JP2000198198A - 液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録装置

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JP2000198198A
JP2000198198A JP43599A JP43599A JP2000198198A JP 2000198198 A JP2000198198 A JP 2000198198A JP 43599 A JP43599 A JP 43599A JP 43599 A JP43599 A JP 43599A JP 2000198198 A JP2000198198 A JP 2000198198A
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driver
power supply
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circuit
jet recording
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English (en)
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Kunihito Sato
邦仁 佐藤
Toru Mihara
徹 三原
Kota Nakayama
広太 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力を低減し、プリドライバ回路などの
回路部分による発熱を抑えて記録画像の劣化を防止した
液体噴射記録装置を提供する。 【解決手段】 64個の発熱素子2が配列され、各発熱
素子2に対応してドライバ素子3が設けられ、さらにド
ライバ素子3を駆動するプリドライバ4がそれぞれ設け
られている。プリドライバ電源回路8は1〜32番目の
プリドライバ4に、プリドライバ電源回路9は33〜6
4番目のプリドライバ4に接続されている。1〜32番
目の発熱素子2を駆動する際は、プリドライバ電源回路
8は1〜32番目のプリドライバ4に給電し、プリドラ
イバ電源回路9は給電を停止する。また33〜64番目
の発熱素子2を駆動する際は、プリドライバ電源回路9
は33〜64番目のプリドライバ4に給電し、プリドラ
イバ電源回路8は給電を停止する。これによりプリドラ
イバ4における消費電力を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル内に保持さ
れた液体に対し、噴射エネルギーを印加して液体を噴射
する液体噴射記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、大きく注目されている記録技術と
して液体噴射記録方式がある。液体噴射記録方式は、普
通紙への記録が可能であり、高品位記録、カラー化が容
易であり、さらに静粛性に優れ、記録スピードと価格の
バランスに優れているという特徴がある。さらに、構造
が単純であるという利点も有している。
【0003】一方、構造が単純であるといっても、現在
でも記録ヘッドや液体の取り扱いに課題を残している。
特に、液体を扱うことによる信頼性、耐久性の確保が課
題となっている。信頼性、耐久性を損なう要因として
は、液体による目詰まり、液体流路への気泡の混入、記
録ヘッド材料の液体による劣化などが挙げられる。
【0004】最近の液体噴射記録装置には、安価であっ
ても写真画質に迫る高画質の画像を記録できるものも増
えてきた。6色以上の多色インクを使用したり、1ヶ所
に液体を重ね打ちするなどの工夫で色調表現を豊かに
し、画像のざらざらした感じが少なくなった。このよう
な液体噴射記録装置は、会社や広告等の専門業だけでな
く、パーソナルコンピュータの普及に伴い一般家庭でも
普通に使用されるようになった。例えば、家族の写真を
入れてはがきを作るなどといったことが日常的に行われ
るようになった。このような用途では、人物の顔がかな
り小さくなる場合もあり、少ないドットの集まりで表現
しなければならない。このような場合、性能が低いと目
の表情が変わってしまったり、肌にドットが目立って荒
れた感じになってしまう。しかし最近の高機能化によっ
て画質が向上し、このような用途にも十分利用可能にな
っている。
【0005】液体噴射方式には、発熱素子によって液体
を急激に加熱し、液体中に発生した気泡により液体を吐
出させるサーマル(バブル)方式と、電圧を印可すると
変形するセラミックを用いて液体を吐出させるピエゾ方
式がある。特にサーマル方式では、液体に噴射エネルギ
ーを加えるための発熱素子が比較的単純な薄膜プロセス
で作成できることから、発熱素子と同一基板上に同一薄
膜プロセスで作成された電子回路を搭載する構成が増え
ている。発熱素子のみならず、ドライバや、低電圧の論
理機能素子などを、発熱素子を搭載した基板に集積化す
ることも行われている。これによって、配線を簡略化
し、駆動ICの負荷を低減し、さらには電気的接続のた
めのパッド数を削減してチップサイズを小さくすること
ができ、ノズルの高密度化や多ノズル化、およびコスト
面で効果をあげている。
【0006】例えば特開平9−300620号公報で
は、サーマル方式の液体噴射記録ヘッドにおいて、発熱
素子と、MOSトランジスタで構成したドライバトラン
ジスタと、5V系の低電圧の論理機能素子の出力を10
V以上に昇圧してドライバトランジスタを選択的に駆動
するプリドライバと、プリドライバに電力を供給をする
ためのレギュレータ回路を同一基板上に形成している。
