JPH1095901A - 有機−無機ハイブリッド化物、その製造方法及びその用途 - Google Patents

有機−無機ハイブリッド化物、その製造方法及びその用途

Info

Publication number
JPH1095901A
JPH1095901A JP1366697A JP1366697A JPH1095901A JP H1095901 A JPH1095901 A JP H1095901A JP 1366697 A JP1366697 A JP 1366697A JP 1366697 A JP1366697 A JP 1366697A JP H1095901 A JPH1095901 A JP H1095901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
epoxy resin
inorganic hybrid
inorganic
oxide powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1366697A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Sasaki
大 佐々木
Kazuo Nakajima
和夫 中島
Masatomo Mizuno
雅友 水野
Kunio Ichikawa
久仁朗 市川
Hiroshi Sawa
浩志 佐和
Jun Yasuda
純 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shikibo Ltd
Original Assignee
Shikibo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shikibo Ltd filed Critical Shikibo Ltd
Priority to JP1366697A priority Critical patent/JPH1095901A/ja
Publication of JPH1095901A publication Critical patent/JPH1095901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、塗料用バインダー又はベース樹
脂、半導体封止材用樹脂組成物等として好適に使用され
得る新規な有機−無機ハイブリッド化物を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 本発明の有機−無機ハイブリッド化物
は、エポキシ樹脂初期縮合物と無機酸化物粉末とが結合
した有機−無機ハイブリッド化物であって、該有機−無
機ハイブリッド化物の硬化物のガラス転移点が、上記と
同一のエポキシ樹脂初期縮合物の硬化物のガラス転移点
に比し、3℃以上高いものであることを特徴とする有機
−無機ハイブリッド化物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機−無機ハイブ
リッド化物、その製造方法及びその用途に関する。本発
明の有機−無機ハイブリッド化物は、塗料用バインダー
又はベース樹脂、半導体封止材用樹脂組成物として好適
に使用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は様々な用途に利用されて
いるが、用途に応じた必要特性を付与するために、増量
も兼ねて、硬化剤添加前に、必要特性に対応した無機酸
化物をエポキシ樹脂に添加混合している。例えば耐薬品
性や硬度を増大させたい場合はシリカ(SiO2)を添
加混合し、耐摩性を増大させたい場合は酸化アルミ(A
23)を添加混合し、熱電導率を増大させたい場合は
酸化マグネシウムを添加混合している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般的なエポ
キシ樹脂はビスフェノールA型に代表されるように低反
応性であり、かなりの高温且つ触媒の存在下でも、無機
酸化物とは単に物理的に混合するだけで、エポキシ樹脂
と無機酸化物とを結合させるに至っていない。また従来
の無機酸化物の添加混合では、無機酸化物の沈殿や層分
離が生ずる場合があり、エポキシ樹脂組成物が不均一組
成になることもある。このため、上記用途に応じた必要
特性についても、無機酸化物の特性を充分に生かし切れ
ておらず、従ってエポキシ樹脂の応用分野も比較的限定
されたものであった。
【0004】一方、エポキシ樹脂成形材料は、性能、信
頼性の面ではセラミックスによる気密封止に比べ劣るも
のの、優れた生産性と低コストのために、半導体デバイ
スの封止材として、圧倒的に高い比率で実用化されてい
る。エポキシ樹脂成形材料を用いた封止材料としては、
今日までo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂を主成
分としたものが長い間使用され、作業性、信頼性等の各
種要求特性の変化に応じて改良が加えられてきた。
【0005】ところが、最近ではチップの高集積化と多
機能化に伴うパッケージの薄型化やチップの大型化が行
われ、また、パッケージの実装密度の向上を図る目的に
よるピン挿入から表面実装パッケージへの移行が行われ
るようになり、半導体用の樹脂封止材への要求性能はま
すます厳しくなってきている。即ち、パッケージの薄型
化、チップの大型化及び表面実装型パッケージへの移行
が進められるに伴い、封止材料に更に高度な低線膨張係
数、低吸湿性、高温接着強度(耐半田性)が要求される
ようになってきた。このような要求に対応するために、
低吸湿性エポキシ樹脂や高温高強度エポキシ樹脂が開発
され、また、低線膨張係数化及び低吸湿化と高温接着強
度アップとを目的に、シリカ等の無機酸化物を充填剤と
して添加することが行われてきた。
【0006】エポキシ樹脂に大量のシリカ等の無機酸化
物を混合することで、線膨張係数を下げることができ、
半導体チップとの高温接着強度を向上させることができ
