JPH09300620A - インクジェット記録ヘッドおよびその試験方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびその試験方法

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JPH09300620A
JPH09300620A JP11905896A JP11905896A JPH09300620A JP H09300620 A JPH09300620 A JP H09300620A JP 11905896 A JP11905896 A JP 11905896A JP 11905896 A JP11905896 A JP 11905896A JP H09300620 A JPH09300620 A JP H09300620A
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driver
circuit
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gate
recording head
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Application number
JP11905896A
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English (en)
Inventor
Kunihito Sato
邦仁 佐藤
Toru Mihara
徹 三原
Shinichi Yasunaga
伸一 保永
Akira Mihara
顕 三原
Yoshinao Kondo
義尚 近藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱素子搭載基板にドライバ、低電圧ロジッ
ク部などを集積化して高密度化,多ノズル化などをする
際に、プリドライバの発熱を押さえ、レギュレータの性
能、利便性も向上させるインクジェット記録ヘッドを提
供する。 【解決手段】 128個の発熱素子2と、ドライバ3、
駆動回路が集積化されている。駆動回路は、各発熱素子
2に対し、印字データにより印字電流を制御するもので
あり、低電圧論理機能素子部、プリドライバ4、プリド
ライバに電源電圧を供給するレギュレータ9からなる。
低電圧論理機能素子部は、外部から入力された印字デー
タを保持する4bitデータユニット6、ブロック分割
駆動制御用の4bitリングカウンタ7,8bitリン
グカウンタ8、およびラッチ回路10を含む周辺回路か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル内に保持さ
れたインクに対し、ノズル内に設けた発熱体にエネルギ
ーを印加して発熱させ、インク内に気泡を発生させてイ
ンクを噴射するインクジェット記録ヘッドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、大きく注目されている技術として
インクジェット記録方式がある。インクジェット記録方
式は、記録品質、記録スピードと価格のバランスに優れ
ており、さらにカラー化が容易、普通紙への記録が可
能、静粛性がよいという利点を持つ。1985年以降、
連続的に吐出しているインクを選択的に紙面に着弾させ
るコンティニュアス方式は陰を潜め、選択的にインクを
吐出させるドロップオンデマンド方式が主流になった。
ドロップオンデマンド方式には、インクを急激に加熱し
発生した気泡によりインクを吐出させるサーマル(バブ
ル)方式と、電圧を印加すると変形するセラミックを用
いてインクを吐出させるピエゾ方式がある。
【0003】サーマルインクジェット方式の場合、ピエ
ゾ方式に比べてインクに噴射エネルギーを加えるための
発熱素子が比較的単純な薄膜プロセスで作成できること
から、発熱素子と同一基板上に同一薄膜プロセスで作成
された回路を搭載するものが増えている。
【0004】特開平5−31898号公報に記載されて
いるように、発熱素子と同一基板上に、ドライバトラン
ジスタおよびこれを駆動する論理機能回路を搭載したも
のが提案されている。ここで、論理機能回路とは、画像
データに対応して選択的にドライバを駆動するためのシ
フトレジスタ、ラッチなどの回路である。ドライバ,論
理機能回路などを発熱素子搭載基板に集積化すれば、配
線の簡略化、論理機能回路の負荷の低減、チップサイズ
減少などといった効果があり、高密度化、多ノズル化の
面やコスト面で有利である。
【0005】特公平6−88414号公報に記載されて
いるように、発熱素子と同一基板上のドライバをMOS
トランジスタで構成し、このゲートおよび一括駆動する
共通電極とでマトリクス駆動する方法が提案されてい
る。バイポーラトランジスタに比べてMOSトランジス
タの方が製造コスト,耐電圧,スイッチング速度,信頼
性の点で有利であるため、安価で耐久性の良い製造方法
である。しかし、MOSトランジスタを用いた場合、5
V系論理出力レベルではMOSトランジスタを十分にO
Nすることができない。したがって、論理機能素子を搭
載した場合には、低電圧ロジック部出力を高電圧プリド
ライバ部で10V以上に昇圧してからドライバを駆動す
る必要がある。
【0006】特公平3−47193号公報に記載されて
いるように、サーマルヘッド駆動制御トランジスタをM
OSトランジスタで構成して、駆動用集積回路とサーマ
ルヘッドとの間にレベルシフト回路を挿入するものが提
案されている。しかし、ドライバMOSトランジスタを
駆動するためには10V以上で行なう必要があるため、
駆動回路を低電圧ロジック部と高電圧プリドライバ部に
分ける必要がある。
【0007】特開平6−328681号公報に記載され
ているように、サーマルインクジェットヘッドにおい
て、発熱素子と同一基板上に、ドライバ用のMOSトラ
ンジスと、このMOSトランジスタを選択的に駆動する
ために、5V系低電圧論理機能素子の出力を10V以上
に昇圧するプリドライバと、このプリドライバに電源を
供給するレギュレータ回路を有するものが提案されてい
る。
【0008】発熱素子と同一基板上に駆動回路を搭載す
ると、搭載する回路規模が大きくなるにつれて消費電力
が増えて発熱量が増加してインクの粘度が低下し、噴射
滴量が多くなり印字画像劣化を引き起こすという問題が
生じる。
【0009】MOSトランジスタの中でも、C−MOS
よりもNチャネルMOSのみで構成した方が製造コスト
が低く、ラッチアップ現象が生じないなど信頼性にも優
れる。しかし、NチャネルMOSのみで論理ゲートを構
成すれば、貫通電流が多く、この貫通電流により発熱が
起こる。しかし、貫通電流を少なくすると、ドライバ駆
動時の立ち上がり波形が遅くなり、発熱素子の通電電流
の立ち上がり波形も遅くなる。これにより、発生する気
泡が小さくなり噴射されるインク滴量が少なくなるとい
う問題が生じる。
【0010】また、プリドライバ部の電源を外部から供
給するよりも発熱素子搭載基板内部で供給した方がコス
ト面で有利である。しかし、基板に搭載したレギュレー
タ回路からプリドライバ部の電源電圧を供給する場合、
発熱素子搭載基板の電気的特性試験やヘッド開発等のた
め、プリドライバ電源電圧をモニターしたり、変更させ
たり、場合によってはOFFさせたいという要求が生じ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、発熱素子と同一基板上に、
ドライバ,プリドライバ部,低電圧ロジック部などを搭
載するものにおいて、プリドライバ部の性能を向上させ
るインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とす
る。また、プリドライバ部の電源電圧を供給するレギュ
レータの性能および利便性を向上させたインクジェット
記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの試験方法
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、インクに熱エネルギーを印加する複数の発熱
素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、該ドライバ
を画像データに応じて制御する駆動回路を同一基板上に
形成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記駆動
回路は、低電圧ロジック部と該低電圧ロジック部の出力
を入力して前記ドライバを駆動するに必要な高電圧を出
力するプリドライバ部を有し、前記ドライバおよび前記
プリドライバ部のトランジスタは、NチャネルMOSト
ランジスタであることを特徴とするものである。
【0013】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記駆
動回路は、前記複数の発熱素子を異なる複数のブロック
に分割し該ブロックごとに時分割して駆動するブロック
分割駆動回路と、印字データを保持するデータ保持回路
を有し、前記プリドライバ部は、前記ブロック分割駆動
回路の出力と前記データ保持回路の出力を合成すること
を特徴とするものである。
【0014】請求項3に記載の発明においては、請求項
1または2に記載のインクジェット記録ヘッドにおい
て、前記プリドライバ部は複数段のゲート回路によって
構成され、初段のゲート回路は、前記低電圧ロジック部
の出力が正論理で入力されるNAND回路により構成さ
れることを特徴とするものである。
【0015】請求項4に記載の発明においては、請求項
1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記プリドライバ部はNチャネルMO
Sトランジスタによる3段のゲート回路によって構成さ
れ、2段目のゲートはED−MOS構成であり、3段目
のゲートはEE−MOSのプッシュプル構成であること
を特徴とするものである。
【0016】請求項5に記載の発明においては、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記プリドライバ部の出力にプルダウ
ン素子が接続されることを特徴とするものである。
【0017】請求項6に記載の発明においては、請求項
1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記プリドライバ部を構成するNチャ
ネルMOSトランジスタのうち、前記発熱素子に流れる
電流の立ち上がり時間に関係するNチャネルMOSトラ
ンジスタのゲート幅は、前記低電圧ロジック部のNチャ
ネルMOSトランジスタの最小ゲート幅の1.4倍以上
であることを特徴とするものである。
【0018】請求項7に記載の発明においては、請求項
1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記ドライバを構成するトランジスタ
は、非飽和領域で動作することを特徴とするものであ
る。
【0019】請求項8に記載の発明においては、請求項
1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記基板上にレギュレータ部が形成さ
れ、該レギュレータ部は、前記発熱素子の共通電極から
前記プリドライバ部に電源電圧を供給することを特徴と
するものである。
【0020】請求項9に記載の発明においては、請求項