またこの文献に記載された液体噴射記録ヘッドでは、待
機中にレギュレータ回路から供給される中間電位13V
系の通電を遮断することができる構成を有している。レ
ギュレータ回路はドライバ駆動用のプリドライバ等に電
力を供給しており、プリドライバの動作を停止させるこ
とによって、待機中の消費電力を低減し、これらの回路
による発熱を抑えることができる。
【0007】しかし、記録動作中であれば発熱素子の駆
動が行われなくても、プリドライバへの通電は行われて
おり、消費電力が大きいという問題があった。プリドラ
イバにおいて消費される電力は熱となり、ヘッドの温度
が上昇してしまう。液体噴射記録装置では、ヘッドの温
度が上がると液体の粘性が低下し、噴射滴量が多くなっ
て画質劣化を引き起こす。また、正常な液体噴射が不可
能な温度限界付近まで達すると、温度が上昇しない工夫
をしながら印字を行う必要が出てくる。例えば、温度が
低下するまで一旦休止するなどして記録を行っており、
印字スピードの低下は避けられない。また、温度上昇に
よりノズル内の液体が乾燥し、目詰まりの原因にもな
る。
【0008】バイポーラトランジスタに比べてMOSト
ランジスタの方が製造コスト、耐電圧、スイッチング速
度、信頼性の点で有利である。しかし、MOSトランジ
スタを用いてドライバ素子を構成した場合、低電圧5V
系の論理出力レベルでは、MOSトランジスタのON抵
抗を十分に小さくすることができない。従って、プリド
ライバを使用して低電圧5V系の論理機能素子の出力を
10V以上に昇圧してドライバを駆動する必要が生じ
る。MOSの中でも、C−MOSよりNチャネルMOS
のみで構成した方が製造コストが安価であり、またラッ
チアップ現象が生じないなど、信頼性にも優れる。
【0009】しかし、NチャネルMOSのみで論理ゲー
トを構成すると、貫通電流が多く、この貫通電流により
発熱が起こる。そのため、発熱素子を形成した基板上の
発熱により、液体の粘度が低下し、噴射される液滴量が
多くなり記録画像の劣化を引き起こす。従って、貫通電
流は少ない方が好ましい。しかし貫通電流を少なくする
と、ドライバ駆動時の立ち上がりが遅くなり、発熱素子
の通電電流の立ち上がりも遅くなる。これにより、液体
中に発生する気泡が小さくなり、噴射される液滴量が少
なくなるという問題が生じる。このように、貫通電流が
多くても少なくても問題が生じるため、貫通電流を調整
することによる発熱量の低減は期待できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、消費電力を低減し、プリド
ライバ回路などの回路部分による発熱を抑えて記録画像
の劣化を防止した液体噴射記録装置を提供することを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、プリドライバ
回路に電力を供給するプリドライバ電源を複数系統設
け、プリドライバ回路をいずれかの系統のプリドライバ
電源に接続している。各系統のプリドライバ電源は、例
えばそれぞれの系統に対応する切入制御可能な複数のプ
リドライバ電源回路によって構成したり、あるいは、共
通のプリドライバ電源回路と、各系統ごとに該プリドラ
イバ電源回路から供給される電力を供給するか否かを切
り換えるスイッチ素子により構成することができる。
【0012】そして、例えばプリドライバが駆動対象と
なっていない期間についてはそのプリドライバが接続さ
れている系統のプリドライバ電源からの電力供給を切断
する。これによってプリドライバ回路における消費電力
の低減を図ることができる。特に噴射素子を複数のブロ
ックに分割して駆動することができる。この場合、すべ
ての噴射素子に対応するプリドライバ回路に常に給電し
ておく必要はない。ブロックごとにそのブロックに対応
する系統のプリドライバ電源を切入することにより、駆
動対象以外のブロックについては給電を停止することが
でき、消費電力を低減することができる。
【0013】これにより、液体噴射記録装置、特に噴射
素子などが形成された基板の昇温を緩和することがで
き、昇温限界による記録スピードの低下を防止できると
ともに、温度上昇による液体の増粘や目詰まりなど低減
させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の液体噴射記録装
置の実施の一形態において発熱素子が搭載された基板に
設けられた回路の一例を示す構成図である。図中、1は
共通電極、2は発熱素子、3はドライバ素子、4はプリ
ドライバ、5は16bitカウンタ、6は64bitラ
ッチ、7は64bitシフトレジスタ、8,9はプリド
ライバ電源回路である。この例では、サーマル方式の液
体噴射記録装置について示している。
【0015】また、この例では64個の発熱素子2を搭
載している。厳密には64個分の発熱素子の領域を持っ
ているということを示し、発熱素子をおく領域だけがあ
って実際には発熱素子がなかったり、通常の記録には使
用しない特性の異なる素子であったり、いわゆるダミー
素子である場合も含んでいる。例えば、一つの基板を使
用して異なる色の液体を噴射させて記録を行う場合、異
なる色の境界にいくつかのダミー素子を設けることが多
い。以下の説明では、以上のことを踏まえて、発熱素子
の配置可能数を発熱素子数と呼ぶことにする。もちろ
ん、発熱素子数は任意であり、64個に限られるもので
はない。
【0016】64個の発熱素子2の一端は、すべて共通
電極1を介して高電圧の電源HVDDに接続されてい
る。共通電極1に印加される発熱素子2の動作電圧は、
例えば34〜40V程度である。また、発熱素子2の他