る。また、大量の無機酸化物が混合されていることで、
使用エポキシ樹脂の含有割合を減らすことができ、これ
によって吸水性を抑え、耐湿性、耐水性を得ることがで
きる。
【0007】しかるに、エポキシ樹脂に無機酸化物を混
合することにより、粘度が上昇することが避けられず、
無機酸化物の混合割合が限定されざるを得ない。従っ
て、最近では、シリカ等の充填材をより多量にエポキシ
樹脂と混合し得る方法として、低粘度のビフェニル型エ
ポキシ樹脂等を使用する方法が実施されている。しかし
ながら、この方法でもエポキシ樹脂とシリカ等の無機酸
化物の混合時の粘度上昇が大きくなり、そのため十分な
無機酸化物充填材含有量を有し、安定した品質の封止材
料を製造し得ず、また低粘度のエポキシ樹脂を使用する
ため耐熱性(ガラス転移点)が低下する等、最近の半導
体封止材用樹脂組成物に要求される性能に十分に対応で
きていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの目的は、
塗料用バインダー又はベース樹脂、半導体封止材用樹脂
組成物等として好適に使用され得る新規な有機−無機ハ
イブリッド化物を提供することにある。
【0009】本発明の他の一つの目的は、上記の有機−
無機ハイブリッド化物の製造方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明の他の一つの目的は、 上記有機−
無機ハイブリッド化物からなる塗料用バインダー又はベ
ース樹脂を提供することにある。
【0011】本発明の他の一つの目的は、上記有機−無
機ハイブリッド化物を含有する半導体封止材用樹脂組成
物を提供することにある。
【0012】本発明の有機−無機ハイブリッド化物は、
エポキシ樹脂初期縮合物と無機酸化物粉末とが結合した
有機−無機ハイブリッド化物であって、該有機−無機ハ
イブリッド化物の硬化物のガラス転移点が、上記と同一
のエポキシ樹脂初期縮合物の硬化物のガラス転移点に比
し、3℃以上高いものであることを特徴とする有機−無
機ハイブリッド化物である。
【0013】本発明の有機−無機ハイブリッド化物は、
エポキシ樹脂初期縮合物と表面活性化処理された無機酸
化物粉末との混合物を攪拌処理することにより製造され
る。
【0014】本発明の有機−無機ハイブリッド化物は、
塗料用バインダー又はベース樹脂として、また半導体封
止用樹脂組成物の樹脂成分として好適に使用される他、
FRP用マトリックス、コーティング組成物、成形品用
樹脂組成物としても使用され得る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の有機−無機ハイブリッド
化物は、エポキシ樹脂初期縮合物と無機酸化物粉末とが
結合したものである。
【0016】本発明において、エポキシ樹脂初期縮合物
としては、例えば、エピクロルヒドリンのようなハロゲ
ン化エポキシドとポリオール類やポリアミン類とを反応
させて得られる初期縮合物が使用可能である。これに
は、ビスフェノールA型、脂肪族類のエポキシ樹脂等の
各種エポキシ樹脂が包含されるが、1分子中にエポキシ
環を2つ以上有し、望ましくは200℃に加熱した状態
で液状であるものがよい。
【0017】このようなエポキシ樹脂初期縮合物として
は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化型エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系
エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂、複素環式型エポ
キシ樹脂等が挙げられる。本発明では、これらエポキシ
樹脂初期縮合物は、1種単独で又は2種以上混合して使
用できる。
【0018】無機酸化物粉末としては、従来公知のもの
を広く使用でき、例えばシリカ(溶融性シリカ、結晶性
シリカ、超微粒シリカ等)、アルミナ、酸化チタン、酸
化マグネシウム、酸化亜鉛等の粉末が挙げられる。これ
らの中でも、シリカ粉末及びアルミナ粉末が好ましく、
シリカ粉末が特に好ましい。これら無機酸化物粉末は、
得られる有機−無機ハイブリッド化物に要求されている
特性に応じて、1種単独で又は2種以上混合して使用さ
れる。
【0019】本発明の無機酸化物粉末の粒径としては、
特に制限されるものではないが、平均粒径が8μ以下の
ものを使用するのが望ましい。本発明の無機酸化物粉末
には、サブミクロン以下の極微細粒子が含有されている
のが特に好ましい。
【0020】本発明の有機−無機ハイブリッド化物は、
その硬化物のガラス転移点が、有機−無機ハイブリッド
化物を構成するエポキシ樹脂初期縮合物と同一のエポキ
シ樹脂初期縮合物を同一、同量の硬化剤や硬化促進剤に
より同一硬化条件(硬化温度及び硬化時間)で硬化させ
た硬化物のガラス転移点に比し、3℃以上高いものであ
る。ここで硬化物の硬化は、その硬化物に最も良好な物
性を発揮させることのできる処方(主剤と硬化剤等の組
合せ)で行うものとし、例えばアミン系硬化剤、酸無水
物系硬化剤等の硬化剤を用いて硬化させる場合には、本
発明の有機−無機ハイブリッド化物やエポキシ樹脂初期
縮合物のエポキシ基に対して当量の硬化剤を用い、また
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール等の硬化促進剤を用いて硬化させる場合には、
これら硬化促進剤を本発明の有機−無機ハイブリッド化
物やエポキシ樹脂初期縮合物に対して0.1〜5重量%
程度用いる。また硬化物のガラス転移点(Tg)は、D
SC(Differntial Scanning Calorimeter)法により測定
したものである。
【0021】無機酸化物粉末としてシリカ粉末を用いて
得られる本発明の有機−無機ハイブリッド化物のガラス
転移点は、有機−無機ハイブリッド化物を構成するエポ
キシ樹脂初期縮合物と同一のエポキシ樹脂初期縮合物の
硬化物のガラス転移点に比し、5℃以上、場合によって
は20℃以上高い。また無機酸化物粉末としてアルミナ