8に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記レ
ギュレータ部は、前記発熱素子の配列方向の両端部に配
置されることを特徴とするものである。
【0021】請求項10に記載の発明においては、請求
項8または9に記載のインクジェット記録ヘッドにおい
て、前記レギュレータ部はソースホロワとして用いられ
るMOSトランジスタを有し、該MOSトランジスタの
ゲートは前記発熱素子の共通電極と第1の抵抗体を介し
て接続されるとともに第2の抵抗体を介して接地され、
前記発熱素子と第1,第2の抵抗体はN+をドープした
ポリシリコン層であることを特徴とするものである。
【0022】請求項11に記載の発明においては、請求
項8ないし10のいずれか1項に記載のインクジェット
記録ヘッドにおいて、前記レギュレータ部は、第1およ
び第2のMOSトランジスタを有し、第1のMOSトラ
ンジスタは、ソースホロワで用いられゲート電極が前記
発熱素子の共通電極に第1の抵抗体を介して接続される
とともに、第2のMOSトランジスタのドレイン、ソー
スを介して接地され、第2のMOSトランジスタのゲー
トは、制御信号入力端子に接続され前記レギュレータ部
から前記プリドライバ部への電源電圧の供給および遮断
を制御することを特徴とするものである。
【0023】請求項12に記載の発明においては、請求
項8ないし11のいずれか1項に記載のインクジェット
記録ヘッドにおいて、前記基板上に、前記プリドライバ
部の電源電圧供給路に接続されたモニタ端子を有するこ
とを特徴とするものである。
【0024】請求項13に記載の発明においては、イン
クに熱エネルギーを印加する複数の発熱素子と、該発熱
素子を駆動するドライバと、低電圧ロジック部と、該低
電圧ロジック部の出力を入力して前記ドライバを駆動す
るプリドライバ部と、前記発熱素子の共通電極から前記
プリドライバ部に電源電圧を供給するレギュレータ部が
同一基板上に形成されたインクジェット記録ヘッドの試
験方法において、前記レギュレータ回路から前記プリド
ライバ部への電源電圧の供給を遮断し、外部から直接に
前記プリドライバ部に電源電圧を供給して動作を試験す
ることを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインクジェット
記録ヘッドの実施の一形態において発熱素子が搭載され
た基板に設けられた回路の一例を示す構成図である。な
お、本図および以降の各図は、全て概念的な回路図であ
り、ファンアウトや配線容量を無視しており、バッファ
など詳細な回路部分を省略している。図中、1はHVD
D、2は発熱素子、3はドライバ、4はプリドライバ、
5はNAND回路、6は4bitデータユニット、7は
4bitリングカウンタ、8は8bitリングカウン
タ、9はレギュレータ、10はラッチ回路である。
【0026】この実施の一形態は、300dots/2
5.4mmで並んだ128個のサーマルインクジェット
記録用の発熱素子2と、各発熱素子2に電流を流して発
熱させるドライバ3、およびドライバ3を制御する駆動
回路およびパッド等を集積化したものである。一例とし
て、発熱素子2はシート抵抗40〜60Ω程度のポリシ
リコン層からなり、全てのトランジスタはNチャネルM
OSで構成され、ドライバ3はNチャネルE−MOS高
耐圧トランジスタである。
【0027】この例では、128個の発熱素子2を搭載
している。厳密にいうと128個分の発熱素子2の領域
を持ったものということであって、発熱素子2を置く領
域だけがあって実際には発熱素子2がなかったり、通常
の印字には使用しない特性の異なる素子であったり、い
わゆるダミー素子である場合も含んでいる。例えば、異
なる色のインクを一つの発熱素子搭載基板を使用して印
字を行なう場合、異なる色の境界に幾つかのダミー素子
を設けることが多い。この明細書では、以上のことを踏
まえて、発熱素子の配置可能数を発熱素子数と呼ぶこと
にする。
【0028】ドライバ3を制御する駆動回路を有し、こ
れは、各発熱素子2に対し、印字データにより印字電流
を制御するものであり、低電圧論理機能素子部、ドライ
バ3ヘのインターフェイスであるプリドライバ4、プリ
ドライバに電源電圧を供給するレギュレータ9からな
り、4μmプロセスで作成される。ここで、低電圧論理
機能素子部とは、外部から入力された印字データを保持
する4bitデータユニット6、ブロック分割駆動制御
用の4bitリングカウンタ7,8bitリングカウン
タ8、およびラッチ回路10を含む周辺回路からなる。
【0029】図示の例は、発熱素子2を図示長手方向に
No.1からNo.128まで、順次4つずつ32個の
ブロックに分けて分割駆動する場合である。すなわち、
最大同時印字数が4であり、ブロック内で隣接印字をし
1ブロックを完了するごとに、隣接するブロックに印字
位置がシフトする。128個の発熱素子2は、一端をす
べてHVDD(発熱素子共通電極)1を介して外部電源
に接続される。また、他端はそれぞれドライバ3に接続
され、ドライバ3が発熱素子2を駆動する。
【0030】プリドライバ4は、AND回路として説明
する。図では、NAND回路5とインバータの縦属接続
として図示されている。NAND回路5には、4bit
データユニット6からの印字データ信号と、4bitリ
ングカウンタ7からの第1のブロック分割駆動信号と、
8bitリングカウンタ7からの第2のブロック分割駆
動信号が入力される。2つのブロック分割駆動信号の組
合せで駆動すべき発熱素子2が選択され、さらに、4b
itデータユニット6に印字すべきデータが保持されて
いるときに、プリドライバ4は、その発熱素子2に対応
するドライバ3の制御電極に駆動信号を出力する。
【0031】4bitデータユニット6は、最大同時印
字数分の印字データを保持するために、印字する順序に
合わせて印字データを外部からシリアルに入力するもの
であり、DCLK(データクロック)信号のタイミング
でシリアル入力された印字データを順次保持し、各発熱
素子2に対応した印字データを保持する。図示の配線構
造では、4bitデータユニット6の出力端子D1〜D
4からの4本の出力線は、発熱素子2の配列に沿って長
手方向(図面上では上下方向)に延びている。NAND
回路5の第1番目の入力線は、この4本の全出力線と交
差し、図示の例では隣接印字を行なえるように、出力線
と入力線のコンタクト位置が決められている。
【0032】4bitリングカウンタ7は、印字駆動期
間を指示するENABLE信号をカウントして出力端子
RE1〜RE4から、第1のブロック分割駆動信号を発
生する。図示の配線構造では、4bitリングカウンタ
7の出力端子RE1〜RE4からの4本の出力線も、発
熱素子2の配列に沿って長手方向に延びており、NAN
D回路5の第2番目の入力線は、この4本の全出力線と
交差し、図示の例では、隣接印字を行なえるように、出
力線と入力線のコンタクト位置が決められている。
【0033】4bitリングカウンタ7は、リングカウ
ンタ自体の出力とENABLE信号のANDをとって、
出力端子RE1〜RE4に出力しており、ENABLE
信号が発生している期間のみ、発熱素子2を駆動できる
ようにしている。
【0034】8bitリングカウンタ8は、4bitリ
ングカウンタ7のキャリーアウトをクロックとして動作
し、出力端子B1〜B8から第2のブロック分割駆動信
号を出力する。NAND回路5を隣接する32個ごとの
4組に区分したとき、2個の出力端子B1,B2、出力
端子B3,B4、出力端子B5,B6、出力端子B7,
B8は、それぞれ第1番目〜第4番目の組のNAND回
路5にのみ出力される。したがって、各出力端子の組は
32個のNAND回路5の選択を分担している。
【0035】図示の配線構造では、8bitリングカウ
ンタ8の出力端子B1とB2,B3とB4,B5とB
6,B7とB8からの出力線は、各2本を平行にして長
手方向に所定範囲にわたって延ばし、これを1組とし
て、各組を長手方向に並べて配列している。そして、上
述した各組のNAND回路5の第3番目の入力線が、対
応する各組の長手方向の出力線と交差するようにしてい
る。図示の例では、隣接印字を行なえるように、出力線
と入力線のコンタクト位置が決められている。
【0036】図示の配線構造は、長手方向の出力線と垂
直方向の入力線を交差させているため、コンタクト位置
の変更により印字順序を幅広くフレキシブルに変更が可
能であり、規則的な設定例としては、隣接,1個飛び,
3個飛び,7個飛びが設定できる。図示の例では、EN
ABLE信号とのANDをとる構成は、4bitリング
カウンタ7内で行なったが、その代わりに、4bitデ
ータユニット6内や、8bitリングカウンタ8内で行
なってもよい。いずれの場合でも、新たにENABLE
信号線を長手方向に布線し、NAND回路5の入力線と
コンタクトする必要がなく、配線の簡素化とレイアウト
の効率化を図れる。ENABLE信号は、4bitデー
タユニット6,4bitリングカウンタ7,8bitリ
ングカウンタ8のうち、出力ビット数が最も少ないもの
とANDを取るのがAND回路を少なくできて効率がよ
い。
【0037】レギュレータ9は、プリドライバ4にHV
DD1から12〜14V程度のプリドライバ電源電圧を
供給する。図示の例では、ドライバ3をNチャネルE−
MOSで構成しているため、ドライバON時のゲート電
圧を低電圧ロジック系の5Vよりも高い電圧で駆動する
必要がある。そのため、プリドライバ用電源電圧は、レ
ギュレータ9より供給する構成として、プリドライバ4
で低電圧ロジック部の出力を合成するとともに高い電圧
にしてドライバ3を駆動している。MVCUT端子は、
テスト時等において、レギュレータ9をOFFにするM
VCUT信号の入力端子である。MVCUT端子には、
プルダウントランジスタが付いているため、通常印字動
作中はMVCUT端子はオープンでよい。
【0038】レギュレータ9は、長手方向両端部に1個
ずつ設けられ、プリドライバ4に電源電圧を供給してい
る。なお、ドライバ3にバイポーラトランジスタを使用
する場合には、昇圧駆動する必要はないので、プリドラ
イバ4およびレギュレータ9を設けずに構成することも
できる。
【0039】図2は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの実施の一形態における動作の一例を説明するための
信号シーケンス図である。印字ごとにブロックを32回
シフトし、128個の発熱素子の印字動作を完了する。
始めにNRST(リセット)信号を’L’にして、4b
itリングカウンタ7,8bitリングカウンタ8をク
リアする。4bitリングカウンタ7,8bitリング
カウンタは、シフト方向が双方向性であり、印字方向に
応じて発熱素子No.1〜4または発熱素子No.12
5〜128を選択する。図1に示した回路例では、外部
から印字データを入力する信号線と印字方向を選択する
信号線とを兼用することによって、入力ラインを1本節
約するとともに、回路基板上のパッドを1個節約してい
る。そのため、NRST信号が立ち上がるときに、外部
からこのラインにデータ方向選択のための信号DIR信
号を出力するようにしている。したがって、NRST信
号の立ち上がり時に、DTDIR(データ/方向選択)
信号がラッチ10によってラッチされ、印字方向がセッ
トされ、ラッチ10の出力線が方向選択の信号線とな
る。DTDIR信号が’L’なら順方向(左→右)、D
TDIR信号が’H’なら逆方向(右→左)である。
【0040】一方、印字データの入力は、NRST信号
が’H’の期間中に行なう。したがって、NRST信号
