JP4035946B2 - わさび風味の菜の花の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、菜の花の茎と花の蕾を加工し、冷凍食品として提供されるわさび風味の菜の花の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、わさびの茎は、わさび漬けの原料として用いられたり、ペースト状に加工されて、辛みの薬味として食されたりしている。又、菜の花(アブラナの花)は、菜種油を搾り取るための実が利用されるのが一般的であるが、花の蕾が出始めた時の茎の緑と蕾の黄色のコントラストが料理に彩りを添えることから、緑黄野菜の独特の臭みを取り、さらに、茎を柔らかくするためにボイルして、おしたし等の小皿料理や、油で揚げて、天ぷらのネタとして用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、菜の花の茎と花の蕾部分は、ボイルすると緑黄野菜の独特の臭みは消え、茎は柔らかくなり食べやすくなるものの、今一つ味が物足りなく、さらに、菜の花の蕾の時期が比較的短く、菜種油を搾り取るための実が利用されるのが一般的であるため、菜の花が蕾の時期に収穫される量は極めて少なく、一般家庭で料理されたり、食されることは極めて稀である。
【0004】
なお、のわさびの茎を利用したわさび風味を混入した加工食品はあるものの、菜の花とわさびの茎を和えたものは知られていない。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、収穫時期に関係なく、調理されたわさびの風味と辛みを効かしたわさび風味の菜の花の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、菜の花の茎と花の蕾部分を適度の大きさに整え、続いて弱塩水で、所定時間ボイルした後に、急速冷凍処理し、続いて凍結した菜の花に対してアブラナ科に属するわさびの根茎の粉砕片と調味料とを適量加え、袋詰めにすることを特徴としている。
@この特徴によれば、菜の花の茎と花の蕾部分を弱塩水で所定時間ボイルすることで、緑黄野菜の独特の臭みを消し、茎を柔らかくし、次にこの茎を急速冷凍し、凍結させる。この凍結された茎を解凍するとともに、わさびと調味料を混ぜ合わせることにより、これらわさび風味と調味料とが菜の花の茎内に容易に染み込むことになる。
【0007】
本発明のわさび風味の菜の花の製造方法は、前記調味料が化学調味料及びだし調味料であることが好ましい。
@このようにすれば、菜の花の茎と花の蕾部分の素材の味に、調味料の質や量を加減することで、味に濃淡を加えることができる。
【0008】
本発明のわさび風味の菜の花の製造方法は、前記原材料及び前記調味料を袋詰めした後に真空包装することが好ましい。
@このようにすれば、原材料及び調味料が空気に触れないため、長期間の保存が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1〜図5は本発明の実施例としてのわさび風味の菜の花を作るための装置と手順であり、適当な大きさにカットされた菜の花の茎と花の蕾部分からわさび風味の菜の花が出来るまでの全工程が順に示されている。
【0010】
図1に示されているアブラナ1は、図中右側に示されているように、アブラナ1の蕾3と、がく5と、茎4とからなる菜の花2の部分を適当な大きさにカットされ、さらに、水洗いした後、この菜の花2部分を次の図2に示されているメッシュ篭17に投入されるとともに、70℃〜90℃に保たれた弱塩水の湯7が入っているボイル機6で5分〜10分ボイルされる。
【0011】
このボイル工程によって、緑黄野菜の独特の臭みは消え、茎は柔らかくなり、食べやすくなる。この菜の花2は、図中上方に示されているように、ボイル処理後、菜の花の色合いを保つために急速冷凍される。この急速冷凍は−10℃〜−30℃が適当である。
【0012】
図3には、わさびの根茎8の粉砕片を製造するための工程が示されており、わさびの根茎8は、図中央に示されているミキサー機9に投入されると、ミキサー機内の回転刃10の回転によって粉砕される。この粉砕状態は、わさびの根茎8小片が残る程度が好ましい。
【0013】
