JP4033690B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜磁性体記憶装置に関し、より特定的には、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有する磁性体メモリセルを備えた薄膜磁性体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
低消費電力で不揮発的なデータの記憶が可能な記憶装置として、MRAM(Magnetic Random Access Memory)デバイスが注目されている。MRAMデバイスは、半導体集積回路に形成された複数の薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を行ない、薄膜磁性体の各々に対してランダムアクセスが可能な記憶装置である。
【0003】
特に、近年では磁気トンネル接合を利用した薄膜磁性体をメモリセルとして用いることによって、MRAMデバイスの性能が飛躍的に進歩することが発表されている。磁気トンネル接合を有するメモリセルを備えたMRAMデバイスについては、“A 10ns Read and Write Non-Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell", ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2, Feb. 2000.、“Nonvolatile RAM based on Magnetic Tunnel Junction Elements", ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.3, Feb. 2000.、および“A 256kb 3.0V 1T1MTJ Nonvolatile Magnetoresistive RAM", ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.6, Feb. 2001.等の技術文献に開示されている。
【0004】
図15は、磁気トンネル接合部を有するメモリセル(以下、単に「MTJメモリセル」と称する)の構成を示す概略図である。
【0005】
図15を参照して、MTJメモリセルは、記憶データレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、データ読出時にトンネル磁気抵抗素子TMRを通過するデータ読出電流Isの経路を形成するためのアクセス素子ATRとを備える。アクセス素子ATRは、代表的には電界効果型トランジスタで形成されるので、以下においては、アクセス素子ATRをアクセストランジスタATRとも称する。アクセストランジスタATRは、トンネル磁気抵抗素子TMRと固定電圧(たとえば接地電圧Vss)との間に結合される。
【0006】
MTJメモリセルに対して、データ書込を指示するためのライトワード線WWLと、データ読出を実行するためのリードワード線RWLと、データ読出およびデータ書込において、記憶データのデータレベルに対応した電気信号を伝達するためのデータ線であるビット線BLとが配置される。
【0007】
図16は、MTJメモリセルからのデータ読出動作を説明する概念図である。図16を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部かの印加磁界に応じた方向に磁化される強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって、磁気トンネル接合が形成される。
【0008】
データ読出時においては、リードワード線RWLの活性化に応じてアクセストランジスタATRがターンオンする。これにより、ビット線BL〜トンネル磁気抵抗素子TMR〜アクセストランジスタATR〜固定電圧(接地電圧Vss)の電流経路に、データ読出電流Isを流すことができる。
【0009】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、固定磁化層FLの磁化方向と、自由磁化層VLの磁化方向とが同一(平行)である場合には、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に比べてトンネル磁気抵抗素子TMRは小さくなる。
【0010】
したがって、自由磁化層VLを記憶データに応じた方向に磁化すれば、データ読出電流Isによってトンネル磁気抵抗素子TMRで生じる電圧変化は、記憶データレベルに応じて異なる。したがって、たとえばビット線BLを一定電圧にプリチャージした後に、トンネル磁気抵抗素子TMRにデータ読出電流Isを流せば、ビット線BLの電圧を検知することによって、MTJメモリセルの記憶データを読出すことができる。
【0011】
図17は、MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【0012】
図17を参照して、データ書込時においては、リードワード線RWLが非活性化され、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを書込データに応じた方向に磁化するためのデータ書込電流が、ライトワード線WWLおよびビット線BLにそれぞれ流される。自由磁化層VLの磁化方向は、ライトワード線WWLおよびビット線BLをそれぞれ流れるデータ書込電流によって決定される。
【0013】
図18は、MTJメモリセルに対するデータ書込時におけるトンネル磁気抵抗素子の磁化状態を説明するための概念図である。
【0014】
図18を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:Hard Axis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびライトワード線WWLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0015】
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベル(“1”および“0”)に応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行(同一)あるいは反平行(反対)方向に磁化される。以下、本明細書においては、自由磁化層VLの2種類の磁化方向にそれぞれ対応するトンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗をR1およびR0(ただし、R1>R0)でそれぞれ示すこととする。MTJメモリセルは、このような自由磁化層VLの2種類の磁化方向と対応させて、1ビットのデータ(“1”および“0”)を記憶することができる。
【0016】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図中に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0017】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値が下げることができる。
【0018】
図18の例のようにデータ書込時の動作点を設計した場合には、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはライトワード線WWLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0019】
また、MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えるためには、ライトワード線WWLとビット線BLとの両方に所定レベル以上のデータ書込電流を流す必要がある。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLは、磁化容易軸(EA)に沿ったデータ書込磁界の向きに応じて、固定磁化層FLと平行もしくは、反対(反平行)方向に磁化される。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0020】
このようにトンネル磁気抵抗素子TMRは、印加されるデータ書込磁界によって書換可能な磁化方向に応じてその電気抵抗が変化するので、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLの2通りの磁化方向と、記憶データのレベル(“1”および“0”)とそれぞれ対応付けることによって、不揮発的なデータ記憶を実行することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
このように、データ書込対象となるMTJメモリセル(以下、「選択メモリセル」とも称する)に対しては、対応するライトワード線WWLおよびビット線BLの両方からの磁界を印加する必要がある。しかし、これらのライトワード線WWLおよびビット線BLからデータ書込対象以外の他のMTJメモリセル(以下、「非選択メモリセル」とも称する)へ作用する漏れ磁界は、非選択メモリセルに対する磁気的なノイズとなる。このようなノイズが大きいと、非選択メモリセルにおいて、誤ったデータ書込が実行されるおそれがある。
【0022】
特に、選択メモリセルと同一行または同一列に属する非選択メモリセルに対しては、磁化容易軸方向および磁化困難軸方向のいずれか一方については、所定強度の磁界が印加されている。このため、選択行の隣接行、もしくは選択列の隣接列に対応する非選択メモリセルの各々に作用する磁界が、選択行のライトワード線WWLおよび選択列のビット線BLからの漏れ磁界の影響を受けて、図18に示したアステロイド特性線の外側領域に達することがないように配慮する必要がある。
