JP4032628B2 - インクバッグセット、それを装着するようにしたプリンタ及びプリンタシステム並びにそれを用いた制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばノズルからインク滴を吐出して、記録用紙に印刷を行うインクジェット式のプリンタに用いられるインクバッグセット、及びそのインクバッグセットを装着するようにしたプリンタ、プリンタシステム及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のプリンタに使用されるインクバッグとしては、ソフトケース内に印刷用のインクを収容するとともに、そのソフトケースの外表面に識別マークを付したものが知られている。前記識別マークにはインク色等のインクの属性に関するデータが記憶され、インクバッグがプリンタに装着された状態で、プリンタに設けられた読み取り部により、識別マークからインクの属性データが読み出されるようになっている。そして、インクバッグのインクの使用量又は残量の管理は、プリンタの制御部で行われ、1つのインクバッグのインク使用量又は残量が所定値に達したとき、警告表示等が行われるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来のインクバッグにおいては、前述のようにインクバッグの外表面に識別マークが固定的に設けられ、インクの残量管理がプリンタの制御部で行われている。このため、インクバッグをインクの使用途中でプリンタから取り外した後、再びそのインクバッグを、あるいは別のインクバックをプリンタに装着して使用する場合、実際の使用量(残量)とプリンタの制御部に記憶されたデータの使用量(残量)とが相違し、インク使用量(残量)の管理を継続して行うことができないという問題があった。
【0004】
また、識別マークは1次元あるいは2次元のバーコードが使用されることが多く、しかしながら、このようなバーコードは、記憶容量が少なく、かつ書き換えもできないため、十分な管理を行い得ない。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、インクの使用量又は残量の管理をインクバッグごとに行うことができるとともに、インクバックに関する多量のデータを取り扱うことができるインクバッグセット、それを装着するようにしたプリンタ、プリンタシステム及びその制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、プリンタに装着して使用されるインクバッグを含むインクバッグセットであって、印刷用のインクが収容された本体がソフトケースよりなる前記インクバッグと、前記インクバッグが有する収納部に取り出し可能に収納されるメモリチップとを備え、前記メモリチップは、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、前記収納部に収納され、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時には、前記収納部から取り出されて、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置され、当該使用時の状態において前記メモリチップには前記データ受け渡し部によって前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれることを特徴とするものである。
【0007】
従って、上記発明によれば、メモリチップは、インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、収納部に収納されており、インクバッグがプリンタに装着される使用時に収納部から取り出されて、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置される。インクバッグがプリンタに装着された使用状態において、プリンタ側のデータ受け渡し部と対応する位置に配置されたメモリチップに、データ受け渡し部がインクの使用量又は残量を書き込むことによって、インクの使用量又は残量の管理をインクバッグごとに行うことができる。よって、インクバッグをインクの使用途中でプリンタから取り外した後、そのインクバッグを再びプリンタに装着して使用する場合、インクの使用量又は残量の管理を継続して行うことができる。また、メモリチップには、多量のデータを書き込むことができるため、インクバック管理を多量のデータに基づいて充分に行うことができる。また、メモリチップがインクバッグと別体になっているため、インクバッグの本体がソフトケースからなっていても、メモリチップを本体の収納部から取り出して、プリンタ側のデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に設けることができる。さらに、メモリチップをインクバッグの収納部に収納することによって、それらを一体的に取り扱うことができ、メモリチップの紛失の恐れを少なくすることができる。
【0010】
本発明は、プリンタに装着して使用されるインクバッグを含むインクバッグセットであって、印刷用のインクが収容された本体がソフトケースよりなる前記インクバッグと、前記インクバッグに対して連結索を介して付設したメモリチップとを備え、前記メモリチップは、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時には、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置され、当該使用時の状態において前記メモリチップには前記データ受け渡し部によって前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれることを特徴とするものである。従って、この発明によれば、メモリチップは、インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、インクバッグがプリンタに装着される使用時に、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置される。インクバッグがプリンタに装着された使用状態において、プリンタ側のデータ受け渡し部と対応する位置に配置されたメモリチップに、データ受け渡し部がインクの使用量又は残量の情報を含むデータを書き込むことによって、インクの使用量又は残量の管理をインクバッグごとに行うことができる。よって、インクバッグをインクの使用途中でプリンタから取り外した後、そのインクバッグを再びプリンタに装着して使用する場合、インクの使用量又は残量の管理を継続して行うことができる。また、メモリチップには、多量のデータを書き込むことができるため、インクバック管理を多量のデータに基づいて充分に行うことができる。また、インクバッグとメモリチップとを、連結索を介して連結された状態で、一体的に取り扱って、メモリチップをデータ受け渡し部と対応位置に配置した状態でインクバッグをプリンタに装着することができるとともに、メモリチップの紛失の恐れを少なくすることができる。
【0012】
また、プリンタに装着して使用されるインクバッグを含むインクバッグセットであって、印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグとは別体のメモリチップと、前記インクバッグ及び前記メモリチップを収容するバッグ保持ケースとを備え、前記識別マークは、前記インクバッグが前記バッグ保持ケースから取り出されてプリンタに装着された使用状態においては、プリンタに設けられたマーク読み取り部による読み取りが可能な対応位置に配置され、前記メモリチップは、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、前記インクバッグと共に前記バッグ保持ケースに収容されており、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時には、前記バッグ保持ケースから取り出されて、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置され、当該使用時の状態において前記メモリチップには、前記マーク読み取り部により前記識別マークから読み取られたインクの属性データが前記データ受け渡し部によって書き込まれるとともに、前記データ受け渡し部によって前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれることを特徴とするものである。従って、この発明によれば、メモリチップは、インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、インクバッグと共にバッグ保持ケースに収容されており、インクバッグがプリンタに装着される使用時に、バッグ保持ケースから取り出されて、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置される。この使用状態において、インクバッグ上の識別マークから読み取ったインクの属性データをメモリチップに書き込むことにより、インクバッグ及びメモリチップをプリンタに装着した際に、それらの適合性の判断等に使用することができる。そして、インクバッグとメモリチップとが適合すると判断された場合に、データ受け渡し部によってインクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれる。よって、インクの使用量又は残量の管理をインクバッグごとに行うことができる。しかも、インクバッグをインクの使用途中でプリンタから取り外した後、そのインクバッグを再びプリンタに装着して使用する場合、インクの使用量又は残量の管理を継続して行うことができる。さらに、メモリチップには、多量のデータを書き込むことができるため、インクバック管理を多量のデータに基づいて充分に行うことができる。