粉末を用いて得られる本発明の有機−無機ハイブリッド
化物のガラス転移点は、有機−無機ハイブリッド化物を
構成するエポキシ樹脂初期縮合物と同一のエポキシ樹脂
初期縮合物の硬化物のガラス転移点に比し、3℃以上高
い。
【0022】本発明の有機−無機ハイブリッド化物は、
例えばエポキシ樹脂初期縮合物と表面活性化処理された
無機酸化物粉末との混合物を攪拌処理することにより製
造される。無機酸化物粉末を表面活性化処理する手段と
しては、特に制限がなく、一般に有機物と無機物を反応
させるメカノケミカルな手法として知られている方法を
広く例示できる。例えば摩擦(摩砕)処理(具体的には
乳鉢等による摩擦処理)が代表的であり、その他には、
加熱処理、撹拌処理、ボールミル処理、シュレッダー処
理、超音波照射処理等、無機酸化物粉末に物理的なエネ
ルギーを与えることで表面活性化できる方法である限り
いかなる方法でもよい。また弗素水素酸による処理等の
化学的方法を採用してもよい。本発明では、シランカッ
プリング剤による処理は化学的方法には含まれない。シ
ランカップリング剤で無機酸化物粉末を処理しても、得
られる硬化物のガラス転移点は上昇せず、所望の有機−
無機ハイブリッド化物を得ることはできない。本発明で
は、上記各種処理を1種又は2種以上組み合わせて、無
機酸化物粉末の表面を活性化すればよい。
【0023】表面活性化処理の時期は、特に制限がな
く、エポキシ樹脂初期縮合物及び無機酸化物粉末の混合
前、混合中及び混合後のいずれでもよいが、弗素水素酸
による処理の場合には混合前に行うのが望ましい。また
摩擦処理の場合は、エポキシ樹脂初期縮合物及び無機酸
化物粉末の混合前又は混合中、特に混合前に行うのが好
ましい。
【0024】上記の表面活性化処理により、無機酸化物
の原子間の結合が切断され、例えばシリカの場合には、
SiO結合が切断され、活性化される。而して表面が活
性化された無機酸化物粉末とエポキシ樹脂初期縮合物と
を混合することで、無機酸化物の反応性が予め高められ
ているため、エポキシ樹脂初期縮合物との反応率を飛躍
的に向上させることができる。混合後においても、無機
酸化物の表面が活性化されれば、その後速やかにエポキ
シ樹脂初期縮合物との反応が進行する。
【0025】エポキシ樹脂初期縮合物及び無機酸化物粉
末の混合割合は、エポキシ樹脂初期縮合物や無機酸化物
粉末の種類、得られる有機−無機ハイブリッド化物に要
求される各種物性等により異なり一概には言えないが、
通常重量比で前者:後者=10〜90:90〜10、好
ましくは前者:後者=20〜80:80〜20、より好
ましくは前者:後者=30〜70:70〜30とするの
がよい。
【0026】エポキシ樹脂初期縮合物と表面活性化処理
された無機酸化物粉末との混合物を攪拌処理するに当た
り、攪拌の程度は、エポキシ樹脂初期縮合物や無機酸化
物粉末の種類、攪拌羽根の形状、大きさ、装置の規模等
により異なり一概には言えないが、通常500rpm以
上がよい。また攪拌時の混合物の温度は特に限定されな
いが、室温下及び加温下のいずれでもよい。加温する場
合の温度は、原料が分解しない範囲内であればよく、通
常200℃以下がよい。
【0027】本発明においては、エポキシ樹脂初期縮合
物と表面活性化処理された無機酸化物粉末との混合物を
攪拌処理するに当たり、混合物の系内に触媒を存在させ
てもよい。触媒としては、エポキシ環を開環させ得るも
のであれば従来公知のものを広く使用でき、例えば第3
級アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。第3級ア
ミン類としては、ベンジルジメチルアミン、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等を好ま
しく使用できる。
【0028】このようにして得られた有機−無機ハイブ
リッド化物は、使用するエポキシ樹脂初期縮合物及び無
機酸化物粉末の種類やこれらの混合割合等に応じて、該
ハイブリッド化物の硬化物の特性は様々であるが、従来
のようにエポキシ樹脂初期縮合物及び無機酸化物粉末の
単なる混合物の硬化物の特性と比較すると、格段に優れ
ている。これらの特性は、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗
性、電気的特性(絶縁特性、導電特性)等である。本発
明では、これら様々な特性の中で、有機成分の有する特
性と無機成分の有する特性とを同時に2種類以上兼備し
た有機−無機ハイブリッド化物を提供することもでき
る。しかも、斯かる有機−無機ハイブリッド化物は、同
じ成分の単なる混合物と比較して、沈殿や層分離等が起
こり難く、また一般に低粘度であるため取り扱いも容易
である。
【0029】本発明の有機−無機ハイブリッド化物は、
それ自体で塗料用バインダー又はベース樹脂として使用
され得る。
【0030】また、本発明の有機−無機ハイブリッド化
物は、半導体封止材用樹脂組成物の主成分として使用さ
れ得る。
【0031】従来では、エポキシ樹脂にシリカ等の無機
酸化物を多量に配合した場合には、粘度が上昇すること
は避けられなかった。しかるに、本発明の有機−無機ハ
イブリッド化物では、該化合物中にシリカ等の無機酸化
物が多量に配合されていても、粘度上昇が抑えられる
(例えば170℃で1時間放置していても粘度変化が生
じない)ので、シリカ等の無機酸化物の多量配合が可能
となり、その結果低線膨張係数、耐湿性、耐熱性等の優
れた特性を備えた半導体封止材用樹脂組成物を得ること
ができる。即ち、(1) 本発明の有機−無機ハイブリッド
化物を主成分として用い、また、必要ならシリカ等の無
機酸化物を更に混合し無機充填材の混合割合を増加させ
ることで、低線膨張係数を有し、低吸湿性の半導体封止
材用樹脂組成物を得ることができる。(2) 本発明の有機
−無機ハイブリッド化物を主成分として用いることで、
流動性の良好な半導体封止材用樹脂組成物を得ることが
できる。(3) 本発明の有機−無機ハイブリッド化物を主