【0023】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、磁気的なノイズによる非選択メモリセルへのデータ誤書込を防止した動作信頼性の高い薄膜磁性体記憶装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が記憶データに応じた方向に磁化される磁性体を有する複数の磁性体メモリセルが配置されたメモリアレイと、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数の書込選択線と、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のデータ線と、列選択結果に応じて、選択された磁性体メモリセルに対応するデータ線に対して、書込まれる記憶データに応じた方向の電流を選択的に流すための書込制御回路と、行選択結果に応じて、複数の書込選択線への選択的な電流供給を制御するための行選択回路とを備える。行選択回路は、選択行に対応する書込選択線にデータ書込電流を供給するとともに、選択行の隣接行に対応する書込選択線に、データ書込電流によって生じる漏れ磁界を打ち消すための、データ書込電流よりも小さい磁界キャンセル電流を、選択行に対応する書込選択線でのデータ書込電流と反対方向に供給する。各書込選択線において、対応するメモリセル行の選択時におけるデータ書込電流と隣接行の選択時における磁界キャンセル電流とは、同一方向に供給される。
【0025】
好ましくは、行選択回路は、各書込選択線に対応して設けられ、データ書込電流および磁界キャンセル電流を供給するドライバ回路を含む。ドライバ回路は、行選択結果に応じて、対応する書込選択線の端部の電圧を制御する。
【0026】
また好ましくは、ドライバ回路は、対応する書込選択線の両端の一方に対応して1行おきに交互配置される。
【0027】
あるいは好ましくは、行選択回路は、データ書込電流および磁界キャンセル電流を供給するために、各書込選択線の両端のいずれか一方に対応して設けられるドライバ回路を含む。ドライバ回路は、行選択結果に応じて、対応する書込選択線の一端を第1の電圧と接続する。各書込選択線の他端は、行選択結果にかかわらず第2の電圧と接続される。ドライバ回路は1行おきに交互配置される。
【0028】
また好ましくは、行選択回路は、データ書込電流および磁界キャンセル電流を供給するために、各書込選択線に対応して設けられるドライバ回路を含む。ドライバ回路は、行選択結果に応じて、対応する書込選択線の両端および中間点の一方の電圧を制御する。
【0029】
さらに好ましくは、ドライバ回路は、各書込選択線の両端および中間点の一方に対応して1行おきに交互配置される。
【0030】
特にこのような構成においては、ドライバ回路は、行選択結果に応じて、対応する書込選択線の両端および中間点の一方を第1の電圧と接続する。少なくとも選択行および隣接行において、対応する書込選択線の両端および中間点の他方は第2の電圧と接続される。
【0031】
また好ましくは、行選択回路は、データ書込電流および磁界キャンセル電流を供給するために各書込選択線に対応して設けられるドライバ回路を含む。ドライバ回路は、電流駆動能力の異なる複数のドライバユニットを有する。ドライバ回路は、データ書込電流および磁界キャンセル電流の供給時のそれぞれにおいて、異なるドライバユニットを使用する。
【0032】
あるいは好ましくは、メモリアレイは、列方向に沿って複数のメモリブロックへ分割され、各メモリセル行において、各書込選択線は、各メモリブロックに対応して分割される。薄膜磁性体記憶装置は、K個(K:2以上の整数)のメモリセル行ごとに配置され、対応するK個のメモリセル行が選択行を含む場合に選択的に活性化されるメイン書込選択線をさらに備える。行選択回路は、各メモリブロックごとに独立に設定されるK個のメモリセルのうちの1つを選択するための選択信号と、メイン書込選択線とに応じて、複数のメモリブロックのうちの選択された1つにおいて、選択行および隣接行にそれぞれ対応する書込選択線にデータ書込電流および磁界キャンセル電流を選択的に供給する。
【0033】
あるいは好ましくは、行選択回路は、各書込選択線に対応して設けられるドライバ回路を含む。ドライバ回路は、第1の電圧と対応する書込選択線との間に設けられ、対応するメモリセル行が選択された場合に、対応する書込選択線へデータ書込電流を供給するための第1のドライブユニットと、第1の電圧と対応する書込選択線との間に設けられ、対応するメモリセル行に隣接するメモリセル行が選択された場合に、対応する書込選択線へ磁界キャンセル電流を供給するための第2のドライブユニットと、対応するメモリセル行および隣接するメモリセル行の両方が非選択である場合に、対応する書込選択線を第2の電圧と電気的に結合するための第3のドライブユニットとを含む。第3のドライブユニットのオン時における通過電流は、データ書込電流よりも小さい。
【0034】
さらに好ましくは、第3のドライブユニットの電流駆動能力は、第1のドライブユニットの電流駆動能力よりも小さい。
【0035】
あるいは好ましくは、1回のデータ書込動作において、行選択回路は、選択行に対応する書込選択線へデータ書込電流が流される第1の期間が隣接行に対応する書込選択線へ磁界キャンセル電流が流される第2の期間に含まれるように、電流供給を制御する。
【0036】
また好ましくは、選択行のメモリセルに対してデータ書込電流および磁界キャンセル電流によってそれぞれ印加される磁界の和の強度は、隣接行のメモリセルに対してデータ書込電流および磁界キャンセル電流によってそれぞれ印加される磁界の和の強度よりも大きい。
【0037】
さらに好ましくは、データ書込電流に対する磁界キャンセル電流の比であるβ(β:0<β<1の実数)は、複数の書込選択線のうちの1つを流れる電流によって対応するメモリセル行の磁性体メモリセルおよび対応するメモリセル行の隣接行の磁性体メモリセルにそれぞれ作用する磁界強度の比α(α:0<α<1の実数)とすれば、(1−2・α・β)>|α−β|の関係式を満足するように設定される。
【0038】
この発明の他の構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が記憶データに応じた方向に磁化される磁性体を有する複数の磁性体メモリセルが配置されたメモリアレイと、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数の書込選択線と、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のデータ線と、行選択結果に応じて複数の書込選択線への選択的な電流供給を制御するための行選択回路と、列選択結果および選択された磁性体メモリセルへの書込データに応じて、複数のデータ線への選択的な電流供給を制御するための書込制御回路とを備える。書込制御回路は、選択列に対応するデータ線へ書込データに応じた方向のデータ書込電流を供給するとともに、選択列の隣接列に対応するデータへ、データ書込電流によって生じる漏れ磁界を打ち消すための、データ書込電流よりも小さい磁界キャンセル電流を、選択列に対応するデータ線におけるデータ書込電流と反対方向に供給する。
【0039】
また好ましくは、書込制御回路は、各データ線の両端にそれぞれ対応して設けられる複数のドライバ回路を含む。各ドライバ回路は、第1の電圧と対応するデータ線との間に設けられ、対応するメモリセル列が選択された場合に、データ書込電流を供給するために、第1の電圧と対応するデータ線とを書込データに応じて接続する第1のドライブユニットと、第1の電圧と対応するデータ線との間に設けられ、対応するメモリセル行に隣接するメモリセル行が選択された場合に、磁界キャンセル電流を供給するために、第1の電圧と対応するデータ線とを書込データに応じて接続する第2のドライブユニットと、第1および第2のドライブユニットの両方が対応するデータ線と第1の電圧とを非結合する場合に、対応するデータ線を第2の電圧とを電気的に結合するための第3のドライブユニットとを含む。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。
なお、図中同一符号は同一または相当部分を示すものとする。
【0041】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【0042】
図1を参照して、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応答して、ランダムアクセスを実行し書込データDINの入力および読出データDOUTの出力を実行する。MRAMデバイス1におけるデータ読出およびデータ書込動作は、たとえば外部からのクロック信号CLKに同期したタイミングで実行される。あるいは、外部からクロック信号CLKを受けることなく、内部で動作タイミングを定めてもよい。
【0043】
MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するコントロール回路5と、行列状に配列された複数のMTJメモリセルを有するメモリアレイ10とを備える。MTJメモリセルの行(以下、単に「メモリセル行」とも称する)それぞれ対応して複数のライトワード線WWLおよびリードワード線RWLがそれぞれ配置される。また、MTJメモリセル列(以下、単に「メモリセル列」とも称する)にそれぞれ対応して、ビット線BLが配置される。
【0044】
MRAMデバイス1は、さらに、行選択回路20,21と、列選択回路30と、読出/書込制御回路50,60とを備える。
【0045】
行選択回路20,21は、アドレス信号ADDによって示されるロウアドレスRAに応じて、メモリアレイ10における行選択を実行する。列選択回路30は、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAに応じて、メモリアレイ10における列選択を実行する。行選択回路20,21は、データ読出時にはリードワード線RWLを選択的に活性化する。また、データ書込時には、行選択回路20,21は、行選択結果に応じて、ライトワード線WWLに対する選択的な電流供給を制御する。ロウアドレスRAおよびコラムアドレスCAによって、データ書込時およびデータ読出時における選択メモリセルが示される。
【0046】
読出/書込制御回路50,60は、データ読出およびデータ書込時において、選択メモリセルに対応するメモリセル列(以下、「選択列」とも称する)のビット線BLに対して、データ書込電流およびデータ読出電流を流すために、メモリアレイ10に隣接する領域に配置される回路群を総称したものである。
【0047】
図2は、実施の形態1に従うデータ書込電流の供給を説明する回路図である。
図2においては、メモリアレイ10に対するデータ書込動作を実行するための回路構成が代表的に示される。
【0048】