【0013】
本発明のインクバッグセットは、複数の前記インクバッグと、同一のプリンタに装着される複数のインクバッグに共有される前記メモリチップとを備え、前記メモリチップには、同一のプリンタに装着される前記複数のインクバッグのそれぞれに付された前記識別マークから前記マーク読み取り部により読み取られた各属性データが前記データ受け渡し部によって書き込まれるとともに、前記データ受け渡し部によって前記同一のプリンタに装着される前記複数のインクバッグごとのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが前記各属性データに対応付けて書き込まれることを特徴とするものである。従って、この発明によれば、1つのメモリチップに、同一のプリンタに装着された複数のインクバッグの識別マークから読み取られた各インクの属性データを書き込んで、データ受け渡し部によって同一のプリンタに装着される複数のインクバッグごとのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが各属性データに対応付けて書き込まれる。
【0016】
また、プリンタに係る発明では、印刷用のインクが収容されたインクバッグをセットするためのバッグセット部と、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時にはプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと該メモリチップがプリンタに装着された状態でデータの受け渡しをするデータ受け渡し部と、前記インクバッグが前記バッグセット部にセットされた状態において、前記インクバッグ上に該インクバッグを識別しうるように付された識別マークを読み取るマーク読み取り部と、前記データ受け渡し部により前記メモリチップから読み取られたインクバッグを識別可能なデータと、前記マーク読み取り部により識別マークから読み取られたデータとを比較して、前記メモリチップと前記インクバッグとの適合性を判別する判別手段とを備え、前記データ受け渡し部は、前記判別手段が前記メモリチップと前記インクバッグとが適合すると判断した場合に、前記メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量を書き込むことを特徴とするものである。
【0017】
従って、この発明によれば、メモリチップは、インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時にはプリンタに非装着な状態にあり、インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着される。インクバッグ及びメモリチップをプリンタに装着した際に、そのメモリチップとインクバッグとの適合性の判断を正確に行うことができる。よって、メモリチップとインクバッグとの不一致を抑制することができる。そして、インクバッグとメモリチップとが適合すると判断された場合に、データ受け渡し部によってインクバッグのインクの使用量又は残量の情報が書き込まれる。よって、インクの使用量又は残量の管理をインクバッグごとに行うことができる。しかも、インクバッグをインクの使用途中でプリンタから取り外した後、そのインクバッグを再びプリンタに装着して使用する場合、インクの使用量又は残量の管理を継続して行うことができる。さらに、メモリチップには、多量のデータを書き込むことができるため、インクバック管理を多量のデータに基づいて充分に行うことができる。
【0018】
さらに、プリンタに係る発明では、印刷用のインクが収容されたインクバッグをセットするためのバッグセット部と、前記インクバッグを収容した状態で前記バッグセット部にセットされるカートリッジケース、又はプリンタにメモリチップが装着された状態で前記インクバッグを前記バッグセット部にセットした使用状態において、前記メモリチップとデータの受け渡しをするとともに該メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを書き込むデータ受け渡し部と、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換を監視する監視手段と、前記監視手段により前記インクバッグ及び前記メモリチップのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間が経過しても他方の脱着交換が行われないことにより、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換がほぼ同時に行われないことが監視されたとき、警告のための制御動作を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
従って、この発明によれば、インクバッグを収容した状態でバッグセット部にセットされたカートリッジケース、又はプリンタに装着されたメモリチップは、インクバッグをバッグセット部にセットした使用状態において、前記データ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置される。インクバッグ及びメモリチップをプリンタに対して脱着交換する際に、そのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間が経過しても他方の脱着交換が行われないことを監視することで、それらの脱着交換がほぼ同一時期に行われたか否かを適正に監視することができる。よって、インクバッグとメモリチップとのいずれか一方のみが脱着交換されるのを抑制することができ、他方の交換が忘れられるのをほとんど防止することができる。
【0020】
本発明では、前記監視手段は、メモリチップとデータの受け渡しを行うデータ受け渡し部と、インクバッグ上に付された識別マークを読み取るマーク読み取り部とを備え、前記データ受け渡し部は、前記メモリチップからインクバッグを識別するために読み出したデータが変更されたことによって前記メモリチップの脱着交換を検出し、前記マーク読み取り部は、インクバッグを識別するために前記識別マークを読み取って得たデータが変更されたことによって前記インクバッグの脱着交換を検出することを特徴とするものである。従って、この発明によれば、監視手段として検出スイッチ等を別に設ける必要がなく、構成を簡略化することができる。
【0021】
本発明は、印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムであって、前記プリンタは、前記インクバッグをセットするためのバッグセット部と、前記メモリチップとデータの受け渡しをするデータ受け渡し部と、前記インクバッグ上に付された該インクバッグを識別可能な識別マークを読み取るマーク読み取り部とを備え、前記プリンタは、前記データ受け渡し部により前記メモリチップから読み取られたインクバッグを識別可能なデータと、前記マーク読み取り部により前記識別マークから読み取られたデータとを比較して、前記メモリチップと前記インクバッグとの適合性を判別する判別動作を行うとともに、前記メモリチップと前記インクバッグとが適合するものと判別した場合に、前記データ受け渡し部による前記メモリチップへの前記インクバッグのインクの使用量又は残量に係る情報を含むデータの書き込みを行うものであり、一方、前記メモリチップと前記インクバックとが不適合と判別した場合は、前記コンピュータに不適合の旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記メモリチップと前記インクバックとが不適合の旨を表示部に表示させるものである。
【0022】