端は、それぞれ、ドライバ素子3に接続されている。な
お、図1に示した例では、後述するように64個の発熱
素子2を、4つずつ、16個のブロックに分けて分割駆
動する。
【0017】ドライバ素子3は、例えばMOS−FET
やバイポーラトランジスタなどで構成することができ、
プリドライバ4からの駆動信号に従って、対応する発熱
素子2を駆動する。
【0018】プリドライバ4は、対応する発熱素子2の
駆動信号を生成するとともに、昇圧してドライバ素子3
の制御電極、例えばMOS−FETではゲート電極に入
力する。プリドライバ4には、16bitカウンタ5か
らのブロック分割駆動信号の1本と、印字イネーブル信
号ENABLEと、64bitラッチ6からのデータ信
号が入力されており、これらの信号のAND合成するこ
とによって駆動信号を生成することができる。すなわ
ち、対応する発熱素子2を含むブロックが選択され、記
録すべきデータが存在し、さらに印字イネーブル信号E
NABLEが入力されたとき、ドライバ素子3に対して
駆動信号を出力する。
【0019】16bitカウンタ5は、ブロック転送用
クロックBCLKをカウントしてブロック分割駆動信号
を発生し、各ブロックに対応するプリドライバ4に入力
する。また、ブロック転送方向信号BDIRにより、ブ
ロック分割駆動信号を発生する方向、すなわちこの例で
はブロック1からブロック16の方向か、あるいはブロ
ック16からブロック1の方向かを切り換えることがで
きる。なお、ブロックリセット信号BRSTによりリセ
ットされる。
【0020】64bitラッチ6は、データラッチ用ク
ロックLCLKに従って各発熱素子2に対応した64b
itの印字データをラッチして保持し、それぞれ対応す
るプリドライバ4に対して出力する。なお、データリセ
ット信号DRSTによってリセットされる。
【0021】64bitシフトレジスタ7は、データ転
送用クロックDCLKとともにデータ信号DATAとし
てシリアル入力された記録データを順次保持する。ま
た、保持した64bitの記録データを、64bitラ
ッチ6に対してパラレルに転送する。
【0022】プリドライバ電源回路8,9は、プリドラ
イバ4に対して給電するための電源である。上述のよう
にプリドライバ4は低電圧の論理機能素子よりも高い電
圧で動作させるため、共通電極1に供給されている高電
圧電源HVDDの電圧を低下させてプリドライバ4に供
給している。図2は、本発明の液体噴射記録装置の実施
の一形態におけるプリドライバ電源回路からプリドライ
バへの給電系統の一例の説明図である。この例では、プ
リドライバ電源回路8は1〜32番目の発熱素子2に対
応するプリドライバ4に接続されており、ブロック1〜
8が駆動されるときにこれらのプリドライバ4に給電
し、ブロック9〜16が駆動されるときには給電しな
い。また、プリドライバ電源回路9は33〜64番目の
発熱素子2に対応するプリドライバ4に接続されてお
り、ブロック9〜16が駆動されるときにこれらのプリ
ドライバ4に給電し、ブロック1〜8が駆動されるとき
には給電しない。このようにプリドライバ4への電源を
2系統設け、不要時に給電しないことにより、プリドラ
イバ4の消費電力を約1/2に低減させることができ
る。
【0023】図3は、本発明の液体噴射記録装置の実施
の一形態における動作の一例を示すタイミングチャート
である。最初の記録を行う前に、予め各発熱素子2に対
応した64個の印字データを64bitシフトレジスタ
7にシリアルに入力する。その後、データリセット信号
DRSTで64bitラッチ6をリセットし、データラ
ッチ用クロック信号LCLKにより64bitシフトレ
ジスタ7内の全ての記録データを64bitラッチ6に
転送してラッチさせる。64bitラッチ6は、記録デ
ータをそれぞれのプリドライバ4に出力している。
【0024】16bitカウンタ5は、ブロックリセッ
ト信号BRSTでリセットされ、ブロック転送方向信号
BDIRで駆動順序が選択された後、ブロック転送用ク
ロック信号BCLKをカウントしてブロック分割駆動信
号を選択的に送出する。図3ではブロック転送方向信号
BDIRが‘L’で順方向記録、‘H’で逆方向記録を
選択する。ここではまずブロック転送方向信号BDIR
として‘L’が入力され、順方向記録を行うものとす
る。このとき、プリドライバ電源回路8は、1〜32番
目のプリドライバ4に対して給電を開始する。
【0025】16bitカウンタ5は、まず最初のブロ
ック転送用クロック信号BCLKによりブロック1に対
するブロック分割駆動信号を1〜4番目のプリドライバ
4に対して出力する。外部よりプレパルス(PREと表
記)およびメインパルス(MAINと表記)を有する印
字イネーブル信号ENABLEが入力されると、1〜4
番目のプリドライバ4のうち、64bitラッチ6から
記録データが出力されているもののみが、印字イネーブ
ル信号ENABLEに従った駆動信号を出力する。これ
により、プリドライバ4を介してドライバ素子3が駆動
され、1〜4番目の発熱素子2のうち記録データが存在
するものに電流が流れ、発熱素子2が発熱する。このと
き、プレパルス(PRE)では液体は吐出されず、発熱
素子2の発熱による昇温のみが行われ、次のメインパル
ス(MAIN)で発熱素子2の発熱によって液体中に気
泡が発生し、液体が吐出して記録が行われる。
【0026】続いて16bitカウンタ5は、次のブロ
ック転送用クロック信号BCLKをカウントしてブロッ
ク2に対するブロック分割駆動信号を5〜8番目のプリ
ドライバ4に対して出力し、5〜8番目の発熱素子2の
うち記録データの存在するものが発熱して記録が行われ