図2を参照して、メモリアレイ10には、MTJメモリセルMCが、行列状に配置される。各MTJメモリセルMCは、記憶データに応じた方向に磁化される磁性体によって構成されたトンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタATRを含む。トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタATRは、対応するビット線BLと接地電圧Vssとの間に直列に接続される。アクセストランジスタATRには、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタであるMOSトランジスタが代表的に適用される。
【0049】
図2においては、第(j−1)〜第(j+1)行(j:自然数)、かつ、第1、第2および第m(m:自然数)列に属するMTJメモリセルと、これらのMTJメモリセルに対応するビット線BL1,BL2,BLm、リードワード線RWLj−1,RWLj,RWLj+1、およびライトワード線WWLj−1,WWLj,WWLj+1とが代表的に示される。
【0050】
なお、以下においては、ライトワード線、リードワード線およびビット線のそれぞれを総括的に表現する場合には、符号WWL、RWLおよびBLをそれぞれ用いて表記することとし、特定のライトワード線、リードワード線およびビット線を示す場合には、これらの符号に添え字を付して、WWL1,RWL1,BL1のように表記するものとする。また、信号および信号線の高電圧状態(たとえば電源電圧Vcc)および低電圧状態(たとえば接地電圧Vss)のそれぞれを、「Hレベル」および「Lレベル」とも称することとする。
【0051】
データ書込時には、選択行のライトワード線WWLに対して、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化困難軸に沿った方向の磁界を発生させるためのデータ書込電流が流され、選択列のビット線BLに対して、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化容易軸に沿った方向の磁界を発生させるためのデータ書込電流が流される。すなわち、選択列のビット線BLを流れるデータ書込電流の方向は、書込データDINのレベルに応じて制御する必要がある。
【0052】
読出/書込制御回路50は、ビット線BL1〜BLmの一端側にそれぞれ対応して設けられるビット線ドライブ回路BDVa1〜BDVamを有する。同様に、読出/書込制御回路60は、ビット線BL1〜BLmの他端側にそれぞれ対応して設けられるビット線ドライブ回路BDVb1〜BDVbmをそれぞれ有する。以下においては、ビット線ドライブ回路BDVa1〜BDVamを総称してビット線ドライブ回路BDVaとも称し、ビット線ドライブ回路BDVb1〜BDVbmを総称してビット線ドライブ回路BDVbとも称する。
【0053】
さらに、メモリセル列にそれぞれ対応して、コラム選択線CSL1〜CSLmがそれぞれ設けられる。コラム選択線CSL1〜CSLmを総称してコラム選択線CSLとも称する。コラム選択線CSLは、選択列においてHレベルへ活性化され、非選択列においてLレベルへ非活性化される。
【0054】
各ビット線ドライブ回路BDVaは、対応するコラム選択線CSLおよび書込データDINに応じて、対応するビット線BLの一端側の電圧を制御する。これに対して、各ビット線ドライブ回路BDVbは、対応するコラム選択線CSLと書込データの反転データ/DINに応じて、対応するビット線BLの他端側の電圧を制御する。選択列においては、ビット線ドライブ回路BDVaおよびBDVbは、対応するビット線BLの一端側および他端側を、書込データDINのレベルに応じてHレベルおよびLレベルの一方ずつに設定する。たとえば、書込データDINがHレベル(“1”)であるときには、ビット線ドライブ回路BDVaが選択列のビット線の一端側を電源電圧Vccと結合し、ビット線ドライブ回路BDVbが選択列のビット線の他端側を接地電圧Vssと接続する。これにより、選択列のビット線上を、読出/書込制御回路50から60へ向かう方向にデータ書込電流が流れる。
【0055】
これに対して、書込データDINがLレベル(“0”)であるときには、ビット線ドライブ回路BDVaおよびBDVbは、選択列のビット線の一端側および他端側を接地電圧Vssおよび電源電圧Vccとそれぞれ結合する。これにより、選択列のビット線上を、書込データDINがHレベル(“1”)であるときとは反対方向のデータ書込電流が流れる。一方、非選択列においては、ビット線ドライブ回路BDVaおよびBDVbは、対応するビット線BLの一端側および他端側の各々を接地電圧Vssと接続する。この結果、非選択列のビット線上には、データ書込電流は流れない。
【0056】
次に、データ書込時におけるライトワード線WWLへの電流供給について説明する。以下においては、第j行は偶数行であるものとする。
【0057】
行選択回路20は、行デコーダ22と、偶数行のライトワード線WWLに対応して設けられたライトドライブ回路とを含む。図2においては、第j行のライトワード線WWLjに対応するライトドライブ回路WWDjが代表的に示される。行選択回路21は、行デコーダ23と、奇数行のライトワード線WWLに対応して設けられたライトドライブ回路とを含む。図2においては、第(j−1)行および第(j+1)行のライトワード線WWLj−1およびWWLj+1に対応するライトドライブ回路WWDj−1およびWWDj+1が代表的に示される。以下においては、ライトワード線WWLにそれぞれ対して設けられるライトドライブ回路を総称する場合には、単にライトドライブ回路WWDと表記することとする。
【0058】
各ライトドライブ回路WWDの構成は、同様であるので、図2においては、第j行のライトドライブ回路WWDjの回路構成について代表的に説明する。
【0059】
ライトドライブ回路WWDjは、対応するメモリセル行および隣接行の行選択結果を示す、ロウデコード信号RDj−1,RDj,RDj+1を行デコーダ22から受ける。ロウデコード信号RDj−1は、第(j−1)行が選択された場合にHレベルへ活性化され、ロウデコード信号RDjは、第j行が選択された場合にHレベルへ活性化され、ロウデコード信号RDj+1は、第(j+1)行が選択された場合にHレベルへ活性化される。
【0060】
ライトドライブ回路WWDjは、電源電圧Vccおよびライトワード線WWLjの一端側(ライトドライブ回路WWDj側)の間に並列に接続されたPチャネルMOSトランジスタ101および102と、ライトワード線WWLjの一端側および接地電圧Vssの間に接続されたNチャネルMOSトランジスタ103とを含む。トランジスタ101のゲートはノードN1と接続され、トランジスタ102のゲートはノードN2に接続され、トランジスタ103のゲートはノードN3と接続される。
【0061】
ライトドライブ回路WWDjは、さらに、ロウデコード信号RDjを反転してノードN1へ伝達するインバータ105と、ロウデコード信号RDj−1およびRDj+1のNOR演算結果をノードN2に出力する論理ゲート104と、ロウデコード信号RDj−1、RDj+1およびRDjのNOR演算結果をノードN3に出力する論理ゲート106とを含む。
【0062】
第j行が選択行である場合には、ノードN1がLレベルに設定され、ノードN2およびN3がHレベルに設定される。この結果、ライトワード線WWLjの一端側はトランジスタ101によって電源電圧Vccと接続される。
【0063】
また、隣接する第(j−1)行または第(j+1)行が選択された場合には、ノードN1はHレベルに設定され、ノードN2およびN3はLレベルに設定される。この結果、ライトワード線WWLjの一端側はトランジスタ102によって電源電圧Vccと接続される。
【0064】
なお、第j行ならびに、隣接する第(j−1)行および第(j+1)行のいずれも選択されない場合には、ノードN1〜N3の各々はHレベルに設定される。この結果、ライトワード線WWLjの一端側はトランジスタ103によって接地電圧Vssと接続される。
【0065】
ライトワード線WWLjの他端側(ライトドライブ回路WWDjと反対側)は、行選択結果にかかわらず接地電圧Vssと接続される。したがって、ライトドライブ回路WWDjは、対応する第j行が選択された場合には、対応するライトワード線WWLjにトランジスタ101の電流駆動能力に応じたデータ書込電流Iwwを流す。
【0066】
隣接行である第(j−1)行または第(j+1)行が選択された場合には、ライトドライブ回路WWDjは、対応するライトワード線WWLjに対してトランジスタ102の電流駆動能力に応じた電流ΔIwwを供給する。すなわち、各ライトワード線WWLにおいて、対応するメモリセル行が選択された場合に流れるデータ書込電流Iwwと、隣接行が選択された場合に流れる電流ΔIwwとは同一方向である。すなわち、各ライトドライブ回路WWDによる電流供給は、一定方向に限られるているので、その回路構成が複雑化することはない。
【0067】
なお、トランジスタ101の電流駆動能力は、トランジスタ102の電流駆動能力より大きく設計される。すなわち、データ書込電流Iwwは、ΔIwwよりも大きい。たとえば、トランジスタの電流駆動能力は、そのトランジスタサイズ(ゲート幅/ゲート長の比)の設計によって調整することができる。
【0068】
一方、対応する第j行ならびに、隣接行である第(j−1)行および第(j+1)行のいずれも選択されない場合には、ライトワード線WWLjに電流は流れない。
【0069】
同様の構成のライトドライブ回路WWDが、各ライトワード線WWLの両端部の一方に対応して1行ごとに交互配置される。各ライトワード線WWLの両端部のうち、ライトドライブ回路WWDが配置されない他方は、行選択結果にかかわらず接地電圧Vssと接続される。たとえば、ライトワード線WWLj−1およびWWLj+1を始めとする奇数行に対応するライトワード線は、行選択回路20側の領域において、接地電圧Vssと直接接続される。また、ライトワード線WWLjを始めとする偶数行に対応するライトワード線は、行選択回路21側の領域において、接地電圧Vssと直接接続される。
【0070】
このように、選択行のライトワード線に流れるデータ書込電流Iwwと逆方向に電流ΔIww(以下、電流方向を考慮して、“−ΔIww”とも表記する)が、隣接行のライトワード線を流れる。たとえば、第j行が選択された場合には、選択行のライトワード線WWLjに行選択回路20から21へ向かう方向にデータ書込電流Iwwが流される一方で、隣接行のライトワード線WWLj−1およびWWLj+1の各々に対して、行選択回路21から20へ向かう方向に、すなわちライトワード線WWLjのデータ書込電流Iwwとは反対方向に電流−ΔIwwが流される。
【0071】
