JP2909150B2 - 圧電素子駆動方法および圧電素子駆動回路 - Google Patents

圧電素子駆動方法および圧電素子駆動回路

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JP2909150B2
JP2909150B2 JP2146675A JP14667590A JP2909150B2 JP 2909150 B2 JP2909150 B2 JP 2909150B2 JP 2146675 A JP2146675 A JP 2146675A JP 14667590 A JP14667590 A JP 14667590A JP 2909150 B2 JP2909150 B2 JP 2909150B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 ヘッドピンを圧電素子により駆動するワイヤドットプ
リンタなどに用いられる圧電素子駆動方法および圧電素
子駆動回路に関し, 圧電素子の駆動で熱エネルギーに変換される分の無駄
を少なくし,消費電力を小さくすることを目的とし, 複数の圧電素子をタイミングを変えて駆動する場合
に,圧電素子復旧時の放電電荷を,別の圧電素子の充電
電荷として使用することを特徴とする圧電素子駆動方法
を構成する。また,複数の圧電素子の間で,充電した電
荷をタイミングに応じて両方向に移動させる回路を備え
たことを特徴とする圧電素子駆動回路を構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は,ヘッドピンを圧電素子により駆動するワイ
ヤドットプリンタなどに用いられる圧電素子駆動方法お
よび圧電素子駆動回路に関する。
ワイヤドットプリンタで圧電素子を用いてヘッドピン
を駆動する場合,圧電素子は見かけ上のキャパシタンス
に充電すると,機械的変位を生じ,その電荷を放電する
と元の状態に戻る。この現象を利用して印字ヘッドのピ
ンを駆動するが,その放電の際の電荷は,抵抗を通して
熱エネルギーに変換され消費されるのが,これまでの一
般的な方法であった。この場合,その熱エネルギーは無
駄であり,改善が望まれる。
〔従来の技術〕
第9図は従来の圧電素子駆動回路の例,第10図は圧電
素子の充電・放電説明図を示す。
第9図において,1は充電および放電により伸縮する圧
電素子,90は圧電素子を充電または放電する充放電回路,
91は印字ヘッドのピン,DVは駆動電圧,Eは圧電素子1に
印加された電圧,Tr1,Tr2はトランジスタ,R1,R2は抵抗,
は充電制御信号,は放電制御信号を表す。
充放電回路90に,第10図に示すような充電制御信号
を加えると,駆動電圧DVがトランジスタTr1および抵抗R
1を介して圧電素子1に印加され,充電時間T1の間,充
電される。これにより圧電素子1は伸長し,ピン91がS
の方向へ動作して印字を行う。
充電制御信号をオフにし,放電制御信号をオンに
すると,圧電素子1に充電された電荷が抵抗R2およびト
ランジスタTr2を介して流出する。これにより,圧電素
子1は収縮して,ピン91を元の状態に復帰させる。
〔発明が解決しようとする課題〕
第9図に示すような圧電素子駆動回路では,圧電素子
1からの放電の際の電荷は,抵抗R2等により,熱エネル
ギーに変換され,消費されてしまう。そのため,無駄な
発熱が生じ,消費電力も大きくなるという問題がある。
本発明は上記問題点の解決を図り,圧電素子の駆動で
熱エネルギーに変換される分の無駄を少なくし,消費電
力を小さくする手段を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理説明図である。
第1図において,1a,1bは異なるタイミングで駆動され
る圧電素子,2a,2bは圧電素子1a,1bへの充電を行う充電
制御回路,3a,3bは圧電素子1a,1bからの放電を行う放電
制御回路,4は圧電素子1a,1b間で充電電荷を移動させる
回路,SW1,SW2はスイッチ回路を表す。
最初,圧電素子1a,1bに充電されていない状態で,圧
電素子1aに充電を行う場合,充電電荷を移動させる回路
4のスイッチ回路SW1,SW2をオフにして,充電制御回路2
aからの充電を行う。これにより,圧電素子1aは伸長し
て,印字用のヘッドピンを駆動したりする操作を行う。
その後,圧電素子1aから放電し,圧電素子1bに充電す
るタイミングになった場合,放電制御回路3aによる圧電
素子1aからの放電および充電制御回路2bによる圧電素子
1bへの充電の前に,スイッチ回路SW2を一時的にオンに
し,圧電素子1aの充電電荷を,圧電素子1bへ流す。
ある時間だけ流したならば,スイッチ回路SW2をオフ
にし,放電制御回路3aによる放電を行う一方,圧電素子