を’H’とした後、DCLK(データクロック)信号の
立ち下がりで印字データを4bitデータユニット6に
シリアルに読み込み、データ保持動作をする。ENAB
LE信号をLCLK(ラッチクロック)端子に入力しE
NABLE信号が’H’になるごとにデータをラッチす
る。
【0041】図3は、4bitデータユニットの一例を
示す回路図である。図中、21は4bitシフトレジス
タ、22は4bitラッチである。図1に示した4bi
tデータユニット6は、DCLK信号の立ち下がりでD
入力がQ出力に伝達されるD−FFが4個縦属接続され
た4bitシフトレジスタ21と、この各段のQ出力を
D入力としLCLK(ラッチクロック)信号の’L’で
D入力をQ出力に伝達する4bitラッチ22とからな
る。印字データは、DCLK信号の立ち下がりで4bi
tシフトレジスタ21にシリアルに読み込まれる。読み
込まれた印字データは、LCLK信号が立ち上がると4
bitシフトレジスタ21の印字データが4bitラッ
チ22にラッチされる。
【0042】図1,図2に戻って説明する。ENABL
E信号が’H’になるごとに印字データをラッチするた
めに、図1においては、ENABLE信号をLCLKと
して使用している。そして、ENABLE信号の’H’
により印字が行なわれ、インクの噴射時間はENABL
E信号の’H’の期間で決まる。4bitリングカウン
タ7の出力RE1〜RE4の中の1つと8bitリング
カウンタ8の出力B1〜B8の中の1つが’H’になっ
て、駆動すべきブロックが選択される。
【0043】4bitデータユニット6に記憶された印
字データにしたがって、最初に選択されたブロック内の
4つの発熱素子2の印字動作を行なう。選択されたブロ
ックのラッチされた印字データが’H’(アクティブ)
なら、ENABLE信号が’H’の間、対応する発熱素
子2が通電して発熱する。発熱素子2上の絶縁膜が加熱
されて発生した気泡の膨張収縮作用によりインクを噴射
し、印字を行なう。印字動作中に次のブロックの4個の
発熱素子2の印字データを4bitデータユニット6に
読み込む。
【0044】ブロック駆動回路としての4bitリング
カウンタ7および8bitリングカウンタ8の各出力
と、データ保持回路としての4bitデータユニット6
の出力の3入力をプリドライバ4でAND合成してドラ
イバ3を駆動し発熱素子2を選択駆動する。プリドライ
バ4は、論理が3入力ANDになるものであれば、図示
の通りの回路でなくても差し支えない。ブロック駆動回
路が選択したブロック内で、4bitデータ保持回路6
でラッチされた印字データにしたがって印字を行なう。
【0045】ENABLE信号の立ち下がりで4bit
リングカウンタ7,8bitリングカウンタ8の各出力
が’L’になって印字が終わり、4bitリングカウン
タ7および8bitリングカウンタ8の’H’出力がシ
フトして次のブロックの4個の発熱素子2を選択する。
次のENABLE信号の立ち上がりまでに、次の印字デ
ータを4bitデータユニット6に読み込ませておく。
これらの印字動作サイクルを32回繰り返し、128個
の発熱素子2の印字動作が終わる。4bitデータユニ
ット6に読み込まれるシリアルデータは、順方向印字の
時は、読み込まれた順番に、発熱素子No.1,2,
3,4のように若い方から隣接した各発熱素子2の印字
データとなる。
【0046】逆方向印字の時は、ブロックの選択順序が
逆になるが、各ブロック内では発熱素子No.125,
126,127,128のように、若い方から隣接する
印字データとなり、4bitデータユニット6へのデー
タ格納順序はかわらない。必要ならば、データを格納す
る順序にも双方向性を持たせてもよい。また、4bit
データユニット6は、印字動作開始前に印字データを4
bit分必ず転送するようにしているため、クリア入力
を必要としない。
【0047】4bitリングカウンタ7は、順方向印字
(DIR=’L’)なら、ENABLE信号が’H’に
なるごとにRE1→RE2→RE3→RE4→RE1…
が順次’H’になり、逆方向印字(DIR=’H’)な
ら、ENABLEが’H’ごとにRE4→RE3→RE
2→RE1→RE4…が順次’H’になる。8bitリ
ングカウンタ8は、順方向印字(DIR=’L’)な
ら、ENABLE信号の’H’の4回ごとにB1→B2
→B3→…→B8と順次’H’になり、逆方向印字(D
IR=’H’)なら、ENABLE信号の’H’の4回
ごとにB8→B7→B6→…→B1と順次’H’にな
る。
【0048】ブロック分割駆動手段である、4bitリ
ングカウンタ7および8bitリングカウンタ8に双方
向性を持たせるのは、主走査方向にヘッドを移動させて
右端に到達したとき、副走査方向に紙を移動させながら
逆主走査方向に印字できるようにするためである。逆主
走査方向に印字をすることにより高速印字が可能であ
る。また、ヘッドを主走査方向に対し斜めにし、主走査
移動方向に一番進んだブロックから順次駆動した方が副
走査方向の直線印字性がよい。したがって、逆主走査方
向にヘッドを動かす場合、主走査方向に動作させるとき
とは、ブロック分割駆動順序を逆にする必要が生じる。
【0049】次にブロック分割駆動回路の具体例につい
て説明する。まず、非同期型のバイナリカウンタを説明
し、この非同期型のバイナリカウンタを用いた双方向の
4bitリングカウンタおよび8bitリングカウンタ
について説明する。
【0050】図4は、非同期型のバイナリカウンタの一
例を示す回路図である。図中、31〜35はDフリップ
フロップ、36〜39はAND回路である。ブロック数
が25 =32個であり、双方向性を有し、タイミング速
度をそれ程要求しない、という3つの理由を考えた場
合、バイナリカウンタが有利である。同期型と非同期型
のバイナリカウンタを考えると、非同期型の方が回路構
成が簡単で配線引き回しが小さい。しかし、前段のフリ
ップフロップの出力を次のフリップフロップのクロック
として使用すると、次のフリップフロップの出力は、フ
リップフロップ一つ分遅延する。これを5段構成にした
のではタイミング的に間に合わない。しかし、同期型を
使用すれば、ゲート数、配線数が増大する。
【0051】また、Dフリップフロップの構成には、一
相クロックを使用したスタティック・マスタースレーブ
型の他に、伝送ゲートを有した二相クロックを使用する
シフトレジスタがよく知られている。一つのシフトレジ
スタを構成する為のトランジスタ数は、一相クロック・
スタティック・マスタースレーブ型より、二相クロック
を使用するシフトレジスタの方が少ない。しかし、二相
クロックを使用するシフトレジスタでは、フリップフロ
ップによりクロックが同期していない場合には大いに不
利である。
【0052】図4に示す構成では、非同期型のバイナリ
カウンタでありながら、ディレイを極力抑えた構成とし
ている。各Dフリップフロップ31〜35では、クロッ
ク入力の立ち下がりによって出力を反転し、Dフリップ
フロップ31〜34はそれぞれAND回路36〜39へ
出力する。外部から入力されるクロックは、Dフリップ
フロップ31、AND回路36,37に入力される。A
ND回路36はDフリップフロップ31の出力とクロッ
クの論理積をDフリップフロップ32およびAND回路
37へ出力する。AND回路37は、Dフリップフロッ
プ32の出力、AND回路36の出力、およびクロック
の論理積をDフリップフロップ33、AND回路38,
39へ出力する。AND回路38はDフリップフロップ
33の出力とAND回路37の論理積をDフリップフロ
ップ34およびAND回路39へ出力する。AND回路
39は、Dフリップフロップ34の出力、AND回路3
7,38の出力の論理積をDフリップフロップ35へ出
力する。
【0053】図5は、図4に示した非同期型のバイナリ
カウンタの動作例を示すタイミングチャートである。初
期状態として、Dフリップフロップ31〜35のQ出力
は‘L’となっており、Q出力の反転出力である*Q出
力は‘H’でD入力に接続されている。最初のクロック
の立ち下がりでDフリップフロップ31はD入力をラッ
チして出力し、U信号は‘H’となる。これによりAN
D回路36の1つの入力は‘H’となる。次のクロック
の立ち下がりでDフリップフロップ31の出力は反転し
て‘L’となる。このようにしてDフリップフロップ3
1の出力はクロックの立ち下がりが入力されるごとに出
力を反転し、図5のU信号のような波形となる。
【0054】2つ目のクロックの時にはU信号が‘H’
であるから、Dフリップフロップ32には2つ目のクロ
ックパルスがそのまま入力され、その立ち下がり時に出
力を反転する。そのため、W信号は‘H’となる。次の
3つ目のクロックではDフリップフロップ61の出力が
‘L’であるからAND回路36からクロックパルスが
入力されない。この3つ目のクロックでDフリップフロ
ップ31の出力は‘H’になっているので、4つ目のク
ロックパルスがDフリップフロップ32に入力され、そ
の立ち下がりで出力が反転して‘L’となる。
【0055】Dフリップフロップ32の出力が‘H’と
なり、AND回路36から4つ目のクロックパルスが出
力されると、AND回路37は直接入力される4つ目の
クロックパルスを出力する。このとき、AND回路36
からのクロックパルスはAND回路36によって遅延し
ているので、AND回路37から出力されるクロックパ
ルスの立ち上がりは遅延する。しかし、立ち下がりは直
接入力されるクロックパルスの立ち下がりに従うので、
AND回路37から出力されるクロックパルスの立ち下
がりの遅延はAND回路37のみによる遅延量だけであ
る。
【0056】AND回路37から出力されるクロックパ
ルスはDフリップフロップ33に入力され、出力を反転
する。Dフリップフロップ33,34は、AND回路3
7から出力されるクロックパルスをクロックとして、そ
れぞれDフリップフロップ31,32と同様に動作す
る。このようにして図5に示すX,Y信号が得られる。
【0057】さらにDフリップフロップ35は、AND
回路39の出力をクロックとしてDフリップフロップ3
1,33と同様に動作し、図5に示すようにY信号の立
ち下がりで反転するZ信号が得られる。この場合も、A
ND回路37から出力されるクロックパルスの立ち下が
りで動作させることができるので、遅延量はAND回路
37,39の2つ分となる。このように、図4に示す回
路では、非同期型のバイナリカウンタでありながら、1
つあたりのクロックディレイがフリップフロップ一つ分
の遅れ時間より遥かに短く、最も遅延するZ信号の出力
はわずかに2ゲート分遅延するのみである。
【0058】このようにして得られたU,W,X,Y,
Z信号は、クロックをカウントした信号となっている。
これをデコードすることによって、対応するブロックの
選択信号を得ることができる。
【0059】図4に示した非同期型のバイナリカウンタ
を用いて4bitリングカウンタ7、8bitリングカ
ウンタ8を構成する場合、Dフリップフロップ31,3
2、AND回路36,37を4bitリングカウンタ7
に、Dフリップフロップ33,34,35、AND回路
38,39を8bitリングカウンタ8とし、AND回
路37の出力をキャリー信号として4bitリングカウ
ンタ7から8bitリングカウンタ8に渡せばよい。
【0060】図6は、図4に示した非同期型のバイナリ
カウンタを用いた4bitリングカウンタおよび8bi
tリングカウンタの一例を示す構成図である。図中、図
4と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