これにより、選択行のデータ書込電流Iwwによって隣接行のMTJメモリセルへ作用する漏れ磁界を、隣接行の電流ΔIwwによって生じる磁界によって打ち消すことができる。この結果、隣接行のMTJメモリセルに対するデータ誤書込の発生を防止して、MRAMデバイスの動作信頼性を向上させることができる。したがて、以下においては、隣接行に流される電流ΔIwwを、「磁界キャンセル電流」とも称する。
【0072】
ライトドライブ回路WWDを1行ごとに交互配置することによって、電源電圧Vccおよび接地電圧Vssの2種類の電圧によって、このような磁界キャンセル電流ΔIwwの供給が実現される。言換えれば、ライトドライブ回路WWDをいずれか一方側に集中配置すれば、負電圧を各ライトドライブ回路WWDへさらに供給する必要がある。また、交互配置によって、ライトドライブ回路WWDの配置レイアウト緩和によるMRAMデバイスの小型化にも寄与できる。
【0073】
なお、図18で説明したように、選択メモリセルのトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向は、磁化容易軸に沿った磁界、すなわちビット線BLを流れるデータ書込電流の方向によって設定される。すなわち、ライトワード線WWLを流れるデータ書込電流の方向は、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向には直接影響しない。したがって、奇数行と偶数行とで、ライトワード線WWLを流れるデータ書込電流の向きが反対方向に設定されるがデータ書込動作の妨げとなることはない。
【0074】
なお、図2においては詳細な図示を省略しているが、メモリアレイ10に対するデータ読出動作についても簡単に説明する。データ読出時においては、選択行に対応するリードワード線RWLがHレベルに活性化され、選択行のMTJメモリセルMCの各々において、アクセストランジスタATRがオンする。これにより、ビット線BL1〜BLmの各々は、トンネル磁気抵抗素子TMRを介して接地電圧Vssと結合される。なお、図示しないリードワード線RWLのドライブ回路についても、1行ごとに交互配置することができる。さらに、選択列のビット線を所定電圧と結合することにより、トンネル磁気抵抗素子TMRの両端に電圧差を生じさせれば、選択メモリセルの記憶データに応じた電流を、選択列のビット線に生じさせることができる。この結果、選択列のビット線の通過電流を検知することによって、選択メモリセルからのデータ読出を実行することができる。
【0075】
[実施の形態1の変形例1]
図3は、実施の形態1の変形例1に従うデータ書込電流の供給を説明する回路図である。
【0076】
図3を参照して、実施の形態1の変形例1に従う構成においては、図2に示した実施の形態1に従う構成と比較して、行選択回路20および21の各々に対応して、電流供給回路110および111と、電流供給線112および113が設けられる点が異なる。電流供給回路110は、選択行のライトワード線WWLに供給されるデータ書込電流Iwwを生成し、電流供給回路111は、隣接行のライトワード線WWLに流される磁界キャンセル電流ΔIwwを生成する。
【0077】
データ書込電流Iwwおよび磁界キャンセル電流ΔIwwは、電流供給線112および113によってそれぞれ供給される。すなわち、各ライトドライブ回路WWDは、電流供給線112および113を介して、電源電圧Vccの供給を受ける。
【0078】
図4は、電流供給回路110および111の構成を示す回路図である。
図4を参照して、電流供給回路110は、電源電圧Vccと電流供給線112との間に接続されるPチャネルMOSトランジスタ115aと、ノードN0と電源電圧Vccとの間に接続されるPチャネルMOSトランジスタ115bと、ノードN0および接地電圧Vssとの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタ116とを有する。トランジスタ115aおよび115bの各ゲートはノードN0と結合され、トランジスタ116のゲートには制御電圧Vrpが入力される。このような構成とすることにより、電流供給回路110は、トランジスタ115aおよび115bによって構成されるカレントミラーによって、制御電圧Vrpに応じた一定電流を電流供給線112に供給する。
【0079】
電流供給回路111は、電流供給回路110と同様の構成を有し、電流供給線113に対して、制御電圧Vrp′に応じた一定電流を供給する。制御電圧VrpおよびVrp′は、図2に示したデータ書込電流Iwwおよび磁界キャンセル電流ΔIwwにそれぞれ対応して設定される。
【0080】
再び図3を参照して、ライトドライブ回路WWDの構成を説明する。図3においても、ライトドライブ回路WWDjの構成が代表的に示される。実施の形態1の変形例1に従う構成では、トランジスタ101は、電流供給線112とライトワード線WWLjの一端側との間に電気的に結合され、トランジスタ102は、電流供給線113とライトワード線WWLjの一端側との間に電気的に結合される。このような構成とすることにより、トランジスタ101および102を同一のトランジスタサイズ、すなわち同一の電流駆動能力を有するトランジスタとして設計できる。ライトドライブ回路WWDjのその他の部分の構成については、図2に示したのと同様である。また、図3に示したその他の部分の構成および動作についても、実施の形態1と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
【0081】
このような構成とすることにより、実施の形態1に従う構成と同様に、選択行のライトワード線に所定のデータ書込電流を供給するとともに、隣接行のライトワード線の各々に、当該データ書込電流によって生じる漏れ磁界を打消すための電流を供給することができる。
【0082】
[実施の形態1の変形例2]
実施の形態1の変形例2に従う構成においては、階層的なデコードによって、ライトワード線WWLへの電流供給が制御される構成について説明する。
【0083】
図5は、実施の形態1の変形例2に従うライトワード線へのデータ書込電流の供給を説明する回路図である。
【0084】
図5を参照して、実施の形態1の変形例2に従う構成においては、メモリアレイ10に配置された複数のMTJメモリセルMCは、列方向に沿って複数のメモリブロックMBに分割される。図5には、先頭のメモリブロックMB1が代表的に示される。ライトワード線WWLは、各メモリセル行において、メモリブロックMBごとに分割して配置される。さらに、K個(K:自然数)のメモリセル行ごとに各メモリブロックMBに対して共通に設けられるメインワード線MWLが配置される。
【0085】
図5においてはK=4の場合を示している。すなわち、各メモリブロックMBにおいて、1本のメインワード線MWLに対して、4本のライトワード線WWLが対応付けられる。図5には、先頭のメモリブロックMB1において、第j番目(j:自然数)のメインワード線MWLjに対応する構成が代表的に示される。すなわち、メモリブロックMB1において、メインワード線MWLjに対応して、ライトワード線WWLj0,WWLj1,WWLj2,WWLj3の4本のライトワード線WWLが配置される。リードワード線RWLも、ライトワード線WWLと同様に配置される。すなわち、メモリブロックMB1において、メインワード線MWLjに対応して、4本のリードワード線RWLj0〜RWLj3が配置されている。
【0086】
さらに、各メモリブロックMBの両端において、サブデコード信号SD0〜SD3が伝達される。サブデコード信号SD0〜SD3は、各メモリブロックMBごとに独立に設定されて、選択メモリセルを含むメモリブロック(以下、「選択メモリブロック」とも称する)において、1本のメインワード線MWLと対応する4本のライトワード線WWLおよびリードワード線RWLのうちの1本を選択するために選択的に活性化される。たとえば、ライトワード線WWLj0を選択する場合には、サブデコード信号SD0がHレベルに活性化され、残りのサブデコード信号SD1〜SD3はLレベルに設定される。一方、非選択のメモリブロックMBにおいては、サブデコード信号SD0〜SD3の各々はLレベルに設定される。
【0087】
ライトドライブ回路WWDは、実施の形態1と同様にライトワード線WWLごとに設けられる。したがって、各メモリブロックMBにおいて、ライトドライブ回路WWDは、ライトワード線WWLの両端部の一方に対応して、1行おきに交互配置される。たとえば、図5に示されるように、ライトワード線WWLj0およびWWLj1にそれぞれ対応するライトドライブ回路WWDj0およびWWDj1と、ライトワード線WWLj2およびWWLj3にそれぞれ対応するライトドライブ回路WWDj2およびWWDj3とは、互いに反対方向に配置されている。
【0088】
各ライトドライブ回路WWDは、実施の形態1と同様に動作し、対応するライトワード線が選択された場合には、データ書込電流Iwwを対応するライトワード線へ供給し、隣接行が選択された場合には、磁界キャンセル電流ΔIwwを対応するライトワード線へ供給する。図5においては、一例としてライトワード線WWLj0およびWWLj1に対応して設けられるライトドライブ回路の構成が示される。
【0089】
ライトワード線WWLj0に対応して設けられるライトドライブ回路WWDj0においては、データ書込電流Iwwを供給するためのトランジスタ101は、対応するサブデコード信号SD0を伝達する信号線とライトワード線WWLj0との間に設けられ、磁界キャンセル電流ΔIwwを供給するためのトランジスタ102は、電源電圧Vccおよびライトワード線WWLj0の間に設けられる。トランジスタ103は、実施の形態1に従う構成と同様に、接地電圧Vssおよびライトワード線WWLj0の間に設けられる。
【0090】
ノードN1およびN3へは、対応するメインワード線MWLjの反転レベルを示す/MWLjが入力される。したがって、対応するメインワード線MWLjがHレベルに活性化されると、トランジスタ101がオンし、トランジスタ103がオフする。したがって、ライトワード線WWLjへは、メインワード線MWLjがHレベルに活性化され、さらにサブデコード信号SD0がHレベルに活性化されたときに、データ書込電流Iwwが供給される。
【0091】
ライトドライブ回路WWDj0は、サブデコード信号SD2およびSD3のOR論理演算結果を出力する論理ゲート121と、論理ゲート121の出力とメインワード線MWLjの電圧レベルとのNAND論理演算結果をノードN2へ出力する論理ゲート122とをさらに有する。したがって、トランジスタ102は、対応するライトワード線WWLj0に隣接するライトワード線WWLj2およびWWLj3のいずれかが選択された場合にオンする。この結果、選択行におけるデータ書込電流Iwwによって生じる漏れ磁界を打消すための磁界キャンセル電流ΔIwwが、ライトワード線WWLj2またはWWLj3を流れるデータ書込電流Iwwとは反対方向に、ライトワード線WWLj0を流れる。
