラインに接続されており、上記コントローラは、駆動電圧を印加する圧電アクチュエータの圧電板が60%以上充電された以降、次に駆動する圧電アクチュエータの圧電板に駆動電圧を印加するようオン制御する機能を有している。
そして、本発明は、上記コントローラについて、駆動電圧を印加した圧電アクチュエータの圧電板への駆動電圧の印加中に、次に駆動する圧電アクチュエータの圧電板に駆動電圧を印加するようオン制御する機能を設ける構成も可能である。
また、本発明では、上記共通抵抗にあって電源部側に上記コントローラを接続し、それら圧電アクチュエータの圧電板への駆動電圧をオン制御する構成が好ましい。
図2は、圧電アクチュエータの充電特性例を示す図である。
図3は、本発明に係る圧電アクチュエータの駆動装置の切り換え動作を説明する波形図である。
図4は、本発明に係る圧電アクチュエータの駆動装置に関し他の形態例を示すブロック回路図である。
図5は、圧電アクチュエータの一般的な構成を示す断面図である。
図6は、圧電アクチュエータを応用した構成例を示す断面図である。
図7は、図6の要部側面図である。
図8は、従来の圧電アクチュエータの駆動装置を示すブロック回路図である。
図1は本発明に係る圧電アクチュエータの駆動装置に関し形態例を示すブロック図である。
図1において、複数の圧電アクチュエータ1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1hは、例えば上述した図5に示すように、導電性プレート3の対向面に圧電板5、7を貼り付け、各圧電板5、7のプレート3に接触しない対向表面に電極5a、7aを設けるとともに、プレート3を各圧電板5、7の共通電極として形成されており、図6に示したように、箱形ケース9(図1では図示せず。)に片持ち支持されている。
なお、図1において圧電アクチュエータ1d〜1gの図示は省略されているが、圧電アクチュエータ1a、1b、1cと同様である。
プラス側電源ライン19およびマイナス側電源ライン21は、上述した図6に示したように電源部15から延び、例えば+50V〜+100V程度のプラス直流電源および−50V〜−100V程度のマイナス直流電源を供給するラインであり、途中に電流制限用の共通抵抗Ra、Rbが直列に挿入接続されている。
互いにエミッタとコレクタが直列接続されたフォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8は、圧電アクチュエータ1a〜1hに対応して配置されている。
各フォトトランジスタQ1、Q3、Q5、Q7の各コレクタは、共通抵抗Raの電源部側にてプラス側電源ライン19に共通抵抗Raを介さず直接接続されている。
フォトトランジスタQ2、Q4、Q6、Q8の各エミッタは、共通抵抗Rbの電源部側にてマイナス側電源ライン21に接続されている。
フォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8の接続点は、圧電アクチュエータ1a、1b、1c、〜1hの共通端子P3に接続されている。
圧電アクチュエータ1a、1b、1c、〜1hのプラス端子P1は、プラス側電源ライン19の共通抵抗Raにあって電源部側と反対側すなわち端子Saに接続され、圧電アクチュエータ1a、1b、1c、〜1hのマイマス端子P2は、マイナス側電源ライン21の共通抵抗Rbにあって電源部側と反対側すなわち端子Sbに接続されている。
発光ダイオードD1とD2、D3とD4、D5とD6、D7とD8は順方向に直列接続されている。
発光ダイオードD1とフォトトランジスタQ1、発光ダイオードD2とフォトトランジスタQ2、発光ダイオードD3とフォトトランジスタQ3、発光ダイオードD4とフォトトランジスタQ4、発光ダイオードD5とフォトトランジスタQ5、発光ダイオードD6とフォトトランジスタQ6、発光ダイオードD7とフォトトランジスタQ7、発光ダイオードD8とフォトトランジスタQ8が、各々対応して近接配置されている。
それら発光ダイオードD1とD2、D3とD4、D5とD6、D7とD8は、切換制御部25に接続され、この切換制御部25によってそれら発光ダイオードD1〜D8のいずれかを切り換え通電して発光させるようになっている。
なお、図1においても、切換制御部25から1本のラインで発光ダイオードD1〜D8が接続されているが、実際は発光ダイオードD1とD2、D3とD4、D5とD6、D7とD8に対応させて個別配線となっており、発光ダイオードD1〜D8のいずれかを選択して発光制御可能になっているのは、図8と同様である。