成分として用いることで、沈澱や層分離等を起こし難い
均質な半導体封止材用樹脂組成物を得ることができる。
(4) 本発明の有機−無機ハイブリッド化物を主成分とし
て用いることで、耐熱性の良好な半導体封止材用樹脂組
成物を得ることができる。
【0032】本発明の半導体封止材用樹脂組成物を構成
する成分は、従来のエポキシ樹脂封止材料の主成分であ
るエポキシ樹脂と無機充填材との混合物の代わりに本発
明の有機−無機ハイブリッド化物が配合されていること
を除き、他の成分は従来のエポキシ樹脂封止材料に配合
されている成分と同じである。即ち、本発明の半導体封
止材用樹脂組成物には、上記有機−無機ハイブリッド化
物の他、硬化剤、硬化促進剤、離型剤、可撓化剤、カッ
プリング剤、着色剤、難燃助剤等が適宜配合される。硬
化剤としてはフェノール樹脂、酸無水物、脂肪族アミ
ン、芳香族アミン等が、硬化促進剤としてはイミダゾー
ル化合物、第3級アミン類、リン化合物等が、離型剤と
して脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸金属塩等、可撓化
剤としてシリコーン、ゴム等が、着色剤としてカーボン
ブラック、染料等が、難燃助剤として臭素化エポキシ樹
脂、三酸化アンチモン等がそれぞれ例示できる。
【0033】本発明の半導体封止材用樹脂組成物を構成
する各成分の組成割合は、特に限定されるものではない
が、代表的な組成を示せば、有機−無機ハイブリッド化
物70〜95重量%、硬化剤4〜10重量%、硬化促進
剤1重量%以下、離型剤1重量%以下、可撓化剤3重量
%以下、着色剤1重量%以下、難燃助剤1〜2重量%で
ある。
【0034】本発明では、フェノール樹脂、酸無水物、
脂肪族アミン、芳香族アミン等の硬化剤と無機酸化物粉
末とが結合した有機−無機ハイブリッド化物を、半導体
封止材用樹脂組成物に配合されるべき硬化剤成分として
使用することができる。
【0035】硬化剤と無機酸化物粉末とが結合した有機
−無機ハイブリッド化物につき、以下に説明する。
【0036】硬化剤は、この種の分野で通常使用される
フェノール樹脂、酸無水物、脂肪族アミン、芳香族アミ
ン等を広く使用できるが、フェノール樹脂が特に好適で
ある。フェノール樹脂としては、具体的にはフェノール
ノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、
ビスフェノールノボラック樹脂等を例示でき、軟化点が
約120℃以下であるものが好ましい。
【0037】無機酸化物粉末及びその粒径等について
は、上記エポキシ樹脂初期縮合物と無機酸化物粉末とが
結合した有機−無機ハイブリッド化物の製造に際して用
いられる無機酸化物粉末と同じでよい。
【0038】硬化剤と無機酸化物粉末とが結合した有機
−無機ハイブリッド化物は、例えばフェノール樹脂等の
硬化剤と表面活性化処理された無機酸化物粉末との混合
物を攪拌処理することにより製造される。無機酸化物粉
末を表面活性化処理する手段、表面活性化処理の時期、
硬化剤と表面活性化処理された無機酸化物粉末との混合
物の攪拌処理等の各種製造条件は、上記エポキシ樹脂初
期縮合物と無機酸化物粉末とが結合した有機−無機ハイ
ブリッド化物の製造条件と同じでよい。
【0039】フェノール樹脂等の硬化剤及び無機酸化物
粉末の混合割合は、硬化剤や無機酸化物粉末の種類、得
られる有機−無機ハイブリッド化物に要求される各種物
性等により異なり一概には言えないが、通常重量比で前
者:後者=10〜90:90〜10、好ましくは前者:
後者=20〜80:80〜20、より好ましくは前者:
後者=30〜70:70〜30とするのがよい。
【0040】このようにして、硬化剤と無機酸化物粉末
とが結合した有機−無機ハイブリッド化物が製造され
る。このような有機−無機ハイブリッド化物を用いれ
ば、無機酸化物混入時の粘度上昇をより一層抑えること
ができ、より多量の無機酸化物が配合された半導体封止
材用樹脂組成物を得ることができる。
【0041】更に、本発明の半導体封止材用樹脂組成物
には、無機酸化物の含有割合を上げたり、要求されてい
る各種の性能を付与するために、更に溶融シリカ、結晶
性シリカ、アルミナ、窒化アルミ、ケイ酸カルシウム等
の充填材を加えることができる。また、充填材の材質、
粒子形状、粒度分布、表面処理等を選択することによ
り、充填材混合の効果をより一層高めることができる。
ここで用いられる無機酸化物粉末の平均粒径は特に限定
されず、8μ以上の平均粒径のものであってもよい。
【0042】更に本発明のエポキシ樹脂初期縮合物と無
機酸化物粉末とが結合した有機−無機ハイブリッド化物
は、FRP用マトリックス、コーティング組成物、成形
品用樹脂組成物としても使用され得る。
【0043】
【発明の効果】本発明は、表面活性化処理により無機酸
化物の反応性が高められるから、比較的低温でも、且
つ、触媒不存在下でも、エポキシ樹脂初期縮合物との反
応率を飛躍的に向上させ得、無機酸化物の種類に応じ
て、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性、電気的特性(絶縁特
性、導電特性)、その他様々な必要特性を顕著に奏する
有機−無機ハイブリッド化物を合成できる。しかも合成
された有機−無機ハイブリッド化物は、同じ成分の単な
る混合物と比較して、沈殿や相分離等が起こり難く、ま
た一般に低粘度であるため取り扱いも容易である。その
ため、本発明の有機−無機ハイブリッド化物は、塗料用
バインダー又はベース樹脂として、また半導体封止用樹
脂組成物の樹脂成分として好適に使用される。
【0044】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて、本発明を
より一層明らかにする。以下において、単に「部」とあ
るのは「重量部」を意味する。
【0045】実施例1(有機−無機ハイブリッド化物の
合成) 溶融シリカ(龍森社製、平均粒径1.7μm)を乳鉢に
て4時間摩砕した。次いで、反応容器にビスフェノール
A型のエポキシ初期縮合物(エピコート828(油化シ