【0092】
これに対して、対応するメインワード線MWLjがLレベルに非活性化されている場合には、ライトワード線WWLj0は接地電圧Vssに固定される。したがって、ライトワード線WWLj0の両端が接地電圧Vssに固定されるのて電流は流れない。
【0093】
ライトワード線WWLj1に対応して設けられるライトドライブ回路WWDj1は、隣接行の1つが他のメインワード線MWLj+1(図示せず)に対応付けられるため、デコード構成が少し異なる。
【0094】
ライトドライブ回路WWDj1においては、トランジスタ101は、対応するサブデコード信号SD1を伝達する信号線とライトワード線WWLj1との間に設けられ、トランジスタ102および103は、ライトドライブ回路WWDj0と同様に、電源電圧Vccおよび接地電圧Vssとライトワード線WWLj1との間にそれぞれ設けられる。ノードN1およびN3へは、ライトドライブ回路WWDj0と同様に、メインワード線MWLjの反転レベル/MWLjが伝達される。
【0095】
ライトドライブ回路WWDj1は、さらに、メインワード線MWLjの電圧レベルとサブデコード信号SD3の電圧レベルのAND論理演算結果を出力する論理ゲート123と、メインワード線MWLj+1の電圧レベルとサブデコード信号SD2の電圧レベルとのAND論理演算結果を出力する論理ゲート124と、論理ゲート123および124のそれぞれの出力間のNOR演算結果をノードN2へ出力する論理ゲート125とを有する。
【0096】
このような構成とすることにより、ライトワード線WWLj3もしくはメインワード線MWLj1に対応する先頭のライトワード線(図示せず)のいずれかが選択された場合に、トランジスタ102はターンオンして、ライトワード線WWLj1に対して磁界キャンセル電流ΔIwwを供給する。
【0097】
ライトドライブ回路WWDj2およびWWDj3に対しても、ライトドライブ回路WWDj1およびWWDj0と同様にサブデコード信号SD0〜SD3が伝達される。ライトドライブ回路WWDj3は、対応するライトワード線と、隣接行のライトワード線の両方とが同一のメインワード線MWLjに対応するので、ライトドライブ回路WWDj0と同様の構成において、サブデコード信号が適宜入換えられる。これに対して、ライトドライブ回路WWDj2は、隣接するライトワード線の一方が、異なるメインワード線MWLj−1に対応付けられるので、ライトドライブ回路WWDj1と同様の構成を適用して、サブデコード信号を適宜入換える必要がある。
【0098】
このような構成とすることによって、階層的なデコードに基づいてライトワード線WWLへの電流供給を制御する場合においても、隣接行の非選択メモリセルに対するデータ誤書込の発生を防止することができる。また、階層的なデコード構成とすることにより、メモリアレイが大規模化した場合にも、チップ面積の増大を避けることができる。すなわち、メモリセル行数が増大した場合にも、図2に示した行デコーダ22,23の回路面積が増大して、MRAMデバイスが著しく大型化することを防止できる。
【0099】
[実施の形態1の変形例3]
実施の形態1およびその変形例1,2においては、ライトワード線WWLの端部に対応してライトドライブ回路を配置する構成を説明した。実施の形態1の変形例3においては、これに加えて、ライトワード線WWLの中間点に対してもライトドライブ回路を配置する構成について説明する。
【0100】
図6から図9は、実施の形態1の変形例3に従うライトワード線へのデータ書込電流供給の例を説明する回路図である。
【0101】
図6を参照して、実施の形態1の変形例3に従う構成においては、メモリアレイ10は、中間ノードNmを境界としてメモリブロックMBaとMBbとに分割される。さらに、各ライトワード線WWLの、一端、中間点および他端にそれぞれ対応して、電源配線201、202および203がそれぞれ設けられる。電源配線201、202および203の各々は、電源電圧Vccを伝達する。ライトドライブ回路WDCは、1行おきに、ライトワード線WWLの両端部または中間点に対応して設けられる。
【0102】
なお、図6から図9においては、ビット線およびビット線ドライブ回路の図示を省略しているが、図2に示した構成と同様に、メモリセル列にそれぞれ対応して、ビット線BLおよびビット線ドライブ回路BDVa,BDVbが配置されている。
【0103】
奇数行のライトワード線WWLに対しては、両端部にそれぞれ対応してライトドライブ回路WDCaおよびWDCbが配置され、さらに、ライトワード線WWLの中間点は接地電圧Vssと接続される。
【0104】
ライトドライブ回路WDCaへは、メモリブロックの選択情報を反映した行選択信号/RDAiが入力される。ここで、添字iは、何番目のメモリセル行であるかを示す自然数である。行選択信号/RDAiは、メモリブロックMBaが選択され、かつ第i行が選択されて場合にLレベルへ活性化され、それ以外の場合には非活性化される。同様に、ライトドライブ回路WDCbへは、メモリブロックMBbが選択された場合に、行選択結果に応じて選択的にLレベルへ活性化される行選択信号/RDBiが入力される。
【0105】
代表的に、奇数行のライトワード線WWLj−1に対応する構成を説明すると、メモリブロックMBaにおいて第(j−1)行に配置されるライトドライブ回路WDCaは、ライトワード線WWLj−1の一端側(メモリブロックMBa側)に相当するノードNa(j−1)と電源配線201との間に並列に接続されたPチャネルMOSトランジスタ210および212を有する。トランジスタ210は、行選択信号/RDAj−1の活性化(Lレベル)に応答してオンする。トランジスタ212は、隣接行に対応する行選択信号/RDAjおよび/RDAj−2のいずれかがLレベルに活性化されるとオンする。
【0106】
メモリブロックMBbにおいて第(j−1)行に配置されるライトドライブ回路WDCbは、ライトワード線WWLj−1の他端側(メモリブロックMBb側)に相当するノードNb(j−1)と電源配線203との間に並列に接続されたPチャネルMOSトランジスタ214および216を有する。トランジスタ214は、行選択信号/RDBj−1の活性化(Lレベル)に応答してオンする。トランジスタ216は、隣接行に対応する行選択信号/RDBjおよび/RDBj−2のいずれかがLレベルに活性化されるとオンする。
【0107】
偶数行のライトワード線WWLに対しては、中間点に対応してライトドライブ回路WDCmが配置され、さらに、ライトワード線WWLの両端は選択スイッチを介して接地電圧Vssと接続される。
【0108】
ライトドライブ回路WDCmへは、メモリブロックの選択情報を反映しない、図2に示したのと同様のロウデコード信号(/RDj等)が入力される。それぞれのロウデコード信号は、メモリブロックの選択情報にかかわらず行選択結果に応じて選択的にLレベルへ活性化される。
【0109】
代表的に、偶数行のライトワード線WWLjに対応する構成を説明すると、第j行に配置されるライトドライブ回路WDCmは、中間点に相当するノードNm(j)および電源配線202の間に並列に接続されるPチャネルMOSトランジスタ218および220を有する。トランジスタ218は、ロウデコード信号/RDjの活性化(Lレベル)に応答してオンし、トランジスタ220は、隣接行に対応するロウデコード信号/RDj−1または/RDj+1がLレベルに活性化されるとオンする。
【0110】
ライトワード線WWLjの一端側に相当するノードNa(j)は、選択スイッチとして設けられるNチャネルMOSトランジスタ232を介して、接地電圧Vssと接続される。トランジスタ232は、メモリブロックMBaが選択され、かつ、対応する第j行、隣接行である第(j−1)行および第(j+1)行のいずれかが選択されるとオンする。同様に、ライトワード線WWLjの他端側に相当するノードNb(j)は、選択スイッチとして設けられるNチャネルMOSトランジスタ234を介して、接地電圧Vssと接続される。トランジスタ234は、メモリブロックMBbが選択され、かつ、対応する第j行、隣接行である第(j−1)行および第(j+1)行のいずれかが選択されるとオンする。
【0111】
トランジスタ210,214,218の電流駆動能力(トランジスタサイズ)は、選択行のデータ書込電流Iwwに対応して設計され、トランジスタ212,216,220の電流駆動能力(トランジスタサイズ)は隣接行の磁界キャンセル電流ΔIwwに対応して設計される。
【0112】
その他のライトワード線WWLに対しても、ライトワード線WWLj−1(奇数行)またはライトワード線WWLj(偶数行)のいずれかと同様の構成が設けられる。
【0113】
一例として、選択メモリセルがメモリブロックMBaの第j行に属する場合には、ロウデコード信号/RDjおよび行選択信号/RDAjがLレベルに活性化され、その他のロウデコード信号および行選択信号はHレベルに非活性化される。したがって、選択行である第j行においては、トランジスタ218および232がオンし、その他のトランジスタ220および234はオフする。この結果、選択行のライトワード線WWLjには、メモリブロックMBaに対する領域にのみ、トランジスタ218の電流駆動能力に応じたデータ書込電流Iwwが流される。
【0114】
一方、隣接行の第(j−1)行においては、トランジスタ212がオンし、トランジスタ210、214、216はオフする。この結果、隣接行のライトワード線WWLj−1には、メモリブロックMBaに対応する部分にのみ、磁界キャンセル電流ΔIwwが、選択行(ライトワード線WWLj)におけるデータ書込電流Iwwと反対方向に流される。同様に、もう1つの隣接行である第(j+1)行においては、トランジスタ242がオンし、トランジスタ240,244,246がオフする。この結果、ライトワード線WWLj+1においても、ライトワード線WWLjを流れるデータ書込電流Iwwから生じる漏れ磁界を打ち消すための磁界キャンセル電流ΔIwwが、メモリブロックMBaに対応する部分にのみ流される。
【0115】