る。
【0027】ブロック8までの駆動が終了すると、プリ
ドライバ電源回路8による給電を停止する。また、次の
ブロック9の駆動に間に合うタイミングにおいて、プリ
ドライバ電源回路9によって33〜64番目のプリドラ
イバ4に対する給電が開始される。そして16bitカ
ウンタ5は、次のブロック転送用クロック信号BCLK
をカウントしてブロック9に対するブロック分割駆動信
号を33〜36番目のプリドライバ4に対して出力し、
33〜36番目の発熱素子2のうち記録データの存在す
るものが発熱して記録が行われる。以下、順にブロック
16まで駆動して印字を行う。ブロック16までの駆動
が終了すると、プリドライバ電源回路9によるプリドラ
イバ4に対する給電を停止する。
【0028】このようなブロック1〜16の駆動の間
に、次の64個分の記録データをシリアルに64bit
シフトレジスタ7に入力する。すなわち、データ転送用
クロック信号DCLKと同期してデータ信号DATAが
64bitシフトレジスタ7に入力され、64個分の記
録データが64bitシフトレジスタ7に格納される。
なお、この64bitシフトレジスタ7への記録データ
の転送は、記録動作とは同期しなくてよく、64個の発
熱素子2を駆動する1周期内に行えばよい。
【0029】16個のブロックの駆動が終了すると、ブ
ロックリセット信号BRSTにより16bitカウンタ
5がリセットされ、ブロック転送方向信号BDIRによ
り駆動方向が設定される。図3の後半では、ブロック転
送方向信号BDIRとして‘H’が入力され、逆方向記
録が設定されている。また、データリセット信号DRS
Tによって64bitラッチ6がリセットされ、データ
ラッチ用クロック信号LCLKによって64bitシフ
トレジスタ7内の記録データが64bitラッチ6にラ
ッチされる。さらに、この場合には逆方向記録であり、
ブロック16から駆動されるので、プリドライバ電源回
路9が33〜64番目のプリドライバ4に対して給電を
開始する。
【0030】以後、16番目のブロックから順に駆動さ
れ、9番目のブロックまで駆動されると、プリドライバ
電源回路9の給電は停止する。また、次の8番目のブロ
ックの駆動に間に合うように、プリドライバ電源回路8
により1〜32番目のプリドライバ4に対しての給電が
開始される。そして、8番目のブロックが駆動され、順
に1番目のブロックまで駆動される。
【0031】このような一連の動作を操り返し行うこと
によって、記録を行う。なお、ここでは順方向記録と逆
方向記録を連続して行っているが、もちろん、実際には
順方向記録あるいは逆方向記録を連続して行ってよい。
【0032】図4は、プリドライバの一例を示す回路図
である。図中、11,15,19は負荷D−MOSトラ
ンジスタ、12〜14,16〜18は駆動E−MOSト
ランジスタである。初段ゲートは、負荷D−MOSトラ
ンジスタ11と駆動E−MOSトランジスタ12〜14
の直列接続によるED−MOSトランジスタ構成の3入
力NANDゲートである。印字イネーブル信号ENAB
LEが駆動E−MOSトランジスタ12のゲート電極に
入力される。また、16bitカウンタ5から出力され
る16本のブロック分割駆動信号のうちの1本が駆動E
−MOSトランジスタ13のゲート電極に入力される。
さらに、64bitラッチから出力される記録データが
駆動E−MOSトランジスタ14のゲート電極に入力さ
れる。
【0033】2段目のゲートは、負荷D−MOSトラン
ジスタ15と駆動E−MOSトランジスタ16の直列接
続によるED−MOSトランジスタ構成のインバータで
あり、初段ゲートの負荷D−MOSトランジスタ11と
駆動E−MOSトランジスタ12の接続点が駆動E−M
OSトランジスタ16のゲート電極に接続される。
【0034】3段目のゲートは、駆動E−MOSトラン
ジスタ17,18の直列接続EE−MOSトランジスタ
構成のプッシュプル駆動である。2段目のゲートの負荷
D−MOSトランジスタ15と駆動E−MOSトランジ
スタ16の接続点が駆動E−MOSトランジスタ17の
ゲート電極に接続され、2段目のゲートの駆動E−MO
Sトランジスタ16のゲート電極が駆動E−MOSトラ
ンジスタ18のゲート電極に接続される。
【0035】3段目のゲートの駆動E−MOSトランジ
スタ17と駆動E−MOSトランジスタ18の接続点に
は、負荷D−MOSトランジスタ19によるプルダウン
抵抗が接続されて、プリドライバ4の出力端となり、ド
ライバ3のゲート電極に接続される。
【0036】プリドライバ4の電源電圧は、プリドライ
バ電源回路8あるいはプリドライバ電源回路9からのM
V1またはMV2が供給される。また、発熱素子2の電
源電圧は、共通電極1から高電圧の電源電圧HVDDが
供給される。
【0037】全てのMOSトランジスタは、Nチャネル
型であり、回路記号の横に付した数値は、W(μm)/
L(μm)の値を示している。Wはゲート幅(チャネル
幅)、Lはゲート長(チャネル長)である。W(μm)
/L(μm)の値は、負荷D−MOSトランジスタ11
が5/10、駆動E−MOSトランジスタ12〜14が
23/4、負荷D−MOSトランジスタ15が7/3
0、駆動E−MOSトランジスタ16が7/10、駆動
E−MOSトランジスタ17が38/4、駆動E−MO
Sトランジスタ18が35/4、負荷D−MOSトラン
ジスタ19が5/40としている。W/Lの設定範囲と
しては、負荷D−MOSトランジスタ11が0.25〜
1、駆動E−MOSトランジスタ12〜14が5〜1
0、負荷D−MOSトランジスタ15が0.12〜0.
3、駆動E−MOSトランジスタ16が0.35〜1.