1b側では充電制御回路2bによる充電を行う。
逆に,圧電素子1bの充電電荷を,圧電素子1aの充電に
使用する場合には,スイッチ回路SW1を一時的に閉じ
る。
〔作用〕
従来,圧電素子1aと圧電素子1bの充放電の回路が独立
していたのに対し,本発明では,充電電荷を移動させる
回路4により,充電電荷の移動を両方向に行うことがで
きるようにしている。
したがって,従来,充電後の放電の際に,放電制御回
路3aまたは放電制御回路3bで熱エネルギーに変換されて
消費されてしまっていた電荷の一部を,充電電荷を移動
させる回路4を用いて,他方の圧電素子1a,1bへ供給
し,その充電に利用することができるので,電力の消費
量を小さくすることが可能になる。
〔実施例〕
第2図は本発明の適用例により駆動するピン配置の
例,第3図は本発明を適用したプリンタの構成例,第4
図は本発明の一実施例に係る圧電素子駆動回路の入力説
明図,第5図は本発明の一実施例回路図,第6図は本発
明の一実施例による動作タイムチャート,第7図および
第8図は本発明の一実施例の動作例を示す。
本発明に係る圧電素子駆動方法および圧電素子駆動回
路は,圧電型印字ヘッドを持つワイヤドットプリンタ等
に用いることができる。
本発明を適用するプリンタの印字ヘッドでは,ピン駆
動の1周期における,ある駆動ピンの放電タイミング
で,別のあるピンを充電できるように,ピン配列を決め
る。
例えば,第2図(イ)に示すように,各ピンP1,P2,…
を,ピンの移動方向に1/2ドットピッチずつずらして配
列する。こうすると,第2図(ロ)に示すように,例え
ばXの位置に縦線を印字するとき,各ピンを駆動するタ
イミングは,1/2ドットピッチずつずれることになる。
なお,各ピンP1,P2,…を,第2図(ハ)に示すように
ジグザグ状に配列してもよい。
このように配列したピンについて,ピンP1とピンP2,
ピンP3とピンP4,…というように,隣り合うピン同士を
2つずつ組み合わせて,それぞれ第1図に示すような2
つの圧電素子1a,1bで駆動する。
本発明を適用するプリンタは,例えば第3図に示すよ
うに構成されている。第3図において,30はホストの処
理装置からのコマンドやデータを受け取るインタフェー
スコントローラ,31は印字データをドットパターンに展
開するデータ展開部,32は印字するドットパターンのデ
ータを格納するバッファ,33は印字のタイミング信号を
生成するタイミング制御回路,34は本発明に係る圧電素
子駆動回路,35−1,35−2はヘッドピンの印字部を表
す。
バッファ32から読み出して印字するドットデータD,
D′は,“0"が非印字,“1"が印字である。圧電素子駆
動回路34は,2つの圧電素子を持ち,2つのピンを駆動す
る。例えば,24ピンを持つ印字ヘッドでは,12個の圧電素
子駆動回路34を持つ。
タイミング制御回路33は,印字部35−1,35−2のピン
をそれぞれ駆動するための圧電素子に対する充電制御信
号B,B′,放電制御信号C,C′,それから,充電電荷を移
動させるタイミングを与える信号A,A′を圧電素子駆動
回路34に供給する。
これらの制御信号は,第4図(イ),(ロ)に示すよ
うに,ANDゲートにより,ドットデータD,D′とのAND論理
がとられ,信号〜に変換される。
第5図は,本発明の一実施例による具体的な圧電素子
駆動回路の例を示している。
第5図において,50は駆動電源,PIEZ01,PIEZ02は第2
図(イ)に示すような印字ヘッドの奇数番目のピンと偶
数番目のピンを駆動する圧電素子,Tr1〜Tr6はトランジ
スタ,R1〜R6は抵抗,VP1,VP2はそれぞれ圧電素子PIEZ01,
PIEZ02の充電電圧を表す。
第5図に示すトランジスタTr5と抵抗R5およびトラン
ジスタTr6と抵抗R6からなる回路が,第1図に示す充電
電荷を移動させる回路4に相当する。他の部分の構成
は,従来とほぼ同様である。
圧電素子PIEZ01の放電の際に,信号によりトランジ
スタTr5をオンにし,充電電荷を圧電素子PIEZ02へ送
る。逆に,圧電素子PIEZ02の充電電荷を,圧電素子PIEZ
01へ送る場合には,トランジスタTr6を信号によりオ
ンする。
第6図は,その動作タイムチャートを示している。
第3図に示すタイミング制御回路33からは,圧電素子
PIEZ01,PIEZ02の各サイクルに応じて,第6図に示す信
号A,B,CおよびA′,B′,C′が出力される。ここでは説
明を簡単にするために,1サイクルの半分を充電,残りの
半分を放電とし,充放電の前に,電荷を移動させるタイ
ミング信号A,A′を設けている。
これらとドットデータD,D′とのAND論理により,第6
図に示す信号〜が作りだされる。
この信号〜が,第5図に示す圧電素子駆動回路の
各トランジスタTr1〜Tr6をオン/オフさせることによ