41〜45はセレクタ、46,47はデコード部、48
はAND回路部、49は双方向の3bitバイナリカウ
ンタである。破線より上が4bitリングカウンタ7、
下が8bitリングカウンタ8の構成を示している。こ
のように、双方向の4bitリングカウンタ7と双方向
の8bitリングカウンタ8の出力を別々にレイアウト
しプリドライバ4へ入力することとする。この方がデコ
ードの手間を省くことができる。
【0061】4bitリングカウンタ7が1サイクル終
了するごとに8bitリングカウンタ8が一つシフトす
る。各Dフリップフロップ31〜35の出力に、それぞ
れセレクタ41〜45が接続され、さらにデコード部4
6,47が接続されている。また、4bitリングカウ
ンタ側では、デコード部46にさらにAND回路部48
が接続されている。
【0062】セレクタ41〜45を設けることによっ
て、ブロックの駆動順序を示すDIR信号によって、D
フリップフロップ31〜35正出力と反転出力を切り換
えることによってカウントダウンの動作が行なえる。上
述のようにDIR信号は順方向を示すときに‘L’、逆
方向を示すときに‘H’であるから、それぞれのセレク
タ41〜45ではDIR信号が‘L’のときDフリップ
フロップ31〜35のQ出力を選択し、‘H’のとき反
転信号である*Q出力を選択する。このようにして、駆
動するブロックの番号が決まる。これをバイナリデコー
ド部46,47でデコードして対応する信号線に駆動信
号を出力する。
【0063】ここで、8bitリングカウンタ8側にお
ける、Dフリップフロップ33〜35、AND回路3
8,39、セレクタ43〜45は、双方向の3bitバ
イナリカウンタ49を構成している。また、既に説明し
たように、4bitリングカウンタ側では、AND回路
部48において、デコード部46の出力とENABLE
信号と同期したENA信号との論理積をとることより、
ENABLE信号をプリドライバ4へ入力することを不
要にしている。なお、デコード部46とAND回路部4
8とを合わせて3入力AND回路とすることもできる。
【0064】図7は、図1における8bitリングカウ
ンタの配線構造の一例の説明図である。図中、図6と同
様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。この例
は、図6に示した8bitリングカウンタ8のデコーダ
部46の論理素子を分離して配置したものである。3b
itバイナリカウンタ49の出力端子X,Y,Zからの
3本の出力線を、図1に示した4bitリングカウンタ
7の出力線と同様に、長手方向に延ばし、デコード部4
7の8個の論理ゲートをこの出力線に接続するととも
に、長手方向に分散配置する。
【0065】再び、図1に戻って、プリドライバ4の問
題点について詳細に説明する。発熱素子2のスイッチン
グ駆動を行なうドライバ3にNチャネルE−MOSトラ
ンジスタを用いると、プリドライバ4により低電圧ロジ
ック部の電源電圧(5V)よりも高い電圧でドライバト
ランジスタのゲートを駆動する必要がある。プリドライ
バ4への電圧を外部より供給するとコストアップを招く
ので、レギュレータ9を同一基板内部に設け発熱素子2
の共通電極1からプリドライバ4への電圧を供給する。
【0066】プリドライバ4は、4bitデータユニッ
ト6等の低電圧ロジック部の出力を合成し、昇圧して高
い電圧でドライバ3の制御電極を駆動する回路である。
プリドライバ4は、発熱素子2の個数に対応した128
個全てについて同様な回路でよい。しかし、低電圧ロジ
ック部がデジタル論理で動作するのに対し、プリドライ
バ4の出力は、ドライバ3のゲートに接続されるもので
ある。ドライバ3のゲート電圧によりドライバ3のON
抵抗が異なり、発熱素子2に通電する電流が異なってし
まう。発熱素子2の通電電流レベルはそのまま発熱に反
映され、発生する気泡にも影響しインク噴射滴量の差異
となって現れる。
【0067】したがって、プリドライバ4の出力がなま
れば、インク噴射滴が小さくなる。通電時間は通常2〜
3μs程度で、立ち上がり時間(5%から95%になる
までの時間)が200ns遅延すると約10%またはこ
れ以下の程度、インク噴射滴が小さくなる。プリドライ
バ4への電源電圧を上げれば、ドライバ3のゲート電圧
も上がりドライバのON抵抗が下がる。しかし、トラン
ジスタの耐圧上、プリドライバ4の電源電圧は15V以
下にする必要がある。
【0068】また、プリドライバ4を構成するNチャネ
ルMOSトランジスタの貫通電流を多くすれば、出力の
立ち上がり時間を速くできる。しかし、貫通電流を多く
すると、基板が発熱する。発熱素子搭載基板の発熱量が
大きくなるとインクの粘度が低下し、噴射滴量が多くな
り印字画像の劣化を引き起こす。したがって貫通電流は
少ない方が好ましいという矛盾を生じる。
【0069】図8は、プリドライバの一例を示す回路図
である。図中、図1と同様な部分には同じ符号を付して
説明を省略する。51,55,59はデプレッション型
の負荷D−MOSトランジスタ、52〜54,56〜5
8はエンハンスメント型の駆動E−MOSトランジスタ
である。この回路は、上述した問題点を考慮したプリド
ライバ4の内部回路を発熱素子2およびドライバ3とと
もに示したものである。
【0070】初段ゲートは、負荷D−MOSトランジス
タ51と駆動E−MOSトランジスタ52〜54の直列
接続によるED−MOSトランジスタ構成の3入力NA
NDゲートである。図1に示した4bitリングカウン
タ7の出力端子RE1〜RE4からの出力線は、交差配
線構造のコンタクト位置に応じて、駆動E−MOSトラ
ンジスタ52のゲート電極に入力される。また、8bi
tリングカウンタ8の出力端子B1〜B8からの出力線
は、交差配線構造のコンタクト位置に応じて、駆動E−
MOSトランジスタ53のゲート電極に入力される。4
bitデータユニット6の出力端子D1〜D4からの出
力線は、交差配線構造のコンタクト位置に応じて、駆動
E−MOSトランジスタ54のゲート電極に入力され
る。
【0071】2段目のゲートは、負荷D−MOSトラン
ジスタ55と駆動E−MOSトランジスタ56の直列接
続によるED−MOSトランジスタ構成のインバータで
あり、初段ゲートの負荷D−MOSトランジスタ51と
駆動E−MOSトランジスタ52の接続点が駆動E−M
OSトランジスタ56のゲート電極に接続される。
【0072】3段目のゲートは、駆動E−MOSトラン
ジスタ57,58の直列接続EE−MOSトランジスタ
構成のプッシュプル駆動である。2段目のゲートの負荷
D−MOSトランジスタ55と駆動E−MOSトランジ
スタ56の接続点が駆動E−MOSトランジスタ57の
ゲート電極に接続され、2段目のゲートの駆動E−MO
Sトランジスタ56のゲート電極が駆動E−MOSトラ
ンジスタ58のゲート電極に接続される。
【0073】3段目のゲートの駆動E−MOSトランジ
スタ57と駆動E−MOSトランジスタ58の接続点に
は、負荷D−MOSトランジスタ59によるプルダウン
抵抗が接続されて、プリドライバ4の出力端となり、ド
ライバ3のゲート電極に接続される。プリドライバ4の
電源電圧は、図1に示したレギュレータ9のMVDDか
ら供給され、発熱素子2の電源電圧は図1に示したHV
DD1から供給される。 全てのMOSトランジスタ
は、Nチャネル型であり、回路記号の横に付した数値
は、W(μm)/L(μm)の値を示している。Wはゲ
ート幅(チャネル幅)、Lはゲート長(チャネル長)で
ある。W(μm)/L(μm)の値は、負荷D−MOS
トランジスタ51が5/10、駆動E−MOSトランジ
スタ52〜54が23/4、負荷D−MOSトランジス
タ55が7/50、駆動E−MOSトランジスタ56が
7/10、駆動E−MOSトランジスタ57が38/
4、駆動E−MOSトランジスタ58が35/4、負荷
D−MOSトランジスタ59が5/40としている。
【0074】E−MOSトランジスタに関しては、閾値
電圧Vthd =1V、プロセス係数=16×10-6 A/
2 、D−MOSトランジスタに関しては、閾値電圧V
thd=−4V、プロセス係数=19×10-6 A/V2
である。ゲート酸化膜厚は、E−MOSトランジスタ,
D−MOSトランジスタともに90nm程度である。ま
た、ドライバ3のE−MOS高耐圧トランジスタのW
(μm)/L(μm)の値は、3200/4である。
【0075】発熱素子2の抵抗値は、300dpi用発
熱素子の場合、白黒用で150〜220Ω、カラー用で
220〜290Ω程度である。発熱初期から数μs経過
すると熱影響により抵抗値が減る影響も含んだ範囲であ
る。
【0076】図9は、ドライバトランジスタの動作点を
調べる回路図である。図中、図1と同様な部分には同じ
符号を付して説明を省略する。VDSはドレインソース間
電圧、Iはソース電流であり、発熱素子を流れる負荷電
流でもある。図10は、ドライバトランジスタの動作特
性を表わす線図である。図9に示した回路を用いて特性
を求めた。図中、VDS−I特性は、ドライバ3のMOS
トランジスタのドレインソース間電圧VDSとソース電流
Iとの関係を、ゲート電圧VG をパラメータとして表わ
したものである。負荷曲線は、発熱素子2の抵抗値をパ
ラメータとして、発熱素子2の負荷特性を、ドレインソ
ース間電圧VDSと負荷電流Iとの関係で表わしたもので
ある。ソース電流Iは負荷電流に等しいため、両特性線
の交点が動作点となる。
【0077】ドライバ3は、W/Lの値が大きい方がO
N抵抗が小さくなるが、図から明らかなように、非飽和
領域動作ならその効果が少ない。同様に、ゲート電圧V
G が高いほどON抵抗が小さいが、非飽和領域動作なら
その効果が少ない。ゲート電圧VG が10Vで十分に非
飽和領域で動作させるには、ドライバ3のトランジスタ
のW/Lの値は、600以上が必要である。しかし、ド
ライバ3のトランジスタを大きくすれば、それだけ基板
面積が増大してしまうので、あまり大きくできない。一
例では、ドライバ3のトランジスタのW/Lの値を32
00μm/4μm=800にした。
【0078】一方、プリドライバ4の回路を高耐圧のM
OSトランジスタで構成するのは、レイアウト面積,ス
イッチング速度の点で好ましくない。通常、MOSトラ
ンジスタの耐電圧は18V程度であり、ジャンクション
リーク等の存在のため15Vを越えると正常動作を外れ
る可能性がある。したがって、プリドライバ4の電源電
圧は13Vにした。
【0079】貫通電流を少なくするため、プリドライバ
4の出力段のゲートをEE−MOSトランジスタ構成の
プッシュプル型にすれば、閾値電圧Vthのために2V程
度落ちても、11V程度の出力電圧でドライバ3のE−
MOSトランジスタを駆動することができる。このよう
に、貫通電流の制約から、2段目にインバータ構成を設
けてプリドライバを3段ゲート構成にした。また、安全
のため、低電圧ロジック部の電源が落ちて全て’L’に
なったときに、ドライバ3のE−MOSトランジスタを
駆動しないように、入力が正論理で駆動されるようにす
る。スタンバイ状態では、2段目のゲートだけに貫通電
流が流れる。
【0080】図11は、D−MOSトランジスタのゲー
ト幅Wと閾値電圧Vthd の関係を表わす説明図である。
ゲート長Lは20μmの一定値とし、ゲート幅Wを20
μmとしたときに閾値電圧Vthd が−4Vとなる特性で
ある。この特性図から、低電圧用D−MOSトランジス
タの狭チャネル効果を調べた。ゲート幅Wが5μmより
狭くなると閾値電圧が急激に増加することがわかった。
したがって、低電圧ロジック部において、デプレッショ