ェル社製))を入れ、摩砕したシリカを、エポキシ樹脂
初期縮合物100部に対して67部投入した。1℃/分
の速度で昇温し、170℃で昇温を止め、その温度を維
持しつつ4時間攪拌して反応させた。こうして目的とす
る有機−無機ハイブリッド化物を得た。尚、昇温速度を
比較的低く押さえたのは、反応の暴走を阻止するためで
ある。
【0046】実施例2 実施例1の溶融シリカ(龍森社製、平均粒径1.7μ
m)を結晶性シリカ(龍森社製、平均粒径1.5μm)
とする以外は、実施例1と同様にして有機−無機ハイブ
リッド化物を得た。
【0047】実施例3 実施例1の溶融シリカ(龍森社製、平均粒径1.7μ
m)を溶融シリカ(龍森社製、平均粒径2.9μm)と
する以外は、実施例1と同様にして有機−無機ハイブリ
ッド化物を得た。
【0048】実施例4 ビスフェノールA型のエポキシ初期縮合物(エピコート
828(油化シェル社製))100部に対して摩砕した
シリカを150部投入する以外は、実施例1と同様にし
て有機−無機ハイブリッド化物を得た。
【0049】実施例5 実施例1において、乳鉢にて4時間摩砕するところをボ
ールミルにて4時間摩砕した以外は、実施例1と同様に
して有機−無機ハイブリッド化物を得た。
【0050】実施例6 溶融シリカ(龍森社製、平均粒径1.7μm)の代わり
にアルミナ(昭和電工社製、平均粒径1.0μm)を用
いる以外は、実施例1と同様にして有機−無機ハイブリ
ッド化物を得た。
【0051】比較例1 溶融シリカ(龍森社製、平均粒径1.7μm)及びビス
フェノールA型のエポキシ初期縮合物(エピコート82
8(油化シェル社製))を実施例1と同様の配合比で混
合し、得られた混合物を比較用とした。
【0052】比較例2 ビスフェノールA型のエポキシ初期縮合物(エピコート
828(油化シェル社製))を比較用とした。
【0053】比較例3 アルミナ(昭和電工社製、平均粒径1.0μm)及びビ
スフェノールA型のエポキシ初期縮合物(エピコート8
28(油化シェル社製))を実施例1と同様の配合比で
混合し、得られた混合物を比較用とした。
【0054】試験例1(塗膜での評価) 実施例1〜5で得られた有機−無機ハイブリッド化物1
00部に対して2.6部の2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール(四国化成社製)を溶媒として混ぜ、メチルエ
チルケトン(MEK)で粘度調整を行った。これをステ
ンレス板にスプレー塗布し、70℃で2時間、100℃
で1時間、160℃で4時間順番に硬化させた後、常温
で硫酸溶液(濃度10%)に浸漬させた。そして、1ヵ
月後の塗膜の変色と溶液への溶出(変色)を観察した。
また、比較例1で得られた混合物も、上記と同様に処理
して、1ヵ月後の塗膜の変色と溶液への溶出(変色)を
観察した。これらの結果を表1に示す。
【0055】試験例2(成形物での評価) 実施例1〜5で得られた有機−無機ハイブリッド化物1
00部に対して2.6部の2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール(四国化成社製)を溶媒として混ぜ、メチルエ
チルケトン(MEK)で粘度調整を行った。これをステ
ンレス板にスプレー塗布し、70℃で2時間、100℃
で1時間、160℃で4時間順番に硬化させてハイブリ
ッド樹脂板を成形し、そのガラス転移点(Tg)をDS
C法により測定した。また、比較例1で得られた混合物
も、上記と同様に処理して、ガラス転移点を測定した。
更に、比較例2のビスフェノールA型のエポキシ初期縮
合物(エピコート828(油化シェル社製))について
も、上記と同様に処理して、ガラス転移点を測定した。
これらの結果を表1に併せて示す。
【0056】
【表1】
【0057】試験例3(耐摩耗性の評価) 実施例6で得られた有機−無機ハイブリッド化物100
部に対して2.6部の2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール(四国化成社製)を溶媒として混ぜ、メチルエチル
ケトン(MEK)で粘度調整を行った。これをJIS
K 7204(摩耗輪によるプラスチックの摩耗試験方
法)で指定される大きさの板にスプレー塗布し、70℃
で2時間、100℃で1時間、160℃で4時間順番に
硬化させ、JIS K 7204に従い摩耗量(m
3)を測定した。また、比較例3で得られた混合物
も、上記と同様に処理して、摩耗量(mm3)を測定し
た。これらの結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】実施例7 [樹脂組成物の作製方法] (1) 樹脂組成物は、ビフェニル型のエポキシ樹脂(エ
ピコートYX−4000H、油化シェルエポキシ(株)
製)25部及び溶融シリカ((株)マイクロン社製、平
均粒径3μ)75部を混合し、攪拌しながら120℃に
昇温して得た。
【0060】(2) 樹脂組成物については、始めに、溶
融シリカ((株)マイクロン社製、平均粒径3μ)を乳
鉢にて4時間摩砕した。次に、容器にビフェニル型エポ
キシ樹脂初期縮合物(エピコートYX−4000H、油
化シェルエポキシ(株)製)を入れ、摩砕したシリカ
を、エポキシ樹脂初期縮合物25部に対して75部投入
した。そして、1℃/分の速度で昇温し、170℃で昇
温を止め、その温度を維持しつつ4時間撹拌して反応さ
せ、目的とする有機−無機ハイブリッド化物を得た。
尚、昇温速度を比較的低く抑えたのは、反応の暴走を阻
止するためである。
【0061】(3) 樹脂組成物については、上記(1)で
得られた120℃に昇温した樹脂組成物に、フェノー
ルノボラック樹脂(フェノライトTD2131、大日本
インキ化学工業(株)製)及び2−メチルイミダゾール
を加え、撹拌して得られた。
【0062】(4) 樹脂組成物については、上記(2)で
得られた120℃に昇温した樹脂組成物に、フェノー
ルノボラック樹脂及び2−メチルイミダゾールを加え、
撹拌して得られた。