また、もう1つの例として、選択メモリセルがメモリブロックMBbの第(j−1)行に属する場合について説明する。この場合には、ロウデコード信号/RDj−1および行選択信号/RDBj−1がLレベルに活性化され、残りのロウデコード信号および行選択信号はHレベルに非活性化される。したがって、選択行である第(j−1)行においては、トランジスタ214のみがオンし、他のトランジスタ210,212,216はオフされる。これにより、選択行のライトワード線WWLj−1には、メモリブロックMBbに対応する部分にのみ、トランジスタ214の電流駆動能力に応じたデータ書込電流Iwwが流される。
【0116】
隣接行である第j行においては、トランジスタ220および234がオンし、トランジスタ218および232がオフする。隣接行のライトワード線WWLjには、メモリブロックMBbに対応する部分にのみ、磁界キャンセル電流ΔIwwが、選択行(ライトワード線WWLj−1)におけるデータ書込電流Iwwと反対方向に流される。同様に、図示しない第(j−2)行のライトワード線WWLj−2においても、メモリブロックMBbに対応する部分にのみ、磁界キャンセル電流ΔIwwが流される。
【0117】
一方、選択行でも隣接行でもない第(j+1)行においては、トランジスタ240,242,244,246の各々はオフされるので、ライトワード線WWLj−1は接地電圧Vssと結合されて電流は流れない。
【0118】
このように、実施の形態1の変形例3に従う構成においては、ライトワード線WWLの中間点にも対応してライトドライブ回路を配置するため、選択行および隣接行に対応するライトワードにおいて、選択メモリセルに対応する一部分にのみ、データ書込電流Iwwまたは磁界キャンセル電流ΔIwwを流すことが可能である。したがって、選択行に属する非選択メモリセルのうち、選択メモリセルと異なるメモリブロックに属するメモリセル群に対するデータ誤書込の発生をさらに強力に防止することができる。また、ライトワード線WWLにおけるデータ書込電流Iwwの経路を短く、すなわち低抵抗化できるので、データ書込動作の高速化および消費電力の削減を図ることもできる。
【0119】
さらに、選択行のライトワード線WWLの一部分を流れるデータ書込電流によって隣接行に影響する磁界ノイズに対しても、逆方向の磁界キャンセル電流ΔIwwを流すことによって実施の形態1およびその変形例1,2と同様に、データ誤書込の発生を抑制することができる。
【0120】
あるいは、図7に示されるように、偶数行のライトワード線WWLjにおいて、ライトドライブ回路WDCmの配置を省略して、中間点に相当するノードNm(j)を電源配線202と直接接続する構成としてもよい。この場合には、トランジスタ232および234とそれぞれ並列に接続される、トランジスタ233および235がさらに配置される。ここで、トランジスタ232,234の電流駆動能力(トランジスタサイズ)は、選択行のデータ書込電流Iwwに対応して設計され、トランジスタ233,235の電流駆動能力(トランジスタサイズ)は隣接行の磁界キャンセル電流ΔIwwに対応して設計される。さらに、トランジスタ232および234のオン・オフを、当該行の行選択信号RDAjおよびRDBjにそれぞれ応答して制御し、トランジスタ233のオン・オフを、隣接行の行選択信号RDAj−1とRDAj+1とのOR論理演算結果に応答して制御し、トランジスタ235のオン・オフを、隣接行の行選択信号RDBj−1とRDBj+1とのOR論理演算結果に応答して制御することにより、データ書込電流Iwwおよび磁界キャンセル電流ΔIwwを図6に示した構成と同様に供給できる。
【0121】
また、図8に示されるように、図7の構成において、偶数行のライトワード線(たとえばWWLj)の両端にそれぞれ配置されたトランジスタ232、233、234および235について、トランジスタ232および234のオン・オフをロウデコード信号RDjに応じて共通に制御し、トランジスタ235および237のオン・オフをロウデコード信号RDj−1およびRDj+1に応じて共通に制御する構成とすることも可能である。この場合には、メモリブロックMBa,MBbの選択結果にかかわらず、各ワード線WWLの全長部分にデータ書込電流Iwwおよび磁界キャンセル電流ΔIwwが流されるが、ライトドライブ回路WDCa,WDCbを構成するトランジスタ群を分割配置できるので、各ライトワード線WWLの一端側のみにライトドライブ回路WWDを配置する図5に示した構成と比較して、各ライトドライブ回路WDCa,WDCbを小型化できる。
【0122】
同様に、図9に示されるように、図6の構成において、奇数行のライトワード線(たとえばWWLj)の両端にそれぞれ配置されたライトドライブ回路WDCaおよびWDCbの各々を共通にオン・オフさせる構成することも可能である。
【0123】
なお、図6から図9では図示を省略しているが、ライトドライブ回路WDCa,WDCb,WDCmの各々において、図2に示したライトドライブ回路WWDj中のトランジスタ103に相当するトランジスタを、対応するノードと接地電圧Vssとの間に設けることも可能である。この場合には、選択行および隣接行のいずれにも対応しないライトワード線WWLを速やかに放電して非選択状態とすることができる。
【0124】
また、図6から図9の構成では、電源配線201〜203によって、電源電圧Vccが供給される構成を示したが、図3に示した2種類の電流供給回路110,111および電流供給線112,113を、電源配線201〜203の各々に代えて配置す構成とすることもできる。
【0125】
[実施の形態2]
実施の形態2においては、ライトドライブ回路を構成するトランジスタ群の好ましい制御タイミングについて説明する。
【0126】
図10は、実施の形態2に従うデータ書込電流および磁界キャンセル電流の供給を説明する概念図である。
【0127】
図10を参照して、実施の形態1およびそれらの変形例と同様に、実施の形態2に従う構成においても、ライトドライブ回路WWDは、ノードN1、N2およびN3の電圧にそれぞれ応じてオン・オフする、トランジスタ101、102および103を有する。したがって、対応するメモリセル行が選択された場合には、トランジスタ101によってデータ書込電流Iwwが供給され、対応するメモリセル行が隣接行である場合には、磁界キャンセル電流ΔIwwがトランジスタ102によって供給される。また、隣接行以外の非選択行においては、トランジスタ103がオンされて、対応するライトワード線WWLが接地電圧Vssへ放電される。
【0128】
しかし、一旦選択されたライトワード線WWLがトランジスタ103のオンによって放電される場合に、トランジスタ103がデータ書込電流Iwwに相当する電流駆動能力を有するときは、トランジスタ103のオン時において、対応するライトワード線WWLをデータ書込電流Iwwと同等の電流が逆方向に流れてしまう。このような現象が発生すると、対応するライトワード線WWLが非選択状態に復帰するタイミングが遅れてしまい、誤動作の原因となってしまう。
【0129】
したがって、実施の形態2に従う構成においては、トランジスタ103の電流駆動能力は、データ書込電流Iwwよりも小さくなるように設計される。このような構成とするためには、トランジスタ103の電流駆動能力(トランジスタサイズ)を、データ書込電流Iww(たとえば、トランジスタ101の電流駆動能力)を考慮して、これより小さくなるように設計すればよい。
【0130】
あるいは、図11に示すように、トランジスタ103を介してライトワード線WWLおよび接地電圧Vss間に形成される電流経路内に、たとえば抵抗素子で構成される電流制限素子130を挿入する構成としてもよい。この結果、トランジスタ103がオンした場合にライトワード線WWL上を流れる電流を、データ書込電流Iwwより小さくすることができるので、行選択の切換え時において、選択行または隣接行に対応するライトワード線WWLを速やかに非選択状態へ移行できる。
【0131】
図12は、データ書込電流および磁界キャンセル電流の実施の形態2に従う供給タイミングを説明する動作波形図である。図12では、第j行が選択された場合の動作波形図が示される。
【0132】
図12を参照して、データ書込動作の開始時において、選択行のライトドライブ回路WWDjのノードN1が行選択結果に応じてHレベルからLレベルに変化する時刻t1よりも早い時刻t0において、隣接行に対するライトドライブ回路WWDj+1,WWDj−1のノードN2、および隣接行を除く非選択行に対応するライトドライブ回路のノードN3は、Lレベルに設定される。これにより、隣接行のライトワード線WWLj−1およびWWLj+1に対する磁界キャンセル電流ΔIwwの供給開始タイミングは、選択行のライトワード線WWLjに対するデータ書込電流Iwwの供給開始タイミングよりも早くなる。
【0133】
さらに、データ書込動作の終了時においては、ライトドライブ回路WWDj(選択行)のノードN1がLレベルからHレベルに変化する時刻t2よりも後の時刻t3において、ライトドライブ回路WWDj−1,WWDj+1(隣接行)のノードN2、および隣接行以外の非選択行し対応するライトドライブ回路のN3は、Hレベルに変化し始める。行選択回路20,21からのデコード結果の伝達タイミングは、ライトドライブ回路WWDにおけるノードN1〜N3のレベルが上述したタイミングで変化するように設定される。
【0134】
この結果、隣接行における磁界キャンセル電流ΔIwwの供給期間(時刻t0〜t3に対応)は、選択行におけるデータ書込電流Iwwの供給期間(時刻t1〜t2に対応)を含むように設定される。これにより、磁界キャンセル電流による漏れ磁界の打ち消しをより確実に行なって、データ誤書込の発生をより確実に防止することができる。
【0135】
[実施の形態3]
実施の形態3においては、データ書込電流Iwwと磁界キャンセル電流ΔIwwとの比の設定について説明する。
【0136】
図13は、実施の形態3に従うデータ書込電流および磁界キャンセル電流の比の設定を説明するための概念図である。
【0137】
図13を参照して、選択行のライトワード線(以下、「選択WWL」とも表記する)に、データ書込電流Iwwが流され、隣接するライトワード線(以下、「隣接WWL」とも表記する)に磁界キャンセル電流ΔIwwが流される。ここで、データ書込電流Iwwに対する磁界キャンセル電流ΔIwwの比、すなわち|ΔIww|/|Iww|は、β(β:0<β<1の実数)と示される。また、各ライトワード線WWL間での発生磁界の漏れ割合をα(α:0<α<1の実数)で示す。すなわち、あるライトワード線WWLを流れる電流によって対応するメモリセル行のMTJメモリセルへ作用する磁界の強さと、当該電流によって隣接行のMTJメモリセルへ作用する磁界の強さとの比は、1:αで示される。
【0138】
