JP4036705B2 - 鋼製天井野縁の吊り構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、天井材を取り付ける鋼製野縁を吊り下げ支持する技術として好適な鋼製天井野縁の吊り構造に関する。
【0002】
【背景の技術】
天井の吊り構造として、下部に天井材を取り付けた鋼製野縁を、天井梁から垂下した木製の吊り木に連結することで天井材を吊り上げ支持する構造が知られている。
【0003】
このように、天井の吊り構造に鋼製野縁を使用することで、それらの部材のスパンが長くても撓まず、十分に吊り木に支持された状態で天井材が撓んだり、天井材の下面が下がることがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、野縁が吊り木と同様の木製部材であれば、釘打ち等の締結手段で野縁及び吊り木の両者を連結し、簡単に天井の施工を行うことができるが、上述したように鋼製野縁を使用すると、木製の吊り木に対して鋼製野縁を簡単に連結することが難しい。
【0005】
よって、本発明の課題は、鋼製野縁と木製の吊り木の連結作業を簡単に行うことができて天井の施工作業を効率良く行うことができ、しかも制作容易な金属部材を用いて実現できる鋼製天井野縁の吊り構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、天井材が取り付けられる鋼製野縁と、天井梁に固定された吊り木と、その吊り木に固定されて前記鋼製野縁を吊り下げ支持する鋼製支持板とを含む鋼製天井野縁の吊り構造であって、前記鋼製野縁は、リップ片間の開口部が上方を向くように配置されたリップ溝型鋼で形成され、前記鋼製支持板は、前記吊り木に固定される第1支持板と、その第1支持板に上部が連結されると共に下部が前記鋼製野縁の溝内に位置して鋼製野縁の長手方向にのみ移動可能な第2支持板とを備えており、
前記第1支持板は、前記吊り木に対してねじ部材で固定される固定板部と、前記鋼製野縁の上部に当接する押圧板部と、その押圧板部と前記固定板部との間に設けられ、前記第2支持板の一部が挿入されて掛止めされる挿入口とを備えている。
【0007】
この発明によれば、鋼製野縁の溝内に係合して第2支持板を移動させることで、吊り木に対する鋼製支持板の配置位置を自由に調整することができる。また、鋼製野縁にリップ溝型鋼を用い、第2支持板の下部を鋼製野縁の溝内に位置させる構造とすることで鋼製支持板の単純化を図ることができる。
【0008】
また、他方の第2支持板は、前記鋼製野縁の溝内の断面形状と略同一の形状を有し、その鋼製野縁の長手方向に移動自在な係合板部と、その係合板部から前記鋼製野縁の開口部を通過して上方に延び、前記挿入口から挿入可能に逆L形状に屈曲形成されたクリップ部を有する連結板部とを備える構成とすることができる。
【0009】
そして、前記第1支持板は前記挿入口に沿って形成されたクリップ支持部を有し、第2支持板のクリップ部を、前記クリップ支持部に弾性変形させながら上部から嵌合することで、前記第1支持板の押圧板部及び前記第2支持板の係合板部が前記鋼製野縁のリップ部を上下から挟み込んで前記第2支持板の前記鋼製野縁の長手方向への移動を拘束することが好ましい。
【0010】
このようにすると、第2支持板が鋼製野縁の溝内に係合して移動し、位置決めが完了したときに、第2支持板を第1支持板に連結することで前記鋼製野縁の長手方向への移動が拘束されるので、鋼製支持板の位置決めが簡単になる。
【0011】
また、第2支持板のクリップ部を弾性変形し、第1支持板のクリップ支持部に上部から嵌合して第2及び第1支持板を一体に連結するだけで、押圧板部及び係合板部がリップ部を挟み込んで鋼製支持板が鋼製野縁の長手方向へ移動するのを拘束するので、鋼製野縁に対する鋼製支持板の固定作業を簡単に行うことができる。
【0012】
また、前記第2支持板の前記連結板部の一部を切り欠いて中爪を形成し、この中爪に対向する前記第1支持板の所定位置に係合孔を形成し、前記中爪を前記係合孔内部を通過するように折り曲げて、その折り曲げ先端部を、第1支持板の前記押圧板部に当接させるようにしてもよい。
【0013】
このようにすると、鋼製野縁のリップ部を上方から押圧している押圧板部の力を確実に保持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して本発明の実施の形態に係る鋼製天井の吊り構造について説明する。
【0015】
図1の符号2は、下部に天井材としての石膏ボード4を取り付けた鋼製野縁である。鋼製野縁2は、天井梁(図示せず)から垂下した木製の吊り木6に鋼製支持板8を介して吊り下げ支持されている。
【0016】
鋼製野縁2は、リップ片2a、2bの間の開口部が水平方向を向いているリップみぞ形鋼により構成されている。鋼製支持板8は、第2支持板10と、第1支持板12とで構成されている。
【0017】
第2支持板10は板状部材であり、鋼製野縁2の溝2c内の横断面形状と略同一の形状を有して溝2c内を摺動自在な係合板部10aと、この係合板部10aから鋼製野縁2の開口部を通過して上方に延び、最上部に弾性変形自在な逆L字形状のクリップ部10bを形成している連結板部10cとを備えている。
【0018】
また、第1支持板12は、鋼製野縁2のリップ部2a、2bの上面に当接する押圧板部12aと、この押圧板部12aの上部で開口してクリップ部10bが内部を通過する挿入口12bと、この挿入口12bの下縁から水平に突出しているクリップ支持部12cと、複数のねじ孔12eとを備えている。
【0019】