【0063】[試験方法] (1) 粘度:得られた樹脂組成物の120℃での粘度を測
定した。
【0064】(2) ガラス転移点:樹脂組成物、を成
形型内に注入し、160℃で3時間硬化させて得られ
た、成形品について、そのガラス転移点をDSC法にて
測定した。
【0065】結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】表3から、次のことが判る。
【0068】(1) エポキシ樹脂とシリカとを混合しただ
けのと比較し、本発明の有機−無機ハイブリッド化物
であるの粘度が非常に低かった。また、エポキシ樹脂
とシリカとを混合しただけのものに硬化剤及び硬化促進
剤を加えたと比較し、本発明の有機−無機ハイブリッ
ド化物を主成分として用い、硬化剤及び硬化促進剤を加
えたの粘度が非常に低かった。更に、本発明の及び
の樹脂組成物は、、に比較し沈澱、分離を起こさ
ない均質なものであった。以上の結果より、本発明によ
れば、均質で流動性が良好な樹脂封止材料が得られた。
【0069】(2) 及びの樹脂組成物を硬化しそのガ
ラス転移点を測定した結果では、樹脂組成物より得ら
れた硬化物に比べ、本発明の樹脂組成物の硬化物のガ
ラス転移点が7℃上昇した。本発明では、エポキシ樹脂
に無機酸化物を反応させることで、硬化物の耐熱性(ガ
ラス転移点)を向上させることができた。従って、本発
明によって、耐熱性を有する樹脂封止材料を得ることが
できた。
【0070】実施例8 [樹脂組成物の作製方法] (1) 樹脂組成物は、下記表4に示す組成の原料を12
0℃で混合、撹拌してから、更にコニーダにより混練し
た後、粗粉砕して、半導体封止用樹脂組成物を作製し
た。
【0071】(2) 樹脂組成物〜については、始め
に、溶融シリカを乳鉢にて4時間摩砕した。次に、反応
容器にエポキシ樹脂初期縮合物を入れ、摩砕したシリカ
を、エポキシ樹脂初期縮合物20部に対して70部投入
した。そして、1℃/分の速度で昇温し、170℃で昇
温を止め、その温度を維持しつつ4時間撹拌して反応さ
せ、目的とする有機−無機ハイブリッド化物を得た。
【0072】(3) 樹脂組成物については、上記(2)で
得られた有機−無機ハイブリッド化物に、表4に示す2)
〜4)、6)〜7)の組成の原料を混合、撹拌後、更にコニー
ダにより混練した後、粗粉砕して、半導体封止用樹脂組
成物を作製した。
【0073】(4) 樹脂組成物及びについては、上記
(2)で得られた有機−無機ハイブリッド化物に、更に溶
融シリカをは64部、は122部を加えると同時
に、表4に示す2)〜4)、6)〜7)の組成の原料を混合、撹
拌後し、更にコニーダにより混練した後、粗粉砕して、
半導体封止用樹脂組成物を作製した。
【0074】[試験方法]上記の方法で得られた樹脂組
成物〜を硬化処理し、封止材として、以下の試験を
実施した。
【0075】(1) 線膨張係数:TMA法(Thermomechan
ical Analyzer 法)で測定した。
【0076】(2) 吸水率:48時間煮沸後の重量増加割
合を測定した。
【0077】(3) 耐湿性:120℃、100%RHで1
000時間放置後の、IC製品の不良品数/試験品の総
数で判定した。
【0078】(4) 耐熱性:−80℃から200℃まで温
度変化を繰り返した後の、IC製品の不良品発生サイク
ル数で判定した。
【0079】尚、アルミニウム配線が腐食により断線し
たものを不良品と判定した。
【0080】
【表4】
【0081】(1) 樹脂組成物を従来の方法で混合した場
合、溶融シリカの充填量が75重量%で流動性が悪く、
均質な混合物が得られなかったが、20重量部のエポキ
シ樹脂に70重量部の溶融シリカを反応させた本発明の
有機−無機ハイブリッド化物を主成分として用い、更に
溶融シリカを加えたところ、シリカを大量に混合しても
低粘度で、流動性が良好であり、85重量%のシリカを
含有した均質な封止材用樹脂組成物を得ることができ
た。
【0082】(2) 本発明では、従来の方法と比較し、よ
り多くのシリカ等の無機酸化物を、均質に混合すること
ができた。また、樹脂にシリカ等の無機酸化物を入れる
ほど、その樹脂の線膨張係数は低くなった。また、無機
酸化物の充填量が大きいと、吸水性の原因となるエポキ
シ 樹脂の含有割合が減ることになり、吸水性は低下し
た。従って、シリカ含有量の多い及びの樹脂組成物
を作製することで、低線膨張係数で、また耐湿性、耐水
性を有する樹脂封止材量を得ることができた。
【0083】(3) また、本発明では、エポキシ樹脂に無
機酸化物を反応させることで、硬化物の耐熱性(ガラス
転移点)を向上させることができ、従って、耐熱性を有
する樹脂封止材料を得ることができた。
【0084】実施例9 [樹脂組成物の作製方法] (1) 樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
初期縮合物(エピコート828、油化シェルエポキシ
(株)製)100部に溶融シリカ(マイクロンSO、
(株)マイクロン社製、平均粒径3μ)233.3部を
投入し、ロールで混練して得た。
【0085】(2) 樹脂組成物については、始めに、溶
融シリカ(マイクロンSO、(株)マイクロン社製、平
均粒径3μ)を乳鉢にて4時間摩砕した。次に、容器に
ビスフェノールA型エポキシ樹脂初期縮合物(エピコー
ト828、油化シェルエポキシ(株)製)を入れ、摩砕
したシリカを、エポキシ樹脂初期縮合物100部に対し
て233.3部投入した。そして、1℃/分の速度で昇
温し、170℃で昇温を止め、その温度を維持しつつ4
時間撹拌して反応させ、目的とする有機−無機ハイブリ
ッド化物を得た。
【0086】(3) 樹脂組成物については、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂初期縮合物(エピコート828、
油化シェルエポキシ(株)製)100部に超微粒シリカ
(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)13.