従って、この発明によれば、メモリチップは、プリンタに装着されていない不使用時にはインクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着される。インクバッグ及びメモリチップをプリンタに装着した際に、そのメモリチップとインクバッグとの適合性の判断を正確に行うことができる。そして、メモリチップとインクバッグとが適合するものと判別した場合に、データ受け渡し部によるメモリチップへのインクバッグのインクの使用量又は残量に係る情報を含むデータが書き込まれる。一方、メモリチップとインクバックとが不適合と判別された場合は、コンピュータによって、その旨が表示部に表示される。よって、メモリチップとインクバッグとが不一致のまま放置されることを抑制することができる。また、これを行うために、データの比較によりメモリチップとインクバッグとの適合性を判別する判別動作を行うような機構をプリンタ内部に設けずともよいので、プリンタの構成を簡単にすることができる。
【0023】
本発明は、印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムであって、前記プリンタは、前記インクバッグをセットするためのバッグセット部と、前記メモリチップとデータの受け渡しをするデータ受け渡し部とを備え、前記プリンタは、前記メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを書き込むとともに、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換を監視し、前記インクバッグ及び前記メモリチップのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間が経過しても他方の脱着交換が行われないことにより、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換がほぼ同時に行われないことが監視されたとき、前記コンピュータに他方の脱着交換を促す旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記他方の脱着交換を促す旨を表示部に表示させることを特徴とする。
【0024】
従って、この発明によれば、メモリチップは、インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時にはインクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着される。インクバッグがバッグセット部にセットされるとともに、メモリチップがデータ受け渡し部とデータの受け渡しが可能な位置に配置された状態においては、データ受け渡し部によってメモリチップにインクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれる。インクバッグ及びメモリチップのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間経過しても他方の脱着交換が行われないことにより、それらの脱着交換がほぼ同一時期に行われたか否かを適正に監視することができる。よって、インクバッグとメモリチップとのいずれか一方のみが脱着交換されたまま放置されることを抑制することができ、他方の交換が忘れられるのをほとんど防止することができる。また、これを行うためにインクバッグとメモリチップの脱着交換がほぼ同一時期に行われたか否かを適正に監視する構造をプリンタ内部に設けずともよいので、プリンタの構成を簡単にすることができる。
【0025】
本発明は、印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムの制御方法であって、前記プリンタは、前記インクバック及びメモリチップがプリンタに装着された際に、前記インクバッグの識別マークから読み取られる該インクバッグを識別可能なデータと、前記メモリチップから得られたインクバッグに関するデータとを比較して、前記メモリチップと前記インクバックとの適合性を判別し、前記メモリチップと前記インクバックとが適合するものと判別した場合に、前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを前記メモリチップに書き込み、一方、前記メモリチップと前記インクバックとが不適合と判別した場合は、前記コンピュータに不適合の旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記メモリチップと前記インクバックとが不適合の旨を表示部に表示させることを特徴とする。
【0026】
本発明は、印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムの制御方法であって、前記プリンタは、前記インクバック及び前記メモリチップがプリンタに装着された状態において、前記メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを書き込むとともに、前記インクバック及び前記メモリチップの脱着交換を監視し、前記インクバック及び前記メモリチップのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間が経過しても他方の脱着交換が行われないことにより、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換がほぼ同時に行われないことが監視されたとき、前記コンピュータに他方の脱着交換を促す旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記他方の脱着交換を促す旨を表示部に表示させる警告動作を行うことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
【0028】
まず、この実施形態のインクバッグセットについて説明する。図1及び図2に示すように、インクバッグ11のインクバッグ本体12は、例えばガスバリア性を有するポリエチレンフィルムにアルミニウムを蒸着したラミネートフィルム等によりソフトケース状に形成され、その内部には印刷用のインクが収容されている。インクバッグ本体12の端部にはインク供給口13が突設され、このインク供給口13からインクバッグ本体12内のインクが取り出されるようになっている。
【0029】
前記インクバッグ本体12の裏面の端縁部には、バーコード等よりなる識別マーク14が付されている。この識別マーク14には、インクバッグ11内のインクに関する属性データ、例えばインクの種類、色、製造年月日、製造工場等のデータが記録されている。
【0030】
前記インクバッグ本体12の上面の中央部には、透明なポケット状の収納部15が形成されている。収納部15内にはインクバッグ11と別体をなすメモリチップ16が取り出し可能に収納され、このメモリチップ16は接触型メモリIC等から構成されている。このメモリチップ16には、前記識別マーク14に対応するインクバッグ11内のインクの属性データ、例えばインクの種類、色、製造年月日、製造工場等のデータを書き込むための記憶領域が設けられている。さらに、メモリチップ16には、インクバッグ11内のインクの既使用量及び残量を書き込むための記憶領域が設けられている。
【0031】
次に、前記インクバッグ11及びメモリチップ16よりなるインクバッグセットを装着して使用するプリンタについて説明する。図1及び図2に示すように、プリンタ本体20には印字ヘッド21が図示しないプラテンに沿って移動可能に配設されている。プリンタ本体20の一側前面には複数のバッグ保持部22が区画形成され、それらのバッグ保持部22には各一対のガイド板22aが設けられている。そして、各バッグ保持部22には前記ソフトケース状のインクバッグ11がカートリッジケース23に収容した状態で、セットされるようになっている。
【0032】
前記カートリッジケース23はプラスチック等によりハードケース状に形成されている。カートリッジケース23の一端面には取出口24が形成され、カートリッジケース23内に収容されたインクバッグ11のインク供給口13が、この取出口24から外部に突出されるようになっている。
【0033】
前記カートリッジケース23の一側底面には窓部25が形成され、カートリッジケース23内に収容されたインクバッグ11上の識別マーク14が、この窓部25から下方へ露出されるようになっている。取出口24に隣接するように、カートリッジケース23の外面にはチップ装着部26が形成され、カートリッジケース23内にインクバッグ11を収容してバッグ保持部22にセットする際に、インクバッグ11上の収納部15からメモリチップ16を取り出して、このチップ装着部26に装着するようになっている。
【0034】
図1及び図2に示すように、前記プリンタ本体20の各バッグ保持部22には供給針27が対向配置されて、供給チューブ28を介して印字ヘッド21に接続されている。そして、インクバッグ11がカートリッジケース23内に収容された状態でバッグ保持部22にセットされたとき、供給針27がインクバッグ11のインク供給口13を貫通してインクバッグ本体12内に挿入される。この状態で、印字ヘッド21の印刷動作に伴い、インクバッグ11内のインクが供給針27及び供給チューブ28を介して印字ヘッド21に供給されて、記録用紙P上に印刷が行われるようになっている。
