JP4037228B2 - 一液型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

一液型エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一液型エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は、その硬化物が電気的特性、機械的特性、耐熱性、耐薬品性、接着性等に優れた性能を有する為に、電子・電気部品用絶縁材料、接着剤、塗料等の幅広い各種の用途に使用されている。現在一般的に使用されているエポキシ樹脂組成物は、使用直前にエポキシ樹脂成分と硬化剤成分とを均一混合する、いわゆる二液型エポキシ樹脂と呼ばれるタイプである。二液型エポキシ樹脂組成物は、室温或いはそれより寒冷な温度条件下でも硬化可能であり、多種多様な特性を発現させ易く、ミクロな部分まで均質な硬化物を得ることが容易である。その反面、エポキシ樹脂成分と硬化剤成分とを別個に保管し、使用直前にこれら二つの成分を正確に計量し、十分に均一混合する必要がある為に保管やその取扱いが煩雑である。
【0003】
また、エポキシ樹脂成分と硬化剤成分との配合物は可使時間が限られており、予め大量に混合しておくことは出来ず、使用都度の配合頻度が多くなり作業能率低下は避けられない。その上、この配合物はもはや長時間の保管は出来ず、使用残りの配合された樹脂組成物は廃棄せねばならず材料のロスは免れない。この様な二液型エポキシ樹脂組成物の問題点を解決する為、これまでに幾つかの一液型エポキシ樹脂組成物用の硬化剤が提案されてきた。例えば、ジシアンジアミド、BF3 アミン錯体、イミダゾール化合物誘導体等の潜在性硬化剤をエポキシ樹脂に配合したものが実用化されている。
しかし、これら潜在性硬化剤は一般的に150℃以上の高い硬化温度を必要とし、硬化温度を低下させようとすると貯蔵安定性が損なわれ、0℃以下の冷凍保管や通常の冷蔵庫(約0〜15℃)保管が必要となる。
【0004】
この様な潜在性硬化剤の問題を解決する目的で、エポキシ樹脂と硬化剤とを完全に遮蔽する為に硬化剤のマイクロカプセル化が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このマイクロカプセル化の手法としては、微粉末硬化剤粒子の面層の官能基を他の反応性物質によりブロックする方法(例えば、特許文献2〜4参照。)、或いは、微粉末硬化剤粒子表面を熱可塑性樹脂等で被覆する方法(例えば、特許文献5〜6参照。)等がある。
しかしながら、マイクロカプセル化された潜在性硬化剤を用いる場合でも、エポキシ樹脂の中にこのマイクロカプセル化硬化剤を十分に均一分散混合する場合、如何なる撹拌混合装置を用いても撹拌翼又はミキシングロール表面等による機械的剪断力を受けるため、マイクロカプセル層が剥離・破壊され、エポキシ樹脂と硬化剤とを完全に遮蔽しておく効果が失われ、一液型エポキシ樹脂組成物としての貯蔵安定性が低下してくる。更に、この一液型エポキシ樹脂組成物は注型する為にディスペンサ等により吐出させる場合、ギアポンプ、プランジャポンプ、吐出ノズル等の機械的摺動が繰り返されることによりマイクロカプセル層が剥離・破壊され、同様に注型時の保存安定性が低下してくる。
【0005】
エポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂と硬化剤(硬化触媒を含む)とのみで使用されることもあるが、多くの場合はエポキシ樹脂硬化物の特性を更に向上し改質させる為の無機充填材を含有し使用されるのである。この場合、マイクロカプセル化硬化剤と無機充填材とを共存させ機械的剪断力や機械的摺動を繰り返し加えることは、マイクロカプセル化硬化剤の粒子を研磨用砥粒で磨くことと同様の作用を及ぼし、マイクロカプセル被膜の剥離・破壊を著しく助長し、一液型エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を損なうばかりか、注型時の粘度の上昇・ゲル化等のトラブルの原因となり、生産性、作業性、取扱い性等に多大の悪影響を及ぼすのである。
究極の一液型用硬化剤と喧伝されているマイクロカプセル型の潜在性硬化剤に於いても、その実用化に当たっては数々の課題を有しているのである。
【0006】
【特許文献1】
特公昭43−17654号公報
【特許文献2】
特開昭58−83023号公報
【特許文献3】
特公昭58−55970号公報
【特許文献4】
特開昭64−70523号公報
【特許文献5】
特開平05−247179号公報
【特許文献6】
特開平06−73163号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述したような従来の技術に基づく一液型エポキシ樹脂組成物に於ける諸々の課題を解決する為に、種々検討を重ねた結果なされたものであり、貯蔵安定性・生産性・硬化性・作業性等の取扱い性に優れ、且つ二液型エポキシ樹脂組成物と同様に均質な硬化物特性を与える一液型エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は従来の技術に於ける一液型エポキシ樹脂組成物の有する課題を克服し、しかも一液型エポキシ樹脂組成物としての利点を十分に発揮することが出来る一液型エポキシ樹脂組成物を開発する為、鋭意研究を重ね、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