4、駆動E−MOSトランジスタ17が5〜10、駆動
E−MOSトランジスタ18が5〜10、負荷D−MO
Sトランジスタ19が0.12〜0.25程度とすると
よい。なお、上述した制約内であれば性能上許容できる
範囲であり、必要に応じて最適化すればよい。このW/
Lの設定範囲は、最小ゲート長や最小ゲート幅が変更さ
れたプロセスにおいても適用することができる。
【0038】E−MOSトランジスタに関しては、閾値
電圧Vthd =1V、プロセス係数=16×10-6A/V
2 、D−MOSトランジスタに関しては、閾値電圧V
thd =−4V、プロセス係数=19×10-6A/V2
ある。ゲート酸化膜厚は、E−MOSトランジスタ,D
−MOSトランジスタともに90nm程度である。ま
た、ドライバ3のE−MOS高耐圧トランジスタのW
(μm)/L(μm)の値は、3200/4である。
【0039】上述のように、駆動E−MOSトランジス
タ12〜14のゲートには、それぞれ印字イネーブル信
号ENABLE、ブロック分割駆動信号、記録データが
入力されている。プリドライバ電源回路8または9から
例えば約13Vの電圧が供給されているときに、これら
の信号がすべて‘H’であった場合にだけ、ドライバ3
のゲートが‘H’になり、発熱素子2が駆動される。発
熱素子2を駆動していない場合でも、プリドライバ電源
(約13V)が供給されていれば、負荷D−MOSトラ
ンジスタ15および駆動E−MOSトランジスタ16に
貫通電流が約50μA程度流れる。そのため、プリドラ
イバ電源回路を複数設けて、駆動されない発熱素子2に
対応するプリドライバ電源回路からの給電を停止する。
これによって、駆動されない期間における負荷D−MO
Sトランジスタ15および駆動E−MOSトランジスタ
16における電力消費をなくすことができる。特にサー
マル方式では問題となる発熱も抑えることができる。
【0040】上述した具体例は、一例として、300d
pi用のプリドライバ構成に関して記した。300dp
iの場合の発熱素子2の抵抗値は、白黒用で150〜2
20Ω、カラー用で220〜290Ω程度である。発熱
初期から数μs経過すると熱影響により抵抗値が減る影
響も含んだ範囲である。なお、600dpiの場合の発
熱素子2を用いる場合、発熱素子2の抵抗値は白黒用で
250〜350Ω、カラー用で300〜400Ω程度で
あり、ドライバ3のW/Lは300以上が必要である。
ゲート幅Wを1600μm,ゲート長Lを4μmとして
ドライバ3の素子を構成し、プリドライバ4として上述
した説明と同じ構成を用いて600dpi用の発熱素子
2を駆動したところ、発熱素子2の通電電流Iheater
立ち上がり時間/立ち下がり時間ともにほとんど同じ特
性が得られた。従って、上述の具体例は、600dpi
の場合にもそのまま適用可能である。上述の具体例によ
るプリドライバ4の設計手法に基づけば、異なる発熱素
子2、例えば、さらに高解像度化された発熱素子2を駆
動するためのプリドライバ4も容易に設計できる。
【0041】図5は、プリドライバ電源回路の一例を示
す回路構成図である。図中、21,24はE−MOSト
ランジスタ、22は第1の抵抗体、23は第2の抵抗体
である。プリドライバ4に供給する電源電圧を外部から
供給するとコストアップを招くので、この例ではプリド
ライバ電源回路8または9を同一基板内部に構成し、プ
リドライバ4へ給電している。
【0042】NチャネルのE−MOSトランジスタ21
は、ソースホロワ回路であり、共通電極1からの高圧の
発熱素子駆動用の電源電圧HVDDを、第1の抵抗体2
2と第2の抵抗体23の分圧比に応じた電圧MV1また
はMV2をプリドライバ4へ供給する。E−MOSトラ
ンジスタ24は、制御信号MVOFFを入力してONと
なり、第2の抵抗体23を短絡して、E−MOSトラン
ジスタ21を遮断させてプリドライバ4への電源供給を
停止させる。
【0043】E−MOSトランジスタ21、24は、高
耐圧NチャネルMOSトランジスタを使用している。高
耐圧N−MOSトランジスタには、ドレイン領域にオフ
セット領域としてシート抵抗が5kΩ程度のn- 領域が
3μm程度の長さで入っている。発熱素子の共通電極の
印字動作電圧が34〜40Vであり、ソースホロワMO
Sトランジスタが飽和領域で動作することから、第1,
第2の抵抗体22,23は、n+ をドープした発熱素子
2と同一の工程で作られ、シート抵抗が40〜60Ω程
度のポリシリコン層からなる。
【0044】また、W(μm)/L(μm)の値とし
て、第1の抵抗体22のW/Lは5/4800で抵抗値
が36〜48kΩ、第2の抵抗体23のW/Lは5/3
200で抵抗値が24〜36kΩである。したがって、
第1の抵抗体と第2の抵抗体との抵抗比は、1.5:1
である。第1の抵抗体22,第2の抵抗体23を拡散層
を用いて作ると、配線面積が大きくなりサブストレート
へのリークの原因にもなるため、ポリシリコン層の方が
よい。一例では、第1,第2の抵抗体22,23とも同
一成分で構成したが、第1,第2の抵抗体22,23の
代わりに、MOSトランジスタを用いてもよい。
【0045】上述のように、プリドライバ電源回路8お
よび9は、接続されているプリドライバ4が駆動されな
い場合には給電を停止する。給電を停止する際には、制
御信号MVOFFを入力することによって行うことがで
きる。これによって、消費電力を低減することができ
る。特にサーマル方式の液体噴射記録装置においては、
消費電力の低減によって発熱を抑え、記録画像の劣化等
を防止することができる。
【0046】例えば図3に示したタイミングチャートに
おいて、前半の順方向駆動の場合には、ブロック8のブ
ロック分割駆動信号の立ち下がりをトリガとして、プリ
ドライバ電源回路8の制御信号MVOFFを‘H’、プ
リドライバ電源回路9の制御信号MVOFFを‘L’に
して、プリドライバ電源MV1からプリドライバ電源M
V2への切換を行えばよい。ここで、印字イネーブル信
号ENABLEの‘L’状態の幅にもよるが、ブロック
9を駆動するまでにプリドライバ電源MV2を十分に立