そして、第2支持板10のクリップ部10bを弾性変形し、第1支持板12のクリップ支持部12cに上部から嵌合して第2及び第1支持板10、12を一体に連結すると、第1支持板12の押圧板部12aが鋼製野縁2のリップ部2a、2bを上方から押圧し、第2支持板10の係合板部10bがリップ部2a、2bを下方から押圧し、これら押圧板部12a及び係合板部10bがリップ部2a、2bを挟み込むことで、鋼製支持板8が鋼製野縁2の長手方向へ移動するのを拘束する。
【0020】
ここで、第2支持板10の連結板部10cの一部を切り欠いて中爪10dが形成されている。また、第1支持板12の中爪10dに対応する位置に、係合孔12dが形成されている。
【0021】
また、第2及び第1支持板10、12を一体に連結した後に、図2に示すように、釘等の細長部材14を使用して中爪10dが係合孔12d内部を通過するように折り曲げて、その中爪10dの折り曲げ先端部を、第1支持板12の押圧板部12aに当接している。
【0022】
そして、第2の鋼製支持板12のねじ孔12eを通過したビス16を吊り木6に留めることで、鋼製支持板8を吊り木6に連結する。
【0023】
このような鋼製天井の吊り構造によると、鋼製野縁3が延在する方向(長手方向)の水平方向に鋼製支持板8を移動させることで、吊り木6に対する鋼製支持板8の配置位置を自由に調整することができる。これにより、鋼製支持板8の位置決めが簡単になるとともに、吊り木6に対する鋼製野縁2の固定作業も簡単に行うことができる。したがって、天井の施工作業を効率良く行うことができる。
【0024】
また、簡単な構造の第2支持板10と第1支持板12とで鋼製支持板8を構成しているので、コストの低減化を図ることができる。
【0025】
また、第2支持板10のクリップ部10bを弾性変形し、第1支持板12のクリップ支持部12cに上部から嵌合して第2及び第1支持板10、12を一体に連結するだけで、押圧板部12a及び係合板部10bがリップ部2a、2bを挟み込んで鋼製支持板8が鋼製野縁2の長手方向へ移動するのを拘束するので、鋼製野縁2に対する鋼製支持板8の固定作業を簡単に行うことができる。
【0026】
さらに、第2及び第1支持板10、12を一体に連結した後に、中爪10dを係合孔12d内部を通過するように折り曲げて、その中爪10dの折り曲げ先端部が第1支持板12の押圧板部12aに当接しているので、鋼製野縁2のリップ部2a、2bを上方から押圧する押圧板部12aの力を確実に保持することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋼製野縁と木製の吊り木の連結作業を簡単に行うことができて天井の施工作業を効率良く行うことができ、しかも制作容易な鋼製支持板を用いて実現できる鋼製天井野縁の吊り構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼製天井野縁の吊り構造を示す斜視図である。
【図2】鋼製支持板を構成している第2及び第1支持板を側面から示した図である。
【符号の説明】
2 鋼製野縁
2a、2b リップ片
2c 溝
4 石膏ボード(天井材)
6 木製の吊り木
8 鋼製支持板
10 第2支持板
10a 係合板部
10b クリップ部
10c 連結板部
10d 中爪
12 第1支持板
12a 押圧板部
12b 開口部
12c クリップ支持部
12d 係合孔
12e 複数のねじ孔
Claims (4)
- 天井材が取り付けられる鋼製野縁と、天井梁に固定された吊り木と、その吊り木に固定されて前記鋼製野縁を吊り下げ支持する鋼製支持板とを含む鋼製天井野縁の吊り構造であって、
前記鋼製野縁は、リップ片間の開口部が上方を向くように配置されたリップ溝型鋼で形成され、前記鋼製支持板は、前記吊り木に固定される第1支持板と、その第1支持板に上部が連結されると共に下部が前記鋼製野縁の溝内に位置して鋼製野縁の長手方向にのみ移動可能な第2支持板とを備えており、
前記第1支持板は、前記吊り木に対してねじ部材で固定される固定板部と、前記鋼製野縁の上部に当接する押圧板部と、その押圧板部と前記固定板部との間に設けられ、前記第2支持板の一部が挿入されて掛止めされる挿入口とを備えていることを特徴とする、鋼製天井野縁の吊り構造。 - 請求項1記載の鋼製天井野縁の吊り構造において、
前記第2支持板は、前記鋼製野縁の溝内の断面形状と略同一の形状を有し、その鋼製野縁の長手方向に移動自在な係合板部と、その係合板部から前記鋼製野縁の開口部を通過して上方に延び、前記挿入口から挿入可能に逆L形状に屈曲形成されたクリップ部を有する連結板部とを備えていることを特徴とする、鋼製天井野縁の吊り構造。 - 請求項2記載の鋼製天井野縁の吊り構造において、
前記第1支持板は前記挿入口に沿って形成されたクリップ支持部を有し、第2支持板のクリップ部を、前記クリップ支持部に弾性変形させながら上部から嵌合することで、前記第1支持板の押圧板部及び前記第2支持板の係合板部が前記鋼製野縁のリップ部を上下から挟み込んで前記第2支持板の前記鋼製野縁の長手方向への移動を拘束していることを特徴とする鋼製天井野縁の吊り構造。 - 請求項2または3に記載の鋼製天井野縁の吊り構造において、
前記第2支持板の前記連結板部の一部を切り欠いて中爪を形成し、その中爪に対向する前記第1支持板の所定位置に係合孔を形成し、前記中爪を前記係合孔内部を通過するように折り曲げて、その折り曲げ先端部を、前記押圧板部に当接させることを特徴とする鋼製天井野縁の吊り構造。
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