このような目的は、下記の本発明(1)〜(4)により達成される。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤、及び、(C)環状ホウ酸エステル化合物を必須成分として含有し、かつ、樹脂組成物中に、25℃では樹脂組成物中に固体として存在する分子内にエポキシ基と反応する活性水素を1個有する官能基を2個有する化合物を含まないことを特徴とする一液型エポキシ樹脂組成物。
(2)さらに、前記(A)エポキシ樹脂に対して、(D)無機充填材10〜300重量%を含有する上記(1)に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
(3)前記(C)環状ホウ酸エステル化合物は、2,2'−オキシビス(5,5'−ジメチル−1,3,2−オキサボリナン)である上記(1)又は(2)に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
(4)前記(C)環状ホウ酸エステル化合物の配合量は、前記(A)エポキシ樹脂に対して0.001〜10phrである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一液型エポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明の一液型エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤、及び、(C)環状ホウ酸エステル化合物を必須成分として含有することを特徴とする。
【0011】
本発明の組成物に用いられる (A)エポキシ樹脂としては、一分子中に平均二個以上のエポキシ基を有するものであり、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物、レゾルシン、ハイドロキノン等の多価フェノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとから誘導されるもの:ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンとから誘導されるもの:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物:フタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸及び、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとから誘導されるもの:アニリン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の多価アミノ化合物、及び、アミノフェノール、アミノクレゾール等のヒドロキシアミノ化合物とエピクロルヒドリンとから誘導されるものなどが挙げられる。更にポリウレタン骨格、ポリブタジエン骨格を有し分子の一部に複数のエポキシ基を結合させた化合物、或いは、ヒダントイン環を有するエポキシ化合物を用いることもできる。これらのエポキシ樹脂は、1種類のみを用いても2種類以上のものを組合せて用いてもよい。
【0012】
本発明の組成物に用いられる(B)マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤としては、本質的には従来から公知のアミン系硬化剤が用いられる。即ち、前記(A)エポキシ樹脂と付加重合するもの、及び前記(A)エポキシ樹脂をアニオン重合させるものである。更に、このマイクロカプセル化されたアミン系硬化剤は、エポキシ樹脂と付加重合する公知のエポキシ硬化剤との硬化反応に対し、硬化促進剤としての触媒作用を有するものである。本発明に於けるアミン系硬化剤の性状は特に限定されないが、マイクロカプセル化する為に、室温では粉末状になり得る固体であり融点は40℃以上であるものが好ましい。
【0013】
このようなアミン系硬化剤としては特に限定されないが、例えば、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族多価アミン:ジアミノシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂肪族多価アミン:これらの多価アミン類と前記 (A)のエポキシ樹脂及び/又はモノエポキシ化合物との付加反応生成物:エチレンジアミン、キシリレンジアミン等のジアミン類とアジピン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸とを縮合させたポリアミドアミン類:2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールトリメリット酸塩等のイミダゾール系化合物:前記イミダゾール系化合物と前記(A)エポキシ樹脂との付加反応生成物:2−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物:ジシアンジアミド等のグアニジン化合物:1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の第三級アミン化合物:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7のノボラック塩等の化合物が挙げられる。
【0014】
これらのアミン系硬化剤より1種類のもののみを用いても、2種類以上のものを組合せ用いても良い。アミン系硬化剤の使用量はその硬化剤が通常使用される場合と同様であり、必要に応じその使用量は加減してもよい。