6部を投入し、ロールで混練して得た。
【0087】(4) 樹脂組成物については、始めに、超
微粒シリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)
製)を乳鉢にて4時間摩砕した。次に、容器にビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂初期縮合物(エピコート82
8、油化シェルエポキシ(株)製)を入れ、摩砕したシ
リカを、エポキシ樹脂初期縮合物100部に対して1
3.6部投入した。そして、1℃/分の速度で昇温し、
170℃で昇温を止め、その温度を維持しつつ4時間撹
拌して反応させ、目的とする有機−無機ハイブリッド化
物を得た。
【0088】[樹脂硬化物の作製方法]上記で得られた
樹脂組成物〜樹脂組成物について、アミン系硬化剤
(トリエチレンテトラミン)により表5に示す配合量及
び硬化条件で硬化させた。尚、硬化剤の最適配合量を決
定するために、樹脂組成物〜樹脂組成物のエポキシ
当量をISO−3001法により測定した。樹脂組成物
〜樹脂組成物のエポキシ当量を表5に併せて示す。
【0089】次に得られた樹脂硬化物〜樹脂硬化物
につき、DSC法によるガラス転移点(Tg)の測定を
行った。結果を表5に示す。
【0090】
【表5】
【0091】また、上記で得られた樹脂組成物〜樹脂
組成物に、酸無水物系硬化剤(リカシッドMH70
0、新日本理化(株)製)を表6に示す配合量で加え、
更に第三級アミン系硬化促進剤(アラルダイトDY07
0、日本チバガイギー(株)製)1部を加え、表6に示
す硬化条件で硬化させた。
【0092】次に得られた樹脂硬化物〜樹脂硬化物
につき、DSC法によるガラス転移点(Tg)の測定を
行った。結果を表6に示す。
【0093】
【表6】
【0094】表5及び表6から、次のことが判る。即
ち、エポキシ樹脂初期縮合物とシリカとを単に混合した
だけの樹脂組成物や樹脂組成物を主剤に用いた樹脂
硬化物、、及びと比較し、本発明の有機−無機
ハイブリッド化物であるやを主剤に用いた樹脂硬化
物、、及びは、硬化剤の種類とは無関係に高い
ガラス転移点を示した。
【0095】実施例10 [樹脂組成物の作製方法] (1) 樹脂組成物Aについては、始めに、溶融シリカ
((株)マイクロン社製、平均粒径20μ)を乳鉢にて
4時間摩砕した。次に、容器にビフェニル型エポキシ樹
脂初期縮合物(エピコートYX4000H、油化シェル
エポキシ(株)製)を入れ、摩砕したシリカを、エポキ
シ樹脂初期縮合物20部に対して80部投入した。そし
て、1℃/分の速度で昇温し、170℃で昇温を止め、
その温度を維持しつつ4時間撹拌して反応させ、目的と
する有機−無機ハイブリッド化物を得た。
【0096】(2) 樹脂組成物Bについては、始めに、溶
融シリカ((株)マイクロン社製、平均粒径20μ)を
乳鉢にて4時間摩砕した。次に、容器にフェノールノボ
ラック樹脂(フェノライトTD2131、大日本インキ
化学工業(株)製)を入れ、摩砕したシリカを、フェノ
ールノボラック樹脂30部に対して70部投入した。そ
して、2℃/分の速度で昇温し、170℃で昇温を止
め、その温度を維持しつつ4時間撹拌して反応させ、目
的とする有機−無機ハイブリッド化物を得た。
【0097】(3) 樹脂組成物は、120℃に昇温した
ビフェニル型エポキシ樹脂に、120℃に昇温したフェ
ノールノボラック樹脂、2−メチルイミダゾール及び溶
融シリカを入れ、攪拌して得られた。
【0098】(4) 樹脂組成物は、120℃に昇温した
樹脂組成物Aに、120℃に昇温したフェノールノボラ
ック樹脂、2−メチルイミダゾール及び溶融シリカを入
れ、攪拌して得られた。
【0099】(5) 樹脂組成物は、120℃に昇温した
樹脂組成物Aに、120℃に昇温した樹脂組成物B、2
−メチルイミダゾール及び溶融シリカを入れ、攪拌して
得られた。
【0100】[試験方法] (1) 粘度:得られた樹脂組成物の120℃での粘度を測
定した。
【0101】(2) ガラス転移点:樹脂組成物、、
を成形型内に注入し、160℃で3時間硬化させて得ら
れた、成形品について、そのガラス転移点をDSC法に
て測定した。
【0102】結果を表7に示す。
【0103】
【表7】
【0104】表7から、次のことが判る。
【0105】(1) エポキシ樹脂とシリカとを混合しただ
けのと比較し、本発明の有機−無機ハイブリッド化物
(ビフェニル型エポキシ樹脂−溶融シリカハイブリッド
化物)が配合されたの粘度が非常に低く、ビフェニル
型エポキシ樹脂−溶融シリカハイブリッド化物にフェノ
ールノボラック樹脂−溶融シリカハイブリッド化物が配
合されたの粘度は更に低かった。
【0106】(2) 及びの樹脂組成物を硬化しそのガ
ラス転移点を測定した結果では、樹脂組成物より得ら
れた硬化物に比べ、ガラス転移点が向上していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 久仁朗 滋賀県八日市市紫原南町1500−5 敷島紡 績株式会社中央研究所内 (72)発明者 佐和 浩志 滋賀県八日市市紫原南町1500−5 敷島紡 績株式会社中央研究所内 (72)発明者 安田 純 滋賀県八日市市紫原南町1500−5 敷島紡 績株式会社中央研究所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂初期縮合物と無機酸化物粉
    末とが結合した有機−無機ハイブリッド化物であって、
    該有機−無機ハイブリッド化物の硬化物のガラス転移点
    が、上記と同一のエポキシ樹脂初期縮合物の硬化物のガ
    ラス転移点に比し、3℃以上高いものであることを特徴
    とする有機−無機ハイブリッド化物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂初期縮合物がビスフェノー
    ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
    脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
    樹脂、臭素化型エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エ
    ポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、脂環式
    型エポキシ樹脂及び複素環式型エポキシ樹脂からなる群
    より選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の有
    機−無機ハイブリッド化物。
  3. 【請求項3】 無機酸化物粉末がシリカ、アルミナ、酸
    化チタン、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種の粉末である請求項1又は請
    求項2に記載の有機−無機ハイブリッド化物。
  4. 【請求項4】 無機酸化物粉末がシリカ粉末又はアルミ
    ナ粉末である請求項1又は請求項2に記載の有機−無機
    ハイブリッド化物。
  5. 【請求項5】 無機酸化物粉末がシリカ粉末である請求
    項1又は請求項2に記載の有機−無機ハイブリッド化
    物。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂初期縮合物とシリカ粉末と
    が結合した有機−無機ハイブリッド化物であって、該有
    機−無機ハイブリッド化物の硬化物のガラス転移点が、
    上記と同一のエポキシ樹脂初期縮合物の硬化物のガラス
    転移点に比し、5℃以上高いものである請求項5に記載
    の有機−無機ハイブリッド化物。
  7. 【請求項7】 有機−無機ハイブリッド化物の硬化物の
    ガラス転移点が、上記と同一のエポキシ樹脂初期縮合物
    の硬化物のガラス転移点に比し、10℃以上高い請求項
    6に記載の有機−無機ハイブリッド化物。
  8. 【請求項8】 無機酸化物粉末がアルミナ粉末である請
    求項1又は請求項2に記載の有機−無機ハイブリッド化
    物。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂初期縮合物とアルミナ粉末
    とが結合した有機−無機ハイブリッド化物であって、該
    有機−無機ハイブリッド化物の硬化物のガラス転移点
    が、上記と同一のエポキシ樹脂初期縮合物の硬化物のガ