【0035】
前記各バッグ保持部22の一方のガイド板22aの端部にはマーク読み取り部29が配設され、このマーク読み取り部29により、インクバッグ11上の識別マーク14からインクの属性データが読み取られるようになっている。各バッグ保持部22の他方のガイド板22aの端部にはデータ受け渡し部30が配設され、このデータ受け渡し部30により、カートリッジケース23上のメモリチップ16に対して、インクの属性データ及び既使用量や残量のデータに関する書き込み並びに読み取りが接触状態で行われるようになっている。
【0036】
次に、前記のような構造よりなるプリンタの回路構成について説明する。図3に示すように、プリンタ本体20にはプリンタ全体の動作を制御する中央処理装置(CPU)33が設けられ、そのCPU33には、動作プログラムを格納したリードオンリメモリ(ROM)34及びワーキングデータを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)35が接続されている。CPU33には前記印字ヘッド21を含む印字機構36が接続され、この印字機構36に作動信号が出力されるようになっている。また、CPU33にはマーク読み取り部29及びデータ受け渡し部30が接続され、このマーク読み取り部29及びデータ受け渡し部30との間でインクの属性データ等の受け渡しが行われるようになっている。
【0037】
さらに、前記プリンタ本体20内のCPU33には、インターフェース37を介して外部のパーソナルコンピュータ(以下、PCと記載する)38が接続され、このPC38との間で印刷データや警告表示信号の受け渡しが行われるようになっている。PC38にはディスプレイ装置等の表示部39が接続され、CPU33からPC38に警告表示信号が出力されたとき、この表示部39に警告メッセージが表示されるようになっている。PC38にはキーボード40が接続され、このキーボード40から種々のデータが入力されるようになっている。
【0038】
また、この実施形態においては、前記CPU33、マーク読み取り部29及びデータ受け渡し部30により、インクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換を監視するための監視手段が兼用されるとともに、CPU33により判別手段が構成されている。そして、マーク読み取り部29及びデータ受け渡し部30により、インクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換がほぼ同一時期に行われないことが確認されたとき、すなわちインクバッグ11とメモリチップ16とのいずれか一方が脱着交換された後、所定時間を経過しても他方が脱着交換されないことが検出されたとき、CPU33から他方の脱着交換を促す警告表示信号が出力されるようになっている。
【0039】
さらに、この実施形態においては、前記CPU33により判別手段が構成されている。そして、プリンタ本体20にインクバッグ11及びメモリチップ16が装着された際に、マーク読み取り部29にてインクバッグ11上の識別マーク14から読み取られたインクの属性データと、データ受け渡し部30にてメモリチップ16から読み取られたインクの属性データとが、CPU33により比較されて、インクバッグ11とメモリチップ16との適合性が判別され、不適合の場合には、その旨の警告表示信号が出力されるようになっている。
【0040】
しかも、前記バッグ保持部22に装着されたインクバッグ11内のインクを使用して、印字ヘッド21により記録用紙P上に印刷が行われる際に、CPU33の制御に基づいて、データ受け渡し部30によりメモリチップ16にインクの既使用量又は残量のデータが書き込まれる。そして、メモリチップ16に書き込まれたインクの積算使用量又は積算残量が所定値に達したとき、CPU33からインクバッグ11の交換を促す警告表示信号が出力されるようになっている。
【0041】
次に、前記のように構成されたインクバッグセット及びそれを装着するようにしたプリンタの動作を説明する。
まず、インクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換時の監視動作について、図4のフローチャートに従って説明する。インクバッグ11とメモリチップ16とのいずれか一方が脱着交換されると、その交換動作がマーク読み取り部29またはデータ受け渡し部30で検出される(ステップS1)。その後、インクバッグ11とメモリチップ16との他方が脱着交換されて、その交換動作がデータ受け渡し部30またはマーク読み取り部29にて検出されるのが待たれる(ステップS2)。
【0042】
そして、インクバッグ11とメモリチップ16との一方が脱着交換された後、一定時間経過しても他方の脱着交換が行われないときには(ステップS3)、CPU33からPC38を介して表示部39に警告表示信号が出力される。これにより、例えば「交換済みのインクバッグと対応するメモリチップに交換して下さい」、あるいは「交換済みのメモリチップと対応するインクバッグに交換して下さい」等の警告メッセージが、表示部39に表示される(ステップS4)。
【0043】
次いで、インクバッグ11及びメモリチップ16の装着時におけるデータの読み込み及び処理動作について、図5のフローチャートに従って説明する。インクバッグ11がカートリッジケース23内に収容されるとともに、メモリチップ16がカートリッジケース23のチップ装着部26に装着された状態で、カートリッジケース23がプリンタ本体20のバッグ保持部22にセットされると、マーク読み取り部29によりインクバッグ11上の識別マーク14のデータが読み取られる(ステップS5)。それとともに、データ受け渡し部30によりメモリチップ16のデータが読み取られ(ステップS6)、そのメモリチップ16からの読み取りデータが存在するか否かが判別される(ステップS7)。
【0044】
前記ステップS7の判別において、メモリチップ16からの読み取りデータが存在する場合には、識別マーク14からの読み取りデータとメモリチップ16からの読み取りデータとが一致するか否かが判別される(ステップS8)。そして、両データが一致しないときには、すなわちインクバッグ11とメモリチップ16とが対応しない場合には、CPU33からPC38を介して表示部39に警告表示信号が出力される。これにより、例えば「インクバッグとメモリチップとが一致しません。一致するものに装着しなおして下さい」等の警告メッセージが、表示部39に表示される(ステップS9)。
【0045】
一方、前記ステップS7の判別において、メモリチップ16からの読み取りデータが存在しない場合には、識別マーク14から読み取られたインクの属性データがデータ受け渡し部30により、メモリチップ16に書き込まれる(ステップS10)。その後、メモリチップ16の属性データに基づいて印刷動作が開始されると、インクバッグ11内のインクの使用が検出され(ステップS11)、そのインクの既使用量のデータ又は残量がデータ受け渡し部30により、メモリチップ16に書き込まれる(ステップS12)。また、前記ステップS8の判別において、識別マーク14からの読み取りデータとメモリチップ16からの読み取りデータとが一致した場合には、ステップS11、S12に進行して前記の動作が行われる。
【0046】
続いて、前記メモリチップ16に書き込まれたインクの積算使用量又は積算残量が所定値に達したか否かが判別され(ステップS13)、インクの積算使用量又は積算残量が所定値に達するまでは、前記ステップS11〜S13の動作が繰り返し行われる。そして、インクの積算使用量又は積算残量が所定値に達すると、CPU33からPC38を介して表示部39に警告表示信号が出力される。これにより、例えば「インクバッグのインクがなくなりました。新しいものと交換して下さい」等の警告メッセージが、表示部39に表示される(ステップS14)。
【0047】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)このインクバッグセットにおいては、印刷用のインクが収容されたインクバッグ11と、そのインクバッグ11と別体をなし、インクバッグ11に関するデータが書き込まれるメモリチップ16とよりなっている。このため、メモリチップ16にインクの使用量又は残量を書き込むことによって、インク使用量又は残量の管理をインクバッグ11ごとに行うことができる。よって、インクバッグ11をインクの使用途中でプリンタから取り外した後、そのインクバッグ11を再びプリンタに装着して使用する場合、メモリチップ16も同時に着脱することによりインク使用量又は残量の管理を継続して行うことができる。しかも、バーコードよりなる識別マークとは異なり、メモリチップには多量のデータを記憶されることができるとともに、書き込みや消去も自在なので、インクバッグ11の管理を細かく確実に行うことができる。また、インクバッグ11のインクが総て使用されても、メモリチップ16には、他のインクバッグ11のデータを書き込むこともできるので、メモリチップ16はインクバッグ11と異なり、そのまま利用することもできる。