したがって、選択WWLを流れるデータ書込電流Iwwによって選択行のMTJメモリセル(トンネル磁気抵抗素子TMR)に作用する磁界の強度をHで示すと、データ書込電流Iwwによって隣接行の非選択メモリセルに作用する磁界の強度は、“α・H”で示される。また、隣接WWLを流れる磁界キャンセル電流−ΔIww(符号は、データ書込電流Iwwと逆方向であることを示す)によって、当該隣接行のMTJメモリセル(トンネル磁気抵抗素子TMR)に作用する磁界の強度は、“−β・H”で示される。さらに、隣接行の磁界キャンセル電流−ΔIwwによって、選択行のMTJメモリセルへ作用する磁界は、磁界の漏れ割合αを乗じて“−α・β・H”で示される。
【0139】
これらの複数の磁界の和によって、選択行のMTJメモリセルに作用する磁界slは、下式(1)で示される。
【0140】
sl=H−2・α・β・=(1−2・α・β)・H …(1)
また、隣接行のMTJメモリセルに作用する磁界Hnsは、下式(2)式で示される。
【0141】
Hns=α・H−β・H=(α−β)・H …(2)
したがって、上記(1),(2)式より、選択行のMTJメモリセルに対してデータ書込を実行するためには、最低限Hsl>0であることが必要である。したがって、この条件からαおよびβについて、下式(3)式が導かれる。
【0142】
1−2・α・β>0
β<1/(2・α) …(3)
さらに、隣接行のMTJメモリセルに対するデータ誤書込を防止するためには、Hsl>Hnsが最低限必要とされるので、下式(4)式がさらに導かれる。
【0143】
1−2・α・β>|α−β| …(4)
このように、データ書込電流Iwwに対する磁界キャンセル電流ΔIwwの比βを、隣接するライトワード線WWL間での磁界の漏れ割合αを考慮して、上記(3)および(4)式に基づいて定量的に定めることができる。これにより、実施の形態1およびその変形例、ならびに実施の形態2に従う構成において、磁界キャンセル電流ΔIwwの電流量を適切に設定することができる。なお、その際に図16に示されたアステロイド特性線を考慮すれば、さらに確実にデータ誤書込を防止できる。
【0144】
[実施の形態4]
実施の形態4においては、選択列のビット線に供給されるデータ書込電流からの漏れ磁界を打ち消すための磁界キャンセル電流を供給する構成について説明する。
【0145】
図14は、実施の形態4に従うビット線ドライブ回路の構成を示す回路図である。
【0146】
図14に示されるビット線ドライブ回路BDVaおよびBDVbは、図2に示されるように、ビット線BL1〜BLmの各々の一端側および他端側にそれぞれ対応して配置される。図14には、代表的にビット線BLjに対応して設けられるビット線ドライブ回路BDVajおよびBDVbjの構成が示される。
【0147】
ビット線ドライブ回路BDVajは、電源電圧Vccおよびビット線BLjの一端側との間に並列に接続されるPチャネルMOSトランジスタ150および152と、ビット線BLjと接地電圧Vssとの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタ154とを有する。トランジスタ150、152および154のゲートは、ノードN11、N12およびN13とそれぞれ接続される。
【0148】
トランジスタ150は、選択列のビット線BLに流されるデータ書込電流Iwwbに応じた電流駆動能力(トランジスタサイズ)を有する。同様に、トランジスタ152は、隣接するビット線にデータ書込電流Iwwbが流された場合における漏れ磁界をキャンセルするための磁界キャンセル電流ΔIwwbに応じた電流駆動能力(トランジスタサイズ)を有する。
【0149】
ビット線ドライブ回路BDVajは、さらに、対応するビット線BLjが選択された場合にHレベルに活性化されるコラム選択線CSLjおよび書込データDINのNAND論理演算結果をノードN11に出力する論理ゲート160と、隣接行のコラム選択結果を反映したコラム選択線CSLj−1およびCSLj+1のOR論理演算結果を出力する論理ゲート162と、論理ゲート162の出力と書込データDINの反転データ/DINのNAND論理演算結果をノードN12に出力する論理ゲート164と、ノードN11およびN12のAND論理演算結果をノードN13に出力する論理ゲート166とを有する。
【0150】
このような構成とすることにより、トランジスタ150は、対応するメモリセル列が選択されて、かつ書込データDINがHレベルである場合にオンする。トランジスタ152は、隣接する第(j−1)および第(j+1)行のいずれかが選択されて、かつ書込データDINがLレベルであるときにオンする。トランジスタ154は、トランジスタ150および152の両方がオフされる場合にオンする。
【0151】
同様に、ビット線ドライブ回路BDVbjは、電源電圧Vccおよびビット線BLjの他端側との間に並列に接続されるPチャネルMOSトランジスタ170および172と、ビット線BLjと接地電圧Vssとの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタ174とを有する。トランジスタ170、172および174のゲートは、ノードN21、N22およびN23とそれぞれ接続される。
【0152】
トランジスタ170は、データ書込電流Iwwbに応じた電流駆動能力(トランジスタサイズ)を有する。同様に、トランジスタ172は、磁界キャンセル電流ΔIwwbに応じた電流駆動能力(トランジスタサイズ)を有する。
【0153】
ビット線ドライブ回路BDVbjは、さらに、コラム選択線CSLjおよび書込データの反転データ/DINのNAND論理演算結果をノードN21に出力する論理ゲート180と、隣接行のコラム選択結果を反映したコラム選択線CSLj−1およびCSLj+1のOR論理演算結果を出力する論理ゲート182と、論理ゲート182の出力と書込データDINのNAND論理演算結果をノードN22に出力する論理ゲート184と、ノードN21およびN22のAND論理演算結果をノードN13に出力する論理ゲート186とを有する。
【0154】
このような構成とすることにより、トランジスタ170は、対応するメモリセル列が選択されて、かつ書込データDINがLレベルである場合にオンする。トランジスタ172は、隣接する第(j−1)および第(j+1)行のいずれかが選択されて、かつ書込データDINがHレベルであるときにオンする。トランジスタ174は、トランジスタ170および172の両方がオフされる場合にオンする。
【0155】
たとえば、第j列に属する選択メモリセルにHレベルを書込む場合には、トランジスタ150および174がオンすることによって、ビット線ドライブ回路BDVajからBDVbjへ向かう方向にデータ書込電流Iwwbが流される。これに対して、書込データDINがLレベルであるときには、トランジスタ170および154がオンすることによって、Lレベルのデータを書込む場合とは反対方向にデータ書込電流Iwwbが流される。
【0156】
一方、隣接する第(j−1)列もしくは第(j+1)列が選択された場合には、書込データがHレベルである場合にはトランジスタ172および154がオンし、書込データがLレベルである場合にはトランジスタ152および174がオンする。これにより、隣接列のビット線上を流れるデータ書込電流と反対方向に、磁界キャンセル電流ΔIwwbを流すことができる。
【0157】
このような構成とすることにより、選択列に対応するビット線から発生する漏れ磁界に起因するデータ誤書込についても防止することが可能となる。
【0158】
なお、行方向のデータ書込電流に着目した実施の形態1の変形例、ならびに実施の形態2および3でそれぞれ説明した構成のバリエーションの各々は、列方向のデータ書込電流に着目した実施の形態4に従う構成とも組み合わせることが可能である。
【0159】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0160】
【発明の効果】
請求項1に記載の半導体装置は、各書込選択線における電流方向を一定に維持した上で、選択行の書込選択線を流れるデータ書込電流からの漏れ磁界を打ち消すための電流を、隣接行の書込選択線に流すことができる。したがって、回路構成の複雑化を招くことなく、隣接行でのデータ誤書込の発生を防止できる。
【0161】
請求項およびに記載の半導体装置は、請求項1に記載の半導体装置奏する効果に加えて、ドライバ回路へ供給される電圧の種類を削減できる。また、ドライバ回路の配置レイアウトを緩和して、チップ面積の削減を図ることができる。
【0162】
請求項4〜7に記載の半導体装置は、請求項1に記載の半導体装置奏する効果に加えて、中間点を境にして、選択行の書込選択線の選択メモリセルに対応する部分のみにデータ書込電流を供給することができる。したがって、選択行に属する非選択メモリセルへ対するデータ誤書込の発生を防止できる。
【0163】
請求項8記載の半導体装置は、請求項1に記載の半導体装置が奏する効果に加えて、電流駆動能力の異なる複数のドライバユニットの切換えを用いることによって、ドライバ回路の構成を簡素化できる。
【0164】
請求項9に記載の半導体装置は、階層的なデコード構成に基づいて書込選択線の選択を行なうので、請求項1に記載の半導体装置が奏する効果に加えて、メモリアレイが大規模化してメモリセル行数が増大した場合にも、行選択回路の回路規模の増大を避けることができる。
【0165】
請求項10および11に記載の半導体装置は、行選択の切換え時において、選択行または隣接行に対応する書込選択配線を速やかに非選択状態へ移行できる。この結果、請求項1に記載の半導体装置が奏する効果に加えて、誤動作の発生をさらに確実に防止できる。
【0166】
請求項12に記載の半導体装置は、隣接行に磁界キャンセル電流が流されている期間内において、選択行にデータ書込電流を供給するので、磁界キャンセル電流による漏れ磁界の打ち消しを確実に行なえる。したがって、請求項1に記載の半導体装置が奏する効果に加えて、データ誤書込の発生をより確実に防止することができる。
【0167】
請求項13および14に記載の半導体装置は、請求項1に記載の半導体装置が奏する効果に加えて、磁界キャンセル電流の電流量を適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に従うMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 実施の形態1に従うデータ書込電流の供給を説明する回路図である。
【図3】 実施の形態1の変形例1に従うデータ書込電流の供給を説明する回路図である。