ち上げるため、ブロック8の駆動前または駆動中にプリ
ドライバ電源MV2を立ち上げるように、プリドライバ
電源回路9における給電開始のタイミングを調整するこ
とも可能である。
【0047】また、図3に示したタイミングチャートの
後半のように逆方向駆動の場合には、ブロック9のブロ
ック分割駆動信号の立ち下がりをトリガとして、プリド
ライバ電源回路8の制御信号MVOFFを‘L’、プリ
ドライバ電源回路9の制御信号MVOFFを‘H’にし
て、プリドライバ電源MV2からプリドライバ電源MV
1への切換を行えばよい。ここで、ブロック8を駆動す
るまでにMV1を十分に立ち上げるため、ブロック9の
駆動直前または駆動中にMV1を立ち上げるように、プ
リドライバ電源回路8における給電開始のタイミングを
調整することも可能である。
【0048】図6は、本発明の液体噴射記録装置の実施
の一形態におけるプリドライバ電源回路からプリドライ
バへの給電系統の変形例の説明図である。図6に示した
例では、発熱素子2のブロック分割方法として奇数番号
と偶数番号に分けて、各ブロックごとに駆動する例を示
している。すなわち、ブロック1=(No.1,3,
5,7)、ブロック2=(No.9,11,13,1
5)、・・・、ブロック8=(No.57,59,6
1,63)、ブロック9=(No.2,4,6,8)、
・・・、ブロック16=(No.58,60,62,6
4)に分割している。この場合にも図1におけるブロッ
ク転送方向信号BDIRによって、ブロック1→2→3
→・・・→16の順方向、もしくは、ブロック16→・
・・→3→2→1の逆方向の順で駆動することができ
る。
【0049】この例の場合にも、プリドライバ電源回路
8は、ブロック1〜8が駆動されている期間だけプリド
ライバ4に給電し、ブロック9〜16が駆動されている
期間は給電を停止する。またプリドライバ電源回路9
は、ブロック9〜16が駆動されている期間だけプリド
ライバ4に給電し、ブロック1〜8が駆動されている期
間は給電を停止する。このようにプリドライバ4への電
源を2系統設け、プリドライバ4が駆動されないときに
給電を停止することにより、プリドライバ4における消
費電力を約1/2に低減させることができる。
【0050】図6に示した例では、プリドライバ電源回
路8からのプリドライバ電源MV1とプリドライバ電源
回路9からのプリドライバ電源MV2とが交差してい
る。このような配線を行うためには、配線層を複数設け
ることが考えられる。しかし複数の配線層を形成しなく
ても、例えば一方のプリドライバ電源線としてシート抵
抗が数十Ω程度の拡散層またはポリシリコンを使用し、
他方のプリドライバ電源線を構成するAl配線の下を通
すようにレイアウトすることができる。例えばポリシリ
コンは発熱素子2の形成に用いており、低抵抗化して利
用することができる。プリドライバ4の1つ当たりの貫
通電流は数十〜百μA程度と少ないので、このように配
線層よりもシート抵抗の高い層を用いても、百オーム程
度の抵抗であれば問題はない。
【0051】発熱素子2の共通電極1における記録動作
電圧は、34〜40V程度である。この高電圧の電圧H
VDDの電圧が40Vのとき、すべての発熱素子2が駆
動されない場合でも、上述のように図4に示したプリド
ライバ4の構成では貫通電流が流れる。例えば、64個
分では約3mA、消費電力は約120mWとなる。しか
しプリドライバ4に給電するプリドライバ電源回路を2
つ設け、32個ずつプリドライバ4の電源を切入するの
で、貫通電流は半減し、約1.5mA、消費電力約60
mWとなる。
【0052】上述の図1,図2に示した例および図6に
示した例では、プリドライバ電源回路を2つ設けた例を
示したが、本発明はこれに限られるものではなく、3つ
以上設けてもよい。例えば各ブロックごとに設けてもよ
い。
【0053】図7は、本発明の液体噴射記録装置の実施
の一形態における全体構成の概略のレイアウト例を示す
平面図である。図中、31は発熱素子部、32はドライ
バ部、33はプリドライバ電源部、34はプリドライバ
部、35はロジック部、36はパッド部である。基板上
には、その長手方向に延在する方向に発熱素子部31が
設けられ、以下短手方向にドライバ部32、プリドライ
バ部34、ロジック部35、パッド部36の順で各領域
が設けられている。発熱素子部31は、解像度300d
ots/25.4mmの64個の発熱素子2を持ち、各
発熱素子2は、シート抵抗40〜60Ω程度のポリシリ
コン層から構成されている。
【0054】プリドライバ電源部33は、発熱を分散さ
せるために基板の長手方向の両端部に設けられている。
特に図1および図2に示した構成では、発熱素子2の配
列方向の両側にプリドライバ電源部33を設けることに
よって、プリドライバ電源線が交差しないように配線す
ることが可能となる。また、この基板の長手方向の両端
部は、基板の接着や図示しないマニホールドとの接合な
どのために比較的大きな領域が空いており、この空き領
域にプリドライバ電源部33を配置することによって基
板面積を有効に利用することができる。特にプリドライ
バ電源回路が2個や4個などの場合には、この配置は有
効である。
【0055】図8は、本発明の液体噴射記録装置の実施
の一形態におけるプリドライバ電源回路からプリドライ
バへの給電系統の別の例の説明図である。図中、41は
スイッチ素子である。この例では1つのプリドライバ電
源回路8からスイッチ素子41を介して各プリドライバ
電源系統に分岐させた例を示している。この例ではスイ
ッチ素子41を各ブロックごとに設け、16系統のプリ
ドライバ電源を実現している。
【0056】図9は、本発明の液体噴射記録装置の実施
の一形態におけるプリドライバ電源回路からプリドライ
バへの給電系統の別の例のシーケンス例を示すタイミン
グチャートである。この例では、各系統のプリドライバ
電源MV1〜MV16の立ち上り時間を考慮して、一つ
前のブロック駆動時に立ち上げている。例えば順方向駆
動時の2番目のブロックを駆動する場合には、その1つ
前の1番目のブロックの駆動時にスイッチ素子41−2
をONにしてプリドライバ電源MV2を2番目のブロッ