ン型のD−MOSトランジスタのゲート幅Wの最小寸法
を5μmとした。
【0081】図12は、E−MOSトランジスタのチャ
ネル長Lと閾値電圧Vthe の関係を表わす線図である。
ゲート幅Wは20μmの一定値とし、ゲート長Lを20
μmとしたとき閾値電圧Vthe が1Vとなる特性であ
る。この特性図から、低電圧用E−MOSトランジスタ
の短チャネル効果を調べた。ゲート長Lが4μmよりも
短くなると閾値電圧が急激に減少することがわかった。
したがって、エンハンスメント型のE−MOSトランジ
スタのゲート長Lの最小寸法を4μmとした。
【0082】図13は、2段目の負荷D−MOSトラン
ジスタ55のゲート幅Wd の影響を調べる回路図であ
る。図中、図8と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。t=0の時点でゲートに電源電圧を印加し
て出力電圧VO の変化を調べた。 図14は、負荷D−
MOSトランジスタのゲート幅Wd をパラメータとした
ときの出力の立ち上がり特性を示す線図である。図13
に示した回路を用いて特性を求めた。これは、ソース駆
動の際の基板効果,狭チャネル効果による影響を表わす
ものであり、プリドライバ4の2段目ゲートに反映され
ている。そのため、出力端子には若干のゲート用負荷を
付けて関係を求めた。50ns以内でプリドライバ4の
出力電圧VO を8V程度にしなくてはならないので、2
段目ゲートの出力電圧は、50nsで10V以上である
ことが必要である。
【0083】図14から明らかなように、2段目ゲート
の負荷D−MOSトランジスタ55のゲート幅Wは、図
11を参照して説明した低電圧ロジック部のD−MOS
トランジスタの最小ゲート幅である5μmでは無理で、
この1.4倍の7μm以上が必要であることがわかる。
したがって、2段目ゲートにおいては、上述した理由に
より、負荷D−MOSトランジスタ55のゲート幅Wは
7μm以上である。レイアウト面積を考慮して、一例で
は最小の7μmを採用した。なお、プリドライバ4の初
段ゲート出力は、5V程度でも十分なことから、初段ゲ
ートの負荷D−MOSトランジスタ51のゲート幅Wは
5μmでもよい。
【0084】図15は、2段目の負荷D−MOSトラン
ジスタのゲート長Lの影響を調べる回路図である。図
中、図8と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略
する。2段目の負荷D−MOSトランジスタ55のゲー
ト長Lを変えて、2段目ゲートのスタンバイ電流Is
発熱素子2の通電電流Iheaterの立ち上がり時間,全体
消費電力を調べたものである。
【0085】図16は、2段目の負荷D−MOSトラン
ジスタのゲート長Lに対する、スタンバイ電流Is ,発
熱素子通電電流Iheaterの立ち上がり時間,全体消費電
力の特性を表わす線図である。図15に示した回路を用
いて特性を求めた。ここで、全体消費電力とは、128
個分のプリドライバ4のスタンバイ電流Is の消費電力
に、低電圧ロジック部の消費電力(13mA×5V=6
5mW)と、レギュレータ部の消費電力を含めたもので
ある。
【0086】発熱素子2の通電電流Iheaterの立ち上が
り時間(5%から95%になるまでの時間)は、200
ns以下であることが必要であり、100ns以下が許
容範囲とされている。100nsの遅延では、30ns
の遅延と比べて数%程度インク滴量が少ないといわれて
いる。
【0087】印字動作中、低消費電力モードにより基板
を冷却できたとしても、これは、一旦印字停止するわけ
であるから印字スピードが遅くなる。印字中は、45°
C程度以下に保たなくてはならない。全体消費電力が4
00mWであるときは、連続印字または印字スタンバイ
状態が数分〜十数分の範囲で30°C〜35°Cにな
る。10°Cの温度上昇で約10%インク滴量が増え
る。したがって、プリドライバ4の貫通電流は少ないほ
うがよい。しかし、図16の特性から明らかなように、
ゲート長Lを50μm以上長くしても、全体消費電力は
ほとんど減らない。上述した理由により、貫通電流と発
熱素子通電電流Iheaterの立ち上がり時間を考慮して、
負荷D−MOSトランジスタ55のゲート長Lを20〜
65μm、W/L=1/3〜1/8にする。一例では、
ゲート長さLを50μm,ゲート幅Wを7μmとした。
【0088】図17は、2段目ゲートの接続部分の拡散
層面積および拡散層側面長の影響を調べる回路図であ
る。図中、図8と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。2段目ゲートの負荷D−MOSトランジス
タ55と駆動E−MOSトランジスタ56との接続部分
の拡散層のレイアウト面積ASおよび側面長PSに対す
る、発熱素子通電電流Iheaterの立ち上がり時間の特性
を調べたものである。
【0089】図18は、2段目ゲートの接続部分の拡散
層面積ASおよび拡散層側面長PSに対する発熱素子通
電電流Iheaterの立ち上がり時間の特性を表わす線図で
ある。図17に示した回路を用いて特性を求めた。図
中、横軸のA〜Dの記号は、図17の隅に図示した拡散
層の面積および側面長の大きさを表わす記号である。
【0090】2段目ゲートの負荷D−MOSトランジス
タ55のW/Lを小さくすると、駆動E−MOSトラン
ジスタ56との接続部分のキャパシタンスの影響が大き
くなる。主なキャパシタンス成分は、接続部分の拡散層
の拡散層面積ASと拡散層側面長PSから生じる。記号
Aの大きさの拡散層の場合には、ほとんど最小面積レイ
アウトに近い。拡散層の面積が2倍になると、発熱素子
通電電流Iheaterの立ち上がり時間が約1.3倍遅延す
る。したがって、2段目ゲートの負荷D−MOSトラン
ジスタ55と駆動E−MOSトランジスタ56同士の接
続部分のレイアウト面積をできる限り小さくする。
【0091】上述した理由から、2段目ゲートの負荷D
−MOSトランジスタ55と駆動E−MOSトランジス
タ56の接続部分の拡散層面積(AS)を最小にする必
要があるため、駆動E−MOSトランジスタのゲート幅
Wも負荷D−MOSトランジスタのゲート幅Wと同様の
7μmとする。ゲート長さLは5〜20μmでは、あま
り発熱素子通電電流Iheaterの立ち上がり,立ち下がり
特性に影響を与えない。3段目ゲートのON/OFF時
の瞬間貫通電流を少なくするには、駆動E−MOSトラ
ンジスタのW/Lは小さい方がよいが、実際はD−MO
SのW/Lが小さいのでほとんど変わらない。一例では
ゲート幅Wは10μmとした。
【0092】図8に戻って、3段目ゲートについて説明
する。3段目ゲートは、貫通電流を防ぐために2個のE
−MOSトランジスタを直列接続したプッシュプル型の
EE−MOSトランジスタとした。ゲート長Lは4μm
で問題がないが、ドライバ3を十分に駆動するために
は、ゲート幅Wを20μm以上にすることが必要であ
る。ゲート幅Wがあまりに長すぎると、ゲートキャパシ
タンスが増え、速度が遅くなる。ゲート幅Wが20〜6
0μmならほとんど変わらない。一例では、3段目ゲー
トの上側のE−MOSトランジスタのゲート幅Wを38
μmとし、下側のE−MOSトランジスタのゲート幅W
を35μmとした。
【0093】プルダウントランジスタについて説明す
る。プリドライバ4の出力に接続するプルダウントラン
ジスタは、信頼性および安全上必要である。負荷D−M
OSトランジスタ59は、プルダウントランジスタであ
り、通電中にプリドライバ電源が急に落ちた場合や、プ
リドライバ電源のON,OFFがなまった場合でも、過
渡的にドライバ3が駆動されて発熱素子2に通電される
ことがないようにするために設けてある。実験による
と、ドライバ3の駆動中にプリドライバ電源を急に落と
すと約5μsで通電がストップした。実験で使用した発
熱素子2では、10kHz、1万回6μs連続通電で破
壊または特性変化のおそれがある。
【0094】負荷D−MOSトランジスタ59のW/L
の値が小さい方が発熱素子通電電流Iheaterの立ち上が
り時間に影響が少ないと考えられる。発熱素子通電電流
heaterの立ち上がり特性と、駆動中にプリドライバ電
源が落ちた際のドライバトランジスタのゲートキャパシ
タンス放電時間を考慮して、W/L=1/4〜1/8が
適当である。一例では、ゲート幅Wを5μm,ゲート長
Lを40μmとした。ゲート幅Wを5μmとしたとき、
ゲート長Lが20μmであっても40μmであってもほ
とんど差異がなかった。一例における実測値として、発
熱素子通電電流Iheaterの立ち上がり時間は約70n
s、立ち下がり時間は約25nsであり、スタンバイ時
のプリドライバ4の一つ当たりの貫通電流は約24μ
A、全体消費電力は約220mWであった。
【0095】図8に示した初段ゲートはプリドライバ4
の入力部であり、3入力にしている。図1を参照して説
明した回路では、データ保持回路としての4bitデー
タユニット6の出力、ブロック分割駆動回路としての4
bitリングカウンタ,8bitリングカウンタ8の計
3出力を入力する必要がある。また、データ保持回路出
力、ブロック分割駆動出力、印字イネーブル信号の計3
出力を入力する場合もある。レイアウト面積を稼ぐよう
にしたプリドライバ入力部の配線レイアウトを次に説明
する。
【0096】図19は、プリドライバ入力部の配線レイ
アウトの第1の例を示す平面図である。図中、61はM
VDD線、62は駆動回路出力線、63はGND線、6
4,65は拡散層、66〜71はポリシリコン層であ
る。図1に示した回路について説明する。発熱素子N
o.5,6に対応したプリドライバ4の入力部のレイア
ウトを部分的に拡大して示す。図中、アルミニウムパタ
ーン(Al)部分、ポリシリコン(Poly)部分、拡
散層(SDG)部分、コンタクト(Contact)部
分を異なるハッチングパターンで表わしている。このレ
イアウトは、図8に示したプリドライバの回路図では、
初段ゲートに対応する。
【0097】プリドライバ4への電源電圧供給線である
MVDD線61、4bitリングカウンタ7の出力RE
1〜RE4からの4本の駆動回路出力線62、4bit
データユニット6の出力D1〜D4からの4本の駆動回
路出力線62、GND線63がアルミニウムパターンと
して図示横方向に走り、その下層に、絶縁層を介してN
o.5,6のプリドライバ入力部における初段ゲートの
駆動E−MOSトランジスタ52〜54の拡散層64,
65が縦断している。
【0098】拡散層64,65の間の縦の領域には、M
VDD線61から4bitリングカウンタ7の出力RE
4の駆動回路出力線62まで2列のポリシリコン層6
6,67が線状に形成され、それぞれ、MVDD線61
と4bitリングカウンタ7の出力RE1の駆動回路出
力線62の間の領域において、左または右にT字状に分
岐して拡散層64,65を覆い、駆動E−MOSトラン
ジスタ52を形成する。ポリシリコン層66,67は、
駆動E−MOSトランジスタ52のゲート電極であり、
NAND回路5の第1番目のゲートとなる。
【0099】4bitリングカウンタ7の出力端子RE
2からの駆動回路出力線62は、ポリシリコン層66と
コンタクトして接続され、また、ポリシリコン層67と
もコンタクトして接続される。その結果、図1に示した
回路図通り、4bitリングカウンタ7の出力端子RE
2からの出力線がNo.5、6のNAND回路5の第1
の入力となる。
【0100】線状の2列のポリシリコン層66,67の
図示下方向には、8bitリングカウンタ8の出力端子