アミン系硬化剤をマイクロカプセル化する手法は公知の方法が採用される。即ち、アミン系硬化剤の微粉末粒子の表面に被膜を形成し得る材料によりコーティングする方法や、同硬化剤の微粉末粒子の表面層に存在する硬化剤官能基をこれと反応し得る他の反応性物質によりブロックする方法等がある。
【0015】
本発明の組成物には、(C)環状ホウ酸エステル化合物を配合する。これにより、組成物の保存安定性、特に高温時における保存安定性を向上させることができる。
上記環状ホウ酸エステル化合物とは、ホウ素が環式構造に含まれているものであり、特に、2,2’−オキシビス(5,5’−ジメチル−1,3,2−オキサボリナン)が好ましい。
ホウ酸エステル化合物としては、本発明の組成物で用いられる環状ホウ酸エステル化合物のほか、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル等が挙げられるが、これらのホウ酸エステル化合物は揮発性が高いため、特に高温時における組成物の保存安定性に対しては、その効果が充分ではない。
【0016】
上記(C)環状ホウ酸エステル化合物の配合量としては特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂に対して0.001〜10phrであることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜1phrである。これにより、組成物の硬化性に影響を与えることなく、組成物の保存安定性を向上させることができる。配合量が前記下限値未満では、配合の効果が充分でないことがあり、一方、配合量が前記上限値を超えると、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤との本来の硬化反応を阻害することがあり、組成物の硬化性に影響を与えることがある。
【0017】
本発明の組成物には、(A)エポキシ樹脂、(B)マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤、及び(C)環状ホウ酸エステル化合物のほか、必要に応じて、(D)無機充填材を配合することができる。これにより、組成物に耐熱性等を付与することができる。
本発明の組成物に用いられる無機充填材としては、通常のエポキシ樹脂組成物に使用される公知の無機充填材が使用でき、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、結晶シリカ、熔融シリカ、無定形シリカ、アルミナ、水和アルミナ、マグネシア、タルク、クレー、セラミック粉末、ガラス繊維粉末等が挙げられる。これらの無機充填材より1種類のもののみを用いても、2種類以上のものを組合せ用いてもよい。
【0018】
上記(D)無機充填材の配合量は、使用する無機充填材の種類、あるいは組成物に付与する特性などにより異なり、特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂に対して、10〜300重量%とすることが好ましい。配合量が前記下限値未満では配合の効果が充分でないことがあり、一方、配合量が前記上限値を超えると、粘度が上昇し、作業性が低下することがある。
更に、必要により硬化した熱硬化性樹脂粉末、熱可塑性樹脂粉末等の有機充填材、天然及び/又は合成繊維粉末等の補強材を加えても良い。
【0019】
本発明の組成物には、以上に説明した成分の他に、必要により通常のエポキシ樹脂組成物に添加される成分を加えてもよい。即ち、反応性稀釈剤、非反応性稀釈剤、可塑剤、溶剤、マイクロカプセル化されていないエポキシ樹脂硬化剤、硬化触媒、染料、顔料、シラン等の表面処理剤、湿潤剤、レベリング剤、チキソトロピック性付与剤、消泡剤等である。
【0020】
本発明の組成物における環状ホウ酸エステル化合物の役割は、エポキシ樹脂分子内に存在する水酸基、及び/又はエポキシ樹脂と1級又は2級アミンとの反応により生成される水酸基、及び/又はエポキシ樹脂のエポキシ基相互の開環反応により生成される水酸基と反応し、これらの水酸基を消費すると同時に、ホウ酸エステルは酸性化合物に変化しアミン系硬化剤の塩基性部分と結合すると考えられる。マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤のマイクロカプセル被膜の一部が剥離し、内部より新たにアミン系硬化剤の官能基が露出された場合には、上記の作用によりホウ酸エステル化合物から生成された酸性化合物がアミン系硬化剤の官能基と結合し、アミン系硬化剤をブロックする効果を有するのである。又、エポキシ樹脂分子内に存在する水酸基を消費し、組成物保管時のエポキシ樹脂の硬化反応を抑制する効果をも有するものである。
【0021】
本発明の組成物の製造方法は、通常のエポキシ樹脂組成物の製造方法と同様な一般的な撹拌混合設備と加工条件が適用される。使用される設備としては、ミキシングロール、ディゾルバ、プラネタリミキサ、ニーダ、押出し機等である。加工条件としてはエポキシ樹脂等を溶解及び/又は低粘度化し撹拌混合効率を向上させる為に加熱してもよい。又、摩擦発熱、反応発熱等を除去する為に冷却してもよい。撹拌混合の時間は必要により定めればよく、特に制約されることはない。