クに供給する。ブロック駆動後は、対応するスイッチ素
子41をOFFにして、プリドライバ電源の供給を停止
させる。
【0057】このようにして、この例ではプリドライバ
4は64個のうち同時には最大8個しか給電されないの
で、プリドライバ4における消費電力を約1/8に低減
することが可能となる。また、この構成ではプリドライ
バ電源回路は1つでよいため、小さい回路規模で実現す
ることができる。もちろん、プリドライバ電源回路を複
数設けて切入を制御し、さらにスイッチ素子41で給電
制御を行うように構成してもよい。
【0058】上述の各例においては、64個の発熱素子
2を配置した場合について説明したが、もちろん100
個、200個等さらに多数の発熱素子2を搭載した場合
に関しても同様に適用できる。また、分割ブロック数や
ブリドライバ電源の系統数も上述の例以外の数であって
ももちろんよい。
【0059】また、ブロックに分割せずに次の駆動の立
ち上りを所定時間だけずらして順次駆動して行く駆動方
法の場合についても、複数系統のプリドライバ電源につ
いてONにするタイミングをずらすことによって、同様
にして消費電力を低減することができる。例えば奇数番
目の発熱素子2(No.1,3,5,…)を順次駆動し
て行き、次に偶数番目の発熱素子2(No.2,4,
6,…)を順次駆動するような場合には、奇数番目の発
熱素子を駆動する時は偶数番目のプリドライバ4に給電
するプリドライバ電源をOFFにし、偶数番目の発熱素
子を駆動する時は奇数番目のプリドライバ4に給電する
プリドライバ電源をOFFにすることにより、消費電力
を節約をすることができる。
【0060】また、図1に示した構成例では、各発熱素
子2に対応する64個の記録データを64bitラッチ
6に保持する構成を示した。本発明では、記録データの
保持方法やブロック駆動の方法などは任意である。例え
ば、上述の特開平9−300620号公報に示すよう
に、1ブロック分の記録データのみをラッチさせる構成
としてもよい。
【0061】さらに、上述の説明では、例えばインクな
どの液体を噴射する噴射素子として発熱素子を用いたサ
ーマル方式の液体噴射記録装置について説明した。しか
し本発明はこれに限られるものではなく、例えばピエゾ
素子を用いた方式など、各種の方式の液体噴射記録装置
に適用可能である。
【0062】図10は、本発明の液体噴射記録装置の応
用例を示す概略構成斜視図である。図中、51は被記録
媒体、52は記録ヘッド、53はキャリッジ、54はイ
ンクカートリッジ、55はガイド軸、56はガイドレー
ル、57はフレキシブルケーブルである。被記録媒体5
1は、例えば紙、ハガキ、布など、あらゆる記録可能な
媒体で構成される。被記録媒体51は、搬送機構によっ
て記録ヘッド52と対向する位置に搬送される。
【0063】記録ヘッド52には、例えば上述の図1な
どに示した本発明の構成が実現されており、噴射素子に
よって対向する被記録媒体51へインクを噴射し、記録
を行う。記録ヘッド52にはインクカートリッジ54が
装着されており、噴射するインクはこのインクカートリ
ッジ54から供給される。
【0064】記録ヘッド52およびインクカートリッジ
54はキャリッジ53に搭載されている。この例では、
2組の記録ヘッド52およびインクカートリッジ54が
キャリッジ53に搭載されている。キャリッジ53は、
被記録媒体51の搬送方向と直交する方向に延在するガ
イド軸55およびガイドレール56に沿って摺動可能に
構成されている。
【0065】矢印A方向から被記録媒体51が搬送され
る。記録ヘッド52はキャリッジ53がガイド軸55お
よびガイドレール56に沿って摺動することによって、
矢印Aの方向とはほぼ直交する方向に移動する。このと
き、フレキシブルケーブル57を介して記録データや制
御信号、それに電力が供給され、記録ヘッド52に噴射
素子が配列されている幅の帯状の領域に記録を行う。こ
のような帯状領域ごとの記録動作を繰り返し行うことに
よって、被記録媒体51上に画像を形成する。
【0066】本発明は、このような構成の装置に限ら
ず、例えば被記録媒体の幅以上の幅を有する記録ヘッド
を有し、記録ヘッドを移動させずに被記録媒体を移動さ
せて記録を行う構成や、被記録媒体を停止させておいて
記録ヘッドのみが移動する構成など、各種の構成に対し
て応用することが可能である。
【0067】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、記録動作中のプリドライバ回路における消費
電力を低減することができるという効果がある。これに
よって、装置全体の節電を実現することができ、例えば
メインの電源容量を小さくすることも可能である。ま
た、サーマル方式の液体噴射記録装置においては、プリ
ドライバ回路における発熱量を低減できるので、液体の
温度上昇による画質不良や、液体の増粘による目詰まり
などの不具合を低減させることができる。さらに、昇温
限界による記録速度の低下を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液体噴射記録装置の実施の一形態に
おいて発熱素子が搭載された基板に設けられた回路の一
例を示す構成図である。
【図2】 本発明の液体噴射記録装置の実施の一形態に
おけるプリドライバ電源回路からプリドライバへの給電
系統の一例の説明図である。
【図3】 本発明の液体噴射記録装置の実施の一形態に
おける動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】 プリドライバの一例を示す回路図である。
【図5】 プリドライバ電源回路の一例を示す回路構成
図である。
【図6】 本発明の液体噴射記録装置の実施の一形態に
おけるプリドライバ電源回路からプリドライバへの給電
系統の変形例の説明図である。
【図7】 本発明の液体噴射記録装置の実施の一形態に
おける全体構成の概略のレイアウト例を示す平面図であ
る。
【図8】 本発明の液体噴射記録装置の実施の一形態に
おけるプリドライバ電源回路からプリドライバへの給電