り,圧電素子PIEZ01,PIEZ02の充電電圧VP1,VP2は,第7
図に示すように,変化する。第5図および第7図からわ
かるように,信号によってトランジスタTr5がオンに
なり,圧電素子PIEZ01の放電の際に,その電荷Q1が圧電
素子PIEZ02へ供給され,圧電素子PIEZ02の充電電荷Q1′
として用いられる。圧電素子PIEZ01の残りの放電電荷Q2
は熱として消費され,圧電素子PIEZ02の残りの充電電荷
Q3は,第5図に示す駆動電源50から供給される。
第8図は,ドットデータD,D′が連続して“1"である
場合の動作例を示している。
この場合には,信号〜が第8図に示すようなタイ
ミングでオン/オフを繰り返すので,圧電素子PIEZ01,P
IEZ02の充電電圧は,第8図に示すVP1,VP2のように変化
する。圧電素子PIEZ01,PIEZ02の一方の充電電荷の一部
が,他方の充電に交互に用いられることになる。
以上,説明を簡単にするために,2つのヘッドピンをペ
アとしたものを駆動する圧電素子駆動回路の例を説明し
たが,3以上の圧電素子を持つ回路にも,適用することが
可能である。
また,必ずしも1/2ドットピッチに限らず,駆動する
タイミングが異なっていれば,本発明を適用することが
可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように,本発明によれば,今まで熱エネ
ルギーとして消費していた電荷を,他方の圧電素子の充
電電荷として使えるので,消費電力を小さくすることが
できる。また,一般に害になる発熱を小さくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図, 第2図は本発明の適用例により駆動するピン配置の例, 第3図は本発明を適用したプリンタの構成例, 第4図は本発明の一実施例に係る圧電素子駆動回路の入
力説明図, 第5図は本発明の一実施例回路図, 第6図は本発明の一実施例による動作タイムチャート, 第7図は本発明の一実施例の動作例, 第8図は本発明の一実施例の動作例, 第9図は従来の圧電素子駆動回路の例, 第10図は従来の圧電素子の充電・放電説明図を示す。 図中,1a,1bは圧電素子,2a,2bは充電制御回路,3a,3bは放
電制御回路,4は充電電荷を移動させる回路,SW1,SW2はス
イッチ回路を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03K 17/64 H01L 41/08 Z (72)発明者 野尻 啓子 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−67006(JP,A) 特開 昭60−144206(JP,A) 特開 昭63−126284(JP,A) 特開 昭63−130357(JP,A) 特開 昭63−126285(JP,A) 圧司 要「近接スイッチ」、第5版 (昭和46−10−10)日刊工業新聞社、P 1−3 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/30 H03K 17/64 H01L 41/08 B06B 1/06 H02N 2/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電素子駆動方法において, 複数の圧電素子(1a,1b)をタイミングを変えて駆動す
    る場合に,圧電素子復旧時の放電電荷を,半導体により
    実現したスイッチ素子により構成されるスイッチを介し
    て直接別の圧電素子へ供給し,該別の圧電素子の充電電
    荷として使用することを特徴とする圧電素子駆動方法。
  2. 【請求項2】それぞれ充電制御回路(2a,2b)および放
    電制御回路(3a,3b)に接続される複数の圧電素子(1a,
    1b)であって,異なるタイミングで駆動される圧電素子
    を備えた圧電素子駆動回路において, 複数の圧電素子の間で,充電した電荷をタイミングに応
    じて両方向に半導体により実現したスイッチ素子により
    構成されるスイッチを介して直接移動させる回路(4)
    を備えたことを特徴とする圧電素子駆動回路。
JP2146675A 1990-06-05 1990-06-05 圧電素子駆動方法および圧電素子駆動回路 Expired - Lifetime JP2909150B2 (ja)

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圧司 要「近接スイッチ」、第5版(昭和46−10−10)日刊工業新聞社、P1−3

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