これまでの一液型エポキシ樹脂組成物の製造工程に於いては、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、無機充填材、その他の各成分を十分に均質混合しバラツキのない優れた特性のエポキシ樹脂硬化物を得ようとしても、マイクロカプセル化された硬化剤を使用する場合には、そのマイクロカプセル被膜の剥離・破壊を避ける為にエポキシ樹脂組成物の製造時に大きな機械的剪断力を加えることが困難であったが、本発明の組成物においては、上述した環状ホウ酸エステル化合物を配合する効果により、この様な制約を受けることはないのである。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例につき比較例と対比させ、更に詳しく説明する。以下、部とは重量部を意味する。
【0023】
表1に示した配合量で、表1の▲1▼〜▲6▼または▲1▼〜▲7▼を順次プラネタリミキサに投入し、均一分散されるまで十分に撹拌混合して組成物を得た。
【0024】
【表1】
Figure 0004037228
【0025】
(表の注:原材料)
(1)エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製「エピコート#828」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190
(2)硬化剤:旭化成社製「ノバキュアHX−3742」、アミン系硬化剤をマイクロカプセル化したもの
(3)チキソ付与剤:日本アエロジル社製「アエロジル#R972」
(4)顔料:上記エポキシ樹脂(エピコート#828)と三菱化学社製「カーボンブラックMA600」とを混合した黒色顔料ペースト
(5)消泡剤:東レ・ダウ・コーニング社製「SC5570」
(6)環状ホウ酸エステル化合物:2,2’−オキシビス(5,5’−ジメチル−1,3,2−オキサボリナン)
【0026】
実施例及び比較例にて製造した組成物の特性を評価した。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004037228
【0027】
(表の注:評価方法)
(1)粘度:EH型粘度計(東機産業製)により、ロータの型式は3度コーンを用い、温度は25℃で測定した。
(2)ゲル化時間:「JIS C 2105 電気絶縁用無溶剤液状レジン試験方法」に記載された「ゲル化時間(150℃/熱盤法)」に準じて行った。
(3)流れ距離:組成物0.1gをガラス板の上に乗せ、100℃の乾燥機中で45℃傾斜させて保持し、硬化した時点での流れ距離を測定した。
(4)保存安定性:組成物を40℃で保存し、ゲル化するまでの日数を測定した。
(5)耐機械摺動性:注型吐出装置である「ミニポジロードポンプ MPP−4S」(ナカリキッドコントロール製)を30℃の雰囲気に設置して組成物の吐出を行い、連続運転可能な日数を記録した。注型吐出装置の連続運転性のパラメータとなる耐機械摺動性は 好ましくは60日以上といわれている。
【0028】
実施例1〜5は、エポキシ樹脂、マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤、環状ホウ酸エステル化合物、及び無機充填材を所定量配合した本発明の組成物であり、環状ホウ酸エステル化合物を配合しない比較例1〜2と比較して、粘度、ゲル化時間、流れ距離を実質的に維持し、保存安定性、耐機械摺動性とも向上させることができた。また、実施例6は無機充填材を配合しない組成物であるが、比較例3〜4と比較して、同様の効果を得ることができた。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、エポキシ樹脂、マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤、及び、環状ホウ酸エステル化合物を必須成分として含有することを特徴とする一液型エポキシ樹脂組成物である。本発明の一液型エポキシ樹脂組成物は、各成分が十分に均質分散されている為に優れた硬化物特性を示し、硬化剤のマイクロカプセル化効果も十分に発揮し貯蔵安定性に優れている。更に、ギアポンプやプランジャポンプを有する吐出精度の高いディスペンサを使用する注型ラインに於いても、機械設備の摺動部分に於いてエポキシ樹脂組成物の粘度の上昇やゲル化現象が無く円滑にして生産性の高い注型ラインの運転を可能とするのである。

Claims (4)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤、及び、(C)環状ホウ酸エステル化合物を必須成分として含有し、かつ、樹脂組成物中に、25℃では樹脂組成物中に固体として存在する分子内にエポキシ基と反応する活性水素を1個有する官能基を2個有する化合物を含まないことを特徴とする一液型エポキシ樹脂組成物。
  2. さらに、前記(A)エポキシ樹脂に対して、(D)無機充填材10〜300重量%を含有する請求項1に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(C)環状ホウ酸エステル化合物は、2,2'−オキシビス(5,5'−ジメチル−1,3,2−オキサボリナン)である請求項1又は2に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(C)環状ホウ酸エステル化合物の配合量は、前記(A)エポキシ樹脂に対して0.001〜10phrである請求項1ないし3のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
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