JP4036839B2 - 目地部用屋根 - Google Patents

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本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の目地部に取付けられる目地部用屋根に関する。
従来のこの種の目地部用屋根は、一方の建物が低い場合には庇を設けたり、ほぼ同じ高さの場合には笠木装置を用いている。
このため、異なる左右方向の大きな揺れ動き時に外方へ突出したり、その動きを吸収できず損傷するという欠点があった。
特許第3160557
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、異なる左右方向の大きな揺れ動きを目地部内で吸収して、外方へ突出したり、損傷したりするのを確実に防止することができる目地部用屋根を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の該目地部に屋根を取付ける部位の一方の建物の目地部側の躯体に、一端部が水平方向の枢支軸で枢支され、中間部も水平方向の枢支軸で枢支された山形状で他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接可能な回動可能な屋根プレートと、この屋根プレートの下部位置の一方の建物の目地部側の躯体に一端部が取付けられ、他端部が該屋根プレートの他端部が取付けられた少なくとも1個以上の常時伸長するように付勢された伸縮可能な支持体と、前記屋根プレートの他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接、あるいはわずかな隙間を介して位置するように設けられたストッパー機構とで目地部用屋根を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)屋根を取付ける部位の一方の建物の目地部側の躯体に、一端部が水平方向の枢支軸で枢支され、中間部も水平方向の枢支軸で枢支された山形状で他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接可能な回動可能な屋根プレートと、この屋根プレートの下部位置の一方の建物の目地部側の躯体に一端部が取付けられ、他端部が該屋根プレートの他端部が取付けられた少なくとも1個以上の常時伸長するように付勢された伸縮可能な支持体と、前記屋根プレートの他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接、あるいはわずかな隙間を介して位置するように設けられたストッパー機構とで構成されているので、目地部が狭くなるように揺れ動いた場合には、屋根プレートの中間部が上方へ突出するとともに、支持体が収縮してその揺れ動きを吸収し、目地部が広くなるように揺れ動いた場合には、一方の建物の目地部側の躯体と一体となって他方の建物の目地部側の躯体より離れ、その揺れ動きを吸収することができる。
したがって、大きな左右方向の揺れ動きを目地部内で確実に吸収することができる。
(2)前記(1)によって、左右の建物の目地部側の躯体間に取付けることができる。
したがって、最適な高さ位置に屋根を設置することができる。
(3)前記(1)によって、構造が簡単で、容易に設置することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
(5)請求項3は屋根プレートを伝わって流れる雨水等を、左右の樋に集めて排水することができる。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態より、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図8に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の建物3、3の目地部2を覆うように設けられた本発明の目地部用屋根で、この目地部用屋根1は前記左右の建物3、3の屋根を取付ける部位の一方の建物3の目地部側の躯体3aに複数本のビス4等によって固定されるC字状の軸受5および樋6が形成された取付け金具7と、この取付け金具7の軸受5に玉縁形状の枢支軸8が形成された一端部が回動可能に枢支され、中間部である中央部も水平方向の枢支軸9およびC字状の軸受10で枢支された山形状で他端部が他方の建物3の目地部側の躯体3aに当接可能な回動可能な屋根プレート11と、この屋根プレート11の下部位置の一方の建物3の目地部側躯体3aに固定された、コ字状の取付け金具12に一端部が枢支ピン13で枢支され、他端部が該屋根プレート11の他端部の枢支軸14に回動可能に取付けられたC字状の軸受部15が形成された取付板16に固定されたコ字状の取付け金具12に枢支ピン13で枢支された四角枠リンク形状の支持リンク17、この支持リンク17を常時突出方向に付勢する付勢スプリング18とからなる複数個の伸縮可能な支持体19と、前記屋根プレート11の他端部が他方の建物3の目地部側躯体3aに当接、あるいはわずかな隙間を介して位置するように取付けられたワイヤー20を用いたストッパー機構21と、前記屋根プレート11の他端部より落下する雨水等を受ける、前記支持体19の下部位置の他方の建物3の目地部側躯体3aに取付けられた樋22と、前記支持体19の支持リンク17の中央部の枢支部23、23に取付けられた、前記屋根プレート11を支持する支持杆24とで構成されている。
上記構成の目地部用屋根1は、目地部2が狭くなるように地震等で揺れ動いた場合には、図7に示すように複数個の支持体19と屋根プレート11の他端部が他方の建物3の目地部側の躯体3aによって押し圧されるため、複数個の支持体19は収縮するとともに、屋根プレート11は中央部が上方へ突出して、目地部2内でその揺れ動きを吸収する。
また、目地部2が広くなるように地震等で揺れ動いた場合には、図8に示すように複数個の支持体19、屋根プレート11の他端部は他方の建物3の目地部側躯体3aより離れて、その揺れ動きを目地部2内で吸収する。
なお、揺れ動きが停止すると元の状態に自動的に戻る。
なお、本発明を実施する形態では複数個の支持体19を用いるものについて説明したが、短い屋根の場合には1個の支持体でもよい。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図9ないし図20に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、中央部が枢支ピン25、25で枢支された支持リンク17A、17Aの両端部を、それぞれコ字状の取付け金具12、12、12、12および枢支ピン13、13、13、13で一方の建物3の目地部側躯体3aと取付板16に取付けた複数個の支持体19Aを用いるとともに、中央部を両端部にC字状の軸受26、26が形成されたヒンジ部材27を用いた屋根プレート11Aを用いた点で、このように形成された複数個の支持体19Aと屋根プレート11Aを用いて構成した目地部用屋根1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態と主に異なる点は、遊端部である他端部側が小さな高さ寸法で、枢支部である後端部側が大きな高さ寸法となる支持リンク17B、17Bを使用する複数個の支持体19Bを用いた点で、このような複数個の支持体19Bを用いて構成した目地部用屋根1Bにしても、前記本発明を実施するための第2の形態と同様な作用効果が得られる。
図15ないし図17に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第3の形態と主に異なる点は、一方の建物3の上端部の目地部側の躯体3aに取付けるとともに、支持リンク17B、17Bの枢支部23、23にあらかじめ設定された角度以上に開放するのを阻止するストッパー機構としてのストッパー片28、28を取付けた複数個の支持体19Cと、該支持体19Cの下部位置の一方の建物3の目地部側躯体3aに樋22を設けた点で、このように構成した目地部用屋根1Cにしても、前記本発明を実施するための第3の形態と同様な作用効果が得られる。
図18ないし図20に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、三脚等で使用されている伸縮可能な3本以上の伸縮軸29、30、31と、この伸縮軸29、30、31を常時突出方向に付勢する内部に収納された付勢スプリング32とからなる複数個の支持体19Dを用いた点で、このような複数個の支持体19Dを用いて構成した目地用屋根1Dにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記本発明を実施するための各形態では、屋根プレート11、11Aの両端部には枢支部材として蝶番を用いてもよい。
また、中央部の枢支部材にも蝶番を用いてもよいが、この場合には雨水が下部へ漏れないようなカバーを上部に設ける処理が必要となる。
さらに、前記本発明を実施するための各形態では、中央部に枢支部を設けた屋根プレートを用いたが、本発明はこれに限らず、中央部より左右にずれた部位に中央枢支部を設けた屋根プレートを用いてもよい。
本発明は目地部用屋根を製造する産業で利用される。
本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の底面図。 図1の3−3線に沿う拡大断面図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の取付け金具の説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の屋根プレートの説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の支持体の説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が狭くなった動作説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が広くなった動作説明図。 本発明を実施するための第2の形態の正面図。 本発明を実施するための第2の形態の底面図。 本発明を実施するための第2の形態の支持体の説明図。 本発明を実施するための第3の形態の正面図。 本発明を実施するための第3の形態の底面図。 本発明を実施するための第3の形態の支持体の説明図。 本発明を実施するための第4の形態の正面図。 本発明を実施するための第4の形態の底面図。 本発明を実施するための第4の形態の支持体の説明図。 本発明を実施するための第5の形態の正面図。 本発明を実施するための第5の形態の底面図。 本発明を実施するための第5の形態の支持体の説明図。
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D:目地部用屋根、
2:目地部、 3:建物、
4:ビス、 5:軸受、
6:樋、 7:取付け金具、
8:枢支軸、 9:枢支軸、
10:軸受、 11、11A:屋根プレート、
12:コ字状の取付け金具、 13:枢支ピン、
14:枢支軸、 15:軸受部、
16:取付板、
17、17A、17B:支持リンク、
18:付勢スプリング、
19、19A、19B、19C、19D:支持体、
20:ワイヤー、 21:ストッパー機構、
22:樋、 23:枢支部、
24:支持杆、 25:枢支ピン、
26:軸受、 27:ヒンジ部材、
28:ストッパー片、 29、30、31:伸縮軸、
32:付勢スプリング。