例えば、切換制御部25が発光ダイオードD1のみを選択的に導通制御すると、発光ダイオードD1からの光を受光してフォトトランジスタQ1がオン動作し、圧電アクチュエータ1aの圧電板5(図1では図示せず。)の両側にプラスの駆動電圧が印加される一方、圧電アクチュエータ1aの圧電板7(図1では図示せず。)の両側にマイナスの駆動電圧が印加されてこれが充電され、その開放端(操作片13)が上方へ変位される。
切換制御部25が発光ダイオードD1とD3を選択的に導通制御すると、フォトトランジスタQ1、Q3がオン動作して圧電アクチュエータ1a、1bの開放端(操作片13)が上方へ変位される。
そして、切換制御部25は、複数の発光ダイオードD1〜D8を順次選択的に導通制御させる点にも特徴がある。
すなわち、切換制御部25は、複数の圧電アクチュエータ1a〜1hについて、例えば図3に示すように、圧電アクチュエータ1aに駆動電圧を印加し、次いで圧電アクチュエータ1b、1c〜1hの順に駆動電圧印加をオン制御するようになっている。
さらに、切換制御部25は、複圧電アクチュエータ1a(正確には圧電板5、7)が70%充電されたとき、次の圧電アクチュエータ1bへ駆動電圧の印加をオン制御し、圧電アクチュエータ1bへの駆動電圧が70%充電されたとき、さらに次の圧電アクチュエータ1cへの駆動電圧の印加をオン制御し、以降、順次これの繰り返し制御するようになっている。
図2は、各圧電アクチュエータ1a〜1hについて駆動電圧を印加したときの充電変化を示すものであり、充電率が70%に達した時点Tで次の圧電アクチュエータ1a〜1hへの駆動電圧の印加が開始制御される。
切換制御部25は、各圧電アクチュエータ1a〜1hへの駆動電圧の印加期間(例えば200μ秒)を経過したら、個別又は全ての駆動電圧の印加をオフ制御するようになっている。
従って、各圧電アクチュエータ1a〜1hは、70%充電されてから駆動電圧の印加がオフ制御されるまでの間、次にオン制御される各圧電アクチュエータ1a〜1hが次々に重複してオン制御され、重複してオン制御される圧電のアクチュエータ1a〜1hが増加するようになっている。
図1中の符号27はコントローラであり、上述したフォトトランジスタQ1〜Q8、発光ダイオードD1〜D8、切換制御部25から形成され、電源ライン19、21から各圧電アクチュエータ1a〜1hの圧電板への駆動電圧の印加を順次選択的に切換え制御する上述した切換制御部25の機能その他を有している。
次に、このような圧電アクチュエータの駆動装置について、圧電アクチュエータ1a〜1hをこの順で順次オン制御する場合を例にして簡単に説明する。
切換制御部25が、例えば、発光ダイオードD1のみを選択的に導通制御するとフォトトランジスタQ1がオン動作し、共通抵抗Raを介したプラス側駆動電圧が電源ライン19から圧電アクチュエータ1aに印加され、その開放端が上方へ変位される。
切換制御部25は、圧電アクチュエータ1aへの充電が70%に達する期間が経過したとき、発光ダイオードD3も導通制御し、フォトトランジスタQ3もオン動作させる。
そのため、共通抵抗Raを介したプラス側駆動電圧が電源ライン19から圧電アクチュエータ1bに印加され、その開放端も上方へ変位される。
この場合、図3に示すように、遅れて屈曲駆動される圧電アクチュエータ1bの動作開始時点で、先に動作開始している圧電アクチュエータ1aの屈曲駆動も継続中である。
圧電アクチュエータ1bへの充電が70%に達したとき、切換制御部25が発光ダイオードD5の導通をオン制御してフォトトランジスタQ5をオフ動作させると、圧電アクチュエータ1cも重複して屈曲駆動される。以降、これが繰り返される。
このように本発明の圧電アクチュエータの駆動装置は、プラス側およびマイナス側電源ライン19、21の途中に電流制限用の共通抵抗Ra、Rbを直列に挿入接続し、複数の圧電アクチュエータ1a〜1hに対応するとともに直列接続されたフォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8についてフォトトランジスタQ1、Q3、Q5、Q7の一端を、プラス側電源ライン19にあって共通抵抗Raの電源部側に接続し、フォトトランジスタQ2、Q4、Q6、Q8の一端をマイナス側電源ライン21にあって共通抵抗Rbの電源部側に接続し、圧電アクチュエータ1a、1b、1c、〜1hの共通端子P3をフォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8の接続点、さらにそれらプラス端子P1およびマイナス端子P2を共通抵抗Raにあって電源部側と反対側の端子Sa、Sbを介してプラス側およびマイナス側電源ライン19、21に接続して構成されている。