【0048】
(2)このインクバッグセットにおいては、メモリチップ16がインクバッグ11と別体になっていることで、インクバッグ11がソフトケースから構成されていても、メモリチップ16をインクバッグ11に対応して設けることができる。
【0049】
(3)このインクバッグセットにおいては、前記インクバッグ11が、メモリチップ16を収納するための収納部15を有している。このため、メモリチップ16をインクバッグ11の収納部15に収納することによって、それらを一体的に取り扱うことができるとともに、メモリチップ16が別体であっても、メモリチップ16の紛失の恐れが少ない。
【0050】
(4)このインクバッグセットにおいては、前記インクバッグ11に識別マーク14が付されている。このため、インクバッグ11上の識別マーク14のデータをメモリチップ16に書き込むことにより、インクバッグ11及びメモリチップ16をプリンタに装着した際に、それらの適合性の判断等に使用することができる。
【0051】
(5)このインクバッグセットを装着するようにしたプリンタにおいては、印刷用のインクが収容されたインクバッグ11をセットするためのバッグ保持部22と、インクバッグ11と別体のメモリチップ16との間でデータの受け渡しをするデータ受け渡し部30とが設けられている。このため、インクバッグ11をバッグ保持部22にセットするとともに、メモリチップ16をデータ受け渡し部30と対応する位置に装着した状態で、インクの使用量又は残量の管理等を容易に行うことができる。
【0052】
(6)このプリンタにおいては、ソフトケースよりなるインクバッグ11をカートリッジケース23に収容した状態で、バッグ保持部22にセットするように構成されている。このため、インクバッグ11がソフトケースであっても、プリンタ本体20に容易にかつ確実にセットすることができる。
【0053】
(7)このプリンタにおいては、前記メモリチップ16がインクの属性データを記憶し、前記データ受け渡し部30が印刷動作のために、メモリチップ16から属性データを読み出すようになっている。このため、メモリチップ16からインクの属性データを読み出して、印刷動作を的確に制御することができる。
【0054】
(8)このプリンタにおいては、前記データ受け渡し部30が、メモリチップ16に対してインクの既使用量又は残量のデータを書き込み、積算使用量又は積算残量が所定値に達した際に、警告のための制御動作を行うようになっている。このため、インクバッグ11のインクの残量又は使用量を適正に管理することができて、インクがなくなったことを的確に警告することができ、インクバッグ11の交換を適切なタイミングで行うことができる。従って、インク切れ等の不都合な事態を未然に防止することができる。
【0055】
(9)このプリンタにおいては、データ受け渡し部30によりメモリチップ16から読み取られたデータと、マーク読み取り部29により識別マーク14から読み取られたデータとが比較されて、メモリチップ16とインクバッグ11との適合性が判別されるようになっている。このため、インクバッグ11及びメモリチップ16をプリンタに装着した際に、そのメモリチップ16とインクバッグ11との適合性の判断を正確に行うことができる。よって、メモリチップ16とインクバッグ11との不一致を抑制することができる。
【0056】
(10)このプリンタにおいては、インクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換が監視され、そのインクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換がほぼ同一時期に行われないことが監視されたとき、警告のための制御動作が行われるようになっている。このため、インクバッグ11及びメモリチップ16をプリンタに対して脱着交換する際に、それらの脱着交換がほぼ同一時期に行われたか否かを適正に監視することができる。よって、インクバッグ11とメモリチップ16とのいずれか一方のみが脱着交換されるのを抑制することができ、他方の交換が忘れられるのをほとんど防止することができる。
【0057】
(11)このプリンタにおいては、前記インクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換を監視する手段が、メモリチップ16との間でデータの受け渡しを行うデータ受け渡し部30と、インクバッグ11上に付された識別マーク14を読み取るマーク読み取り部29とにより構成されている。このため、監視手段として検出スイッチ等を別に設ける必要がなく、構成を簡略化することができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、第2実施形態以降の各実施形態においては、前記のように第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0059】
さて、この第2実施形態においては、図6に示すように、プリンタ本体20の一側前面に各バッグ保持部22と対応する複数のチップ挿入部43が形成されている。そして、インクバッグ11をカートリッジケース23に収容した状態で、プリンタのバッグ保持部22にセットする際に、そのインクバッグ11上の収納部15からメモリチップ16を取り出して、バッグ保持部22と対応するチップ挿入部43に挿入するようになっている。
【0060】
前記各チップ挿入部43と対応するように、プリンタ本体20内には複数のデータ受け渡し部30が配設されている。そして、チップ挿入部43内に挿入されたメモリチップ16とデータ受け渡し部30との間で、インクバッグ11内のインクの属性データやインクの既使用量及び残量のデータの受け渡しが行われるようになっている。
【0061】
従って、この第2実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(11)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0062】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を説明する。
【0063】
さて、この第3実施形態においては、図7に示すように、インクバッグ11の端部にメモリチップ16が連結索44を介して付設されている。そして、インクバッグ11をカートリッジケース23に収容した状態で、プリンタのバッグ保持部22にセットする際に、インクバッグ11に付設されたメモリチップ16をカートリッジケース23の外面のチップ装着部26に装着するようになっている。
【0064】
従って、この第3実施形態によれば、前記各実施形態における(1),(2),(4)〜(11)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
(12)このインクバッグセットにおいては、メモリチップ16がインクバッグ11に対して、連結索44を介して付設されている。このため、インクバッグ11とメモリチップ16とを連結索44にて連結された状態で、一体的に取り扱うことができて、プリンタに対して容易に装着することができるとともに、メモリチップ16の紛失をほとんど防止することができる。
【0066】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を説明する。
さて、この第4実施形態においては、図8に示すように、ソフトケースよりなるインクバッグ11がハードケースよりなるバッグ保持ケース45内に収容された状態で販売され、これによってインクバッグ11の外力による破損が抑制されるようになっている。また、メモリチップ16もインクバッグ11と同一のバッグ保持ケース45内に収容されている。
【0067】
そして、インクバッグ11をバッグ保持ケース45から取り出して、カートリッジケース23を介してプリンタのバッグ保持部22にセットする際に、メモリチップ16をバッグ保持ケース45から取り出して、カートリッジケース23上のチップ装着部26に装着し、またはプリンタ本体20のチップ挿入部43に挿入するようになっている。
【0068】
従って、この第4実施形態によれば、前記各実施形態における(1),(2),(4)〜(11)と同様な効果を得ることができる。
【0069】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を説明する。
【0070】