B1からの駆動回路出力線62から、同じく出力端子B
2からの駆動回路出力線62まで2列のポリシリコン層
68,69が形成され、それぞれ、これらの駆動回路出
力線62の間の領域において、T字状に分岐して拡散層
64,65を覆い、駆動E−MOSトランジスタ53を
形成する。ポリシリコン層68,69は、駆動E−MO
Sトランジスタ53のゲート電極であり、NAND回路
5の第2番目のゲートとなる。8bitリングカウンタ
8の出力端子B1からの駆動回路出力線62は、ポリシ
リコン層68,69とコンタクトして接続される。その
結果、図1に示した回路図通り、8bitリングカウン
タ8の出力端子B1からの出力線がNo.5、6のNA
ND回路5の第2の入力となる。
【0101】さらに、ポリシリコン層68,69の図示
下方向には、4bitデータユニット6の出力端子D1
からの出力線62から、同じく出力端子D4まで2列の
ポリシリコン層70,71が形成され、それぞれ、4b
itデータユニット6の出力端子D1からの出力線62
と同じく出力端子D2からの出力線62間の領域におい
て、T字状に分岐して拡散層64,65を覆い、駆動E
−MOSトランジスタ54を形成する。ポリシリコン層
70,71は、駆動E−MOSトランジスタ54のゲー
ト電極であり、NAND回路5の第3番目のゲートとな
る。4bitデータユニット6の出力端子D4からの出
力線62は、ポリシリコン層70とコンタクトして接続
され、同じく出力端子D3からの出力線62は、ポリシ
リコン層71とコンタクトして接続される。その結果、
図1に示した回路図通り、4bitデータユニット6の
出力端子D4からの出力線がNo.5のNAND回路5
の第3の入力となり、出力端子D3からの出力線がN
o.6のNAND回路5の第3の入力となる。
【0102】GND線63は、拡散層64,65とコン
タクトすることによって、E−MOSトランジスタ54
の一番下のソース電極となる。図示を省略した上方にお
いて、拡散層64,65の上層に図8に示したNチャネ
ルD−MOSトランジスタ51が位置する。E−MOS
トランジスタ52〜54を、MVDD線61や複数本の
駆動回路出力線62の間の領域に作っているため、トラ
ンジスタのレイアウト面積を削減することができる。
【0103】拡散層キャパシタンスの充放電の影響上、
印字駆動パルスの幅を規定する信号を入力するゲート電
極は、なるべくGND線から離した方がスイッチング速
度が上がる。図1に示した回路構成では、4bitリン
グカウンタ7内において、ENABLE信号とのAND
をとっているため、4bitリングカウンタ7の出力端
子RE1〜RE4からの出力が駆動パルスの幅を規定す
る。したがって、4bitリングカウンタ7の出力端子
RE1〜RE4からの駆動回路出力線62をGND線か
ら離し、図8の回路においては、E−MOSトランジス
タ52のゲート電極に接続されるように配置している。
【0104】1bitの印字幅は、600dpiに対応
させるため、42μm以下にする。そのため、拡散層6
4,65の幅を23μmとする。この拡散層64,65
の幅は、駆動E−MOSトランジスタ52〜54のゲー
ト幅Wに相当する。また、ゲート長Lは、図12を参照
して説明したE−MOSトランジスタの最小寸法である
4μmとした。レイアウト面積を大きくとることができ
れば、ゲート幅Wをもっと大きくしてもよい。
【0105】初段入力ゲートのβrは3.5以上が好ま
しい。一例では、駆動E−MOSトランジスタ52〜5
4のW/Lが23/4、負荷D−MOSトランジスタ5
1のW/Lが5/10であるから、(23/4)×(1
/3)÷(5/10)=3.8である。このとき、初段
ゲートの出力Volは、400mVになる。もし、初段
ゲートの負荷D−MOSトランジスタのW/Lを10/
10とするなら、初段ゲートの出力Volは、650m
Vとなり、駆動E−MOSトランジスタ52〜54をO
FFにする電圧としてはマージンが少なすぎる。
【0106】また、初段ゲートは、低電圧論理機能素子
部の出力が全部’L’でアクティブになるNORゲート
より、全部’H’でアクティブになるNANDゲートを
使用した方が、低電圧電源が遮断された時に全発熱素子
2が必ずOFFになるので安全である。
【0107】図20は、プリドライバ入力部の配線レイ
アウトの第2の例を示す平面図である。図中、図19と
同様な部分には同じ符号を用いて説明を省略する。72
〜74はポリシリコン層である。図19と同様に、図1
に示した回路について説明する。このレイアウトは、図
1に示したNAND回路5の入力部に対応し、図8に示
したプリドライバの回路では、駆動E−MOSトランジ
スタ52〜54の入力線に対応する。
【0108】4bitリングカウンタ7の出力RE1〜
RE4からの4本の駆動回路出力線62と、8bitリ
ングカウンタ8の出力B1〜B2からの2本の駆動回路
出力線62と、4bitデータユニット6の出力端子D
1〜D4からの4本の駆動回路出力線62とがアルミニ
ウムパターンとして図示横方向に走り、その下層に、絶
縁層を介してNo.5のNAND回路5の第1〜第3の
線状のポリシリコン層72〜74が第1〜第3の入力線
として縦断する。ただし、第1のポリシリコン層72は
4bitリングカウンタ7の出力端子RE4からの駆動
回路出力線62までしか延びないが、第2のポリシリコ
ン層73は8bitリングカウンタ8の出力端子B2か
らの駆動回路出力線62まで延び、第3のポリシリコン
層74は4bitデータユニット6の出力端子D4から
の駆動回路出力線62まで延びている。他の順序番号の
NAND回路5の3本のポリシリコン層についても同様
な状態で縦断している。
【0109】4bitリングカウンタ7の出力端子RE
2からの駆動回路出力線62は、No.5,6のNAN
D回路5の第1のポリシリコン層72とコンタクトされ
て接続される。8bitリングカウンタ8の出力端子B
1からの駆動回路出力線62は、No.5,6のNAN
D回路5の第2のポリシリコン層73とコンタクトされ
て接続される。4bitデータユニット6の出力端子D
4からの駆動回路出力線62は、No.5のNAND回
路5の第3のポリシリコン層74とコンタクトされて接
続され、同じく出力端子D3からの駆動回路出力線62
は、No.6のNAND回路5の第3のポリシリコン層
74とコンタクトされて接続される。図示を省略した上
方において、図8に示した駆動E−MOSトランジスタ
52〜54が形成され、3本のポリシリコン層72〜7
4は、それらの3入力ゲートとなる。その結果、図1に
示した回路図通り、4bitリングカウンタ7の出力端
子RE2からの出力が、No.5,6のNAND回路5
の第1の入力となり、8bitリングカウンタ8の出力
端子B1からの出力が、No.5,6のNAND回路5
の第2の入力となり、4bitデータユニット6の出力
端子D4からの出力が、No.5のNAND回路5の第
3の入力となり、同じく、出力端子D3からの出力が、
No.6のNAND回路5の第3の入力となる。
【0110】図19,図20に示したいずれの例におい
ても、NAND回路5の第1,第2の入力ゲートが、そ
れぞれの入力ゲートが受け持つ全てのブロック駆動信号
線62と交差してレイアウトされているため、線状のア
ルミニウム層と線状のポリシリコン層のコンタクト位置
の変更だけで、プリドライバ4の入力部へ接続すべき出
力線を変更することができる。したがって、コンタクト
位置を変更するだけで、15個飛び印字や離散ブロック
印字など、印字順序変更に関して幅広くフレキシブルに
対応することが可能である。その際、NAND回路5の
第3の入力ゲートが4bitデータユニット6の全ての
出力線と交差してレイアウトされており、このコンタク
ト位置も変更する。
【0111】図21は、プリドライバの回路構成におけ
る各トランジスタのW/Lの制約を示す説明図である。
図中、図8と同様な部分には同じ符号を付して説明を省
略する。一例として設計したプリドライバ4の構成の各
MOSトランジスタにおけるW/Lの制約を説明する。
図中、回路記号の横に付した数値は、ゲート幅W(μ
m)をゲート長L(μm)で割った値(W/L)の設定
範囲を示している。W/Lの設定範囲は、負荷D−MO
Sトランジスタ51が0.25〜1、駆動E−MOSト
ランジスタ52〜54が5〜10、負荷D−MOSトラ
ンジスタ55が0.12〜0.3、駆動E−MOSトラ
ンジスタ56が0.35〜1.4、駆動E−MOSトラ
ンジスタ57が5〜10、駆動E−MOSトランジスタ
58が5〜10、負荷D−MOSトランジスタ59が
0.12〜0.25である。
【0112】上述した制約内であれば特性がほぼ同じで
あり、必要に応じて最適化すればよい。このW/Lの設
定範囲は、最小ゲート長や最小ゲート幅が変更されたプ
ロセスにおいても適用することができる。
【0113】上述した説明では、一例として、300d
pi用プリドライバ構成に関して記述した。600dp
i用発熱素子の場合、発熱素子2の抵抗値は白黒用で2
50〜350Ω、カラー用で300〜400Ω程度であ
り、ドライバ3のW/Lは300以上が必要である。ゲ
ート幅Wを1600μm,ゲート長Lを4μmとしてド
ライバ3の素子を構成し、上述した説明と同じ構成のプ
リドライバ4で600dpi用発熱素子を駆動したとこ
ろ、発熱素子通電電流Iheaterの立ち上がり時間/立ち
下がり時間ともにほとんど同じ特性が得られた。従っ
て、600dpiにもそのまま適用可能である。一例に
よるプリドライバの設計手法に基づけば、異なる発熱素
子2、例えば、さらに高解像度化された発熱素子2を駆
動するためのプリドライバ4も容易に設計できる。
【0114】プリドライバ4に供給する電源電圧を外部
から供給するとコストアップを招くので、レギュレータ
を同一基板内部で構成し、プリドライバ電源とする。以
下、レギュレータの構成に関して説明する。
【0115】図22は、レギュレータの一例を示す回路
構成図である。図中、1は図1に示した発熱素子2の共
通電極であるHVDD、81はE−MOSトランジス
タ、82は第1の抵抗体、83は第2の抵抗体、84は
E−MOSトランジスタである。NチャネルのE−MO
Sトランジスタ81は、ソースホロワ回路であり、HV
DD1からの高圧の発熱素子駆動用の電源電圧を、第1
の抵抗体82と第2の抵抗体83の分圧比に応じた電圧
をMVDD線を通してプリドライバ4へ供給する。E−
MOSトランジスタ84は、MVOFF信号を入力して
ONとなり、第2の抵抗体83を短絡して、E−MOS
トランジスタ81を遮断させてプリドライバ4への電源
供給を停止させる。また、回路記号の横に付した数値
は、W(μm)/L(μm)の値を示している。
【0116】E−MOSトランジスタ81、84は、高
耐圧NチャネルMOSトランジスタを使用している。な
お、低電圧論理素子部のトランジスタは全て通常のNチ
ャネルMOSを使用している。高耐圧N−MOSトラン
ジスタには、ドレイン領域にオフセット領域としてシー
ト抵抗が5kΩ程度のn- 領域が3μm程度の長さで入
っている。発熱素子の共通電極の印字動作電圧が34〜
40Vであり、ソースホロワMOSトランジスタが飽和
領域で動作することから、第1,第2の抵抗体82,8
3は、n+ をドープした発熱素子2と同一の工程で作ら
れ、シート抵抗が40〜60Ω程度のポリシリコン層か
らなる。第1の抵抗体82のW/Lは5/4800で抵
抗値が36〜48kΩ、第2の抵抗体83のW/Lは5
/3200で抵抗値が24〜36kΩである。したがっ
て、第1の抵抗体と第2の抵抗体との抵抗比は、1.