Claims (3)

  1. 目地部を介して設けられた左右の建物の、該目地部に屋根を取付ける部位の一方の建物の目地部側の躯体に、一端部が水平方向の枢支軸で枢支され、中間部も水平方向の枢支軸で枢支された山形状で他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接可能な回動可能な屋根プレートと、この屋根プレートの下部位置の一方の建物の目地部側の躯体に一端部が取付けられ、他端部が該屋根プレートの他端部が取付けられた少なくとも1個以上の常時伸長するように付勢された伸縮可能な支持体と、前記屋根プレートの他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接、あるいはわずかな隙間を介して位置するように設けられたストッパー機構とを備えることを特徴とする目地部用屋根。
  2. 目地部を介して設けられた左右の建物の、該目地部に屋根を取付ける部位の一方の建物の目地部側の躯体に、一端部が水平方向の枢支軸で枢支され、中間部も水平方向の枢支軸で枢支された山形状で他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接可能な回動可能な屋根プレートと、この屋根プレートの下部位置の一方の建物の目地部側の躯体に一端部が枢支され、他端部が該屋根プレートの他端部が枢支された少なくとも2個以上の常時伸長するように付勢された伸縮可能なリンク機構を用いた支持体と、前記屋根プレートの他端部が他方の建物の目地部側の躯体に当接、あるいはわずかな隙間を介して位置するように、前記少なくとも2個以上の支持体の伸長をそれぞれ阻止するストッパー機構とを備えることを特徴とする目地部用屋根。
  3. 屋根プレートから流れる雨水を受けることができるように、左右の建物の目地部側の躯体に、左右の樋が設けられていることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載の目地部用屋根。
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