さて、この第5実施形態においては、図9に示すように、複数のソフトケースよりなるインクバッグ11が1組として、ハードケースよりなるバッグ保持ケース45内に梱包保持されている。この場合、異色のインクを収容した複数のインクバッグ11が1組として梱包され、あるいは同色のインクを収容した複数のインクバッグ11が1組として梱包されている。そして、この梱包によって、各インクバッグ11の外力による破損が抑制されるようになっている。
【0071】
また、前記バッグ保持ケース45内には、1つのメモリチップ16が1組のインクバッグ11に対応して収容されている。このメモリチップ16には、複数のインクバッグ11の識別マーク14に対応するインクの属性データを書き込み可能な記憶領域、及び複数のインクバッグ11に関するインクの既使用量のデータや残量のデータを書き込み可能な記憶領域が設けられている。
【0072】
そして、異色のインクを収容した複数のインクバッグ11を1組としてバッグ保持ケース45から取り出し、あるいは同色のインクを収容したインクバッグ11を1つずつバッグ保持ケース45から取り出して、カートリッジケース23を介してプリンタのバッグ保持部22にセットする。この際には、メモリチップ16をバッグ保持ケース45から取り出して、カートリッジケース23上のチップ装着部26に装着し、またはプリンタ本体20のチップ挿入部43に挿入するようになっている。この場合、1つのメモリチップ16により、複数のインクバッグ11に関するインクのデータ処理が行われる。
【0073】
従って、この第5実施形態によれば、前記各実施形態における(1),(2),(4)〜(11)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0074】
(13)このインクバッグセットにおいては、複数のインクバッグ11が1組としてバッグ保持ケース45に保持されている。このため、異色のインクを収容した複数のインクバッグ11をプリンタに同時に装着して使用する場合、あるいは同色のインクを収容した複数のインクバッグ11をプリンタに順に装着して使用する場合や販売する場合に便利である。
【0075】
(14)このインクバッグセットにおいては、メモリチップ16が1組のインクバッグ11に対応して設けられている。このため、1つのメモリチップ16で複数のインクバッグ11の属性データ等の処理を容易に行うことができる。
【0076】
(15)このインクバッグセットにおいては、前記メモリチップ16に、複数のインクバッグ11の識別マーク14に対応するデータが書き込まれるようになっている。このため、1つのメモリチップ16に複数のインクバッグ11の識別マーク14から読み取られた属性データ等を確実にインクバッグ11毎に書き込んで、それらのインクバッグ11のデータ処理を容易に行うことができる。
【0077】
(16)このインクバッグセットにおいては、前記メモリチップ16に、複数のインクバッグ11のインク残量又は使用量に関するデータを書き込み可能な記憶領域が設けられている。このため、同色のインクを収容した複数のインクバッグ11をプリンタに順に装着して使用する場合、各インクバッグ11のインクの使用量又は残量を継続的に管理することができる。
【0078】
(17)このインクバックセットにおいて、すべて同じインクバックである場合には、メモリチップ16にインクバックの情報を書き込むことができるので、メモリチップ16を使い回すことができる。
【0079】
(第6実施形態)
次に、この発明の第6実施形態を説明する。
さて、この第6実施形態においては、図10に示すように、異色のインクを収容した複数のソフトケースよりなるインクバッグ11が1組として、ハードケースよりなるバッグ保持ケース45内に梱包保持されている。バッグ保持ケース45の側壁には複数の透孔46が形成され、各インクバッグ11のインク供給口13がこれらの透孔46を介して外部に露出されている。
【0080】
前記バッグ保持ケース45の側壁外面には、1つのメモリチップ16が1組のインクバッグ11に対応して取り付けられている。このメモリチップ16には、複数のインクバッグ11の識別マーク14に対応するインクの属性データを書き込み可能な記憶領域、及び複数のインクバッグ11に関するインクの既使用量のデータや残量のデータを書き込み可能な記憶領域が設けられている。
【0081】
また、プリンタにおけるバッグ保持部22は、複数のインクバッグ11をバッグ保持ケース45に保持したままの状態でセットできるように構成されている。そして、このバッグ保持部22には、各インクバッグ11のインク供給口13に貫通可能な複数の供給針27が配設されるとともに、バッグ保持ケース45上のメモリチップ16に対応可能なデータ受け渡し部30が設けられている。
【0082】
従って、この第6実施形態によれば、前記各実施形態における(1),(2),(4)〜(11),(13)〜(16)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0083】
(18)このインクバッグセットにおいては、メモリチップ16がバッグ保持ケース45に取り付けられている。このため、インクバッグ11をバッグ保持ケース45に保持された状態でバッグ保持部22にセットすれば、そのバッグ保持ケース45に取り付けられたメモリチップ16を、プリンタに対して容易に装着することができる。
【0084】
(19)このインクバッグを装着するようにしたプリンタにおいては、バッグ保持部22が、複数のインクバッグ11をバッグ保持ケース45に保持したままの状態でセットできるようになっている。このため、複数のインクバッグ11をバッグ保持ケース45から取り出してバッグ保持部22にセットする必要がなく、そのセット操作を容易に行うことができる。
【0085】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記第1及び第3実施形態において、インクバッグ11をハードケースにて形成し、インクバッグ11をカートリッジケース23に収容することなく、プリンタのバッグ保持部22に直接セットするように構成してもよい。この場合には、インクバッグ11上の収納部15に収納され、またはインクバッグ11に連結索44を介して付設されたメモリチップ16を、前記第2実施形態のようにプリンタ本体20のチップ挿入部43に挿入するように構成する。
【0086】
・前記第4実施形態において、ソフトケースよりなるインクバッグ11を、ハードケースよりなるバッグ保持ケース45に収容したままの状態で、カートリッジケース23を使用することなく、プリンタのバッグ保持部22に直接セットするように構成してもよい。この場合、メモリチップ16は前記第6実施形態のように、バッグ保持ケース45の側壁外面に取り付けるように構成する。
【0087】
・前記第5実施形態において、1組のインクバッグ11のそれぞれに対応するようにメモリチップ16を設けるようにしてもよいし、1組のインクバッグ11の個数よりも少ないメモリチップ16を設けるようにしてもよい。
【0088】
・前記第6実施形態において、複数のインクバッグ11をハードケースにて形成し、それらのインクバッグ11をバッグ保持ケース45に収容したままの状態で、プリンタのバッグ保持部22にセットするように構成してもよい。
【0089】
・前記各実施形態において、メモリチップ16を、例えば非接触型メモリで構成し、プリンタ側に設けられたデータ受け渡し部30と光等を介してデータの送信を行うように構成してもよい。
【0090】
・前記各実施形態において、インクバッグ11上の識別マーク14を省略し、メモリチップ16に対してインクバッグ11に関するインクの属性データ等を予め書き込んで、印刷動作を制御するように構成してもよい。
【0091】
・前記各実施形態において、インクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換の監視手段として近接スイッチ等の検出スイッチを設け、プリンタに対するインクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換時に、これらの検出スイッチから検出信号が出力されるように構成してもよい。
【0092】
・前記各実施形態において、プリンタ本体20内に格納されたCPU33によるインクバッグ11とメモリチップ16との適応性の判断やインクバッグ11及びメモリチップ16の脱着交換の監視や積算使用量又は積算残量が所定値に達した時の警告の制御動作などを、プリンタ本体20の外部のPC38で行うようにしてもよい。また、PCと接続されるだけでなく、ファクスやコピーに接続されるプリンタで行うようにしてもよい。すなわち、請求項に記載のコンピュータとは、一般にコンピュータと称されるPC等だけでなく、処理演算が行うことが可能な電子計算機のすべてを含むものとする。
【0093】
次に上記実施形態及び別例から把握できる請求項に記載した以外の技術的思想について、それらの効果とともに以下に記載する。
【0094】
(1)前記インクバッグに識別マークを付したことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のインクバッグセット。