5:1である。第1,第2の抵抗体を拡散層を用いて作
ると、配線面積が大きくなりサブストレートへのリーク
の原因にもなるため、ポリシリコン層の方がよい。一例
では、第1,第2の抵抗体82,83とも同一成分で構
成したが、第2の抵抗体83の代わりに、MOSトラン
ジスタを用いてもよい。
【0117】E−MOSトランジスタ81のW/Lを3
000/4=1500位に大きくし、ソースホロワ用の
ドライバトランジスタの動作点を飽和領域にすると、共
通電極であるHVDD1の配線抵抗の影響を受けず、全
発熱素子2に同一の電流を流すことができる。この場
合、E−MOSトランジスタ81のドライバビィリティ
が大きく影響するため、第2の抵抗体83をMOSトラ
ンジスタで構成すると効果的である。すなわち、ドライ
バビィリティが大きくなれば、ゲート電圧MVGも低く
なる。その結果、E−MOSトランジスタ81のドライ
バビィリティを小さくするように作用する。
【0118】インクジェット記録ヘッドにおいて、消費
電力が多いと発熱によりインクの粘度が低下し、噴射滴
量が多くなり印字画像劣化を引き起こす。したがって、
消費電流が少ない方が好ましい。一例では、NRST
(リセット)端子が’L’のときに、待機モードとして
プリドライバ4に電源を供給しないようにしている。発
熱素子の共通電極の印字動作電圧は、34〜40Vであ
る。HVDD1の電圧が40V、全発熱素子2がOFF
のとき、プリドライバ4の消費電流は約3mAであり、
レギュレータ9内の抵抗体に約1mA流れる。したがっ
て、全発熱素子2がOFFの時、プリドライバ4に電圧
を供給すると合計4mAとなる。待機モードの消費電流
は、レギュレータ9内の分割抵抗のシート抵抗を50Ω
として、約1.6mAであり、プリドライバ4に電圧を
供給している時の約40%である。
【0119】プリドライバ4への電圧供給時であって全
発熱素子2がOFFのとき、プリドライバへの供給電圧
が13Vであり、プリドライバ4の消費電力は、13V
×4mA=52mWである。レギュレータ9には、E−
MOSトランジスタ81と第1,第2の抵抗体82,8
3に流れる電流パスがある。レギュレータ9の内部消費
電力は、(27V×3mA)+(40V×1mA)=1
21mWであり、待機モードでも、内部消費電力は、
(40V×1.6mA)=64mWであり、かなり大き
い。そこで、レギュレータ9の発熱を分散させるため
に、発熱素子搭載基板(チップ)内において、レギュレ
ータ9を設ける場所を工夫する必要がある。
【0120】図23は、本発明のインクジェット記録装
置の実施の一形態における全体構成の概略のレイアウト
を示す平面図である。図中、91は発熱素子部、92は
ドライバ部、93はレギュレータ部、94はプリドライ
バ部、95はロジック出力部、96はパッド部、97は
HVDDのパッド、98はHVSSのパッド、99はV
DDのパッド、100はVSSのパッド、101はNR
ST端子のパッド、102はENABLE端子のパッ
ド、103はDTDIRのパッド、104はDCLKの
パッド、105はMVDDのパッド、106はMVCU
Tのパッド、107は8bitリングカウンタ部、10
8は4bitリングカウンタ部、109は4bitデー
タユニット部である。
【0121】このレイアウトは、図1に示した本発明の
インクジェット記録装置の実施の一形態において発熱素
子搭載基板に設けられた回路の一例のレイアウトであ
る。この発熱素子搭載基板は、Si基板上に、128個
のサーマルインクジェット印字用の発熱素子2、各発熱
素子2に電流を流し発熱させるドライバ3、ドライバ3
を制御する駆動回路およびパッドを集積化したものであ
り、4μmプロセスで構成され一層Al配線であり、一
例として、全てのトランジスタがNチャネルMOSトラ
ンジスタで構成される。発熱素子搭載基板の大きさを例
示すると、発熱素子搭載基板は、長手方向11.6m
m、上下方向2.34mmである。
【0122】図示の状態で発熱素子部91がある左側を
上方向と呼び、図示の状態で上下方向を長手方向と呼ぶ
ことにすると、発熱素子搭載基板は、長手方向に沿った
矩形面を有し、長手方向に沿って発熱素子部91が配列
され、その下に隣接してドライバ部92が配列される。
発熱素子部91は、解像度300dots/25.4m
mの128個の発熱素子2を持ち、各発熱素子2は、シ
ート抵抗40〜60Ω程度のポリシリコン層からなる。
【0123】レギュレータ9の発熱を分散させるため
に、発熱素子搭載基板の長手方向両端部に沿って、上下
方向に長いレギュレータ部93を各1個ずつ配置し、プ
リドライバ4に対し両脇から電圧を供給する。また、レ
ギュレータ9を一か所に設置するよりも、複数の発熱素
子2に対応して配置された複数個のプリドライバ4の位
置に依存する配線抵抗の影響が小さく、レギュレータ9
からプリドライバ4に供給されるまでの電源電圧降下を
少なくできる。また、インク流路を形成するためのチャ
ネルチップを接着するためと、インクタンク装着のため
に、発熱素子群の両側に数十〜百数十μm程度の領域が
必要である。この空き領域を有効に使用するためにも、
レギュレータ9をチップ両端にレイアウトすることは効
果的である。
【0124】なお、レギュレータ9の配置が、発熱素子
共通電源の低電位側のHVSSのパッド98からのアル
ミニウム配線の外側になるため、プリドライバ4への電
源供給線HVSSの配線に拡散層を使用し、HVSSの
パッド98からのアルミニウム配線の下をまたいでプリ
ドライバ部94に電源電圧を供給している。
【0125】また、レギュレータ9の出力電圧をモニタ
ーするためにMVDDのパッド105を設けた。これに
より、電気的特性の試験時に、レギュレータ9の出力電
圧、すなわち、プリドライバ4の電源電圧を測定可能な
ようにした。この出力電圧は、図22に示したレギュレ
ータ9のE−MOSトランジスタ81のW/Lがレギュ
レータ2個の分を合わせて計750×2=1500と大
きいため、HVDD1とE−MOSトランジスタ81の
ゲート電圧MVG、閾値電圧Vthで決まる。ゲート電圧
MVGは、分割抵抗成分が同一なので、HVDDの電圧
が40Vのとき16Vを出力する。したがって、レギュ
レータ9の出力電圧レベルでN−MOSトランジスタの
閾値電圧Vthを検出することができ、これによりソース
ホロワ用のドライバトランジスタのドライバビリティも
ほぼわかる。
【0126】試験時に発熱素子2をONにしたときのH
VDD−GND間の電流と、レギュレータ9の出力電圧
により、発熱素子2に正常な通電電流および電力が供給
されているかを検出することができる。
【0127】また、MVCUTのパッド106(プルダ
ウン抵抗付き)を’H’にすることにより、レギュレー
タ9への電源供給を遮断することができる。このとき、
外部からモニター用のMVDDのパッド105等を介し
てプリドライバ4に電源電圧を印加することにより、プ
リドライバ4の内部回路のMOSトランジスタの耐圧特
性,発熱素子通電電流Iheaterの変位特性など、さまざ
まな特性を評価することができる。 試験的に外部から
プリドライバ4の電源電圧を印加して実際に印字動作を
行なってみることもできる。発熱素子2の抵抗値,発熱
素子2の構造,ドライバ2のトランジスタ構成,ノズル
形状,インク選定などの開発を行なう段階でも極めて有
効である。
【0128】ドライバ部92の下には、プリドライバ部
94とロジック出力部95が長手方向に2列になって配
置され、発熱素子搭載基板の下方向端部に沿ってパッド
部96が設けられている。ロジック出力部95には、交
差配線部が配置され、プリドライバ4の入力線と低電圧
ロジック部の出力線とのコンタクト位置を定める。4b
itデータユニット6,4bitリングカウンタ7,8
bitリングカウンタ8などの低電圧論理素子部は、主
としてパッド部96の4bitデータユニット部10
9,4bitリングカウンタ部108,8bitリング
カウンタ部107に配置される。
【0129】パッド部96には、さらに、複数のパッド
を有し、HVDDのパッド97およびHVSSのパッド
98は、発熱素子2とドライバ3との直列接続されたも
のとレギュレータ9のために高圧電源電圧の供給を受け
る端子であり、左右に一対設けられている。VDDのパ
ッド99およびVSSのパッド100は、低電圧ロジッ
ク部のための低圧電源電圧の供給を受ける端子である。
VSSのパッド100も左右に設けられている。NRS
T端子のパッド101、ENABLE端子のパッド10
2、DTDIR端子のパッド103、DCLK端子のパ
ッド104は、それぞれ、リセット用のNRST信号、
ENABLE信号、データ方向選択用のDTDIR信
号、DCLK信号を入力する端子である。
【0130】4bitデータユニット6,4bitリン
グカウンタ7は、パッド部96に組み込むとスペース利
用効率がよい。8bitリングカウンタ8では、回路規
模が大きいが、例えば、図7に示したように、その3b
itバイナリーカウンタ部49をパッド部96内の8b
itリングカウンタ部107にレイアウトし、そのバイ
ナリデコード部47を、ロジック出力部95内に、駆動
する8つのブロックに隣接させて配置することも可能で
ある。
【0131】図示した全体概略レイアウトは、図1を参
照して説明した回路以外についても適用することができ
る。ノズル数、各部の設計寸法は異なるものの全体のレ
イアウトとしては、ほぼ同様にすることができる。低電
圧論理素子部の回路規模がそれほど大きくない場合に
は、低電圧論理素子部もN−MOSトランジスタだけで
構成することが可能である。回路規模が大きくなり、N
−MOSトランジスタによる消費電力が大きく影響する
ような場合には、低電圧論理素子部をC−MOSで構成
した方がよい場合もある。また、上述した説明では、3
00dpi用に関して説明したが、もちろん600dp
i用など、さらに高密度化しても、上述した本発明の技
術思想を適用することが可能である。
【0132】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、駆動回
路が、低電圧ロジック部と低電圧ロジック部の出力を入
力してドライバを駆動するに必要な高電圧を出力するプ
リドライバ部を有し、ドライバおよびプリドライバ部の
トランジスタは、NチャネルMOSトランジスタである
ことから、製造コストが安く信頼性にも優れたNチャネ
ルMOSトランジスタを用いて発熱素子と同一基板上に
十分な駆動回路を形成することができるという効果があ
る。その結果、コストが安く印字品質の良いインクジェ
ット記録ヘッドを提供することができる。
【0133】請求項2に記載の発明によれば、駆動回路
が、複数の発熱素子を異なる複数のブロックに分割しブ
ロックごとに時分割して駆動するブロック分割駆動回路
と、印字データを保持するデータ保持回路を有し、プリ
ドライバ部が、ブロック分割駆動回路の出力とデータ保
持回路の出力を合成することから、複数の発熱素子をブ
ロック分割駆動することができるとともに、ブロック分
割駆動回路とデータ保持回路とが独立して構成されてい
るため、ブロック分割駆動方法、ブロック駆動方法、同
時印字数等の変更に対して容易に回路を設計変更するこ
とができるという効果がある。
【0134】請求項3に記載の発明によれば、プリドラ
イバ部は複数段のゲート回路によって構成され、初段の
ゲート回路が、低電圧ロジック部の出力が正論理で入力
されるNAND回路により構成されることから、入力が
1つでもローレベルであればアクティブにならないた
め、低電圧ロジック部の供給電源が落ちたときに、初段
のゲート回路の論理条件が成立しないから発熱素子が誤
って駆動されるおそれがなく安全であるという効果があ
る。
【0135】請求項4に記載の発明によれば、プリドラ
イバ部はNチャネルMOSトランジスタによる3段のゲ
ート回路によって構成され、2段目のゲートがED−M
OS構成であり、3段目のゲートがEE−MOSのプッ
シュプル構成であることから、少ない貫通電流でも立ち
上がり時間を速くすることができるという効果がある。
通常は2段目ゲートにしか貫通電流が流れない。
【0136】請求項5に記載の発明によれば、プリドラ
イバ部の出力にプルダウン素子が接続されることから、
プリドライバ部の電源が通電中に落ちた場合や電源のオ
ンオフがなまった場合などにおいて、発熱素子を通電さ
せないようにする効果がある。例えば、出力段にEE−
MOSプッシュプル構成のゲートを用いた場合には、電
荷の抜け道がなくなるので、特に効果が大きい。プルダ
ウン素子としては、例えば、小さなD−MOSプルダウ
ントランジスタやプルダウン抵抗を用いることができ
る。
【0137】請求項6に記載の発明によれば、プリドラ
イバ部を構成するNチャネルMOSトランジスタのう
ち、発熱素子に流れる電流の立ち上がり時間に関係する
NチャネルMOSトランジスタのゲート幅は、低電圧ロ
ジック部のNチャネルMOSトランジスタの最小ゲート
幅の1.4倍以上であることから、発熱素子に流れる電
流の立ち上がり時間を短くできるという効果がある。そ
の結果、インク噴射滴が小さくなるなどの問題を少なく
することができる。
【0138】請求項7に記載の発明によれば、ドライバ
を構成するトランジスタが非飽和領域で動作することか
ら、ドライバのオン抵抗が小さくなり、発熱素子への通
電電流値が安定するという効果がある。その結果、安定
したインク噴射滴量を得ることができる。
【0139】請求項8に記載の発明によれば、基板上に
レギュレータ部が形成され、レギュレータ部が、発熱素
子の共通電極からプリドライバ部に電源電圧を供給する
ことから、ドライバを駆動するに必要な高電圧を簡単に
効率よく得ることができるという効果がある。
【0140】請求項9に記載の発明によれば、レギュレ
ータ部が、発熱素子の配列方向の両端部に配置されるこ
とから、インク流路用チャネルチップ接着領域のための