    ラス転移点に比し、3℃以上高い請求項8に記載の有機
    −無機ハイブリッド化物。
  10. 【請求項10】 無機酸化物粉末の平均粒径が8μ以下
    である請求項1〜請求項9に記載の有機−無機ハイブリ
    ッド化物。
  11. 【請求項11】 有機−無機ハイブリッド化物がエポキ
    シ樹脂初期縮合物と無機酸化物粉末とを攪拌して得られ
    るものである請求項1〜請求項10に記載の有機−無機
    ハイブリッド化物。
  12. 【請求項12】 エポキシ樹脂初期縮合物と表面活性化
    処理された無機酸化物粉末との混合物を攪拌処理するこ
    とを特徴とする請求項1記載の有機−無機ハイブリッド
    化物の製造方法。
  13. 【請求項13】 表面活性化処理が無機酸化物粉末を摩
    擦することにより行われたものである請求項12に記載
    の有機−無機ハイブリッド化物の製造方法。
  14. 【請求項14】 表面活性化処理がSiO結合を切断処
    理するものである請求項12に記載の有機−無機ハイブ
    リッド化物の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の有機−無機ハイブリッ
    ド化物からなる塗料用バインダー又はベース樹脂。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の有機−無機ハイブリッ
    ド化物を含有する半導体封止材用樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の有機−無機ハイブリッ
    ド化物及び硬化剤が配合された半導体封止材用樹脂組成
    物。
  18. 【請求項18】 硬化剤が硬化剤と無機酸化物粉末とが
    結合した有機−無機ハイブリッド化物である請求項17
    に記載の半導体封止材用樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 硬化剤がフェノール樹脂と無機酸化物
    粉末とが結合した有機−無機ハイブリッド化物である請
    求項17に記載の半導体封止材用樹脂組成物。
JP1366697A 1996-02-16 1997-01-28 有機−無機ハイブリッド化物、その製造方法及びその用途 Pending JPH1095901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1366697A JPH1095901A (ja) 1996-02-16 1997-01-28 有機−無機ハイブリッド化物、その製造方法及びその用途

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2955096 1996-02-16
JP8-203346 1996-08-01
JP8-29550 1996-08-01
JP20334696 1996-08-01
JP1366697A JPH1095901A (ja) 1996-02-16 1997-01-28 有機−無機ハイブリッド化物、その製造方法及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1095901A true JPH1095901A (ja) 1998-04-14

Family

ID=27280353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1366697A Pending JPH1095901A (ja) 1996-02-16 1997-01-28 有機−無機ハイブリッド化物、その製造方法及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1095901A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140124792A (ko) 2012-01-23 2014-10-27 아지노모토 가부시키가이샤 수지 조성물
JP2015178627A (ja) * 2015-05-22 2015-10-08 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エポキシ樹脂及び分散プロセスのための金属安定剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140124792A (ko) 2012-01-23 2014-10-27 아지노모토 가부시키가이샤 수지 조성물
JP2015178627A (ja) * 2015-05-22 2015-10-08 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エポキシ樹脂及び分散プロセスのための金属安定剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6032197B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR100976303B1 (ko) 마이크로캡슐형 에폭시 수지용 경화제, 마스터배치형에폭시 수지용 경화제 조성물, 일액성 에폭시 수지 조성물,및 가공품
JP3734602B2 (ja) エポキシ樹脂組成物および半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JPH0138131B2 (ja)
JP3104589B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置
TWI542628B (zh) 一液型環氧樹脂組成物
JP3719469B2 (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3924875B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JP3509236B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体封止材料
JPH1095901A (ja) 有機−無機ハイブリッド化物、その製造方法及びその用途
TW201841972A (zh) 硬化性樹脂組成物、其硬化物及硬化性樹脂組成物之製造方法
JP2000239489A (ja) 封止材用液状エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2021113270A (ja) 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、及び、これらに用いる無機粒子
JPH07247409A (ja) エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂混合物の製造方法及び半導体封止材料
JP2003327666A (ja) エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置
JP4417494B2 (ja) エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JP2000103838A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP4435342B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP3731585B2 (ja) エポキシ樹脂の製造方法
JPH0521651A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料
JPS60226522A (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH05291436A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料
JPH0841294A (ja) 絶縁性樹脂ペースト及び半導体装置
JPH11289033A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JP3262120B2 (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及びicパッケージ