【0095】
従って、この(1)に記載の発明によれば、インクバッグ上の識別マークのデータをメモリチップに書き込むことにより、インクバッグ及びメモリチップをプリンタに装着した際に、それらの適合性の判断等に使用することができる。
【0096】
(2)複数のインクバッグを1組としてバッグ保持ケースに保持したことを特徴とする請求項1〜請求項4及び前記(1)項のうちのいずれか一項に記載のインクバッグセット。
【0097】
従って、この(2)に記載の発明によれば、複数のインクバッグが1組としてバッグ保持ケースに保持されている。このため、異色のインクを収容した複数のインクバッグをプリンタに同時に装着して使用する場合、同色のインクを収容した複数のインクバッグをプリンタに順に装着して使用する場合、あるいは一括して販売する場合に便利である。
【0098】
(3)前記メモリチップをバッグ保持ケースに取り付けたことを特徴とする前記(2)に記載のインクバッグセット。
従って、この(3)に記載の発明によれば、バッグ保持ケースに取り付けられたメモリチップを、インクバッグとともにプリンタに対して容易に装着することができる。
【0099】
(4)前記メモリチップは1組のインクバッグに対応して設けたことを特徴とする前記(2)項又は前記(3)項に記載のインクバッグセット。
従って、この(4)に記載の発明によれば、1つのメモリチップで複数のインクバッグの属性データ等の処理を容易に行うことができる。
【0100】
(5)前記メモリチップには、複数のインクバッグのインクの使用量又は残量に関するデータを書き込み可能な記憶領域を設けたことを特徴とする請求項4に記載のインクバッグセット。
【0101】
従って、この(5)に記載の発明によれば、同色のインクを収容した複数のインクバッグをプリンタに順に装着して使用する場合、各インクバッグのインクの使用量又は残量を継続的に管理することができる。
【0102】
(6)前記バッグセット部は、複数のインクバッグを保持するバッグ保持ケースをセットするように構成したことを特徴とする請求項5に記載のプリンタ。従って、この(6)に記載の発明によれば、複数のインクバッグをバッグ保持ケースに保持したままの状態で、バッグセット部に対して容易にセットすることができる。
【0103】
(7)前記メモリチップはインクの属性データを記憶し、前記データ受け渡し部は印刷動作のために、メモリチップから属性データを読み出すことを特徴とする請求項5、請求項7、請求項9及び前記(6)項の何れかに記載のプリンタ。
【0104】
従って、この(7)に記載の発明によれば、メモリチップからインクの属性データを読み出して、印刷動作を的確に制御することができる。
【0105】
(8)前記データ受け渡し部は、メモリチップに対してインクの既使用量のデータ又は残量のデータを書き込み、積算使用量又は積算残量が所定値に達した際に、警告のための制御動作を行うことを特徴とする請求項5、請求項7、請求項9、前記(6)項及び前記(7)項の何れかに記載のプリンタ。
【0106】
従って、この(8)に記載の発明によれば、インクバッグのインクの使用量又は残量を適正に管理することができて、インクがなくなったことを的確に警告することができ、インクバッグの交換を適切なタイミングで行うことができる。従って、インク切れ等の不都合な事態を未然に防止することができる。
【0107】
(9)印刷用のインクが収容されたインクバッグをセットするためのバッグセット部と、
前記インクバッグと別体のメモリチップとの間でデータの受け渡しをするデータ受け渡し部とを備えたプリンタと、
該プリンタからの信号を受け取って、該インクの積算使用量又は積算残量が所定値に達した際に、警告の制御動作を行うようにしたコンピュータと
から構成されるプリンタシステム。
【0108】
従って、この(9)に記載の発明によれば、インクバッグのインクの使用量又は残量を適正に管理することができて、インクがなくなったことを的確に警告することができ、インクバッグの交換を適切なタイミングで行うことができる。従って、インク切れ等の不都合な事態を未然に防止することができる。また、これを行うために、警告の制御動作を行うような機構をプリンタ内部に設けずともよいので、プリンタの構成を簡単にすることができる。
【0109】
【発明の効果】
以上、詳述したように、この発明によれば、メモリチップにインク残量あるいは使用量を書き込むことによって、インクの使用量又は残量の管理をインクバッグごとに行うことができる。よって、インクバッグをインクの使用途中でプリンタから取り外した後、そのインクバッグを再びプリンタに装着して使用する場合、インク使用量又は残量の管理を継続して行うことができる。また、メモリチップには、多量のデータを書き込むことができるため、インクバック管理を多量のデータに基づいて充分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のインクバッグセットを装着したプリンタを示す斜視図。
【図2】インクバッグ及びその装着構成を拡大して示す分解斜視図。
【図3】図1のプリンタを含む回路構成を示すブロック図。
【図4】インクバッグ及びメモリチップの交換時の警告表示動作を説明するフローチャート。
【図5】インクバッグ及びメモリチップの装着時におけるデータの読み込み及び処理動作を説明するフローチャート。
【図6】第2実施形態のプリンタを斜視図。
【図7】第3実施形態のインクバッグセットを示す斜視図。
【図8】第4実施形態のインクバッグセットを示す斜視図。
【図9】第5実施形態のインクバッグセットを示す斜視図。
【図10】第6実施形態のインクバッグセット及びその装着構成を示す斜視図。
【符号の説明】
11…インクバッグ
12…インクバッグ本体
14…識別マーク
15…収納部
16…メモリチップ
20…プリンタ本体
21…印字ヘッド
22…バッグセット部
23…カートリッジケース
26…チップ装着部
29…監視手段を兼用するマーク読み取り部
30…監視手段を兼用するデータ受け渡し部
33…制御手段及び判別手段を構成するCPU
38…コンピュータ
39…表示部
44…連結索
45…バッグ保持ケース
Claims (11)
- プリンタに装着して使用されるインクバッグを含むインクバッグセットであって、
印刷用のインクが収容された本体がソフトケースよりなる前記インクバッグと、
前記インクバッグが有する収納部に取り出し可能に収納されるメモリチップとを備え、
前記メモリチップは、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、前記収納部に収納され、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時には、前記収納部から取り出されて、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置され、当該使用時の状態において前記メモリチップには前記データ受け渡し部によって前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれることを特徴とするインクバッグセット。 - プリンタに装着して使用されるインクバッグを含むインクバッグセットであって、
印刷用のインクが収容された本体がソフトケースよりなる前記インクバッグと、
前記インクバッグに対して連結索を介して付設したメモリチップとを備え、
前記メモリチップは、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時には、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置され、当該使用時の状態において前記メモリチップには前記データ受け渡し部によって前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれることを特徴とするインクバッグセット。 - プリンタに装着して使用されるインクバッグを含むインクバッグセットであって、
印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、
前記インクバッグとは別体のメモリチップと、
前記インクバッグ及び前記メモリチップを収容するバッグ保持ケースとを備え、
前記識別マークは、前記インクバッグが前記バッグ保持ケースから取り出されてプリンタに装着された使用状態においては、プリンタに設けられたマーク読み取り部による読み取りが可能な対応位置に配置され、