空き領域を有効利用できるとともに、レギュレータ回路
での発熱を分散することができ、特に、両端部に配置さ
れることから、プリドライバーの位置に依存する配線抵
抗の影響によるプリドライバ電源電圧の降下も少なくす
ることができる。
【0141】請求項10に記載の発明によれば、レギュ
レータ部はソースホロワとして用いられるMOSトラン
ジスタを有し、該MOSトランジスタのゲートは前記発
熱素子の共通電極と第1の抵抗体を介して接続されると
ともに第2の抵抗体を介して接地され、発熱素子と第
1,第2の抵抗体はN+をドープしたポリシリコン層で
あることから、特別なプロセスを用いることなく、第
1,第2の抵抗体を発熱素子と同一の工程で容易に製造
することが可能となるという効果がある。また、第1,
第2の抵抗体を拡散層を用いて作成した場合よりも配線
面積を小さくすることができるという効果もある。
【0142】請求項11に記載の発明によれば、レギュ
レータ部は、第1および第2のMOSトランジスタを有
し、第1のMOSトランジスタは、ソースホロワで用い
られゲート電極が前記発熱素子の共通電極に第1の抵抗
体を介して接続されるとともに、第2のMOSトランジ
スタのドレイン、ソースを介して接地され、第2のMO
Sトランジスタのゲートは、制御信号入力端子に接続さ
れレギュレータ部からプリドライバ部への電源電圧の供
給および遮断を制御することから、電源供給のON/O
FFを駆動回路制御と無関係な入力信号により切り替え
ることができるという効果がある。例えば、スタンバイ
状態を設けて消費電力を小さくすることができるという
効果がある。また、レギュレータ部からプリドライバ部
への電源電圧の供給を遮断した状態で、外部から検査用
のプリドライブ電源電圧を供給して、プリドライバ部の
トランジスタの耐圧特性等の試験をすることも可能とな
る。
【0143】請求項12に記載の発明においては、基板
上に、プリドライバ部の電源電圧供給路に接続されたモ
ニタ端子を有することから、プリドライバ部の電源電圧
を測定することにより、さまざまな特性評価を行なうこ
とができるという効果がある。
【0144】請求項13に記載の発明においては、レギ
ュレータ回路からプリドライバ部への電源電圧の供給を
遮断し、外部から直接にプリドライバ部に電源電圧を供
給して動作を試験することから、プリドライバ部のトラ
ンジスタの耐圧特性等の試験や実際にテスト印字をさせ
ることができるという効果がある。
【0145】さらに、電源供給のON/OFFを駆動回
路制御と無関係な入力信号により切り替えできる構成で
あり、出力電圧をモニターする為のパッドを設置する事
で、さまざまな特性評価を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の
一形態において発熱素子が搭載された基板に設けられた
回路の一例を示す構成図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の
一形態における動作の一例を説明するための信号シーケ
ンス図である。
【図3】 4bitデータユニットの一例を示す回路図
である。
【図4】 非同期型のバイナリカウンタの一例を示す回
路図である。
【図5】 図4に示した非同期型のバイナリカウンタの
動作例を示すタイミングチャートである。
【図6】 図4に示した非同期型のバイナリカウンタを
用いた4bitリングカウンタおよび8bitリングカ
ウンタの一例を示す構成図である。
【図7】 図1における8bitリングカウンタの配線
構造の一例の説明図である。
【図8】 プリドライバの一例を示す回路図である。
【図9】 ドライバトランジスタの動作点を調べる回路
図である。
【図10】 ドライバトランジスタの動作特性を表わす
線図である。
【図11】 D−MOSトランジスタのゲート幅Wと閾
値電圧Vthの関係を表わす説明図である。
【図12】 E−MOSトランジスタのチャネル長Lと
閾値電圧Vthの関係を表わす線図である。
【図13】 2段目の負荷D−MOSトランジスタ55
のゲート幅Wd の影響を調べる回路図である。
【図14】 負荷D−MOSトランジスタのゲート幅W
d をパラメータとしたときの出力の立ち上がり特性を示
す線図である。
【図15】 2段目の負荷D−MOSトランジスタのゲ
ート長Lの影響を調べる回路図である。
【図16】 2段目の負荷D−MOSトランジスタのゲ
ート長Lに対する、スタンバイ電流Is ,発熱素子通電
電流Iheaterの立ち上がり時間,全体消費電力の特性を
表わす線図である。
【図17】 2段目ゲートの接続部分の拡散層面積およ
び拡散層側面長の影響を調べる回路図である。
【図18】 2段目ゲートの接続部分の拡散層面積AS
および拡散層側面長PSに対する発熱素子通電電流I
heaterの立ち上がり時間の特性を表わす線図である。
【図19】 プリドライバ入力部の配線レイアウトの第
1の例を示す平面図である。
【図20】 プリドライバ入力部の配線レイアウトの第
2の例を示す平面図である。
【図21】 プリドライバの回路構成における各トラン
ジスタのW/Lの制約を示す説明図である。
【図22】 レギュレータの一例を示す回路構成図であ
る。
【図23】 本発明のインクジェット記録装置の実施の
一形態における全体構成の概略のレイアウトを示す平面
図である。
【符号の説明】
1…HVDD、2…発熱素子、3…ドライバ、4…プリ
ドライバ、6…4bitデータユニット、7…4bit
リングカウンタ、8…8bitリングカウンタ、9…レ
ギュレータ、51,55,59…負荷D−MOSトラン
ジスタ、52〜54,56〜58…駆動E−MOSトラ
ンジスタ、61…MVDD線、62…駆動回路出力線、
63…GND線、64,65…拡散層、66〜74…ポ
リシリコン層、81,84…E−MOSトランジスタ、
91…発熱素子部、92…ドライバ部、93…レギュレ
ータ部、94…プリドライバ部、95…ロジック出力
部、96…パッド部、107…8bitリングカウンタ
部、108…4bitリングカウンタ部、109…4b
itデータユニット部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三原 顕 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 近藤 義尚 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクに熱エネルギーを印加する複数の
    発熱素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、該ドラ
    イバを画像データに応じて制御する駆動回路を同一基板
    上に形成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
    駆動回路は、低電圧ロジック部と該低電圧ロジック部の
    出力を入力して前記ドライバを駆動するに必要な高電圧
    を出力するプリドライバ部を有し、前記ドライバおよび
    前記プリドライバ部のトランジスタは、NチャネルMO
    Sトランジスタであることを特徴とするインクジェット
    記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記駆動回路は、前記複数の発熱素子を
    異なる複数のブロックに分割し該ブロックごとに時分割
    して駆動するブロック分割駆動回路と、印字データを保
    持するデータ保持回路を有し、前記プリドライバ部は、
    前記ブロック分割駆動回路の出力と前記データ保持回路
    の出力を合成することを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記プリドライバ部は複数段のゲート回
    路によって構成され、初段のゲート回路は、前記低電圧
    ロジック部の出力が正論理で入力されるNAND回路に
    より構成されることを特徴とする請求項1または2に記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記プリドライバ部はNチャネルMOS
    トランジスタによる3段のゲート回路によって構成さ
    れ、2段目のゲートはED−MOS構成であり、3段目
    のゲートは、EE−MOSのプッシュプル構成であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記プリドライバ部の出力にプルダウン
    素子が接続されることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記プリドライバ部を構成するNチャネ
    ルMOSトランジスタのうち、前記発熱素子に流れる電
    流の立ち上がり時間に関係するNチャネルMOSトラン
    ジスタのゲート幅は、前記低電圧ロジック部のNチャネ
    ルMOSトランジスタの最小ゲート幅の1.4倍以上で
    あることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ドライバを構成するトランジスタ
    は、非飽和領域で動作することを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 前記基板上にレギュレータ部が形成さ
    れ、該レギュレータ部は、前記発熱素子の共通電極から
    前記プリドライバ部に電源電圧を供給することを特徴と
    する請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記レギュレータ部は、前記発熱素子の
    配列方向の両端部に配置されることを特徴とする請求項
    8に記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記レギュレータ部はソースホロワと
    して用いられるMOSトランジスタを有し、該MOSト
    ランジスタのゲートは前記発熱素子の共通電極と第1の
    抵抗体を介して接続されるとともに第2の抵抗体を介し
    て接地され、前記発熱素子と第1,第2の抵抗体はN+
    をドープしたポリシリコン層であることを特徴とする請
    求項8または9に記載のインクジェット記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記レギュレータ部は、第1および第
    2のMOSトランジスタを有し、第1のMOSトランジ
    スタは、ソースホロワで用いられゲート電極が前記発熱
    素子の共通電極に第1の抵抗体を介して接続されるとと
    もに、第2のMOSトランジスタのドレイン、ソースを
    介して接地され、第2のMOSトランジスタのゲート
    は、制御信号入力端子に接続され前記レギュレータ部か
    ら前記プリドライバ部への電源電圧の供給および遮断を
    制御することを特徴とする請求項8ないし10のいずれ
    か1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記基板上に、前記プリドライバ部の
    電源電圧供給路に接続されたモニタ端子を有することを
    特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 インクに熱エネルギーを印加する複数
    の発熱素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、低電
    圧ロジック部と、該低電圧ロジック部の出力を入力して
    前記ドライバを駆動するプリドライバ部と、前記発熱素
    子の共通電極から前記プリドライバ部に電源電圧を供給
    するレギュレータ部が同一基板上に形成されたインクジ
    ェット記録ヘッドの試験方法において、前記レギュレー
    タ回路から前記プリドライバ部への電源電圧の供給を遮
    断し、外部から直接に前記プリドライバ部に電源電圧を
    供給して動作を試験することを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッドの試験方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001058412A (ja) * 1999-06-14 2001-03-06 Canon Inc 記録ヘッド、記録ヘッド用基体および記録装置
JP2001232795A (ja) * 2000-02-21 2001-08-28 Canon Inc プリントヘッドおよびプリント装置
US7575294B2 (en) 2003-11-06 2009-08-18 Canon Kabushiki Kaisha Printhead substrate, printhead using the substrate, head cartridge including the printhead, method of driving the printhead, and printing apparatus using the printhead
US8002374B2 (en) 2003-11-06 2011-08-23 Canon Kabushiki Kaisha Printhead driving method, printhead substrate, printhead, head cartridge, and printing apparatus
JP2015217541A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 キヤノン株式会社 記録素子基板、記録ヘッドおよび記録装置

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