系統の別の例の説明図である。
【図9】 本発明の液体噴射記録装置の実施の一形態に
おけるプリドライバ電源回路からプリドライバへの給電
系統の別の例のシーケンス例を示すタイミングチャート
である。
【図10】 本発明の液体噴射記録装置の応用例を示す
概略構成斜視図である。
【符号の説明】
1…共通電極、2…発熱素子、3…ドライバ素子、4…
プリドライバ、5…16bitカウンタ、6…64bi
tラッチ、7…64bitシフトレジスタ、8,9…プ
リドライバ電源回路、11,15,19…負荷D−MO
Sトランジスタ、12〜14,16〜18…駆動E−M
OSトランジスタ、21,24…E−MOSトランジス
タ、22…第1の抵抗体、23…第2の抵抗体、31…
発熱素子部、32…ドライバ部、33…プリドライバ電
源部、34…プリドライバ部、35…ロジック部、36
…パッド部、41…スイッチ素子、51…被記録媒体、
52…記録ヘッド、53…キャリッジ、54…インクカ
ートリッジ、55…ガイド軸、56…ガイドレール、5
7…フレキシブルケーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 広太 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF99 AG46 AG83 AN01 AR14 AR20 BA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を噴射させて記録を行う液体噴射記
    録装置において、液体に噴射エネルギーを印加する複数
    の噴射素子と、該噴射素子をそれぞれ駆動するための複
    数のドライバ素子と、該ドライバ素子をそれぞれ駆動す
    る複数のプリドライバ回路と、該プリドライバ回路に電
    力を供給する複数系統のプリドライバ電源を有し、前記
    プリドライバ回路はいずれかの系統の前記プリドライバ
    電源に接続されており、各系統の前記プリドライバ電源
    はそれぞれが電力供給を少なくとも切入可能であること
    を特徴とする液体噴射記録装置。
  2. 【請求項2】 前記複数系統のプリドライバ電源は、各
    系統ごとに個別のプリドライバ電源回路を有しており、
    それぞれの前記プリドライバ電源回路が切入制御可能に
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体
    噴射記録装置。
  3. 【請求項3】 前記複数系統のプリドライバ電源は、共
    通のプリドライバ電源回路と、各系統ごとに該プリドラ
    イバ電源回路から供給される電力を供給するか否かを切
    り換えるスイッチ素子を有することを特徴とする請求項
    1に記載の液体噴射記録装置。
  4. 【請求項4】 前記噴射素子は、駆動単位ごとに複数の
    ブロックに分割されており、各ブロック内の前記噴射素
    子に対応する前記プリドライバ回路は、同一の系統の前
    記プリドライバ電源に接続されていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体噴
    射記録装置。
  5. 【請求項5】 前記噴射素子を前記ブロックごとに駆動
    する際に、駆動されるブロックに対応する系統の前記プ
    リドライバ電源のみが前記プリドライバ回路に電力を供
    給することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射記録
    装置。
  6. 【請求項6】 前記噴射素子、前記ドライバ素子、前記
    プリドライバ回路、前記プリドライバ電源回路は同一の
    Si基板上に薄膜プロセスにより形成されていることを
    特徴とする請求項2、3ないし5のいずれか1項に記載
    の液体噴射記録装置。
  7. 【請求項7】 前記ドライバ素子および前記プリドライ
    バ回路を構成するトランジスタは、NチャネルMOSト
    ランジスタであることを特徴とする請求項6に記載の液
    体噴射記録装置。
  8. 【請求項8】 前記プリドライバ電源回路は、複数の前
    記噴射素子および複数の前記ドライバ素子を挟んで前記
    Si基板内の両側に配置されていることを特徴とする請
    求項6または請求項7に記載の液体噴射記録装置。
  9. 【請求項9】 前記プリドライバ電源回路は、前記噴射
    素子に共通に接続された電源線から電力が供給されるこ
    とを特徴とする請求項2,3,6ないし8のいずれか1
    項に記載の液体噴射記録装置。
  10. 【請求項10】 複数の前記噴射素子を異なる複数のブ
    ロックに分割し該ブロック毎に分割して駆動するブロッ
    ク分割駆動回路と、印字データを保持するデータ保持回
    路をさらに有し、前記プリドライバ回路は、前記ブロッ
    ク分割駆動回路の出力と前記データ保持回路の出力を合
    成してドライバ素子を駆動することを特徴とする請求項
    1ないし請求項9のいずれか1項に記載の液体噴射記録
    装置。
  11. 【請求項11】 前記噴射素子は、発熱素子であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項
    に記載の液体噴射記録装置。
  12. 【請求項12】 前記噴射素子は、ピエゾ素子であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1
    項に記載の液体噴射記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009029117A (ja) * 2007-06-26 2009-02-12 Canon Inc インクジェット記録ヘッド基板、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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