【図4】 図3に示される電流供給回路の構成を示す回路図である。
【図5】 実施の形態1の変形例2に従うライトワード線へのデータ書込電流の供給を説明する回路図である。
【図6】 実施の形態1の変形例3に従うライトワード線へのデータ書込電流供給の第1の例を説明する回路図である。
【図7】 実施の形態1の変形例3に従うライトワード線へのデータ書込電流供給の第2の例を説明する回路図である。
【図8】 実施の形態1の変形例3に従うライトワード線へのデータ書込電流供給の第3の例を説明する回路図である。
【図9】 実施の形態1の変形例3に従うライトワード線へのデータ書込電流供給の第4の例を説明する回路図である。
【図10】 実施の形態2に従うデータ書込電流および磁気ノイズキャンセル電流の供給を説明する概念図である。
【図11】 実施の形態2に従うライトドライブ回路の構成例を示す回路図である。
【図12】 データ書込電流および磁気ノイズキャンセル電流の実施の形態2に従う供給タイミングを説明する動作波形図である。
【図13】 実施の形態3に従うデータ書込電流および磁気ノイズキャンセル電流の比の設定を説明するための概念図である。
【図14】 実施の形態4に従うビット線ドライブ回路の構成を示す回路図である。
【図15】 MTJメモリセルの構成を示す概略図である。
【図16】 MTJメモリセルからのデータ読出動作を説明する概念図である。
【図17】 MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【図18】 MTJメモリセルに対するデータ書込時におけるトンネル磁気抵抗素子の磁化状態を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、10 メモリアレイ、20,21 行選択回路、30列選択回路、110,111 電流供給回路、130 電流制限素子、201,202,203 電源配線、112,113 電流供給線、BDVa,BDVb ビット線ドライブ回路、BL ビット線、DIN 書込データ、DOUT 読出データ、Iww,Iwwb データ書込電流、MC MTJメモリセル、MWL メインワード線、Nm 中間ノード、RWL リードワード線、SD0〜SD3 サブデコード信号、TMR トンネル磁気抵抗素子、Vcc 電源電圧、Vss 接地電圧、WDCa,WDCb,WDCm,WWD ライトドライブ回路、WWL ライトワード線、ΔIww,ΔIwwb 磁界キャンセル電流、α 磁界漏れ割合、β 電流比。

Claims (14)

  1. 各々が、記憶データに応じた方向に磁化される、半導体集積回路に形成された磁性体を有する複数の磁性体メモリセルが配置されたメモリアレイと、
    メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数の書込選択線と、
    メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のデータ線と、
    列選択結果に応じて、選択された磁性体メモリセルに対応するデータ線に対して、書込まれる記憶データに応じた方向の電流を選択的に流すための書込制御回路と、
    行選択結果に応じて、前記複数の書込選択線への選択的な電流供給を制御するための行選択回路とを備え、
    前記行選択回路は、
    各前記書込選択線に対応して設けられ、各々が、対応の書込選択線が選択行に対応するときに所定方向にデータ書込電流を供給するとともに、前記対応の書込選択線が前記選択行の隣接行に対応するときに前記データ書込電流よりも小さい磁界キャンセル電流を、前記データ書込電流と同一方向に供給するように構成された、少なくとも1個のドライブ回路を含み、
    各前記書込選択線において、前記少なくとも1個のドライブ回路は、第1の配置パターンおよび第2の配置パターンの一方を1行おきに交互に適用するように配置され、
    前記第1の配置パターンに従って前記ドライブ回路が配置された前記書込選択配線上の各点において、前記ドライバ回路から供給される電流の方向は、前記第2の配置パターンに従って前記ドライブ回路が配置された前記書込選択配線と反対方向である、半導体装置。
  2. 前記第1の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、当該書込選択線の両端の一方に対応して配置され、
    前記第2の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、当該書込選択線の両端の他方に対応して配置される、請求項1記載の半導体装置。
  3. 各前記ドライバ回路は、前記行選択結果に応じて、前記対応する書込選択線の端部を第1の電圧と接続し、
    各前記書込選択線の前記ドライバ回路が非配置とされる端部は、前記行選択結果にかかわらず第2の電圧と接続される、請求項記載の半導体装置。
  4. 前記ドライバ回路は、前記対応する書込選択線の両端および中間点の少なくとも一方に対応して設けられ、
    前記第1の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、当該書込選択線が前記選択行または前記隣接行に対応するときに、前記両端から前記中間点に向けて電流を流すように配置され、
    前記第2の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、当該書込選択線が前記選択行または前記隣接行に対応するときに、前記中間点から前記両端に向けて電流を流すように配置される、請求項1記載の半導体装置。
  5. 前記第1の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、当該書込選択線の両端に対応して配置され、
    前記第2の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、当該書込選択線の中間点に対応して配置される、請求項記載の半導体装置。
  6. 前記ドライバ回路は、前記行選択結果に応じて、前記対応する書込選択線の前記両端および前記中間点の一方を第1の電圧と接続し、
    少なくとも前記選択行および前記隣接行において、前記対応する書込選択線の前記両端および前記中間点の他方は第2の電圧と接続される、請求項に記載の半導体装置。
  7. 前記第1の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、行選択結果に応じて、当該書込選択線の前記両端を第1の電圧と接続するように配置されるとともに、当該書込選択線の前記中間点は前記行選択結果にかかわらず第2の電圧と接続され、
    前記第2の配置パターンが適用される前記書込選択線において、前記ドライバ回路は、 行選択結果に応じて、当該書込選択線の前記中間点を前記第1の電圧と接続するように配置されるとともに、当該書込選択線の前記両端は前記行選択結果にかかわらず前記第2の電圧と接続される、請求項4記載の半導体装置。
  8. 記ドライバ回路は、電流駆動能力の異なる複数のドライバユニットを有し、
    前記ドライバ回路は、前記データ書込電流および前記磁界キャンセル電流の供給時のそれぞれにおいて、異なるドライバユニットを使用する、請求項1に記載の半導体装置。
  9. 前記メモリアレイは、列方向に沿って複数のメモリブロックへ分割され、
    各前記メモリセル行において、各前記書込選択線は、各前記メモリブロックに対応して分割され、
    前記半導体装置は、
    K個(K:2以上の整数)のメモリセル行ごとに配置され、対応するK個のメモリセル行が前記選択行を含む場合に選択的に活性化されるメイン書込選択線をさらに備え、
    前記行選択回路は、各前記メモリブロックごとに独立に設定される前記K個のメモリセルのうちの1つを選択するための選択信号と、前記メイン書込選択線とに応じて、前記複数のメモリブロックのうちの選択された1つにおいて、前記選択行および前記隣接行にそれぞれ対応する書込選択線に前記データ書込電流および前記磁界キャンセル電流を選択的に供給するように前記ドライバ回路を制御する、請求項1に記載の半導体装置。
  10. 記ドライバ回路は、
    第1の電圧と前記対応する書込選択線との間に設けられ、対応するメモリセル行が選択された場合に、前記対応する書込選択線へ前記データ書込電流を供給するための第1のドライブユニットと、
    前記第1の電圧と前記対応する書込選択線との間に設けられ、前記対応するメモリセル行に隣接するメモリセル行が選択された場合に、前記対応する書込選択線へ前記磁界キャンセル電流を供給するための第2のドライブユニットと、
    前記対応するメモリセル行および前記隣接するメモリセル行の両方が非選択である場合に、前記対応する書込選択線を第2の電圧と電気的に結合するための第3のドライブユニットとを含み、
    前記第3のドライブユニットのオン時における通過電流は、前記データ書込電流よりも小さい、請求項1に記載の半導体装置。
  11. 前記第3のドライブユニットの電流駆動能力は、前記第1のドライブユニットの電流駆動能力よりも小さい、請求項10に記載の半導体装置。
  12. 1回のデータ書込動作において、前記行選択回路は、前記選択行に対応する書込選択線へ前記データ書込電流が流される第1の期間が前記隣接行に対応する書込選択線へ前記磁界キャンセル電流が流される第2の期間に含まれるように、前記ドライバ回路からの電流供給タイミングを制御する、請求項1に記載の半導体装置。
  13. 前記選択行のメモリセルに対して前記データ書込電流および前記磁界キャンセル電流によってそれぞれ印加される磁界の和の強度は、前記隣接行のメモリセルに対して前記データ書込電流および前記磁界キャンセル電流によってそれぞれ印加される磁界の和の強度よりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
  14. 前記データ書込電流に対する前記磁界キャンセル電流の比であるβ(β:0<β<1の実数)は、前記複数の書込選択線のうちの1つを流れる電流によって対応するメモリセル行の磁性体メモリセルおよび前記対応するメモリセル行の隣接行の磁性体メモリセルにそれぞれ作用する磁界強度の比α(α:0<α<1の実数)とすれば、
    (1−2・α・β)>|α−β|
    の関係式を満足するように設定される、請求項13に記載の半導体装置。
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