そして、発光ダイオードD1〜D8をフォトトランジスタQ1〜Q8に対応させて近接配置し、特に、切換制御部25がある発光ダイオードD1〜D8を導通制御して対応する圧電アクチュエータ1a〜1hへ駆動電圧を印加制御し、その圧電アクチュエータ1a〜1hへの充電率が70%を経過したら、次の圧電アクチュエータ1a〜1hに対応する発光ダイオードD1〜D8を重複して導通制御する機能を有している。
そのため、複数の圧電アクチュエータ1a〜1hについて、駆動電圧の印加開始時点を順次遅らせ、各圧電アクチュエータ1a〜1hの駆動電流が大きい期間を避け、無視できる程度の微少電流に減少した状態で、次の圧電アクチュエータ1a〜1hへ駆動電圧が印加される。
これによって、全体の駆動電流が増大し難くなり、複数の圧電アクチュエータ1a〜1d毎に挿入していた電流制限用の抵抗R1〜R8を1対2個の共通抵抗Ra、Rbに減少させることができ、配線も簡素化されてコストを低減し易く、生産性も向上する。
また、複数の圧電アクチュエータ1a〜1hのうち一部の圧電アクチュエータのオン制御状態下において、次にオン制御する圧電アクチュエータ1bのオン制御が可能となる。
そのため、オン動作切換えタイミングを短くしながら順次圧電アクチュエータ1a〜1hのオン制御し、全体として複数の圧電アクチュエータ1a〜1hの動作速度を高速化でき、編機の編成針の編成速度を向上させることが可能である。装置全体の消費電力も上昇し難い。
すなわち、本発明の圧電アクチュエータの駆動装置は、部品点数の減少や配線の簡素化を介してコストの低減や生産性の向上を達成できるとともに、複数の圧電アクチュエータ1a〜1hの切り換え動作速度の高速化の双方を達成できるものである。
さらに、上述した構成では、各圧電アクチュエータ1a〜1hにおいて、プラスの駆動電圧とマイナスの駆動電圧との間を切り換える際に、既に大方の充電が進行して一時的に大きな駆動電流が流れ難いので、1対の2個の共通抵抗Ra、Rbによって切り換え時の電流増大を効果的に抑えることが可能となる。
そして、本発明では、コントローラ17による複数の圧電アクチュエータ1a〜1hの切り換え動作タイミングは、一の圧電アクチュエータの圧電板が70%充電された期間を経過した時点に限らず可変可能である。
すなわち、圧電アクチュエータ1a〜1hの圧電板が70%充電された以降であれば、次にオン制御される圧電アクチュエータへの駆動電圧の印加開始を、例えば80%充電完了時点などに可変することが可能である。それに合わせて切換制御部25(コントローラ17)を形成すれば良い。
一の圧電アクチュエータ1a〜1hのオン制御中に他の圧電アクチュエータ1a〜1hもオン制御するタイミングである圧電板への充電率については、各複数の圧電アクチュエータ1a〜1hへの駆動電流が、駆動電圧を印加した直後が最も大きくて過渡的に急激に減少するから、60%以降でも本発明の目的達成が可能である。
しかし、消費電力をあまり上昇させず安定した動作を確保する観点から、それより大きく、70%を越える状態が好ましく、そのタイミングも可変可能である。切換制御部25をそれに合わせて形成すれば良い。
ところで、本発明に係る圧電アクチュエータの駆動装置は、図4に示すように、フォトトランジスタQ1、Q3、Q5、Q7を共通抵抗Rbにあって電源部と反対側の端子Saを介してプラス側電源ライン19に接続し、フォトトランジスタQ2、Q4、Q6、Q8を共通抵抗Rbにあって電源部と反対側の端子Sbを介してマイナス側電源ライン21に接続する構成も可能である。他の構成は図1と同様であり、同様の効果が得られる。
もっとも、上述したように、フォトトランジスタQ1〜Q8を、プラス側およびマイナス側の電源ライン19、21にあって共通抵抗Ra、Rbの電源部側に接続すれば、それらフォトトランジスタQ1〜Q8(圧電アクチュエータ1a〜1h)の切り換え時に、フォトトランジスタQ1〜Q8への電源電圧変動の影響が小さくなって動作が安定し易く、好ましい。
また、本発明においては、駆動電圧が印加制御されている当該圧電アクチュエータについて、駆動電源をオフ状態に切り換えた後まで可変可能である。
特に、同一の圧電アクチュエータ1a〜1hにおいて、プラスの駆動電圧とマイナスの駆動電圧との間を切り換え、同一の圧電アクチュエータ1a〜1hを上下に屈曲変位させる構成では、切り換え時、直列接続されたフォトトランジスタQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8が、一時的にオン状態となって大きな駆動電流が流れる易い。