図4には、菜の花にわさび風味付けと味付けとの工程が示されており、前述のわさびの根茎8の粉砕片11と冷凍された菜の花2とを常温のもとで適量づつ容器20に入れ、化学調味料14及びだし調味料15を適量投入し、混ぜ合わせる。
【0014】
この容器20に化学調味料14及びだし調味料15を投入することにより、冷凍菜の花の常温解凍により浸みだした水分と前記調味料14,15とが解け合い、この調味料液と菜の花内の水分との浸透圧の関係で適度な調味料液が菜の花内に染み込むことになるとともに、わさびの根茎8の粉砕片11から浸み出るわさび風味や辛みも菜の花内に染み込む。
【0015】
この調味料の質や量を加減することで、例えば、味の濃い和風だしや味の薄い和風だしを使用する等、消費者の所望する味の菜の花料理を取り揃えることができる。なお、菜の花料理の味は和風味が好ましい。
【0016】
さらに、混ぜ合わされたわさびの根茎8の粉砕片11と冷凍された菜の花2と化学調味料14及びだし調味料15は、図5に示されているように、所定の量を計測されて小袋13に分けられ、この小袋13内を真空状態に処理されるとともに、冷凍庫で冷凍処理される。
【0017】
また、前述の小袋13は、上方に開口部を有し、この開口部周囲近傍に開閉自在のジッパー16が形成されており、さらに、袋内のわさび風味の菜の花を食するために開封されるまでは、密封状態を維持するため、熱処理された密封帯18がジッパー16に沿うように形成されている。なお、小袋13上方の開口部周囲近傍の表面には商品名(菜の花わさび)等を印刷することで広告効果も期待できる。
【0018】
このように小袋13を真空包装されるとともに、冷凍処理されることで、小袋内の調理済みわさび風味の菜の花が空気に触れないため、長期間の保存が可能となるとともに、それぞれの風味が損なわれることなく保存され、解凍処理するだけで、収穫時期以外の季節にも調理済みのわさび風味の菜の花料理を食することができるため、一般家庭でも気軽に食することができる。
【0019】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0021】
(a)請求項1項の発明によれば、菜の花の茎と花の蕾部分を弱塩水で所定時間ボイルすることで、緑黄野菜の独特の臭みを消し、茎を柔らかくし、次にこの茎を急速冷凍し、凍結させる。この凍結された茎を解凍するとともに、わさびと調味料を混ぜ合わせることにより、これらわさび風味と調味料とが菜の花の茎内に容易に染み込むことになる。
【0022】
(b)請求項2項の発明によれば、菜の花の茎と花の蕾部分の素材の味に、調味料の質や量を加減することで、味に濃淡を加えることができる。
【0023】
(c)請求項3項の発明によれば、原材料及び調味料が空気に触れないため、長期間の保存が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のわさび風味の菜の花の製造方法に適用されたアブラナとアブラナの花の斜視図である。
【図2】本発明のわさび風味の菜の花の製造方法に適用された菜の花のボイル機の断面図である。
【図3】本発明のわさび風味の菜の花の製造方法に適用されたわさびの根茎加工の概略図である。
【図4】菜の花にわさび風味付けと味付けとの工程の概略図である。
【図5】調理済みわさび風味の菜の花の小袋の冷凍真空包装の概略図である。
【符号の説明】
1 アブラナ
2 花
3 蕾
4 茎
5 がく
6 ボイル機
7 湯
8 わさびの根茎
9 ミキサー機
10 回転刃
11 粉砕片
13 小袋
14 化学調味料
15 だし調味料
16 ジッパー
17 メッシュ篭
18 密封帯
20 容器
Claims (3)
- 菜の花の茎と花の蕾部分を適度の大きさに整え、続いて弱塩水で、所定時間ボイルした後に、急速冷凍処理し、続いて凍結した菜の花に対してアブラナ科に属するわさびの根茎の粉砕片と調味料とを適量加え、袋詰めにすることを特徴とするわさび風味の菜の花の製造方法。
- 前記調味料は化学調味料及びだし調味料である請求項1に記載のわさび風味の菜の花の製造方法。
- 前記原材料及び前記調味料を袋詰めした後に真空包装した請求項1または2に記載のわさび風味の菜の花の製造方法。
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