前記メモリチップは、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には、前記インクバッグと共に前記バッグ保持ケースに収容されており、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時には、前記バッグ保持ケースから取り出されて、プリンタに設けられたデータ受け渡し部によるデータの受け渡しが可能な対応位置に配置され、当該使用時の状態において前記メモリチップには、前記マーク読み取り部により前記識別マークから読み取られたインクの属性データが前記データ受け渡し部によって書き込まれるとともに、前記データ受け渡し部によって前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが書き込まれることを特徴とするインクバッグセット。 - 複数の前記インクバッグと、同一のプリンタに装着される複数のインクバッグに共有される前記メモリチップとを備え、
前記メモリチップには、同一のプリンタに装着される前記複数のインクバッグのそれぞれに付された前記識別マークから前記マーク読み取り部により読み取られた各属性データが前記データ受け渡し部によって書き込まれるとともに、前記データ受け渡し部によって前記同一のプリンタに装着される前記複数のインクバッグごとのインクの使用量又は残量の情報を含むデータが前記各属性データに対応付けて書き込まれることを特徴とする請求項3に記載のインクバッグセット。 - 印刷用のインクが収容されたインクバッグをセットするためのバッグセット部と、
前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時にはプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと該メモリチップがプリンタに装着された状態でデータの受け渡しをするデータ受 け渡し部と、
前記インクバッグが前記バッグセット部にセットされた状態において、前記インクバッグ上に該インクバッグを識別しうるように付された識別マークを読み取るマーク読み取り部と、
前記データ受け渡し部により前記メモリチップから読み取られたインクバッグを識別可能なデータと、前記マーク読み取り部により識別マークから読み取られたデータとを比較して、前記メモリチップと前記インクバッグとの適合性を判別する判別手段とを備え、
前記データ受け渡し部は、前記判別手段が前記メモリチップと前記インクバッグとが適合すると判断した場合に、前記メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量を書き込むことを特徴とするプリンタ。 - 印刷用のインクが収容されたインクバッグをセットするためのバッグセット部と、
前記インクバッグを収容した状態で前記バッグセット部にセットされるカートリッジケース、又はプリンタにメモリチップが装着された状態で前記インクバッグを前記バッグセット部にセットした使用状態において、前記メモリチップとデータの受け渡しをするとともに該メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを書き込むデータ受け渡し部と、
前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換を監視する監視手段と、
前記監視手段により前記インクバッグ及び前記メモリチップのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間が経過しても他方の脱着交換が行われないことにより、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換がほぼ同時に行われないことが監視されたとき、警告のための制御動作を行わせる制御手段と
を備えたことを特徴とするプリンタ。 - 前記監視手段は、メモリチップとデータの受け渡しを行うデータ受け渡し部と、インクバッグ上に付された識別マークを読み取るマーク読み取り部とを備え、
前記データ受け渡し部は、前記メモリチップからインクバッグを識別するために読み出したデータが変更されたことによって前記メモリチップの脱着交換を検出し、
前記マーク読み取り部は、インクバッグを識別するために前記識別マークを読み取って得たデータが変更されたことによって前記インクバッグの脱着交換を検出することを特徴とする請求項6に記載のプリンタ。 - 印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムであって、
前記プリンタは、前記インクバッグをセットするためのバッグセット部と、前記メモリチップとデータの受け渡しをするデータ受け渡し部と、前記インクバッグ上に付された該インクバッグを識別可能な識別マークを読み取るマーク読み取り部とを備え、
前記プリンタは、前記データ受け渡し部により前記メモリチップから読み取られたインクバッグを識別可能なデータと、前記マーク読み取り部により前記識別マークから読み取られたデータとを比較して、前記メモリチップと前記インクバッグとの適合性を判別する判別動作を行うとともに、前記メモリチップと前記インクバッグとが適合するものと判別した場合に、前記データ受け渡し部による前記メモリチップへの前記インクバッグのインクの使用量又は残量に係る情報を含むデータの書き込みを行うものであり、一方、前記メモリチップと前記インクバックとが不適合と判別した場合は、前記コンピュータに不適合の旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記メモリチップと前記インクバックとが不適合の旨を表示部に表示させるものである、プリンタシステム。 - 印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時 にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムであって、
前記プリンタは、前記インクバッグをセットするためのバッグセット部と、前記メモリチップとデータの受け渡しをするデータ受け渡し部とを備え、
前記プリンタは、前記メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを書き込むとともに、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換を監視し、前記インクバッグ及び前記メモリチップのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間が経過しても他方の脱着交換が行われないことにより、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換がほぼ同時に行われないことが監視されたとき、前記コンピュータに他方の脱着交換を促す旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記他方の脱着交換を促す旨を表示部に表示させることを特徴とするプリンタシステム。 - 印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムの制御方法であって、
前記プリンタは、前記インクバック及びメモリチップがプリンタに装着された際に、前記インクバッグの識別マークから読み取られる該インクバッグを識別可能なデータと、前記メモリチップから得られたインクバッグに関するデータとを比較して、前記メモリチップと前記インクバックとの適合性を判別し、前記メモリチップと前記インクバックとが適合するものと判別した場合に、前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを前記メモリチップに書き込み、一方、前記メモリチップと前記インクバックとが不適合と判別した場合は、前記コンピュータに不適合の旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記メモリチップと前記インクバックとが不適合の旨を表示部に表示させることを特徴とする制御方法。 - 印刷用のインクが収容されるとともに識別マークが付されたインクバッグと、前記インクバッグがプリンタに装着されていない不使用時には前記インクバッグと共にプリンタに非装着な状態にあり、前記インクバッグがプリンタに装着される使用時にプリンタに装着されるメモリチップと、プリンタと、該プリンタに印刷データを送信するコンピュータと、を備えたプリンタシステムの制御方法であって、
前記プリンタは、前記インクバック及び前記メモリチップがプリンタに装着された状態において、前記メモリチップに前記インクバッグのインクの使用量又は残量の情報を含むデータを書き込むとともに、前記インクバック及び前記メモリチップの脱着交換を監視し、前記インクバック及び前記メモリチップのうち一方が脱着交換された後、予め設定された一定時間が経過しても他方の脱着交換が行われないことにより、前記インクバッグ及び前記メモリチップの脱着交換がほぼ同時に行われないことが監視されたとき、前記コンピュータに他方の脱着交換を促す旨の警告信号を出力し、前記コンピュータは前記警告信号に基づき前記他方の脱着交換を促す旨を表示部に表示させる警告動作を行うことを特徴とする制御方法。
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