これを抑えるため、オフ動作によって十分にプラスやマイナスの駆動電圧が低下してから逆電位の駆動電圧を印加する必要があり、この観点からして、駆動電源をオフ状態に切り換えた後に駆動する構成が有用である。
上述した各圧電アクチュエータ1a〜1hの構成は任意であって、圧電板3や5のみからなる構成や、複数の圧電板3、5やプレートを積層した構成も可能であるし、それらを支持する構成も上述したケース9の構成に限定されない。
本発明において、電源ラインからの駆動電源を複数の圧電アクチュエータ1a〜1hへ切り換えるコントローラ27のスイッチング機構は、上述した発光ダイオードD1〜D8とフォトトランジスタQ1〜Q8の組合せ構成に限定されず、電源をオン・オフする単なるトランジスタによる無接点スイッチなどであっても良く、それに合わせて切換制御部25を構成すれば良い。
なお、発光ダイオードD1〜D8とフォトトランジスタQ1〜Q8の組合せ構成にすれば、電源ライン19、21とコントローラ17側との間で絶縁状態を形成し易くなって、動作が安定し易いであろう。
さらに、電源部15の構成も任意であり、プラス電圧およびマイナス電圧の双方を必要とする構成のほか、プラス電圧又はマイナス電圧の一方で駆動する構成も可能である。
以上説明したように本発明は、圧電板をプレートに貼り付けた複数の圧電アクチュエータと、それら各圧電アクチュエータの圧電板に駆動電圧を印加するために電源部から延びる電源ラインと、この電源ラインに直列に接続されそれら圧電アクチュエータの圧電板への駆動電流を所定の範囲に制限する電流制限用の共通抵抗と、その電源ラインから各圧電アクチュエータの圧電板への駆動電圧の印加を順次選択的にオン制御するコントローラとを有し、それら圧電アクチュエータはその共通抵抗にあって電源部とは反対側にて電源ラインに接続されており、そのコントローラはその駆動電圧を印加した圧電アクチュエータの圧電板が60%以上充電された以降、次に駆動する圧電アクチュエータの圧電板にその駆動電圧を印加するようオン制御する機能を有している。
そのため、部品点数の減少や配線も簡素化を介してコストの低減や生産性の向上が達成されると同時に、複数の圧電アクチュエータの切り換え動作速度の高速化の双方も達成できるうえ、装置全体の消費電力を低く抑えることもできる利点を有する。
また、上記コントローラについて、その駆動電圧を印加した一の圧電アクチュエータへの駆動電圧の印加中に、次に駆動する圧電アクチュエータにその駆動電圧を印加するようオン制御する機能を備えた構成では、複数の圧電アクチュエータの切り換え速度が一層高速化される。
さらに、上記共通抵抗にあって電源部側に上記コントローラを接続し、それら圧電アクチュエータの圧電板への駆動電圧をオン制御する構成では、それら圧電アクチュエータの圧電板への駆動電圧に切り換え時に上記コントローラが電源電圧の変動の影響を受け難く、上記コントローラの動作が安定し易い。
Claims (2)
- 圧電板をプレートに貼り付けてなる複数の圧電アクチュエータであって、個々の前記圧電アクチュエータに直接又は間接的に接続する機構部品を機械的に可動させる複数の圧電アクチュエータと、
これら各圧電アクチュエータの圧電板に駆動電圧を印加するために電源部から延びる電源ラインと、
この電源ラインに直列に接続され、前記各圧電アクチュエータの圧電板への駆動電流を所定の範囲に制限する電流制限用の共通抵抗と、
前記電源ラインによる前記各圧電アクチュエータの圧電板への駆動電圧の印加を順次選択的にオン制御するコントローラと、
を具備し、
複数の前記各圧電アクチュエータは、前記共通抵抗にあって前記電源部とは反対側にて前記電源ラインに接続されており、
前起コントローラは、前記駆動電圧を印加する前記圧電アクチュエータの圧電板が60%以上充電された以降、前記圧電アクチュエータの圧電板への駆動電圧の印加中に、次に駆動する前記圧電アクチュエータの圧電板に前記駆動電圧を印加するようオン制御する機能を有することを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。 - 前記コントローラは、前記共通抵抗にあって前記電源部側に接続されて前記圧電アクチュエータの圧電板への前記駆動電圧をオン制御するものである請求項1記載の圧電アクチュエータの駆動装置。
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